JP2920040B2 - 高耐久性電解用電極およびその製造方法 - Google Patents

高耐久性電解用電極およびその製造方法

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JP2920040B2
JP2920040B2 JP5102450A JP10245093A JP2920040B2 JP 2920040 B2 JP2920040 B2 JP 2920040B2 JP 5102450 A JP5102450 A JP 5102450A JP 10245093 A JP10245093 A JP 10245093A JP 2920040 B2 JP2920040 B2 JP 2920040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硫酸電解を始めとする
種々の水溶液電解の酸素発生用電極として、優れた耐久
性と高い触媒活性を有する電極に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硫酸浴系電解液の電解において、
酸素発生用の不溶性陽極としては鉛系合金が広く用いら
れている。鉛系合金の中でも最も知られたものが鉛に1w
t.%の銀を添加した Pb-Ag 合金で、1920年にTaitonに
よって考案されたことからタイトンアノード呼称され、
硫酸亜鉛浴からの亜鉛の電解採取などに広く用いられて
いる。また、鉛合金電極は銅箔の製造プロセスや各種メ
ッキの陽極としても用いられており、硫酸浴系電解液の
電解における代表的な不溶性陽極である。
【0003】1970年代の後半から1980年代の半ばにかけ
て、亜鉛メッキ鋼板の大量生産技術として、高電流密度
操業によるメッキプロセスの研究開発が盛んに行われ
た。その結果現在150A/dm2 と亜鉛の電解採取等の操業
電流密度に比べて50倍も高い電流密度で操業するメッキ
プロセスが開発された。しかし、このプロセスに従来の
Pb-Ag 合金電極を用いるとPbの溶解が激しく、耐久性に
乏しいものになるということで種々の鉛合金電極が考案
された(特開昭64-25998、特開昭60-26635、特開昭59-1
73297 各号)が、改良された鉛合金電極であっても、程
度の差こそあれ電解液中に鉛が溶出し電解液を汚染する
という事は避けられず、電解液中の鉛イオンを除去する
ための炭酸ストロンチウムによる沈澱除去の設備がメッ
キプロセスラインに付帯されている。加えて鉛合金電極
は酸素過電圧が高く、エネルギー的にも大きな損失とな
ることが問題となっており、鉛合金電極に替わる、省エ
ネルギー、高耐久性の不溶性陽極の出現が望まれてい
る。
【0004】そこで、塩素発生用電極としてソーダ電解
などの塩化ナトリウム水溶液電解に広く用いる白金族金
属酸化物被覆Ti電極あるいは白金族金属複合酸化物被覆
Ti電極があるが、これらの電極を高電流密度操業のメッ
キプロセスに適用しようという試みがなされている。
【0005】しかしながら、ソーダ電解等で広く用いら
れているルテニウムとチタンの酸化物被覆Ti電極あるい
はルテニウムとスズの酸化物電極は前記メッキプロセス
のような硫酸浴系電解液では電極活物質であるルテニウ
ム酸化物の耐食性が乏しく、使用に耐えないことは周知
であり、硫酸浴系の電解液での酸素発生用としては酸化
イリジウム系Ti電極が有望視されている。その理由は電
極活物質である白金族酸化物の中で最も耐食性が優れて
いるからである。例えば、横浜国大の高橋らの研究グル
ープは白金族金属及び白金族酸化物の、 2規定硫酸、40
℃の電解液で1A/cm2 で電解した際の腐食損耗量を求め
る実験を行っているがそれによると、白金族金属の中で
最も耐食性に優れているものは白金であり、その単位時
間当りの損耗量は 5.0μg/cm2 ・Ahとしており、白金族
酸化物の中では酸化イリジウム(IrO2 ) が最も優れてい
て 0.1μg/cm2 ・Ahである。したがって、酸化イリジウ
ムを金属換算で 20g/m2 担持したTi電極は 1A/cm2 (100
A/dm2 ) の高電流密度電解においても 20000時間の耐用
を示すはずである。
【0006】ところが、酸化イリジウム系Ti電極を硫酸
溶液などの塩素イオンを含まない環境で酸素を発生させ
