JP2914688B2 - Dc―dcコンバータ - Google Patents

Dc―dcコンバータ

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JP2914688B2 JP1309149A JP30914989A JP2914688B2 JP 2914688 B2 JP2914688 B2 JP 2914688B2 JP 1309149 A JP1309149 A JP 1309149A JP 30914989 A JP30914989 A JP 30914989A JP 2914688 B2 JP2914688 B2 JP 2914688B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明はDC−DCコンバータに関する。
(従来の技術) 近年、電子機器の小形化に伴い、電源類の薄形化が望
まれている。このような状況のもとで、安定な直流出力
を得るためのDC−DCコンバータの薄形小形化が進められ
ている。
一般に、DC−DCコンバータには、トランス、インダク
タなどの巻線部品が含まれている。例えば、回路の簡単
な非絶縁型DC−DCコンバータでもインダクタが含まれ
る。したがって、DC−DCコンバータを薄形小形化するた
めには、インダクタなどの巻線部品の薄形小形化が必要
となり、また、スイッチング周波数は高周波化の傾向に
ある。
従来、DC−DCコンバータに使用されているインダクタ
は一般にコイルとフェライトなどからなる磁心により構
成されている。したがって、スイッチング周波数の高周
波化に対しては、まず磁心材料を高周波化に対応できる
ものにしなければならない。しかし、従来のインダクタ
の磁心に使用されているフェライトなどは、スイッチン
グ周波数が200kHz程度になると、損失が大幅に増大す
る。このため、フェライトインダクタを用いたDC−DCコ
ンバータでは効率が低下し、高周波用としては実用的で
ないという問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は前記課題を解決するためになされたものであ
り、200kHz以上のスイッチング周波数で高い効率を示す
薄形小形のDC−DCコンバータを提供することを目的とす
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段と作用) 本発明のDC−DCコンバータは、スイッチング手段のオ
ン状態とオフ状態とでエネルギーの蓄積と放出とを繰り
返すインダクタを備えたDC−DCコンバータにおいて、前
記インダクタとして平面状に形成された空心コイルを用
いたことを特徴とする。
一般に、DC−DCコンバータにおいては、インダクタは
例えば出力側平滑用のチョークコイルとして使用され、
その効率はインピーダンスZに比例する。すなわち、イ
ンダクタのインダクタンスをL、スイッチング周波数を
fとしたとき、インピーダンスZは近似的に Z=2πf・L で表わされる。したがって、高周波領域ではLはfに反
比例して小さくてもよいことになる。本発明に係るイン
ダクタのように、コイルのみからなり磁心を有しない
(すなわち空心コイルからなる)インダクタのインダク
タンスLは、コイル及び磁心からなるインダクタの場合
に比べてかなり小さい。ただし、コイル及び磁心からな
るインダクタではイダクタンスLは高周波側では急激に
低下するのに対し、コイルのみからなり磁心を有しない
インダクタではその値は前者より高周波側まで保たれ
る。
また、コイルのQ値は近似的に で表わされ、この値が小さすぎるとDC−DCコンバータの
効率が低下する。この式において、Rはインピーダンス
の実数部であり、コイルのみからなり磁心を有しないイ
ンダクタではコイル抵抗に等しく、コイル及び磁心から
なるインダクタではコイル抵抗と磁心の鉄損に比例する
量との和になる。本発明に係るインダクタのように、コ
イルのみからなり磁心を有しないインダクタでは、オイ
ル及び磁心からなるインダクタに比べて、Lも低下する
が、Rも低下するので、Qが小さくなるとは限らない。
また、Lとコイル線間容量Clの共振周波数 は、コイルのみからなり磁心を有しないインダクタの場
合には、コイル及び磁心からなるインダクタの場合に比
べて高周波側に移行し、Qの周波数依存性におけるピー
クは高周波側に移行するので、スイッチング周波数を高
周波側に設定する場合には磁心を有しないインダクタの
方が有利となる。
また、DC−DCコンバータのインダクタでは、インダク
タンスの直流重畳特性がよいことが要求されるが、一般
