JP2927106B2 - 移動棚装置 - Google Patents

移動棚装置

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JP2927106B2
JP2927106B2 JP4141350A JP14135092A JP2927106B2 JP 2927106 B2 JP2927106 B2 JP 2927106B2 JP 4141350 A JP4141350 A JP 4141350A JP 14135092 A JP14135092 A JP 14135092A JP 2927106 B2 JP2927106 B2 JP 2927106B2
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悟吉 波戸内
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、棚をその長さ方向に対
し直交する奥行き方向に走行駆動可能に構成した移動棚
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】前記のような移動棚装置
の走行駆動可能な棚は、一般的には複数台並設され、各
棚間に形成されるべき作業通路の内、実際に物品出し入
れを行う棚に隣接する作業通路のみを広げて、他の作業
通路は、両側の棚を近接させて閉じておくように使用さ
れるものであって、床面の利用効率を高めるのに有効な
ものであるが、従来のこの種の移動棚装置は、棚底部に
軸支される支持用車輪(一部又は全部がモーターに連動
連結している)の全てを、床面側に敷設されたガイドレ
ールに係合する鍔付き車輪や溝付き車輪としていた。従
って、床側には棚長さ方向の複数箇所に前記のガイドレ
ールが敷設されることになり、単に移動棚設置コストが
高くなるだけでなく、棚間に形成された作業通路内を歩
行する作業者や作業車両が前記ガイドレールによって安
全円滑な作業を妨害される恐れが大きかった。
【0003】このような問題点を解消するために、例え
ば実開昭63−196231号によって知られるよう
に、棚を支持する前記支持用車輪として、床側の床面を
転動する巾広のガイドレール不要な車輪とし、棚の長さ
方向一端部にのみ、床側のガイドレールに係合して棚の
移動方向を規制する鍔付き車輪や溝付き車輪を軸支する
ことが考えられたが、この公報に開示された従来の構成
では、前記棚移動方向規制用車輪を前記支持用車輪と同
軸上に取り付けていた。
【0004】従って、前記棚移動方向規制用車輪の棚移
動方向の軸間距離を前記支持用車輪の棚移動方向の軸間
距離とは関係なく変えることも出来ないし、ガイドレー
ルを左右両側から挟む棚移動方向規制効果の高い垂直軸
ローラーや溝形ガイドレール内に嵌合する垂直軸ローラ
ーなどを前記棚移動方向規制用車輪として活用すること
も出来なかった。又、ガイドレールを床面下に埋設し
て、作業者らに与える影響を少なくしようとすると、前
記棚移動方向規制用車輪として支持用車輪よりも大径の
ものを使用しなければならず、小径の安価な車輪を活用
することも出来ない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従
来の問題点を解消し得る移動棚装置を提供することを目
的とするものであって、その手段を後述する実施例の参
照符号を付して示すと、棚1の底部に支持用車輪2a〜
3cとガイド車輪4a,4bとが軸支された移動棚装置
であって、前記支持用車輪2a〜3cは、その全てが床
面5上を転動するガイドレール不要の車輪であって、棚
底部の棚奥行き方向の前後両側辺夫々に棚長さ方向適当
間隔おきに複数個軸支され、これら支持用車輪2a〜3
cの内、少なくとも棚奥行き方向の前後一側辺で棚長さ
方向に同心状に並列する複数個の支持用車輪2a〜2c
はモーター11に連動連結され、前記ガイド車輪4a,
4bは、棚長さ方向の少なくとも一端部下の床に棚奥行
き方向と平行に敷設されたガイドレール14に係合して
前記棚1の走行方向を規制する車輪であって、棚長さ方
向の端部と当該端部側にある前記支持用車輪2c,3c
との間の棚底部内に、前記支持用車輪2a〜3cの棚奥
行き方向の軸間距離L1よりも広い棚奥行き方向間隔L
2で前後一組軸支された構成となっている。
【0006】上記構成の本発明装置を実施するに際し、
前記ガイドレール14を床面下に埋設し、前記前後一組
のガイド車輪4a,4bとして、前記支持用車輪2a〜
3cよりも小径の、両側に前記ガイドレール14を挟む
鍔を有する鍔付き車輪を使用し、当該ガイド車輪4a,
4bを、その軸心が前記支持用車輪2a〜3cの軸心よ
りも低くなるように軸支することができる。
【0007】また、前記前後一組のガイド車輪のそれぞ
