JP2916249B2 - 三弗化窒素ガスの精製方法 - Google Patents

三弗化窒素ガスの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は三弗化窒素ガスの精製方法に関する。更に詳
しくは、二酸化炭素ガス(CO2)ガスを除く三弗化窒素
ガス中に含まれる不純物の除去方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
三弗化窒素(NF3)ガスは、半導体のドライエッチン
グ剤やCVD装置のクリーニングガスとして近年注目され
ている。これらの用途に使用されるNF3ガスは、高純度
のものが要求されている。
NF3ガスは、種々の方法で製造される。たとえば、ア
ンモニウム酸弗化物の溶融塩を電解する方法、アンモニ
ウム酸弗化物を溶融状態において気相状の弗素と反応さ
せる方法、固体状の金属弗化物のアンモニウム錯体と元
素状弗素を反応させる方法、弗化アンモニウムまたは酸
性弗化アンモニウムと弗化水素を原料とするNH4F・HF
や、さらにこれに弗化カリウムまたは酸性弗化カリウム
を該原料に加えたKF・NH4F・HF系での溶融塩電解法など
がある。
しかしながら、何れの方法で得られたガスも殆どの場
合、N2O、CO2、N2F2などの不純物を比較的多量に含んで
いるので、上記用途としての高純度のNF3ガスを得るた
めには精製が必要である。
従来、NF3ガス中のこれらの不純物を除去する精製方
法としては、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ等
の吸着剤を使用して、これらの不純物を吸着除去する方
法がよく知られている。
特に、U.S.Pat.Nos.4,156,598が開示している合成ゼ
オライト(synthetic zeolite)は上記不純物を効率よ
く吸着するので、この点では一応好ましい吸着剤ではあ
る。しかしながら合成ゼオライトは、例えば、モレキュ
ラシーブ5AはN2Oの吸着能力は大きいが、CO2の吸着能力
が小さいという問題があり、モレキュラシーブ13Xは逆
にCO2の吸着能力は大きいが、N2Oの吸着能力が小さいと
いうように、その種類によって不純物の吸着能力を異に
する。
従って、合成ゼオライトを上記不純物の吸着剤に使用
する場合には、2種類以上の合成ゼオライトを併せ使用
しなければならないと云う厄介な問題がある。
また加うるに、合成ゼオライトは、上記不純物を吸着
すると同時に製品であるNF3ガスも大きく吸着するの
で、NF3ガスの大きな損失を招くという極めて不都合な
問題もある。
活性炭、活性アルミナを吸着剤として使用する場合、
NF3ガスの吸着は比較的少ないものの、合成ゼオライト
と比較すると、吸着剤単位体積当たりの不純物の吸着量
が非常に小さいので、吸着能力をきわめて速く喪失す
る。従って、吸着剤の更新または再生頻度が多くなり、
この更新または再生時におけるNF3ガスの損失のため、
結局全体的に見るとNF3ガスの損失が多くなるという大
きな問題がある。
また、吸着剤の更新または再生頻度の増加は、それだ
けで人手を要すると共に、NF3ガスの精製能力を時間的
に大きく阻害することになる。
一方、天然ゼオライトは上記の問題を持たない最も優
れた吸着剤である。即ち、NF3ガスの吸着量が少なく、
かつNF3ガス中の不純物吸着能力に優れている。
しかしながら天然ゼオライトは、地層中より産するが
故に必ずしも一定の吸着能力を示すわけではない。この
吸着能力のばらつきは、通常の使用に於て重大な支障を
招くほどのものではないが、商用の精製設備に於いて使
用するに於いては、定常的に天然ゼオライトの品質管理
を実施しなくてはならない等の問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等はかかる状況に鑑み、NF3ガス中に含まれ
