JP2916128B2 - 遊技機島におけるタバコの煙遮断装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、横方向に連なっ
て設置された複数の遊技機のためのタバコの煙遮断装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、遊技機のためのタバコの煙遮断装
置に関しては、例えばパチンコ遊技台の空気清浄技術と
して、特開昭６０−５５９７９号公報に記載されたもの
が知られている。これは、タバコの煙を台上部から吸引
して清浄化した後、新鮮な空気を遊技台の下部から排出
して店内の空気を浄化するものである。また、特開平３
−２９５５８６号公報には、遊技台の上部中央に空気の
吸込口を、また下部中央に新鮮な空気を排出する排気口
をそれぞれ設け、上と下からのエア流動効果により、浄
化効率を上げる技術が開示されている。

【０００３】しかしながら、これら従来の技術では、互
いに隣り合う隣接遊技者の一方から他方へ、タバコの煙
等が流れるのを防ぐことはほとんどできない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、隣接
遊技者にタバコの煙が流れることを防止できるようにす
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明の遊技機島におけるタバコの煙遮断装
置は、横方向に連なって複数の遊技機が設置された遊技
機島に設置されるものであって、隣り合う遊技機同士の
各境界部に位置して設けられ、その境界部からエアを吹
き出してエアカーテンを生じさせるエア吹出部を含むこ
とを特徴とする。

【０００６】

【作用】このようにすれば、遊技機の各境界部からエア
が吹き出され、遊技機の各境界部に一種のエアカーテン
が生じ、また各境界部からのエア流が、周囲の空気や漂
っているタバコの煙を巻き込む誘引効果を生ずる。この
ようなことから、互いに隣り合う遊技機の一方で喫煙し
ている遊技者の煙が隣りに漂い流れることが防止ないし
は抑制される。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す幾つかの実施例を参照しつつ説明する。

【０００８】（実施例１）図１は、多数のパチンコ遊技
台（以下、パチンコ台という）１が横方向に連なって設
けられた設置島（遊技機島）２の一部を簡略に示すもの
である。パチンコ台１の下部には玉箱を置くために使用
される玉箱カウンター台３が設置島２の横方向に連なっ
て設けられている。玉箱カウンター台３の幅は１０〜１
５cm程度で、その上面は椅子４に座った遊技者の腰部よ
りやや高い所にある。

【０００９】この玉箱カウンター台３の上面には、隣り
合うパチンコ台１の各境界部に位置して、エア吹出部５
が設けられている。これらのエア吹出部５は、上方に向
かってエアを人体に感じない程度の低速で吹き出す部分
であって、玉箱カウンター台３の長手方向に等間隔おい
て位置する。

【００１０】玉箱カウンター台３の奥部裏面には、エア
供給管６が設けられ、これから各エア吹出部５に対し、
図８に示すように分岐管６ａが分岐し、この分岐管６ａ
に連通するように、玉箱カウンター台３には複数の吹出
孔７が玉箱カウンター台３の幅方向に沿って並んで設け
られている。エア供給管６により供給されるエアは、こ
れらの吹出孔７から上方に向かって沸き上がるように低
風速で流出することとなる。

【００１１】図１に戻って、各パチンコ台１の上部に
は、呼出ランプ部９が設けられ、この更に上側には、エ
ア吸引部１０が設置島２の上縁部に沿って設けられてい
る。このエア吸引部１０は、数台のパチンコ台１にまた
がって１ユニットとなる横長のファン形態をなしてい
て、内部にファン１０ａを備えるとともに、各パチンコ
台１の中央を基準に一定の長さで開口するエア吸引口１
０ｂを備え、そのファン１０ａの回転による吸気作用に
より、上述のエア吹出部５から上昇してきたエアを各吸
引口１０ｂから吸い込み、さらに上方に送風する役割を
果たす。

【００１２】なお、このエア吸引部１０は、空気浄化装
置を備えたものでもよいし、備えないものでもよい。後
者の場合は、吸い込んだエアを浄化することなく、パチ
ンコホールの天井等に取り付けられたホール用空気清浄
機の吸気部に向けて吹き出すことも可能である。

