JP2013170129A - ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドガスの分離方法 - Google Patents

ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドガスの分離方法 Download PDF

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Masakazu Uotani
正和 魚谷
Tsunetoshi Honda
常俊 本田
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Abstract

【課題】 不純物を含むペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの混合ガスから、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを、簡便な工程でありながら、装置の腐食を抑制し、かつ高精度で分離することを課題とする。
【解決手段】 炭素数が1〜4のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、フッ化水素、および二フッ化酸素を含む混合ガスからのペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法であって、(A)混合ガスから水によりフッ化水素を除去する工程、(B)混合ガスから還元剤含有水溶液により二フッ化酸素を除去する工程、(C)混合ガスから吸着剤でペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを吸着させる工程、および(D)吸着剤で吸着したペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを加熱により脱着させる工程、を含むペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法である。
【選択図】 なし

Description

ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、フッ化水素、および二フッ化酸素を含む混合ガスからのペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法に関する。より詳しくは、不純物を含むペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを含む混合ガスからペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを精製目的で分離する方法に関する。
半導体のリソグラフィー用フォトレジストや光重合開始剤の光酸発生剤の原料や、ポリカーボネート樹脂の難燃剤等に用いられるペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド(C2n+1SOF(式中、nは、1〜4の整数である))は、炭素数1〜4のアルカンスルホニルフルオリドやスルホラン(テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド)を電解フッ素化することで製造されている。この電解フッ素化(ECF:Electrochemical Fluorination)の反応は、以下の式(1)または式(2):
2n+1SOF + (2n+1)HF
→C2n+1SOF+(2n+1)H (1)
SO + 10HF → CSOF + 9H (2)
で示される。
実際には、式(1)、式(2)のいずれの反応においても、生成物は、目的とするペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、副生成物である水素に加えて、未反応のフッ化水素、電解液中の水の水素原子がフッ素化された二フッ化酸素、およびアルカンスルホニルフルオリドやスルホランの電解フッ素化反応に伴う分解生成物を含む混合ガスとなる。上記分解生成物としては、ペルフルオロスルホラン(ペルフルオロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド)、SO、ペルフルオロアルカン(C2n+2(式中、nは、1〜4の整数である))等が挙げられる。
上記混合ガスまたは上記混合ガスと類似する混合ガスからペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを分離する方法として、フッ化ナトリウムまたは水と接触させてフッ化水素を除去した後、炭素数1〜4個のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド(及びその他の副生成物)を活性炭に吸着させることにより、水素ガスと分離し、しかる後に活性炭を例えば50〜300℃の温度に加熱して吸着物を分離する方法が検討されている(特許文献1)。
しかしながら、この活性炭を用いる方法では、活性炭に吸着させる前のガスが、二フッ化酸素等を含有しているため、活性炭がペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドとともに二フッ化酸素等を吸着するため、活性炭の吸着能が低下してしまう。また、この活性炭を加熱して吸着物を脱着させると、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドとともに二フッ化酸素等の腐食性ガスを発生し、この腐食性ガスが、配管、吸着槽等で使用するガラスや金属を腐食させてしまう、という問題がある。加えて、活性炭吸着させる前に、フッ化水素を液化するために−50℃の冷媒を用いて混合ガスを冷却しなければならないため、プロセスが煩雑になり、高コストになる、という問題もある。
