JP2936876B2 - 半導体磁器組成物及びその製造方法 - Google Patents

半導体磁器組成物及びその製造方法

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JP2936876B2 JP6613492A JP6613492A JP2936876B2 JP 2936876 B2 JP2936876 B2 JP 2936876B2 JP 6613492 A JP6613492 A JP 6613492A JP 6613492 A JP6613492 A JP 6613492A JP 2936876 B2 JP2936876 B2 JP 2936876B2
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修 神田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体磁器の粒界に絶縁
層が形成されている半導体磁器組成物及びその製造方法
に関し、より詳しくは通信機器や音響機器に搭載される
電子回路等においてコンデンサとして利用される粒界絶
縁型半導体磁器組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粒界絶縁型半導体磁器コンデンサは、半
導体化させたセラミックの結晶粒界に金属酸化物などを
熱拡散させて絶縁層を形成した半導体磁器組成物の両面
に電極を設けたものである。一般に、数nmの薄い粒界
(絶縁層)の厚みを利用するため、小型で大きな静電容
量が得られる。
【0003】現在、使用されている半導体磁器組成物の
主原料としては、チタン酸バリウム系とチタン酸ストロ
ンチウム系の2種類の材料系がある。チタン酸バリウム
系はチタン酸バリウムの特性に起因して見かけの比誘電
率εapp が大きいが、その値は温度や周波数によって影
響されやすいという問題点がある。一方、チタン酸スト
ロンチウム系は見かけの比誘電率εapp がチタン酸バリ
ウム系より小さいが、その値は温度や周波数による影響
を受けにくく、さらに誘電損失が小さい。さらに半導体
化が比較的容易で粒界の設計が行ない易いという利点が
ある。ところで見かけの比誘電率εapp は下記の数1式
で定義され、半導体磁器の1つの物性を示すものであ
る。
【0004】εapp =C・d/S ただし、C:静電容量 d:電極間距離 S:電極面積 近年、特に電子機器や電子回路等は高い周波数領域で用
いられていることが多く、また自動車用部品として等厳
しい環境下で用いられることも多く、高周波特性及び温
度特性等に優れた信頼性の高いコンデンサが要求され、
チタン酸ストロンチウム系が注目されている。
【0005】現在、チタン酸ストロンチウム系半導体磁
器コンデンサは、使用周波数領域の高周波化が進み、例
えば、特開昭64-18213号公報によれば、チタン酸ストロ
ンチウム系半導体磁器組成物の原料に様々な助剤を微量
添加することにより使用周波数領域の上限が約1MHz
にまで広げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
64-18213号公報に示されたチタン酸ストロンチウム系半
導体磁器組成物は周波数の上限が約1MHzで、それを
超えると特に見かけの比誘電率が著しく減少し、誘電損
失が大きくなる問題点があり、10MHzまでの周波数を
使用する電気回路には搭載できないという問題点があっ
た。
【0007】本発明は上記した課題に鑑み発明されたも
のであって、使用周波数の上限が高く、かつ使用周波数
領域では見かけの比誘電率の変化量および誘電損失の変
化量がともに小さい半導体磁器組成物とその製造方法を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る半導体磁器組成物は、結晶粒の主成分が
(Sr1-X-Y CaX MgY)Ti1-ZZ3 (式中、A
はNbあるいはYのうちの1種または2種の元素を示し
ており、X、YおよびZはそれぞれ、0.10≦X≦
0.30、0.05≦Y≦0.15、0.002≦Z≦
0.008の範囲にある値)で示される組成を有する焼
結体であって、該焼結体の結晶粒界にBi、Co及びM
gを含んでいることを特徴とし、また、本発明に係る上
記の半導体磁器組成物製造方法は、結晶粒の主成分が
(Sr1-X-Y CaX MgY)Ti1-ZZ3 (式中、A
はNbあるいはYのうちの1種または2種の元素を示し
ており、X、YおよびZはそれぞれ、0.10≦X≦
0.30、0.05≦Y≦0.15、0.002≦Z≦
0.008の範囲にある値)で示される組成を有する焼
結体にBi23 、CoOおよびMgOの化合物を含む
金属酸化物を塗布し、この後粒界絶縁化焼成を行なうこ
とを特徴としている。
【0009】
【作用】結晶粒の主成分が(Sr1-X-Y CaX MgY)T
1-ZZ3 (式中、AはNbあるいはYのうちの1
種または2種の元素を示しており、X、YおよびZはそ
れぞれ、0.10≦X≦0.30、0.05≦Y≦0.
