JPH06100609A - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造方法

Info

Publication number
JPH06100609A
JPH06100609A JP27808192A JP27808192A JPH06100609A JP H06100609 A JPH06100609 A JP H06100609A JP 27808192 A JP27808192 A JP 27808192A JP 27808192 A JP27808192 A JP 27808192A JP H06100609 A JPH06100609 A JP H06100609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
polymerization
chain transfer
monomer
copolymer latex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27808192A
Other languages
English (en)
Inventor
Taiji Tsurusako
泰二 鶴迫
Norifumi Sumimoto
典史 住本
Isao Furui
勇生 古井
Takashi Matsui
尚 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP27808192A priority Critical patent/JPH06100609A/ja
Publication of JPH06100609A publication Critical patent/JPH06100609A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、接着剤、塗料、紙塗工用組成物な
どのバインダーに好適な耐ブリスター性に優れた共重合
体ラテックスの製造方法を提供する。 【構成】 重合連鎖移動剤としてジチオカルバミン酸塩
誘導体存在下、共役ジエン系、エチレン系不飽和カルボ
ン酸、その他共重合可能なビニル系からなる単量体を乳
化重合することを特徴とする共重合体ラテックスの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐ブリスター性に優れた
共重合体ラテックスに関し、さらに詳しくは接着剤、塗
料、紙塗工用組成物など、バインダーに好適な共重合体
ラテックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】共重合体ラテックスの重合において、重
合転化率100重量%近くまで重合を行なうと一般的に
ゲル含量が高くなりすぎ、各種バインダーとして使用し
たとき良好な耐ブリスター性を示さない。そのために、
重合中に重合連鎖移動剤を用いてゲル含量の低減を行な
い、適宜調節している。重合連鎖移動剤としては、例え
ば四塩化炭素、メルカプタン系の化合物などが使用され
ており、これによりゲル含量を低くすることができる。
しかしながら、ゲル含量を低くすればするほど耐ブリス
ター性は良好になるが、強度発現性は低下するという現
象が起きてくる。ところで、同じゲル含量であっても連
鎖移動剤の種類により共重合体ラテックスの耐ブリスタ
ーおよび強度発現性の水準は変わってくる。これは連鎖
移動剤の種類により、ポリマーの分子量分布や架橋の密
度などが異なってくるためと推定される。耐ブリスター
性と強度発現性の両方を良くするためには、上記の連鎖
移動剤では不十分であり、また多くの連鎖移動剤がその
ために検討されたが、未だ満足すべきものはなかった。
【0003】各種バインダーとして使用される場合の共
重合体ラテックスの耐ブリスター性は極めて重要な性能
である。例えば、接着剤、塗料、カーペット、バッキン
グ材においては、基体に塗布後、乾燥する場合に耐ブリ
スター性が、あるいは紙塗工ではオフセット輪転印刷後
の乾燥において耐ブリスター性が必要になる。特に近
年、乾燥時間を短縮して生産性を上げるために、より高
温で乾燥が行なわれる傾向にある。耐ブリスター性が十
分でなく、火ぶくれが発生すると、商品価値は著しく低
下してしまう。そこで、ますます耐ブリスター性の優れ
た、しかも接着強度の発現性も良好な共重合体ラテック
スが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、接着剤、塗
料、紙塗工用組成物などのバインダーに好適な特に耐ブ
リスター性および接着強度に優れた共重合体ラテックス
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、ジチオカルバミン酸塩誘導体の存在下に乳化重合
して得られる共重合体ラテックスを用いることにより、
上記目的を達成することを見い出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
(a)共役ジエン系単量体10〜80重量%、(b)エ
チレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%、
(c)その他共重合可能なビニル系単量体10〜89.