また、半導体装置等の製造プロセスにおけるCVD等の成膜工程等において、チャンバー用クリーニングガス等のフッ素含有ガスの処理において、硫黄系還元剤と塩基性化合物との混合物を含む吸収液を使用して、フッ素ガスや二フッ化酸素を含む酸化性ガスを除去する方法も検討されている(特許文献2)
しかしながら、この吸収液を用いる方法では、硫黄系還元剤の失活時が明確ではないため、硫黄系還元剤の利用効率が劣る、または酸化性ガスを十分に除去できない、のいずれかになり易い、という問題がある。
特開昭57−72957号公報 特開2006−231105号公報
本発明は、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、フッ化水素、および二フッ化酸素を含む混合ガスからペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを、簡便な工程でありながら、装置の腐食を抑制し、かつ高精度で分離することを目的とする。
本発明は、以下に示す構成によって上記課題を解決したペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法に関する。
〔1〕炭素数が1〜4のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、フッ化水素、および二フッ化酸素を含む混合ガスからのペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法であって、(A)混合ガスから水によりフッ化水素を除去する工程、(B)混合ガスから還元剤含有水溶液により二フッ化酸素を除去する工程、(C)混合ガスから吸着剤でペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを吸着させる工程、および(D)吸着剤で吸着したペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを加熱により脱着させる工程、をこの順で含むことを特徴とする、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法。
〔2〕炭素数が1〜4のアルカンスルホニルフルオリドまたはスルホランと、無水フッ化水素との電解フッ素化反応により生成するペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、フッ化水素、二フッ化酸素、および分解生成物を含む混合ガスからペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを分離する方法であって、(C)工程で、分解生成物を除去する、上記〔1〕記載のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法。
〔3〕(B)工程で、還元剤含有水溶液がヨウ化カリウムを含む、上記〔1〕または〔2〕記載のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法。
〔4〕(C)工程で、吸着剤が、酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムを含む多孔質酸化物である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法。
本発明〔1〕によれば、簡便な工程で、かつ高精度で、高純度のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを分離することができる。また、この分離方法は、装置の腐食を抑制することができるので、分離装置の長寿命化が可能となる。これらの効果は、低コスト化にも寄与する。また、本発明〔2〕によれば、電解フッ素化反応によるペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの製造方法の一工程として、非常に有用に使用することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、%は特に示さない限り、また数値固有の場合を除いて質量%である。
本発明のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法は、炭素数が1〜4のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、フッ化水素、および二フッ化酸素を含む混合ガスからのペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法であって、(A)混合ガスから水によりフッ化水素を除去する工程、(B)混合ガスから還元剤含有水溶液により二フッ化酸素を除去する工程、(C)混合ガスから吸着剤でペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを吸着させる工程、および(D)吸着剤で吸着したペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを加熱により脱着させる工程、をこの順で含むことを特徴とする。
炭素数が1〜4のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドは、一般式:C2n+1SOF(式中、nは、1〜4の整数である)で表される。混合ガスは、少なくともフッ化水素(HF)、および二フッ化酸素(OF)を含有する。
〔(A)工程〕
(A)工程では、水溶性のフッ化水素を除去する。水は、イオン交換水、純水であると、不純物混入防止の観点から好ましい。この工程では、例えば、水:1.8dmに対して、混合ガスを2〜8dmの流量であると、反応の効率の観点から好ましい。
〔(B)工程〕
(B)工程では、還元剤含有水溶液中の還元剤により、二フッ化酸素等の酸化性ガスをフッ化水素、水等にして、除去する。還元剤としては、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、シュウ酸、ギ酸等が挙げられ、ハンドリング、安全性の観点から、チオ硫酸ナトリウムが好ましい。また、還元剤含有水溶液は、アルカリ性保持のため、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等を含有すると好ましい。
