JP2936925B2 - 多層半導体磁器組成物の製造方法 - Google Patents

多層半導体磁器組成物の製造方法

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JP2936925B2
JP2936925B2 JP31476692A JP31476692A JP2936925B2 JP 2936925 B2 JP2936925 B2 JP 2936925B2 JP 31476692 A JP31476692 A JP 31476692A JP 31476692 A JP31476692 A JP 31476692A JP 2936925 B2 JP2936925 B2 JP 2936925B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体磁器の粒界に絶縁
層が形成されている多層半導体磁器組成物の製造方法に
関し、より詳しくは通信機器や音響機器に搭載される電
気回路等においてコンデンサを構成するために利用され
る多層半導体磁器組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信機器や音響機器などの小型化
に伴い、小型でかつ静電容量が大きいコンデンサが要求
されている。粒界絶縁型半導体磁器は小型でかつ静電容
量が大きいコンデンサ材料として期待され、実用化され
ている。
【0003】粒界絶縁型半導体磁器コンデンサは、半導
体化させたセラミックの結晶粒界に金属酸化物などを熱
拡散させて絶縁層を形成した半導体磁器組成物の成形体
の両面に電極を設けたものである。この種コンデンサで
は一般に、数nmの薄い粒界(絶縁層)の厚みを利用す
るため、小型で大きな静電容量が得られる。
【0004】現在、使用されている半導体磁器組成物と
しては、チタン酸バリウム系とチタン酸ストロンチウム
系の2種類の材料系がある。チタン酸バリウム系ではそ
の特性に起因して静電容量を大きくとることができる
が、その値は温度や周波数によって影響されやすいとい
う問題点がある。一方、チタン酸ストロンチウム系では
見かけの静電容量がチタン酸バリウム系より小さいが、
その値は温度や周波数による影響を受けにくく、さらに
誘電損失が小さいという利点がある。
【0005】近年、通信機器や音響機器等は高い周波数
領域で用いられていることが多く、高周波特性に優れた
信頼性の高いコンデンサが要求され、チタン酸ストロン
チウム系が注目されている。
【0006】そして、小型で静電容量の大きいチタン酸
ストロンチウム系半導体磁器コンデンサを製造するため
に、その母材である半導体磁器組成物の比誘電率を向上
させることが図られている。例えば、特公昭58ー23
730号公報には、SrTiO3 にBi23 及びNb
25 を添加して焼成し、Cu2 O及びMnO2 を拡散
させて得られる粒界絶縁型半導体磁器組成物が開示され
ている。
【0007】ここでチタン酸ストロンチウム系半導体磁
器コンデンサの従来の製造方法の1例を以下に説明す
る。
【0008】まず、SrCO3 及びTiO2 を所定量秤
量して混合し、次に大気中で1000℃〜1300℃の
仮焼合成をすることによって得られるSrTiO3 粉末
にさらにNb25 等の半導体化剤、焼結助剤を適当量
添加することによって原料粉末を得る。その後、この原
料粉末に適当量のバインダ、例えばPVA(ポリビニル
アルコール)を1.5%〜2.5%加えることによって
成形性を向上させ、圧力1ton/cm2 でプレスし、直径1
0×高さ1mmの円板状もしくは円柱状の成形体を得る。
次に大気中で有機系バインダを除去した後、還元ガス、
例えばN2 /H2 混合ガス中で半導体化及び焼結を行な
い、焼結体を得る。その後、粒界を選択的に絶縁体化さ
せる粒界絶縁化剤、例えばBi23 系金属酸化物から
なる組成物をペースト状にしたものを焼結体表面に塗布
し、大気中で1100℃〜1250℃、30分〜2時間
の熱処理を施し、粒界を絶縁体化させる。その後、銀な