にコイルのみからなり磁心を有しないインダクタの場合
には、コイル及び磁心からなるインダクタの場合に比べ
て直流重畳特性はよいので、この点に関しても高周波側
では前者の方が有利となる。特に、平面状に形成された
コイルを用いることにより、薄形小形化が可能となる。
また、Lを大きくするためには、平面状のコイルを積層
すればよく、薄形小形化の支障にはならない。以上のよ
うに、スイッチング周波数の高周波化が可能となり、DC
−DCコンバータの薄形小形化が可能となる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
まず、以下のようにして評価用インダクタを作製し
た。
第3図及び第4図に示すように、25μm厚のポリイミ
ドフィルム11の両面に100μm厚のCu箔を両張りして中
央部のスルーホール13を介して接続した両面FPC板(フ
レキシブルプリント回路板)を用意した。両面のCu箔を
エッチングして外周部の寸法が20mm×20mm、コイル線幅
200μm、コイルピッチ500μm、コイル巻線数40回(各
面20回)のスパイラルコイル12a、12bを加工して平面状
コイル1を作製した。
この平面状コイル1を7μm厚のポリイミドフィルム
2を挟んで2個積層し、直列に接続して2層構造のコイ
ル積層体を作製した。
この2層構造のコイル積層体を7μm厚のポリイミド
フィルム3を介して2個積層し、並列に接続して4層構
造のコイル積層体を作製し、更にその両面に7μm厚の
ポリイミドフィルム4を積層して評価用インダクタ(S
C)とした。
第3図及び第5図に示すように、前述した評価用コイ
ル(SC)の両面に1辺の長さ25mmの正方形状の非晶質磁
性合金薄帯5を1層ずつ、又は5層ずつ順次積層して、
評価用インダクタ(A1、A5)とした。
なお、非晶質磁性合金薄帯としては、単ロール法によ
り作製した、 (Fe0.95Nb0.0582Si6B12 なる組成を有し、平均厚さ16μm、幅25mmの非晶質磁性
合金薄帯から1辺の長さが25mmの正方形となるように切
り出したものを用いた。この非晶質磁性合金薄帯につい
ては、10kHzにおける実効透磁率μ10k=1×104、飽和
磁化4πMS=12.3kGである。
これらの評価用インダクタ(SC、A1、A5)について、
L、Qの周波数特性を第6図に、300kHzにおけるLの直
流重畳特性を第7図に示す。
第6図から、100kHz以上の周波数では評価用インダク
タ(SC)のQが最も大きいことがわかる。また、第7図
から、300kHzにおけるLの直流重畳特性は評価用インダ
クタ(SC)の場合が最も良好であることがわかる。
実施例1及び比較例1、2 前述した3種の評価用コイルを用い、2W、出力電圧5
V、スイッチング周波数300kHzの他励型、非絶縁降圧型
のDC−DCコンバータ(チョッパー型、外形寸法:約300m
m×30mm×8mm)を試作した。このDC−DCコンバータは、
第1図に示す回路構成を有する。
第1図において、電源電圧Vinはスイッチングトラン
ジスタ21のコレクタ端子とエミッタ端子との間を介し
て、インダクタ22及びコンデンサ23からなる直列回路に
供給される。この直列回路にはダイオード24が並列に接
続されている。また、前記直列回路を構成するコンデン
サ23には、抵抗25及び抵抗26からなる直列抵抗が並列に
接続されている。抵抗26に生じる電圧は比較回路部28に
入力されて基準電源27の基準電圧と比較され、その比較
結果に対応する電圧レベルの信号が増幅回路部29を介し
てオン・オフ時比率制御回路30に入力される。オン・オ
フ時比率制御回路30は、増幅回路部29の出力電圧レベル
に応じたオン・オフ時比率でスイッチングトランジスタ
21をオン・オフ駆動する。また、前記コンデンサ23の両
端が出力端子となり、そこに負荷31が接続されている。
第1図に示す非絶縁降圧型のDC−DCコンバータの動作
を説明する。スイッチングトランジスタ21がオンのとき
には電流がインダクタ22側に流れ、インダクタ22に電磁
エネルギーが蓄えられるとともに、コンデンサ23の充電
も行われ、静電エネルギーが蓄えられる。スイッチング
トランジスタ21をオフにすると、インダクタ22の電磁エ
ネルギーがダイオード24を通して放出され、電流が流れ
る。この間、負荷31はインダクタ22とダイオード24の蓄
積エネルギーによって連続的に給電を受ける。スイッチ
ングトランジスタ21がオン・オフする周期を一定とし、
オン・オフ時比率制御回路30によりオン・オフの時間を
制御することにより負荷31に印加される電圧のレベルを
一定に調整できる。
これらのDC−DCコンバータについて、入力電圧15V、
