JP2979326B2 - 4位相復調回路 - Google Patents

4位相復調回路

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JP2979326B2 JP1305095A JP30509589A JP2979326B2 JP 2979326 B2 JP2979326 B2 JP 2979326B2 JP 1305095 A JP1305095 A JP 1305095A JP 30509589 A JP30509589 A JP 30509589A JP 2979326 B2 JP2979326 B2 JP 2979326B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、衛星放送受信機において、音声信号を復調
するための4位相復調回路に関するものである。
「従来の技術」 一般に、衛星放送受信機は、第11図に示すように、放
送衛星(1)からの電波をパラボラアンテナ(2)で受
信し、BSコンバータ(3)で1GHz帯の中間周波数帯に変
換し、BSチューナ(4)に送られる。このBSチューナ
(4)では、選局回路(5)により希望するチャンネル
を選択し、FM復調回路(6)でFM復調をした後、映像−
音声分離回路(7)で映像信号と音声信号に分離する。
このうち、映像信号は、デエンファシス回路(8)、エ
ネルギー拡散信号除去回路(9)によってもとの映像信
号を再生し、テレビ受像機(10)の映像入力端子(11)
に加える。他方、音声信号は、4位相復調(以下QPSKと
いう)回路(12)、PCM復調回路(13)によって復調
し、デエンファシス回路(14)によってもとの音声信号
に再生する。そして前記テレビ受像機(10)の音声入力
端子(15)に加える。このようにして衛星放送の受信を
可能とする。
以上のような衛星放送受信機において、QPSK回路(1
2)は、第10図のように構成され、音声信号の復調をア
ナログ処理していた。この従来のQPSK回路(12)におい
て、QPSK信号は乗算器(17)(18)、LPF(19)(20)
を通り、2値化器(21)(22)と位相差検出器(23)に
送られる。位相差検出器(23)ではQPSK信号の発生側の
搬送波の位相と、搬送波再生回路としてのVCO(24)か
ら発生する再生搬送波の位相差を比較し、その差が0と
なるようにループフィルタ(35)を介してVCO(24)に
制御信号を加える。このVCO(24)からの発振信号は、
一方の乗算器(17)に−90゜移相器(25)を介して送ら
れ、また他方の乗算器(18)にそのまま送られて入力し
たQPSK信号と乗算されてデータ情報信号が抽出されて2
値化器(21)(22)から出力する。なお、(26)はビッ
トクロック再生回路である。
しかるに、従来のQPSK回路(12)は、すべてアナログ
信号で処理していたので、回路パラメータにばらつきが
あること、動作がやや不安定であること、VCO(24)か
らの出力は、正弦波であるため−90゜移相器(25)での
移相量に誤差が生じることなどの問題があった。
そこで、本出願人は、第9図に示すように、QPSKの復
調をディジタルで行うことによって従来の問題点を解決
するような回路を提案した。
第10図の回路と異なる点は、QPSK入力端子(16)とデ
ィジタル形乗算器(27)(28)の間に、リミッタ(31)
を挿入し、また、乗算器(27)(28)とLPF(29)(3
0)は、それぞれディジタル形を用いたことである。
このようなディジタル処理を行う構成とすることによ
って、問題点を解決している。
しかし、それでも若干の問題がある。すなわち、移相
器(25)、乗算器(27)(28)、LPF(29)(30)の部
分をIC化することの困難さである。
本発明は、この部分を簡単な構成でIC化することを目
的とするものである。
「課題を解決するための手段」 本発明は、QPSK入力端子に入力したQPSK信号をHLのデ
ィジタル信号に変換して出力するリミッタと、このリミ
ッタの出力側に並列接続され、一方に対し他方が90゜の