る電極として用いるとTi基体と電極活物質の界面で酸化
チタン層が成長し、この成長に伴い電極電位が上昇し、
僅か1000時間程度で通電不能という状況になる。すなわ
ち電極活物質としての耐食性は酸化イリジウムで問題無
いが、酸化イリジウムとTi界面での問題により、実用に
耐えないのが実情である。
【0007】これに対し界面で成長する酸化チタンを抑
制するために表層の電極活物質とTi界面に適当な中間層
を設けるという方法がいくつか提案されている(特公平
3-27635 号公報、特公昭60-21232号公報、特公昭60-220
74号公報、特開昭57-116786号公報)。これらのは、い
ずれも中間層として設ける物質の化合物を適当な溶媒に
溶解させ、その溶媒をTi基板に塗布し、乾燥そして焼成
という方法で行われている。
【0008】例えば特公昭60-21232号公報、特公昭60-2
2074号公報の実施例には、中間層は五塩化タンタルの10
%塩酸水溶液を塗布するあるいは塩化タンタルと塩化チ
タンを含む塩酸溶液を塗布した後、乾燥して焼成すると
いう方法で中間層を形成すると記載されている。また、
特公平3-27635 号公報の実施例には塩化イリジウム酸(H
2 IrCl6 ・6H2 O)とタンタルブトキシド(Ta(OC4
H9 5 )をブタノールに溶解させこの溶液を塗布し、
乾燥・焼成して中間層を形成する記載されている。この
ように従来の中間層はいずれも塗布・乾燥・焼成して作
製する酸化物層であることが特徴である。更に言えばTi
基体の表面に適当な物質を含む溶液を塗布して、乾燥・
焼成する製法は熱分解法と呼ばれ、白金族酸化物被覆Ti
電極あるいは白金族複合酸化物被覆Ti電極の製法の特徴
でもある。電極活物質とTi基体の界面に中間層を設けて
界面での酸化チタンの成長を抑制するためには本来中間
層は緻密な保護膜である必要がある。しかしながら、熱
分解法で中間層を設けると酸化チタンの成長を抑制すべ
き保護膜としてはどうしても緻密性に欠けるという欠点
を有する。それは熱分解法では溶媒に溶かした中間層物
質を乾燥する際、溶媒の蒸発による体積収縮が生じるこ
と、また、熱処理により塩化物や金属アルコキシドを分
解して酸化物を生成させる場合も反応による体積収縮が
生じ、これにより保護膜であるべき中間層にクラック等
の欠陥が生じる。したがって、このような方法で中間層
を設けたとしても、これらクラック等の欠陥を通じて、
電解液が浸透し、やはり中間層/Ti基体界面で酸化チタ
ンの成長が生じてしまい、程度の差こそあれ表面の電極
活物質の消耗以前に電極として通電不能の状況に陥って
しまう。
【0009】また、特公昭60-2132 号公報や特公昭60-2
2074号のような電極活物質を含まない酸化物中間層は高
電流密度電解の際の大きな抵抗となって電解槽電圧を引
き上げてしまうという問題もある。
【0010】一方、本発明者の一人は先に電子ビーム等
を用いて作製する非晶質合金電極を考案した( 特許1646
113 号) が、この電極は従来の熱分解法にて製造するTi
電極とは全くタイプの異なる電極である。すなわち、こ
の電極の製造方法はTi基体の表面に Ni-バルブメタル-
白金族金属からなる合金を被覆して、電子ビームを走査
して表面全体を照射することにより被覆した表面合金層
を非晶質化させ、その後フッ化水素酸に浸漬して、表面
合金の最外表層部のNi、バルブメタルを選択溶解させ表
面を活性化する。このようにして作製した電極の最外表
層部はフッ化水素酸によって白金族金属以外の表面の構
成元素が選択溶解されたため、白金族金属が表面に濃縮
し、しかも電極有効面積の非常に大きな活性層が形成さ
れる。結果として、この特許1646113 号に基づく電極の
構造は、活性層/非晶質合金層/Ti基体という構造にな
っており、電極活物質とTi基体の界面に中間層として非
晶質合金層が形成された形となっている。本発明者らは
このような構造になっている電極と従来の熱分解法にて
作製した白金族酸化物被覆Ti電極あるいは白金族複合酸
化物被覆Ti電極を亜鉛の電解採取と類似の環境、すなわ
ち 3規定硫酸、40℃の電解液中で5A/dm2 で電解し、こ
れらの性能比較を行った。その結果、従来の熱分解法で
作製したTi電極は時間の経過に伴い電極電位が徐々に上
