JP2931252B2 - 水中油型乳化食品の製法 - Google Patents

水中油型乳化食品の製法

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JP2931252B2 JP8110622A JP11062296A JP2931252B2 JP 2931252 B2 JP2931252 B2 JP 2931252B2 JP 8110622 A JP8110622 A JP 8110622A JP 11062296 A JP11062296 A JP 11062296A JP 2931252 B2 JP2931252 B2 JP 2931252B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、冷凍サラダ等の冷
凍食品に使用し、長期間冷凍で保管されても分離せず、
耐冷凍性を有する水中油型乳化食品の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】マヨネーズや半固体状ドレッシング等の
水中油型乳化食品は、寒冷地での冬季流通、さらには冷
蔵庫内で低温に置かれた場合などに分離することがある
が、従来は、これら食品について−15℃以上での耐寒
性が問題になっていた。
【0003】しかるに、近年は冷凍食品等にマヨネーズ
のような乳化食品が使用されるようになり、従来よりも
厳しい−20℃〜−25℃という温度領域での耐冷凍性
が求められるようになった。これに対応する方法とし
て、変性ワキシースターチとポリグリセリン脂肪酸エス
テルを水相に併用する方法(特公平5−53467号公
報)等が提案されている。しかし、これらの方法は耐冷
凍性が不十分である上に、水中油型乳化食品を水分の多
い素材と合わせてサラダに用いられた場合、該乳化食品
単独の時より耐冷凍性が劣るという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、油相にソルビタ
ン脂肪酸エステルを含有させることにより、−20℃以
下の低温に長期間保管された後、解凍しても分離しない
水中油型乳化食品が得られることを見出した。本発明は
かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は構成
脂肪酸が飽和酸であるソルビタン脂肪酸エステルを、食
用油を主成分とする油相に含有することを特徴とする水
中油型乳化食品の製法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
水中油型乳化食品は、油相原料と水相原料を配合し、乳
化した食品である。本発明に用いるソルビタン脂肪酸エ
ステルとしては、その構成脂肪酸が飽和酸であることが
必要である。構成脂肪酸が不飽和酸であると、水中油型
乳化食品は逆に耐冷凍性が劣ったものになる。
【0007】本発明においてソルビタン脂肪酸エステル
としては、一般的に市販されているものを使用すればよ
く、具体的にはソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタントリステアレート等が
あり、これらはいずれも食品衛生法で許可されている食
品添加物である。これらのソルビタン脂肪酸エステル
は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使
用してもよい。水中油型乳化食品における該ソルビタン
脂肪酸エステルの添加量は、水中油型乳化食品を構成す
る油相の0.3〜5重量%であり、好ましくは0.5〜
3重量%である。ソルビタン脂肪酸エステルの添加量が
0.3重量%未満であると、得られる水中油型乳化食品
の耐冷凍性が不十分である。一方、5重量%を越えて添
加しても、添加量に応じた耐冷凍性の改善効果が得られ
なかったり、該乳化食品の調製過程で乳化することが困
難になることがある。
【0008】本発明の水中油型乳化食品における油相を
構成するソルビタン脂肪酸エステル以外の油相原料は、
一般に水中油型乳化食品に使用される食用油であり、大
豆油、ヒマワリ油、綿実油等の植物油が好適である。そ
の他、必要に応じて親油性の着色料、香辛料、風味原料
等の成分を適宜用いることができる。また、水相を構成
する水相原料についても、一般に水中油型乳化食品に使
用されているものを用いればよく、例えば卵黄、卵白、
卵、乳蛋白、大豆蛋白等の乳化素材や食酢、食塩、砂糖
