JP2947585B2 - 衛星放送チューナ内蔵のテレビジョン受像機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野 本発明は、衛星放送チューナを内蔵したテレビジョン
受像機に関し、特にデスクランブルデコーダを外部に接
続することにより、有料の衛星放送チャネルを視聴し得
るようにしたテレビジョン受像機に関する。

［従来の技術］ 有料の衛星テレビジョンジョン放送では、映像がスク
ランブルされた状態で送られて来る。従って、有料衛星
放送チャネルの受信には、スクランブル映像を復元する
デスクランブルデコーダを必要とする。衛星放送チュー
ナを内蔵した通常のテレビジョン受像機には、一般に
は、このようなデスクランブルデコーダが組み込まれて
いない。有料放送の契約者が、デスクランブルデコーダ
を購入し、これを受像機に接続した後に、有料放送チャ
ンネルの視聴が可能となる。

第３図は、このような有料衛星放送チャンネルの受信
システムを系統図であって、衛星放送受信機を内蔵した
テレビジョン受像機１に、有料デコーダ２を接続して受
信システムを構成する。テレビジョン受像機１から有料
デコーダ２には、スクランブルされているFM検波出力VD
ETとPCM音声のビットストリーム出力Ｂが供給される。
有料デコーダ２は、例えば時間軸方向にセグメント化さ
れ、順序が入れ換えられた信号の復元（デスクランブ
ル）を行い、正規の映像信号Ｖ及びステレオ音声信号
Ｌ、Ｒを出力する。これらの出力信号Ｖ、Ｌ、Ｒは、有
料デコーダ２から接続線を介してテレビジョン受像機１
の外部ビデオ入力端子に入力され、映像と音声の視聴が
可能になる。

［発明が解決しようとする課題］ 上述のように外部接続の有料デコーダ２を用いて有料
の衛星放送チャンネルを受信する際の操作は次のように
煩雑である。すなわち、ユーザはまず選局釦を操作して
有料衛星放送チャンネルを選択し、次に入力モード選択
スイッチを、有料デコーダ２の出力を接続してある外部
ビデオ入力端子に切り替える。従って、通常は２回の操
作が必要であって手間がかかる上、不慣れなユーザは受
信操作の手順を覚えるのが容易でないという問題があ
る。

また、特開昭57−91085号「テレビ受像機」には、有
料チャンネルの選局操作を受けて切り替えられた切り替
えスイッチが、外部接続されたデコーダ（デスクランブ
ラ）の出力を入力として選択するようにしたテレビ受像
機が開示されている。しかしながら、このテレビ受像機
は、外部入力端子がデコーダ用に一つしか用意されてお
らず、このため切り替えスイッチも２入力１出力選択型
でしかなく、デコーダ以外にビデオテープレコーダやビ
デオディスクプレーヤといった他の映像機器を外部接続
するような余裕はなく、外部接続した複数の映像機器を
一括管理し、任意の出力を選択的に視聴に供するといっ
た実用性に欠けるといった課題を抱えるものであった。

また、本発明の出願後に出願公開された特開平３−80
619号「衛星放送受信チューナ内蔵VTR」には、有料放送
を判別したときに、外部接続されたデコーダに電源を供
給するとともに、このデコーダの出力を入力として選択
するようにしたVTRが開示されている。しかしながら、
このVTRも、前記テレビ受像機と同様、外部入力端子が
デコーダ用に一つしか用意されておらず、このため切り
替えスイッチも２入力１出力選択型でしかなく、従って
デコーダ以外に例えばビデオテープレコーダやビデオデ
ィスクプレーヤといった他の映像機器を外部接続し、こ
れら複数の映像機器を一括管理し、任意の出力を選択的
に視聴に供するといった実用性に欠けるといった課題を
抱えるものであった。

本発明は、この問題に鑑み、受信操作を単純にしてだ
れでも簡単に有料衛星放送チャンネルの受信操作ができ
るようにすることを目的とする。

［課題を解決するための手段 本発明の衛星放送チューナを内蔵したテレビジョン受
像機は、衛星放送チューナを内蔵し、有料衛星放送受信
時には、外部に接続したデコーダに上記衛星放送チュー
ナから受信信号を導出し、該デコーダの出力を所定の外
部入力端子を経て内部に取り込むようにしたテレビジョ
ン受像機であって、内蔵チューナ及び複数の外部入力端
子からの各信号を入力とし、これらの複数の入力中から
１つを選択して視聴に供するモード選択回路と、外部指
令に応じて前記モード選択回路の選択動作を制御すると
ともに、有料衛星放送チャンネルを選択するチャンネル
操作がなされたときは、該操作に応答して予め前記デコ
ーダ出力取り込み用に指定済みの特定の外部入力端子か
らの入力を選択させる制御信号を前記モード選択回路に
供給するコントローラとを備えたことを特徴とするもの
である。

