JP2734888B2 - 半導体磁器組成物の製造方法 - Google Patents

半導体磁器組成物の製造方法

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JP2734888B2 JP19057792A JP19057792A JP2734888B2 JP 2734888 B2 JP2734888 B2 JP 2734888B2 JP 19057792 A JP19057792 A JP 19057792A JP 19057792 A JP19057792 A JP 19057792A JP 2734888 B2 JP2734888 B2 JP 2734888B2
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修 神田
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体磁器の粒界に絶縁
層が形成されている半導体磁器組成物の製造方法に関
し、より詳しくは通信機器や音響機器に搭載される電子
回路等においてコンデンサとして利用される粒界絶縁型
半導体磁器組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粒界絶縁型半導体磁器コンデンサは、半
導体化させたセラミックの結晶粒界に金属酸化物などを
熱拡散させて絶縁層を形成した半導体磁器組成物の両面
に電極を設けたものである。一般に、数nmの薄い粒界
(絶縁層)の厚みを利用するため、小型で大きな静電容
量が得られる。
【0003】現在、使用されている半導体磁器組成物の
主原料としては、チタン酸バリウム系とチタン酸ストロ
ンチウム系の2種類の材料系がある。チタン酸バリウム
系はチタン酸バリウムの特性に起因して見かけの比誘電
率εapp が大きいが、その値は温度や周波数によって影
響されやすいという問題点がある。一方、チタン酸スト
ロンチウム系は見かけの比誘電率εapp がチタン酸バリ
ウム系より小さいが、その値は温度や周波数による影響
を受けにくく、さらに誘電損失が小さい。さらに半導体
化が比較的容易で粒界の設計が行ない易いという利点が
ある。ところで見かけの比誘電率εapp は下記の数1式
で定義され、半導体磁器の1つの物性を示すものであ
る。
【0004】εapp =C・d/S ただし、C:静電容量 d:電極間距離 S:電極面積 近年、特に電子機器や電子回路等は高い周波数領域で用
いられていることが多く、また自動車用部品等として厳
しい環境下で用いられることも多く、高周波特性及び温
度特性等に優れた信頼性の高いコンデンサが要求され、
チタン酸ストロンチウム系が注目されている。
【0005】現在、チタン酸ストロンチウム系半導体磁
器コンデンサは、使用周波数領域の高周波化が進み、例
えば、特開昭64-18213号公報によれば、チタン酸ストロ
ンチウム系半導体磁器組成物の原料に様々な助剤を微量
添加することにより使用周波数領域の上限が約1MHz
にまで広げられている。
【0006】ここで特開昭64-18213号公報に記載されて
いる製造方法の1例を以下に説明する。
【0007】まず、SrCO3、BaCO3、CaCO3、T
iO2、MnCO2 およびSiO2 からなる原料にNb2
5 、Y23 から選んだ1種または2種を添加し、所
望の組成比になるように調合し混合する。次に混合され
たスラリー状の原料を脱水乾燥し、解砕する。次に解砕
した解砕粉を1200℃で仮焼合成し、セラミックにす
る。さらに仮焼構成セラミックを解砕し整粒する。さら
にこれに有機バインダを添加して円板状に成形し、この
成形体を還元雰囲気中1480℃で約2時間焼成して半
導体化を行う。こうして得られた焼結体の両面に拡散物
質としてBi23 −CuO系ペーストを塗布し、これ
を大気中で1050℃で2時間焼成して半導体磁器組成
物を完成する。この半導体磁器組成物の両面に銀ペース
トを印刷し、800℃で電極を焼き付けて半導体磁器組
成物コンデンサを完成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
64-18213号公報に示された製造方法によって製造された
チタン酸ストロンチウム系半導体磁器組成物は周波数の
上限が約1MHzで、それを超えると特に見かけの比誘
電率が著しく減少し、さらに誘電損失が大きくなる問題
点があり、10MHzまでの周波数を使用する電気回路に
は搭載できないという問題点があった。
【0009】本発明は上記した課題に鑑み発明されたも
のであって、使用周波数の上限が高く、かつ使用周波数
領域では見かけの比誘電率の変化量および誘電損失の変
化量がともに小さい半導体磁器組成物の製造方法を提供
することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る半導体磁器組成物の製造方法は、結晶粒
の主成分が(Sr1-X-Y CaX MgY)Ti1-ZZ3
(式中、AはNbあるいはYのうちの1種または2種の
元素を示しており、X、YおよびZはそれぞれ、0.1
0≦X≦0.30、0.05≦Y≦0.15、0.00
2≦Z≦0.008の範囲にある値)で示される組成を
有する焼結体にBi23 が50〜92モル%、CoO
が5〜40モル%及びMgOが3〜20モル%からなる
混合物を含む金属酸化物を塗布し、この後粒界絶縁化焼
成を行なうことを特徴としている。
【0011】
【作用】結晶粒の主成分が(Sr1-X-Y CaX MgY)T
1-ZZ3 (式中、AはNbあるいはYのうちの1
種または2種の元素を示しており、X、YおよびZはそ
れぞれ、0.10≦X≦0.30、0.05≦Y≦0.
