JPH0521266A - 粒界絶縁型半導体磁器物質の製造方法 - Google Patents

粒界絶縁型半導体磁器物質の製造方法

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JPH0521266A
JPH0521266A JP9850291A JP9850291A JPH0521266A JP H0521266 A JPH0521266 A JP H0521266A JP 9850291 A JP9850291 A JP 9850291A JP 9850291 A JP9850291 A JP 9850291A JP H0521266 A JPH0521266 A JP H0521266A
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JP
Japan
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grain boundary
semiconductor
calcined
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temperature range
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JP9850291A
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Inventor
Osamu Kanda
修 神田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 SrCO3 、CaCO3 、TiO2、Nb2O5 及びCuO を主原料とした
粒界粒界絶縁型半導体磁器物質の製造方法において、前
記主原料物質を調合して混合した後仮焼合成し、解砕し
て焼結用助剤を添加混合した後有機バインダを添加して
所望の形状に成形し、前記有機バインダを蒸発させてか
ら還元雰囲気中で1380〜1550℃の温度範囲で
2.0〜8.0時間半導体化焼成し、半導体化焼成した
焼結体にBi、Co、Csのうちの一種以上を含む拡散剤ペー
ストを塗布し、1000〜1350℃の温度範囲で0.
5〜4.0時間、粒界絶縁化焼成することにより、粒界
絶縁型半導体磁器物質としての良好な特性を維持できる
とともに、安定した諸特性の下で粒界絶縁型半導体磁器
物質を製造することができる。従って、この粒界絶縁型
半導体磁器物質を通信機器や音響機器に搭載され、高周
波領域において使用される電子回路等のコンデンサに高
い信頼性を確保して利用することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粒界絶縁型半導体磁器物
質の製造方法、より詳細には通信機器や音響機器に搭載
される電子回路等のコンデンサに利用される粒界絶縁型
半導体磁器物質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粒界絶縁型半導体磁器コンデンサは、セ
ラミックの半導体結晶粒界に金属酸化物等を熱拡散させ
て絶縁層を形成した半導体磁器物質の両面に電極を付け
たものである。一般に、数nmの薄い粒界絶縁層を利用
するため、小型で大きな静電容量が得られる。
【0003】現在使用されている半導体磁器物質の主原
料としては、チタン酸バリウム系とチタン酸ストロンチ
ウム系の2種類の材料系がある。チタン酸バリウム系
は、チタン酸バリウムの誘電率が大きいため、静電容量
は大きいが、諸特性は温度や周波数によって影響されや
すいという問題点がある。一方、チタン酸ストロンチウ
ム系は、静電容量がチタン酸バリウム系よりも小さい
が、諸特性は温度や周波数によって影響されず、さらに
誘電損失が小さく、粒界構造の設計が行ないやすいとい
う利点がある。
【0004】近年、特に電子機器や電子回路等には高い
周波数領域で信頼性の高いコンデンサが要求されてお
り、チタン酸ストロンチウム系が注目されている。チタ
ン酸ストロンチウム系の粒界絶縁型半導体磁器コンデン
サの中でも、SrCO3 、CaCO3 、TiO2、Nb2O5 及びCuO を
結晶粒の主原料とするものは高周波に対応することがで
き、破壊電圧も高い。その半導体磁器物質の代表的な製
造方法として特開昭57−187906号公報において
開示された方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した公報
に示されたような従来のチタン酸ストロンチウム系の半
導体磁器物質の製造方法では、結晶粒径のばらつきが大
きく、従って諸特性が安定化しないという課題があっ
た。
【0006】本発明は上記した課題に鑑み発明されたも
のであって、SrCO3 、CaCO3 、TiO2、Nb2O5 及びCuO を
主原料とする粒界絶縁型半導体磁器物質の良好な特性を
維持しながら、結晶粒径のばらつきを小さくして安定し
た諸特性のもとで製造することができるような粒界絶縁
型半導体磁器物質の製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る粒界絶縁型半導体磁器物質の製造方法
は、SrCO3 、CaCO3 、TiO2、Nb2O5 及びCuO を主原料と
した粒界絶縁型半導体磁器物質の製造方法において、前
記主原料物質を調合して混合した後仮焼合成し、解砕し
て焼結用助剤を添加混合した後有機バインダを添加して
所望の形状に成形し、前記有機バインダを蒸発させてか
ら還元雰囲気中で1380〜1550℃の温度範囲で
2.0〜8.0時間半導体化焼成し、半導体化焼成した
焼結体にBi、Co、Csのうちの一種以上を含む拡散剤ペー
ストを塗布し、1000〜1350℃の温度範囲で0.