どの電極を両面に形成し、コンデンサを作製する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記方法によれば、S
rCO3 、TiO2 及びNb25 を所定量秤量して混
合して半導体化させることにより、SrTi1-X NbX
3 半導体磁器コンデンサを得る。この半導体磁器コン
デンサにおいては、そのSrサイトとTiサイトを占める原
子比が1のとき、すなわち[Sr]/[Ti1-X Nb
X ]=1のときは、静電容量、誘電損失は良好である
が、絶縁抵抗は低い。一方、その原子比が1より大きい
ときは絶縁抵抗は良好であるが静電容量は小さく、誘電
損失は大きくなる。従来の方法では単一組成の半導体磁
器しか製造することができず、静電容量、誘電損失、絶
縁抵抗とも良好な半導体磁器を製造することは困難であ
るという課題があった。
【0010】また、作製されるコンデンサの特性は試料
素体によって決定される。したがって炭酸ストロンチウ
ムや酸化チタン等の原料組成のバラツキや原料作製工程
の影響を受け、原料粉末の不均一性や、秤量、混合する
際の工程の管理が一定でない点などに起因して製造され
る製品の電気的特性が一定しないという課題があった。
【0011】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
って、静電容量、誘電損失が良好で、かつ絶縁抵抗が高
い多層半導体磁器組成物の電気的特性を安定させること
ができる多層半導体磁器組成物の製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討を
行なった結果、試料素体の表面にほぼ試料素体と同一で
はあるが、しかし、組成を微量に変化させ、制御した原
料粉末層を形成して、2層構造にすることにより、寸法
形状の均一性、電気的特性のバラツキを低減することが
できるという知見を得た。
【0013】すなわち、上記目的を達成するために本発
明に係る多層半導体磁器組成物の製造方法は、結晶粒内
がSrTi1-x Nbx3 (式中、xは0.001≦x
≦0.03の範囲の値)で示される組成を有する半導体
磁器組成物層と、結晶粒内がSr(Ti1-y Nbyz
3 (式中、yは0.001≦y≦0.03、zは1未
満の値)で示される組成を有する半導体磁器組成物層と
からなる多層半導体磁器組成物の製造方法であって、S
rTi1-x Nbx3 (式中、xは0.001≦x≦
0.03の範囲の値)で示される組成を有する成形体
に、結晶粒内がSr(Ti1-y Nbyz3 (式中、
yは0.001≦y≦0.03、zは1未満の値)で示
される組成を有する粉体をドクターブレード法によりコ
ーティングし、打ち抜いて焼成用成形体を形成し、その
後に該焼成用成形体を焼成することを特徴としている。
【0014】また、本発明に係る多層半導体磁器組成物
の製造方法は、結晶粒内がSrTi1-x Nbx3 (式
中、xは0.001≦x≦0.03の範囲の値)で示さ
れる組成を有する半導体磁器組成物層と、結晶粒内がS
r(Ti1-y Nbyz3(式中、yは0.001≦
y≦0.03、zは1未満の値)で示される組成を有す
る半導体磁器組成物層とからなる多層半導体磁器組成物
の製造方法であって、SrTi1-x Nbx3 (式中、
xは0.001≦x≦0.03の範囲の値)で示される
組成を有する成形体に、結晶粒内がSr(Ti1-y Nb
yz3 (式中、yは0.001≦y≦0.03、z
は1未満の値)で示される組成を有するグリーンシート
を貼り合わせ、その後に焼成することを特徴としてい
る。
【0015】
【作用】上記方法によれば、結晶粒内がSrTi1-x
x3 (式中、xは0.001≦x≦0.03の範囲
の値)で示される組成を有する半導体磁器組成物層と、
結晶粒内がSr(Ti1-y Nbyz3 (式中、yは
0.001≦y≦0.03、zは1未満の値)で示され
る組成を有する半導体磁器組成物層とからなる多層半導