等の調味料の他、天然ガム、澱粉、親水性の着色料、香
辛料、風味原料等の成分を適宜用いることができる。
【0009】本発明の水中油型乳化食品における油相と
水相の配合割合についても、特に制限はなく、水中油型
に乳化され得る配合割合であればよい。通常は、油相:
水相=10〜90:90〜10(重量比)、好ましくは
油相:水相=20〜80:80〜20(重量比)であ
る。
【0010】次に、本発明の水中油型乳化食品の製造方
法について述べる。ソルビタン脂肪酸エステルが水不溶
性であるため、油相の一部あるいは全部に添加した後、
加温溶解させ、油相の一部に溶解させた場合には、さら
に残りの油相とも混合し、全油相にソルビタン脂肪酸エ
ステルが含有している状態にする。この油相を50℃以
下、好ましくは45〜25℃に冷却してから使用する。
この油相と水相を混合して水中油型に乳化するには、一
般に行われている方法に準じて行えばよく、例えば水を
除く水相原料を水等に分散、溶解し、これに先の油相を
加え、攪拌機等により予備乳化する。次いで、コロイド
ミル等の乳化機を用いて仕上げ乳化を行う。
【0011】このようにして調製した水中油型乳化食品
を冷凍サラダ等の冷凍食品に使用した場合、−20℃以
下という低温下に長期間保管された後、解凍しても、油
相中で油脂の結晶が生成し、成長するのを制御する作用
があるため、分離することがなく、本来の食感と良好な
風味を維持したサラダ等の食品が得られる。上記作用
は、冷凍食品の調製時から解凍時まで維持される。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。
なお、以下の実験は、−20℃で保管した場合の結果を
示しているが、−25℃で保管した場合も同様な結果が
得られることを確認している。 実施例1〜3および比較例1,2 下記の原料および配合組成により水中油型乳化食品を製
造した。すなわち、ソルビタン脂肪酸エステルの種類を
変えて、それぞれ大豆油に対して2重量%(全組成物中
では1重量%)の割合で添加し、ソルビタン脂肪酸エス
テルが溶解するように、該大豆油を65℃に加温した
後、約40℃まで冷却したものを油相とした。残りの原
料を混合して水相を調製し、これを万能ミキサーで攪拌
しながら、先の油相を加えて予備混合したのち、コロイ
ドミルで仕上げ乳化した。なお、ソルビタン脂肪酸エス
テルを添加しない配合組成としたこと以外は全く同一の
方法で調製したものを比較例2とした。
【0013】
【表1】 第 1 表 原 料 配合組成(重量%) ──────────────────────────── 大豆サラダ油 50 ソルビタン脂肪酸エステル* 1 卵黄 5 食酢 10 砂糖 3 食塩 2 α−澱粉 3 香辛料 0.5 水 残量 ──────────────────────────── 合 計 100 注)*:第2表参照
【0014】このようにして得られた水中油型乳化食品
を−20℃に1ヵ月間冷凍保管した後、25℃で解凍
し、その乳化状態を観察することによって、耐冷凍性の
評価を行い、第2表に耐冷凍性(1)として示した。さ
らに、各実施例並びに比較例の水中油型乳化食品を用
い、該乳化食品:イカ:エビ:カズノコ=30:40:
20:10の重量比で混合した魚介サラダを作り、前記
と同様に−20℃に1ヵ月間冷凍保管したものについ
て、同様にして耐冷凍性の評価を行い、第2表に耐冷凍
性(2)として示した。表に示したように、実施例1〜
3の乳化食品は、耐冷凍性(1)および耐冷凍性(2)
共に分離が見られず、乳化状態は良好であった。
【0015】
【表2】 第2表 ソルビタン脂肪酸 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 エステルの種類 ──────────────────────────────────── モノパルミテート 2重量% モノステアレート 2重量% トリステアレート 2重量% モノオレート 2重量% ──────────────────────────────────── 耐冷凍性(1) ○ ○ ○ × × 耐冷凍性(2) ○ ○ ○ × × ──────────────────────────────────── 注)耐冷凍性の評価は経験豊富なパネラーにより4段階評価で実施した。 ○:分離がなく、乳化状態が非常に良好 △:若干分離があるが、乳化状態が良好 ×:分離があり、乳化状態が悪い ××:分離があり、乳化状態が非常に悪い
