JP2970303B2 - プリントコイル形トランス - Google Patents

プリントコイル形トランス

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JP2970303B2
JP2970303B2 JP5092979A JP9297993A JP2970303B2 JP 2970303 B2 JP2970303 B2 JP 2970303B2 JP 5092979 A JP5092979 A JP 5092979A JP 9297993 A JP9297993 A JP 9297993A JP 2970303 B2 JP2970303 B2 JP 2970303B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子機器や電源装置に用
いられるトランスに係り、特にコイル部の端子配置の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】巻線を積層したトランスは、例えば本出
願人の提案に係る実開平4−46524号公報に開示さ
れている。図9はこのような従来装置の構成図で、
(A)はトランスの外観図、(B)は外観図のB−B断
面図である。図において、電源トランスでは、コアによ
る磁路が形成されており、ボビンにコイルが巻かれてい
る。そして、ボビンに設けられた各端子に各コイルの引
き出し線が結線されている。ここで、コイルには一次巻
線N1、二次巻線N2及び補助巻線N3があり、それぞ
れ端子に接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各コイ
ルに対して端子を引き出す領域を生じて、トランス全体
におけるコイル占有率の低下を招来するという課題があ
った。また、コイルをプリント基板に実装する際にも、
配置の制約が大きく設計作業が難しくなるという課題が
あった。本発明は上述の課題を解決したもので、コイル
占積率が高く、且つトランス端子の配置自由度の大きな
プリントコイル形トランスを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明は、渦巻状の導体パターン55を有する平板コ
イル58を複数積層したプリントコイル形トランスにお
いて、各平板コイルには、前記導体パターンの外周側に
設けられた外周接続孔51,52と、内周側に設けられ
た内周接続孔53を複数個設けると共に、各平板コイル
に応じて導体パターンと接続される外周接続孔と内周接
続孔を近い部位に定め、積層された平板コイルの外周接
続孔並びに内周接続孔に端子41〜43を装着し、この
プリントコイル形トランスの実装されるプリント基板に
形成される貫通孔と当該端子とを接続し、プリント基板
上の結線パターンを端子に接続することを特徴としてい
る。
【0005】
【作用】各導体パターンは、外周接続孔と内周接続孔に
両端が接続され、端子と貫通孔を介してプリント基板の
配線に接続される。ここで、各導体パターン毎に外周接
続孔と内周接続孔の組を設けておき、これらに対応する
貫通孔群を適宜に接続することで、各導体パターンの接
続関係を定めることができる。
【0006】
【実施例】以下図面を用いて、本発明を説明する。図1
は本発明の一実施例を示す組立状態の構成斜視図であ
る。図において、コア30は、いわゆるEE形コアで、
ここでは両側コア31は断面矩形になっており、中足コ
ア32は断面円形になっている。連結部33は両側コア
31と中足コア32を連結するコア材で、断面矩形にな
っている。端子40は、トランスとする際に一次側と二
次側の信号線を接続するのに用いるもので、一次側端子
41と二次側端子42並びに内周端子43を有してい
る。プリントコイル積層体50は、トランスの一次巻線
や二次巻線の機能を有するもので、中央に設けられたコ
ア挿入孔56に中足コア32を挿入すると共に、外側を
両側コア31で挟んで磁気回路を形成している。そし
て、プリントコイル積層体50の表面には、中央にコア
30の連結部33が位置し、この両側に一次側端子41
と二次側端子42が位置する。
【0007】図2はプリントコイル積層体50の上面図
である。プリントコイル積層体50は平板コイル58が
積層されたもので、コア挿入孔56が中央に位置し、左
右の両端には一次側外周接続孔51と二次側外周接続孔
52が、それぞれ5個一列に設けられている。内周接続
孔53は、コア挿入孔56の近傍に6個設けられてい
る。層間接続孔57は一次側外周接続孔51の近傍に2
個設けられたもので、内周接続孔53では平板コイル5
8相互の層間接続に不足する際に用いられる。