15、0.002≦Z≦0.008の範囲にある値)で
示される組成を有する焼結体にBi23 、CoOおよ
びMgOの化合物を含む金属酸化物を塗布し、この後粒
界絶縁化焼成を行なうことにより、電気的特性として容
量性の目安である見かけの比誘電率εappを1.0×
10 以上に上げることができ、また誘電損失DF
(%)は1.5%以下に抑えることができ、直流破壊電
圧BDV(V/mm)は2000V/mm以上に上げる
ことができる。さらに、結晶粒径と粒内抵抗率が制御さ
れた結果、使用周波数の上限が高く、かつ使用周波数が
1KHz〜10MHzの領域では見かけの比誘電率の変
化率が−10%〜0%以内で誘電損失が1.5%以下の
半導体磁器組成物が得られる。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る半導体磁器組成物及びそ
の製造方法の実施例を説明する。
【0011】SrCO3 、CaCO3 、MgOおよびT
iO2 からなる主原料にNb25あるいはY23
ら選んだ1種または2種を添加し、所望の組成比になる
ように調合する。調合は各原料を正確に秤量し、適量の
玉石、分散剤、純水とともにポットミル内で24時間混
合することにより行なう。混合されたスラリー状の原料
を脱水乾燥させ、解砕する。解砕した解砕粉を例えばジ
ルコニア製の焼成ルツボ内に移し、1150℃で仮焼合
成し、セラミックにする。所望の固溶体セラミックが合
成されていることをX線回析、組成分析等で確認した。
【0012】確認後、仮焼合成セラミックを解砕し、
1.0μm前後の均一粉ふるいを用いて整粒した後、少
なくともAl23 あるいはSiO2 から選んだ1種以
上を含む焼結用助剤を添加し、混合する。これに有機バ
インダとして例えばポリビニールアルコール等を添加し
て、直径10mm、厚み 500μm になるように円板状に成形
する。成形体を1000℃で保温し、有機バインダを取り除
く。次に成形体を例えばアルミナ製の焼成ルツボに充填
して還元雰囲気焼成を行ない、セラミックの焼結と同時
に半導体化を行なう。還元雰囲気焼成は、水素濃度が1
〜15%かつ窒素濃度が85〜99%の混合ガス雰囲気
中で1450〜1500℃の範囲内で4.0〜8.0時間焼成す
ることにより行なう。得られた焼結体を有機溶剤(例え
ばアセトン)と熱水中で十分洗浄した後、セラミック結
晶粒界を絶縁化するためにBi2 3 、CoOおよびM
gOを含む金属酸化物を混練ペースト状にして焼結体表
面に塗布する。塗布量は、焼結体1g 当たり10〜20mg程
度で良い。これを大気中で1070〜1150℃の範囲内で1.0
〜 2.0時間粒界絶縁化焼成を行い、半導体磁器組成物の
製造を完成する。Bi、Co及びMgが拡散されている
ことをEPMA等で確認した。
【0013】その半導体磁器組成物の両面に市販の銀ペ
ーストを印刷し、800 ℃で電極を焼き付けて評価用試料
とした。
【0014】
【試料評価方法】完成した半導体磁器組成物の評価は、
次のように行なった。
【0015】電気特性は、見かけの比誘電率εapp、誘
電損失DF(%)をインピーダンスアナライザで、直流
破壊電圧BDV(V/mm)を直流定電圧電源で評価し
た。見かけの比誘電率εapp、誘電損失DFはAC1K
Z、印加電圧1Vで測定した値で、直流破壊電圧B
(V/mm)は素体間に直流電圧を除々に印加し、1
mAの電流が流れたときの電圧値を素体1mmあたりに
換算した値である。表1の電気的特性のデータは、それ
ぞれの組成について半導体磁器組成物を無作為に30個
取り出し、それらの平均値を示している。
【0016】静電容量および誘電損失の周波数特性は、
1KHZ 〜10MHZ の領域で測定した。静電容量の周
波数特性は、1KHZ のときの値を基準値とした静電容
