JP2926963B2 - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造方法

Info

Publication number
JP2926963B2
JP2926963B2 JP28941990A JP28941990A JP2926963B2 JP 2926963 B2 JP2926963 B2 JP 2926963B2 JP 28941990 A JP28941990 A JP 28941990A JP 28941990 A JP28941990 A JP 28941990A JP 2926963 B2 JP2926963 B2 JP 2926963B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
polymerization
monomer
copolymer latex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP28941990A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04161403A (ja
Inventor
勝彦 鶴岡
理 石川
昌三 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP28941990A priority Critical patent/JP2926963B2/ja
Publication of JPH04161403A publication Critical patent/JPH04161403A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2926963B2 publication Critical patent/JP2926963B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、接着剤等に使用したとき、接着強度や耐ブ
リスター性などの特性に優れ、かつ臭気の少ない共重合
体ラテックスの製造方法に関する。
[従来の技術] 共役ジエン系単量体,エチレン系不飽和単量体,エチ
レン系不飽和カルボン酸などからなる単量体を乳化重合
して得られる共重合体ラテックスは、接着性に優れるこ
とから各種の接着剤として広く使用されている。
これら共重合体ラテックスの製造時には、メルカプタ
ン化合物やジスルフィド化合物が重合連鎖移動剤として
有効であり、広く使用されている。
しかしながら、メルカプタン化合物やジスルフィド化
合物は一般的に不快臭を有し、この臭気は重合中のみな
らず、製品加工過程においても問題となる場合があり、
この臭気の軽減が望まれている。
このため、例えば特開昭53−121890号公報では、臭気
の少ない非イオウ系連鎖移動剤の使用が提案されてい
る。しかしながら、これらの連鎖移動剤は高価であり、
実用性において問題があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、接着剤等に使用したとき、接着強度、耐ブ
リスター性等の特性に優れ、かつ実質的に臭気のない共
重合体ラテックスの製造方法を提供することを目的とす
るものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、鋭意検討の結果、単量体を特定の有機
溶剤の存在下に乳化重合して得られる共重合体ラテック
スを用いることにより、上記目的を達成することを見い
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 (a)共役ジエン系単量体 10〜80重量部 (b)エチレン系不飽和単量体 20〜90重量部 を含む単量体100重量部を乳化重合するに際して、 重合連鎖移動剤0.1〜10重量部と、 水溶性のエーテル類(脂肪族または脂環族アルデヒド
またはケトンに由来するエノールエーテルを除く)およ
び/またはモノアルコール類(以下、総称して「有機溶
剤」という)0.5〜20重量部と、 の存在下で乳化重合することを特徴とする共重合体ラテ
ックスの製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用される単量体は、以下に示す単量
体成分(a)および(b)を含む。
(a)共役ジエン系単量体 共役ジエン系単量体の具体例としては、ブタジエン、
イソプレン、2−クロル−13−ブタジエン、2−メチル
−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。これら
は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。これらのうち、特にブタジエンが好まし
い。
共役ジエン系単量体の使用量は、全単量体100重量部
に対し10〜80重量部、好ましくは10〜70重量部、特に好
ましくは20〜65重量部の範囲から選ばれる。この使用量
が10重量部未満では十分な接着強度を得ることができ
ず、一方80重量部を越えると耐水性および接着強度が低
下して好ましくない。
(b)エチレン系不飽和単量体 このエチレン系不飽和単量体の具体例としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチ
ルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸グリシジルなどのアクリル酸またはメタクリル酸
のアルキルエステル化合物;アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸
