JP2932288B2 - 4位相復調回路 - Google Patents

4位相復調回路

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JP2932288B2
JP2932288B2 JP1305093A JP30509389A JP2932288B2 JP 2932288 B2 JP2932288 B2 JP 2932288B2 JP 1305093 A JP1305093 A JP 1305093A JP 30509389 A JP30509389 A JP 30509389A JP 2932288 B2 JP2932288 B2 JP 2932288B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、衛星放送受信機において、音声信号を復調
するための4位相復調回路に関し、特に乗算後のローパ
スフィルタ(LPF)の改良に関するものである。
「従来の技術」 一般に、衛星放送受信機は、第6図に示すように、放
送衛星(1)からの電波をパラボラアンテナ(2)で受
信し、BSコンバータ(3)で1GHz帯の中間周波数帯に変
換し、BSチューナ(4)に送られる。このBSチューナ
(4)では、選局回路(5)により希望するチャンネル
を選択し、FM復調回路(6)でFM復調をした後、映像−
音声分離回路(7)で映像信号と音声信号に分離する。
このうち、映像信号は、デエンファシス回路(8)、エ
ネルギー拡散信号除去回路(9)によってもとの映像信
号を再生し、テレビ受像機(10)の映像入力端子(11)
に加える。他方、音声信号は、4位相復調(以下QPSKと
いう)回路(12)、PCM復調回路(13)によって復調
し、デエンファシス回路(14)によってもとの音声信号
に再生する。そして前記テレビ受像機(10)の音声入力
端子(15)に加える。このようにして衛星放送の受信を
可能とする。
以上のような衛星放送受信機において、QPSK回路(1
2)は、第5図のように構成され、音声信号の復調をア
ナログ処理していた。この従来のQPSK回路(12)におい
て、QPSK信号は、乗算器(17)(18)、LPF(19)(2
0)を通し、2値化器(21)(22)と位相差検出器(2
3)に送られる。位相差検出器(23)では、QPSK信号の
発生側の搬送波の位相と、VCO(24)から発生する再生
搬送波の位相差を比較し、その差が0となるようにVCO
(24)に制御信号を加える。このVCO(24)からの発振
信号は、一方の乗算器(17)に−90゜移相器(25)を介
して送られ、また他方の乗算器(18)にそのまま送ら
れ、入力したQPSK信号と乗算される。そして位相差が次
第に0になって、復調信号として2値化器(21)(22)
から出力する。なお、(26)はビットクロック再生回路
である。
以上のQPSK回路(12)には、第3図(a)に示すQPSK
信号から同(b)における低周波のデータ情報成分を検
出するため、乗算器(17)とLPF(19)、乗算器(18)
とLPF(20)がそれぞれ従属して接続されている。
ここで、QPSK信号は、cos(ωct+φ)と表わされ
る。cosωctは、再生搬送波で、cosφは、データ情報成
分である。VCO(24)は、入力QPSK信号からφ成分が取
り去られ、cosωctを出力するので、乗算器(18)によ
る乗算結果は、 となる。後続のLPF(20)では、高周波成分のcos(2ω
ct+φ)が除去されて、データ情報成分のcosφの成分
だけが取り出される。
同様に、乗算器(17)では、−90゜移相器(25)で90
゜位相をずらした−sinωctと入力QPSK信号とが乗算さ
れて、 が得られ、LPF(19)でデータ情報成分sinφだけが取り
出される。
ここで、第1、第2、第3、第4象限では、cosφ
は、+、−、−、+、sinφは、+、+、−、−と符号
が変わり、これらは、2値化器(21)(22)でそれぞれ
2値化され、π/4、3π/4、5π/4、7π/4の各サンプ
リング位置におけるデータ情報成分(1,1)(0,1)(0,
0)(1,0)の組み合わせが得られる。
「発明が解決しようとする課題」 しかるに、従来のQPSK回路(12)は、すべてアナログ
信号で処理していたので、回路パラメータにばらつきが
あること、動作がやや不安定であること、VCO(24)か
らの出力は、正弦波であるため−90゜移相器(25)での
移相量に誤差が生じること、などの問題があった。
本出願人は、従来の問題点を解決するため第4図に示
すように、QPSKの復調をディジタルで行う回路を提案し
た。
この第4図の回路と第5図の従来回路と異なる点は、
QPSK入力端子(16)とディジタル形乗算器(27)(28)
の間に、A/D変換器(31)を挿入し、また、乗算器(2
7)(28)とLPF(29)(30)は、それぞれディジタル形
を用い、さらに、位相差検出器(23)とVCO(24)の間