［作用］ 有料衛星放送チャンネルを選択したときには、特定の
外部入力端子からの入力を選択するようにモード選択回
路が制御される。衛星放送チューナから外部接続された
デコーダに導出された受信信号は、デスクランブルさ
れ、上記外部入力端子から取り込まれてモード選択回路
にて選択される。この外部デコーダを経由する信号通路
は、有料放送チャンネルの選局操作に応答して自動的に
形成される。

［実施例］ 第１図は、本発明の一実施例である衛星放送チューナ
を内蔵したテレビジョン受像機の要部ブロック図を示
す、受像機１でもって有料衛星放送チャンネルを受信す
るときには、第３図と同様に外部にデスクランブル用の
有料デコーダ（デスクランブラー）２を接続する。

受像機１は、TV（地上放送用）チューナ10及びBS（衛
星放送用）チューナ11を備える。各チューナ10、11は、
VHF・UHFアンテナ30及びパラボラアンテナ31からの受信
信号に基づき、映像及び音声の検波出力Sa、Sbを出力す
る。これらの出力モード選択回路12で選択され、映像・
音声の出力回路13から図示しないCRT及びスヒーカに供
給される。

モード選択回路12は、受像機１の操作パネルに設けら
れている選局釦14又はリモートコントローラからの赤外
線信号をうける受光部15の出力に基づき、コントローラ
16で形成された切換え信号Scにより複数の信号ソースの
内の１つを選択する。コントローラ16は、例えばマイク
ロコンピュータで構成され、上記の選局釦14又は受光部
15の出力をうけて、上記切換え信号Scを形成すると供に
TVチューナ10及びBSチューナ11に選局制御信号Sd、Se
（例えばチューニング周波数のデータ）を供給する。

選局釦14及び図示しないリモートコントローラにより
有料衛星放送チャンネルを選択すると、BSチューナ11は
スクランブルされている受信映像信号及び音声を検波し
て、接続端子17a、17bにFM検波信号Sf及びビットストリ
ームSgを導出する。接続端子17a、17bには、既述のよう
に有料デコーダ２がシールド線18a、18bを介して係合さ
れている。

有料デコーダ２は予め設定されているデスクランブル
情報に従ってスクランブル信号をデスクランブルし、正
規の映像信号Ｖ及び音声信号Ｌ、Ｒ（ステレオ信号）を
シールド線19a、19bに導出する。これらのシールド線19
a、19bは受像機１の外部入力端子20a、20bに接続されて
いて、各入力端子から映像及び音声信号がモード選択回
路12に与えられる。

なお、外部入力端子20a、20bは、外部ビデオ入力AX1
と称され、他にも複数組の外部ビデオ入力AX2、AV3が設
けられている。

選局釦14又はリモートコントローラでもって有料放送
チャンネルを選択したときには、コントローラ16はそれ
らの選択操作に応答して、外部ビデオ入力AX1である入
力端子20a、20bからのデスクランブルされた映像信号Ｖ
及び音声信号Ｌ、Ｒを選択するための切換え信号Scをモ
ード選択回路12に供給する。モード選択回路12は、入力
端子20a、20bからの各信号を映像・音声の出力回路13に
供給するように、その内部のスイッチ回路の接続を変更
する。

従って、有料衛星放送チャンネルを選択したときに
は、BSチューナ11、有料デコーダ２、外部ビデオ入力AX
1、モード選択回路12及び映像・音声出力回路13の信号
経路を経て映像及び音声信号がCRT及びスピーカに供給
されることになる。このときのユーザの受信操作は、有
料衛星放送チャンネルの選択釦14又はリモートコントロ
ーラの操作だけであり、通常のチャンネル選択と変わり
ない。

なお、上述の自動モード選択の機能をオフにするスイ
ッチ21を操作部に設けてある。このスイッチ21をオフに
すると、有料衛星放送チャンネルを選択したとき、モー
ド選択回路12はBSチューナ11の出力を選択する。従っ
て、従来と全く同様に、操作部にある入力モード切換え
スイッチを操作して外部ビデオ入力AX1を選択しないか
ぎり、スクランブルされたままの映像が表示されること
になる。なお、このスイッチ21は、有料デコーダ２の接
続により自動的にオンとなるように、機械的又は電気的
な連動関係を有していてもよい。