昇していくのに対し、特許1646113 号に基づいて作製し
た電極はほぼ横ばいで安定な電極電位の経時変化を示し
た。本発明者らはこれらの違いを酸化物ではなく金属か
らなる中間層が特許1646113 号に基づく電極には存在す
るからであると理解した。しかしながら、特許1646113
号に基づく電極も亜鉛メッキ鋼板プロセスのような高電
流密度操業での酸素発生電極として用いると、比較的短
寿命であった。
【0011】電極活物質とTi基体の界面に非晶質合金層
を設けるという考えは、特開平2-247393号にも見られ
る。この出願は「金属性基体と、該基体表面に形成され
た粒界のない非晶質層とと、その上に被覆された電極活
物質とを有することを特徴とする電解用電極」であり、
「金属性基体の表面に、真空スパッタリングにより粒界
のない非晶質層を形成し、その上に電極活物質を被覆す
ることを特徴とする電解用電極の製造方法」である。さ
らにこの出願は「非晶質層がTi,Ta,Nb,Zr 及びHfから選
ばれた金属又はその合金からなる」電解用電極とし中間
層の非晶質構造と構成元素を限定している。
【0012】元来、スパッタリング法などのPVD(Physic
al Vapor Deposition)法を用いてTi、Zr、Nb、Taに代表
されるバルブメタルを構成元素とした非晶質層を形成す
る場合、それぞ単体金属ではそれぞれの単体金属の結晶
化温度以下の基板温度にしなければ、非晶質構造を持つ
単体金属薄膜は得られない。通常単体金属の結晶化温度
は常温以下であり、基板温度を常温以下に保つことが出
来れば、非晶質構造を持つこれらの単体金属薄膜は実現
できる。しかし、実用的な面を考慮すると、常温で非晶
質構造を保つようにすべきで、この場合 2種以上の合金
とすることが必要がある。というのは、一般に合金にす
ると結晶化温度が単体金属の場合よりも遥かに上昇する
からであり、結晶化温度が常温以上となる合金組成を選
べば、スパッタリングで得られた合金薄膜は常温でも非
晶質構造となる。
【0013】しかしながら、常温で非晶質構造を保つた
めには、他の金属との合金化が必要であり、適正な組成
を選ばなければ、合金化によりかえって高電流密度電解
における電極の中間層としての耐食性に乏しいものとな
る。高電流密度電解のような激しい酸化性の環境で優れ
た耐食性を持つ可能性のある金属中間層としては、白金
族金属あるいはバルブメタルのような金属しかない。白
金族金属を中間層として用いるには経済的な面で非常に
高価なものになる。また、特に酸素発生電極において
は、前述のように酸化イリジウムが最も耐食性に優れて
いることから、酸化イリジウムという優れた耐食性を持
つ電極活物質の中間層にそれより耐食性の劣る白金族金
属を用いても大きな効果は期待できない。一方、バルブ
メタルは耐食性という要件においては優れた特性を有す
るものであるが、これらは従来のTi基体表面に直接電極
活物質を担持した電極と同じく電極活物質/ バルブメタ
ル中間層の界面でバルブメタル酸化物の成長による絶縁
化という現象が生じてしまう。
【0014】例えば、実施例−1の比較例にも示すよう
に、Ti基体の上にTiのスパッタ膜を中間層として設け、
その表面に酸化イリジウムを担持した酸化イリジウム/T
i スパッタ膜中間層/Ti 基体電極の高電流密度電解にお
ける耐久性試験では、1100時間で電解不能となっている
が、電解不能となった電極表面のIr残量は80%であり、
電極活物質が消耗して電解不能となったのではなく、酸
化イリジウム/Ti スパッタ膜中間層の界面での酸化チタ
ンの成長による絶縁化により電解不能となったことを示
している。すなわち、耐久性に優れた高電流密度電解の
酸素発生電極を作製するために、バルブメタル中間層を
用いるためにはこの酸化物の成長を防止しなくてはなら
ない。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らはバ
ルブメタルの酸化物の成長という問題点を解決するため
に、バルブメタル内に白金族元素を拡散させ、成長する
酸化物の絶縁性の緩和、あるいは酸化物の成長性の阻止
ということを検討した。
【0016】バルブメタルも白金族金属も高融点金属で
あり、バルブメタル内へ白金族金属を拡散させるために
はかなりの高温による熱処理が必要である。しかしなが