5重量%からなる単量体100重量部を乳化重合するに
際して、(d)次式で示されるジチオカルバミン酸塩誘
導体5〜100重量%
【0006】
【化2】
【0007】(R1 、R2 は炭素数1〜6のアルキル基
またはアリール基、MはNa、K、Zn、CuまたはF
e、nは1〜3の整数を表わす。)(e)その他重合連
鎖移動剤0〜95重量%からなる重合連鎖移動剤0.0
1〜20重量部の存在下で乳化重合することを特徴とす
る共重合体ラテックスの製造方法を提供するものであ
る。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。 (a)共役ジエン系単量体 共役ジエン系単量体の具体例としては、ブタジエン、イ
ソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、2−メチ
ル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。こ
れらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。これらのうち、特にブタジエンが好ま
しい。共役ジエン系単量体は得られる共重合体に適当な
弾性および膜の硬さを付与するために使用するが、その
使用量は、全単量体に対し10〜80重量%、好ましく
は20〜70重量%の範囲から選ばれる。この使用量が
10重量%未満では十分な接着強度を得ることができ
ず、一方、80重量%を越えると耐水性および接着強度
が低下して好ましくない。
【0009】(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 エチレン系不飽和カルボン酸単量体の具体例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカル
ボン酸類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジ
カルボン酸類、さらにマレイン酸メチル、イタコン酸メ
チル、β−メタアクリルオキシエチルアシッドヘキサハ
イドロフタレートなどのハーフエステル類などを挙げる
ことができる。また、ジカルボン酸の無水物も使用する
ことができる。これらは単独でも、あるいは2種以上を
組み合わせて使用することもできる。エチレン系不飽和
カルボン酸単量体の使用量は、全単量体に対し0.5〜
10重量%、好ましくは1〜7重量%の範囲から選ばれ
る。この使用量が0.5重量%未満では接着強度のほ
か、共重合体ラテックスの機械的安定性が低下し、一
方、10重量%を越えると共重合体ラテックスの粘度が
高くなって、取扱い(ハンドリング)が困難となり、操
作性が低下して好ましくない。
【0010】(c)その他共重合可能なビニル系単量体 その他共重合可能なビニル系単量体の具体例としては、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−
メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのアクリル
酸またはメタクリル酸のアルキルエステル化合物、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのエチ
レン系不飽和カルボン酸のアクリルアミドまたはメタク
リルアミド化合物、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニル
エステル類、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルア
クリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−
ビニルピリジンなどの塩基性単量体類などを挙げること
ができる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することができる。これらのうち、特に芳香
族ビニル化合物としてはスチレンが、アルキルエステル
化合物としてはメタクリル酸メチルが、またシアン化ビ
ニル化合物としてはアクリロニトリルなどが、また不飽
和カルボン酸としてはアクリル酸、イタコン酸などが好
適に使用される。これらの単量体は、得られた共重合体
に適度の硬さ、弾性および耐水性を付与するために使用
するが、その使用量は10〜89.5重量%、好ましく
は20〜79.5重量%の範囲から選ばれる。この使用
量が10重量%未満では耐水性が劣り、一方、89.5
重量%を越えると共重合体が硬くなりすぎ、接着強度が
低下して好ましくない。
【0011】(d)ジチオカルバミン酸塩誘導体 前記単量体(a)〜(c)の重合時に使用される(d)
成分であるジチオカルバミン酸塩誘導体の具体例として
は、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチル
ジチオカルバミン酸カリウム、ジメチルジチオカルバミ
ン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチル
ジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルチオカルバミ
ン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ
メチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミ
ン酸鉄などが挙げられる。
【0012】(e)その他の重合連鎖移動剤 前記単流体(a)〜(c)の重合時に必要に応じて用い
られる重合連鎖移動剤の具体例としては、例えばオクチ
ルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデ
シルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n
−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカ
プタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジ
スルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイ
ソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲ
ンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチル
チウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;
四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素
類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;およびア
クロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−
エチルヘキシルチオグリコレート、タービノーレン、α
−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α−メチ
ルスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテンが50重量部以上のものが好ましい)、
さらに9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒ
ドロナフタレン、インデン、1,4−シクロヘキサジエ
ンなどの不飽和環状炭化水素化合物;キサンテン、2,
5−ジヒドロフランなどの不飽和ヘテロ環状化合物など
が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を
組み合わせても使用することができる。これらのうち、
メルカプタン類、キサントゲンジスフィド類、チウラム
ジスルフィド類、α−メチルスチレンダイマー類、不飽
和環状炭化水素化合物類、不飽和ヘテロ環状化合物類が
好適に使用できる。
【0013】上記(d)/(e)の組成割合は5〜10
0/0〜95重量%、好ましくは10〜100/0〜9
0重量%、さらに好ましくは20〜95/5〜80重量
%である。(d)が5重量%未満であると、耐ブリスタ
ー性の優れた共重合体ラテックスが得られない。特に
(d)/(e)=20〜95/5〜80重量%である
と、重合時の凝固物の発生が少なく重合安定性に優れ
る。(d)/(e)からなる重合連鎖移動剤の使用量
は、全単量体100重量部当たり0.01〜20重量
部、好ましくは0.01〜15重量部、特に好ましくは
0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜7重
量部である。この使用量が0.01重量部未満では本発
明の目的である耐ブリスター性の優れた共重合体ラテッ
クスが得られず、一方、20重量部を越えると重合中に
多量の凝固物が発生し、共重合体ラテックスの製造が実
質的に困難となる。
【0014】本発明においては、ジチオカルバミン酸塩
誘導体単独またはその他の重合連鎖移動剤と併用するこ
とによりゲルの低減を行ない、ゲルの範囲を適宜調節す
ることができ、その結果、耐ブリスター性と強度発現性
に優れた共重合体ラテックスの製造が可能となる。本発
明における共重合体ラテックスの製造方法は、上記の単
量体およびジチオカルバミン酸塩誘導体を使用する点を
除けば、従来公知の乳化重合方法によって製造すること
ができる。すなわち、水性媒体(通常、水)に単量体、
ジチオカルバミン酸塩誘導体、ならびに重合開始剤、乳
化剤、重合連鎖移動剤などを加えて乳化重合を行なう。
【0015】本発明における乳化重合に使用する重合開
始剤については特に制限はなく、例えばクメンハイドロ
パーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなど
のハイドロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイドなどのパーオキサイド類
およびアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物類
などの有機系重合開始剤、ならびに過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩な
どの無機系重合開始剤を使用することができる。本発明
においては、有機系重合開始剤を単独で使用すると得ら
れる共重合体ラテックスの機械的安定性が劣り、また重
合中に多量の凝固物が発生することから、無機系重合開
始剤を単独で、あるいは有機系重合開始剤と組み合わせ
て使用するのが好ましい。なお、上記重合開始剤は重亜
硫酸ナトリウムなどの還元剤と組み合わせた、いわゆる
レドックス系重合開始剤としても使用することができ
る。これら重合開始剤のうち、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウムなどの過硫酸塩、またはこれとアゾビスイ
ソブチロニトリルあるいはベンゾイルパーオキサイドと
の組み合わせ、さらにはこれらと還元剤とを組み合わせ
たものが好ましく使用される。本発明における重合開始
剤の使用量は、全単量体100重量部当たり、通常0.