のアクリルアミドまたはメタクリルアミド化合物;酢酸
ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;2−シアノエ
チル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシア
ン化ビニル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等の塩基
性単量体類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸な
どのモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸などのジカルボン酸類;さらにマレイン酸メチル、
イタコン酸メチル、β−メタアクリルオキシエチルアシ
ッドヘキサハイドロフタレート等のハーフエステル類な
どの不飽和カルボン酸を挙げることができる。また、ジ
カルボン酸の無水物も使用することができる。これらは
単独で、あるいは2種以上を組合わせて使用することが
できる。これらのうち、特に芳香族ビニル化合物として
はスチレンなどが、アルキルエステル化合物としてはメ
タクリル酸メチルなどが、シアン化ビニル化合物として
はアクリロニトリルなどが、また不飽和カルボン酸とし
てはアクリル酸、イタコン酸などが好適に使用される。
エチレン系不飽和単量体は、得られる共重合体に適度
の硬さ、弾性および耐水性を付与するために使用する
が、その使用量は、全単量体100重量部に対し、20〜90
重量部、好ましくは20〜80重量部の範囲から選ばれる。
この使用量が、20重量部未満では耐水性が劣り、一方90
重量部を越えると共重合体が硬くなりすぎ、接着強度が
低下して好ましくない。
本発明においては、(b)成分の一部として不飽和カ
ルボン酸単量体を全単量体100重量部に対し通常0.5〜10
重量部、好ましくは1〜7重量部使用することにより、
得られる共重合体ラテックスの接着強度ならびに機械的
安定性をさらに向上させることができる。
次に、本発明の共重合体はラテックスの製造方法に使
用される有機溶剤は、常圧における沸点(b.p)が通常2
50℃以下、好ましくは30〜200℃で、かつ水溶性であ
る。
有機溶剤の沸点(b,p)が250℃を越えると、ストリッ
ピングや減圧蒸溜での溶剤の回収が困難となり、共重合
体ラテックス中に溶剤が残存するため好ましくない。
また、本発明において水溶性とは、20℃における水に
対する溶解度が1重量%を越えることを意味する。
さらに、本発明の共重合体ラテックスの製造方法に使
用される有機溶剤は溶解パラメーターが7〜14であるこ
とが好ましい。なお、溶解パラメーターδは、下記式 (Δhvap:モル蒸発熱,v0:モル体積) より求めることができる。
有機溶剤のうちエーテル類(脂肪族または脂環族アル
デヒドまたはケトンに由来するエノールエーテルを除
く)としては、例えばテトラヒドロフラン(b.p=66
℃,δ=9.1)、ジオキサン(b.p=101.3℃,δ=9.8)
等が挙げられる。
このようなエーテル類においては、沸点は好ましくは
34〜200℃であり、溶解パラメーターは好ましくは7〜1
1、より好ましくは7.2〜10.5である。
また、モノアルコール類としては、例えばメタノール
(b.p=64.5,δ=12.9),エタノール(b.p=78.3℃,
δ=11.2),2−プロパノール(b.p=82.4,δ=11.5),t
ert−ブチルアルコール(b.p=82.5,δ=10.7)等の炭
素数5以下のものが挙げられる。
このようなアルコール類においては、沸点が好ましく
は30〜230℃であり、溶解パラメーターは好ましくは7.5
〜13である。
これら特定の有機溶剤の使用量は全単量対100重量部
に対しても0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、
さらに好ましくは1〜10重量部である。
この使用量が0.5重量部未満では、本発明の目的であ
る重合連鎖移動剤の使用量の軽減が達成できず、得られ
る共重合体ラテックスの臭気を実質的になくすことがで
きない。一方、使用量が20重量部を越えると、重合中に
多量の凝固物が発生し、好ましくない。
本発明においては、重合連鎖移動剤と有機溶剤とを併
用することにより、重合連鎖移動剤の使用量を相対的に
低減することができ、その結果メルカプタン化合物やジ
スルフィド化合物等による不快臭を実質的にかなりなく
すことができる。
本発明における共重合体ラテックスの製造方法は、上
記の単量体および有機溶剤を使用する点を除けば、従来
公知の乳化重合方法によって行うことができる。すなわ
ち、水性媒体(通常、水)に単量体、有機溶剤ならびに
重合開始剤、乳化剤、重合連鎖移動剤などを加えて乳化
重合を行う。
本発明における乳化重合に使用する重合開始剤につい
ては特に制限はなく、例えばクメンハイドロパーオキサ
イド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどのハイド
ロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイドなどのパーオキサイド類およびア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物類などの有
機系重合開始剤、ならびに過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩などの無機
系重合開始剤を使用することができる。
本発明においては、有機系重合開始剤を単独で使用す
ると得られる共重合体ラテックスの機械的安定性が劣