位相差を有するクロックで前記HL信号をサンプリングす
るQPSK復調用の2つのD−FF回路と、前記リミッタの出
力側に並列接続され、一方に対し他方が90゜の位相差を
有するクロックで前記HL信号をサンプリングする位相差
出力用の2つのD−FF回路と、これら位相差出力用の2
つのD−FF回路の位相差を検出する位相差検出器と、こ
の位相差検出器に基づきQPSK搬送波の8倍の再生搬送波
を出力するVCOと、このVCOの出力をクロックとして作動
し、45゜の位相差を持って順次出力し、前記QPSK復調用
の2つのD−FF回路と位相差出力用の2つのD−FF回路
とのクロックとする少なくとも7個のD−FF回路を縦接
続してなるシフトレジスタとからなることを特徴とする
4位相復調回路である。
「作用」 QPSK入力端子に入力したアナログのQPSK信号は、リミ
ッタにてHLのディジタル信号に変換される。このリミッ
タの出力は、QPSK復調用の2つのD−FF回路にて、一方
に対し他方が90゜の位相差を有するクロックで前記HL信
号をサンプリングすることによりQPSK波が検波される。
また、位相差出力用の2つのD−FF回路では、一方に
対し他方が90゜の位相差を有するクロックで前記HL信号
をサンプリングしてそれぞれ位相差出力を得る。これら
位相差出力信号は、位相差検出器にて位相差を検出する
と、この位相差検出器の出力にう基づきVCOからQPSK搬
送波の8倍の再生搬送波を出力する。このVCO出力は、
少なくとも7個のD−FF回路を縦接続してなるシフトレ
ジスタにクロックとして加えられ、このシフトレジスタ
から前記QPSK復調用の2つのD−FF回路と位相差出力用
の2つのD−FF回路とへ、45゜の位相差を持ったクロッ
クとして加えられる。
「実施例」 本発明の一実施例を図面に基き説明する。
まず、QPSK波に対し、その搬送波を矩形に整形したク
ロックパルスでQPSK波をサンプリングすることを考え
る。
第2図に示すように、(a)のようなQPSK波を(b)
のように整形して、TTLなどの論理回路で処理できる形
態とする。つぎに、後述するQPSK回路(12)で(c)の
ような再生搬送波を作り、それも(d)のように整形し
てTTLなどの論理回路で処理できるようにする。
この(d)のような再生搬送波をD−FF回路(38a)
〜(38h)のクロックパルスとし、また、(b)のよう
なQPSK入力信号をD−FF回路(36a)(36b),(37a)
(37b)の入力パルスとする。さらに詳しくは、今、整
形前(a)のQPSK波の搬送波角周波数をωcとすると、
整形後(b)のQPSK波Qr(t)は次式のようになる。
Qr(t)=rect{cos(ωct+φ)} ここで、rect(*)=5V(*≧0)、0V(*<0) φは、QPSK波がデータ伝送のため変化する位相を表わ
しており、QPSK波の場合、つぎのようになる。
φ=π/4、3π/4、5π/4、7π/4 これを位相平面で表わすと第3図のようになる。
つぎにQPSK回路(12)の再生搬送時Cr(t)は、次式
のようになる。
Cr(t)=rect(cos ωct) そして、D−FF回路(38a)〜(38h)のクロック端子
(CK)に再生搬送波Cr(t)を入力する。D−FF回路
(36a)(36b),(37a)(37b)の入力端子(D)に、
前記QPSK波Qr(t)を入力すると、D−FF回路(36a)
の出力(Q)は、φの値により第4図のように変化す
る。すなわち、φが0からπまでは出力が5V(ハイレベ
ル)となり、π〜2πまでは出力が0V(ローレベル)と
なる。
同様にCr(t)と直交する−90゜移相した再生搬送波
Cs(t)は、次式のようになる。
Cr(s)=rect(sin ωct) この再生搬送波Cs(t)をD−FF回路(36b)のクロ
ックとして入力し、QPSK波Qr(t)をサンプリングする
と、D−FF回路(36b)の出力は、位相平面で第5図の
ようになる。
以上の第4図の出力と第5図の出力の2つの結果を重
ね合せると、第6図のようになり、 φが0からπ/2、π/2からπ、πから3π/2、3π/2