還元剤含有水溶液は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ素化合物を含有すると、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤が失活した後、ヨウ化カリウム等が酸化性ガスと反応し、還元剤含有水溶液が赤色に呈色するため、還元剤含有水溶液の交換時期であることが明確になり、好ましい。
還元剤は、還元剤含有水溶液:100質量部に対して、2〜10質量部であると好ましく、4〜6質量部であると、より好ましい。還元剤含有水溶液のpHは、8以上であると好ましく、10以上であると、より好ましい。ヨウ素化合物は、還元剤含有水溶液:100質量部に対して、0.1〜5質量部であると好ましく、0.1〜3質量部であると、より好ましい。
〔(C)工程〕
(C)工程では、フッ化水素、および二フッ化酸素等が除去された混合ガスから、吸着剤で、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを吸着させる。吸着剤としては、酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムを含む多孔質酸化物、活性炭が挙げられ、吸着剤が、酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムを含む多孔質酸化物であると、吸着性能の観点から好ましい。シリカゲル、ゼオライト(例えば、商品名:モレキュラーシーブ)が、より好ましい。これらの吸着剤は、再生させることにより、再使用することが可能であり、再生条件の一例は、大気中、100〜300℃で、2〜24時間の加熱である。
吸着剤は、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの時間当たりの発生重量:100質量部に対して、20〜3000質量部であると好ましく、40〜1000質量部であると、より好ましい。
〔(D)工程〕
(D)工程で、吸着剤で吸着したペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを加熱により脱着させることにより、高純度のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを分離することができる。このとき、二フッ化酸素等が脱着されないため、配管、吸着槽等に使用するガラスや金属を腐食しないため、高価な材料を用いる必要がなく、分離装置の長寿命化が可能となり、低コスト化に寄与する。脱着条件の一例は、大気中、50〜500℃で、0.5〜3時間の加熱である。なお、通常、(D)工程で脱着されたペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドは、ドライアイスで冷却したトラップ等を使用して、冷却捕集される。
また、本発明のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法を、炭素数が1〜4のアルカンスルホニルフルオリドまたはスルホラン(CSO)と、無水フッ化水素との電解フッ素化反応により生成するペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、フッ化水素、二フッ化酸素、および分解生成物を含む混合ガスからペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを分離する方法として使用する場合には、(A)工程〜(C)工程、特に(C)工程で、分解生成物も除去することができる。この分解生成物としては、ペルフルオロスルホラン(ペルフルオロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド)、ペルフルオロアルカン(C2n+2(nは1〜4の整数である))、SOが、挙げられる。分解生成物がペルフルオロスルホランである場合には、(C)工程で除去することができ、分解生成物がペルフルオロアルカンである場合にも、(C)工程で除去することができる。分解生成物がSOである場合には、(C)工程で一部が吸着され、残部は、(D)工程での脱着後、SOの沸点が−55℃と低いため、ガスの冷却捕集において捕集されずに系外に放出される、と考えられる。なお、アルカンスルホニルフルオリドやスルホランの電解フッ素化反応の副生成物である水素は、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドと同じ経路をたどって(C)工程まで除去されずに到達し、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドが吸着剤に吸着されるのに対して、水素は、(C)工程で吸着されずに系外(大気中)に放出される。
このようにして分離されたペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドは、高純度であり、好ましくは、SO:4%以下であり、より好ましくは、SO:1%以下である。ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの純度は、好ましくは、95%以上、より好ましくは、98%以上である。
以下に、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの純度は、ガスクロマトグラフィーで測定した。また、実施例1〜4では、電解フッ素化工程、(A)工程〜(D)工程の一連の工程を、配管で直列に接続して行った。比較例1では、電解フッ素化工程、ガス洗浄工程、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの吸着および脱着工程の一連の工程を、配管で直列に接続して行った。
