JP2921065B2 - 表面改質剤 - Google Patents

表面改質剤

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JP2921065B2 JP22430490A JP22430490A JP2921065B2 JP 2921065 B2 JP2921065 B2 JP 2921065B2 JP 22430490 A JP22430490 A JP 22430490A JP 22430490 A JP22430490 A JP 22430490A JP 2921065 B2 JP2921065 B2 JP 2921065B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、表面改質剤に関する。
<従来の技術> 特開昭50−51533号公報には、 の重合体からなる表面改質剤を含有する被覆用ポリウレ
タン組成物が記載されている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、上記公報に記載された表面改質剤は、
未だ撥水撥油性が不十分であった。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、上記実情に鑑み撥水撥油性が著しく優
れた表面改質剤を得るべく鋭意検討したところ、パーフ
ルオロアルキル基を含有する1価基を少なくとも2つ有
し、その全てが同一の炭素原子又は窒素原子に結合した
骨格を有する重合性α,β−モノエチレン性不飽和単量
体であって、かつパーフルオロアルキル基を含有する1
価基の少なくとも1つが、上記炭素原子又は窒素原子と
パーフルオロアルキル基との間に極性原子団をも有する
1価基であるα,β−モノエチレン性不飽和単量体の重
合体からなる表面改質剤が上記課題を解決することを見
いだし、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、パーフルオロアルキル基を含有する1
価基を少なくとも2つ有し、かつ重合性二重結合を有す
る1価基を少なくとも1つ有し、その全てが同一の炭素
原子又は窒素原子に結合した骨格を有する重合性α.β
−モノエチレン性不飽和単量体であって、パーフルオロ
アルキル基を含有する1価基の少なくとも1つが、パー
フルオロアルキル基及び極性原子団を含み、該極性原子
団が炭素原子又は窒素原子に結合した骨格を有する重合
性α.β−モノエチレン性不飽和単量体(A)を必須成
分として重合せしめた重合体からなる表面改質剤を提供
するものである。
本発明に係る単量体(A)は、パーフルオロアルキル
基を含有する1価基を少なくとも2つ有し、かつ重合性
二重結合を有する1価基を少なくとも1つ有し、その全
てが同一の炭素原子又は窒素原子に結合した骨格を有
し、しかもパーフルオロアルキル基を含有する1価基の
少なくとも1つが、パーフルオロアルキル基及び極性原
子団を含み、該極性原子団が炭素原子又は窒素原子に結
合した骨格をも有している必要がある。
上記した様に定義される単量体(A)のうちの代表的
なもの、例えば、パーフルオロアルキル基を含有する1
価基を2つ有し、その全てが同一の炭素原子に結合した
骨格を有し、しかもパーフルオロアルキル基を含有する
1価基のひとつが、炭素原子とパーフルオロアルキル基
との間に極性原子団を有しているものの構造を模式的に
示すと次の通りである。
例えば上図における「パーフルオロアルキル基を含有
する1価基を少なくとも2つ有し、その全てが同一の炭
素原子又は窒素原子に結合した骨格」とは(1)で示さ
れる骨格である。(1)に示される骨格の炭素原子に結
合する3つの1価基(上図においては R−)は、その全てが であってもよいし、そのうちの2つが であってもよい。
本発明の単量体(A)の定義においては、極性原子団
を有する基が最低1つ存在していなければならないが、
撥水撥油性がより向上する点で、例えば(1)の骨格中
に極性原子団を2〜6個有していることが好ましく、中
でも(1)の骨格中に極性原子団を2〜6個有し、か
つ、パーフルオロアルキル基を含有する1価基中に1〜
2個極性原子団を有していることが好ましい。
における、極性原子団は直接パーフルオロアルキル基に
結合していてもよいし、他の2価の連結基を介して間接
的に結合していてもよい。
極性原子団の種類は特に限定されないが、例えばエス
