JP2848941B2 - 三弗化窒素ガスの精製方法 - Google Patents

三弗化窒素ガスの精製方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は三弗化窒素ガスの精製方法に関する。更に詳
しくは、二酸化炭素(CO2)を除く三弗化窒素ガス中に
含まれる不純物の除去方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
三弗化窒素(NF3)ガスは、半導体のドライエッチン
グ剤やCVD装置のクリーニングガスとして近年注目され
ている。これらの用途に使用されるNF3ガスは、高純度
のものが要求されている。
NF3ガスは、種々の方法で製造される。たとえば、ア
ンモニウム酸弗化物の溶融塩を電解する方法、アンモニ
ウム酸弗化物を溶融状態において気相状の弗素と反応さ
せる方法、固体状の金属弗化物のアンモニウム錯体と元
素状弗素を反応させる方法、弗化アンモニウムまたは酸
性弗化アンモニウムと弗化水素を原料とするNH4F・HF
や、さらにこれに弗化カリウムまたは酸性弗化カリウム
を該原料に加えたKF・NH4F・HF系での溶融塩電解法など
がある。しかしながら、何れの方法で得られたガスも殆
どの場合、N2O、CO2、N2F2などの不純物を比較的多量に
含んでいるので、上記用途としての高純度のNF3ガスを
得るためには精製が必要である。
従来、NF3ガス中のこれらの不純物を除去する精製方
法としては、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性
炭、活性アルミナ等の吸着剤を使用して、これらの不純
物を吸着除去する方法がよく知られている。とりわけN2
Oは他の方法では除去効率が悪く、吸着除去が唯一の方
法に等しい。
上記吸着剤の中では特に、ゼオライトは上記不純物を
効率よく吸着するため好ましく、更に特願平01−275049
が開示している天然ゼオライトはNF3の吸着量が合成ゼ
オライトに比べて少なく、不純物吸着除去において損失
するNF3が少なく、最も好ましい吸着剤である。
しかしながら天然ゼオライトが有効な吸着能力を発揮
するには該天然ゼオライト層の温度を50℃以下、好まし
くは30℃以下に保つ必要がある。合成ゼオライトに於い
ては更に低い温度とする必要がある。
ここで、本発明者等は吸着塔規模が大きくなるほど吸
着除去時に発生する吸着熱が蓄積しやすく、しばしば天
然ゼオライト層内部の温度が上昇して天然ゼオライトが
不純物の吸着能力を失う温度、即ち50℃を超えるという
問題に遭遇した。
このため、吸着除去時には天然ゼオライト層をしかる
べき冷媒で効率よく冷却するために、集熱材を設けた
り、小型の吸着塔を複数並列に設けるなどの対策をとら
ねばならず、設備の複雑化、高コスト化を余儀なくされ
た。
一方、不純物を吸着した天然ゼオライト層は次回の吸
着除去に備えて吸着した不純物を脱着させる賦活操作を
行う必要がある。これは通常、天然ゼオライト層を数百
℃に加熱することにより行われるが、大気が系内に侵入
することのないように、通常、吸着塔内において吸着除
去に引続き行われる。このため、吸着塔には前述の冷却
設備と並び、加熱が行える設備が不可欠である。更に該
設備は冷却と加熱を交互に行う必要があるため、容易に
かつ確実に実施出来る工夫が必要である。しかし、上記
設備を実現する場合は吸着塔の形状の一層の複雑化、ま
た加熱あるいは冷却の効率が低下すること等の問題があ
った。このため、設備の簡素化、およびエネルギー節減
のために、天然ゼオライトの吸着能力の向上等の改善が
必要であった。
尚、活性炭、活性アルミナも吸着剤として使用するこ
とは可能である。これらの吸着剤はNF3の吸着は比較的
少ないものの、合成ゼオライトと比較すると、吸着剤単
位体積当たりの不純物の吸着量が非常に小さいので、吸
着能力をきわめて早く喪失する。従って、吸着剤の更新
または再生頻度が多くなり、この更新または再生時にお
けるNF3ガスの損失のため、結局全体的に見るとNF3ガス
の損失が多くなるという大きな問題がある。
また、吸着剤の更新または再生頻度の増加は、それだ
け人手を要すると共に、NF3ガスの精製能力を時間的に