ているN2O、CO2またはN2F2の除去方法について鋭意検討
を重ねた結果、次の事実を発見するに至った。即ち、予
め所定の温度範囲内で加熱を行った天然ゼオライトを用
い、該天然ゼオライト層の温度を種々に設定保持し、N2
O、CO2またはN2F2を含有するNF3ガスを通気したとこ
ろ、天然ゼオライトが吸着能力を失う温度が化学種によ
って大きく異なることを発見した。更に詳しくは、CO2
においては50℃程度で吸着能力を失うものの、他の不純
物では100℃を超えるまで除去が可能であることが判明
した。
本発明者等はこの新たな知見より、比較的低い温度で
吸着しなくなるCO2を予め除去したNF3ガスを通気すれ
ば、該天然ゼオライト層が従来より高い温度にあっても
不純物を吸着除去し得ることを見出し本発明を完成する
に至ったものである。
即ち、本発明は三弗化窒素ガスから二酸化炭素ガスを
除去し、天然ゼオライト層に該三弗化窒素ガスを通して
三弗化窒素ガスを精製するに際し、 天然ゼオライトとして、無機酸ナトリウム塩水溶液お
よび/または有機酸ナトリウム塩水溶液で処理したも
の、あるいは無機酸および/または有機酸で処理したの
ちナトリウム含有水溶液で処理したものを、250〜700℃
で加熱処理して、 天然ゼオライト層に三弗化窒素ガスを通す際の天然ゼ
オライト層の温度を−125〜110℃とすることを特徴とす
る三弗化窒素ガスの精製方法に関する。
〔発明の詳細な開示〕
以下、本発明を詳細に説明する。
天然ゼオライトには鉱物学的に種々の種類のものがあ
り、本発明において使用する天然ゼオライトは特にその
種類に限定はない。しかしながら埋蔵量が豊富であるこ
とと採掘費用が低廉であることから、ホウフッ石(anal
cime or analcine)、クリノプチロライト(cinoptilol
ite)、モルデナイト(mordenite)、フェリライト(fe
rrierite)、カイジュウジ石(phillipsite)、シャバ
サイト(chabazite)、エリオナイト(erionite)、ダ
ワフッ石(laumontite)等が好ましい。
更にまた、これらの中でもクリノプチロライト〔Na6
(AlO2(SiO23O・24H2O〕及びモルデナイト〔Na8
(AlO2(SiO24O・24H2O〕はNa型であり、吸着剤
単位体積当たりのNF3ガス中の不純物の吸着量が大きい
ので特に好ましい。
なお、その他、ジュウジュウジフッ石(harmotom
e)、ジスモンドフッ石(gismondine)、ガロナイト(g
arronite)、レビナイト(levyne)、ホージャサイト
(faujasite)、スコレフッ石(scolesite)、トムソン
フッ石(thomsonite)、エジントンフッ石(edingtonit
e)、ダチャーダイト(dachiardite)、ハクフッ石(ep
istilbite)、キフッ石(heulandite)、タバフッ石(s
tilbite)、バレーライト(barrerite)、カウレサイト
(cowlesite)、ワイラカイト(wairakite)、アシュク
ロティン(ashcrofine)、マーリオナイト(merlinit
e)、アシサイト(amicite)、ポーリンジャイト(paul
ingite)、ユガワラフッ石(yugawaralite)、オフレタ
イト(offretite)、マジャイト(mazzite)、グメリン
フッ石(gmelinite)、ソーダフッ石(natrolite)、メ
ソライト(mesolite)、ゴナルドフッ石(gonnardit
e)、ビキタイト(bikitite)、ステラーライト(stell
erite)、ブリュースターフッ石(brewsterite)、ポリ
ュサイト(pollucite)等も均等物質として使用可能で
ある。
これらの天然ゼオライトは、堆石岩中に産出する鉱物