出力電流0.4Aのときの効率を測定した。その結果、イン
ダクタとして前述したSC、A1、A5の3種の評価用インダ
クタを用いた各場合に、それぞれ80.5%、65.0%、70.0
%の効率が得られた。このことから、コイルのみからな
り磁心を有しないインダクタを用いたDC−DCコンバータ
では大きな効率が得られることがわかる。
なお、本発明のDC−DCコンバータは、例えば第2図に
示す非絶縁昇圧型のものでも、非絶縁昇降圧型(図示せ
ず)でもよいことは勿論である。
第2図において、電源電圧Vinはインダクタ22を介し
て、ダイオード24及びコンデンサ23からなる直列回路に
供給される。この直列回路にはスイッチングトランジス
タ21のコレクタ端子とエミッタ端子との間が並列に接続
されている。また、前記直列回路を構成するコンデンサ
23には、抵抗25及び抵抗26からなる直列抵抗が並列に接
続されている。抵抗26に生じ電圧は比較回路部28に入力
されて基準電源27の基準電圧と比較され、その比較結果
に対応する電圧レベルの信号が増幅回路部29を介してオ
ン・オフ時比率制御回路30に入力される。オン・オフ時
比率制御回路30は、増幅回路部21の出力電圧レベルに応
じたオン・オフ時比率をもってスイッチングトランジス
タ21をオン・オフ駆動する。また、前記コンデンサ23の
両端が出力端子となり、そこに負荷31が接続されてい
る。
2図に示す非絶縁昇圧型のDC−DCコンバータの動作を
説明する。スイッチングトランジスタ21がオンのときに
は電源電圧Vinが全てインダクタ22に印加されて電流が
流れ、インダクタ22に電磁エネルギーが蓄えられる。こ
の間、コンデンサ23の電荷はダイオード24に阻止され、
スイッチングトランジスタ21側には流れない。負荷31に
はコンデンサ23の放電により電力が供給される。スイッ
チングトランジスタ21をオフにすると、蓄積された電磁
エネルギーのためにインダクタ22の電圧が生じ、これが
電源電圧に重畳されてダイオード24を通して電流が流れ
る。スイッチングトランジスタ21がオン・オフする周期
を一定とし、オン・オフ時比率制御回路30によりオン・
オフの時間を制御することにより、負荷31に印加される
電圧のレベルを一定に調整できる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明のDC−DCコンバータでは、
スイッチング周波数が200kHz以上で大きな効率が得ら
れ、スイッチング周波数の高周波化に対応することがで
き、しかも薄形小形化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例における非絶縁降圧型のDC−DC
コンバータの回路図、第2図は本発明の他の実施例にお
ける非絶縁昇圧型のDC−DCコンバータの回路図、第3図
は本発明の実施例及び比較例のDC−DCコンバータに用い
られたインダクタの平面図、第4図は本発明の実施例の
DC−DCコンバータに用いられたインダクタの断面図、第
5図は本発明の比較例のDC−DCコンバータに用いられた
インダクタの断面図、第6図は本発明の実施例及び比較
例のDC−DCコンバータに用いられたインダクタについて
インダクタンスとQ値の周波数特性を示す図、第7図は
本発明の実施例及び比較例のDC−DCコンバータに用いら
れたインダクタについてインダクタンスの直流重畳特性
を示す図である。 1……平面状コイル、2、3、4……ポリイミドフィル
ム、5……非晶質磁性合金薄帯、11……ポリイミドフィ
ルム、12a、12b……スパイラルコイル、13……スルーホ
ール、21……スイッチングトランジスタ、22……インダ
クタ、23……コンデンサ、24……ダイオード、25、26…
…抵抗、27……基準電源、28……比較回路部、29……増
幅回路部、30……オン・オフ時比率制御回路、31……負
荷。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02M 3/00 - 3/44 H01F 31/00 H01F 17/00 H01F 37/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スイッチング手段のオン状態とオフ状態と
    でエネルギーの蓄積と放出とを繰り返すインダクタを備
    えたDC−DCコンバータにおいて、前記インダクタとして
    平面状に形成された空心コイルを用いたことを特徴とす
    るDC−DCコンバータ。
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