体磁器組成物の製造方法であって、SrTi1-x Nbx
3 (式中、xは0.001≦x≦0.03の範囲の
値)で示される組成を有する成形体に、結晶粒内がSr
(Ti1-y Nbyz3 (式中、yは0.001≦y
≦0.03、zは1未満の値)で示される組成を有する
粉体をドクターブレード法によりコーティングし、打ち
抜いて焼成用成形体を形成し、その後に該焼成用成形体
を焼成するので、SrTi1-X NbX3 層は[Sr]
/[Ti1-X NbX ]=1であり、静電容量と誘電損失
は良好である。また、Sr(Ti1-y Nbyz3
のzが1未満の値であり、[Sr]/[Ti1-y Nb
y ]>1となり、この層では絶縁抵抗が高い。従って、
SrTi1-X NbX3 層とSr(Ti1-y Nbyz
3 層とによる多層構造により、SrTi1-X NbX
3 層とSr(Ti1-y Nbyz3 層の両者の長所を
活かすことが可能となる。しかも前記成形体とは特性の
異なるSr(Ti1-Y NbYZ3 層をドクターブレ
ード法により確実に形成することができ、寸法精度の均
一性が確保され、また電気的特性のバラツキも抑制され
ることとなる。
【0016】また、結晶粒内がSrTi1-x Nbx3
(式中、xは0.001≦x≦0.03の範囲の値)で
示される組成を有する半導体磁器組成物層と、結晶粒内
がSr(Ti1-y Nbyz3 (式中、yは0.00
1≦y≦0.03、zは1未満の値)で示される組成を
有する半導体磁器組成物層とからなる多層半導体磁器組
成物の製造方法であって、SrTi1-x Nbx3 (式
中、xは0.001≦x≦0.03の範囲の値)で示さ
れる組成を有する成形体に、結晶粒内がSr(Ti1-y
Nbyz3 (式中、yは0.001≦y≦0.0
3、zは1未満の値)で示される組成を有するグリーン
シートを貼り合わせ、その後に焼成する場合、各層の特
性を活かした上記半導体磁器組成物を容易にしかも確実
に得ることが可能となる。すなわち、原料組成のバラツ
キや原料作製工程の影響が少なくなり、一定の安定化し
た工程で上記多層半導体磁器組成物が得られ、寸法精度
の均一性が向上し、また電気的特性のバラツキも少なく
なる。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係る多層半導体磁器組成物の
製造方法の実施例を説明する。
【0018】実施例に係る多層半導体磁器組成物の製造
方法は大きく分けて3つの工程から構成されている。第
1工程、すなわち成形体の作製工程について述べる。
【0019】まずSrCO3 、TiO2 、Nb25
主原料とし、SrTi0.996 Nb0.0043 になるよう
に各原料を正確に秤量し、適量の玉石、分散剤、純水及
び鉱化剤を添加してポットミル内で24時間混合する。
混合されたスラリー状の原料を脱水乾燥させ、解砕す
る。解砕した解砕粉をAl23 ルツボに入れ、120
0℃、20時間で仮焼成合成する。所望の固溶体セラミ
ックが合成されていることをX線回析、組成分析等で確
認する。確認後、仮焼粉を解砕し、1.0μm前後に整
粒し、これにバインダ、溶剤を添加して、押出し成形
し、厚み1mmのシート状の成形体を得る。
【0020】次に、第2工程、すなわち表面層の作製工
程について述べる。
【0021】最初に、SrCO3 、TiO2 、Nb2
5 を主原料とし、Sr(Ti1-y Nby)z3 (0.0
01≦y≦0.03、 zは1未満の値) になるように各
原料を正確に秤量し、適量の玉石、分散剤、純水及び鉱
化剤を添加し、ポットミル内で24時間混合する。混合
されたスラリー状の原料を脱水乾燥させ、解砕する。解
砕した解砕粉を、Al23 ルツボに入れ、大気中、1
200℃で20時間、仮焼合成し、SrTiO3 粉体を
得る。所望の固溶体セラミックが合成されていることを
X線回析、組成分析等で確認する。
【0022】確認後、仮焼合成セラミックを解砕し、
1.0μm前後に整粒し、セラミック粉末を得る。第1
工程で作製された成形体にセラミック粉末を図1に示し