り、また重合中に多量の凝固物が発生することから、無
機系重合開始剤を単独で、あるいは有機系重合開始剤と
組合わせて使用するのが好ましい。
なお、上記重合開始剤は重亜硫酸ナトリウムなどの還
元剤と組合わせた、いわゆるレドックス系重合開始剤と
しても使用することができる。
これら重合開始剤のうち、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウムなどの過硫酸塩、またはこれとアゾビスイソ
ブチロニトリルあるいはベンゾイルパーオキサイドとの
組合せ、さらにはこれらと還元剤とを組合わせたものが
好ましく使用される。
本発明における重合開始剤の使用量は、全単量体100
重量部当り、通常0.1〜5重量部であり、好ましくは0.5
〜2重量部である。無機系重合開始剤と有機系重合開始
剤とを併用する場合には、有機系重合開始剤の割合は、
好ましくは全重合開始剤の70重量%以下、さらに好まし
くは50重量%以下である。有機系重合開始剤の割合が70
重量%を越えると、有機系重合開始剤を単独で使用した
場合のような問題が生じて好ましくない。
本発明における乳化重合に使用する乳化剤については
特に制限はなく、アニオン型、ノニオン型および両性型
界面活性剤のいずれも使用することができる。これらは
単独でも、あるいは2種以上を混合して使用することも
できる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級ア
ルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの脂肪族カルボ
ン酸エステルのスルホン酸塩などのアニオン型界面活性
剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、ア
ルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型などの
ノニオン型界面活性剤などを使用することができる。ま
た、両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカル
ボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、りん酸塩、
りん酸エステル塩を、またカチオン部分としてアミン
塩、第4級アンモニウム塩をもつものを挙げることがで
きる。具体的には、アルキルベタインの塩としてラウリ
ルベタイン、ステアリルベタイン、ココアミドプロピル
ベタイン、2−ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリ
ウムベタインの塩が、またアミノ酸タイプのものとして
はラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニ
ン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ
(アミノエチル)グリシン、ジオクチルジ(アミノエチ
ル)グリシンの塩を挙げることができる。
これら乳化剤のうち、特にアルキルベンゼンスルホン
酸塩が好ましく使用される。さらに具体的には、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが特に好ましく使
用される。このアルキルベンゼンスルホン酸塩は、他の
界面活性剤、例えば高級アルコールの硫酸エステル塩、
脂肪族カルボン酸エステルのスルホン酸塩などのアニオ
ン型界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアル
キルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニ
ルエーテル型などのノニオン型界面活性剤などと併用し
てもよい。
乳化剤の使用量は、全単量体100重量部当り、通常0.0
5〜2重量部であり、好ましくは0.05〜1重量部であ
る。乳化剤の使用量が2重量部を越えると、耐水性が劣
り、紙塗被組成物の泡立ちが著しくなって塗工時に問題
となる。なお、アルキルベンゼンスルホン酸塩を他のア
ニオン型あるいはノニオン型界面活性剤と併用する場
合、アルキルベンゼンスルホン酸塩の使用割合は全乳化
剤の50重量%以上とするのが好ましい。
本発明における乳化重合に使用する重合連鎖移動剤と
しては、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサ
デシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、
t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;
ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサント
ゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスル
フィドなどのキサントゲジスルフィド類;テトラメチル
チウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフ
ィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラ
ムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハ
ロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化
水素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリル
アルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、タ
ーピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペ
ンテン、α−メチルスチレンダイマー(2−4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテンが50重量部以上のもの
が好ましい)、さらに9,10−ジヒドロアントラセン、1,
4−ジヒドロナフタレン、インデン、1,4−シクロヘキサ
ジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;キサンテン、2,
5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙
げられる。
これらは単独でも、あるいは2種以上を組合わせても
使用することができる。
これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスル
フィド類、チウラムジスルフィド類、α−メチルスチレ
ンダイマー類、不飽和環状炭化水素化合物類、不飽和ヘ
テロ環状化合物類が好適に使用できる。
本発明における重合連鎖移動剤の使用量は、全単量体
100重量部当たり、0.1〜10重量部、より好ましくは0.2
〜7重量部である。この重合連鎖移動剤の使用量が0.1
重量部未満では、耐ブリスター性が劣り、一方10重量部
を越えると乳化重合中に多量の凝固物が発生し、共重合
体ラテックスの製造が実質的に困難となる。
本発明における乳化重合方法およびその条件について
は特に制限はなく、従来公知の方法および条件下におい
て実施することができる。
例えば、重合連鎖移動剤の添加方法については、一括
添加方式、分割添加方式、連続添加方式あるいはこれら
の組合わせのいずれでもよい。
また、単量体の添加方法については、一括添加方式、
分割添加方式、連続添加方式あるいはこれらの組合せの
いずれでもよい。これらの方式のうち、凝固物の生成の
減少、反応熱の除去などの点からは、分割添加方式また
は連続添加方式が好ましい。さらに、エチレン系不飽和
カルボン酸単量体の全量または一部を含む単量体の10〜
50重量部を1段目で重合し、2段目では残りの単量体50
〜90重量部を連続的に添加して乳化重合する2段重合方
法によれば、重合工程における凝固物の生成がより一層
減少でき、本発明が目的とする紙塗被組成物が効果的に
得られることから、この2段重合方法によって本発明の
乳化重合を実施するのが好ましい。
なお、本発明の製造方法において2段重合方法を採用
する場合には、有機溶剤は1段目および2段目のいずれ
か一方の段階で添加してもよく、あるいは両方の段階で
添加してもよい。
また、シードラテックスおよび本発明の有機溶剤の存
在下において前述した単量体を重合する、いわゆるシー
ト重合方法を採用してもよい。上記のシードラテックス
の単量体組成としては、好ましくは、エチレン系不飽和
カルボン酸単量体0.1〜10重量%、前記単量体成分
(a)および/または(b)50〜99.9重量%、エチレン
系不飽和架橋性単量体0〜40重量%、好ましくは0.1〜4
0重量%である。シードラテックスの使用量は、該シー
ドラテックスの存在下で重合する全単量体100重量部に
対して、好ましくは0.05〜20重量部(固形分)である。
前記エチレン系不飽和架橋性単量体としては、好まし
くはジビニルベンゼン,エチレングリコールジメタクリ
レートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、さらに好ましくはジビニルベンゼンである。
本発明において、重合段階で使用された有機溶剤は、
重合終了後、スチームストリッピング、減圧蒸溜等の方
法により除去されることが好ましい。このとき、有機溶
剤の残留量は、得られる共重合体100重量部に対して、
好ましくは1重量部未満、さらに好ましくは0.5重量部
未満、特に好ましくは0.2重量部未満とする。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明す
る。なお、実施例中の「%」および「部」は重量基準で
ある。
〈実施例1〜7,比較例1〜4〉 (共重合体ラテックスA〜G,a〜dの製造) 100の耐圧反応器に水150部を仕込み、さらに表1に
示す1段目成分(単量体,重合連鎖移動剤,重合開始
剤,乳化剤,有機溶剤)を仕込んだ後、窒素雰囲気中で
温度70℃で2時間重合した。
次に、2段目成分の単量体および重合連鎖移動剤を8
時間かけて連続的に添加して重合を行った。なお、添加
開始後5時間目に2段目成分の乳化剤を一括添加した。
その後、重合を完結させるため、さらに3時間反応を継
続し、重合転化率98%で重合を終了した。
得られた共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムを用
いてpH7.5に調整した後、水蒸気を吹き込んで未反応単
量体および有機溶剤を除去し、さらに加熱減圧蒸溜によ
って固形分濃度50%に調製し、本発明の実施例にかかる
7種の共重合体はラテックスA〜Gおよび比較例にかか
る4種の共重合体ラテックスa〜dを得た。
得られた各共重合体ラテックスについて、下記の方法
によりそのゲル含量、有機溶剤残留量および臭気の発生
状態を調べ、その結果を表2に示した。なお、比較例4
で有機溶剤として用いられるエチレングリコールの沸点
は197℃、溶解パラメーターは14.7である。
ゲル含量 共重合体ラテックスをpH8.0に調整した後、イソプロ
パノールで凝固し、洗浄した後、乾燥した。次に、約0.
