JP2926767B2 - モルヒネの測定キットおよび測定法 - Google Patents

モルヒネの測定キットおよび測定法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、モルヒネの測定キットおよび測定法に関す
るものである。
〔従来の技術〕
近年、末期癌患者の加療法の一つとして、モルヒネを
投与することによって痛みを軽減する方法が採用されて
いる。このような方法では、モルヒネの投与量が少なす
ぎると鎮痛効果が悪くなり、その量が多すぎると副作用
が大きくなりすぎる。従って、常にそれを適切な濃度に
維持するための投与量を決めるためには、その血中濃度
を簡単、かつ迅速にモニタリングできる方法を用いる必
要がある。
そのような方法としては、従来、ポリクローナル抗体
〔クリニカル・ケミストリィ(Clinical Chemistry)2
0、243〜248、1974年〕またはモノクローナル抗体(日
本薬学会第108年会;沢田ら、1988年4月)を用いた酵
素免疫測定法を用いた測定方法が知られている。
しかし、多数の検体を測定する場合には、これらの分
析方法はかなりの時間を必要とし、測定操作も煩雑であ
る。
従って、血中濃度のモニタリングでは、その測定方法
は、さらに、簡単、かつ迅速に測定できるように改善さ
れる必要がある。
〔発明が解決すべき問題点〕
本発明の目的は、鎮痛剤であるモルヒネおよびノルモ
ルヒネに対して非常に高い特異的な免疫反応性を有する
抗体を担体に担持した担持体とノルモルヒネを担体に担
持した担持体とを必須とするモルヒネの測定キット、及
びその測定キットを用いたモルヒネの測定法を提供する
ことである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の問題点を解決するために鋭意研
究した結果、モルヒネの測定キットを用いてモルヒネを
測定することによって、モルヒネを従来の測定方法より
も簡単、かつ迅速に測定できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
即ち、第1の発明は、 モルヒネの測定で用いるものであって、 (a)モルヒネおよびノルモルヒネに対して非常に高い
特異的な免疫反応性を有する抗体を担体に担持した担持
体 および (b)ノルモルヒネを担体に担持した担持体を必須とす
ることを特徴とするモルヒネの測定キット に関するものである。
第2の発明は、 前記のモルヒネの測定キットを用いて、測定試料中の
モルヒネと担体に担持されたノルモルヒネとを、担体に
担持された抗体と競争的に反応させることを特徴とする
モルヒネの測定法 に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のモルヒネの測定法に用いるモルヒネ測定キッ
トは、モルヒネおよびノルモルヒネに対して非常に高い
特異的な免疫反応性を有する抗体を担持した担持体(以
下、『抗体担持体』と略記する。)およびノルモルヒネ
(モルヒネの類似化合物)を担持した担持体(以下、
『ノルモルヒネ担持体』と略記する。)を必須とするも
のである。モルヒネの測定のためには、これらの試薬の
他に、これらの反応の場となる反応プレート、既知量の
モルヒネ溶液(以下、『標準モルヒネ溶液』と略記す
る。)、撹拌棒なども必要とするので、これらを前もっ
てモルヒネの測定キットに組み込んでおいてもよいし、
モルヒネの測定前に準備してもよい。
本発明でモルヒネの測定キットにおける『抗体担持
体』の作製に用いることができるモルヒネおよびノルモ
ルヒネに対する抗体としては、モルヒネおよびノルモル
ヒネに対して非常に高い特異的免疫反応性を有する限り
特に限定されず、抗血清またはモノクローナル抗体など
を使用することができるが、好ましくはモノクローナル
抗体を用いるのがよい。そのようなモルヒネおよびノル
モルヒネに対して非常に高い特異性を有するモノクロー
ナル抗体としては、特願昭63−234826号に示されている
ようなノルモルヒネを免疫して得られたマウス製のハイ
ブリドーマ株〔例えば、MO−2株(微工研条寄第1910
号)、MO−3株(微工研条寄第1911号)、MO−4株、MO
−5株(微工研条寄第1912号)、MO−6株など〕が産生
したモノクローナル抗体の少なくとも一種以上からなる
ものを挙げることができる。
本発明でモルヒネの測定時に用いる『抗体担持体』が
粉末の場合には、それを水、緩衝液(例えば、リン酸緩
衝液、トリス−塩酸緩衝液など)などの適当な溶媒に分
散して適当な濃度の懸濁溶液にして用いる。
本発明のモルヒネの測定キットにおける『抗体担持
体』または『ノルモルヒネ担持体』の作製において、抗
