JP2929118B2 - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造方法

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JP2929118B2
JP2929118B2 JP7825590A JP7825590A JP2929118B2 JP 2929118 B2 JP2929118 B2 JP 2929118B2 JP 7825590 A JP7825590 A JP 7825590A JP 7825590 A JP7825590 A JP 7825590A JP 2929118 B2 JP2929118 B2 JP 2929118B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、共重合体ラテックス中の共重合体成分粒子
が接着剤によって接着されやすく(接着強度に優れ
る)、かつ乾燥により中空粒子となり、これを用いた塗
工紙などに優れた隠蔽性、白紙光沢性を付与する顔料と
して有用な共重合体ラテックスの製造方法に関する。
[従来の技術] 顔料は、塗料組成物、非塗被組成物、カーペットバッ
キング剤組成物、接着剤組成物などの主成分として広く
使用されている。さらに、最近では顔料として、有機系
顔料が軽量化機能の多様化に対応しやすいことから注目
されている。
上記の各種の組成物は、基体に塗布あるいは被覆する
ことでその機能を発揮するものである。該機能を十分に
発揮させるためには、顔料成分が基体に十分に接着され
ることが非常に大切(以下、接着強度という)であり、
そのために、一般には重合体などの接着剤が用いられて
いる。
最近は、上記の各種組成物は性能の向上の要求が厳し
く、接着強度の優れたものが必要になり、接着剤の面か
ら接着強度の改良が進められてきたが、これを用いた塗
工紙などにおいて、白色度、白紙光沢性、隠蔽性を保持
しながら接着強度を高めるのは難しかった。
[発明が解決しようとする課題] 従来、前記の顔料を含有する各種組成物の接着強度の
改良は、使用される接着剤の面から行なわれていたが、
本発明は、共重合体ラテックス中の共重合体粒子を顔料
などに使用したとき、顔料の面から接着強度を向上さ
せ、かつ乾燥により中空粒子となり、これを用いた塗工
紙などに優れた隠蔽性と白紙光沢性を付与する顔料とし
て有用である共重合体ラテックスの製造方法を目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 (1) 下記のA成分1重量部(固形分)に対し、下記
のB成分5〜30重量部を添加した後、B成分を重合させ
て得られた共重合体ラテックス100重量部(固形分)の
存在下に、下記のC成分50〜2000重量部を重合すること
を特徴とする共重合体ラテックスの製造方法。
A成分:重合体粒子のトルエン不溶分が5重量%以下、
かつ平均重合体粒子径が5000Å以下の重合体粒子からな
るラテックス。
B成分: B−1)架橋性単量体 5〜50(重量%) B−2)アルキル基の炭素数が2〜12のエチレン性不
飽和カルボン酸アルキルエステルおよび/または共役ジ
エン系単量体 5〜50(重量%) B−3)シアン化ビニル化合物 3〜80(重量%) B−4)その他の単量体 0〜85(重量部) C成分: C−1)共役ジエン系単量体および/またはアルキル
基の炭素数が2〜12のエチレン性不飽和カルボン酸アル
キルエステル 10〜50(重量%) C−2)エチレン性不飽和カルボン酸 1〜20(重量%) C−3)その他の単量体 40〜89(重量%) を提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の共重合体ラテックスは、下記のA成分1重量
部に対し、下記のB成分5〜30重量部を添加した後、B
成分を重合させて得られた共重合体ラテックス100重量
部(固形分)の存在下に、下記のC成分50〜2000重量部
を重合して得られる共重合体ラテックスである。
A成分:重合体粒子のトルエン不溶分が5重量%以下、
かつ平均重合体粒子径が5000Å以下の重合体粒子からな
るラテックス。
B成分: B−1)架橋性単量体 5〜50(重量%) B−2)アルキル基の炭素数が2〜12のエチレン性不
飽和カルボン酸アルキルエステルおよび/または共役ジ
エン系単量体 5〜50(重量%) B−3)シアン化ビニル化合物 3〜80(重量%) B−4)その他の単量体 0〜85(重量%) C成分: C−1)共役ジエン系単量体および/またはアルキル
基の炭素数が2〜12のエチレン性不飽和カルボン酸アル
キルエステル 10〜50(重量%) C−2)エチレン性不飽和カルボン酸 1〜20(重量%) C−3)その他の単量体 40〜89(重量%) 1)(A)成分の説明 重合体粒子のトルエン不溶分5重量%以下、好ましく
は1重量%以下、かつ平均粒子径が5000Å以下、好まし
くは4000Å以下の重合体粒子を含有するラテックスであ
る。該重合体成分としては、例えば下記のものが挙げら
れる。
ポリスチレン、カルボキシ変性ポリスチレン、カルボ