大きく阻害することになる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等はかかる状況に鑑み、NF3ガス中に含まれ
ているN2O、CO2、N2F2等の不純物の除去方法について鋭
意検討を重ねた結果、次の事実を発見するに至った。即
ち、予め所定の温度範囲内で加熱を行った天然ゼオライ
トを用い、該天然ゼオライト層の温度を種々に設定保持
し、N2O、CO2、N2F2等を含有するNF3ガスを通気したと
ころ、天然ゼオライトが吸着能力を失う温度が化学種に
よって大きく異なることを発見した。詳しくはCO2にお
いては50℃程度で吸着能力を失うものの、他の不純物で
は100℃を超えるまで除去が可能であることが分かっ
た。
本発明者等はこの新たな知見より、比較的低い温度で
吸着されなくなるCO2を予め除去したNF3ガスを天然ゼオ
ライト層に通気すれば、該天然ゼオライト層が従来より
高い温度にあっても不純物を吸着除去し得ることを見い
だし本発明を完成するに至ったものである。
予め250〜700℃の範囲の温度で加熱し、その後放冷ま
た強制冷却された天然ゼオライト層へ、三弗化窒素ガス
中に含まれる二酸化炭素を除去し、二酸化炭素除去後の
三弗化窒素ガスを−125〜110℃の温度で通気することを
特徴とする三弗化窒素ガスの精製方法に関する。
〔発明の詳細な開示〕
以下、本発明を詳細に説明する。
天然ゼオライトには鉱物学的に種々の種類のものがあ
り、本発明において使用する天然ゼオライトは特にその
種類に限定はない。しかしながら埋蔵量が豊富であるこ
とと採掘費用が低廉であることから、ホウフッ石(anal
cime or analcine)、クリノプチロライト(cinoptilol
ite)、モルデナイト(mordenite)、フェリライト(fe
rrierite)、カイジュウジ石(phillipsite)、シャバ
サイト(chabazite)、エリオナイト(erionite)、ダ
ワフッ石(laumontite)等が好ましい。
更にまた、これらの中でもクリノプチロライト(Na6
〔AlO2(SiO23O〕・24H2O)及びモルデナイト(N
a8〔AlO2(SiO24O〕・24H2O)はNa型であり、吸
着剤単位体積当たりのNF3ガス中の不純物の吸着量が大
きいので特に好ましい。
なお、その他、ジュウジュウジフッ石(harmotom
e)、ジスモンドフッ石(gismondine)、ガロナイト(g
arronite)、レビナイト(levyne)、ホージャサイト
(faujasite)、スコレスフッ石(scolesite)、トムソ
ンフッ石(thomsonite)、エジントンフッ石(edington
ite)、ダチャーダイト(dachiardite)、ハクフッ石
(epistilbite)、キフッ石(heulandite)、タバフッ
石(stilbite)、バレーライト(barrerite)、カウレ
サイト(cowlesite)、ワイラカイト(wairakite)、ア
シュクロティン(ashcrofine)、マーリオナイト(merl
inite)、アシサイト(amicite)、ポーリンジャイト
(paulingite)、ユガワラフッ石(yugawaralite)、オ
フレタイト(offretite)、マジャイト(mazzite)、グ
メリンフッ石(gmelinite),ソーダフッ石(natrolit
e)、メソライト(mesolite)、ゴナルドフッ石(gonna
rdite)、ビキタイト(bikitite)、ステラーライト(s
tellerite)、ブリュースターフッ石(brewsterite)、
ポリュサイト(pollucite)等も均等物質として使用可
能である。
これらの天然ゼオライトは、堆石岩中に産出する鉱物
であるので、本発明においてこれを吸着剤として使用す
るためには、岩石状として採取された天然ゼオライトを
適当な粒度、例えば4〜100メッシュ、好ましくは8〜6
0メッシュ程度に粉砕することが好ましい。
本発明においては、かくして粉砕され、所望の粒度分
布を有する天然ゼオライトを、次に250〜700℃好ましく
は250〜500℃に加熱処理する。
上記規定の温度範囲において天然ゼオライトを加熱処
理することによって、吸着剤としての能力が格段に向上
し、本発明の目的を達成する吸着剤とすることができる
のである。
加熱処理温度が250℃未満であると、いくら長時間加
