JP2762831B2 - 半導体磁器組成物の製造方法 - Google Patents

半導体磁器組成物の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体磁器の結晶粒界に
絶縁層が形成されている半導体磁器組成物の製造方法に
関し、より詳細には通信機器、音響機器、各種OA機器
に搭載される電子回路等においてコンデンサ、バリスタ
として利用される半導体磁器組成物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】粒界絶縁型半導体磁器組成物は、半導体
化させたセラミックの結晶粒界に金属酸化物などを熱拡
散させて絶縁層を形成したものであり、主にコンデンサ
として用いられている。この種コンデンサでは一般に、
数nmの薄い粒界(絶縁層)の厚みを利用するため、小
型で大きな静電容量が得られる。
【0003】現在、使用されている半導体磁器組成物の
主原料としては、チタン酸バリウム系とチタン酸ストロ
ンチウム系の2種類の材料系が挙げられる。チタン酸バ
リウム系はチタン酸バリウムの特性に起因して見かけの
比誘電率εapp は大きいが、その値は温度や周波数によ
って影響されやすいという問題点がある。一方、チタン
酸ストロンチウム系は見かけの比誘電率εapp がチタン
酸バリウム系より小さいが、その値は温度や周波数によ
る影響を受けにくく、さらに誘電損失が小さく、半導体
化が比較的容易で粒界の設計を行ない易いという利点が
ある。前記見かけの比誘電率εapp は下記の数1式で定
義され、半導体磁器の1つの物性を示すものである。
【0004】
【数1】 εapp =C・d/S ただし、C:静電容量 d:電極間距離 S:電極面積 をそれぞれ表わす。
【0005】近年、特に電子機器や電子回路等は高い周
波数領域で用いられていることが多く、また自動車用部
品として等、厳しい環境下で用いられることも多く、高
周波特性及び温度特性等に優れた信頼性の高いコンデン
サが要求され、チタン酸ストロンチウム系が注目されて
いる。
【0006】現在、チタン酸ストロンチウムを主成分と
した半導体磁器の結晶粒界にBi、Mn、Cu、Pb、
Alなどの金属酸化物を加えて熱拡散させ、高い誘電率
を得たもの、チタン酸カルシウムをチタン酸ストロンチ
ウムと固溶させ、さらにアルカリ金属を粒界に熱拡散さ
せてバリスタ機能を付与したものなどがあり、従来の主
な用途であった低周波用アナログ回路以外に、電源用ノ
イズフィルター、半導体デバイスのノイズ吸収素子等に
も使用が拡がっている。
【0007】粒界絶縁型半導体磁器における十分な容量
性を発現させるためには磁器結晶の成長を数十μm径ま
で促進させる必要があり、その手段として還元雰囲気焼
成が行なわれる。還元雰囲気焼成に際しては磁器素体を
例えばアルミナ製ルツボやジルコニア製ルツボ内に設置
して焼成するが、生産性を上げるために磁器素体を数個
重ねて同時に多数個焼成する場合がほとんどである。
【0008】しかし、還元雰囲気内で1400℃以上の
高温焼成を行うと液相焼結が進むため、焼成中に磁器素
体間に濡れが発生、成形体間焼結を引き起す結果、焼成
完了後に成形体溶着を引き起こす場合が多い。成形体溶
着が発生すると焼結体素子の分離が困難となるため、生
産性の低下は避けられず、製品コストを引き上げる原因
にもなっていた。かかる成形体溶着を緩和し、生産性を
向上させた開始例として、特開昭54−27948号公
報(助材成分にPrを添加したもの)、特開昭54−4
4750号公報(助材成分にPを添加したもの)などが
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開昭54−27948号公報(助材成分にPrを添
加したもの)、及び特開昭54−44750号公報(助
材成分にPを添加したもの)記載のものでは十分な容量
が得られていないという課題があった。
【0010】本発明は上記課題に鑑み発明されたもので
あって、半導体化のための還元雰囲気焼成の際の成形体
間溶着を抑制することにより生産性を高めることがで
き、しかもコンデンサとしての絶縁性と容量性などの電
気的特性も高めることができる半導体磁器組成物の製造
