JP2937713B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体装置に関する
もので、特に半導体装置に数百MHz以上の高速動作を
させる分野で使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の半導体装置を示す斜視図
であり、図10は、図9に示す半導体装置の要部を示す
断面図である。半導体装置1は、高速動作、放熱特性、
電気特性に優れているセラミックからなるベ−ス部3と
封止部4とにより半導体チップ2が封止された構造とな
っている。
【0003】すなわち、ベ−ス部3の下面における中央
部にはペ−スト剤5を介して半導体チップ2が接合され
ている。前記ベ−ス部3の下面における周辺部にはガラ
ス系の接着剤6により材質が42アロイである鉄系のリ
−ドフレ−ム7が接着されている。このリ−ドフレ−ム
7の一端はワイヤボンディング8を介して前記半導体チ
ップ2と電気的に接続されている。前記リ−ドフレ−ム
7の下には接着剤6を介して封止部4の周辺部が設けら
れており、この封止部4により半導体チップ2、ワイヤ
ボンディング8及びリ−ドフレ−ム7の一部が封止され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
半導体装置では、リ−ドフレ−ム7の材質に、熱膨張係
数がガラス系の接着剤6と近似している42アロイを用
いているが、この42アロイは電気特性が悪いため、高
速動作が要求される半導体装置には用いることができな
い。すなわち、この42アロイは抵抗が高く、磁性体で
あるため、そのインダクタンスが周波数によって変化す
る。この変化とは、高い周波数帯において入力波形に比
べ、出力波形が歪むというものである。したがって、高
速動作が要求される半導体装置の場合、42アロイのリ
−ドフレ−ムは使用不可能である。
【0005】上述したような問題点を解決するために、
リ−ドフレ−ムの材質に電気特性に優れたCuを用いる
ということが考えられる。しかし、Cuはガラス系の接
着剤6との熱膨張係数に差があるため、上記従来の半導
体装置においてCu製のリ−ドフレ−ムを用いると、ガ
ラス系の接着剤6にクラックが生じ、半導体装置の信頼
性が劣化する。
【0006】この発明は上記のような事情を考慮してな
されたものであり、その目的は、数百MHz以上の高速
動作が可能となるCu製のリ−ドフレ−ムを用いても、
装置の信頼性が低下することのない半導体装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するため、ベース部と封止部とからなる外囲器と、
前記外囲器内に設けられた半導体チップと、前記半導体
チップと電気的に接続され、前記ベース部と前記封止部
との間に保持される複数のCu製のリードと、前記各
ードのベース部と封止部との間に位置する部分に形成さ
れたホールと、前記各ホール内、前記リードとベース部
の間、およびリードと封止部の間に設けられたガラス系
の接着剤とを具備している。
【0008】また、ベース部と封止部とからなる外囲器
と、前記外囲器内に設けられた半導体チップと、前記半
導体チップと電気的に接続され、前記ベース部と前記封
止部との間に保持される複数のCu製のリードと、前記
各リードのベース部と封止部との間の上部表面全体と前
記ベース部との間および下部表面全体と封止部との間に
設けられたポリイミドと、前記ポリイミドと前記ベース
部との間と、前記ポリイミドと前記封止部との間に設け
られたガラス系接着剤とを具備している。
【0009】前記リードの1つは電源ラインとして形成
され、他のリードよりも幅が大きくされている。
【0010】
【作用】この発明は、Cu製のリ−ドフレ−ムに、外囲
器であるベ−ス部と封止部とに挟まれた部分に位置する
アンカ−ホ−ルを設け、このアンカ−ホ−ルにガラス系
の接着剤が充填された状態で、この接着剤によりリ−ド
フレ−ムを前記ベ−ス部と封止部とに接着させている。