15、0.002≦Z≦0.008の範囲にある値)で
示される組成を有する焼結体にBi23 、CoOおよ
びMgOの化合物を含む金属酸化物を塗布し、この後粒
界絶縁化焼成を行なうことにより、電気的特性として容
量性の目安である見かけの比誘電率εappを1.0×1
5 以上に上げることができ、また誘電損失DF(%)
は1.5%以下に抑えることができ、直流破壊電圧BD
V(V/mm)は2000V/mm以上に上げることが
できる。さらに、結晶粒径と粒内抵抗率が制御された結
果、使用周波数の上限が高く、かつ使用周波数が1KH
z〜10MHzの領域では見かけの比誘電率の変化率が
−10%〜0%以内で誘電損失が1.5%以下の半導体
磁器組成物が得られる。
【0012】Bi23 、CoO及びMgOを限定した
理由は次の通りである。
【0013】Bi23 が50モル%未満では見かけの
比誘電率εapp が小さくなり、92モル%を超えると直
流破壊電圧BDVが小さくなる。CoOが5モル%未満
では直流破壊電圧BDVが小さくなり、40モル%を超
えると見かけの比誘電率εap p が小さくなる。また、M
gOが5モル%未満では直流破壊電圧BDVが小さくな
り、20モル%を超えると粒界に拡散しない。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る半導体磁器組成物の製造
方法の実施例を説明する。
【0015】SrCO3 、CaCO3 、MgOおよびT
iO2 からなる主原料にNb25あるいはY23
ら選んだ1種または2種を添加し、所望の組成比になる
ように調合する。調合は各原料を正確に秤量し、適量の
玉石、分散剤、純水とともにポットミル内で24時間混
合することにより行なう。混合されたスラリー状の原料
を脱水乾燥させ、解砕する。解砕した解砕粉を例えばジ
ルコニア製の焼成ルツボ内に移し、1150℃で仮焼合
成し、セラミックにする。所望の固溶体セラミックが合
成されていることをX線回析、組成分析等で確認した。
【0016】確認後、仮焼合成セラミックを解砕し、
1.0μm前後の均一粉ふるいを用いて整粒した後、少
なくともAl23 あるいはSiO2 から選んだ1種ま
たは2種を含む焼結用助剤を添加し、混合する。これに
有機バインダとして例えばポリビニールアルコール等を
添加して、直径10mm、厚み 500μm になるように円板状
に成形する。成形体を1000℃で保温し、有機バインダを
取り除く。次に成形体を例えばアルミナ製の焼成ルツボ
に充てんして還元雰囲気焼成を行ない、セラミックの焼
結と同時に半導体化を行なう。還元雰囲気焼成は、水素
濃度が1〜15%かつ窒素濃度が85〜99%の混合ガ
ス雰囲気中で1450〜1500℃の範囲内で4.0〜8.0時
間焼成することにより行なう。得られた焼結体を有機溶
剤(例えばアセトン)と熱水中で十分洗浄した後、セラ
ミック結晶粒界を絶縁化するために表1に示す配合化の
Bi23 、CoOおよびMgOを含む金属酸化物を混
練ペースト状にして焼結体表面に塗布する。塗布量は、
焼結体1g 当たり10〜20mg程度でよい。これを大気中で
1070〜1150℃の範囲内で1.0 〜 2.0時間粒界絶縁化焼成
を行い、半導体磁器組成物の製造を完成する。Bi、C
o及びMgが拡散されていることをEPMA等で確認し
た。
【0017】その半導体磁器組成物の両面に市販の銀ペ
ーストを印刷し、800 ℃で電極を焼き付けて評価用試料
とした。
【0018】
【試料評価方法】完成した半導体磁器組成物の評価は、
次のように行なった。
【0019】電気的特性は、見かけの比誘電率εapp
誘電損失DF(%)をインピーダンスアナライザで、直
流破壊電圧BVD(V/mm)を直流定電圧電源で評価
した。見かけの比誘電率εapp 、誘電損失DFはAC1
KHZ 、印加電圧1Vで測定した値で、直流破壊電圧BV