熱処理しても天然ゼオライトの吸着能力が操作開始後急
激に低下し破過時間が大幅に短くなると共に、通気後の
NF3ガス中のN2O、N2F2等の不純物の含有量が大幅に高く
なるからである。
その理由は必ずしも明確ではないが、一つは、結晶水
を含有している天然ゼオライトの場合、これを本発明の
吸着剤として使用すると、上記結晶水(以下、水分と記
す)が残存し、該天然ゼオライト層へNF3ガスを通気し
た際に、天然ゼオライト単位体積当たりのN2O、N2F2
除去能力が低下するためと考えられる。したがって、天
然ゼオライト中の水分を実質的に完全に除去するために
も、上記温度における加熱処理を行うのである。
一方、天然ゼオライトを700℃を越える温度に加熱す
ると、天然ゼオライトの結晶構造が変化したり崩れたり
する。その結果、吸着能力が著しく損なわれて仕舞い、
吸着が行われなかったり、またガス通気後短時間で破過
したりするのである。
天然ゼオライトの加熱処理は、水分を実質的に含有で
ない窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、
キセノンガス等の不活性ガス気流中で行うことが好まし
い。また、該加熱処理は、CO2を予め除去した乾燥空気
中で行うことも出来る。また、減圧下に、これらのガス
を吸引しながら加熱処理を行ってもよい。
加熱処理は、上記の加熱温度及びガス気流雰囲気中で
10分〜80時間、好ましくは1時間〜40時間、さらに好ま
しくは3時間〜10時間行われる。
なお、加熱処理の態様としては、粉砕され、所望の粒
度分布を有する天然ゼオライトを乾燥器内に薄く敷き詰
めて、この薄層の表面上に不活性ガスを流してもよい
が、より好ましくは、天然ゼオライトにより充填層を形
成し、不活性ガスを、該充填層中に通気しつつ加熱処理
するのである。
かくして加熱処理が終了した天然ゼオライトは、次の
吸着処理にそなえて、放冷または強制冷却され、室温ま
で冷却される。勿論、冷却時には、天然ゼオライト中へ
の水分の混入を回避することが好ましい。
本発明においては、該加熱処理した天然ゼオライトに
より充填層を形成し、不純物ガスを含む三弗化窒素ガス
を、該充填層に、−125℃〜100℃の温度において通気
し、精製処理を行う。
本発明のもっとも好ましい実施の態様は、加熱処理と
NF3ガスの吸着精製を同一の容器で行うものである。す
なわち、適当な容器またはカラムに粉砕され、所望の粒
度分布を有する天然ゼオライトを充填して充填層を形成
する。つぎに、不活性ガスを、該充填層中に通気しつつ
加熱処理する。加熱処理後、天然ゼオライトを容器外へ
取り出すことなく、そのままの状態で冷却し、引続きこ
の天然ゼオライトの充填層へNF3ガスを−125〜110℃の
温度において通気する方法が好ましい。
NF3の精製は、上記の通りカラム等に充填された天然
ゼオライト層に、水分の混入しない状態で通気するのが
好ましい。この際の通気温度は重要で110℃以下の温度
であることが好ましい。この温度を越えると、通気後の
NF3ガス中の特にN2Oの含有量が十分低下せず、かつ、天
然ゼオライト単位体積当たりのNF3ガス中のN2Oの吸着量
が大きく低下するので不都合である。
また、温度は低温ほど好ましいが、NF3の沸点は−129
℃であるので、この温度以下では操作が事実上困難であ
り、−125℃以上の範囲で実施される。
容器やカラムの材質としては、ステンレススチール、
銅、ニッケル、鉄等の通常の材料が使用可能である。な
お、鉄は空気に常時接触するカラム外面が腐食され、錆
易いので防錆処理を施すことが好ましい。
ゼオライト充填層の通気条件についてさらに詳しく述
べると以下の如くである。
ゼオライト充填層の層径は1cm〜1mφ程度が好まし
い。所望により、細い径の充填カラムを複数束ねて使用
することも可能である。ここで、層径が50cmを越える場
合には、通気時に発生する吸着熱等を効率よく除熱出来
るように、伝熱フィンをカラム表面に設けたり、熱交換
器を充填層内に挿入することが好ましい。充填層高は10
cm〜3m程度であり、ガス流量は10ml/min〜100/min程
度である。なお、層径、層高、ガス流量の組合せは1〜
500cm/min好ましくは1〜200cm/minと云うガス線速度を
満足する範囲で自由に選択することが可能である。