れを、ガイドレール17を挟む一対の垂直軸ローラー1
8a,18b、19a,19bから構成することができ
るし、断面溝形のガイドレール20を使用するときは、
前記前後一組のガイド車輪のそれぞれを、当該溝形ガイ
ドレール20内に嵌合する垂直軸ローラー21a,21
bから構成することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付の例示図に基
づいて説明すると、図1A,Bに於いて、1は棚であっ
て、その底部には、棚奥行き方向の前後両側辺夫々に棚
長さ方向に3個の支持用車輪2a〜2c及び3a〜3c
が軸支され、更に棚長さ方向の一端部には、棚奥行き方
向に前後一組のガイド車輪4a,4bが軸支されてい
る。
【0009】前記各支持用車輪2a〜3cは、ガイド車
輪4a,4bと比較して巾広で且つ周面をウレタン樹脂
などの合成樹脂から構成された、床面5上を転動するガ
イドレール不要の車輪であって、その内の片側の3個の
支持用車輪2a〜2cは、両端に軸継ぎ手6a,6b及
び7a,7bを備えた同心状の伝動軸8,9を介して互
いに連動連結され、中央の支持用車輪2bは、当該車輪
2bに同心状に付設した歯車10aとこれに咬合する歯
車10b,10cを介して、棚底部に支持させた減速機
付きモーター11に連動連結されている。12は棚底部
に取り付けられた門形の軸受部材であって、各支持用車
輪2a〜2cを各別に両側で支承する。反対側の支持用
車輪3a〜3cは、同心状に配置されているが、互いに
連動連結されずに前記軸受部材12と同様の軸受部材に
より各別に軸支されている。
【0010】前記ガイド車輪4a,4bは、前記支持用
車輪2a〜3cよりも小径の、両側に鍔を有する鍔付き
車輪であって、図示のように棚長さ方向の一端部と当該
一端部側にある前記支持用車輪2c,3cとの間の棚底
部内に、前記支持用車輪2a〜3cの棚奥行き方向の軸
間距離L1よりも広い棚奥行き方向間隔L2をもって、
各々独立した門形の軸受部材13により棚底部に軸支さ
れている。これらガイド車輪4a,4bがその鍔間に於
いて係合するガイドレール14が、その上面が前記床面
5と面一となるように、棚奥行き方向と平行に床面下に
埋設されている。15は、前記ガイドレール14をその
内側で支持し且つ当該ガイドレール14の両側に前記ガ
イドレール車輪4a,4bの鍔部遊嵌用溝を形成する断
面U形のレール支持部材である。
【0011】上記のように構成された移動棚装置の棚1
は、図2に示すように、前記ガイドレール14を兼用す
るように複数台が並設されるが、若し、各棚1の移動経
路の片側に壁16などがあって、棚間の通路への出入口
が棚長さ方向の一端側のみとなる場合には、前記ガイド
レール14は、前記壁16などに隣接する側に敷設する
のが望ましい。しかして、各棚1は、任意の棚1間に作
業用通路を形成するために、モーター11により支持用
車輪2a〜2cを回転駆動することにより、ガイドレー
ル14に沿って棚奥行き方向に往復移動させることが出
来る。このとき走行する棚1は、支持用車輪2a〜3c
が巾広で或る程度の直進性をもっていることと、ガイド
車輪4a,4bがガイドレール14に嵌合して転動する
こととによって、ガイドレール14に沿って確実に直進
する。
【0012】なお、ガイド車輪4a,4bは、棚1の荷
重を受け持つものである必要はない。従って、ガイドレ
ール14に対してガイドレール車輪4a,4bは、その
鍔間にガイドレール14が嵌合しておりさえすれば、当
該ガイドレール14に対し車輪周面が若干浮上していて
も良い。このようなことから、ガイド車輪としては、図
3Aに示すようにガイドレール17を左右両側から挟む
各一対の垂直軸ローラー18a,18b及び19a,1
9bから構成することも出来るし、図3Bに示すよう
に、溝形のガイドレール20内に左右横方向の遊びが十
分少ない状態で遊嵌する垂直軸ローラー21a,21b
から構成することも出来る。
【0013】又、何れのガイドレール14,17,20
も、床面上に突出させて敷設することも出来るし、図示
のガイドレール14のように、レール上端が床面5と面
一になる状態に埋没させて敷設することも出来る。更
に、支持用車輪2a〜3cが転動する床面5には帯状鉄
板などを、その上面が床面5と面一となるように、又は
床面5上に敷設するなどの補強を施すことが出来る。
又、上記実施例では、ガイド車輪4a,4bを支持用車
輪2a〜3cよりも小径にしたが、有効径が同一のもの
であっても良い。支持用車輪2a〜3cは、その全てを
モーター駆動し得るように構成することも出来る。
【0014】
【発明の作用及び効果】以上のように本発明の移動棚装
置によれば、ガイドレールが不要の支持用車輪は、当該
車輪に駆動トルクを伝達する回転軸に取り付けられる点
や棚側の荷重を支持し得る必要強度を備えた巾広車輪と