キシ変性スチレンブタジエンコポリマー、スチレンブタ
ジエンコポリマー、スチレンアクリルエステルコポリマ
ー、スチレンメタクリルエステルコポリマー、アクリル
エステルコポリマー、メタクリルエステルコポリマー、
カルボキシ変性スチレンアクリルエステルコポリマー、
カルボキシ変性スチレンメタクリルエステルコポリマ
ー、カルボキシ変性アクリルエステルコポリマー、カル
ボキシ変性メタクリルエステルコポリマーなどが例示さ
れる。
これらのうち、特にポリエスレンまたはスチレン成分
を50重量%以上、好ましくは70重量%以上含む(メタ)
アクリル酸などとのスチレンコポリマーが好ましい。
重合体粒子のトルエン不溶分が5重量%を超えると、
A成分ポリマーへのB成分の吸収が不十分となり、B成
分重合後、満足な中空粒子が得られない。
重合体粒子の平均粒子径が5000Åを超えると、B成分
重合後に満足な中空粒子が得られない。
2)(B)成分のB−1)の説明 B−1)の架橋性単量体としては、例えばジビニルベ
ンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−
ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、アクリルメタクリレート
などのジビニル系モノマーあるいはトリビニル系モノマ
ーを例示することができる。特にジビニルベンゼン、エ
チレングリコールジメタクリレートおよびトリメチロー
ルプロパントリメタクリレートが好ましい。
架橋性単量体の使用量は、B成分中5〜50重量%、好
ましくは5〜40重量%であり、5重量%未満であると満
足な中空粒子が得られない。一方、50重量%を超えると
塗工紙などの光沢性および隠蔽性が低下する。
3)(B)成分のB−2の説明 B−2)は、アルカル基の炭素数が2〜12のエチレン
性不飽和カルボン酸アルキルエステルおよび/または共
役ジエン系単量体であり、アルキル基の炭素数が2〜12
のエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
とは、アルキル基の炭素数が2〜12の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルであり、その具体例としては、エチ
ル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ
ート、イソブチル(メタ)アクリレート、アミル(メ
タ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、n−
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート
である。
共役ジエン系化合物としては、例えば1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどが
挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエンである。
B−2)としては、好ましくはアルキル基の炭素数が
2〜12のエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル
である。
B−2)の使用量は、B成分中5〜50重量%、好まし
くは5〜40重量%であり、5重量%未満であると光沢性
が低下する。一方、50重量%を超えると隠蔽性が低下す
る。
4)(B)成分のB−3)の説明 B−3)のシアン化ビニル化合物としては、例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ
る。
B−3)の使用量は、B成分中3〜80重量%、好まし
くは5〜70重量%、さらに好ましくは10〜60重量%、特
に好ましくは20〜60重量%である。3重量%未満である
と白紙光沢性、隠蔽性ともに劣り、さらに満足な中空粒
子が得られない。一方、80重量%を超えると重合安定性
が劣り、満足な中空粒子が得られない。
5)(B)成分のB−4)の説明 B−4)のその他の単量体としては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレン、ハロゲ
ン化スチレンなどの芳香族ビニル系単量体;メタクリル
酸メチルなどのB−2)以外の(メタ)アクリル酸アル
キルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和
モノまたはジカルボン酸系単量体、またはそのジカルボ
ン酸の酸無水物;イタコン酸モノメチル、マレイン酸ジ
メチルなどのジカルボン酸モノエステルまたはジエステ
ル類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートなどのエチレン系不飽和カルボ
ン酸のヒドロキシアルキルエステル類;メチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレートなどのエチレン系不飽和カルボン
酸のアミノ基含有アルキルエステル類;シアノメチルア
クリレート、2−シアノエチルアクリレートなどのエチ