たドクターブレード法によりコーティングし、これを打
ち抜くことにより成形体を作製する。このドクターブレ
ード法に使用するナイフコータを図1に示す。図中10
はナイフコータを示しており、ナイフコータ10はドク
ターナイフ11、ローラ12とで構成されており、ドク
ターナイフ11の下方にはローラ12が配設されてい
る。ローラ12は被コーティング成形体13が巻架され
ている。図中14はスラリーを示しており、スラリー1
4がドクターナイフ11によってコーティング層15と
して形成され、被コーティング成形体13にコーティン
グされるようになっている。このコーティングした成形
体を直径10mmの円板状に打ち抜き、1000℃で保温
し、バインダを取り除き素体とする。
【0023】最後に第3工程、すなわち半導体化焼成及
び粒界絶縁化焼成工程について述べる。
【0024】第2工程で作製された素体を最高温度15
00℃、保持時間4時間、窒素90vol%、水素10vol%
の還元雰囲気中で焼成させて半導体化を行なった。得ら
れた焼結体を有機溶剤で十分洗浄した後、セラミック結
晶粒界を絶縁化するためにBi23 系金属酸化物粉末
に有機ビヒクルを添加したペーストを焼結体に塗布し、
大気中で1250℃で30分熱処理し、多層半導体磁器
組成物を作成する。これら多層半導体磁器組成物に市販
の銀ペーストを印刷し、800℃で電極を焼き付けて評
価用試料とした。
【0025】次に、別の実施例について述べる。この別
の実施例に係る多層半導体磁器組成物の製造方法は大き
く分けて4つの工程から構成されている。第1工程、す
なわち成形体の作製工程について述べる。
【0026】まずSrCO3 、TiO2 、Nb25
主原料とし、SrTi0.996 Nb0.0043 になるよう
に各原料を正確に秤量し、適量の玉石、分散剤、純水及
び鉱化剤を添加してポットミル内で24時間混合する。
混合されたスラリー状の原料を脱水乾燥させ、解砕す
る。解砕した解砕粉をAl23 ルツボに入れ、120
0℃、20時間で仮焼成合成する。所望の固溶体セラミ
ックが合成されていることをX線回析、組成分析等で確
認する。確認後、仮焼粉を解砕し、1.0μm前後に整
粒し、これにバインダ、溶剤を添加して、押出し成形
し、厚み1mmのシート状成形体を得る。
【0027】次に、第2工程、すなわち表面層に貼り合
わせる原料粉末グリーンシートを作製する工程について
述べる。最初に、SrCO3 、TiO2 、Nb25
Sr(Ti1-y Nby )z3 (0.001≦y≦0.0
3、 zは1未満の値) になるように秤量し、鉱化剤を添
加し、混合した。混合後の原料粉末を、Al23 ルツ
ボに入れ、大気中、1200℃で20時間、仮焼合成
し、SrTiO3 粉末を得る。
【0028】次に、この原料粉末をグリーンシートにす
るために、次のようなバインダを原料粉末に混合した。
原料粉末100 重量%に対して、ポリビニルブチラール5
重量%、ジブチルフタレート5重量%、エチレングリコ
ールモノ-n- ブチルエーテル10重量%、キシレン10重量
%及びトルエン10重量%を秤量し、アルミナ製のポット
に投入して、混合し、スラリーを作製した。このスラリ
ーからグリーンシートを作製した。
【0029】次に、第3工程、すなわち第2工程で得ら
れたグリーンシートと第1工程で得られた成形体を貼り
合わせるための工程について述べる。ポリビニルブチラ
ール、ジブチルフタレート、エチレングリコールモノ-n
- ブチルエーテル、キシレン、トルエンを1:1:2:2:2 に
配合して、ペースト状にし、それを接着剤とした。そし
て、200kG/cm2 の圧力を加えて、成形体とグリ
ーンシートとを貼り合わせた。これを直径10mmの円板
状に打ち抜き、1000℃で保温してバインダを取り除
いて素体とする。
【0030】最後に、第4工程、すなわち半導体化焼成
及び粒界絶縁化焼成工程について述べる。
【0031】素体を最高温度1500℃、保持時間4時
間、窒素90vol%、水素10vol%の還元雰囲気中で焼成