このため、リ−ドフレ−ムと接着剤との密着性を向上さ
せることができる。これにより、数百MHz以上の高速
動作が可能となるCu製のリ−ドフレ−ムを用いても、
ガラス系の接着剤におけるクラックの発生を防止するこ
とができる。したがって、半導体装置の信頼性が低下す
ることを防止することができる。
【0011】また、外囲器であるベ−ス部と封止部とに
挟まれた部分におけるCu製のリ−ドフレ−ムにポリイ
ミドをコ−ティングし、このポリイミドをガラス系の接
着剤によりベ−ス部と封止部とに接着させている。この
結果、リ−ドフレ−ムとポリイミドおよびポリイミドと
ガラス系の接着剤それぞれの密着性が良いため、リ−ド
フレ−ムと接着剤との密着性を良くすることができる。
これにより、数百MHz以上の高速動作が可能となるC
u製のリ−ドフレ−ムを用いても、ガラス系の接着剤に
おけるクラックの発生を防止することができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例によ
り説明する。図1は、この発明の第1の実施例による半
導体装置の要部を示す断面図であり、図2は、図1に示
す半導体装置におけるリ−ドフレ−ムの要部2を示す斜
視図である。半導体装置11は、高速動作、放熱特性、
電気特性に優れているセラミックからなる外囲器10で
あるベ−ス部13と封止部14とにより半導体チップ1
2が封止された構造となっている。前記半導体チップ1
2と電気的に接続されたCu性のリ−ドフレ−ム17は
ベ−ス部13と封止部14とに挟まれており、リ−ドフ
レ−ム17には前記挟まれた部分に位置するアンカ−ホ
−ル17aが設けられている。このアンカ−ホ−ル17
a内、前記挟まれた部分のリ−ドフレ−ム17とベ−ス
部13及び封止部14それぞれとの間にはガラス系の接
着剤16が設けられている。
【0013】すなわち、ベ−ス部13の下面における中
央部にはペ−スト剤15を介して半導体チップ12が接
合されている。前記ベ−ス部13の下面における周辺部
にはガラス系の接着剤16により材質がCuからなるリ
−ドフレ−ム17が接着されている。このリ−ドフレ−
ム17は、図2の示すように、各リ−ド部において前記
接着剤16が接着される部分にアンカ−ホ−ル17aが
設けられたものである。前記リ−ドフレ−ム17の一端
は、図1に示すように、ワイヤボンディング18を介し
て前記半導体チップ12と電気的に接続されている。前
記リ−ドフレ−ム17の下には接着剤16を介して封止
部14の周辺部が設けられている。従って、前記リ−ド
フレ−ム17におけるアンカ−ホ−ル17aには接着剤
16が充填された状態とされている。前記封止部14に
より半導体チップ12、ワイヤボンディング18及びリ
−ドフレ−ム17の一部が封止されている。
【0014】上記第1の実施例によれば、Cu製のリ−
ドフレ−ム17の各リ−ド部にアンカ−ホ−ル17aを
設け、このアンカ−ホ−ル17aにガラス系の接着剤1
6が充填された状態で、リ−ドフレ−ム17を接着剤1
6によりベ−ス部13と封止部14とに接着している。
このため、リ−ドフレ−ム17と接着剤16との密着性
を向上させることができる。これにより、電気特性に優
れたCu製のリ−ドフレ−ム17を用いても、ガラス系
の接着剤16におけるクラックの発生を防止することが
できる。したがって、Cu製のリ−ドフレ−ム17を用
いた半導体装置11により、放熱特性を損なうことな
く、数百MHz以上の高速動作を可能とすることができ
るとともに、半導体装置の信頼性を向上させることがで
きる。
【0015】また、半導体装置11において、Cu製の
リ−ドフレ−ム17を用いることにより、従来品に比
べ、半導体装置11全体の低コスト化を実現することが
できる。即ち、従来の42アロイ製のリ−ドフレ−ムよ
りCu製のリ−ドフレ−ム17の方が低価格であるた
め、半導体装置11全体の低コスト化を図ることができ
るのである。
【0016】尚、上記第1の実施例では、リ−ドフレ−
ム17の各リ−ドそれぞれに一つのアンカ−ホ−ルを設