テル結合 等が挙げられる。特に高度な撥水撥油性を発現させる必
要のある場合は、極性原子団としてウレタン結合を選択
することが好ましい。
上図における(1)の骨格を除いた部分が重合性α,
β−エチレン性不飽和二重結合を有する基である。
この基は、重合性を有していれば、その他の構造は特
に限定されるものではないが、(1)の骨格が全く同じ
である場合には、α,β−エチレン性不飽和2重結合を
有する基の中にウレタン結合ないしはエステル結合を有
しているもののほうが、得られる重合体の撥水撥油性は
より向上する傾向がある。
本発明に係る単量体(A)としては、例えば、一般式
(I−1) 〔式中、Rfはパーフロロアルキル基であり、Z1は、 (但し、R1は、水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキ
ル基である。)、またはCH2 (但し、nは1〜6
の整数である。)であり、 Z2は、CH2 (但し、mは、2〜6の整数であ
る。) Rは、水素原子、メチル基、又はハロゲン原子、例えば
Cl、Brであり、 Xは、 (但し、Yは炭素数が15以下で、X基中に占める重量割
合が35〜65%の間である2価の連結基である。)にて表
わされる2価の連結基であり、 Aは、 (但し、R2は水素原子、メチル基、エチル基、またはニ
トロ基である。)、 にて表わされる3価の連結基である。〕にて表わされる
化合物、 尚、一般式(I−1)中、2個含まれているZ1は、前
またはCH2 からなる群から選ばれた相異なる2種
の連結基であっても良い。
2価の連結基であるX基中のY基の代表的なものとし
ては、 等が挙げられる。
そして一般式 〔式中、RfとR′fは、パーフロロアルキル基であり、 Z′とZ′は、 (但し、R′は水素原子もしくは炭素数1〜10のアル
キル基である。)、またはCH2 (但し、nは1〜
6の整数である。)からなる群から選ばれる2価の連結
基であり、 Z3は、CH2 (但し、mは2〜6の整数である。) Rは、水素原子、メチル基、またはハロゲン原子であ
り、 X1、X2、そしてX3は、 (但し、R2は水素原子、または炭素数1〜36のアルキル
基もしくはアルケニル基である。)または からなる群から選ばれる2価の連結基であり、 Aは、 (但し、R3は水素原子、ヒドロキシメチル基、メチル
基、エチル基、またはニトロ基である。)、 にて表わされる3価の連結基である。〕にて表わされる
化合物、 一般式 〔式中RfとRf′はパーフロロアルキル基であり、Z1とZ2
(但し、R1は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキル
基である。)、またはCH2 (但し、aは1〜6の
整数である。)からなる群から選ばれる2価の連結基で
あり、 X′とX′(但し、R2は水素原子または炭素数1〜36のアルキル基
もしくはアルケニル基である。)、 (但し、Yは炭素数が15以下で、X′またはX′
中に占める重量割合が35〜65%の間である2価の連結基
である。)にて表わされる2価の連結基であり、 Rは、水素原子、メチル基、又はハロゲン原子であ
る。〕にて表わされる化合物、 一般式 〔式中Rfは同一でも異っていてもよいパーフロロアルキ
ル基で、Z1は同一でも異なっていてもよい (但し、R1は水素原子、もしくは炭素数1〜10のアルキ
ル基である。)、またはCH2 (但し、aは1〜6
の整数である。)からなる群から選ばれる2価の連結
基、X′は同一でも異なっていてもよい (但しYは炭素数が15以下でX′基中に占める重量割
合が35〜65%の間である。)にて表わされる2価の連結
基であり、 Xは−OCONHYNHCOO−(但し、Yは炭素数が15以下でX
基中に占める重量割合が35〜65%の間である。)又は−
OCONHCH2 (但しbは0〜2の整数である。)にて
表わされる2価の連結基であり、 Z2はCH2 (但し、mは2〜6の整数である。) Rは水素原子、メチル基、又はハロゲン原子である。〕
にて表わされる化合物である。
単量体(A)の具体例として例えば以下の如きものが
挙げられるが、これらの具体例によって本発明が何ら限
定されるものでないことは勿論である。
本発明に係る重合体は、前記単量体(A)の単独重合
体でもよいし、その他のフッ素系単量体との共重合体で
もよい。
この際使用することができるα,β−エチレン性不飽
和単量体(B)としては、例えばスチレン、核置換スチ