レン系不飽和カルボン酸のシアノ基含有アルキルエステ
ル類;メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどのエチ
レン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド;(メ
タ)アクリル酸グリシジルなどのエチレン系不飽和カル
ボン酸のグリシジルエステル類などを例示することがで
きる。
これらの単量体は、必要に応じて1種または2種以上
で使用される。好ましい単量体としては、芳香族ビニル
単量体、B−2)以外の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル類、および不飽和モノまたはジカルボン酸などが
挙げられる。
B−4)の使用量は、B成分中の0〜85重量%、好ま
しくは0〜65重量%であり、85重量%を超えると塗工紙
などの光沢性が低下する。
6)(C)成分のC−1)の説明 C−1)は、共役ジエン系単量体および/またはアル
キル基の炭素数が2〜12のエチレン性不飽和カルボン酸
アルキルエステルであり、これらの単量体は、前記のB
−2)で挙げたものと同じである。
共役ジエン系単量体としては、好ましくは1,3−ブタ
ジエンであり、一方、該エチレン系不飽和カルボン酸ア
ルキルエステルとして、好ましくはn−ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられ
る。
C−1)の使用量は、C成分中10〜50重量%、好まし
くは15〜40重量%であり、10重量%未満であると接着強
度が低下する。一方、50重量%を超えると隠蔽性が低下
する。
7)(C)成分のC−2)の説明 C−2)のエチレン性不飽和カルボン酸としては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、ジカルボン酸モノエステ
ルが挙げられ、これらは1種または2種以上で使用され
る。
C−2)の使用量は、C成分中1〜20重量%、好まし
くは2〜15重量%であり、1重量%未満であると共重合
体粒子の安定性が低下する。一方、20重量%を超えると
接着強度が低下する。
8)(C)成分のC−3)の説明 C−3)のその他の単量体としては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレン、ハロゲ
ン化スチレンなどの芳香族ビニル系単量体;メタクリル
酸メチル、アクリル酸メチルなどの前記C−1)以外の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル;無水マレイン酸
などのジカルボン酸の無水物;アクリロニトリル、メタ
アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートなどのエチレン系不飽和カルボン酸のヒド
ロキシアルキルエステル類;メチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレートなどのエチレン系不飽和カルボン酸のアミノ
基含有アルキルエステル類;シアノメチルアクリレー
ト、2−シアノエチルアクリレートなどのエチレン系不
飽和カルボン酸のシアノ基含有アルキルエステル類;メ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン系不
飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド類;(メタ)ア
クリル酸グリシジルなどのエチレン系不飽和カルボン酸
のグリシジルエステル類などの非架橋性単量体を例示す
ることができる。
これらの単量体は1種または2種以上で使用すること
ができる。好ましい単量体としては、芳香族ビニル単量
体、前記C−1)以外の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル類などが挙げられる。
C−3)の使用量は、B成分中40〜89重量%、好まし
くは45〜80重量%であり、40重量%未満では隠蔽性が低
下する。一方、89重量%を超えると接着強度が低下す
る。
本発明の共重合体ラテックスは、乾燥したとき、50〜
60℃以下では粉末状であるが、70℃以上、好ましくは10
0℃以上にすると膜を形成するものである。なお、共重
合体粒子の外側成分(C成分)は、前記C−1、C−
2、C−3の割合のモノマーの共重合体であるが、造膜
温度は、通常70℃以上のものである。
9)本発明の共重合体ラテックスの製造方法 本発明の共重合体ラテックスは、下記の工程から製造
される。
第1工程:前記A成分1重量部(固形分)に対して、前
記のB成分5〜30重量部、好ましくは8〜15重量部を添
加し、撹拌する。
第2工程:次いでB成分を重合させ、共重合体ラテック
スを得る。
第3工程:第2工程の共重合体ラテックス100重量部
(固形分)の存在下に、前記のC成分50〜2000重量部、
好ましくは50〜1000重量部、特に好ましくは100〜800重
量部を重合することで、本発明の共重合体ラテックスを