であるので、本発明においてこれを吸着剤として使用す
るためには、岩石状として採取された天然ゼオライトを
適当な粒度、例えば4〜100メッシュ、好ましくは8〜6
0メッシュ程度に粉砕することが好ましい。
かくして粉砕され、所望の粒度分布を有する天然ゼオ
ライトを本発明に於いては、まず無機酸ナトリウム塩水
溶液または/および有機酸ナトリウム塩水溶液で処理す
るか、フッ酸を除く無機酸水溶液または/および有機酸
水溶液で処理した後、ナトリウム含有水溶液で処理す
る。
適用し得る無機酸としては、硝酸、硫酸、塩酸等の強
酸、あるいは亜硝酸、亜硫酸、炭酸等の弱酸が挙げられ
る。フッ酸は天然ゼオライト構造を侵すため好ましくな
い。
有機酸としては蟻酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、
マロン酸、コハク酸、フタル酸、グルタミン酸、アスパ
ラギン酸、酒石酸が挙げられる。
ここで使用されるナトリウム含有水溶液は、その水溶
液がアルカリ性である必要がある。例えば、水酸化ナト
リウムが好ましい。
また無機酸および有機酸のナトリウム塩としては前記
した無機酸および有機酸のナトリウム塩が適用し得る。
該処理の方法としては、無機酸ナトリウム塩または/
および有機酸ナトリウム塩水溶液により処理する場合に
於いては、まず0.5〜2mol/の水溶液を調製し、該水溶
液10容に対して天然ゼオライト1〜3容を投入し、これ
を10〜90℃の温度で1〜10時間撹拌することにより処理
は完了する。
無機酸または/および有機酸により処理する場合に於
いては、0.5〜2mol/に調製された水溶液10容に対して
天然ゼオライト1〜3容を投入し、これを10〜90℃の温
度で1〜10時間撹拌後濾過し、引続き0.3〜3mol/の水
酸化ナトリウム水溶液10容に投入し、10〜90℃の温度で
1〜10時間撹拌することにより処理は完了する。
無機酸または/および有機酸もしくはこれらのナトリ
ウム塩水溶液の水溶液濃度は0.5mol/未満でも使用可
能であるが、天然ゼオライトの組成のばらつきによって
は処理が不完全に行われる虞がある。一方、2mol/を
超える濃度でも使用可能であるが、規定の濃度でも処理
は確実に完了するので不必要である。
前記の処理が完了した天然ゼオライトは、引続き250
℃〜700℃好ましくは、350〜600℃で加熱処理する。
上記規定の温度範囲において天然ゼオライトを加熱処
理することによってのみ、吸着剤としての能力が格段に
向上し、本発明の目的を達成する吸着剤とすることがで
きる。
加熱処理温度が250℃未満であると、いくら長時間加
熱処理しても天然ゼオライトの吸着能力が操作開始後急
激に低下し、破過時間が大幅に短くなると共に、通気後
のNF3ガス中のN2O、N2F2等の不純物の含有量が大幅に高
くなるからである。
その理由は必ずしも明確ではないが、一つは、結晶水
を含有している天然ゼオライトの場合、これを本発明の
吸着剤として使用すると、上記結晶水(以下、水分と記
す)が残存し、該天然ゼオライト層へNF3ガスを通気し
た際に、天然ゼオライト単位体積当たりのN2O、N2F2
除去能力が低下するためと考えられる。したがって、天
然ゼオライト中の水分を実質的に完全に除去するために
も、上記温度における加熱処理を行うのが好ましい。
一方、天然ゼオライト700℃を越える温度に加熱する
と、天然ゼオライトの結晶構造が変化したり崩れたりす
る。その結果、吸着能力が著しく損なわれて仕舞い、吸
着が行われなかったり、またガス通気後短時間で破過し
たりするのである。
天然ゼオライトの加熱処理は、水分を実質的に含有し
ない窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、
キセノンガス等の不活性ガス気流中で行なうことが好ま
