JP2931252B2 - 水中油型乳化食品の製法 - Google Patents
水中油型乳化食品の製法Info
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Description
凍食品に使用し、長期間冷凍で保管されても分離せず、
耐冷凍性を有する水中油型乳化食品の製法に関する。
水中油型乳化食品は、寒冷地での冬季流通、さらには冷
蔵庫内で低温に置かれた場合などに分離することがある
が、従来は、これら食品について−15℃以上での耐寒
性が問題になっていた。
のような乳化食品が使用されるようになり、従来よりも
厳しい−20℃〜−25℃という温度領域での耐冷凍性
が求められるようになった。これに対応する方法とし
て、変性ワキシースターチとポリグリセリン脂肪酸エス
テルを水相に併用する方法(特公平5−53467号公
報)等が提案されている。しかし、これらの方法は耐冷
凍性が不十分である上に、水中油型乳化食品を水分の多
い素材と合わせてサラダに用いられた場合、該乳化食品
単独の時より耐冷凍性が劣るという欠点があった。
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、油相にソルビタ
ン脂肪酸エステルを含有させることにより、−20℃以
下の低温に長期間保管された後、解凍しても分離しない
水中油型乳化食品が得られることを見出した。本発明は
かかる知見に基づいて完成されたものである。
脂肪酸が飽和酸であるソルビタン脂肪酸エステルを、食
用油を主成分とする油相に含有することを特徴とする水
中油型乳化食品の製法に関する。
水中油型乳化食品は、油相原料と水相原料を配合し、乳
化した食品である。本発明に用いるソルビタン脂肪酸エ
ステルとしては、その構成脂肪酸が飽和酸であることが
必要である。構成脂肪酸が不飽和酸であると、水中油型
乳化食品は逆に耐冷凍性が劣ったものになる。
としては、一般的に市販されているものを使用すればよ
く、具体的にはソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタントリステアレート等が
あり、これらはいずれも食品衛生法で許可されている食
品添加物である。これらのソルビタン脂肪酸エステル
は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使
用してもよい。水中油型乳化食品における該ソルビタン
脂肪酸エステルの添加量は、水中油型乳化食品を構成す
る油相の0.3〜5重量%であり、好ましくは0.5〜
3重量%である。ソルビタン脂肪酸エステルの添加量が
0.3重量%未満であると、得られる水中油型乳化食品
の耐冷凍性が不十分である。一方、5重量%を越えて添
加しても、添加量に応じた耐冷凍性の改善効果が得られ
なかったり、該乳化食品の調製過程で乳化することが困
難になることがある。
構成するソルビタン脂肪酸エステル以外の油相原料は、
一般に水中油型乳化食品に使用される食用油であり、大
豆油、ヒマワリ油、綿実油等の植物油が好適である。そ
の他、必要に応じて親油性の着色料、香辛料、風味原料
等の成分を適宜用いることができる。また、水相を構成
する水相原料についても、一般に水中油型乳化食品に使
用されているものを用いればよく、例えば卵黄、卵白、
卵、乳蛋白、大豆蛋白等の乳化素材や食酢、食塩、砂糖
等の調味料の他、天然ガム、澱粉、親水性の着色料、香
辛料、風味原料等の成分を適宜用いることができる。
水相の配合割合についても、特に制限はなく、水中油型
に乳化され得る配合割合であればよい。通常は、油相:
水相=10〜90:90〜10(重量比)、好ましくは
油相:水相=20〜80:80〜20(重量比)であ
る。
法について述べる。ソルビタン脂肪酸エステルが水不溶
性であるため、油相の一部あるいは全部に添加した後、
加温溶解させ、油相の一部に溶解させた場合には、さら
に残りの油相とも混合し、全油相にソルビタン脂肪酸エ
ステルが含有している状態にする。この油相を50℃以
下、好ましくは45〜25℃に冷却してから使用する。
この油相と水相を混合して水中油型に乳化するには、一
般に行われている方法に準じて行えばよく、例えば水を
除く水相原料を水等に分散、溶解し、これに先の油相を
加え、攪拌機等により予備乳化する。次いで、コロイド
ミル等の乳化機を用いて仕上げ乳化を行う。
を冷凍サラダ等の冷凍食品に使用した場合、−20℃以
下という低温下に長期間保管された後、解凍しても、油
相中で油脂の結晶が生成し、成長するのを制御する作用
があるため、分離することがなく、本来の食感と良好な
風味を維持したサラダ等の食品が得られる。上記作用
は、冷凍食品の調製時から解凍時まで維持される。
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。
なお、以下の実験は、−20℃で保管した場合の結果を
示しているが、−25℃で保管した場合も同様な結果が
得られることを確認している。 実施例1〜3および比較例1,2 下記の原料および配合組成により水中油型乳化食品を製
造した。すなわち、ソルビタン脂肪酸エステルの種類を
変えて、それぞれ大豆油に対して2重量%(全組成物中
では1重量%)の割合で添加し、ソルビタン脂肪酸エス
テルが溶解するように、該大豆油を65℃に加温した