得る。
本発明の共重合体ラテックス中の共重合体成分の粒子
は、乾燥することで中空粒子となるが、上記のA成分お
よびB成分を用い、かつA成分にB成分を添加した後、
B成分を重合することでこの中空粒子を構成し、そして
有機顔料として用いたとき、優れた隠蔽性および光沢性
を発揮する性能を与えるものである。さらに、C成分は
共重合体成分の粒子に接着強度を向上させる性能を与え
るものである。
第1工程で、B成分の使用量が5重量部未満であると
目的とする中空粒子が得られない。一方、30重量部を超
えると目的とする中空粒子が得られない。
第3工程でのC成分の使用量が50重量部未満であると
接着強度が低下する。一方、2000重量部を超えると隠蔽
性が低下する。
次に、共重合体ラテックスの具体的製造方法を以下に
示す。
第1工程で、A成分にB成分、および必要に応じて
水、乳化剤を添加し、好ましくは40〜90℃以上で0.5〜
5時間撹拌する。
第2工程で、一般に乳化重合で用いられている開始剤
を添加し、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60〜
90℃でB成分を重合し、共重合体ラテックスを得る。
第3工程で、第2工程の共重合体ラテックスにC成
分、および必要に応じて水、乳化剤、開始剤を添加し、
重合温度、好ましくは50℃以上で重合を行なう。
C成分の重合における好ましい添加方法は、重合系に
連続的あるいは回分的に添加する方法である。
上記のA成分、第2工程、第3工程における重合は、
従来公知の乳化重合方法によって製造することができ
る。すなわち、水性媒体(通常、水)に単量体混合物な
らびに重合開始剤、乳化剤、重合連鎖移動剤などを加え
て乳化重合を行なうことによって得られる。
本発明における乳化重合に使用する重合開始剤につい
ては特に制限はなく、例えばクメンハイドロパーオキサ
イド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどのハイド
ロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイドなどのパーオキサイド類およびア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物類などの有
機系重合開始剤、ならびに過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩などの無機
系重合開始剤を使用することができる。
なお、上記重合開始剤は、重亜硫酸ナトリウムなどの
還元剤と組み合わせた、いわゆるレドックス系重合開始
剤としても使用することができる。これらの重合開始剤
のうち、加硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過
硫酸塩、またはこれとアゾビスイソブチロニトリルある
いはベンゾイルパーオキサイドとの組み合わせ、さらに
はこれらと還元剤を組み合わせたものが好ましく使用さ
れる。
本発明における乳化重合に使用する乳化剤については
特に制限はなく、アニオン型、ノニオン型および両性型
界面活性剤のいずれも使用することができる。これらは
単独でも、あるいは2種以上を混合して使用することも
できる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級ア
ルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの脂肪族カルボ
ン酸エステルのスルホン酸塩などのアニオン型界面活性
剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、ア
ルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型などの
ノニオン型界面活性剤などを使用することができる。
また、両性界面活性剤としては、アニオン部分として
カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルボン酸塩、リン酸
塩、リン酸エステル塩を、またカチオン部分としてアミ
ン塩、第4級アンモニウム塩をもつものを挙げることが
できる。具体的には、アルキルベタインの塩としてはラ
ウリルベタイン、ステアリルベタイン、ココアミドプロ
ピルベタイン、2−ウンデシルヒドロキシエチルイミゾ
リウムベタインの塩が、またアミノ酸タイプのものとし
てはラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニ
ン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ
(アミノエチル)グリシン、ジオクチルジ(アミノエチ
ル)グリシンの塩を挙げることができる。
これらの乳化剤のうち、特にアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩が好ましく使用される。
重合連鎖剤としては、具体的には、例えばオクチルメ
ルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシル
メルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テ
トラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタ
ンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスル
フィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプ
ロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジ
スルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テ
トラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラ
ムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化
炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ペン
タフェニルエタンなどの炭化水素類;およびアクロレイ
ン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘ
キシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピ
ネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α−メチルスチレ
ンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペン
テンが50重量%以上のものが好ましい)、2,5−ジヒド
ロフラン、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン、フタラン、1,2
−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、9,10−ジヒドロア
ントラセン、1,4−ジヒドロナフタレンなどを挙げるこ
とができる。これらは単独でも、あるいは2種以上組み
合わせて使用することもできる。
上記の開始剤、乳化剤、重合連鎖移動剤などの使用量
は、目的に応じて適宜決める。
本発明の共重合体ラテックス中の共重合体成分粒子の
好ましい平均粒子径は1000〜10000Åであり、平均粒子
径調整はA成分の粒径、乳化剤量、水量、単量体量によ
り行なうことができる。
また、本発明により得られる共重合体ラテックス中の
共重合体粒子の相当中空径対相当粒径の比の平均値は、
0.2〜0.8である。
本発明の共重合体ラテックス中の共重合体成分の粒子
は、有機顔料として極めて有効であり、例えば塗料組成
物、紙塗膜被組成物、カーペットバッキング剤組成物、
接着剤組成物などの顔料として用いられるが、該組成物
に添加するときには共重合体ラテックス、あるいは共重
合体ラテックスを乾燥して中空粒子とし、それを添加す
る方法が挙げられる。
本発明の共重合体ラテックスを顔料として使用する場
合、単独あるいは他の無機顔料あるいは他の有機顔料と
併用して使用することができる。
本発明の共重合体ラテックスは、紙塗被組成物の顔料
として特に適しており、一段と優れた本発明の目的とす
る効果が得られる。
[実 施 例] 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例中の「%」および「部」は重量基準で
ある。
1)実施例、比較例の共重合体ラテックスの製造方法 第1工程: ・実施例1〜10、比較例1、3〜10の共重合体ラテック
スの場合 撹拌機付オートクレーブ中に、水、乳化剤としてドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ、および表−1のA成
分、表−1のB成分を添加して、昇温して65℃を保ちな
がら2時間撹拌する。
・比較例2の共重合体ラテックスの場合 撹拌機付オートクレーブ中に、水、乳化剤としてドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ、および表−1のA成
分、B成分およびC成分を添加して、昇温して65℃を保
ちながら2時間撹拌する。
第2工程: 第1工程までの撹拌終了後、撹拌しながら75℃に昇温
し、過硫酸カリウムを添加して重合を開始させる。重合
転化率98%以上で第2工程完了とする。
第3工程: 第2工程完了後、同一オートクレーブ内を75℃に保
ち、水、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、表−1のC成分からなるエマルジョンを3時間かけ
て連続的に添加する。重合添加率99%以上でC成分の重
合を完了とした。
2)共重合体粒子の粒子径および中空性の判定 電子顕微鏡を用い、粒子径および中空性を観察し判定
した。