D(V/mm)は素体間に直流電圧を除々に印加し、1
mAの電流が流れたときの電圧値を素体1mmあたりに
換算した値である。表1の電気的特性のデータは、それ
ぞれの組成について半導体磁器組成物を無作為に30個
取り出し、それらの平均値を示している。
【0020】静電容量および誘電損失の周波数特性は、
1KHZ 〜10MHZ の領域で測定した。静電容量の周
波数特性は、1KHZ のときの値を基準値とした静電容
量の変化率△Cを算出して図1に示した。なお、図1は
便宜上静電容量の変化率△Cを示したが、コンデンサの
素子形状が変化していないので、実質上見かけの比誘電
率εapp の変化率Δεapp を示している。
【0021】
【表1】
【0022】
【表1の2】
【0023】
【表1の3】
【0024】
【表1の4】
【0025】表1から明らかなように請求項1の範囲内
に含まれている配合組成No.2〜4、7〜9、12〜
15、18、19、21〜31のものは電気的特性とし
て容量性の目安である見掛けの比誘電率εapp が1.0
×105 以上に上げることができ、また誘電損失DF
(%)を1.5%以下に抑えることができ、直流破壊電
圧BDV(V/mm)を2000V/mm以上に上げる
ことができていることがわかる。しかし配合組成No.
5、6、10、11、16、17、20、32〜40は
請求項1の範囲外の組成であり、上記の特性を満たして
いないことがわかる。また図1から本実施例のもの(配
合組成No. 3)に関しては結晶粒径と粒内抵抗率が制御
された結果、使用周波数の上限が高く、かつ使用周波数
が1KHz〜10MHzの領域では静電容量の変化率す
なわち、見かけの比誘電率の変化率が−10%〜0%以
内で誘電損失が1.5%以下の半導体磁器組成物が得ら
れていることがわかる。それに較べ比較例のもの(配合
組成No. 6)では、使用周波数が1KHz〜10MHz
の領域では静電容量の変化率すなわち、見かけの比誘電
率の変化率が−15%〜0%と大きく、また誘電損失が
3.5%まで大きくなっており、使用周波数の上限が低
いことがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明の製造方法によって製造された半
導体磁器組成物にあっては、使用周波数の上限が高く、
使用周波数領域では見かけの比誘電率の変化量及び誘電
損失が小さいので、10MHzまでを使用周波数とする
通信機器や音響機器搭載される電気回路に使用すること
ができ、信頼性の高いコンデンサを提供することができ
る。また、本発明に係る半導体磁器組成物の製造方法に
あっては、従来のプロセスと略同様のプロセスにより高
周波用として優れた半導体磁器組成物を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例と比較例との周波数に対す
る静電容量の変化率△C(%)および誘電損失DF
(%)を示したグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶粒の主成分が(Sr1-X-Y CaX
    Y)Ti1-ZZ3 (式中、AはNbあるいはYのう
    ちの1種または2種の元素を示しており、X、Yおよび
    Zはそれぞれ、0.10≦X≦0.30、0.05≦Y
    ≦0.15、0.002≦Z≦0.008の範囲にある
    値)で示される組成を有する焼結体にBi23 が50
    〜92モル%、CoOが5〜40モル%及びMgOが3
    〜20モル%からなる混合物を含む金属酸化物を塗布
    し、この後粒界絶縁化焼成を行なうことを特徴とする半
    導体磁器組成物の製造方法。
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