〔実施例1〕
<電解フッ素化工程>
リフラックスコンデンサー(設定温度:−20℃)を備えた容量:25dmの鉄製の電解槽を用いた。この電解槽に、ニッケル製の陽極および陰極(いずれも面積:130dm)を設置した。この電解槽に、無水フッ化水素:24kg、原料のプロパンスルホニルフルオリド:0.5kgを投入し、液を循環させながら混合して、電解液:24.4dmを調製した。この電解液を、外部冷却器に循環させることにより、10±1℃に保持しながら、200Aの定電流で電解フッ素化を行った。電解フッ素化中に、プロパンスルホニルフルオリドおよび無水フッ化水素を、適宜、電解槽内に供給して電解液を補充した。
<(A)工程>
電解フッ素化によって生成したヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドを含む生成ガスを、HF吸収塔に導入した。HF吸収塔の容量は10dmであり、イオン交換水:5kgを投入し、室温下、1dm/minで循環させ、生成ガスと向流接触させてガス中のフッ化水素酸を除去した。
<(B)工程>
フッ化水素酸を除去した生成ガスを、チオ硫酸ナトリウム:10質量%、水酸化ナトリウム:1質量%、ヨウ化カリウム:1質量%を含有する水溶液が循環されている還元塔に導入した。還元塔の容量は10dmであり、混合水溶液を5kg投入し、室温下、1dm/minで循環させ、生成ガスと向流接触させて、ガス中の二フッ化酸素を除去した。
<脱水工程>
二フッ化酸素を除去した生成ガスを、二フッ化酸素を除去した生成ガス中の水分を除去するために、濃硫酸中に通過させた。
<(C)工程>
筒状の配管に、シリカゲル:80gを投入し、水分を除去した生成ガスを、その配管内に通過させ、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドの吸着を開始し、吸着剤の破過点に到達した時点で、電解フッ素化反応を停止した。ここで、吸着剤の破過点に到達した時点とは、吸着剤の吸着量の飽和に達した時点をいう。
<(D)工程>
ヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドを吸着したシリカゲルを、300℃に加熱して2時間保持することにより、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドの脱着を行った。脱着されたヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドを、ドライアイスで冷却したトラップに捕集した。表1に、脱着トラップ中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドの純度を示す。表1では、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドをRSOFと表した。
〔実施例2〕
<電解フッ素化工程>、<(A)工程>、<(B)工程><脱水工程>は、実施例1と同様に行った。
<(C)工程>
筒状の配管に、活性炭:45gを投入し、水分を除去した生成ガスを、その配管内に通過させ、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドの吸着を開始し、吸着剤の破過点に到達した時点で電解フッ素化反応を停止した。
<(D)工程>
ヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドを吸着した活性炭を、300℃に加熱し、ヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドの脱着を行った。脱着されたガスを、ドライアイスで冷却したトラップに捕集した。表1に、脱着トラップ中のヘプタフルオロプロパンスルホニルフルオリドの純度を示す。
〔実施例3〕
<電解フッ素化工程>
リフラックスコンデンサー(設定温度:−20℃)を備えた容量:25dmの鉄製の電解槽を用いた。この電解槽に、ニッケル製の陽極および陰極(いずれも面積:130dm)を設置した。この電解槽に、無水フッ化水素:24kg、原料のメタンスルホニルフルオリド:0.5kgを仕込み、液を循環させながら混合して、電解液を調製した。この電解液を、外部冷却器に循環させることにより、10±1℃に保持しながら、200Aの定電流で電解フッ素化を行った。電解フッ素化中に、メタンスルホニルフルオリドおよび無水フッ化水素を、適宜、電解槽内に供給して電解液を補充した。
<(A)工程>
電解フッ素化によって生成したトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを含む生成ガスを、HF吸収塔に導入した。HF吸収塔の容量は10dmであり、イオン交換水:5kgを投入し、室温下、1dm/minで循環させ、生成ガスと向流接触させてガス中のフッ化水素酸を除去した。
<(B)工程>
フッ化水素酸を除去した生成ガスを、チオ硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ヨウ化カリウムの混合水溶液が循環されている還元塔に導入した。還元塔の容量は10dmであり、混合水溶液:5kgを投入し、室温下、1dm/minで循環させ、生成ガスと向流接触させて、ガス中の二フッ化酸素を除去した。
<脱水工程>
二フッ化酸素を除去した生成ガスを、この生成ガス中の水分を除去するために、濃硫酸中に通過させた。
<(C)工程>
筒状の配管に、シリカゲル:80gを投入し、水分を除去した生成ガスを、その配管内に通過させ、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの吸着を開始し、吸着剤の破過点に到達した時点で電解フッ素化反応を停止した。
<(D)工程>
トリフルオロメタンスルホニルフルオリドを吸着したシリカゲルを、300℃に加熱し、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの脱着を行った。脱着されたガスを、ドライアイスで冷却したトラップに捕集した。