3)塗工紙の物性評価方法 塗被組成物の調整 (バインダー) ラテックス 12部 酸化デンプン 2部 (分 散 剤) ポリアクリル酸ナトリウム 0.1部 (顔 料) カオリン系クレー 50部 本件の共重合体ラテックス 10部 炭酸カルシウム 40部 全固形分が60%になるように水を添加した。
この紙塗被組成物を次の方法により評価した。
ドライ強度:接着強度の指標 RI印刷機で印刷したときのピッキング程度を肉眼で判
定し、5段階法で評価した。点数の高いものほど接着強
度は良好である。測定回数6回の平均値で示す。
ウェット強度:耐水性の指標 RI印刷機でモルトンロールを用いて湿し水を与えたと
きのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階法で評価
した。点数の高いものほど耐水性は良好である。測定回
数6回の平均値を示した。
白色度、不透明性(隠蔽性の指標): 熊谷理機工業(株)製のハンター白色度計を使用して
測定した。
白紙光沢度(光沢性の指標): 村上式光沢計を用い、入射角75゜、反射角75゜で測定
した。
実施例、比較例の説明 各実施例、比較例について以下に説明する。なお、表
−1には各実施例、比較例で使用した共重合体ラテック
スの特徴および塗被紙物性評価の結果を示す。
実施例1〜10 共重合体ラテックス組成中のB−1〜14、C−1〜3
成分を本発明の範囲内で変量した。ともに本発明の目的
である共重合体ラテックスが得られている。
比較例1 A成分のトルエン不溶分を本発明の範囲外として製造
したものであり、目的とした中空粒子が得られず、接着
強度、白紙光沢性、隠蔽性も劣る。
比較例2 A成分にB成分とC成分を同時に添加し、B成分とC
成分の重合を同時に行なって製造したものであり、目的
とした中空粒子が得られず、接着強度、白色光沢性、隠
蔽性も劣る。
比較例3、4 A成分に対するB成分の使用量を本発明の範囲外とし
て製造したものであり、目的とした中空粒子が得られ
ず、白紙光沢性、隠蔽性が劣り、比較例4はさらに接着
強度が劣る。
比較例5、6、7 B成分中のB−1、B−2、B−3を本発明の範囲未
満としたものであり、いずれも塗被紙性能が高水準にバ
ランスされていない。
比較例5は、白紙光沢性、隠蔽性が劣る。
比較例6は、白紙光沢性が劣る。
比較例7は中空にならず、白紙光沢性、隠蔽性ともに
劣る。
比較例8、9、10 C成分中のC成分総量、およびC−1、C−2成分を
それぞれ本発明の範囲未満としたものであり、いずれも
塗被紙性能が高水準にバランスされていない。
比較例8は、接着強度および白紙光沢性が劣る。
比較例9は、接着強度および白紙光沢性が劣る。
比較例10は、接着強度が劣る。
[発明の効果] 本発明の共重合体ラテックス中の共重合体成分の粒子
は、例えば下記の各種の組成物の顔料として用いたと
き、該組成物に用いられている接着剤の接着性(接着強
度)を一段と向上させる性質を具備し、さらに隠蔽性、
光沢性に優れ、接着性と隠蔽性、光沢性とを両立(従来
の顔料では両立できなかった)することができ、その効
果は極めて大きい。
本発明の共重合体ラテックスは、これらの優れた効果
を有することから、有機顔料として有用であり、例えば
塗料組成物、紙塗被組成物、カーペットバッキング剤組
成物、接着剤組成物などの顔料として好適に使用され、
工業的価値は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 236/04 C08F 236/04 (56)参考文献 特開 平2−235906(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 251/00 - 292/00 C08F 2/44 C08F 220/00 - 220/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のA成分1重量部(固形分)に対し、
    下記のB成分5〜30重量部を添加した後、B成分を重合
    させて得られた共重合体ラテックス100重量部(固形
    分)の存在下に、下記のC成分50〜2000重量部を重合す
    ることを特徴とする共重合体ラテックスの製造方法。 A成分:重合体粒子のトルエン不溶分が5重量%以下、
    かつ平均重合体粒子径が5000Å以下の重合体粒子からな
    るラテックス。 B成分: B−1)架橋性単量体 5〜50(重量%) B−2)アルキル基の炭素数が2〜12のエチレン性不飽
    和カルボン酸アルキルエステルおよび/または共役ジエ
    ン系単量体 5〜50(重量%) B−3)シアン化ビニル化合物 3〜80(重量%) B−4)その他の単量体 0〜85(重量%) C成分: C−1)共役ジエン系単量体および/またはアルキル基
    の炭素数が2〜12のエチレン性不飽和カルボン酸アルキ
    ルエステル 10〜50(重量%) C−2)エチレン性不飽和カルボン酸 1〜20(重量%) C−3)その他の単量体 40〜89(重量%)
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