けているが、リ−ドフレ−ム17の各リ−ドそれぞれに
複数のアンカ−ホ−ルを設けることも可能である。
【0017】図3は、この発明の第2の実施例による半
導体装置におけるリ−ドフレ−ムの要部を示す斜視図で
あり、図2と同一部分には同一符号を付し、異なる部分
についてのみ説明する。
【0018】リ−ドフレ−ム17において、GNDライ
ンに相当するリ−ド17bが電流密度を考慮して太く形
成されている。このリ−ド17bにおいて前記接着剤1
6が接着される部分には第1及び第2のアンカ−ホ−ル
17c、17dが設けられている。即ち、前記リ−ド1
7bには二つのアンカ−ホ−ル17c、17dが設けら
れており、前記リ−ド17b以外のリ−ドには一つのア
ンカ−ホ−ル17aが設けられている。
【0019】上記第2の実施例においても第1の実施例
と同様の効果を得ることができる。図4は、この発明の
第3の実施例による半導体装置の一部を示す断面図であ
り、図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分に
ついてのみ説明する。
【0020】ベ−ス部13の下面における周辺部にはガ
ラス系の接着剤16が塗布されている。この接着剤16
の下には写真食刻法によるポリイミド21が設けられて
おり、このポリイミド21の下にはリ−ドフレ−ム17
が設けられている。このリ−ドフレ−ム17の下にはテ
−プ状のポリイミド22が設けられており、このポリイ
ミド22の下には接着剤16を介して封止部14の周辺
部が設けられている。
【0021】図5及び図6は、図4に示す半導体装置に
おけるリ−ドフレ−ムの要部5の上面及び下面それぞれ
にポリイミドを設ける工程を示す斜視図である。先ず、
リ−ドフレ−ム17の下面1にはテ−プ状のポリイミド
22が貼り付けられる。次に、前記リ−ドフレ−ム17
の上面にはポリイミド21が塗布され、このポリイミド
21は写真食刻法により前記テ−プ状のポリイミド22
の上のみに残される。この際、前記ポリイミド21は、
ベ−ス部13下面の周辺部に位置するリ−ドフレ−ム1
7の上面、側面及びテ−プ状のポリイミド22の上に隙
間なく形成される。これは、ポリイミド21を写真食刻
法により形成しているためである。したがって、ベ−ス
部13下面の周辺部に対応する位置のリ−ドフレ−ム1
7は、一定の膜厚のポリイミド21によりコ−ティング
される。
【0022】上記第3の実施例によれば、Cu製のリ−
ドフレ−ム17においてベ−ス部13の周辺部に対応す
る位置にポリイミド21、22を隙間なく形成し、これ
らポリイミド21、22を接着剤16によりベ−ス部1
3及び封止部14に接着させている。この結果、リ−ド
フレ−ム17とポリイミド21、22およびポリイミド
21、22とガラス系の接着剤16それぞれの密着性が
良いため、リ−ドフレ−ム17とガラス系の接着剤16
との密着性を良くすることができる。これにより、電気
特性に優れたCu製のリ−ドフレ−ム17を用いても、
ガラス系の接着剤16におけるクラックの発生を防止す
ることができる。したがって、Cu製のリ−ドフレ−ム
17を用いた半導体装置11により、放熱特性を損なう
ことなく、数百MHz以上の高速動作を可能とすること
ができるとともに、半導体装置の信頼性を向上させるこ
とができる。
【0023】また、半導体装置11において、Cu製の
リ−ドフレ−ム17を用いることにより、従来品に比
べ、半導体装置11全体の低コスト化を実現することが
できる。
【0024】図7は、この発明の第4の実施例による半
導体装置の要部を示す断面図であり、図8は、図7に示
す半導体装置におけるリ−ドフレ−ムの要部8を示す斜
視図である。図7及び図8は、図4、図5及び図6と同
一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説
明する。
【0025】リ−ドフレ−ム17の各リ−ド部において
ベ−ス部13の下面の周辺部に対応する位置にアンカ−
ホ−ル17aが設けられており、このアンカ−ホ−ル1