体またはノルモルヒネを担持する担体の材質としては、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ニトロ
セルロース、ガラス、ナイロン、PMMA(ポリメチルメタ
クリレート)、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、
スチレン−ブタジエン共重合体などを挙げることができ
るが、好ましくはポリスチレンがよい。
これらの担体の形状は、球状、棒状、針状、立方体等
で用いることができるが、好ましくは球状がよい。
これらの担体の大きさは、0.01〜5μm、特に0.1〜
3μmで用いることができるが、さらに好ましくは0.2
〜2μmがよい。また、用いる担体の大きさおよび形状
は均一であることが好ましい。これらの担体は、測定時
に用いる反応プレートの色との兼ね合いで、適当に着色
することもできる。
本発明における『抗体担持体』は、以下のようにして
作製することができる。
モルヒネに対して非常に特異性が高い抗体を中性付近
に調節された緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、トリス・
塩酸緩衝液など)に溶解して適当な抗体濃度の溶液を調
製し、この溶液を前記の担体と静置または振とうなどの
方法で一定時間接触反応させることによって、この抗体
を担体に担持させることができる。この接触時の加温温
度は、10〜50℃、好ましくは20〜40℃がよい。また、こ
の時の加温時間は、前記の加温温度範囲における温度が
低い程、その時間を長くすることが好ましい(例えば、
30〜50℃では2〜4時間で十分であり、10〜29℃では4
〜10日間を必要とする。長時間に渡って加温する場合に
は、アジ化ナトリウム、エチル水銀チオサリチル酸ナト
リウムなどのような蛋白質の防腐剤を添加することが好
ましい。)。
このようにして得られた『抗体担持体』は、懸濁溶液
状態のまま低温(例えば、2〜10℃)で保存できるが、
好ましくはアジ化ナトリウム、エチル水銀チオサリチル
酸ナトリウムなどのような蛋白質の防腐剤、ウシ血清ア
ルブミン(BSA)などのような蛋白質の安定化物質を必
要量添加することもできる。
本発明における『ノルモルヒネ担持体』は、以下のよ
うにノルモルヒネと分子量1万以上の高分子蛋白質とを
化学的に結合して得られた結合物を、担体に担持するこ
とによって作製することができる。
本発明における『ノルモルヒネ担持体』の作製で用い
る分子量1万以上の高分子蛋白質としては、BSA(ウシ
血清アルブミン)、OVA(卵白アルブミン)、KLH(陣笠
貝ヘモシアニン)、γ−グロブリンなどのような生体高
分子やポリL−リジン(PLL)などのようなポリアミノ
酸を挙げることができる。
『ノルモルヒネ担持体』の作製におけるノルモルヒネ
と高分子蛋白質との結合は、ノルモルヒネをN−(4−
ブロモブチル)フタルイミドを用いてN−(4−ブロモ
ブチル)化して得られたものを、1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以
下、EDPCと略す)、1−シクロヘキシル−3−(2−モ
ルホリノエチル)カルボジイミドメト−p−トルエンス
ルホン酸塩(以下、CMECと略す)などのカルボジイミド
を用いて前記の高分子蛋白質と結合することによって行
うことができる。
『ノルモルヒネ担持体』は、このようにして得られた
ノルモルヒネと高分子蛋白質との結合物を、そのままあ
るいはSephadex、Sephacrylなどを用いたゲル濾過で精
製し、担体と静置または振とうなどの方法で一定時間接
触反応させることによって、この抗体を担体に担持させ
ることができる。この接触時の加温温度は、10〜50℃、
好ましくは20〜40℃がよい。また、この時の加温時間
は、前記の加温温度範囲における温度が低い程、その時
間を長くすることが好ましい(例えば、30〜50℃では2
〜4時間で十分であり、10〜29℃では4〜10日間を必要
とする。長時間に渡って加温する場合には、アジ化ナト
リウム、エチル水銀チオサリチル酸ナトリウムなどのよ
うな蛋白質の防腐剤を添加することが好ましい。)。
このようにして得られた『ノルモルヒネ担持体』は、
懸濁溶液状態のまま低温(例えば、2〜10℃)で保存す
ることもできるが、好ましくはアジ化ナトリウム、エチ
ル水銀チオサリチル酸ナトリウムなどのような蛋白質の
防腐剤、BSAなどのような蛋白質の安定化物質を必要量
添加することもできる。
本発明のモルヒネの測定で用いる測定試料としては、
ヒトの尿、血液、血清などのヒト体液を用いることがで
きる。そして、これらの測定試料は希釈または希釈せず