ら酸素発生用の優れた電極活物質である酸化イリジウム
は 800℃を越えると分解しするため、このような高温で
は熱拡散処理を行うことができない。本発明者らは、酸
化イリジウムを担持する際の低い温度(350℃〜 550℃)
で中間層として採用するバルブメタルに結晶構造の変化
というダイナミックな原子の移動が生じればこれが可能
であると考えた。
【0017】各バルブメタルの単体金属のターゲットを
用いて基体温度を常温以下に冷却する事なく、Ti基体の
表面にスパッタ膜を被覆しそれぞれの結晶構造を調べた
ところ、Ti、Zrについては六方最密充填構造(hexagonal
closed packing: hcp) であり、Nbは体芯立方構造(bod
y centered cubic: bcc)であった。これに対し、同じく
Taのスパッタ膜はβ相を含む結晶構造であった。ここ
で、重要なことはTa以外のバルブメタルは通常のバルク
(bulk)金属と同じ結晶構造を示すのに対し、Taスパッタ
膜の結晶構造はバルク金属と異なるということである。
Taは通常のバルク金属である場合、Nbと同じくbcc 構造
であり、これをα相と称している。熱力学的な観点から
みれば、α相は熱力学的安定相であり、β相は熱力学的
準安定相である。このことは何を意味するかというと、
熱力学的に準安定な相であるβ相は、ある一定温度の加
熱により安定なα相へ構造変化するということである。
しかも、β相は450 ℃という低い温度でα相へと構造変
化することを確認した本発明者らは、この構造変化を利
用して、酸化イリジウム/Ir 拡散層/Ta スパッタ中間層
/Ti 基体という構造を持つ電極を考案した。
【0018】このように本発明者らはTaスパッタ膜が、
その他のバルブメタル(Ti,Zr,Nb)のスパッタ膜とは違
い、バルク金属とは異なる結晶構造を持つという特殊性
に着目し、更にこの特殊な結晶構造が電極活物質担持の
際の熱処理温度により構造変化するという知見を得て、
この構造変化を利用して、電極活物質を中間層内に拡散
させるという方法を見いだし本発明を達成したものであ
る。
【0019】すなわち、本発明の技術的構成は、電極活
物質である白金族金属、白金族金属酸化物あるいは白金
族金属複合酸化物を被覆したTi電極において、Ti基体と
前記電極活物質との界面に、Taのスパッタ膜を中間層と
して介在させ、該中間層の結晶構造が電極活物質を担持
する前段階において、タンタルのβ相を含む結晶構造と
し、電極活物質層/Taへの白金族金属の拡散層/Taスパ
ッタ層/Ti基体とからなる構造を有することを特徴とす
る高耐久性電解用電極であり、しかも、スパッタ膜を多
層とすることを特徴とする高耐久性電解用電極である。
また、このような電極を作製するためには、タンタルの
β相を含む結晶構造となっていることが必要であるが、
このようなTa金属薄膜を得る方法としてはスパッタリン
グ法に限らずその他の物理蒸着法でも可能である。
【0020】したがって、本発明のもう一つの技術的構
成として、電極活物質を表面に担持する際の熱処理によ
りβ相からα相に結晶構造が変化するTa金属薄膜でTi基
体表面を被覆し、該表面に所定の熱処理によって、電極
活物質/Ta薄膜界面にTaと電極活物質の構成元素との合
金層を形成することを特徴とする高耐久性電解用電極及
びその製造方法が挙げられる。
【0021】本発明の目的は白金族金属酸化物被覆Ti電
極あるいは白金族金属複合酸化物Ti電極の作製におい
て、β相を含むTa金属薄膜により被覆されたTi基体の表
面に電極活物質を担持し、担持する際の熱処理温度にて
Ta薄膜の結晶構造を変化させ、電極活物質直下の界面に
電極活物質の拡散層を形成させることにより、界面での
酸化チタンの成長を防止し、結果として、高電流密度で
の酸素発生用電極として長期に安定でかつ低い電極電位
で電解できる電極を提供することにある。
【0022】本発明において中間層の材質をTaスパッタ
膜と限定した理由はこれまで述べてきたように、熱力学
的に準安定なβ相を形成し、電極活物質を担持する際の
熱処理で安定なα相へと構造変化するからである。ただ
し、スパッタリングの条件 (アルゴンガス圧、ターゲッ
トへの投入エネルギー、ターゲット−基板距離、基板の
種類、基板の下地処理、スパッタリングの際のアルゴン
