JP2893129B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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- JP2893129B2 JP2893129B2 JP2204482A JP20448290A JP2893129B2 JP 2893129 B2 JP2893129 B2 JP 2893129B2 JP 2204482 A JP2204482 A JP 2204482A JP 20448290 A JP20448290 A JP 20448290A JP 2893129 B2 JP2893129 B2 JP 2893129B2
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、強還元性雰囲気においても誘電特性の劣化
がなく、Mo−Mnや活性化金属等による表面金属化が可能
な誘電体磁器組成物に関する。
がなく、Mo−Mnや活性化金属等による表面金属化が可能
な誘電体磁器組成物に関する。
(従来技術) これまで、セラミック回路用基板材料としてはアルミ
ナが主流として用いられている。しかしながら、最近に
至り、基板に静電容量成分を持たせ小型化、低コスト化
を図るか、或いはマイクロ波回路においてストリップ線
路の小型化を図ることを目的として高い誘電率を有する
基板の開発が求められている。
ナが主流として用いられている。しかしながら、最近に
至り、基板に静電容量成分を持たせ小型化、低コスト化
を図るか、或いはマイクロ波回路においてストリップ線
路の小型化を図ることを目的として高い誘電率を有する
基板の開発が求められている。
上記のような基板に適用できるための特性としては、
基板表面に例えばMo−Mnメタライズ法や活性化金属法に
より金属層を被着形成する際、1000℃〜1300℃でN2−H2
還元ガス雰囲気または真空雰囲気に曝されるために耐還
元性に優れていることが要求される。
基板表面に例えばMo−Mnメタライズ法や活性化金属法に
より金属層を被着形成する際、1000℃〜1300℃でN2−H2
還元ガス雰囲気または真空雰囲気に曝されるために耐還
元性に優れていることが要求される。
一方、非還元性に有する高誘電率材料としては、Niや
Cu等を内部電極とする積層セラミックコンデンサ用の誘
電体材料として、チタン酸バリウムを主成分とする誘電
体(特公昭57−42588号、特公昭60−20850,60−20851)
や、ジルコン酸カルシウム又はジルコン酸ストロンチウ
ムを主成分とする温度補償用誘電体材料(特開昭53−98
100号、USP4,260,633号)が知られており、その他にジ
ルコン酸カルシウム・ストロンチウム・バリウムを主成
分とする誘電体材料(特公昭63−50309号)等が提案さ
れている。
Cu等を内部電極とする積層セラミックコンデンサ用の誘
電体材料として、チタン酸バリウムを主成分とする誘電
体(特公昭57−42588号、特公昭60−20850,60−20851)
や、ジルコン酸カルシウム又はジルコン酸ストロンチウ
ムを主成分とする温度補償用誘電体材料(特開昭53−98
100号、USP4,260,633号)が知られており、その他にジ
ルコン酸カルシウム・ストロンチウム・バリウムを主成
分とする誘電体材料(特公昭63−50309号)等が提案さ
れている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記の誘電体のうちチタン酸バリウム
を主成分とする誘電体は、誘電率が5000以上と高く、Ni
やCuと同時焼成する際の還元性雰囲気には耐えうるが、
Mo−Mnメタライズ等の強還元性雰囲気下では耐えられず
に絶縁性が大きく低下する。また、ジルコン酸カルシウ
ムやジルコン酸ストロンチウムを主成分とする誘電体
は、チタン酸バリウムと同様にNi等との同時焼成雰囲気
には耐えられるが、誘電率が37以下と小さいという欠点
を有している。さらに、従来のジルコン酸カルシウムス
トロンチウムバリウムを主成分とする誘電体は、マイク
ロ波周波数帯域での特性に優れるが誘電率が34と低いと
いう欠点を有している。
を主成分とする誘電体は、誘電率が5000以上と高く、Ni
やCuと同時焼成する際の還元性雰囲気には耐えうるが、
Mo−Mnメタライズ等の強還元性雰囲気下では耐えられず
に絶縁性が大きく低下する。また、ジルコン酸カルシウ
ムやジルコン酸ストロンチウムを主成分とする誘電体
は、チタン酸バリウムと同様にNi等との同時焼成雰囲気
には耐えられるが、誘電率が37以下と小さいという欠点
を有している。さらに、従来のジルコン酸カルシウムス
トロンチウムバリウムを主成分とする誘電体は、マイク
ロ波周波数帯域での特性に優れるが誘電率が34と低いと
いう欠点を有している。
このように強還元性雰囲気において高い誘電率を保持
しうる誘電体が全く存在していないのが現状であった。
しうる誘電体が全く存在していないのが現状であった。
(発明の目的) 本発明は、強還元性雰囲気中においても優れた耐久性