に測定に用いることができる。
本発明のモルヒネの測定で用いる反応の場となる反応
プレートとしては、ガラス板、プラスチック板、防水性
物質でコーティングされたプレート(木製、紙製など)
などを挙げることができが、プラスチックでコーティン
グされた紙製のプレートを用いるのが好ましい。反応プ
レートの色は、『ノルモルヒネ担持体』と『抗体担持
体』との反応の結果生じた凝集物質を明瞭に確認できる
限り特に限定されないが、例えば、凝集物質が白色の場
合には、黒色にするのが好ましい。
本発明のモルヒネの測定で用いる反応液の撹拌棒とし
ては、防水性であれば、特に限定されないが、好ましく
は、プラスチックまたはプラスチックでコーティングさ
れた棒を用いるのがよい。その棒の大きさは、本発明の
目的を達成するために撹拌できる限り特に限定されない
が、例えば、長さが3〜10cm、直径0.1〜5mmのものを用
いることができる。
以上のようにして反応プレート、反応液の撹拌棒、測
定試料及び『標準モルヒネ溶液』を準備し、モルヒネの
測定キットの試薬である『抗体担持体』、『ノルモルヒ
ネ担持体』を用いて、以下(i)〜(ii)のような各段
階を経ることによって測定試料中のモルヒネを測定する
ことができる(なお、ノルモルヒネ測定試料及び既知量
のノルモルヒネ溶液を用いる以外はモルヒネの場合と同
様の測定操作を行うことによって、ノルモルヒネの測定
を行うことができる。)。
(i)反応プレート上に一定量の『抗体担持体』、『ノ
ルモルヒネ担持体』、及び測定試料または『標準モルヒ
ネ溶液』を置く段階 『抗体担持体』、『ノルモルヒネ担持体』、測定試料
または『標準モルヒネ溶液』のそれぞれを、一定量(例
えば、5〜50μ)づつ、互いに撹拌しやすいような位
置間隔で1セットとして反応プレート上に離して置く。
このとき、[『抗体担持体』、『ノルモルヒネ担持体』
および測定試料]からなるセットと[『抗体担持体』、
『ノルモルヒネ担持体』および『標準モルヒネ溶液』]
からなるセットを同一の反応プレート上に適当な位置間
隔で離して置くのが好ましい。
(ii)前記(i)の反応プレート上の各溶液を各セット
毎に撹拌して反応させる段階 各溶液を撹拌棒で素早く撹拌し、一定温度(例えば、
室温など)で一定時間(例えば、1〜2分間)反応プレ
ートを前後左右に動かしながら反応させて、『抗体担持
体』と『ノルモルヒネ担持体』との反応によって生じた
各セットの凝集状態を観察する。このとき、『標準モル
ヒネ溶液』を用いたセットの場合の凝集状態と測定試料
を用いたセットの場合の凝集状態とを比較観察すること
によって、測定試料中のモルヒネ量を知る。
このモルヒネ測定操作の手順のうちの(ii)のセット
毎に各試薬を反応プレート上で撹拌して反応させる段階
において、『抗体担持体』に担持されたモルヒネの抗体
に対して、『ノルモルヒネ担持体』のノルモルヒネと測
定試料または『標準モルヒネ溶液』中のモルヒネとの間
で競争的反応が起こり、『抗体担持体』と『ノルモルヒ
ネ担持体』とが凝集反応を起こすので、『標準モルヒネ
溶液』を用いたセットの場合の凝集状態と測定試料を用
いたセットの場合の凝集状態とを比較観察することによ
って、その試料中のモルヒネ量を迅速かつ高感度に測定
することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を参考例、実施例および比較例によって
具体的に説明する。
なお、これらの実施例は、本発明を例示するためのも
のであって、本発明の範囲を限定するものではない。
参考例1 〔抗体の生産と精製〕 MO−3株(微工研条寄第1911号)のハイブリドーマ株
が産生するモルヒネおよびノルモルヒネに対して特異性
が高いモノクローナル抗体の生産は、次のようにして行
った。
リン酸緩衝液で浮遊させた107個の株細胞をBALB/cマ
ウス(♂、8週齢、2週間前にプリスタンを0.5ml腹腔
内投与)の腹腔内に投与して行った。マウス体重の顕著
な増加は1週目頃から認められ、1〜3週目に適宜腹水
をとりだした。こうして得られたモノクローナル抗体の
抗体価は、106〜108であった。
得られた腹水からのモノクローナル抗体の精製は、次
のようにして行った。
前記の腹水をトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)で透析
し、同緩衝液で平衡化したDEAE−セルロースカラムに流
した。素通り画分を50%飽和硫安で塩析し、得られた沈
澱をリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し、同緩衝液に対し
て透析した。
このようにして得られたモルヒネおよびノルモルヒネ
