JP2683822B2 - ポリマーラテックスの製造方法 - Google Patents

ポリマーラテックスの製造方法

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JP2683822B2
JP2683822B2 JP5583389A JP5583389A JP2683822B2 JP 2683822 B2 JP2683822 B2 JP 2683822B2 JP 5583389 A JP5583389 A JP 5583389A JP 5583389 A JP5583389 A JP 5583389A JP 2683822 B2 JP2683822 B2 JP 2683822B2
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勝彦 鶴岡
正文 若森
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ジエン系モノマー,エチレン性不飽和モノ
マーおよびエチレン性不飽和カルボン酸モノマーからな
るモノマー群を乳化重合するに際して、架橋型ポリマー
ラテックスの存在下においていわゆるシード重合を行
い、ポリマー粒子の凝集や合一を回避して、効率的な生
産性の高いポリマーラテックスの製造が可能な製造方法
に関し、特に、紙塗被用組成物のバインダーとして有用
なポリマーラテックスの製造方法に関する。
[従来の技術] 共役ジエン系モノマー,エチレン性不飽和モノマー,
エチレン性不飽和カルボン酸などからなるモノマー群を
乳化重合して得られるカルボキシル基変性ポリマーラテ
ックスが単独あるいはカゼイン,デンプン,蛋白質,セ
ルロース,ポリビニルアルコールなどの天然もしくは合
成のバインダーと共に紙塗被用バインダーとして用いら
れることはよく知られている。
このカルボキシル基変性ポリマーラテックスを紙塗被
用バインダーとして含有する紙塗被用組成物を塗布して
得られるコート紙は、接着強度,耐水性,光沢などが良
好なため様々な用途に使用されている。
近年、コート紙の需要は著しく、これに伴い紙塗工技
術および印刷技術の進歩はめざましく、生産性の向上お
よび省力化,合理化の上からも塗工速度および印刷速度
の高速化が進められてきている。
このため、紙塗被用組成物に対しては、高速塗工にお
ける機械的剪断力に対する安定性が要求され、その塗工
紙においては印刷時に優れた接着強度,耐水性あるいは
耐ブリスター性等の諸性質を発現することが必要となっ
ている。
紙塗被用組成物の一成分であり、バインダーとして使
用されるカルボキシル基変性ポリマーラテックスは、紙
塗被用組成物の機械的安定性および塗工紙の諸性能に大
きく関与しているため重要視されている。
紙塗被用組成物の機械的安定性を損う原因として、ポ
リマーラテックス中の微細凝固物がある。
この微細凝固物は主にポリマーラテックス製造時に発
生する。この微細凝固物が多いと、塗工時のストリーク
トラブルやロールダスティングトラブルの問題が生じ、
塗工紙の接着強度,耐水性等が低下し、また印刷時のブ
ランケット汚れ等の問題が生じる。
微細凝固物を除去する方法として、ポリマーラテック
スを濾過する方法が知られているが、操作が複雑でコス
ト高となるため好ましくない。
このような問題を解決する手段としては、特開昭55−
90697号,同58−91707号公報には、重合連鎖移動剤の使
用方法に関する提案がなされている。しかしながら、こ
れらの技術における効果は必ずしも満足すべきものでは
ない。
[発明が解決しようとする問題点] 上記のとおり、従来のポリマーラテックスを用いて得
られる紙塗被用組成物は、高速塗工化に伴う操業上の要
求および接着強度,耐水性等の塗工紙物性の要求を同時
に十分には応えることができないという問題があった。
また、ポリマーラテックスのその他の用途としては、
例えば工業用の各種接着剤,塗料,カーペット用バッキ
ング材のバインダー等が挙げられるが、これらの用途に
おいても優れた操業性ならびに高品質を得るために、安
定性に優れ、かつ凝固物の少ないポリマーラテックスが
求められている。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、これらの問題点ならびに要求に応えるもの
であり、 (a)エチレン性架橋モノマー 0.1〜40重量% (b)エチレン性不飽和カルボン酸モノマー 0.5〜10重量% (c)その他の共重合可能なモノマー 50〜99.4重量% からなるモノマー群を共重合した架橋型ポリマーラテッ
クス(A)の存在下において、 (d)共役ジエン系モノマー 10〜60重量% (e)エチレン性不飽和モノマー 30〜89.5重量% (f)エチレン性不飽和カルボン酸モノマー 0.5〜10重量% からなるモノマー群(B)を重合するに際して、 架橋型ポリマーラテックス(A)(固形分換算)とモノ
マー群(B)との重量比(A)/(B)が1/10〜1/1000
であることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の架橋型ポリマーラテックス(A)(以下、単