通気時のNF3ガスの圧力は特に限定はないが、例えば
0〜5kg/cm2−G程度の圧力が操作しやすいので好まし
い。
本発明ではNF3ガス中に含有するCO2を予め除去する必
要がある。CO2の除去方法として吸着剤を使用して吸着
除去することは可能であるが、これは本発明の目的から
して不適当である。
アルカリ水溶液による洗浄は有効な方法として挙げら
れる。アルカリとしては水酸化ナトリウム或は水酸化カ
リウム等の水溶性のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土
類金属塩が適当である。この中では水酸化ナトリウム水
溶液が安価であり好適に使用される。CO2の除去は該水
溶液を循環するスクラッバーにCO2を含有するNF3ガスを
通気するだけでよい。10%程度の水溶液に於てCO2は十
分に除去される。上記に必要な設備は容易にかつ安価に
増設可能であり、また洗浄後も循環使用することにより
コストの増加も殆ど生じない。
尚、上記のCO2の除去方法は例示されたものであり、
本発明の実施方法を制約するものではない。
本発明の対象とするNF3ガス中の不純物ガス量は、上
記方法でCO2が除去された後ではN2O 0.1〜2.0%、N2F2
0.1〜0.6%程度であり、本発明の精製処理を施される
と、ガス中の不純物量は、N2O ND〜10ppm、N2F2 ND〜10
ppmとすることが出来る。なお、分析法は、ガスクロマ
トグラフィー(検出器:TCD)によって行った値である。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、これらはあくまで発明のよりよき理解を目的とする
ものであり、その範囲を限定する意図にでたものでない
ことは明確に理解されなければならない。
尚、以下において%及びppmは特記しない限り容量基
準を表わす。
また、実施例及び比較例において、破過時間とは下記
することを意味する。即ち、不純物を含有するガスを吸
着剤層に通気して不純物を吸着除去する場合、ガスの通
気開始直後は得られるガス中の不純物含有量は少なく、
かつ一定含有量かまたは僅かに漸増する状態で推移す
る。吸着剤が吸着能力を喪失する頃になると、不純物含
有量が急激に増加し始める。この急激に増加し始めるま
での通気時間を破過時間という。
実施例及び比較例において、比較例3、4、8、9以
外は通気後のNF3ガス中のN2O、N2F2の何れかが20ppmを
越える時間までの通気時間を破過時間とした。また、比
較例3、4、8、9においては最初に破過する不純物で
あるCO2が20ppmを越える時間までの通気時間を破過時間
とした。
実施例1〜4 通気ガスはCO2が予め除去されたNF3ガスを使用した。
CO2の除去方法は10重量%水酸化ナトリウム水溶液を洗
浄液とし、ガススクラッバーを用いてCO2を除去するも
のである。
天然ゼオライトの賦活は次の方法で行った。内径10mm
のステンレス製カラムに粒度が24〜48メッシュの粒状の
天然ゼオライト(モルデナイト)を充填(充填高さ200m
m)した後、該モルデナイトの加熱処理を第1表に示す
条件で行なった。しかる後該モレデナイト層を冷却し、
第1表に示す分析値のNF3ガスを第1表に示す条件で、
破過時間まで通気した。
破過時間、破過時間までのN2O、N2F2の吸着量は第1
表に示す通りであり、本発明の方法で精製すれば、後記
する実施例3〜5との比較でも分かる通り、天然ゼオラ
イト層温度が従来技術では限界であった50℃を超える場
合に於いても、効率よく除去できる。
尚、NF3ガスの分析はガスクロマトグラフィーにて行
なった。(以下同様) 実施例5〜8 実施例1〜4で使用したステンレス製カラムを使用
し、天然ゼオライトの種類を粒度が24〜48メッシュの粒
状のクリノブチロライトに変更して、実施例1〜4と同
様にして、該クリノブチロライトの加熱処理とNF3ガス
の通気による精製を、第1表に示す条件で破過時間まで
行なった(クリノブチロライトのステンレス製カラムへ
の充填量は実施例1〜4と同じ)。
その結果は第1表に示す通りであり、実施例1〜4と
同様に50℃を超える場合に於いても、効率よく除去でき
る。
実施例9〜10 通気ガスにCO2及びN2F2を予め除去したNF3ガスを使用
した他は実施例1及び5と同様の方法で実施した。N2F2