3gの試料を採取し、100mlのトルエンに20時間浸漬した
後、トルエン不溶分を測定し、試料に対する割合(%)
を求めてゲル含量とした。
有機溶剤残留量 ガスクロマト法により共重合体ラテックスにおける有
機溶剤量(%)を測定した。
臭 気 共重合体ラテックスを、コーティングロッドを用いて
ポリエステルフィルム上に塗被量10g/m2でクリアコーテ
ィングし、120℃で30秒間乾燥したときの臭気を臭覚に
より判定し、下記の3段階で評価した。
○:ほとんど臭気を感じない △:やや臭気を感じる ×:強い臭気を感じる (紙塗被組成物の調整) 上記共重合体ラテックスA〜H,a〜dを用いて下記の
処方により紙塗被組成物(塗料)を調製した。
配合処方 クレー 80部 炭酸カルシウム 20部 共重合体ラテックス 10部 乳化デンプン 5部 ピロリン酸ナトリウム 0.5部 水 全固形分が60%になる量 得られた塗料は、下記試験方法で評価した。その結果
を表2に示した。なお、試験に使用したコート紙は、塗
料を坪量64g/m2の原紙にコーティングブレードを用いて
塗被量20g/m2で塗工して得た。
ドライピック(接着強度の指標) RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で
判定し、5段階法で評価した。点数の高いものほど良好
である。点数は測定回数6回の平均値で示した。
RIウェットピック(耐水性の指標) RI印刷機でモルトンロールを用い湿し水を与えて印刷
したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階法
で評価した。点数の高いものほど良好である。点数は測
定回数6回の平均値で示した。
耐ブリスター性 両面印刷塗工紙を調湿(約6%)した後、加熱オイル
バスに投げ込み、ブリスターが発生するときの最低温度
を示した。
実施例1〜7は本発明の範囲内の有機溶剤を使用して
製造した共重合体ラテックスを使用した例であり、比較
例1〜3は有機溶剤を使用せずに製造した共重合体ラテ
ックスを使用した例であり、比較例4は本発明の範囲外
の有機溶剤を使用して製造した共重合体ラテックスを使
用した例である。
なお、比較例1,2は、実施例1,2とそれぞれ単量体組成
および重合連鎖移動剤の種類の点で対応している。
実施例1〜7は、比較例1〜4に比べ、同一あるいは
近似の単量体組成において重合連鎖移動剤の使用量が少
ないかあるいは同じにもかかわらず、ゲル含量が低くな
っており、重合連鎖移動剤の効率が高まっていることが
わかる。
また、得られた共重合体ラテックスの塗膜乾燥時の臭
気については、実施例においては重合連鎖移動剤の使用
量が比較例に比べて相対的に減るため、かなり改善され
ている。
さらに、コート紙の物性においても、接着強度、耐水
性、耐ブリスター性の点で、実施例は比較例より全般的
に優れていることがわかる。
[発明の効果] 本発明によれば、重合時に特定の有機溶剤を用いるこ
とにより、重合連鎖移動剤の使用量を相対的に低減する
ことが可能となる。その結果、重合連鎖移動剤に起因す
る問題点を改良することができ、例えば、得られた共重
合体ラテックスの臭気が低減でき、さらに接着強度、耐
水性および耐ブリスター性等の塗膜物性の改善を図るこ
とができ、各種の接着剤として有用である。
本発明によって得られる共重合体ラテックスは、特
に、コート紙、コート板紙の紙塗被組成物のバインダー
として好適に使用することができ、さらにカーペットバ
ッキング剤、塗料、工業用および家庭用接着剤等の各種
接着剤用途に使用できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/00 - 2/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)共役ジエン系単量体 10〜80重量部 (b)エチレン系不飽和単量体 20〜90重量部 を含む単量体100重量部を乳化重合するに際して、 重合連鎖移動剤0.1〜10重量部と、 水溶性のエーテル類(脂肪族または脂環族アルデヒドま
    たはケトンに由来するエノールエーテルを除く)および
    /またはモノアルコール類0.5〜20重量部と、 の存在下で乳化重合することを特徴とする共重合体ラテ
    ックスの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記水溶性のエーテル類(脂肪族または脂環族アルデヒ
    ドまたはケトンに由来するエノールエーテルを除く)お
    よび/またはモノアルコール類は、溶解パラメータが7
    〜14であることを特徴とする共重合体ラテックスの製造
    方法。