から2π毎に出力が変る。したがって、 Cr Cs φ= π/4 H(5V) H(5V) 3π/4 H(5V) L(0V) 5π/4 L(0V) L(0V) 7π/4 L(0V) H(5V) となり、QPSK波が復調される。
つぎに再生搬送波Cr(t)とCs(t)を得る方法につ
いて述べる。
Cr(t),Cs(t)に対し、それぞれπ/4だけずれた
位相の波形を得て、第7図に示すD−FF回路でQPSK波を
サンプリングすると第8図のような出力を得る。この第
8図を見ると、π/4、3π/4、5π/4、7π/4の位置で
位相が変化している。よって、再生搬送波とπ/4ずれた
位置にQPSK波の位相があるかどうかがわかる。これによ
り、QPSK波の搬送波の位相と再生搬送波の位相の位相誤
差の量は不明であるが、少なくとも位相が進んでいる
か、遅れているかがわかる。このπ/4ずれた搬送波は、
再生搬送波の基準発振回路(VCO)に8倍の周波数を発
振させ、それを分周することにより、それぞれ必要な位
相の搬送波を得ることができる。
以上のような動作をせしめるための具体的回路が第1
図に示されている。この第1図において、第9図と異な
るところは、−90゜移相器(25)、乗算器(27)(2
8)、LPF(29)(30)が、12個のD−FF回路と1個のア
ンド回路とで構成され、また、VCO(24)は、再生搬送
波の8倍の周波数の信号を出力することである。このう
ち、2個のD−FF回路(36a)(36b)によって従来の乗
算器と同様のデータ情報抜き取り機能を持たせ、2個の
D−FF回路(37a)(37b)によって従来のLPFと同様の
再生搬送波信号検出機能を持たせ、8個(少なくとも7
個)のD−FF回路(38a)〜(38h)からなるシフトレジ
スタとアンド回路(39)によって−90゜移相器の機能を
持たせている。その他は第2図と同様で、(31)はリミ
ッタ、(23)は位相差検出器、(35)はループフィルタ
である。
以上のような構成において、QPSK入力端子(16)に入
力した第2図(a)に示すようなQPSK信号は、リミッタ
(31)により大振幅の信号から保護するためにその大振
幅部分を除去し、かつ、(b)に示すようなレベル変換
されたバイナリー1ビットの矩形波信号が得られ、ディ
ジタル乗算器とディジタルLPFを構成する4つのD−FF
回路(36a)(36b),(37a)(37b)に入力する。
一方のQPSK復調用の2つのD−FF回路(36a)(36b)
の出力(5V又は0V)は、2値化器(21)(22)へ送ら
れ、1又は0の2値信号として出力する。
他方の位相差出力用の2つのD−FF回路(37a)(37
b)の出力は、位相差検出器(23)に送られる。D−FF
回路(37a)(37b)では、VCO(24)により発生する再
生搬送波の8倍の周波数に基づき、D−FF回路(38b)
と(38d)の90゜位相差のあるクロックでQPSK信号がサ
ンプリングされ、位相差検出器(23)にて90゜の位相差
を検出する。この位相差検出器(23)の出力は、ループ
フィルタ(35)を介してVCO(24)へ送られ、VCO(24)
からは、搬送波の8倍の周波数の信号が出力し、8個の
D−FF回路(38a)〜(38h)からなるシフトレジスタの
クロック端子に入力し、各D−FF回路(38a)〜(38h)
からは、順次45゜ずつ位相のずれた信号となって出力す
る。そして、一方のQPSK復調用の2つのD−FF回路(36
a)(36b)には、D−FF回路(38a)とD−FF回路(38
c)から45゜と135゜の位相がクロックとして送られ、他
方の位相差出力用の2つのD−FF回路(37a)(37b)に
は、D−FF回路(38b)とD−FF回路(38d)から90゜と
180゜の位相の信号がクロックとして送られる。
「発明の効果」 本発明は上述のように、QPSK信号をHLのディジタル信
号に変換して出力するリミッタと、一方に対し他方が90
゜の位相差を有するクロックでHL信号をサンプリングす
るQPSK復調用の2つのD−FF回路と、一方に対し他方が
90゜の位相差を有するクロックでHL信号をサンプリング
する位相差出力用の2つのD−FF回路と、位相差出力用