は特願昭63−87210により開示された方法、即ち内面が
フッ素化されたニッケル管に粒状固体フッ化物(フッ化
ナトリウム等)を充填した充填管にN2F2を含むガスを通
気し、分解する方法を用いた。尚、分解後、酸化性ガス
が生成するが、これはヨウ化カリウム水溶液でガス洗浄
することで除去した。
その結果は第1表に示す通りであり、実施例1,5と同
様に50℃を超える場合に於いても、効率よく除去でき
る。また、破過時間も若干延長されている。
比較例1〜5 第1表に示す種類の粒度が24〜48メッシュの天然ゼオ
ライト(モルデナイト)を使用して、該天然ゼオライト
の加熱処理とNF3ガスの通気による精製を、第2表に示
す条件で破過時間まで行なった(天然ゼオライトのステ
ンレス製カラムへの充填量は実施例1〜4と同じ)。
尚、通気ガスは比較例1、2及び5は実施例1〜4と同
じものを使用し、比較例3及び4ではCO2を除去する前
のガスを使用した。
結果は第2表に示す通りであり、比較例1のように本
発明で特定する条件未満の温度で加熱処理した天然ゼオ
ライトを使用した場合は、たとえ長時間加熱処理しても
天然ゼオライトの吸着能力が低下し破過時間が大幅に短
くなると共に、通気後のNF3ガス中の不純物の含有量も
高くなることが分かる。また、比較例2のように、本発
明で特定する条件を越える高温で加熱処理した天然ゼオ
ライトを使用した場合は、おそらくその結晶構造が破壊
されるためか、吸着能力が大幅に低下し破過時間が30分
未満と殆ど産業上の利用可能性はなくなって仕舞う。ま
た破過に到るまでに不純物の吸着も殆ど行われないこと
が分かる。
また、比較例3及び比較例4のようにNF3ガスの天然
ゼオライト層への通気温度が本発明で特定する温度であ
っても、予めCO2が除去されていないガスでは不純物の
除去は完全には行われない。
更に、比較例5のように通気温度が本発明で特定する
条件を超える温度であると、不純物の吸着能力は大幅に
低下し、破過時間が短くなることが分かる。
比較例6〜10 比較例1〜5で使用したステンレス製カラムを使用
し、天然ゼオライトの種類を粒度が24〜48メッシュの粒
状のクリノプチロライトに変更して、比較例1〜5と同
様にして、該天然ゼオライトの加熱処理とNF3ガスの通
気による精製を、第2表に示す条件で破過時間まで行な
った。その結果は第2表に示すように天然ゼオライトの
種類がモルデナイトよりクリノプチロライトに変更され
ても、比較例1〜5で述べたと同様であった。
〔発明の効果〕 以上詳細に説明したように本発明は、NF3ガス中のN
2O、N2F2等を吸着剤を使用して除去する方法において、
吸着剤として安価な天然ゼオライトを予め特定の温度に
加熱して脱水処理し、該天然ゼオライト層に予めCO2
除去されたNF3ガスを特定の条件で通気するという、極
めて簡単な方法である。
従来の天然ゼオライトを用いて不純物を除去する方法
に於いては、有効な吸着能力を発揮させるために吸着除
去中は天然ゼオライト層の温度は50℃以下、好ましくは
30℃以下に保つ必要があり、このために天然ゼオライト
層を効率的に冷却する設備が不可欠であった。また、一
方で賦活のための加熱装置も設ける必要があり、不純物
吸着除去にかかる前記した問題があった。
しかし、本発明の方法に於いては天然ゼオライト層温
度が従来技術に於ける上限であった50℃よりも更に高温
であっても不純物の吸着除去が可能であり、夏季の高温
時において、更に吸着熱による天然ゼオライト層温度の
上昇を勘案しても吸着塔に冷却設備は不必要である。こ
れにより吸着塔は加熱設備のみを設けるだけで良く、設
備の簡素化、大型化が可能となった。更には冷却にかか
るエネルギーの節減にもなり、本発明の経済的効果は非
常に大きいものと言える。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め250〜700℃の範囲の温度で加熱し、そ
    の後放冷または強制冷却された天然ゼオライト層へ、三
    弗化窒素ガス中に含まれる二酸化炭素を除去し、二酸化
    炭素除去後の三弗化窒素ガスを−125〜110℃の温度で通
    気することを特徴とする三弗化窒素ガスの精製方法。
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