に「シードラテックス」ともいう)の製造に使用するモ
ノマー群(a),(b)および(c)を例示すると以下
のようである。
(a)少なくとも2個のエチレン性不飽和基を含有する
エチレン性架橋モノマーとしては、ジビニルベンゼン、
エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、アリルメタクリレート等のジビニ
ル系モノマーあるいはトリビニル系モノマーを例示する
ことができ、好ましくはジビニルベンゼン、エチレング
リコールジメタクリレートおよびトリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、更に好ましくはジビニルベンゼ
ンである。
これらのモノマー(a)は、シードとして用いるポリ
マーに適当な架橋を付与し、さらにはシード粒子のモノ
マーによる膨潤容量やモノマー吸収速度を制限するため
に用いられる。
モノマー(a)の使用割合は、シードラテックスに用
いられるモノマー全体に対し0.1〜40重量%、好ましく
は、0.5〜35重量%、さらに好ましくは5〜30重量%で
ある。モノマー(a)の使用割合が0.1重量%未満であ
ると、シードポリマーに適度な架橋が付与されず、シー
ド粒子のモノマーによる膨潤容量が大きくなり、シード
ポリマー表面の粘着性が増すため、その後の重合におい
て凝固物の発生が大きくなる。また、モノマー(a)の
使用割合が40重量%を越えると、シードラテックスの製
造時に凝固物が発生しやすくなり、シード粒子として用
いるのに適当でなくなる。
(b)エチレン性不飽和カルボン酸モノマーとしては、
アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,マレイン酸,
フマール酸,イタコン酸等のモノまたはジカルボン酸等
を例示することができ、特にアクリル酸,メタクリル酸
が好ましい。更に、ジカルボン酸の無水物も使用するこ
とができる。これらは単独でも、あるいは2種以上を組
み合せて使用することができる。
モノマー(b)の使用割合は、シードラテックスのモ
ノマーの全体に対し0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜5
重量%である。モノマー(b)の使用割合が0.5重量%
未満であると、シード粒子の機械的安定性が劣る。ま
た、モノマー(b)の使用割合が10重量%を越えると、
その後の重合における凝固物の発生が増大し、本発明の
目的を達成できない。
(c)その他の共重合可能なモノマーとしては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチル
スチレン、p−スチレンスルホン酸ソーダ等の芳香族ビ
ニルモノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ドロキシエチ
ル、メタクリル酸グリシジル等のアクリル酸またはメタ
クリル酸のアルキルエステル類;アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン
酸のアクリルアミド類;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニ
ルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル類
等を例示することができ、さらにブタジエン、イソプレ
ン、2−クロル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系モ
ノマー類を挙げることができる。これらのうち特に、ス
チレンおよびメチルメタクリレートが好ましい。
これらのモノマーは単独でも、あるいは2種以上を組
み合せて使用することもできる。
モノマー(c)の使用割合は、シードラテックスのモ
ノマー全体に対して50〜99.4重量%、好ましくは60〜99
重量%である。モノマー(c)の使用割合が99.4重量%
を越えると、本発明の目的を達成することができなくな
り、モノマー(c)の使用割合が50重量%未満である
と、シードラテックスの製造時に凝固物が発生しやすく
なり好ましくない。
乳化重合に使用する乳化剤としては、アニオン型,ノ
ニオン型のいずれも使用することができる。これらは、
単独でもあるいは2種以上混合して使用することもでき
る。
乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等
の高級アルコールの硫酸エステル塩,ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸
塩,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の脂肪族エ
ステルのスルホン酸塩,アルキルジアリールエーテルス
ルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩等のアニ
オン型界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキル
エステル型,アルキルフェニルエーテル型,アルキルエ
ーテル型等のノニオン型界面活性剤等を使用することが
できる。
乳化剤としては、好ましくはアニオン型界面活性剤、
さらに好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩,アル
キルジアリールエーテルスルホン酸塩,アルキルナフタ
レンスルホン酸塩である。乳化剤の使用割合はシードラ
テックスの重合時の凝固物の発生防止およびシード重合
に適した粒子径のシード粒子を得るために、前記
(a),(b),(c)のモノマー合計に対して0.5〜4
0重量%が好ましい。
また、これら(a)〜(c)のモノマーの乳化重合に
使用する重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキ
サイド,ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド,パラメンタンハイドロパーオキサイド等のハイドロ
パーオキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド,ラウロ
イルパーオキサイド等のパーオキサイド類;アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物類等の有機系重合開始
剤、および過硫酸カリウム,過硫酸ナトリウム,過硫酸
アンモニウム等の過硫酸塩等の無機系重合開始剤等を挙
げることができる。
なお、これら重合開始剤は重亜硫酸ナトリウム等の還
元剤と組み合せた、いわゆるレドックス系重合開始剤と
しても使用することができる。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム,過硫酸ナトリ
ウム等の無機系重合開始剤が好ましい。重合開始剤の使
用割合は通常前記(a),(b),(c)のモノマー合
計に対して0.1〜2重量%である。
本発明のシードラテックスは、上記に示したものを用
いて通常の乳化重合によって製造できる。すなわち、水
にモノマー混合物ならびに重合開始剤,乳化剤等の重合
助剤を加え、撹拌しながら温度40〜95℃で重合させる。
モノマーおよび他の重合助剤の加え方としては、一括添
加,分割添加,連続添加のいずれかの方法を用いてもよ
い。
シードラテックスは、その後の重合に供する上で、ポ
リマーの平均粒子径が1000Å以下さらには500Å以下が
好ましく、ゲル含量は70重量%以上さらには80重量%以
上が好ましい。これらの条件を有するシードラテックス
を用いて重合すると、凝固物の発生,機械的安定性なら
びに接着力等の点で一段と優れたポリマーラテックスが
製造される。
シードラテックスは、予め水酸化ナトリウム,水酸化
カリウム,アンモニア水等で、pHを調整して用いてもよ
い。
次に、シードラテックス(A)の存在下において行わ
れるモノマー群(B)の重合について説明する。
モノマー群(B)は、以下に述べるモノマー(d),
(e)および(f)から構成されている。
(d)共役ジエン系モノマーとしては、ブダシエン、イ
ソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン等を例示する
ことができ、これらのうち、特にブタジエンが好まし
い。これらは単独でも、あるいは2種以上を組合せて使
用することが好ましい。
モノマー(d)は、得られるコポリマーに適当な弾性
および膜の硬さを付与するために使用するが、その使用
割合は、モノマー群(B)全体に対し10〜60重量%、好
ましくは20〜60重量%である。この使用割合が10重量%
未満では、充分な接着強度を得ることができず、一方60
重量%を越えると耐水性が低下して好ましくない。
(e)エチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチ
レン等の芳香族ビニルモノマー;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル等のアク
リル酸またはメタクリル酸のエステル類;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド
−N,N−ジメチルアクリルアミド等のエチレン性不飽和
カルボン酸のアミド類;N−ビニル−2−ピロリドン等の
アルケニルピロリドン類;酢酸ビニル等のカルボン酸ビ
ニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル類
等を例示することができる。これらは単独でも、あるい
は2種以上を組み合せて使用することもできる。
モノマー(e)は、得られるコポリマーに適度な硬
さ、弾性および耐水性を付与するために使用するが、そ
の使用割合は、モノマー群(B)全体に対し30〜89.5重
量%、好ましくは30〜79.5重量%である。
モノマー(e)の使用割合が30重量%未満では耐水性
が低下し、一方モノマー(e)の使用割合が89.5重量%
を越えると接着強度が低下して好ましくない。
(f)エチレン性不飽和カルボン酸モノマーとしては、
アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,マレイン酸,
フマール酸,イタコン酸等のモノまたはジカルボン酸等
を例示することができ、更に、これらジカルボン酸の無
水物も使用することができる。これらは単独でも、ある
いは2種以上を組み合せて使用することもできる。
モノマー(f)の使用割合は、モノマー群(B)全体
に対し0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%であ
る。この使用割合が0.5重量%未満では接着強度のほ
か、ポリマーラテックスの機械的安定性が低下し、一方
10重量%を越えるとポリマーラテックスの粘度が高くな
って、その取扱い(ハンドリング)が困難となり、操作
性が低下して好ましくない。
またこれらモノマー(d),(e),(f)からなる
モノマー群(B)を乳化重合するに際して使用する連鎖
移動剤としては、オクチルメルカプタン,n−ドデシルメ
ルカプタン,tert−ドデシルメルカプタン,n−ヘキサデ
シルメルカプタン,n−テトラデシルメカプタン,tert−
テトラデシルメルカプタン等のメルカプタン類;テトラ
エチルチウラムスルフィド,テトラエチルチウラムジス
ルフィド等のチウラム(ジ)スルフィド類;ジエチルキ
サントゲンジスルフィド,ジイソプロピルキサンドゲン
ジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;四塩化
炭素,クロロホルム,ジクロロメタン,臭化エチレンお
よびペンタフェニルエタン等の炭化水素類;またはアク
ロレイン,メタクロレイン,アリルアルコール,2−エチ
ルヘキシルチオグリコレート等が例示される。これらの
連鎖移動剤は単独でまたは2種以上を組み合せて使用す
ることができる。使用方法としては一括添加,分割添加
または連続添加のいずれの方法でも差支えない。
モノマー群(B)の乳化重合に使用する乳化剤として
は、アニオン型,ノニオン型および両性型界面活性剤の
いずれも使用することができる。これらは単独でも、あ
るいは2種以上混合して使用することもできる。
乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等
の高級アルコールの硫酸エステル塩,ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸
塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の脂肪族エ
ステルのスルホン酸塩,アルキルジアリールエーテルス
ホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩等のアニオ
ン型界面活性剤,ポリエチレングリコールのアルキルエ
ステル型,アルキルフェニルエーテル型,アルキルエー
テル型等のノニオン型界面活性剤等を使用することがで
きる。
また、両性界面活性剤としては、アニオン部分として
カルボン酸塩,硫酸エステル塩,スルホン酸塩,りん酸
エステル塩を、またカチオン部分としてはアミン塩,第
4級アンモニウム塩を持つものが挙げられ、具体的には
アルキルベタインの塩としてラウリルベタイン,ステア
リルベタイン,ココアミドプロピルベタイン,2−ウンデ
シルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインの塩が、
またアミノ酸タイプのものとしてはラウリル−β−アラ
ニン,ステアリル−β−アラニン,ラウリルジ(アミノ
エチル)グリシン,アクチルジ(アミノエチル)グリシ
ン,ジオクチルジ(アミノエチル)グリシンの塩を挙げ
ることができる。
乳化剤としては、アニオン型界面活性剤が特に好まし
い。乳化剤の使用割合は、モノマー群(B)全体に対し
て0.01〜2重量%が好ましい。
モノマー群(B)の乳化重合に使用する重合開始剤と
しては、クメンハイドロパーオキサイド,ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド,パラメンタンハイ
ドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類,ベ
ンゾイルパーオキサイド,ラウロイルパーオキサイド等
のパーオキサイド類,アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ化合物類等の有機系重合開始剤、および過硫酸カリ
ウム,過硫酸ナトリウム,過硫酸アンモニウム等の過硫
酸塩等の無機系重合開始剤等を挙げることができる。し
かし、本発明においては、有機系重合開始剤を単独で使
用すると、得られるポリマーラテックスの機械的安定性
が劣り、また重合中に多量の凝固物が発生することか
ら、無機系重合開始剤を単独、または有機系重合開始剤
とを組み合せて使用するのが好ましい。なお、これら重
合開始剤は重亜硫酸ナトリウム等の還元剤とを組み合せ
た、いわゆるレドックス系重合開始剤としても使用する
ことができる。これらのうち、過硫酸カリウム,過硫酸
アンモニウム等の過硫酸塩、またはこれとアゾビスイソ
ブチロニトリルあるいはベンゾイルパーオキサイドとの