なるところから、ある程度の直径を有する比較的大径の
車輪となり、従ってその棚奥行き方向の軸間距離は、棚
奥行き寸法に比較して比較的小さくならざるを得ない
(この点では棚の直進性が悪くなる)が、少なくとも棚
奥行き方向の前後一側辺にある同心状に並列する複数個
の支持用車輪がモーター駆動されることと、床側に敷設
された棚走行方向規制用のガイドレールに係合しさえす
れば棚荷重を支持する必要がないために比較的小径の車
輪やローラーから構成できるガイド車輪を、前記支持用
車輪の棚奥行き方向の軸間距離よりも広い棚奥行き方向
間隔で前後一組軸支したこととによって、各支持用車輪
の転動方向を床側のガイドレールで規制しないにもかか
わらず棚を確実に直進走行させることが出来るに至った
のである。
【0015】しかも、前記ガイド車輪は、棚長さ方向の
端部と当該端部側にある前記支持用車輪との間の棚底部
内に前後一組軸支されており、当該ガイド車輪が係合す
るガイドレールも棚端部の下側の床に敷設されているの
で、棚の周囲に通行や作業の障害となるような物がな
く、棚の周囲での通行や作業を安全に行えるとともに、
棚の設置場所にも制約を受けることが少ない。
【0016】なお、請求項2に記載の構成によれば、前
後一組の前記ガイド車輪の棚奥行き方向の軸間距離をよ
り一層大きくして棚の直進性を良好ならしめ得るととも
に、ガイド車輪の小型軽量化によるコストダウンを図る
ことができる。また、請求項3や請求項4に記載の構成
によれば、棚の直進性を更に十分に高め得るとともに、
ガイド車輪の取り付けに際して高いレベル精度が要求さ
れないので、組み立て作業を容易に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 A図は支持用車輪とガイド車輪の配置を説明
する概略平面図であり、B図はこれら車輪の取り付け構
造を示す要部の縦断正面図である。
【図2】 移動棚設備全体の構成を説明する斜視図であ
る。
【図3】 A図及びB図とも、ガイド車輪の変形例を示
す概略平面図である。
【符号の説明】
1 棚 2a〜2c モーター駆動の支持用車輪 3a〜3c 支持用車輪 4a,4b ガイド車輪 5 床面 8,9 伝動軸 10a〜10c 歯車 11 減速機付きモーター 14 ガイドレール 16 壁 17 ガイドレール 18a〜19b 垂直軸ローラー 20 溝形ガイドレール 21a,21b 垂直軸ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−25804(JP,A) 実開 昭63−196231(JP,U) 実開 昭63−148232(JP,U) 実開 平2−112604(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65G 1/00 - 1/20 A47B 53/00 - 53/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】棚の底部に支持用車輪とガイド車輪とが軸
    支された移動棚装置であって、前記支持用車輪は、その
    全てが床面上を転動するガイドレール不要の車輪であっ
    て、棚底部の棚奥行き方向の前後両側辺夫々に棚長さ方
    向適当間隔おきに複数個軸支され、これら支持用車輪の
    内、少なくとも棚奥行き方向の前後一側辺で棚長さ方向
    に同心状に並列する複数個の支持用車輪はモーターに連
    動連結され、前記ガイド車輪は、棚長さ方向の少なくと
    も一端部下の床に棚奥行き方向と平行に敷設されたガイ
    ドレールに係合して前記棚の走行方向を規制する車輪で
    あって、棚長さ方向の端部と当該端部側にある前記支持
    用車輪との間の棚底部内に、前記支持用車輪の棚奥行き
    方向の軸間距離よりも広い棚奥行き方向間隔で前後一組
    軸支されている、移動棚装置。
  2. 【請求項2】前記ガイドレールが床面下に埋設され、前
    記前後一組のガイド車輪が、前記支持用車輪よりも小径
    の、両側に前記ガイドレールを挟む鍔を有する鍔付き車
    輪であって、その軸心が前記支持用車輪の軸心よりも床
    側に下げられている、請求項1に記載の移動棚装置。
  3. 【請求項3】前記前後一組のガイド車輪のそれぞれが、
    前記ガイドレールを挟む一対の垂直軸ローラーから構成
    された、請求項1に記載の移動棚装置。
  4. 【請求項4】前記ガイドレールが断面溝形のもので、前
    記前後一組のガイド車輪のそれぞれが、前記溝形ガイド
    レール内に嵌合する垂直軸ローラーから構成された、
    求項1に記載の移動棚装置。
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