【0016】実施例4〜6および比較例3,4 下記の原料および配合組成により、上記実施例1と同様
にして水中油型乳化食品を製造した。すなわち、ソルビ
タン脂肪酸エステルとしてソルビタントリステアレート
を用い、その添加量を変えたこと以外は実施例1と同様
にして水中油型乳化食品を製造した。また、実施例1と
同様に水中油型乳化食品単独および魚介サラダに調製し
たものを、−20℃で1ヵ月間保管後に耐冷凍性を評価
した。結果を第4表に示す。表に示したように、実施例
4〜6の乳化食品は、耐冷凍性(1)および耐冷凍性
(2)共に分離が見られず、乳化状態は良好であった
が、比較例3の乳化食品は、分離が見られ、乳化状態が
悪く、比較例4の場合は、水中油型乳化食品の調製が困
難となり、転相してしまう。
【0017】
【表3】 第 3 表 原 料 配合組成(重量%) ──────────────────────────── 大豆サラダ油 50 ソルビタン脂肪酸エステル* 1 卵黄 5 食酢 10 砂糖 3 食塩 2 変性ワキシー澱粉 3 天然ガム 0.3 香辛料 0.5 水 残量 ──────────────────────────── 合 計 100 注)*:第4表参照
【0018】
【表4】 第 4 表 ソルビタントリステ 実施例4 実施例5 実施例6 比較例3 比較例4 アレートの添加量 (対油 重量%) 0.3 3.5 5 0.2 7 ──────────────────────────────────── 耐冷凍性(1) ○ 〜 △ ○ ○ × 転相 耐冷凍性(2) ○ 〜 △ ○ ○ × 転相 ───────────────────────────────────注 )耐冷凍性の評価は第2表と同じ。
【0019】比較例5,6 実施例4〜6において、ソルビタン脂肪酸エステルの代
わりにポリグリセリン脂肪酸エステル(比較例5ではヘ
キサグリセリンモノステアレートを、比較例6ではデカ
グリセリンモノステアレートを使用)を第5表に示した
処方により用いて水中油型乳化食品を得た。なお、該乳
化食品の調製にあたり、比較例5は実施例1と同様にポ
リグリセリン脂肪酸エステルを大豆油に加えて加熱溶解
し、実施例1と同じ方法で調製したが、比較例6ではポ
リグリセリン脂肪酸エステルを卵黄を除いた残りの水相
原料と合わせてよく攪拌しながら90℃に約15分間加
熱し、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含んだ澱粉糊を
作り、その後40℃程度に冷却したのち、卵黄を添加、
混合して水相とした。この水相と大豆油の混合、予備乳
化および仕上げ乳化は実施例1と同じ方法で行った。こ
のようにして得られた比較例5,6の水中油型乳化食品
について、実施例1と同様に水中油型乳化食品単独およ
び魚介サラダに調製したものを、−20℃で1ヵ月間保
管後に耐冷凍性を評価した。結果を第5表に示す。表に
示したように、比較例5,6の乳化食品は、耐冷凍性
(1)および耐冷凍性(2)共に分離が見られ、乳化状
態はよくなかった。
【0020】
【表5】 第 5 表 グリセリン脂肪酸エステル 比較例5 比較例6 の添加量(対油 重量%) 2重量% 2重量% ──────────────────────────── 耐冷凍性(1) × × 耐冷凍性(2) × × ──────────────────────────── 注)耐冷凍性の評価は第2表と同じ。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、−20℃以下の低温で
長期間保管しても分離せず、耐冷凍性に優れた水中油型
乳化食品が提供される。したがって、このものは冷凍食
品等に好適に用いることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成脂肪酸が飽和酸であるソルビタン脂
    肪酸エステルを、食用油を主成分とする油相に含有する
    ことを特徴とする水中油型乳化食品の製法。
  2. 【請求項2】 食用油を主成分とする油相中のソルビタ
    ン脂肪酸エステルの含有量が0.3〜5重量%である請
    求項1記載の水中油型乳化食品の製法。
  3. 【請求項3】 食用油を主成分とする油相に、構成脂肪
    酸が飽和酸であるソルビタン脂肪酸エステルを含有させ
    たことを特徴とする、耐冷凍性に優れた水中油型乳化食
    品。
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