組み合せ、更にはこれらと還元剤とを組み合せたものが
好ましく使用される。
前記重合開始剤の使用量は、モノマー群(B)全体に
対し0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。
無機系重合開始剤と有機系重合開始剤とを併用する場
合、有機系重合開始剤の割合は全重合開始剤の70重量%
以下、好ましくは50重量%以下である。有機系重合開始
剤の割合が70重量%を越えると、有機系重合開始剤を単
独で使用した場合のような問題が生じて好ましくない。
本発明における乳化重合の実施においては、シードラ
テックス(A)の存在下においてモノマー(d),
(e)および(f)からなるモノマー群(B)を重合す
ることで目的のポリマーラテックスを得るものである
が、シードラテックス(A)とモノマー群(B)の使用
割合は、両者の重量比(A)/(B)で1/10〜1/1000、
好ましくは1/20〜1/500、さらに好ましくは1/25〜1/250
であることが必要である。
この重量比(A)/(B)が1/1000より小さいと、重
合中に微細な凝固物の発生が増大し、一方(A)/
(B)が1/10より大きいと得られたポリマーラテックス
の接着力が大幅に低下して好ましくない。
架橋型ポリマーラテックスをシードラテックスとして
用いる以外は、乳化重合の実施方法およびその条件につ
いては特に制限はなく、従来公知の方法および条件下で
実施することができる。例えば、モノマーならびに重合
開始剤,乳化剤,重合連鎖移動剤等の添加方法は、一括
添加,分割添加,連続添加あるいはこれらの組み合せで
もよい。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、
本発明は実施例に何ら限定されるものではない。なお、
実施例中に用いられる「%」および「部」は、「重量
%」および「重量部」を意味する。
(1)シードラテックスの製造 (シードラテックスA) 容量100の耐圧反応容器に、アクリル酸4部,スチ
レン76部,ジビニルベンゼン20部,ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム30部,過硫酸カリウム1.5部を仕込
み、窒素雰囲気下において温度80℃で2時間重合した。
その結果、反応転化率99%以上で、本発明の範囲に属す
るシードラテックスを得た。これを「シードラテックス
A」とする。
(シードラテックスB〜D,およびa) 第1表に示した重合成分,重合条件を用いた他は、シ
ードラテックスAと同様に重合を行い、本発明の範囲に
属する3種にシードラテックスB,C,Dおよび本発明の範
囲に属さない1種のシードラテックスaを得た。
(2)シード重合によるポリマーラテックスの製造 (実施例1) 容量100の耐圧反応容器に、シードラテックスA1
部,イタコン酸3部,アクリル酸1部,ブタジエン22
部,スチレン48部,メチルメタクリレート10部,アクリ
ロニトリル5部,四塩化炭素1.5部,ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.1部,水200部,過硫酸カリウム
0.8部を仕込み、窒素雰囲気下において、温度60℃で5
時間重合した(1段目重合)。さらに、重合継続中にお
いて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.15部を
重合開始後2時間目および4時間目に2回に分けて分割
添加した。
次に、ブタジエン6部,スチレン2部,メチルメタク
リレート3部を2時間にわたって連続的に添加して重合
を行った(2段目重合)。その後重合を完結するため
に、4時間にわたって反応(熟成)を継続し、重合転化
率99%で重合を終了した。
次いで、得られたポリマーラテックスを水酸化ナトリ
ウムを用いてpH7に調整した後に、水蒸気を吹き込んで
未反応モノマーを除去し、さらに加熱減圧蒸溜によって
ポリマーラテックスの固形分濃度を50%とした。このよ
うにして実施例のポリマーラテックスを得た。
(実施例2,4〜6,8,10、比較例1〜4) 第2表に示した重合成分,重合条件を用いた他は、実
施例1のポリマーラテックスと同様に重合を行い、実施
例に係る6種のポリマーラテックスを得た。これらを実
施例2,4〜6,8,10とする。また同様にして比較列に係る
4種のポリマーラテックスを得た。これらを比較例1〜
4とする。(実施例3,7,9) 第2表に示した重合成分,重合条件を用い、さらに重
合開始後4時間目と6時間目にドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2部を2回に分けて分割添加する以外
は、実施例1のポリマーラテックスと同様に重合を行
い、実施例に係る3種のポリマーラテックスを得た。こ
れらを実施例3,7,9とする。
(3)ポリマーラテックスの物性 ゲル含量 前記(1),(2)で得らたれシードラテックスなら
びにポリマーラテックスについて以下の方法によりゲル
含量を求めた。
ポリマーラテックスをpH8.0に調整した後、イソプロ
パノールで凝固し、洗浄した後、乾燥した。次に、約0.