にD/A変換器(32)を介在したことである。
このような先に提案したディジタル信号処理のQPSK回
路(12)において、QPSK入力信号をA/D変換器(31)で
アナログ信号をバイナリーの複数ビット(通常8ビット
かそれ以上)のディジタル信号にA/D変換した後、乗算
器(27)(28)で再生搬送波と乗算し、その結果をLPF
(29)(30)に通す。これらのLPF(29)(30)は、QPS
K入力信号の周波数の2倍以上で動作すれば無限の選択
ができる。
前述のように、入力QPSK信号は、 cos(ωct+φ) φ:データ伝送成分で、伝送データにより変化する ωc:搬送角周波数 にて表わされる。これが第3図(a)のスペクトル特性
図で、図中、ΔはQPSK信号波のφがデータ伝送により変
化したために広がったスペクトル量を示している。
また、QPSK回路(12)のVCO(24)は、入力QPSK信号
からφの成分が取り去られた cosωct を出力している。
−90゜移相器(25)を介在しないVCO(24)の実質的
なディジタル信号出力と、前記8ビットの入力QPSK信号
とを乗算器(28)で乗算する。
なお、前記VCO(24)にA/D変換がないのは、次の理由
による。
ディジタル信号処理する場合、後述のように、搬送波
周波数の4倍の速度で動作している。この速度でVCO(2
4)の搬送波cosωctをサンプリングしたものとすると、 0(0)、π/2(+1)、π(0)、3π/2(−
1)、2π(0) となり、ディジタル値として0、+1、−1の値のいず
かしかとらない。そこで、VCO(24)の動作基本クロッ
クを、搬送周波数の4倍にすると、VCO(24)の値をサ
ンプリングすることなく、入力QPSK信号に、0、+1、
−1の値のいずれか乗算すればよく、A/D変換は不要と
なる。
このように、乗算器(28)の出力は、 となる。これを周波数軸で見ると、第3図(b)のよう
に、cosφとcos(2ωct+φ)のスペクトルとなる。
LPF(30)は、これらのスペクトルのうち、低周波成
分のcosφを通過し、高周波成分のcos(2ωct+φ)を
除去せしめ、このLPF(30)の出力は、 cosφ となる。
同様に、−90゜移相器(25)でVCO出力(cosωct)を
90゜位相をずらした(−sinωct)と、前記多値ディジ
タルの入力QPSK信号を乗算器(27)で乗算すると、 となる。LPF(29)は、低周波成分のsinφを通過し、高
周波成分のsin(2ωct+φ)を除去せしめ、このLPF
(29)の出力は、 sinφ となる。
以上のように、LPF(29)(30)は、第3図のスペク
トルのうち、高周波成分を除去せしめてデータ情報成分
を抜き出すものであり、このためLPF(29)(30)のサ
ンプリング周波数は、2(ωc+Δ)以上であればよ
い。
ところで、従来は、論理回路の速度の速いものが作り
にくく、消費電力も大きくなるので、できるだけ動作速
度が遅くなるようにしていたため、つぎのような問題点
があった。
(1)速度を犠牲にした分だけフィルタに高いQ特性の
ものを必要とすること。
(2)高いQ特性のディジタルフィルタは次数が高くな
ること。
本発明は動作速度が速く、しかも次数の低いディジタ
ルフィルタを得ることも目的とする。
「課題を解決するための手段」 本発明は、QPSK入力端子に入力したQPSK信号を2つに
分岐し、それぞれ乗算器、LPF、2値化器を介して復調
出力端子へ送るとともに、前記2つのLPFの出力を位相
検出器を介してVCOへ送り、このVCOの信号を前記一方の
乗算器には、移相器を介して、また、他方の乗算器に
は、そのまま送ることにより、入力した搬送波と再生搬
送波の位相差が0となるように制御するようにしたもの
において、前記QPSK入力端子と乗算器との間にA/D変換
器を介在し、前記乗算器およびLPFは、ディジタル形を
用い、前記位相検出器とVCOとの間にD/A変換器を介在
し、さらに、前記LPFは、搬送波の4倍の動作速度を有
するものであって、フィルタ次数を偶数次としたものか
らなるものである。
「作用」 QPSK入力端子に入力したQPSK信号をA/D変換器でディ
ジタル量に変換し、その信号はディジタル乗算器とディ
ジタルLPFを通過し、2値化器と位相差検出器に送られ
る。ここで、再生搬送波cosωctとQPSK信号cos(ωct+
φ)とは、乗算器でディジタル的に乗算されて を得、LPFからcosφの成分だけがとり出される。LPFの
動作速度がQPSK搬送波の4倍で、フィルタ次数を偶数
次、例えば4次にすると、最適なフィルタ特性となる。
2つのLPFの出力が位相差検出器へ送られ、この位相差
検出器ではQPSK信号の発生側の搬送波の位相と、VCOよ
り発生する再生搬送波の位相差とを比較しその差が0と
なるようにD/A変換した信号をVCOに加える。すなわち、
VCOはディジタル動作が困難であるため、アナログ信号
に変換して加える。VCOからは矩形波が出力するが、こ