7aの内には写真食刻法によるポリイミド21が隙間な
く形成されている。
【0026】すなわち、図8に示すように、アンカ−ホ
−ル17aが設けられたリ−ドフレ−ム17の下面には
テ−プ状のポリイミド22が貼り付けられている。前記
リ−ドフレ−ム17の上面、側面、アンカ−ホ−ル17
a内の側面及びテ−プ状のポリイミド22の上にはポリ
イミド21が隙間なく形成されている。
【0027】上記第4の実施例においても第3の実施例
と同様の効果を得ることができる。しかも、リ−ドフレ
−ム17にアンカ−ホ−ル17aを設けているため、リ
−ドフレ−ム17とポリイミド21、22およびポリイ
ミド21、22とガラス系の接着剤16それぞれの密着
性をさらに向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
Cu製のリ−ドフレ−ムに、外囲器であるベ−ス部と封
止部とに挟まれた部分に位置するアンカ−ホ−ルを設け
ている。また、ベ−ス部と封止部とに挟まれた部分にお
けるCu製のリ−ドフレ−ムにポリイミドをコ−ティン
グしている。したがって、数百MHz以上の高速動作が
可能となるCu製のリ−ドフレ−ムを用いても、半導体
装置の信頼性が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による半導体装置の要
部を示す断面図。
【図2】この発明の図1に示す半導体装置におけるリ−
ドフレ−ムの要部を示す斜視図。
【図3】この発明の第2の実施例による半導体装置にお
けるリ−ドフレ−ムの要部を示す斜視図。
【図4】この発明の第3の実施例による半導体装置の一
部を示す断面図。
【図5】この発明の図4に示す半導体装置におけるリ−
ドフレ−ムの要部を示す斜視図。
【図6】この発明の図4に示す半導体装置におけるリ−
ドフレ−ムの要部を示す斜視図。
【図7】この発明の第4の実施例による半導体装置の要
部を示す断面図。
【図8】この発明の図7に示す半導体装置におけるリ−
ドフレ−ムの要部を示す斜視図。
【図9】従来の半導体装置を示す斜視図。
【図10】図9に示す半導体装置の要部を示す断面図。
【符号の説明】
10…外囲器、11…半導体装置、12…半導体チップ、13…
ベ−ス部、14…封止部、15…ペ−スト剤、16…ガラス系
の接着剤、17…リ−ドフレ−ム、17a …アンカ−ホ−
ル、17b …GNDラインに相当するリ−ド、17c …第1
のアンカ−ホ−ル、17d …第2のアンカ−ホ−ル、18…
ワイヤボンディング、21…写真食刻法によるポリイミ
ド、22…テ−プ状のポリイミド。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース部と封止部とからなる外囲器と、 前記外囲器内に設けられた半導体チップと、 前記半導体チップと電気的に接続され、前記ベース部と
    前記封止部との間に保持される複数のCu製のリード
    と、前記各 リードのベース部と封止部との間に位置する部分
    に形成されたホールと、 前記各ホール内、前記リードとベース部の間、およびリ
    ードと封止部の間に設けられたガラス系の接着剤と を具
    備することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 ベース部と封止部とからなる外囲器と、 前記外囲器内に設けられた半導体チップと、 前記半導体チップと電気的に接続され、前記ベース部と
    前記封止部との間に保持される複数のCu製のリード
    と、 前記各リードのベース部と封止部との間の上部表面全体
    と前記ベース部との間および下部表面全体と封止部との
    間に設けられたポリイミドと、 前記ポリイミドと前記ベース部との間と、前記ポリイミ
    ドと前記封止部との間に設けられたガラス系接着剤と
    具備することを特徴とする半導体装置。
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