レン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルス
ルホン酸、酢酸ビニル等の脂肪酸ビニル、またα,β−
エチレン性不飽和カルボン酸、即ちアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の一価
ないし二価のカルボン酸、またα,β−エチレン性不飽
和カルボン酸の誘導体として、アルキル基の炭素数が1
〜18の、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以後こ
の表現はアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸ア
ルキルエステルの両方を総称するものとする。)、即ち
(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシ
ル、ステアリルエステル等、また(メタ)アクリル酸の
炭素数1〜18のヒドロキシアルキルエステル、即ちヒド
ロキシエチル、エチルエステル、ヒドロキシプロピルエ
ステル、ヒドロキシブチルエステル等、また(メタ)ア
クリル酸の炭素数1〜18のアミノアルキルエステル、即
ちジメチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノエチ
ルエステル、ジエチルアミノプロピルエステル等、また
(メタ)アクリル酸の、炭素数が3〜18のエーテル酸素
含有アルキルエステル、例えばメトキシエチルエステ
ル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステ
ル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステ
ル、ブチルカルビルエステル等、またアルキル炭素数が
1〜18のアルキルビニルエーテル、例えばメチルビニル
エーテル、プロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテル等、(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、
即ちグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト等、またサートマー社製スチレンマクロモノマー450
0、新中村化学工業(株)NKエステルM−230G等のマク
ロモノマー等が挙げられる。
その他のα,β−エチレン性不飽和単量体(B)とし
ては、例えば、ポリシロキサン類の片末端あるいは両末
端に2価の連結基を介してα,β−不飽和基、即ちビニ
ル基、アクリロイル基、あるいはメタクリロイル基のい
ずれかが連結されたものであればいずれでも良く、その
具体例としては 一般式(II−1) 〔式中、R3′及びR4は炭素数1〜20のアルキル基又はフ
ェニル基で、それらは同一でも異なっていてもよく、又
シロキシ単位毎に同一でも異なっていてもよく、 pは3〜520の整数であり、 qは0又は1であり、 Y′は2価の連結基で、 〔但し、n′,m′は2〜6の整数である。〕 であり、 R5は水素原子又はメチル基であり、 Z3はメチル基、フェニル基、 である。〕にて表わされる化合物、または一般式 〔式中、R′3,R″3,R3,R′4,R″4,Rは炭素数1
〜20のアルキル基又はフェニル基で、これらのは同一で
も異なっていてもよく、又シロキサン単位毎に同一でも
異なっていてもよく、 r,s,tは1〜200の整数で、これらは同一でも異なってい
てもよく、 Y′,q,R5は前記と同意義である。〕にて表わされる化
合物が挙げられる。
ポリシロキサン鎖を含有する単量体のより具体的なも
のとして以下の如きものが例示される。
但し、Me,Phはそれぞれメチル基,フェニル基を表わ
す。
ポリシロキサン鎖を含有する単量体のα,β−不飽和
基としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイ
ル基のいずれも可能であるが、重合反応性の点でアクリ
ロイル基又はメタクリロイル基が優れているため、これ
らを含有するものが特に好ましい。
単量体(A)にポリシロキサン鎖を含有する単量体を
併用すると、表面改質剤を塗布した表面に付着した水滴
のころがり性がよくなる傾向がある。
本発明に係る単量体(A)と必要に応じて単量体