れは実質的なディジタル信号であり、これが−90゜の移
相器を介し、また直接乗算器へ加えられてディジタル処
理される。
「実施例」 以下、本発明の一実施例を説明する。
論理回路の動作速度は、いくらでも速くなれると仮定
すると、前記例では、2ωcのスペクトルが最も効率よ
く除去されるものが好ましい。ディジタルLPFには、通
常FIRの直線位相フィルタが使用され、その周波数特性
H(ejω)は、偶数次の場合、 となる。この式からω=πすなわち動作速度の半分の周
波数で無条件にH(ejω)は0になる。また、一般に
それらのフィルタは、ω=π以降は特性が折り返えしに
なるので、この条件のとき最小のQで済むことがわか
る。したがって、フィルタの動作速度をQPSK搬送波の4
倍にし、フィルタ次数を偶数次にすると最適なものとな
る。その例が第1図で、この第1図に示した本発明のLP
F(29)(30)は、遅延器(35)(36)(37)、乗算器
(38)(39)(40)(41)、加算器(42)(43)(44)
をもって構成されている。ここで、乗算器(38),(3
9),(40),(41)のそれぞれ乗算係数をa,b,b,aとす
ると、 となる。
このように構成されたLPF(29)(30)の周波数特性
は、第2図のようになる。具体的には、搬送波周波数が
5.72MHz、Δが1MHzのQPSK信号伝送(伝送シンボルレー
トも1MHz)の場合、高周波成分の抑圧は、40dB以上もあ
るにも拘らず、次数はわずか4次である。
「発明の効果」 本発明は、上述のように、LPFは、搬送波の4倍の動
作速度を有するものであって、フィルタ次数を偶数次と
したので、動作速度が速く、しかもフィルタ次数を低く
しながら、高周波成分を充分に除去できるものである。
ちなみに、LPFの動作速度として搬送波の4倍を選択
したのは、偶数次のLPFでインパルス応答が時間的に対
称となるものは、図2に示すように除去したい成分であ
る2ωctの角周波数で伝送零点が無条件に発生するこ
と、及び、ディジタル信号処理の理論上、動作速度がQP
SK信号の2倍を越える必要があることによる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明によるLPFの一実施例を示すブロック
図、第2図は、LPFの特性図、第3図は、スペクトル特
性図、第4図は、ディジタル処理用4位相復調回路のブ
ロック図、第5図は、アナログ処理用4位相復調回路の
ブロック図、第6図は、一般的な衛星放送受信機のブロ
ック図である。 (1)……放送衛星、(2)……パラボラアンテナ、
(3)……BSコンバータ、(4)……BSチューナ、
(5)……選局回路、(6)……FM復調回路、(7)…
…映像−音声分離回路、(8)……デエンファシス回
路、(9)……エネルギー拡散信号除去回路、(10)…
…テレビ受像機、(11)……映像入力端子、(12)……
4位相復調回路、(13)……、(14)……デエンファシ
ス回路、(15)……音声入力端子、(17)(18)……乗
算器、(19)(20)……LPF、(21)(22)……2値化
器、(23)……位相差検出器、(24)……VCO、(25)
……−90゜移相器、(26)……ビットクロック再生回
路、(27)(28)……乗算器、(29)(30)……LPF、
(31)……A/D変換器、(32)……D/A変換器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−222349(JP,A) 特開 平2−101846(JP,A) 特開 平2−211746(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04L 27/00 - 27/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】QPSK入力端子に入力したQPSK信号を2つに
    分岐し、それぞれ乗算器、LPF、2値化器を介して復調
    出力端子へ送るとともに、前記2つのLPFの出力を位相
    検出器を介してVCOへ送り、このVCOの信号を前記一方の
    乗算器には、移相器を介して、また、他方の乗算器に
    は、そのまま送ることにより、入力した搬送波と再生搬
    送波の位相差が0となるように制御するようにしたもの
    において、前記QPSK入力端子と乗算器との間にA/D変換
    器を介在し、前記乗算器およびLPFは、ディジタル形を
    用い、前記位相検出器とVCOとの間にD/A変換器を介在
    し、さらに、前記LPFは、搬送波の4倍の動作速度を有
    するものであって、フィルタ次数を偶数次としたものか
    らなることを特徴とする4位相復調回路。
  2. 【請求項2】LPFは、遅延器、乗算器および加算器から
    なる請求項(1)記載の4位相復調回路。
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