【0008】平板コイル58を積層後に、一次側外周接
続孔51に一次側端子41がはんだ付けされ、二次側外
周接続孔52に二次側端子42がはんだ付けされ、内周
接続孔53が内周端子43がはんだ付けされている。こ
こで、一次側端子41、二次側端子42並びに内周端子
43は、はんだ乗りのよい金属製の短い棒材よりなる。
層間接続孔57を用いる場合には、これにも端子を装着
する。導体形成面54は、プリントコイル積層体50の
コア挿入孔56と一次側外周接続孔51並びに二次側外
周接続孔52に挟まれた領域で、渦巻状の導体パターン
55が形成されている。導体パターン55は、この平板
コイル58が一次巻線の場合には一次側外周接続孔51
に一端が接続され、他端が内周接続孔53に接続され
る。また、平板コイル58が二次巻線の場合には二次側
外周接続孔52に一端が接続され、他端が内周接続孔5
3に接続される。
【0009】図3はプリントコイル形トランスをプリン
ト基板に実装した状態の断面図である。図において、プ
リント基板20には、一次側貫通孔21、二次側貫通孔
22並びに内周貫通孔23が設けられていると共に、こ
れら貫通孔について後述の配線パターンが設けられる。
そして、プリントコイル積層体50がプリント基板20
に実装される際に、一次側貫通孔21、二次側貫通孔2
2並びに内周貫通孔23に対して一次側端子41、二次
側端子42並びに内周端子43がそれぞれはんだ付けさ
れている。
【0010】ここで、一次側端子41、二次側端子42
並びに内周端子43は、接続を必要としない導体パター
ン55との空間距離を電気的絶縁の確保できる値とする
必要がある。ここでは、渦巻状の導体パターン55の外
周部と内周部に、外周接続孔51,52と内周接続孔5
3を設けることにより、各端子41〜43を配置でき
る。しかして、導体形成面54に余分な空間距離を確保
する必要がなくなり、コイル面積を最大化できる。この
結果、コイル面積に比例する磁気結合が最大となり、コ
イル間の磁気的結合が良好になる効果がある。
【0011】図4は平板コイルの導体パターンの接続状
態を説明する斜視図である。ここでは3本の導体パター
ンが配置される場合を表しており、図示を簡略化するた
め渦巻の数は1ターンになっている。各コイルa〜cに
は、それぞれ二次側外周接続孔52a〜cと内周接続孔
53a〜cを両端に有する導体パターン55a〜cが形
成されている。そして、プリント基板20に相当する面
に、二次側外周接続孔52a〜cに対応する二次側貫通
孔22a〜cと、内周接続孔53a〜cに対応する内周
貫通孔23a〜cが形成されている。そして、点線で示
す端子により、二次側外周接続孔52a〜cと二次側貫
通孔22a〜c、及び内周接続孔53a〜cと内周貫通
孔23a〜cが接続されている。
【0012】図5はプリントコイル積層体50のコイル
配置図である。各コイルa〜cはそれぞれ渦巻状の導体
パターン55a〜cによる巻線であり、それぞれの両端
は二次側外周接続孔52a〜cと内周接続孔53a〜c
に接続されている。
【0013】図6はプリント基板に設けられる結線パタ
ーンの説明図で、上欄にプリント基板のパターン、下欄
にコイル回路図を表すと共に、〜の3種類の結線パ
ターンを配置してある。はコイルa〜cを3個並列に
接続するものである。結線パターン61は二次側貫通孔
22a〜cを共通に接続するもので、端子P1となって
いる。結線パターン62は内周貫通孔23a〜cを共通
に接続するもので、端子P2となっている。そして、導
体パターン55a〜cによる巻線は両端子P1,P2に
並列接続されている。
【0014】また、はコイルa〜cを3個直列に接続
するものである。結線パターン63は二次側貫通孔22
bと内周貫通孔23aを接続するもので、中間端子P3
となっている。結線パターン64は二次側貫通孔22c
と内周貫通孔23bを接続するもので、中間端子P4と
なっている。そして、導体パターン55a〜cは両端子
P1,P2の間に中間端子P3,P4を有している。更
に、はコイルa,bを直列に接続すると共にコイルc
をコイルbに並列に接続するものでたものである。結線
パターン65は二次側貫通孔22b,cと内周貫通孔2
3aを接続するもので、中間端子P3となっている。結
線パターン66は内周貫通孔23b,cを接続するもの
で、端子P2となっている。このようにして、同一トラ
ンスコイル構造でありながら、コイル構造を結線パター
ンにより任意に定めることができるという効果がある。
【0015】図7はプリントコイル形トランスをスイッ
チング電源に実装する場合の回路図である。直流電源V
inが一次巻線に印加され、スイッチング素子Qによりオ
ンオフされる。すると、二次巻線にスイッチング信号が