5〜4.0時間、粒界絶縁化焼成することを特徴として
いる。
【0008】
【作用】上記した方法によれば、SrCO3 、CaCO3 、Ti
O2、Nb2O5 及びCuO を主原料とした粒界絶縁型半導体磁
器物質の製造方法において、前記主原料物質を調合して
混合した後仮焼合成し、解砕して焼結用助剤を添加混合
した後有機バインダを添加して所望の形状に成形し、前
記有機バインダを蒸発させてから還元雰囲気中で138
0〜1550℃の温度範囲で2.0〜8.0時間半導体
化焼成し、半導体化焼成した焼結体にBi、Co、Csのうち
の一種以上を含む拡散剤ペーストを塗布し、1000〜
1350℃の温度範囲で0.5〜4.0時間、粒界絶縁
化焼成することにより、粒界絶縁型半導体磁器物質の良
好な特性が維持され、しかも結晶粒径のばらつきが小さ
くなり、安定な諸特性が得られる。
【0009】
【実施例】以下本発明に係る粒界絶縁型半導体磁器物質
の製造方法の実施例を説明する。まず主原料として、Sr
CO3 、CaCO3 、TiO2、Nb2O5 及びCuO を所望の組成比に
なるように調合し、適量の玉石、分散剤、純水とともに
ポットミル内で24時間混合する。混合されたスラリー
状の原料を脱水乾燥し、解砕する。解砕した解砕粉を、
例えば、アルミナ製もしくはジルコニア製の焼成るつぼ
に移し、1150℃で仮焼合成する。所望の固溶体セラ
ミックが合成されていることをX線回折、組成分析等で
確認する。確認した後、仮焼合成した粉を解砕し、1.
0μm前後の均一粉に整粒した後、焼結用助剤としてAl
2O3 、SiO2、 H3BO3の1種以上を主成分100molに
対して0.2〜0.6mol添加し、混合する。これに
有機バインダとしてポリビニルアルコール等を添加し
て、所望の形状、例えば直径10mm、厚み500μm
の円盤状になるように金型を用いてプレス法により成形
する。この成形体を1000℃で2時間保温し、有機バ
インダを蒸発させて取り除く。次に成形体を例えばアル
ミナ製の焼成るつぼに充填して還元雰囲気中で、138
0〜1550℃の温度範囲で2.0〜8.0時間焼成
し、セラミックの焼結と同時に半導体化させる。この
際、成形体とアルミナが反応しやすいため、ジルコニア
製の薄い板を成形体の下側に敷いておくのがよい。ま
た、還元雰囲気は水素濃度が1〜15%、窒素濃度が8
5〜99%の混合ガスが好ましい。
【0010】得られた焼結体をアセトン等の有機溶剤と
熱水との中で各々十分洗浄した後、拡散剤としてBi2O
3 、Co3O4 、Cs2CO3の1種以上を有機ビヒクル剤等を用
いて混練ペースト状にして焼結体表面に塗布する。これ
を大気中、1000〜1350℃の温度範囲で0.5〜
4.0時間、粒界絶縁化焼成を行ない粒界絶縁型半導体
磁器物質を得る。
【0011】さらに、前記粒界絶縁型半導体磁器物質の
特性を調べるために、半導体磁器物質の両面に市販の銀
ペーストを印刷し、800℃で焼き付けて電極を形成
し、素子を完成させた。
【0012】なお、還元雰囲気は焼結体が十分に半導体
化される条件であれば他のガス雰囲気、ガス濃度でも良
い。また、電極材料についても銀に限定されるものでは
なく、電極として機能し得るものであれば他のものでも
良い。
【0013】電気特性は、見掛けの比誘電率εapp 、誘
電損失DF(%)をインピーダンスアナライザで測定
し、絶縁抵抗を直流定電圧電源を用いて評価した。見掛
けの比誘電率εapp 、誘電損失tanδはAC1KH
Z 、印加電圧1Vで測定した値である。また、絶縁抵抗
は電極間に直流電圧25Vを印加し、1分間の電流値よ