第２図に、上述の自動モード選択機能を実現するコン
トローラ16の動作プログラムをフローチャートで示す。

まず、ステップS1でキースキャン又はリモートコント
ローラの赤外線信号の取り込みを行い、次のステップS2
で選局チャンネルが有料衛星放送チャンネルであるか否
か弁別する。有料放送チャンネル（イエスＹ）であれ
ば、次にステップ３でスイッチ21（自動モード選択のオ
ン／オフがオンであるか否かを判別し、オン（イエス
Ｙ）であれば、ステップS4で、コントローラ16からBSチ
ューナ11に制御データSe（チューニング情報）を送出
し、FM検波信号Sf及びビットストリームSgをBSチューナ
11から有料デコーダ２に導出させる。これと同時に、コ
ントローラ16からモード選択回路12に外部ビデオ入力AX
1を選択するための切換え信号Scを供給する。この一連
のアログラム動作により、有料衛星放送チャンネルの視
聴が可能になる。

ステップS2又はS3のいずれか１つの判断がＮ（ノー）
であったときには、ステップS5においてBSチャンネル用
制御データSeをコントローラ16からBSチューナ11に送出
する。このときには通常の衛星放送チャンネルの受信動
作が行われる。

［発明の効果］ 本発明によると、有料衛星放送チャンネルを選択した
ときには、複数備わっている外部入力端子のなかから予
めデコーダ出力取り込み用に指定されている特定の外部
入力端子からの入力を選択するようにモード選択回路を
制御し、外部接続したデコーダに受信信号を導出し、デ
コーダ出力を上記特定の外部入力端子から内部に取り込
む信号通路を自動的に形成するように構成したから、従
来のように有料衛星放送チャンネルを選択した後に、入
力モード選択スイッチを有料デコーダの出力を取り込む
外部ビデオ入力端子に切り替え、外部デコーダからのデ
コード出力を信号源として選択するといった煩わしい操
作は不要であり、通常の選局操作と全く変わらない簡単
な操作で有料放送チャンネルの視聴が可能であり、また
外部入力端子はデコーダ出力取り込み用以外にも備わっ
ているので、外部入力機器をデコーダだけが占有してし
まうことはなく、またコントローラが外部指令に応じて
モード選択回路の選択動作を制御するので、ビデオテー
プレコーダやビデオディスクプレーヤといった他の映像
機器をデコーダ出力取り込み用以外の外部入力端子に接
続しておくことで、外部から指令を与えるだけの簡単な
操作でもって多種多様な外部入力の選択が可能であり、
またデコーダが不要な場合は、デコーダ出力取り込み用
の外部入力端子にデコーダ以外の映像機器を接続し、有
料衛星放送チャンネル選局指定することで当該映像機器
からの外部入力を視聴に供することができ、これにより
数に限りのある外部入力端子を有効活用することができ
る等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す衛星放送チーナ内蔵
のテレビジョン受像機の要部ブロック図、第２図は、第
１図のコントローラの動作を説明するためのフローチャ
ート、第３図は、有料衛星放送受信システムの系統図で
ある。 １……衛星放送チューナ内蔵のテレビジョン受像機 ２……有料デコーダ 10……TV（テレビジョン）チューナ 11……BS（衛星放送）チューナ 12……モード選択回路 13……映像・音声出力回路 14……選局釦 15……受光部 16……コントローラ 21……スイッチ 20……VHF・UHFアンテナ 31……パラボラアンテナ AX1〜AX3……外部ビデオ入力

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H04N 7/20 H04N 5/44 - 5/62 H04B 1/18 H04K 1/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】衛星放送チューナを内蔵し、有料衛星放送
   受信時には、外部に接続したデコーダに上記衛星放送チ
   ューナから受信信号を導出し、該デコーダの出力を所定
   の外部入力端子を経て内部に取り込むようにしたテレビ
   ジョン受像機であって、内蔵チューナ及び複数の外部入
   力端子からの各信号を入力とし、これらの複数の入力中
   から１つを選択して視聴に供するモード選択回路と、外
   部指令に応じて前記モード選択回路の選択動作を制御す
   るとともに、有料衛星放送チャンネルを選択するチャン
   ネル操作がなされたときは、該操作に応答して予め前記
   デコーダ出力取り込み用に指定済みの特定の外部入力端
   子からの入力を選択させる制御信号を前記モード選択回
   路に供給するコントローラとを備えたことを特徴とする
   衛星放送チユーナ内蔵のテレビジョン受像機。