しい。また、該加熱処理は、CO2を予め除去した乾燥空
気中で行うことも出来る。また、減圧下に、これらのガ
スを吸引しながら加熱処理を行なってもよい。
加熱処理は、上記の加熱温度及びガス気流雰囲気中で
10分〜80時間、好ましくは1時間〜40時間、さらに好ま
しくは3時間〜10時間行われる。
なお、加熱処理の態様としては、粉砕され、所望の粒
度分布を有する天然ゼオライトを乾燥器内に薄く敷き詰
めて、この薄層の表面上に不活性ガスを流してもよい
が、より好ましくは、天然ゼオライトにより充填層を形
成し、不活性ガスを、該充填層中に通気しつつ加熱して
もよい。
かくして加熱処理が終了した天然ゼオライトは、次の
吸着処理にそなえて、放冷または強制冷却され、110℃
以下の温度に冷却される。勿論、冷却時には、天然ゼオ
ライト中への水分の混入を回避することが好ましい。
本発明においては、該加熱処理した天然ゼオライトに
より充填層を形成し、NF3ガスからCO2ガスを予め除去
し、該三弗化窒素ガスを、該充填層に、−125〜110℃の
温度において通気し、精製処理を行なう。NF3ガスからC
O2ガスを予め除去する理由として、前述した如く、CO2
ガスにおいては50℃程度で吸着能力を失うからである。
本発明のもっとも好ましい実施の態様は、加熱処理と
NF3ガスの吸着精製を同一の容器で行なうものである。
すなわち、適当な容器またはカラムに粉砕され、所望の
粒度分布を有する天然ゼオライトを充填して充填層を形
成する。つぎに、不活性ガスを、該充填層中に通気しつ
つ加熱処理する。加熱処理後、天然ゼオライトを容器外
へ取り出すことなく、そのままの状態で冷却し、引続き
この天然ゼオライトの充填層へNF3ガスを−125〜110℃
の温度において通気する方法が好ましい。
NF3ガスの精製は、上記の通りカラム等に充填された
天然ゼオライト層に通気する方法で実施されるが、この
際の通気温度は重要で110℃以下の温度であることが好
ましい。110℃の温度を越えると、通気後のNF3ガス中の
不純物の含有量が十分低下せず、かつ、天然ゼオライト
単位体積当たりのNF3ガス中の不純物の吸着量が大きく
低下するので不都合である。
また、温度は低温ほど好ましいが、NF3ガスの沸点は
−129℃であるので、この温度以下では操作が事実上困
難であり、−125℃以上の範囲で実施される。
容器やカラムの材質としては、ステンレススチール、
銅、ニッケル、鉄等の通常の材料が使用可能である。な
お、鉄は空気に常時接触するカラム外面が腐食され、錆
易いので防錆処理を施すことが好ましい。
天然ゼオライト充填層の通気条件についてさらに詳し
く述べると以下の如くである。
天然ゼオライト充填層の層径は1cm〜1mφ程度が好ま
しい。所望により、細い径の充填カラムを複数束ねて使
用することも可能である。ここで、層径が50cmを越える
場合には、通気時に発生する吸着熱等を効率よく除熱出
来るように、伝熱フィンをカラム表面に設けたり、熱交
換器を充填層内に挿入することが好ましい。充填層高は
10cm〜3m程度であり、ガス流量は10ml〜100/min程度
である。なお、層径、層高、ガス流量の組合せは1〜50
0cm/min好ましくは1〜200cm/minと言うガス線速度を満
足する範囲で自由に選択することが可能である。
通気時のNF3ガスの圧力は特に限定はないが、例えば
0〜5kg/cm2-G程度の圧力が操作しやすいので好まし
い。
本発明の対象とするNF3ガス中の不純物ガス量は、N2O
0.1〜2.0%、N2F20.2〜0.6%程度であり、これを処理後
それぞれ、10ppm未満にすることが要請される。本発明
の精製処理を施されるとガス中の不純物量は、N2O ND〜
5ppm、CO2 ND〜5ppm、N2F2 ND〜5ppmとすることが出来
る。
なお、分析法は、ガスクロマトグラフィー(検出器:P