の2つのD−FF回路の位相差を検出する位相差検出器
と、QPSK搬送波の8倍の再生搬送波を出力するVCOと、V
COの出力をクロックとして作動し、QPSK復調用の2つの
D−FF回路と位相差出力用の2つのD−FF回路とのクロ
ックとする少なくとも7個のD−FF回路を縦接続してな
るシフトレジスタとからなる構成としたので、ディジタ
ル処理により動作が安定し、しかも乗算器、LPF、移相
器の機能を持つ素子を含めてすべてIC化ができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による4位相復調回路の一実施例を示
すブロック図、第2図は、波形図、第3図、第4図、第
5図および第6図は、それぞれ動作説明のための直角座
標図、第7図は、乗算器とLPFを構成するD−FF回路の
ブロック図、第8図は、動作説明のための直角座標図、
第9図は、ディジタル処理の4位相復調回路のブロック
図、第10図は、従来のアナログ処理の回路のブロック
図、第11図は、一般的な衛星放送受信機のブロック図で
ある。 (1)……放送衛星、(2)……パラボラアンテナ、
(3)……BSコンバータ、(4)……BSチューナ、
(5)……選局回路、(6)……FM復調回路、(7)…
…映像−音声分離回路、(8)……デエンファシス回
路、(9)……エネルギー拡散信号除去回路、(10)…
…テレビ受像機、(11)……映像入力端子、(12)……
4位相復調回路、(13)……、(14)……デエンファシ
ス回路、(15)……音声入力端子(15)、(16)……、
(17)(18)……乗算器、(19)(20)……LPF、(2
1)(22)……2値化器、(23)……位相差検出器、(2
4)……VCO、(25)……−90゜移相器、(26)……ビッ
トクロック再生回路、(27)(28)……乗算器、(29)
(30)……LPF、(31)……リミッタ、(32)……D/A変
換器、(33)(34)……出力端子、(35)……ループフ
ィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−215158(JP,A) 特開 昭58−166857(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04L 27/00 - 27/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】QPSK入力端子に入力したQPSK信号をHLのデ
    ィジタル信号に変換して出力するリミッタと、このリミ
    ッタの出力側に並列接続され、一方に対し他方が90゜の
    位相差を有するクロックで前記HL信号をサンプリングす
    るQPSK復調用の2つのD−FF回路と、前記リミッタの出
    力側に並列接続され、一方に対し他方が90゜の位相差を
    有するクロックで前記HL信号をサンプリングする位相差
    出力用の2つのD−FF回路と、これら位相差出力用の2
    つのD−FF回路の位相差を検出する位相差検出器と、こ
    の位相差検出器に基づきQPSK搬送波の8倍の再生搬送波
    を出力するVCOと、このVCOの出力をクロックとして作動
    し、45゜の位相差を持って順次出力し、前記QPSK復調用
    の2つのD−FF回路と位相差出力用の2つのD−FF回路
    とのクロックとする少なくとも7個のD−FF回路を縦接
    続してなるシフトレジスタとからなることを特徴とする
    4位相復調回路。
  2. 【請求項2】シフトレジスタを構成する少なくとも7個
    のD−FF回路のうち、第1番目と第3番目のD−FF回路
    の出力をそれぞれQPSK復調用の2つのD−FF回路のクロ
    ック端子に接続し、第2番目と第4番目のD−FF回路の
    出力をそれぞれ位相差出力用の2つのD−FF回路のクロ
    ック端子に接続してなる請求項(1)記載の4位相復調
    回路。
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