(B)とを重合して成るフッ素系共重合体の製造方法に
は、何ら制限はなく、公知の方法、即ちラジカル重合
法、カチオン重合法、アニオン重合法等が用いられる
が、特にラジカル重合法が簡便であり、工業的に好まし
い。この場合重合開始剤としては、当業界公知のものを
使用することができ、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化
ジアシル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、
フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物、Mn
(acac)等の金属キレート化合物等が挙げられ、必要
に応じてラウリルメルカプタン等の連鎖移動剤を併用す
ることが可能である。また光増感剤や光開始剤の存在下
での光重合、あるいは放射線や熱をエネルギー源とする
重合によっても本発明に係るフッ素系のランダムもしく
はブロック共重合体を得ることができる。
重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいずれでも実施
できるが、作業性の点から溶剤存在下の場合の方が好ま
しい。溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶剤、1,1,1−
トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類等のいずれも使
用できる。
本発明に係る重合体の単量体(A)と単量体(B)と
の共重合組成比は、重量比で、通常1:1〜1:100であり、
1:1〜1:50の範囲が得られる重合体の撥水撥油性に優れ
る点で、特に好ましい。
本発明に係るフッ素系共重合体の分子量としては、▲
▼=2,000〜50,000が好ましく、中でも▲▼=
3,000〜100,000が特に好ましい。
本発明に係る重合体は、そのままで表面改質剤として
使用することができるが、必要に応じて他の表面改質剤
を併用することもできる。
この際に併用可能な表面改質剤としては、例えば、特
開昭50−51533号公報、特開昭51−126220号公報に記載
されたものが挙げられる。又、塗装作業性等を向上させ
るために、必要に応じて、水や有機溶剤を加えてもよ
い。
この際に使用することのできる有機溶剤としては、例
えばターペン、ソルベッソ、イプゾール等の石油系溶
剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メ
チルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸エチル、酢酸ブチルエステルなどのエステル系
溶剤、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのグリ
コールエーテル系溶剤、メチレンクロライド、トリクロ
ロエチレン、パークロロエチレン、三弗化三塩化エタン
などの塩素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、h−ブタノール等のアルコール系溶剤
等が挙げられる。
この様にして得られた本発明に係る表面改質剤は、被
塗物表面に塗布することにより、その表面に優れた撥水
撥油性を発現させることができる。
表面改質剤の塗布方法は特に制限されるものではない
が、例えばアプケーター法(所定厚みのアプリケーター
により一定膜厚の塗膜を形成する)、スプレー法(スプ
レーガンを用いて、一定量を吹き付けて膜厚をコントロ
ールする)、ハケ塗り法、含浸法などが挙げられる。
表面改質剤を塗布する被塗物は特に制限されないが、
例えば、鉄板、鋼板等の金属表面、アクリル板、不飽和
ポリエステル板等のプラスチック表面、ガラス板等のガ
ラス表面、ベニヤ板等の木材表面、ポリエステル繊維、
ナイロン繊維等の繊維表面、及び紙表面が挙げられる。
又、本発明の表面改質剤は塗料に内添して用いること
もできる。この際表面改質剤は重合体そのものを直接添
加してもよいし、有機溶剤に重合体を溶解してそれを添
加してもよい。
本発明の表面改質剤を塗料に内添して用いる場合にお
ける、本発明の表面改質剤の使用量は特に制限されるも
のではないが、塗料中の樹脂固形分100重量部当り0.001
〜30重量部、中でも0.01〜20重量部が特に好ましい。