させて半導体化を行なった。得られた焼結体を有機溶剤
で十分洗浄した後、セラミック結晶粒界を絶縁化するた
めにBi2 O系金属酸化物粉末に有機ビヒクルを添加し
たペーストを焼結体に塗布し、大気中で1250℃で3
0分熱処理し、多層半導体磁器組成物を作成する。これ
ら多層半導体磁器組成物の両面に市販の銀ペーストを印
刷し、800℃で電極を焼き付けて評価用試料とした。
【0032】
【試料評価方法】完成した多層半導体磁器組成物の評価
は、次のように行なった。
【0033】静電容量及び誘電損失DF(%)に関して
は1V、1kHzの正弦波を試料に印加して測定した。
また絶縁抵抗値は半導体磁器組成物の両面の電極間に直
流電圧25Vを印加し、1分間に試料に流れる電流値を
測定してその値から計算した。これら結果を下記の表1
及び表2に示した。
【0034】なお、表1における実施例1〜6は表面層
をドクターブレード法によりコーティングし、打ち抜い
て焼成用成形体を形成し、その後に該焼成用成形体を焼
成した場合であり、表層面におけるx、y及びzの値は
請求項1記載の範囲内のものである。比較例1は表面層
をドクターブレード法によりコーティングし、打ち抜い
て焼成用成形体を形成するが、その表層面におけるzの
値が請求項1記載の範囲外のものである。比較例2は従
来の方法によるものであり、表面層を形成しなかったも
のである。表2の実施例7〜9はグリーンシートを貼り
あわせ、その後焼成した場合のものである。また比較例
3は表面層を形成しない場合のものであり、比較例4は
焼結体本体の組成がSrTi1-X NbX3 で表わせな
いものである。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1から明らかなように実施例1〜5のも
のにおいては静電容量が70nF以上で、誘電損失が
0.9%以下であり、しかも絶縁抵抗が9×108 Ω以
上であり、静電容量のバラツキσn-1 は6以下であり、
目的とする4種類の電気的特性がすべて良好であるとい
える。また実施例6においては、誘電損失が0.8%を
わずかに超えているが、静電容量が76.6nFであ
り、しかも絶縁抵抗が88.8×108 Ω以上であり、
静電容量のバラツキσn-1 においても3.41と電気的
特性がはるかに良くなっているといえる。しかし、比較
例1及び2のものでは、静電容量が小さく、静電容量の
バラツキも大きく、誘電損失も高く、絶縁抵抗も低い。
また表2から明らかなように実施例7〜9のものでは静
電容量が50nF以上で、誘電損失が0.8%以下であ
り、絶縁抵抗が高く、電気的特性が良好であるといえ
る。しかし、比較例3のものでは静電容量及び絶縁抵抗
が小さい。また比較例4のものでは静電容量が30nF
未満で、他に比べ極端に静電容量が小さい。
【0038】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明に係る多層半導体磁器組成物の製造方法は、結晶粒内
がSrTi1-x Nbx3 (式中、xは0.001≦x
≦0.03の範囲の値)で示される組成を有する半導体
磁器組成物層と、結晶粒内がSr(Ti1-y Nbyz
3 (式中、yは0.001≦y≦0.03、zは1未
満の値)で示される組成を有する半導体磁器組成物層と
からなる多層半導体磁器組成物の製造方法であって、S
rTi1-x Nbx3 (式中、xは0.001≦x≦
0.03の範囲の値)で示される組成を有する成形体
に、結晶粒内がSr(Ti1-y Nbyz3 (式中、
yは0.001≦y≦0.03、zは1未満の値)で示
される組成を有する粉体をドクターブレード法によりコ
ーティングし、打ち抜いて焼成用成形体を形成し、その
後に該焼成用成形体を焼成するので、SrTi1-X Nb
X3 層では[Sr]/[Ti1-X NbX ]=1であ
り、静電容量と誘電損失は良好である。また、Sr(T
1-y Nbyz3 層のzが1未満の値であり、[S
r]/[Ti1-y Nby ]>1となり、この層では絶縁