に対して特異性が高い反応性を有するモノクローナル抗
体の純度は、SDSポリアクリルアミドゲルを用いたスラ
ブゲル電気泳動で高純度であることがわかった。
実施例1 〔『ノルモルヒネ担持体』の作製〕 20mlのジオキサンに、271mgのノルモルヒネを溶解
し、これに5mlのエタノールに340mgのN−(4−ブロモ
ブチル)フタルイミドを溶解したものと600mgの炭酸ナ
トリウムとを追加し、引き続き20時間加熱還流した。反
応液から無機物を濾別後、濾液を減圧乾固した。得られ
た残渣を極少量の酢酸エチルに溶解し、シリカゲルカラ
ム〔20mmΦ×300mmL;Kieselgel 60(70〜200mesh AST
M)〕にかけた。これを60mlの酢酸エチル/メタノール
(9:1)で溶出後、続けて酢酸エチル/メタノール(5:
1)で溶出させ、20mlづつ分画した。TLC(Kieselgel 6
0;展開溶媒は、酢酸エチル/メタノール/濃アンモニア
水=85:10:5)で分析し、目的物のみを含む画分を集
め、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を20mlのエタノ
ールに溶解後100μの90%泡水ヒドラジンを加えて2
時間還流後、エタノールを留去した。得られた残渣を15
mlの1%塩酸に溶解後、クロロホルム/イソプロパノー
ル(5:1)で2回洗浄した。濃アンモニア水でpH8に調整
した後、クロロホルム/イソプロパノール(5:1)で抽
出後、無水硫酸ナトリウムで脱水して濾別した後、濾液
を減圧留去して、130mgのN−(4−アミノブチル)ノ
ルモルヒネ(以下、ABNMと略す。)を得た。
前記のABNMは、190〜192℃の融点を有する白色結晶体
であった。また、前記の中間で得られた目的物の画分
(残渣)は、232〜233℃の融点を有するN−(4−アミ
ノブチル)ノルモルヒネのフタルイミド化物であった。
ノルモルヒネと高分子蛋白質であるBSAとの結合物
(ノルモルヒネ−BSAと略記する。)は、前記のABNMを
用いて以下のようにして調製した。
0.3mlのジメチルホルムアミドに15mgのABNMを溶解し
たものと、1.5mlの純水に高分子担体である10mgのBSAを
溶解したものとを混合後、10%の1−エチル−3−(ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド−塩酸塩(EDP
C)水溶液を0.5ml加え、pHを5.5に調整し、室温で16時
間撹拌した後、純水に対して2回透析し、非透析画分を
凍結乾燥して、免疫原として用いるノルモルヒネ−BSA
を10mg得た。
『ノルモルヒネ担持体』の作製におけるノルモルヒネ
−BSAのBSAを介してノルモルヒネを担持体に担持するす
る方法は、次のようにして行った。
100μのノルモルヒネ−BSA溶液(400μg/ml)と100
μの担体であるポリスチレンラテックス(固型成分は
4.0重量%、粒径は0.8μm、溶媒はpH7.4の0.1Mリン酸
緩衝液)とを混合し、37℃で3時間振とうし、MA−BSA
をポリスチレンラテックス表面に物理的に担持させ、
『ノルモルヒネ担持体』懸濁液を得た。
実施例2 〔『ノルモルヒネ担持体』の作製〕 実施例1の『ノルモルヒネ担持体』懸濁液の半分を、
さらに37℃で5時間加温して、『ノルモルヒネ担持体』
懸濁液を得た。
実施例3 〔『抗体担持体』の作製〕 『抗体担持体』は、参考例1のモルヒネおよびノルモ
ルヒネに対して非常に高い特異性を示す100μのモノ
クローナル抗体溶液(1mg/ml、溶媒はpH7.4の0.1Mリン
酸緩衝液)と100μの担体であるポリスチレンラテッ
クス(固型成分は4.0重量%、粒径は0.8μm、溶媒はpH
7.4の0.1Mリン酸緩衝液)とを混合し、37℃で3時間振
とうし、モノクローナル抗体をポリスチレンラテックス
表面に物理的に担持させて得た。
実施例4 〔健常人の尿で希釈したモルヒネの測定〕 実施例1で作製した『ノルモルヒネ担持体』と実施例
3で作製した『抗体担持体』とを反応プレート上の近接
した2点に、これらの試薬が互いに接触しない程度の間
隔でく25μづつ滴下し、それら2点の試薬のいずれに
も互いに接触しない程度の間隔で健常人の尿(HYLAND
DIAGNOSTIC社製)で希釈して調製したモルヒネの濃度が
0、0.1、0.2または0.3ppmの『標準モルヒネ溶液』を5
μづつ別々に離して滴下し、直ちに撹拌棒で同反応プ
レート上の『ノルモルヒネ担持体』、『抗体担持体』及
び測定試料を撹拌して混合した。同プレートをゆっくり
動かし続けると、『標準モルヒネ溶液』のモルヒネ濃度
が0ppmのときには16秒で、0.1ppmのときには22秒で、0.