を有することによりMo−Mnメタライズ等の処理が可能な
誘電率40以上の誘電体磁器組成物を提供することを目的
とする。
を有することによりMo−Mnメタライズ等の処理が可能な
誘電率40以上の誘電体磁器組成物を提供することを目的
とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、上記の問題点に対して検討を加えた結
果、カルシウムとバリウムが特定の比率からなるジルコ
ン酸塩がMo−Mnや活性金属による金属化に際しての雰囲
気に対しても高い耐還元性を有することにより高絶縁性
を維持し、且つ高い誘電率を有する磁器が得られること
を知見した。
果、カルシウムとバリウムが特定の比率からなるジルコ
ン酸塩がMo−Mnや活性金属による金属化に際しての雰囲
気に対しても高い耐還元性を有することにより高絶縁性
を維持し、且つ高い誘電率を有する磁器が得られること
を知見した。
即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、その組成が下記
式(1) (CaxSryBa1-x-y)ZrO3 式中、0.05≦x≦0.4 0 ≦y≦0.2 x+y≦0.5 で表され、式中のx、yは0.05≦x≦0.4、特に0.1≦x
≦0.3、0≦y≦0.2、特に0≦x≦0.1の範囲に設定さ
れる。
式(1) (CaxSryBa1-x-y)ZrO3 式中、0.05≦x≦0.4 0 ≦y≦0.2 x+y≦0.5 で表され、式中のx、yは0.05≦x≦0.4、特に0.1≦x
≦0.3、0≦y≦0.2、特に0≦x≦0.1の範囲に設定さ
れる。
前記式において各元素を上記の範囲に限定したのは、
x値が上記の範囲を逸脱するといずれの場合も誘電率が
低く、目的を達成しない。また、y値が0.2を越えても
誘電率が低下する。また、x+yが0.5を越えても誘電
率が40以下となり好ましくない。
x値が上記の範囲を逸脱するといずれの場合も誘電率が
低く、目的を達成しない。また、y値が0.2を越えても
誘電率が低下する。また、x+yが0.5を越えても誘電
率が40以下となり好ましくない。
磁器の作成に当たっては、周知の方法により作成する
ことができ、原料粉末として各金属元素の酸化物、炭酸
塩、硝酸塩等を用いて1100〜1250℃で仮焼処理して、例
えば一旦CaZrO3、SrZrO3、BaZrO3の粉末を作成し、これ
らを適量混合した混合粉末を周知の成形方法で成形した
後に、1400〜1550℃の酸化性雰囲気中で焼成することに
より得ることができる。
ことができ、原料粉末として各金属元素の酸化物、炭酸
塩、硝酸塩等を用いて1100〜1250℃で仮焼処理して、例
えば一旦CaZrO3、SrZrO3、BaZrO3の粉末を作成し、これ
らを適量混合した混合粉末を周知の成形方法で成形した
後に、1400〜1550℃の酸化性雰囲気中で焼成することに
より得ることができる。
また、上記誘電体磁器を基板に適用する場合には、周
知の方法に従い、例えば、W、Mo、Mo−Mnのメタライズ
金属ペーストを磁器表面にスクリーン印刷法等により塗
布するか、あるいはTi、TiH2、Zr等の活性金属化法によ
り金属層を形成後、フォーミングガス(H2−N2)雰囲気
中や不活性雰囲気中で1000〜1300℃で熱処理することに
より誘電体の表面に金属層を形成することができる。
知の方法に従い、例えば、W、Mo、Mo−Mnのメタライズ
金属ペーストを磁器表面にスクリーン印刷法等により塗
布するか、あるいはTi、TiH2、Zr等の活性金属化法によ
り金属層を形成後、フォーミングガス(H2−N2)雰囲気
中や不活性雰囲気中で1000〜1300℃で熱処理することに
より誘電体の表面に金属層を形成することができる。
この時、本発明の磁器組成物は還元雰囲気下の処理に
よっても磁器自体の誘電特性、特に絶縁抵抗の低下がな
く、高誘電率基板として有用できるものである。
よっても磁器自体の誘電特性、特に絶縁抵抗の低下がな
く、高誘電率基板として有用できるものである。
以下、本発明を次の例で説明する。
(実施例) 原料粉末としてCaCO3、SrCO3、BaCO3、ZrO2の各粉末
を用いて1100〜1250℃で仮焼処理し、CaZrO3、SrZrO3、
BaZrO3の仮焼粉末を得た。
を用いて1100〜1250℃で仮焼処理し、CaZrO3、SrZrO3、
BaZrO3の仮焼粉末を得た。
これらの仮焼粉末を第1表の組成に成るように秤量混
合し、成形後、1400〜1550℃の大気中で2時間焼成し、
直径16mm、厚さ2mmの円板状の磁器を得た。
合し、成形後、1400〜1550℃の大気中で2時間焼成し、
直径16mm、厚さ2mmの円板状の磁器を得た。
得られた磁器の両面にIn−Gaを塗布して測定用電極と
し、LCRメータにより試料コンデンサの静電容量を測定
して誘電率(εr)を求め、一方絶縁抵抗計にて500VDC
で1分充電後の濡れ電流より絶縁抵抗(R)を測定し
た。
し、LCRメータにより試料コンデンサの静電容量を測定
して誘電率(εr)を求め、一方絶縁抵抗計にて500VDC