ID)によっておこなった値であり、NDは検出限界以下
(1ppm未満)であることを示す。
〔実施例〕
以下、実施例によに本発明を更に具体的に説明する
が、これらはあくまで発明のよりよき理解を目的とする
ものであり、その範囲を限定する意図にでたものでない
ことは明確に理解されなければならない。尚、以下にお
いて%及びppmは特記しない限り容量基準を表わす。
また、実施例及び比較例において、破過時間とは下記
することを意味する。
即ち、不純物を含有するガスを吸着剤層に通気して不
純物を吸着除去する場合、ガスの通気開始直後は得られ
るガス中の不純物含有量は少なく、かつ一定含有量かま
たは僅かに漸増する状態で推移する。吸着剤が吸着能力
を喪失する頃になると、不純物含有量が急激に増加し始
める。この急激に増加し始めるまでの通気時間を破過時
間という。
第1、2表における破過時間までの吸着量は、通気後
のNF3ガス中のN2O、N2F2の何れかが10ppmを越えたとき
を破過時間とし、その時点での吸着量を測定したもので
ある。
実施例1 採取時期(ロット)の異なる天然ゼオライト(モルデ
ナイト)を粉砕、篩分けし、粒度が24〜48メッシュとし
た試料を10点用意した。
うち1点の粒状天然ゼオライト20mlを、1mol/の硝
酸ナトリウム水溶液100ml中に投入し、温度を60℃に保
持しながら5時間撹拌した後、天然ゼオライトを濾別し
た。
濾別された天然ゼオライトは約60℃の温水にて洗浄し
た後、自然乾燥させた。
次に、この天然ゼオライトを内径10mmのステンレス製
カラムに充填(充填高200mm)した後、該天然ゼオライ
トを500℃にて4時間加熱処理を行なった。しかる後天
然ゼオライト層を冷却し、第1表に示す分析値のNF3
スを第1表に示す条件で、破過時間まで通気した。
上記の操作を残り9点の試料についても同様の操作で
行ない、破過時間までのN2O、N2F2の吸着量の平均値、
最大値、最小値を求めた。
第1表に示す通り、本発明の方法で精製すれば、吸着
能力のばらつきが、比較例1と比べても明らかに、小さ
くなっている。
尚、NF3ガスの分析はガスクロマトグラフィーにて行
なった。(以下同様) 実施例2〜5 実施例1において、硝酸ナトリウム水溶液の代わりに
亜硫酸ナトリウム水溶液、酢酸ナトリウム水溶液、マレ
イン酸ナトリウム水溶液、クエン酸ナトリウム水溶液を
用いた他は実施例1とほぼ同様の方法で行なった。
その結果は、第1表に示す通り本発明の方法で精製す
れば、吸着能力のばらつきが、比較例1と比べても明か
に、小さくなっている。
また、マレイン酸ナトリウム水溶液、クエン酸ナトリ
ウム水溶液で処理された天然ゼオライトではN2Oの吸着
能力が明らかに向上している。
実施例6 実施例1の処理方法において、硝酸ナトリウム水溶液
での処理の代わりに、1mol/の硝酸100ml中に投入し、
温度60℃に保持しながら5時間撹拌した後、天然ゼオラ
イトを濾別し、更に1mol/の水酸化ナトリウム水溶液
中に投入し、温度60℃に保持しながら5時間撹拌した
後、天然ゼオライトを濾別した後は実施例1と同様の方
法で行なった。
その結果は第1表に示す通り、本発明の方法で精製す
れば、吸着能力のばらつきが、比較例1と比べても明か
に、小さくなっている。
実施例7〜9 実施例6において、硝酸の代わりに酢酸水溶液、マレ
イン酸水溶液、クエン酸水溶液を用いた他は実施例6と
ほぼ同様の方法で行なった。
その結果は第1表に示す通り、本発明の方法で精製す
れば、吸着能力のばらつきが、比較例1と比べても明か
に、小さくなっている。
また、マレイン酸水溶液、クエン酸水溶液で処理され
た天然ゼオライトではN2Oの吸着能力が明らかに向上し
ている。
比較例1 実施例1において、硝酸ナトリウム水溶液での一連の
処理を割愛し、天然ゼオライトを内径10mmのステンレス