1〜5重量部であり、好ましくは0.5〜2重量部であ
る。無機系重合開始剤と有機系重合開始剤とを併用する
場合には、有機系重合開始剤の割合は、好ましくは全重
合開始剤の70重量%以下、さらに好ましくは50重量
%以下である。有機系重合開始剤の割合が70重量%を
越えると、有機系重合開始剤を単独で使用した場合のよ
うな問題が生じて好ましくない。
【0016】本発明における乳化重合に使用する乳化剤
については特に制限はなく、アニオン型、ノニオン型お
よび両性型界面活性剤のいずれも使用することができ
る。これらは単独でも、あるいは2種以上を混合して使
用することもできる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム
などの高級アルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスル
ホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの
脂肪族カルボン酸エステルのスルホン酸塩などのアニオ
ン型界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエ
ステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエー
テル型などのノニオン型界面活性剤などを使用すること
ができる。また、両性界面活性剤としては、アニオン部
分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸
塩、リン酸塩、リン酸エステル塩を、またカチオン部分
としてアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものを挙
げることができる。具体的には、アルキルベタインの塩
としてラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ココア
ミドプロピルベタイン、2−ウンデシルヒドロキシエチ
ルイミダゾリウムベタインの塩が、またアミノ酸タイプ
のものとしてはラウリル−β−アラニン、ステアリル−
β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、
オクチルジ(アミノエチル)グリシン、ジオクチルジ
(アミノエチル)グリシンの塩を挙げることができる。
これら乳化剤のうち、特にアルキルベンゼンスルホン酸
塩が好ましく使用される。具体的には、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムなどが特に好ましく使用され
る。このアルキルベンゼンスルホン酸塩は、他の界面活
性剤、例えば高級アルコールの硫酸エステル塩、脂肪族
カルボン酸エステルのスルホン酸塩などのアニオン型界
面活性剤、あるいはポリエチレングリコールのアルキル
エステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエ
ーテル型などのノニオン型界面活性剤などと併用しても
よい。乳化剤の使用量は、全単量体100重量部当た
り、通常0.05〜2重量部であり、好ましくは0.0
5〜1重量部である。乳化剤の使用量が2重量部を越え
ると耐水性が劣る。なお、アルキルベンゼンスルホン酸
塩を他のアニオン型あるいはノニオン型界面活性剤と併
用する場合、アルキルベンゼンスルホン酸塩の使用割合
は全乳化剤の50重量%以上とするのが好ましい。
【0017】本発明における乳化重合方法およびその条
件については特に制限はなく、従来公知の方法および条
件下において実施することができる。例えば、重合連鎖
移動剤の添加方法については、一括添加方式、分割添加
方式、連続添加方式、あるいはこれらの組み合わせのい
ずれでもよい。また、単量体の添加方法については、一
括添加方式、分割添加方式、連続添加方式、あるいはこ
れらの組み合わせのいずれでもよい。これらの方式のう
ち、凝固物の生成の減少、反応熱の除去などの点から
は、分割添加方式または連続添加方式か好ましい。さら
に、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全量または一
部を含む単量体の10〜50重量%を1段目で重合し、
2段目では残りの単量体50〜90重量%を連続的に添
加して乳化重合する2段重合方法によれば、重合工程に
おける凝固物の生成がより一層減少でき、本発明が目的
とする耐ブリスター性の優れた共重合体ラテックスが効
果的に得られることから、この2段重合方法によって本
発明の乳化重合を実施するのが好ましい。
【0018】本発明の製造方法において使用するジチオ
カルバミン酸塩誘導体の重合系の添加は、重合開始前に
使用する重合水に溶解ないしは懸濁させ、その状態で重
合系に添加するのが最も容易であり、かつ効果的である
が、これに限定されるものではない。また、シードラテ
ックスおよび本発明のジチオカルバミン酸塩誘導体の存
在下において前述した単量体を重合する、いわゆるシー
ド重合方法(播種重合方法)を採用してもよい。上記の
シードラテックスの単量体組成としては、好ましくは、
エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量
%、前記単量体成分(a)および/または(b)50〜
99.9重量%、エチレン系不飽和架橋性単量体0〜4
0重量%、好ましくは0.1〜40重量%である。シー
ドラテックスの使用量は、該シードラテックスの存在下
で重合する全単量体100重量部に対して、好ましくは
0.05〜20重量部(固形分)である。前記エチレン
系不飽和架橋性単量体としては、好ましくはジビニルベ
ンゼン、エチレングリコールジメタクリレートおよびト
リメチロールプロパントリメタクリレート、さらに好ま