【００１３】以上の実施例においては、各パチンコ台１
の両サイドのエア吹出部５から流出し上方に向うエア
が、さらに台上部のエア吸引部１０で吸引されることに
より、隣り合うパチンコ台１の境界部には、上方に送ら
れる穏やかな上昇エア流が生じ、この上昇エア流は、隣
接するパチンコ台１の空気環境を境界部で仕切る、いわ
ばエアカーテンの役割を果たす。そのエアカーテンの下
部の幅は、ほぼ玉箱カウンター台３の幅寸法に対応して
おり、遊技者はそのようなエアカーテンで仕切られた各
パチンコ台１ごとの内部空間に位置することとなる。

【００１４】そのため、喫煙中のタバコの煙が隣りのパ
チンコ台１に流れにくく、また、そのエアカーテンとし
ての上昇エア流は、周りの空気を巻き込み、漂っている
タバコの煙等も共に上昇させてエア吸引部１０から上方
に排気されるため、隣接遊技者は隣りからのタバコの副
流煙に悩まされることなく、快適にパチンコを楽しむこ
とができる。

【００１５】しかも、エア吸引部１０の吸引口１０ｂが
各パチンコ台１の中央において一定の長さで形成されて
いるため、エア吹出部５からの上昇エア流はパチンコ台
１の中央寄りに引き寄せられて隣接台から遠ざかる傾向
が生じ、そのためタバコの煙等は一層隣りのパチンコ台
１に流れにくくなる。

【００１６】（実施例２）図２に示す実施例２では、パ
チンコ台１の上部のエア吸引部１５が、各呼出ランプ部
９にそれぞれ組込まれており、内部のファン１５ａの回
転によりエア吹出部５からの上昇エア流を吸引し、上方
に向って送り出すようになっている。その他は実施例１
と同様である。

【００１７】（実施例３）図３に示す実施例では、設置
島２の上部に設けられた横長形のエア吸引部１０の各吸
引口１０ｂが、吸気支管１６および吸気本管１７を経て
集塵機１８に接続されている。集塵機１８は、エア吸引
部１０が数台のパチンコ台１に対し１ユニットの形態で
設けられる場合にはその１ユニットごとに設けられ、エ
ア吸引部１０が各設置島２ごとに設けられている場合に
は、各島２に１個ずつ設けられる。そして、上記集塵機
１８により、いわばセントラル方式で各パチンコ台１の
境界部からのエアが吸気され集塵される。その浄化され
たエアは店内に循環されるか、あるいは店外に排気され
る。その他は実施例１と同様である。

【００１８】（実施例４）図４に示す実施例４では、各
呼出ランプ部９に設けられたエア吸引部２０（ファンを
有さず吸引口のみ）が、吸気支管１９および吸気本管１
７を介して集塵機１８に接続されている。その他は実施
例３と同様である。

【００１９】（実施例５）図５に示す実施例５では、各
パチンコ台１の境界部に位置するエア吹出部２５が、玉
箱カウンター台３の手前の縁部に、そのカウンター台３
の長手方向に沿って一定の長さで設けられている。つま
り、その長手方向に沿って複数のエア吹出孔２５ａが形
成され、玉箱カウンター台３の裏側に設けられたエア供
給管２１を通じて、それら各エア吹出部２５からエアが
上方に向って流出し、その上昇エア流は台上部のエア吸
引部２２で吸引される。エア吸引部２２は、数台のパチ
ンコ台１に１ユニット設けられ、長手方向に連続するス
リット状の吸引口２２ｂを各パチンコ台１に共通のもの
として備え、ファン２２ａの駆動により吸引作用をな
す。

【００２０】（実施例６）図６に示す実施例６では、上
述のような境界部の各エア吹出部２５から上昇するエア
が、呼出ランプ部９に組込まれた図２と同様なエア吸引
部１５によって吸引される。その他は実施例５と同様で
ある。