〔実施例4〕
<電解フッ素化工程>、<(A)工程>、<(B)工程>、<脱水工程>は、実施例3と同様に行った。
<(C)工程>
筒状の配管に、活性炭:45gを投入し、水分を除去した生成ガスを、その配管内に通過させ、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの吸着を開始し、吸着剤の破過点に到達した時点で電解フッ素化反応を停止した。
<(D)工程>
トリフルオロメタンスルホニルフルオリドを吸着した活性炭を、300℃に加熱し、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの脱着を行った。脱着されたガスを、ドライアイスで冷却したトラップに捕集した。
〔比較例1〕
<電解フッ素化工程>
容量:20dmの鉄製の電解槽に、ジャケット型冷却器を備え、電極にはニッケル製の陽極および陰極(いずれも面積:40dm)を用いた。この電解槽に、無水フッ化水素:16kgとKF:160gを投入し、この電解液を14〜18℃に保持しながら、120Aの定電流で電解フッ素化を行った。電解槽に、メタンスルホニルフルオリド:800gを供給し、320Ah毎に196gのメタンスルホニルフルオリドを供給した。また、適時、無水フッ化水素を供給した。
<ガス洗浄>
電解フッ素化によって生成したトリフルオロメタンスルホニルフルオリドを含む生成ガスを、水による洗浄塔、無水塩化カルシウム充填乾燥塔、無水亜硫酸ナトリウム充填塔を通過させた後、吸着塔へ導入した。
<トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの吸着>
鉄パイプに、活性炭:1300gを投入し、導入した生成ガスをその配管内を通過させ、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドを吸着させた。
<トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの脱着>
トリフルオロメタンスルホニルフルオリドを吸着した活性炭を、290℃に加熱し、トリフルオロメタンスルホニルフルオリドの脱着を行った。脱着されたガスを、−40℃の冷媒を循環した凝縮器に導き、トラップに捕集した。
Figure 2013170129
実施例1〜4では、電解フッ素化生成ガスに、(A)工程、(B)工程、脱水工程、(C)工程を行った後、(D)工程を行った。そのうち、(C)工程で、吸着剤に活性炭を用いた実施例2と実施例4では、比較例1よりも吸着剤に対するRSOFの重量が、2倍と1.55倍に増加し、効率よく吸着剤を使用することができた。また、実施例1〜4の全てにおいて、脱着トラップ中のRSOFの純度は、比較例1よりも高かった。
このように、本発明のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法により、簡便な工程で、かつ高精度で、高純度のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを分離することができる。また、この分離方法は、装置の腐食を抑制することができるので、分離装置の長寿命化が可能となる。このペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドは、半導体のリソグラフィー用フォトレジストや光重合開始剤の光酸発生剤の原料や樹脂導電化剤等の用途に、非常に有用である。

Claims (4)

  1. 炭素数が1〜4のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、フッ化水素、および二フッ化酸素を含む混合ガスからのペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法であって、(A)混合ガスから水によりフッ化水素を除去する工程、(B)混合ガスから還元剤含有水溶液により二フッ化酸素を除去する工程、(C)混合ガスから吸着剤でペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを吸着させる工程、および(D)吸着剤で吸着したペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを加熱により脱着させる工程、をこの順で含むことを特徴とする、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法。
  2. 炭素数が1〜4のアルカンスルホニルフルオリドまたはスルホランと、無水フッ化水素と、の電解フッ素化反応により生成するペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド、フッ化水素、二フッ化酸素、および分解生成物を含む混合ガスからペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドを分離する方法であって、(C)工程で、分解生成物を除去する、請求項1記載のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法。
  3. (B)工程で、還元剤含有水溶液がヨウ化カリウムを含む、請求項1または2記載のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法。
  4. (C)工程で、吸着剤が、酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムを含む多孔質酸化物である、請求項1〜3のいずれか1項記載のペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドの分離方法。
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