2ppmのときには35秒で、0.3ppmのときには180秒以上で
ポリスチレンラテックス粒子が凝集してくるのが肉眼で
観察された。
実施例5 〔健常人の尿で希釈したモルヒネの測定〕 実施例2で作製した『ノルモルヒネ担持体』と実施例
3で作製した『抗体担持体』とを反応プレート上の近接
した2点に、これらの試薬が互いに接触しない程度の間
隔でく25μづつ滴下し、それら2点の試薬のいずれに
も互いに接触しない程度の間隔で健常人の尿(HYLAND
DIAGNOSTIC社製)で希釈して調製したモルヒネの濃度が
0、0.1、0.2または0.3ppmの『標準モルヒネ溶液』を5
μづつ別々に離して滴下し、直ちに撹拌棒で同反応プ
レート上の『ノルモルヒネ担持体』、『抗体担持体』及
び測定試料を撹拌して混合した。同プレートをゆっくり
動かし続けると、『標準モルヒネ溶液』のモルヒネ濃度
が0ppmのときには13秒で、0.1ppmのときには19秒で、0.
2ppmのときには30秒で、0.3ppmのときには150秒以上で
ポリスチレンラテックス粒子が凝集してくるのが肉眼で
観察された。
比較例1 〔コカインの測定〕 実施例4で、モルヒネの代わりにコカインで調製した
標準溶液を用いた以外は、全て実施例4と同様にして測
定した。
その結果、コカイン濃度が0ppmのときには16秒で、0.
3ppmのときにも16秒でポリスチレンラテックス粒子が凝
集してくるのが肉眼で観察された。
比較例2 〔エチルモルヒネの測定〕 実施例4で、モルヒネの代わりにエチルモルヒネで調
製した標準溶液を用いた以外は、全て実施例4と同様に
して測定した。
その結果、エチルモルヒネ濃度が0ppmのときには16秒
で、0.3ppmのときにも16秒でポリスチレンラテックス粒
子が凝集してくるのが肉眼で観察された。
比較例3 〔コカインの測定〕 実施例5で、モルヒネの代わりにコカインで調製した
標準溶液を用いた以外は、全て実施例5と同様にして測
定した。
その結果、コカイン濃度が0ppmのときには13秒で、0.
3ppmのときにも13秒でポリスチレンラテックス粒子が凝
集してくるのが肉眼で観察された。
比較例4 〔エチルモルヒネの測定〕 実施例5で、モルヒネの代わりにエチルモルヒネで調
製した標準溶液を用いた以外は、全て実施例5と同様に
して測定した。
その結果、エチルモルヒネ濃度が0ppmのときには13秒
で、0.3ppmのときにも13秒でポリスチレンラテックス粒
子が凝集してくるのが肉眼で観察された。
〔発明の効果〕
本発明によれば、『ノルモルヒネ担持体』、『抗体担
持体』を必須とするモルヒネの測定キットを用いること
によって、モルヒネを特異性が高く、迅速、高感度かつ
容易に測定することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モルヒネの測定で用いるものであって、 (a)モルヒネおよびノルモルヒネに対して非常に高い
    特異的な免疫反応性を有する抗体を担体に担持した担持
    体 および (b)ノルモルヒネを担体に担持した担持体 を必須とすることを特徴とするモルヒネの測定キット。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のモルヒネの測定キットを
    用いて、測定試料中のモルヒネと担体に担持されたノル
    モルヒネとを、担体に担持された抗体と競争的に反応さ
    せることを特徴とするモルヒネの測定法。
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