後、約40℃まで冷却したものを油相とした。残りの原
料を混合して水相を調製し、これを万能ミキサーで攪拌
しながら、先の油相を加えて予備混合したのち、コロイ
ドミルで仕上げ乳化した。なお、ソルビタン脂肪酸エス
テルを添加しない配合組成としたこと以外は全く同一の
方法で調製したものを比較例2とした。
を−20℃に1ヵ月間冷凍保管した後、25℃で解凍
し、その乳化状態を観察することによって、耐冷凍性の
評価を行い、第2表に耐冷凍性(1)として示した。さ
らに、各実施例並びに比較例の水中油型乳化食品を用
い、該乳化食品:イカ:エビ:カズノコ=30:40:
20:10の重量比で混合した魚介サラダを作り、前記
と同様に−20℃に1ヵ月間冷凍保管したものについ
て、同様にして耐冷凍性の評価を行い、第2表に耐冷凍
性(2)として示した。表に示したように、実施例1〜
3の乳化食品は、耐冷凍性(1)および耐冷凍性(2)
共に分離が見られず、乳化状態は良好であった。
にして水中油型乳化食品を製造した。すなわち、ソルビ
タン脂肪酸エステルとしてソルビタントリステアレート
を用い、その添加量を変えたこと以外は実施例1と同様
にして水中油型乳化食品を製造した。また、実施例1と
同様に水中油型乳化食品単独および魚介サラダに調製し
たものを、−20℃で1ヵ月間保管後に耐冷凍性を評価
した。結果を第4表に示す。表に示したように、実施例
4〜6の乳化食品は、耐冷凍性(1)および耐冷凍性
(2)共に分離が見られず、乳化状態は良好であった
が、比較例3の乳化食品は、分離が見られ、乳化状態が
悪く、比較例4の場合は、水中油型乳化食品の調製が困
難となり、転相してしまう。
わりにポリグリセリン脂肪酸エステル(比較例5ではヘ
キサグリセリンモノステアレートを、比較例6ではデカ
グリセリンモノステアレートを使用)を第5表に示した
処方により用いて水中油型乳化食品を得た。なお、該乳
化食品の調製にあたり、比較例5は実施例1と同様にポ
リグリセリン脂肪酸エステルを大豆油に加えて加熱溶解
し、実施例1と同じ方法で調製したが、比較例6ではポ
リグリセリン脂肪酸エステルを卵黄を除いた残りの水相
原料と合わせてよく攪拌しながら90℃に約15分間加
熱し、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含んだ澱粉糊を
作り、その後40℃程度に冷却したのち、卵黄を添加、
混合して水相とした。この水相と大豆油の混合、予備乳
化および仕上げ乳化は実施例1と同じ方法で行った。こ
のようにして得られた比較例5,6の水中油型乳化食品
について、実施例1と同様に水中油型乳化食品単独およ
び魚介サラダに調製したものを、−20℃で1ヵ月間保
管後に耐冷凍性を評価した。結果を第5表に示す。表に
示したように、比較例5,6の乳化食品は、耐冷凍性
(1)および耐冷凍性(2)共に分離が見られ、乳化状
態はよくなかった。
長期間保管しても分離せず、耐冷凍性に優れた水中油型
乳化食品が提供される。したがって、このものは冷凍食
品等に好適に用いることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 構成脂肪酸が飽和酸であるソルビタン脂
肪酸エステルを、食用油を主成分とする油相に含有する
ことを特徴とする水中油型乳化食品の製法。 - 【請求項2】 食用油を主成分とする油相中のソルビタ
ン脂肪酸エステルの含有量が0.3〜5重量%である請
求項1記載の水中油型乳化食品の製法。 - 【請求項3】 食用油を主成分とする油相に、構成脂肪
酸が飽和酸であるソルビタン脂肪酸エステルを含有させ
たことを特徴とする、耐冷凍性に優れた水中油型乳化食
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8110622A JP2931252B2 (ja) | 1996-04-08 | 1996-04-08 | 水中油型乳化食品の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8110622A JP2931252B2 (ja) | 1996-04-08 | 1996-04-08 | 水中油型乳化食品の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09271353A JPH09271353A (ja) | 1997-10-21 |
JP2931252B2 true JP2931252B2 (ja) | 1999-08-09 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8110622A Expired - Fee Related JP2931252B2 (ja) | 1996-04-08 | 1996-04-08 | 水中油型乳化食品の製法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2931252B2 (ja) |
-
1996
- 1996-04-08 JP JP8110622A patent/JP2931252B2/ja not_active Expired - Fee Related
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