しくはジビニルベンゼンである。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中の「%」および「部」は重
量基準である。 実施例1〜4、比較例1〜3 (共重合体ラテッスA〜D、a〜cの製造)100リッ
トルの耐圧反応容器に水160部を仕込み、さらに表1
に示す1段目成分(単量体、重合連鎖移動剤、重合開始
剤、乳化剤、ジチオカルバミン酸塩誘導体)を仕込んだ
後、窒素雰囲気下で温度70℃にて2時間重合した。次
に、2段目成分の単量体および重合連鎖移動剤、ジチオ
カルバミン酸塩誘導体を8時間かけて連続的に添加して
重合を行なった。その後、重合を完結させるため、さら
に5時間反応を継続し、重合転化率99%で重合を終了
した。なお、重合中のpHは2.5以下であった。得れ
た共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムを用いてpH
8.0に調整した後、水蒸気を吹き込んで未反応単量体
を除去し、さらに加熱減圧蒸留によって固形分濃度50
%に調整し、本発明の実施例の共重合体ラテックスA〜
Dおよび比較例の共重合体ラテックスa〜cを得た。得
られた各共重合体ラテックスA〜D、a〜cについて、
下記の方法により、そのゲル含量を調べ、表2に示し
た。ゲル含量 共重合体ラテックスをpH8.0に調整し、水を加え固
形分25%にした後、約2.0gをとり電子線で照射、
乾燥した。次に、約0.15gの試料を採取し、50ミ
リリットルのトルエン中50℃で約2.0時間撹拌した
後、トルエン不溶分を測定し、試料に対する割合(%)
を求めてゲル含量とした。
【0020】(紙塗被組成物の調整)上記共重合体ラテ
ックスA〜D、a〜cを用いて、下記の処方により紙塗
被組成物(塗料)を調整した。配合処方 クレー 80部 炭酸カルシウム 20部 共重合体ラテックス 10部 酸化デンプン 5部 ピロリン酸ナトリウム 0.5部 水 全固形分が60%になる量 得られた塗料は、下記試験方法で評価した。その結果を
表2に示した。なお、試験に使用したコート紙は、塗料
を坪量64g/m2 の原紙にコーティングブレードを用
いて、塗被量20g/m2 で塗工して得た。
【0021】 ドライピック(接着強度の指標) RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で
判定し、5段階法で評価した。点数の高いものほど良好
である。点数は測定回数6回の平均値で示した。 RIウェットピック(耐水性の指標) RI印刷機でモルトンロールを用い、湿し水を与えて印
刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階
法で評価した。点数の高いものほど良好である。点数は
測定回数6回の平均値で示した。 耐ブリスター性 両面印刷塗工紙を調湿(約6%)した後、加熱オイルバ
スに投げ込み、ブリスターが発生するときの最低温度を
示した。
【0022】実施例1〜4は、本発明の範囲内のジチオ
カルバミン酸塩誘導体を用いて製造した共重合体ラテッ
クスA〜Dを使用した例であり、比較例1〜3は、ジチ
オカルバミン酸塩誘導体を使用しないか、あるいは本発
明の範囲外で使用して製造した共重合体ラテックスa〜
cを使用した例である。実施例1〜4は、ジチオカルバ
ミン酸塩誘導体を所定量用いており、良好な耐ブリスタ
ー性が得られており、かつ強度発現性も良好である。ま
た、比較例1は、実施例1に比べてゲル含量がかなり高
い。これはジチオカルバミン酸塩誘導体の使用量が少な
いためである。そのため耐ブリスター性が良くない。比
較例2は、連鎖移動剤中に占めるジチオカルバミン酸塩
誘導体の割合が少ない。ジチオカルバミン酸塩誘導体以
外の連鎖移動剤を多く用いて、実施例のゲル含量よりか
なり低くしたため、耐ブリスター性は実施例と同程度で
良好であるが、強度発現性が良くない。比較例3は、ジ
チオカルバミン酸塩誘導体を用いず、他の連鎖移動剤を
使用し、実施例と同程度のゲル含量にした場合である
が、ゲル含量は同程度でもジチオカルバミン酸塩誘導体
を使用しないため、耐ブリスター性は良くない。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、重合時にジチオカルバ
ミン酸塩誘導体を用いることで重合連鎖移動剤の使用量
を低減することが可能となり、さらに接着強度、耐ブリ
スター性などの塗膜物性の改善を図ることができ、各種
の接着剤として有用である。本発明によって得られる共
重合体ラテックスは、特にコート紙、コート板紙の紙塗
被組成物のバインダーとして好適に使用することがで
き、さらにカーペットバッキング剤、塗料、工業用およ
び家庭用接着剤などの各種接着剤用途に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 尚 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)共役ジエン系単量体10〜80重
    量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5
    〜10重量%、(c)その他共重合可能なビニル系単量
    体10〜89.5重量%からなる単量体100重量部を
    乳化重合するに際して、(d)次式で示されるジチオカ
    ルバミン酸塩誘導体5〜100重量% 【化1】 (R1 、R2 は炭素数1〜6のアルキル基またはアリー
    ル基、MはNa、K、Zn、CuまたはFe、nは1〜
    3の整数を表わす。)(e)その他重合連鎖移動剤0〜
    95重量%からなる重合連鎖移動剤0.01〜20重量
    部の存在下で乳化重合することを特徴とする共重合体ラ
    テックスの製造方法。