雰囲気における不純物ガスの影響等) により、スパッタ
膜の結晶構造は異なるが、構造変化が生じ易いのはβ相
単相よりも、α+β相の混相の方であるので、混相とす
るのが望ましい。β相を含Ta薄膜は蒸着法、イオンプ
レーティング法、イオンビーム法などのその他の物理蒸
着法においても得られることは可能である。
【0023】本発明において、中間層の材質としてTaス
パッタ膜を限定したが、鉄族遷移金属の15原子%までの
混入であるならば、中間層として使用するのに支障はな
い。鉄族遷移金属の中ではNiが最も優れており、Niとの
組合せでは33原子%までの混入であるならば、混入して
いないものとほぼ同等の能力を持つ中間層として機能す
る。さらに膜厚としては0.3 〜 6μm 程度が好ましく、
それ以上の厚みであると残留応力が大きすぎて好ましく
ない。
【0024】本発明における電極活物質の担持方法は従
来の熱分解法にて行うのが好適である。また、本発明に
おける中間層と電極活物質との関係であるが、硫酸浴系
電解の酸素発生用電極としては酸化イリジウムが最も好
適であり、特に酸化イリジウムと酸化タンタルの複合酸
化物であって、 Ir:Taの組成比が5:5 〜 9:1程度が最も
望ましい
【0025】また、本発明におい中間層のスパッタ膜を
多層膜としたのは、Taのスパッタ膜には圧縮応力が残留
応力として存在するためであり、電極活物質を担持する
際の構造変化により、電極板に歪が生じる。特に亜鉛メ
ッキ鋼板や銅箔製造プロセス用の電極の場合、電極面の
平坦度は製品にとって非常に重要な問題である。したが
って、歪の生じた電極はこれらのプロセスには好ましい
ものではない。しかるに、スパッタ膜を多層膜とするこ
とにより、各膜間で”すべり”が生じ、電極活物質担持
の際の熱処理により歪が無視出来る程度の非常に小さな
ものとなる。スパッタの多層膜を作る具体的な方法は、
スパッタの際に基板を任意の回数、ターゲットの前を任
意の速度で通過させることにより実現することができ
る。
【0026】なお、本発明に記載している結晶構造の変
化はX 線回折図を測定することによって実現できる。た
だし、この場合は電極活物質を担時する前の段階でβを
含む相が存在することを確認する必要がある。当然のこ
とながら、担持した後の電極を検査しても表面の電極活
物質に遮られて、中間層の結晶構造の情報が出てこない
からであり、仮に表面の電極活物質を機械的に除去して
も、電極活物質担持の際の熱処理により構造がβ相から
α相に変化してしまっているからである。
【0027】Taスパッタ膜表面の X線回折図と通常のTa
バルク金属の表面の X線回折図を比較した図を第1図に
示す。これらの図にも示すように、通常の溶融凝固を経
て作製されるTaバルク金属の結晶構造はbcc 構造を持つ
α相のTaであるのに対し、Taスパッタ膜はα+βの混相
となっており、波高値から見て30〜50%程度のβ相が含
有されている。次に、このTaスパッタ膜を酸化イリジウ
ムを担持する際の処理温度(450℃) で熱処理すると第2
図のβ相の 002回折線が大きく減少し、逆にα相の 110
回折線が増大している。このことはスパッタ膜内の結晶
構造がβ相からα相へ、 450℃という温度で結晶構造が
変化したことを意味するものである。第2図は表面に電
極活物質である酸化イリジウムを担持しない状態で、熱
処理温度によってTaスパッタ膜の結晶構造が変化すると
いうことを示したものであるが、表面に電極活物質であ
るイリジウムが存在した場合は、この構造変化にともな
い酸化イリジウム/Ta スパッタ膜界面にイリジウムの拡
散層が形成される。例えば、 X線が透過できる程度の薄
さのイリジウムをスパッタ膜に担持した後、その表面の
X線回折図を測定してみると、第2図に示したようなβ
相からα相への単純な構造変化ではなく、この構造変化
にともないIrが拡散し、合金化したことを表す回折線と
なっていることが第3図の X線回折図から見られる。
【0028】
【実施例−1】120×200 ×2tのTi基体の表面を80%の
熱濃硫酸に10分間浸漬して、酸洗処理を行い、水洗・乾
燥させる。次ぎに直流マグネトロンスパッタリング装置
にこの板をセットし、所定の真空度に到達するまで排気
し、アルゴンガスを導入する。Ti基体表面を逆スパッタ