内添型として本発明の表面改質剤として用いる場合に
おいて使用できる塗料としては、公知慣用の溶剤型塗
料、水性塗料、無溶剤塗料、粉体塗料等が挙げられる。
より具体的には例えば、アクリル系塗料、メラミン系塗
料、エポキシ系塗料、アルキシド系塗料、ウレタン系塗
料などの熱硬化性樹脂基質を含有するものや塩化ゴム、
アクリル、アルキシド、油性、エポキシ、ウレタンなど
の常温乾燥型樹脂基質を含有するものが挙げられる。
勿論、必要に応じてこの塗料に顔料を加えてもよい。
この際に用いることができる顔料としては、例えば、さ
び止め顔料をはじめ、酸化チタン、亜鉛筆、鉛白、カー
ボンブラック、カドミウムレッド、べんがら、鉛丹、黄
鉛、亜鉛、酸化鉄、シンクロメートなどが採用できる。
この様にして得られた表面改質剤内添型塗料は、熱硬
化型塗料であれば、被塗物面に塗布して、加熱硬化して
やればよいし、常温硬化型塗料であれば、被塗物面に塗
布して、常温で乾燥してやれば、表面が撥水撥油性の点
で極めて優れた塗装面が得られる。
上記表面改質剤が内添された塗料は、各種応用分野に
適用可能である。例えば耐候性、耐薬品性塗料として、
海浜地帯の橋ゲタ、建材関係の屋根用塗料、フェンス用
塗料、風呂場など水気の多い部分の内装材用塗料、工場
のプラント用塗料、タンク、ドラム、エアゾール罐、パ
イプ、チューブなどの耐蝕コーティングなどがある。ま
た、非粘着、防汚性塗料として、プリント合板の搬送時
の粘着防止、壁、天井、柱など内装材、建材などの汚れ
防止、家具、電気製品、換気扇、船底、楽器などの汚れ
防止などに採用され得る。
<実施例> 次に本発明をより詳細に説明するために参考例、実施
例及び比較例を掲げる。
参考例1(フッ素系共重合体の合成) 撹拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラ
スコにフッ素単量体I−1−2 45重量部、メチルメタク
リレート(以下、MMAと略す)50重量部、β−ヒドロキ
シエチルメタクリレート(以下、β−HEMAと略す)5重
量部、そしてメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略
す)233重量部を仕込み、窒素ガス気流中、還流下に、
重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、
AIBNと略す)0.4重量部と、分子量調整剤としてラウリ
ルメルカプタン0.3重量部を添加した後、7時間還流し
重合を完結させた。
この重合体のゲルパーシエーションクロマトグラフ
(以後GPCと略す)によるポリスチレン換算分子量は▲
▼=9,800であった。(この共重合体を共重合体1
とする。) 参考例2〜14 各種単量体(A)と単量体(B)を表−1に示す割合
で用いた以外は参考例1と同様にしてフッ素系共重合体
溶液を得た。必要に応じて、メチルイソブチルケトンを
更に加え固形分を30重量%に調節した。それら重合体の
分子量測定の結果を表−1に記した。
但し、表−1の略称はそれぞれ次のものを表わす。
MA:メチルアクリレート IBMA:イソブチルメタアクリレート St:スチレン 2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート β−HEA:β−ヒドロキシエチルアクリレート EMA:エチルメタアクリレート C−4500:スチレンマクロマー(サートマー社製) 実施例1〜6及び比較例1 表−2に示した各種基材にフッ素共重合体1,3,6,8,1
0,13のメチルイソブチルケトン溶液を更にアセトンで希
釈し1重量%溶液としたものを脱脂綿で塗布、風乾し、
テストピースを得た。尚、ポリエステルタフタ布を基材
として用いたものは、フッ素系共重合体を含浸後、絞
り、100℃で2分間乾燥したものをテストピースとし
た。
これらのテストピース表面について後記試験A,B,C及
びDを行った。その結果を表−2に示した。
〔試験A:撥水性試験〕
各種基材を本発明に係るフッ素系共重合体で被覆し、
その表面の水の接触角(θw)をエルマー社製ゴニオメ
ーターで測定した。この値は大きい程撥水性が良好であ
ることを示している。
〔試験B:撥油性試験〕
上記試験A終了後のテストピース表面のn−ドデカン
接触角θoを同様に測定した。この値は大きい程撥油性
が良好であることを示している。
〔試験C:表面エネルギー試験〕