【００２１】（実施例７）図７に示す実施例７では、台
上部のエア吸引部１０については、図１に示す吸引部１
０等、これまで説明してきた実施例と同様のものである
が、各パチンコ台１の境界部に位置するエア吹出部３０
が、玉箱カウンター台３にではなく、床部３１に設けら
れている点に特徴がある。床部３１には玉箱カウンター
台３の下方奥部にエア供給管３２が配され、その管３２
から各パチンコ台１の境界部において分岐管３３が分岐
し、腰板３４から遠ざかる方向に直角に延びている。

【００２２】図９に簡略に示すように、エア供給管３２
および分岐管３３の配管部分を含む帯状の領域には、上
側から人工大理石等からなるカバー３５が被せられ、分
岐管３３から供給されるエアは、カバー３５に形成され
た複数の吹出孔３０ａから上方に吹き出される。図７に
示すように、それら複数の吹出孔３０ａが配列された上
記エア吹出部３０は、隣接するパチンコ台１との境界部
においてＴ字形状に（隣接台がない端部ではＬ字形状
に）形成されている。

【００２３】この実施例７では、各パチンコ台１の境界
部において床部３１から上昇気流が発生し、遊技者は両
側からこれらの上昇気流で挟まれるとともに、Ｔ字形状
（またはＬ字形状）に吹出部３０が形成されていること
により、後方からも一定の幅で囲まれる状況となり、各
パチンコ台１ごとに遊技空間を仕切るエアカーテン効果
がいわば三次元的なものとなる。そのため、後方からの
タバコの煙をも巻き込んで上昇させる状況も生じる。

【００２４】（実施例８）図１０に示す実施例８では、
各パチンコ台１の両側の枠部３７に、エア吹出部４０が
設けられている。その吹出部４０は上下方向に沿って所
定間隔で複数の吹出孔４１を備え、ここから各パチンコ
台１の上方にエアが吹き出されるが、そのエアは各パチ
ンコ台１の中央側に向って斜め上方に、かつ、図１１に
示すようにパチンコ台１の斜め前方に向うように、三次
元的な吹出角度が付与されるようになっている。そし
て、各パチンコ台１の上部にそれぞれ設けられたエア吸
引部４６が、そのように吹き出されて上昇するエアを吸
引する。その吸引部４６は吸気効率を上げるためのフー
ド４７を備えている。

【００２５】なお、パチンコ台１の枠部３７には、各台
１に専用の、または隣り合う台同士に兼用の玉貸し機が
設けられることが多いが、プリペイドカード式のパチン
コ台では、一般にそのような玉貸し機は不要で、カード
挿入口さえあればよいこととなるため、本実施例はその
ようなカード式のパチンコ台に好適なものとなる。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、遊技機の各境界部に設
けられたエア吹出部から吹き出すエア流が、一種のエア
カーテン効果を生じて、隣り合う遊技者同士を仕切り、
またこのエア流がタバコの煙を誘引する。したがって、
隣接遊技者に喫煙中のタバコの煙が流れにくく、隣接遊
技者が横からのタバコの煙で悩まされる状況が改善され
て、快適な遊技環境をつくることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の概略的な斜視図。

【図２】同じく実施例２の斜視図。

【図３】同じく実施例３の斜視図。

【図４】同じく実施例４の斜視図。

【図５】同じく実施例５の斜視図。

【図６】同じく実施例６の斜視図。

【図７】同じく実施例７の斜視図。

【図８】図２におけるエア吹出部を拡大して示す断面
図。

【図９】図７におけるエア吹出部を拡大して示す断面
図。

【図１０】本発明の実施例８を簡略に示す正面図。

【図１１】その側面図。

【符号の説明】

１ パチンコ遊技台（遊技機） ２ 設置島（遊技機島） ３ 玉箱カウンター台 ５、２５、３０、４０ エア吹出部 ６、２１、３２ エア供給管 ９ 呼出ランプ部 １０、１５、２０、２２、４６ エア吸引部 １８ 集塵機 ３５ カバー

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横方向に連なって複数の遊技機が設置さ
   れた遊技機島に設置されるものであって、 隣り合う遊技機同士の各境界部に位置して設けられ、そ
   の境界部からエアを吹き出してエアカーテンを生じさせ
   るエア吹出部を含むことを特徴とする遊技機島における
   タバコの煙遮断装置。