で洗浄し、本スパッタを開始する。スパッタリング条件
としてはアルゴンガス圧、 1×10-3torrターゲット材質
はTaで、ターゲットに投入するエネルギーとしては 8ワ
ット/cm2 という条件でスパッタ時間を制御することに
よりTaスパッタ膜をTi基体表面に 3μm の厚さに中間層
として形成させた。次にこの表面に塩化イリジウム酸の
ブタノール溶液を塗布し、 100℃の乾燥炉にて15分間乾
燥し、 450℃の炉に挿入して酸化雰囲気中で10分間焼
成、これを10回繰り返して、表面にIrとTaの金属換算で
30g/m2 となるようにした。最後に 450℃の炉の中で 1
時間焼成し、試料を作製した。
【0029】一方、比較のために中間層を施さない試料
及びTiスパッタ膜を中間層として用いた試料も同様の方
法で作製した。また、基体をTaとし、その上に同様の方
法で電極活物質を担持したものも作製した。これら試料
の電極構造は第1表に示すようなものである。
【0030】 次ぎにこれらの性能を比較するための耐久性試験を行っ
た。その結果を図4に示す。図4は第1表に示す各電極
をpH1.2 、50℃、100g/lの硫酸ソーダの電解液にて、20
0A/dm2 で連続電解した時の電解槽電圧の経時変化を示
したものである。
【0031】No.1とNo.2〜4 の電極を比べると、No.1の
電極は6000時間を越えてもなお安定な電解が行えている
が、その他の電極は程度の差こそあれ、いずれも表面に
80%以上の電極活物質を残しながらも電極活物質と基体
界面で酸化物の成長により絶縁化し、通電不能という状
況で電解不能となっている。特に注目すべきは、No.2の
電極は僅か30時間で電解槽電圧が上昇し、電解不能とな
ったことである。すなわち、No.1とNo.2の電極の比較に
おいて、電極活物質直下が同一のTaという材質であって
も、スパッタ膜としてのTaと通常の溶融凝固を経て作ら
れるバルク金属のTaとでは大きな違いがあることを示す
ものであり、本発明の発現に至る重要な効果を示すもの
である。
【0032】前述のように、酸化イリジウムなどの電極
活物質を担持する際、熱分解法という方法にて金属基体
表面に担持されるが、この時の熱処理温度は 350℃〜 5
50℃程度で行われることが知られている。本発明の電極
が優れた性能を示すのは、電極活物質を担持する際のこ
の熱処理温度で、中間層として用いているTaスパッタ膜
の結晶構造が熱力学的に準安定なβ相から熱力学的に安
定なα相へ結晶構造が変化し、この変化に伴い表面に担
持した電極活物質が中間層に拡散し、界面にTa-Ir 合金
を形成する。すなわち、β相を含むTaスパッタ中間層を
用いた本発明の電極は厳密に言うと酸化イリジウム/Ir
拡散層/Ta スパッタ中間層/ Ti基体という構造となって
いる。したがって、硫酸水溶液中における高電流密度電
解において、界面でのタンタルの酸化物の成長が生じ難
くなっている。
【0033】これに対して、第1表におけるNo.2の電極
が、電極活物質直下が同じTaという材質でありながら、
はるかに短時間で電解不能となるのは、基体のTaが熱力
学的に安定なα相であり、それ故電極活物質を担持する
際、構造変化が起こらず、本発明のような電極活物質が
拡散した層を形成することが出来ないからである。
【0034】一方、Tiスパッタ膜を中間層として用いた
第1 表のNo.3の電極と用いないNo.4の電極との関係もN
o.1の電極とNo.2の電極の関係と同じく、電極活物質直
下は同じTiという材質であり、Tiスパッタ膜とバルク金
属のTiという関係である。ところが、No.3とNo.4の電極
の耐久性における差異はTaで見られた程の大きなもので
はない。これはTiのスパッタ膜とバルク金属のTiは同一
の結晶構造で、どちらも熱力学的に安定なhcp 構造であ
り、Taで見られたような構造変化を生じないためであ
る。ただし、Tiスパッタ膜を中間層として用いた場合が
一定の効果が見られたのは、スパッタ膜という膜の物理
的な形状効果によるものである。通常スパッタ膜は、柱
状析出物の集合体として得られる。このような形状を持
つ表面に電極活物質を担持すると柱と柱の間に電極活物
質が入り込み、いわゆる投錨効果により、電極活物質と
Tiスパッタ膜の密着性は、バルク金属のTi基体電極より