方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る半導体磁器組成物の製造方法はチタン酸
ストロンチウム化合物またはチタン化合物とストロンチ
ウム化合物との混合物を含む原料混合物を半導体化する
半導体化焼成工程と、前記半導体化焼成工程の後に結晶
粒界層を粒界絶縁化する粒界絶縁化工程とを含む半導体
磁器組成物の製造方法において、前記半導体化焼成工程
における還元雰囲気の露点を0〜12℃に設定すること
を特徴としている。
【0012】
【作用】上記方法によれば、半導体化焼成工程における
還元雰囲気の露点を0〜12℃に設定している。露点設
定を全く行なわないとき(還元ガスをそのまま通すと
き)には還元性は余りに強くなり過ぎて(Po2はおよそ
10-25 ppm)、SrTiO3 系の組成制御に支障を
きたす。この露点の設定は0〜12℃の水蒸気雰囲気チ
ャンバに還元ガスを通すことにより行なわれ、還元ガス
は所定の水蒸気量を含むこととなる。焼成工程において
雰囲気が高温になると、この還元ガス中に含まれた水蒸
気は水素と酸素とに分解され、酸素の分圧が上がること
により還元雰囲気が弱められる。従って、還元焼成が微
妙に弱められて液相焼結が抑制され、成形体間の溶着が
防止されると考えられる。また還元焼成作用が弱められ
ることにより、セラミック結晶粒の成長が数十μm径ま
での適度の大きさに抑えられ、電気的特性も良好になる
ことが実験により明らかになった。
【0013】すなわち、上記したように露点設定を行な
うことにより、焼結体における成形体間の溶着率が3%
以下に抑制され、また、平均結晶粒径DG は50μm以
下に制御することが可能となる。電気的特性としての容
量性の目安である見かけの比誘電率εapp は1.5×1
5 以上に保たれ、誘電損失DF(%)は1.0%以下
に抑えられる。絶縁抵抗IR(Ω)は直流25V定格の
場合、1.0×1010Ω以上となり、コンデンサとして
の絶縁性を十分満足していることが確認された。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る半導体磁器組成物の製造
方法の実施例を説明する。
【0015】まず、SrCO3、TiO2、 Nb2O5 、CuOからなる主
原料に適量の玉石、分散剤、純水とを加え、ポットミル
内で24時間混合を行う。混合されたスラリー状の原料
を脱水乾燥させて、解砕する。この解砕粉を例えばジル
コニア製の焼成ルツボ内に移し、1150℃で仮焼合成
して、セラミックにし、所定の固溶体セラミックが合成
されていることをX線解析、組成分析等で確認する。
【0016】次に仮焼合成セラミックを解砕し、1.0
μm前後の均一粉ふるいを用いて整粒する。この粉末に
有機バインダー等を添加して、直径10mm、厚み50
0μmの円板形状に成形する。この成形体を1000℃
で保温し、有機バインダを取り除く。その後、アルミナ
製の焼成ルツボ内に成形体を重ねたものを配置して還元
雰囲気焼成を行ない、セラミックの焼結と同時に半導体
化を行なう。この還元雰囲気焼成は水素1〜15%、窒
素85〜99%の混合ガスを設定露点0.0〜12.0
℃になるような水蒸気雰囲気チャンバに通した還元ガス
を用い、この還元ガス雰囲気中で、1380〜1550
℃の温度範囲内で2.0〜8.0時間焼成することによ
り行う。
【0017】次に得られた焼結体を有機溶剤(例えばア
セトン)と熱水中で十分洗浄した後、セラミック結晶粒
界を絶縁化するためにBiとCu成分とを同時に含む組
成物を混練ペースト状にして焼結体表面に塗布する。そ
の塗布量は焼結体1gあたり20〜50mg程度とす
る。これを大気中で1000〜1350℃の温度範囲内
で0.5〜4.0時間粒界絶縁化焼成を行ない、半導体
磁器組成物の製造を完成する。Bi、Cu成分が拡散し
ていることはEPMA等により確認した。
【0018】その半導体磁器組成物の両表面に市販の電
極用Agペーストを印刷し、800℃で電極を焼き付け
て評価用試料とした。なお、主原料にはSrCO3、TiO2、 Nb
2O5、CuO を用いたが主原料にはSrTiO3、 Nb2O5 、CuOを用
いても良く、また電極にはAgペーストを用いることと
したが、電極機能を有する材料であれば他のもので構わ
ない。
【0019】完成した半導体磁器組成物の評価は、次の