抵抗が高い。従って、SrTi1-X NbX3 層とSr
(Ti1-y Nbyz3 層とによる多層構造により、
SrTi1-X NbX3 層とSr(Ti1-y Nby z
3 層の両者の長所を活かすことができ、静電容量、誘
電損失、絶縁抵抗共に優れた半導体磁器を製造できる。
しかも前記成形体とは特性の異なるSr(Ti1-Y Nb
YZ3 層をドクターブレード法により確実に形成す
ることができ、寸法精度の均一性が確保され、また電気
的特性のばらつきも抑制することができる半導体磁器の
製造方法を得ることができる。
【0039】また結晶粒内がSrTi1-x Nbx3
(式中、xは0.001≦x≦0.03の範囲の値)で
示される組成を有する半導体磁器組成物層と、結晶粒内
がSr(Ti1-y Nbyz3 (式中、yは0.00
1≦y≦0.03、zは1未満の値)で示される組成を
有する半導体磁器組成物層とからなる多層半導体磁器組
成物の製造方法であって、SrTi1-x Nbx3 (式
中、xは0.001≦x≦0.03の範囲の値)で示さ
れる組成を有する成形体に、結晶粒内がSr(Ti1-y
Nbyz3 (式中、yは0.001≦y≦0.0
3、zは1未満の値)で示される組成を有するグリーン
シートを貼り合わせ、その後に焼成する場合、上記半導
体磁器組成物を容易にしかも確実に得ることができる。
従って静電容量、誘電損失、絶縁抵抗共に優れた半導体
磁器を製造できる。すなわち、原料組成のバラツキや原
料作製工程の影響が少なくなり、一定の安定化した工程
で上記多層半導体磁器組成物が得られ、寸法精度の均一
性が向上し、また電気的特性のバラツキも少ない多層半
導体磁器組成物の製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層半導体磁器組成物を製造する
際に用いるナイフコータを示す概略断面図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶粒内がSrTi1-x Nbx3 (式
    中、xは0.001≦x≦0.03の範囲の値)で示さ
    れる組成を有する半導体磁器組成物層と、結晶粒内がS
    r(Ti1-y Nbyz3 (式中、yは0.001≦
    y≦0.03、zは1未満の値)で示される組成を有す
    る半導体磁器組成物層とからなる多層半導体磁器組成物
    の製造方法であって、 SrTi1-x Nbx3 (式中、xは0.001≦x≦
    0.03の範囲の値)で示される組成を有する成形体
    に、結晶粒内がSr(Ti1-y Nbyz3 (式中、
    yは0.001≦y≦0.03、zは1未満の値)で示
    される組成を有する粉体をドクターブレード法によりコ
    ーティングし、打ち抜いて焼成用成形体を形成し、その
    後に該焼成用成形体を焼成することを特徴とする多層半
    導体磁器組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 結晶粒内がSrTi1-x Nbx3 (式
    中、xは0.001≦x≦0.03の範囲の値)で示さ
    れる組成を有する半導体磁器組成物層と、結晶粒内がS
    r(Ti1-y Nbyz3 (式中、yは0.001≦
    y≦0.03、zは1未満の値)で示される組成を有す
    る半導体磁器組成物層とからなる多層半導体磁器組成物
    の製造方法であって、 SrTi1-x Nbx3 (式中、xは0.001≦x≦
    0.03の範囲の値)で示される組成を有する成形体
    に、結晶粒内がSr(Ti1-y Nbyz3 (式中、
    yは0.001≦y≦0.03、zは1未満の値)で示
    される組成を有するグリーンシートを貼り合わせ、その
    後に焼成することを特徴とする多層半導体磁器組成物の
    製造方法。
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