も優れたものとなる。この効果が、No.3の電極とNo.4の
電極の違いである。
【0035】
【実施例−2】120×200 ×2tのTi基体の表面を80%の
熱濃硫酸に10分間浸漬して、酸洗処理を行い、水洗・乾
燥させる。次ぎに直流マグネトロンスパッタリング装置
にこの板をセットし、所定の真空度に到達するまで排気
し、アルゴンガスを導入する。Ti基体表面を逆スパッタ
で洗浄し、本スパッタを開始する。スパッタリング条件
としてはアルゴンガス圧 1×10-3torr、ターゲット材質
はTaで、ターゲットに投入するエネルギーとしては 8ワ
ット/cm2 という条件でスパッタ時間を制御することに
よりTaスパッタ膜をTi基体表面に 0.3μm 、 1μm 、 3
μm の厚さのTaスパッタ膜を形成させた。次に、塩化イ
リジウム酸とタンタルブトキシドを金属換算のモル比で
Ir:Ta が7:3 となるように溶解させたブタノール溶液を
塗布し、 100℃の乾燥炉にて15分間乾燥し、 450℃の炉
に挿入して酸化雰囲気中で10分間焼成、これを10回繰り
返して、表面にIrとTaの金属換算で30g/m2となるように
した。最後に 450℃の炉の中で 1時間焼成し、試料を作
製した。また、比較のためにTi基体に同様の電極活物質
を担持した電極も作製した。
【0036】これらの試料の電極構造は第2表に示すよ
うな構造になっている。
【0037】
【0038】次ぎにこれらの性能を比較するために、実
施例−2と同様の方法で耐久性試験を行った図5にその
結果を示す。本発明に基づくTaスパッタ膜を中間層とし
て設けて試料No.1〜3 は急激な電圧上昇が認められず、
2500時間を越えてもなお安定な電解が可能となってい
る。
【0039】
【実施例−3】120×200 ×2tのTi基体の表面を80%の
熱濃硫酸に10分間浸漬して、酸洗処理を行い、水洗・乾
燥させる。次ぎに直流マグネトロンスパッタリング装置
にこの板をセットし、所定の真空度に到達するまで排気
し、アルゴンガスを導入する。Ti基体表面を逆スパッタ
で洗浄し、本スパッタを開始する。スパッタリング条件
としてはアルゴンガス圧、 1×10-3torrターゲット材質
はTaで、ターゲットに投入するエネルギーとしては 8ワ
ット/cm2 という条件でスパッタ時間を制御することに
よりTaスパッタ膜をTi基体表面に 6μm の厚さに中間層
として形成させた。次に、塩化イリジウム酸のブタノー
ル溶液を塗布し、 100℃の乾燥炉にて15分間乾燥し、 4
50℃の炉に挿入して酸化雰囲気中で10分間焼成、これを
10回繰り返して、表面にIrとTaの金属換算で 30g/m2
なるようにした。最後に 450℃の炉の中で 1時間焼成
し、試料を作製した。
【0040】この電極を更に過酷な400A/dm2 という高
電流密度で耐久性試験を行った。なお、その他の電解条
件は同じく、pH1.2 、50℃、100g/lの硫酸ソーダ溶液を
用いた。その結果、3500時間以上電解しても、槽電圧に
は大きな変化がみられず、表面のイリジウムの消耗率も
僅か3.6%という非常に優れた結果を得た。
【0041】
【実施例−4】300×200 ×2tのTi基体の表面を80%の
熱濃硫酸に10分間浸漬して、酸洗処理を行い、水洗・乾
燥させる。次ぎに直流マグネトロンスパッタリング装置
にこの板をセットし、所定の真空度に到達するまで排気
し、アルゴンガスを導入する。Ti基体表面を逆スパッタ
で洗浄し、本スパッタを開始する。スパッタリング条件
としてはアルゴンガス圧、 1×10-3torr 5インチ×18イ
ンチのTaターゲットを用い、ターゲットに投入するエネ
ルギーとしては3.57ワット/cm2 という条件でスパッタ
リングを行った。Ti基体とターゲット間の距離を60mmと
して、ターゲットに対して、Ti基体を平行に移動させる
移動成膜によりTaスパッタ膜をTi基体表面に形成させ
た。この際、 1回の移動で、 3μm の単層のTaスパッタ
膜を形成させたものと 1回毎に 0.3μm の成膜を10回繰
り返して 3μm とした多層のTaスパッタ膜を形成させた
試料を作製し、これらの表面に酸化イリジウムを金属換
算で 20g/m2 担持した。この際の担持条件はこれまでの
実施例と同様の方法で行った。