3gの試料を採取し、100mlのトルエンに20時間浸漬した
後、トルエン不溶分を測定し、試料に対する割合(%)
を求めてゲル含量とした。
結果を第1表および第2表に示す。
凝固物量 前記(2)で得られたポリマーラテックスについて、
以下の方法により重合中に発生した凝固物量を測定し
た。
ポリマーラテックス1kgを試料として採取し、これを4
00メッシュの金網でろ過し、金網上に残った凝固物量を
測定し、試料(固形分換算)に対する割合を求め、下記
の3段階で評価した。
○:0.05%以下(少ない) △:0.05%〜0.1%(やや多い) ×:0.1%以下(かなり多い) 結果を第3表に示す。
反応器の汚れ 前記(2)で得られたポリマーラテックスについて、
重合中に反応器に付着した汚れ(凝固物)を肉眼により
観察し、下記の3段階で評価した。
○:非常に少ない △:少ない ×:多い 結果を第3表に示す。
(4)紙塗被用組成物の調整 前記(2)で得られた各ポリマーラテックスを用い、
下記の処方により紙塗被用組成物(カラー)を調製し
た。
処方 クレー 80部 (分散剤としてピロリン酸ナトリウム05部含有) 炭酸カルシウム 20部 ポリマーラテックス 12部 酸化デンプン 5部 水 全固形分が60%になる量 得られたカラーは下記試験方法で評価した。なお、試
験に使用したコート紙は、カラーを坪量64g/m2の原紙に
コーティングブレードを用いて塗被量15g/m2で塗工して
得た。
(5)紙塗被用組成物およびコート紙の評価方法 コーティングカラーの機械的安定性 紙塗被用組成物液をガムアップテスターを用いてゴム
ロール間で練り、機械的剪断をかけた状態でゴムロール
上に凝固物が発生するまでの時間を測定する。
評価基準 ○:20分以上 △:10〜20分 ×:10分以下 凝固物の発生するまでの時間が長い程良好である。
RIドライピック:接着強度の指標 RI印刷機で印刷した時のピッキングの程度を肉眼で判
定し、5段階法で評価した。点数の高いものほど良好で
ある。測定回数6回の平均値で表示した。
RIウェットピック:耐水性の指標 RI印刷機でモルトンロールを用い、湿し水を与えて印
刷した時のピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階法
で評価した。点数の高いものほど良好である。測定回数
6回の平均値で表示した。
ウエットラブ(Wet Rub): 耐水性および耐ロール汚れ性の指標 アダムステスターに15秒間試供し、分光光度計にてそ
の時得られる白濁水の透過率を測定した。数値の大きい
方が良い。
耐カレンダーロール汚れ性 スーパーカレンダー掛け前のコート紙の塗工面をラシ
ャ紙上にのせ、50℃,250kg/cmで10回スーパーカレンダ
ーに通す。このときコート紙のピッキング状態をラシャ
紙上の汚れで判定する。汚れの少ないものが耐カレンダ
ーロール汚れ性に優れる。
評価基準 ◎:汚れなし ○:ごくわずかに汚れが認められる △:やや汚れる ×:かなり汚れる (6)評価結果 実施例1〜10においては、ポリマーラテックスおよび
コート紙の各特性について良好な結果が得られた。
これに対し、比較例1,2は本発明の範囲外のシードラ
テックスを用いた例であり、これらは、実施例1〜10に
比べて反応器の汚れ,微細凝固物の発生,コーティング
カラーの機械的安定性において明らかに劣る。さらに比
較例1,2は、接着強度,耐水性,対カレンダーロール汚
れ性においても劣っている。
比較例3,4は本発明の範囲内のシードラテックスを用
いているが、比較例3はシードラテックス(A)とモノ
マー群(B)との重量比(A)/(B)が本発明の下限
に満たない例であり、比較例4は上限を越えた例であ
る。比較例3は(A)/(B)が本発明に満たないた
め、本発明の効果が得られず、反応器の汚れ、凝固物量
の両者とも劣っており、さら耐水性,耐カレンダーロー
ル汚れ性においても明らかに劣っている。比較例4は
(A)/(B)が本発明の上限を越えているため、接着
強度,耐水性および耐カレンダーロール汚れ性が劣って
いる。
[発明の効果] 本発明のポリマーラテックスの製造方法によって得ら
れたポリマーラテックスは、微細な凝固物が極めて少な
く安定性に優れ、これを例えば紙塗被用組成物のバイン
ダーとして用いると、機械的安定性,接着強度,耐水
性,耐カレンダーロール汚れ性等の特性がバランスよく
優れており、各種のコート紙の製造に極めて有用であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレン性架橋モノマー 0.1〜40重量% (b)エチレン性不飽和カルボン酸モノマー 0.5〜10重量% (c)その他の共重合可能なモノマー 50〜99.4重量% からなるモノマー群を共重合した架橋型ポリマーラテッ
    クス(A)の存在下において、 (d)共役ジエン系モノマー 10〜60重量% (e)エチレン性不飽和モノマー 30〜89.5重量% (f)エチレン性不飽和カルボン酸モノマー 0.5〜10重量% からなるモノマー群(B)を重合するに際して、 架橋型ポリマーラテックス(A)(固形分換算)とモノ
    マー群(B)との重量比(A)/(B)が1/10〜1/1000
    であることを特徴とするポリマーラテックスの製造方
    法。
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