上記試験Bに引続き、テストピース表面のヨウ化メチ
レン接触角(θp)を同様に測定した。前記のθw,θo
と併せて、テストピース表面の表面エネルギー(γs)
を算出した。尚、この算出は「北崎、畑、日本接着協会
誌、、131、(1972)」に基づいた。
表面エネルギーは防汚性評価のひとつの尺度であり、
その値は低い程、防汚性が向上するものと推察される。
〔試験D:防汚性試験〕
カーボンブラック粉末1部に潤滑油0.1部を含浸さ
せ、これを水99部に激しく撹拌・分散させた。この分散
液1mlをテストピース表面に静置し、一晩風乾後、乾い
た布で軽く拭き取った後の汚れの程度を目視観察した。
評価基準は次の通り。
評価基準 汚れの全く残らなかった。:◎ 〃 わずか残った。 :○ 〃 少し残った。 :△ 〃 かなり残った。 :× 実施例7〜12及び比較例2 表−3に示した各種塗料にフッ素系共重合体2,4,5,7,
9,11,14のメチルイソブチルケトン溶液を塗料中の樹脂
固形分100重量部当たり、固形分0.5重量部となる様に添
加し、鉄板に塗布、必要に応じ熱処理して、テストピー
スを得た。
このテストピース表面について前記試験A,B,C及びD
を同様に行った。
その結果を表−3に示した。
表−3中の塗料1〜3は次の通りである。
塗料1:常乾型アクリル塗料(白色) 塗料2:アクリル−メラミン焼付型塗料(クリアー) (140℃×30分で熱処理して塗膜を得た。) 塗料3:アルキッド−メラミン焼付型塗料(白色) (140℃×25分で熱処理して塗膜を得た。) <発明の効果> 本発明の表面改質剤は、パーフルオロアルキル基含有
基を2つ以上有し、かつそのパーフルオロアルキル基含
有に極性原子団をも有しているα,β−モノエチレン性
不飽和単量体の重合体からなるので従来の表面改質剤に
比べて格段に優れた撥水撥油性を物体表面に付与するこ
とできるという格別顕著な効果を奏する。
従って、本発明の表面改質剤を物体表面に直接塗布す
るか、塗料に内添して物体表面を被覆することにより、
撥水撥油性の点で極めて優れた表面を得ることができ
る。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パーフルオロアルキル基を含有する1価基
    を少なくとも2つ有し、かつ重合性二重結合を有する1
    価基を少なくとも1つ有し、その全てが同一の炭素原子
    又は窒素原子に結合した骨格を有する重合性α.β−モ
    ノエチレン性不飽和単量体であって、パーフルオロアル
    キル基を含有する1価基の少なくとも1つが、パーフル
    オロアルキル基及び極性原子団を含み、該極性原子団が
    炭素原子又は窒素原子に結合した骨格を有する重合性
    α.β−モノエチレン性不飽和単量体(A)を必須成分
    として重合せしめた重合体からなる表面改質剤。
  2. 【請求項2】単量体(A)中の極性原子団が、エステル
    結合又はウレタン結合である請求項1記載の表面改質
    剤。
  3. 【請求項3】単量体(A)中の極性原子団が、ウレタン
    結合である請求項1記載の表面改質剤。
  4. 【請求項4】単量体(A)が、パーフルオロアルキル基
    を含有する1価基を少なくとも2つ有し、その全てが同
    一の炭素原子又は窒素原子に結合し、かつ重合性二重結
    合を有する1価基を少なくとも1つ有し、その全てが該
    炭素原子又は窒素原子に結合した骨格を有する重合性
    α.β−モノエチレン性不飽和単量体であって、並びに
    パーフルオロアルキル基を含有する1価基の全てが、パ
    ーフルオロアルキル基及び極性原子団を含み、該極性原
    子団が炭素原子又は窒素原子に結合した骨格を有する重
    合性α.β−モノエチレン性不飽和単量体である請求項
    1記載の表面改質剤。
  5. 【請求項5】単量体(A)中の極性原子団が、エステル
    結合又はウレタン結合である請求項4記載の表面改質
    剤。
  6. 【請求項6】単量体(A)中の極性原子団が、ウレタン
    結合である請求項4記載の表面改質剤。
  7. 【請求項7】重合体が、単量体(A)とその他の重合性
    α.β−エチレン性不飽和単量体(B)との共重合体で
    ある請求項1記載の表面改質剤。
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