【0042】スパッタ直後の歪状況は単層膜、多層膜と
も大きな違いはなく、ほぼ平坦なものであった。また、
これらの結晶構造は双方とも図1と同様α+βの混相で
あった。しかし、酸化イリジウムを担持する際の熱処理
により、単層膜の試料は図6のように中央部で、約8mm
歪があったのに対し、多層膜の方は1mm 以下という小さ
なものであった。
【0043】以上本発明による電極は硫酸浴系電解液の
高電流密度電解において、優れた耐久性を示す電極であ
り、この他、本発明による電極はフッ化物が混入したよ
うな、従来のTi基体電極では用いることができなかった
ような過酷な環境においても優れた耐久性を示す電極で
ある。また、硫酸浴系電解液以外の種々のアノード反応
においても優れた特性を有することは言うまでもなく、
塩素イオンが希薄で副反応の酸素発生の生じ易い環境、
例えば海水電解用電極としても優れた電極となる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、白金族金属被覆Ti電極、白金
族金属酸化物あるいは白金族金属複合酸化物被覆Ti電極
の作製において、β相を含むTa金属薄膜により被覆され
たTi基体の表面に電極活物質を担持し、担持する際の熱
処理温度にてTa薄膜の結晶構造を変化させ、電極活物質
直下の界面に電極活物質の拡散層を形成させることによ
り、界面での酸化チタンの成長を防止し、結果として、
高電流密度での酸素発生用電極として長期に安定でかつ
低い電極電位で電解できる電極を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルク金属のTaとTaスパッタ膜の結晶構造の違
いを表す X線回折図。
【図2】α+βの混相となっているTaスパッタ膜を 450
℃で熱処理した際の X線回折図の経時変化を表す図で、
熱処理によりβ相がα相へ結晶構造変化を表す図。
【図3】β相からα相への構造変化によりIrが拡散し、
界面に合金層を形成することを示す X線回折図。
【図4】pH 1.2, 50℃、100g/lの硫酸ソーダ水溶液中、
200A/dm2 の電流密度で連続電解した際の試料No.1〜4
の電極の槽電圧の経時変化を表すグラフ。
【図5】pH 1.2, 50℃、100g/lの硫酸ソーダ水溶液中、
200A/dm2 の電流密度で連続電解した際の試料No.5〜8
の電極の槽電圧の経時変化を表すグラフ。
【図6】スパッタ膜を単層とした場合と多層とした場合
の電極作製後の歪の違いを表す平面図及び側面図。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極活物質である白金族金属、白金族金
    属酸化物あるいは白金族金属複合酸化物を被覆したTi電
    極において、Ti基体と前記電極活物質との界面に、Taの
    スパッタ膜を中間層として介在させ、該中間層の結晶構
    造が電極活物質を担持する前段階において、タンタルの
    β相を含む結晶構造とし、電極活物質層/Taへの白金族
    金属の拡散層/Taスパッタ層/Ti基体とからなる構造を
    有することを特徴とする高耐久性電解用電極。
  2. 【請求項2】 前記中間層スパッタ膜を多層とすること
    を特徴とする請求項1記載の高耐久性電解用電極。
  3. 【請求項3】 電極活物質である白金族金属、白金族金
    属酸化物あるいは白金族金属複合酸化物を被覆したTi電
    極において、前記電極活物質を表面に担持す際の熱処理
    によりβ相からα相に結晶構造が変化するTa金属薄膜で
    Ti基体表面を被覆し、該表面に所定の熱処理によって、
    電極物質/Ta薄膜界面にTaと電極活物質の構成元素との
    合金層を有することを特徴とする高耐久性電解用電極。
  4. 【請求項4】 β相を含むTa金属薄膜でTi基体表面を被
    覆し、該表面に前記電極活物質を被覆し、該電極活物質
    を表面に担持する際の熱処理による結晶構造の変化を利
    用して、電極活物質/Ta薄膜界面にTaと電極活物質の構
    成元素との合金層を形成することを特徴とする高耐久性
    電解用電極の製造方法。
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