JP28941990A 1990-10-26 1990-10-26 共重合体ラテックスの製造方法 Expired - Lifetime JP2926963B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28941990A JP2926963B2 (ja) 1990-10-26 1990-10-26 共重合体ラテックスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28941990A JP2926963B2 (ja) 1990-10-26 1990-10-26 共重合体ラテックスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04161403A JPH04161403A (ja) 1992-06-04
JP2926963B2 true JP2926963B2 (ja) 1999-07-28

Family

ID=17743001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28941990A Expired - Lifetime JP2926963B2 (ja) 1990-10-26 1990-10-26 共重合体ラテックスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2926963B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06220112A (ja) * 1993-01-26 1994-08-09 Nippon Zeon Co Ltd 共重合体ラテックスの製造方法
US5521268A (en) * 1995-03-29 1996-05-28 Eastman Kodak Company Odor reduction in toner polymers
JP3661382B2 (ja) * 1997-12-01 2005-06-15 Jsr株式会社 電気二重層コンデンサ電極用バインダー

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04161403A (ja) 1992-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6334884B2 (ja)
JP2792166B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2841669B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2943206B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2646770B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2926963B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JPH11217409A (ja) 共重合体ラテックス
JP3522807B2 (ja) シード重合物及びそれを用いて得られる紙塗工用ラテックス
JP2002332304A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法および該製造方法によって得られた共重合体ラテックスを含有する紙被覆用組成物
JP3345979B2 (ja) オフセット輪転印刷紙塗工用ラテックス及びオフセット輪転印刷紙塗工用組成物
JPH06100609A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2879122B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2961208B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP3128741B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
WO2011004860A1 (ja) クロロプレン系重合体の製造方法、ポリクロロプレンラテックス、接着剤組成物
JP3345978B2 (ja) オフセット枚葉印刷紙塗工用ラテックス及びオフセット枚葉印刷紙塗工用組成物
JPH06248004A (ja) ラテックスの製造方法
JP2003277448A (ja) 共重合体ラテックス
JP2003277544A (ja) 共重合体ラテックス
JPH03166202A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP3114240B2 (ja) 紙塗被組成物
JP3297110B2 (ja) カルボキシ変性ブタジエン系共重合体ラテックスの製造方法
JPH0912647A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2683822B2 (ja) ポリマーラテックスの製造方法
JP2929118B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 12