り算出した。試料数は、それぞれの条件について30
個、電気的特性の数値はそれらの平均値とした。温度変
化率はAC1KHZ 、印加電圧1Vで−30°〜+90
°の間で静電容量を測定し、+20°の値を基準に変化
率の最大、最小値の絶対値を示したものである。これら
の結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表中*印のものは本発明の範囲外のものを
示し、それ以外はすべて本発明の範囲内のものを示して
いる。
【0016】表1から明らかなように、本発明の範囲内
のものは見掛けの比誘電率εapp が70000以上と大
きく、誘電損失DF(%)がほぼ1.5%以下と低く、
また絶縁抵抗を2.0×109 Ω以上に、温度変化率を
10%以下に安定させることができた。
【0017】このように上記した実施例に係る方法を用
いれば、良好な特性を維持できるとともに、安定した諸
特性の下で粒界絶縁型半導体磁器物質を製造することが
できる。従って、この粒界絶縁型半導体磁器物質を通信
機器や音響機器に搭載され、高周波領域において使用さ
れる電子回路等のコンデンサに高い信頼性を確保して利
用することが可能となる。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る粒界絶
縁型半導体磁器物質の製造方法にあっては、SrCO3 、Ca
CO3 、TiO2、Nb2O5 及びCuO を主原料とした粒界絶縁型
半導体磁器物質の製造方法において、前記主原料物質を
調合して混合した後仮焼合成し、解砕して焼結用助剤を
添加混合した後有機バインダを添加して所望の形状に成
形し、前記有機バインダを蒸発させてから還元雰囲気中
で1380〜1550℃の温度範囲で2.0〜8.0時
間半導体化焼成し、半導体化焼成した焼結体にBi、Co、
Csのうちの一種以上を含む拡散剤ペーストを塗布し、1
000〜1350℃の温度範囲で0.5〜4.0時間、
粒界絶縁化焼成することにより、粒界絶縁型半導体磁器
物質としての良好な特性を維持できるとともに、安定し
た諸特性の下で粒界絶縁型半導体磁器物質を製造するこ
とができる。従って、この粒界絶縁型半導体磁器物質を
通信機器や音響機器に搭載され、高周波領域において使
用される電子回路等のコンデンサに高い信頼性を確保し
て利用することが可能となる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 SrCO3 、CaCO3 、TiO2、Nb2O5 及びCuO
    を主原料とした粒界絶縁型半導体磁器物質の製造方法に
    おいて、前記主原料物質を調合して混合した後仮焼合成
    し、解砕して焼結用助剤を添加混合した後有機バインダ
    を添加して所望の形状に成形し、前記有機バインダを蒸
    発させてから還元雰囲気中で1380〜1550℃の温
    度範囲で2.0〜8.0時間半導体化焼成し、半導体化
    焼成した焼結体にBi、Co、Csのうちの一種以上を含む拡
    散剤ペーストを塗布し、1000〜1350℃の温度範
    囲で0.5〜4.0時間、粒界絶縁化焼成することを特
    徴とする粒界絶縁型半導体磁器物質の製造方法。
JP9850291A 1991-04-30 1991-04-30 粒界絶縁型半導体磁器物質の製造方法 Pending JPH0521266A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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