で1分充電後の濡れ電流より絶縁抵抗(R)を測定し
た。
一方、円板状磁器の両面にMo−Mnペーストを塗布し13
00℃のフォーミングガス(H212.5%、N287.5%)雰囲気
中で熱処理し厚み2〜10μmのMo−Mnメタライズ金属膜
を形成した。このメタライズ金属層を電極として上記と
同様な方法により誘電率、絶縁抵抗を測定した。
00℃のフォーミングガス(H212.5%、N287.5%)雰囲気
中で熱処理し厚み2〜10μmのMo−Mnメタライズ金属膜
を形成した。このメタライズ金属層を電極として上記と
同様な方法により誘電率、絶縁抵抗を測定した。
また、比較としてMgTiO3−CaTiO3系について同様に特
性の評価を行った。
性の評価を行った。
結果は第1表に示した。
第1表によれば、Caを全く含有しないBaZrO3で誘電率
が不十分であるが、これにCaZrO3を適量添加することに
よって、誘電率を挙げることができるが、CaZrO3の量あ
るいはSrZrO3との合量が本発明の範囲は逸脱する試料N
o.6,7,8,12,14,16,17でも誘電率は低いものであった。
が不十分であるが、これにCaZrO3を適量添加することに
よって、誘電率を挙げることができるが、CaZrO3の量あ
るいはSrZrO3との合量が本発明の範囲は逸脱する試料N
o.6,7,8,12,14,16,17でも誘電率は低いものであった。
また、MgTiO3−CaTiO3系の試料No.18では、高い誘電
率を有するもののメタライス後の絶縁抵抗が大きく劣化
した。
率を有するもののメタライス後の絶縁抵抗が大きく劣化
した。
これに対して、本発明の試料はいずれもメタライズ後
に絶縁抵抗2×1012Ω・cmを維持しつつ誘電率40以上が
達成された。
に絶縁抵抗2×1012Ω・cmを維持しつつ誘電率40以上が
達成された。
(発明の効果) 以上詳述した通り、本発明の誘電体磁器組成物は、優
れた耐還元性を有することから、Mo−MnやTi等の活性金
属により磁器の表面を金属化処理する際の強還元雰囲気
下においても絶縁抵抗の劣化がなく、しかも高い誘電率
を有することから、各種基板材料、例えば電子レンジマ
グネトロンに用いられるノズル防止用コンデンサ機能付
機密封止磁器基板としての応用が可能となる。
れた耐還元性を有することから、Mo−MnやTi等の活性金
属により磁器の表面を金属化処理する際の強還元雰囲気
下においても絶縁抵抗の劣化がなく、しかも高い誘電率
を有することから、各種基板材料、例えば電子レンジマ
グネトロンに用いられるノズル防止用コンデンサ機能付
機密封止磁器基板としての応用が可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】組成式が (CaxSryBa1-x-y)ZrO3 式中、0.05≦x≦0.4 0≦y≦0.2 x+y≦0.5 で表される誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2204482A JP2893129B2 (ja) | 1990-07-31 | 1990-07-31 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2204482A JP2893129B2 (ja) | 1990-07-31 | 1990-07-31 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0495308A JPH0495308A (ja) | 1992-03-27 |
JP2893129B2 true JP2893129B2 (ja) | 1999-05-17 |
Family
ID=16491258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2204482A Expired - Fee Related JP2893129B2 (ja) | 1990-07-31 | 1990-07-31 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2893129B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013112569A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-10 | Tdk Corp | 誘電体磁器組成物およびセラミック電子部品 |
-
1990
- 1990-07-31 JP JP2204482A patent/JP2893129B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0495308A (ja) | 1992-03-27 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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