量の変化率△Cを算出して図1に示した。なお、図1は
便宜上静電容量の変化率△Cを示したが、コンデンサの
素子形状が変化していないので、実質上見かけの比誘電
率εapp の変化率Δεapp を示している。
【0017】
【表1】
【0018】
【表1の2】
【0019】
【表1の3】
【0020】
【表1の4】
【0021】表1から明らかなように請求項1の範囲内
に含まれている配合組成No.2〜4、7〜9、12〜
15、18、19、21〜29のものは電気的特性とし
て容量性の目安である見掛けの比誘電率εapp が1.0
×105 以上に上げることができ、また誘電損失DF
(%)を1.5%以下に抑えることができ、直流破壊電
圧BDV(V/mm)を2000V/mm以上に上げる
ことができていることがわかる。しかし配合組成No.
5、6、10、11、16、17、20、30〜32は
請求項1の範囲外の組成であり、上記の特性を満たして
いないことがわかる。また図1から本実施例のものに関
しては結晶粒径と粒内抵抗率が制御された結果、使用周
波数の上限が高く、かつ使用周波数が1KHz〜10M
Hzの領域では静電容量の変化率すなわち、見かけの比
誘電率の変化率が−10%〜0%以内で誘電損失が1.
5%以下の半導体磁器組成物が得られていることがわか
る。それに較べ比較例のものでは、使用周波数が1KH
z〜10MHzの領域では静電容量の変化率すなわち、
見かけの比誘電率の変化率が−15%〜0%と大きく、
また誘電損失が3.5%まで大きくなっており、使用周
波数の上限が低いことがわかる。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る半導体磁器組成物にあって
は、使用周波数の上限が高く、使用周波数領域では見か
けの比誘電率の変化量及び誘電損失が小さいので、10
MHzまでを使用周波数とする通信機器や音響機器搭載
される電気回路に使用することができ、信頼性の高いコ
ンデンサを提供することができる。また、本発明に係る
半導体磁器組成物製造方法にあっては、従来のプロセ
スと略同様のプロセスにより高周波用として優れた半導
体磁器組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例と比較例との周波数に対す
る静電容量の変化率△C(%)および誘電損失DF
(%)を示したグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶粒の主成分が(Sr1-X-Y CaX Mg
    Y)Ti1-ZZ3 (式中、AはNbあるいはYのうち
    の1種または2種の元素を示しており、X、YおよびZ
    はそれぞれ、0.10≦X≦0.30、0.05≦Y≦
    0.15、0.002≦Z≦0.008の範囲にある
    値)で示される組成を有する焼結体であって、該焼結体
    の結晶粒界にBi、Co及びMgを含んでいることを特
    徴とする半導体磁器組成物。
  2. 【請求項2】結晶粒の主成分が(Sr1-X-Y CaX Mg
    Y)Ti1-ZZ3 (式中、AはNbあるいはYのうち
    の1種または2種の元素を示しており、X、YおよびZ
    はそれぞれ、0.10≦X≦0.30、0.05≦Y≦
    0.15、0.002≦Z≦0.008の範囲にある
    値)で示される組成を有する焼結体にBi23 、Co
    OおよびMgOの化合物を含む金属酸化物を塗布し、こ
    の後粒界絶縁化焼成を行なうことを特徴とする請求項1
    記載の半導体磁器組成物製造方法。
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