製カラムに充填(充填高さ200mm)した後、該天然ゼオ
ライトを500℃にて加熱処理を行なった。しかる後天然
ゼオライト層を冷却し、第2表に示す分析値のNF3ガス
を第2表に示す条件で、破過時間まで通気した。
その結果は第2表に示す通り、吸着能力のばらつきが
見られた。
比較例2 実施例1において、硝酸ナトリウム水溶液の代わり
に、クエン酸ナトリウム水溶液を使用し、実施例1の方
法で処理し、天然ゼオライトを内径10mmのステンレス製
カラムに充填(充填高さ200mm)した後、該天然ゼオラ
イトを200℃にて8時間加熱処理を行なった。しかる後
天然ゼオライト層を冷却し、第2表に示す分析値のNF3
ガスを第2表に示す条件で、破過時間まで通気した。
その結果は第2表に示す通り、吸着量のばらつきが見
られ、実施例に比し吸着量が、大きく低下することが判
明した。
比較例3 実施例1において、硝酸ナトリウム水溶液の代わり
に、クエン酸及び水酸化ナトリウム水溶液を使用し、実
施例6の方法で処理し、天然ゼオライトを内径10mmのス
テンレス製カラムに充填(充填高さ200mm)した後、該
天然ゼオライトを800℃にて4時間加熱処理を行なっ
た。しかる後天然ゼオライト層を冷却し、第2表に示す
分析値のNF3ガスを第2表に示す条件で、破過時間まで
通気した。
その結果は第2表に示す通り、吸着量が極端に低下
し、通気後短時間で破過した。
比較例4 実施例1において、硝酸ナトリウム水溶液の代わり
に、クエン酸及び水酸化ナトリウム水溶液を使用し、実
施例6の方法で処理し、天然ゼオライトを内径10mmのス
テンレス製カラムに充填(充填高さ200mm)した後、該
天然ゼオライトを500℃にて4時間加熱処理を行なっ
た。しかる後天然ゼオライト層を冷却し、第2表に示す
分析値のNF3ガスを通気温度120℃の条件で、破過時間ま
で通気した。
その結果は第2表に示す通り、吸着量が大きく低下し
た。
〔発明の効果〕 以上詳細に説明したように本発明は、NF3ガス中の不
純物を吸着剤を使用して除去する方法において、吸着剤
として安価な天然ゼオライトを予め所定の処理を行な
い、該天然ゼオライト層にNF3ガスを特定の条件で通気
するという、極めて簡単な方法である。
NF3ガス中の不純物を吸着剤を使用して除去するにお
いて、天然ゼオライトを使用する上での従来の問題点は
吸着能力のバラツキであった。バラツキの幅は実際の使
用においては、経験的に重大な問題となったことはな
い。しかし、合成ゼオライトを使用した精製と比較した
場合、天然ゼオライトの品質管理、例えば組成分析、吸
着能力試験を実際の使用に先だって行うことが好まし
く、工数の増加が不利な点であった。
しかし、本発明の方法によれば、上記するバラツキは
合成ゼオライトのそれと大差なくなり、実質的に品質管
理を行う必要がなくなった。さらには有機酸水溶液ある
いは有機酸ナトリウム塩水溶液を用いた処理のうち一部
では吸着能力の増加も認められた。以上の如く、本発明
の効果は大きいといえる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三弗化窒素ガスから二酸化炭素ガスを除去
    し、天然ゼオライト層に該三弗化窒素ガスを通して三弗
    化窒素ガスを精製するに際し、 天然ゼオライトとして、無機酸ナトリウム塩水溶液お
    よび/または有機酸ナトリウム塩水溶液で処理したも
    の、あるいは無機酸および/または有機酸で処理したの
    ちナトリウム含有水溶液で処理したものを、250〜700℃
    で加熱処理して、 天然ゼオライト層に三弗化窒素ガスを通す際の天然ゼ
    オライト層の温度を−125〜110℃とすることを特徴とす
    る三弗化窒素ガスの精製方法。
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