JP27808192A 1992-09-22 1992-09-22 共重合体ラテックスの製造方法 Pending JPH06100609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27808192A JPH06100609A (ja) 1992-09-22 1992-09-22 共重合体ラテックスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27808192A JPH06100609A (ja) 1992-09-22 1992-09-22 共重合体ラテックスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06100609A true JPH06100609A (ja) 1994-04-12

Family

ID=17592380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27808192A Pending JPH06100609A (ja) 1992-09-22 1992-09-22 共重合体ラテックスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06100609A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005290047A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Ink & Chem Inc 合成ゴムラテックスの製造方法
JP2009167421A (ja) * 1997-12-18 2009-07-30 Commonwealth Scientific & Industrial Research Organisation リビング性を有する重合方法およびその方法で製造されるポリマー

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009167421A (ja) * 1997-12-18 2009-07-30 Commonwealth Scientific & Industrial Research Organisation リビング性を有する重合方法およびその方法で製造されるポリマー
JP2005290047A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Ink & Chem Inc 合成ゴムラテックスの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2792166B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2646770B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2841669B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP3522807B2 (ja) シード重合物及びそれを用いて得られる紙塗工用ラテックス
JP2943206B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2002332304A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法および該製造方法によって得られた共重合体ラテックスを含有する紙被覆用組成物
JPH06100609A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2926963B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP3345979B2 (ja) オフセット輪転印刷紙塗工用ラテックス及びオフセット輪転印刷紙塗工用組成物
JP3242855B2 (ja) ジエン系共重合体ラテックス
JP3115837B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP2820128B2 (ja) 塗被用組成物
JP2933984B2 (ja) ジエン系共重合体ラテックスの製造方法
JP2961208B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP4027661B2 (ja) シードラテックスおよび紙塗被用共重合体ラテックスの製造方法
JPH04332701A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JPH03166202A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP3904074B2 (ja) 重合体ラテックス、その製造方法および紙塗被用組成物
JP2683822B2 (ja) ポリマーラテックスの製造方法
JPH0441512A (ja) ジエン系共重合体ラテックスの製造法
JP3114240B2 (ja) 紙塗被組成物
JPH0912647A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP3242972B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法、共重合体ラテックスおよびそれを用いた紙塗工用組成物
JPH11209436A (ja) シードラテックスおよび共重合体ラテックスの製造方法および該共重合体ラテックスを含有する紙用塗被組成物。
JPH0532711A (ja) 紙塗工用共重合体ラテツクスの製造方法及び紙塗工用組成物