ように行なった。各設定露点における還元雰囲気焼成後
の成形体全数について成形体溶着の発生状況を確認し、
各設定露点ごとの成形体溶着率を算出した。試料のセラ
ミック結晶粒径の測定は試料断面のSEM観察により行
った。表1の平均結晶粒径DG のデータは各組成内で無
作為に取りだした30個についてSEM観察を行い、算
出した値である。
【0020】電気的特性は、見かけの比誘電率εapp
誘電損失DF(%)、絶縁抵抗IR(Ω)について評価
した。見かけの比誘電率εapp はインピーダンスアナラ
イザを用い、AC1kHz、1V、室温で測定した静電
容量をもとに成形体寸法から換算した値である。誘電損
失DF(%)もAC1kHz、1V、室温で測定した値
である。また、絶縁抵抗IR(Ω)は電極間に定格電圧
として直流25Vを印加し、印加1分後の電流値より算
出した。表1の電気的特性のデータはSrTiNb0.004Cu
0.002O3の組成について半導体磁器組成物を無作為に1
00個取りだし、それらの平均値を示している。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように請求項1の範囲内
の設定露点を用いた試験条件No.3〜8のものにおい
ては、焼結体の成形体溶着率を3%以下に抑えることが
できた。また、平均結晶粒径DG を50μm以下に抑え
ることができた。電気的特性として、容量性の目安であ
る見かけの比誘電率(εapp )を1.5×105 以上に
保つことができ、誘電損失(DF;%)を1.0%以下に抑
えることができ、絶縁抵抗IR(Ω)は直流25V定格
の場合、1.0×1010Ω以上であり、コンデンサとし
ての絶縁性を十分満足していることがわかった。このよ
うに実施例に係る磁器組成物は電気的特性に優れてお
り、高い絶縁性能を有する大容量コンデンサの製作が可
能である。
【0023】しかし、試験条件No.1、2、9、10
は請求項の範囲外(表1中(*)印)の設定露点におい
て焼成が行なわれたものであり、焼結体の成形体溶着率
が高くなり、また見かけの比誘電率εapp 、誘電損失D
F(%)が劣化するなど、電気的特性も満足する値が得
られていなことがわかる。
【0024】このように実施例に係る方法によれば、半
導体化のための還元雰囲気焼成の際の成形体間溶着を抑
制することができ、従って、生産性を高めることがで
き、しかもコンデンサとしての絶縁性と容量性などの電
気的特性を高めた磁器組成物を得ることができる。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る半導体
磁器組成物の製造方法ではチタン酸ストロンチウム化合
物またはチタン化合物とストロンチウム化合物との混合
物を含む原料混合物を半導体化する半導体化焼成工程
と、前記半導体化焼成工程の後に結晶粒界層を粒界絶縁
化する粒界絶縁化工程とを含む半導体磁器組成物の製造
方法において、前記半導体化焼成工程における還元雰囲
気の露点を0〜12℃に設定するので、前記半導体化焼
成工程における成形体間溶着を抑制することができ、従
って生産性を高めることができ、しかもコンデンサとし
ての絶縁性と容量性などの電気的特性を高めた磁器組成
物を得ることができる。
【0026】
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/00 - 35/52 C04B 35/547 C04B 35/553 C04B 35/622 C04B 35/626 C04B 35/628 C04B 35/63 C04B 35/632 C04B 35/64

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン酸ストロンチウム化合物またはチ
    タン化合物とストロンチウム化合物との混合物を含む原
    料混合物を半導体化する半導体化焼成工程と、前記半導
    体化焼成工程の後に結晶粒界層を粒界絶縁化する粒界絶
    縁化工程とを含む半導体磁器組成物の製造方法におい
    て、前記半導体化焼成工程における還元雰囲気の露点を
    0〜12℃に設定することを特徴とする半導体磁器組成
    物の製造方法。
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