誘起されるので、ダイオードD1,D2、チョークコイ
ルL並びにコンデンサCを有する出力回路に送り、整流
平滑化された直流電圧を負荷Lに供給する。ここで、一
次巻線はコイルN11とコイルN12が直列に接続され
ており、二次巻線はコイルN21とコイルN22が並列
に接続されている。また、端子P11は直流電源Vinと
接続され、端子P12はスイッチング素子Qと接続さ
れ、端子P13はコイルN11とコイルN12の中間接
続点になっている。更に、端子P21と端子P22は、
コイルN21とコイルN22の両端と出力回路を接続し
ている。
【0016】図8は図7の回路用平板コイルについての
導体パターンの接続状態を説明する斜視図である。ここ
では二次巻線用のコイルN21,N22を一次巻線用の
コイルN11,N12で挟むと共に、コイルN12側が
プリント基板20に面している。コイルN11,N12
は、一次側外周接続孔51から内周接続孔53に向かっ
て2ターンの渦巻の導体パターン55d,gを有してお
り、各導体パターン55d,gは異なる一次側外周接続
孔51と内周接続孔53に接続されており、結線パター
ン67a,bを用いて直列接続されている。ここで、結
線パターン67a,bはそれぞれ端子P12,P13に
対応している。
【0017】また、コイルN21,N22は、二次側外
周接続孔52から内周接続孔53に向かって2ターンの
渦巻の導体パターン55e,fを有しており、各導体パ
ターン55e,fは同一の二次側外周接続孔52と内周
接続孔53に接続されてて並列巻線を形成している。そ
して、端子P22に相当する結線パターン68により二
次側外周接続孔52と内周接続孔53を接続している。
ここでは、内周接続孔53について、一次側外周接続孔
51に近い部位(領域1)についてコイルN11,N1
2(一次回路)が用いられ、二次側外周接続孔52に近
い部位(領域2)についてコイルN21,N22(二次
回路)が用いられる。このように、内周接続孔53を領
域1と領域2に区分すると、絶縁距離が確保され好まし
い。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
渦巻状の導体パターン55の外周部と内周部に、外周接
続孔51,52と内周接続孔53を設けることにより、
各端子41〜43を配置でき、導体形成面54に余分な
空間距離を確保する必要がなくなり、コイル面積を最大
化できるという効果がある。またこの結果、コイル面積
に比例する磁気結合が最大となり、コイル間の磁気的結
合が良好になる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す組立状態の構成斜視図
である。
【図2】プリントコイル積層体50の上面図である。
【図3】プリントコイル形トランスをプリント基板に実
装した状態の断面図である。
【図4】平板コイルの導体パターンの接続状態を説明す
る斜視図である。
【図5】プリントコイル積層体50のコイル配置図であ
る。
【図6】プリント基板に設けられる結線パターンの説明
図である。
【図7】プリントコイル形トランスをスイッチング電源
に実装する場合の回路図である。
【図8】図7の回路用平板コイルについての導体パター
ンの接続状態を説明する斜視図である。
【図9】従来装置の構成図である。
【符号の説明】 41 一次側端子 42 二次側端子 43 内周端子 50 コイル積層体 51 一次側外周接続孔 52 二次側外周接続孔 53 内周接続孔 55 導体パターン 58 平板コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 27/28 H01F 30/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】渦巻状の導体パターン(55)を有する平
    板コイル(58)を複数積層したプリントコイル形トラ
    ンスにおいて、 各平板コイルには、前記導体パターンの外周側に設けら
    れた外周接続孔(51,52)と、内周側に設けられた
    内周接続孔(53)を複数個設けると共に、各平板コイ
    ルに応じて導体パターンと接続される外周接続孔と内周
    接続孔を近い部位に定め、 積層された平板コイルの外周接続孔並びに内周接続孔に
    端子(41〜43)を装着し、 このプリントコイル形トランスの実装されるプリント基
    板に形成される貫通孔と当該端子とを接続し、プリント
    基板上の結線パターンを端子に接続することを特徴とす
    るプリントコイル形トランス。
  2. 【請求項2】端子同志を、プリント基板上の結線パター
    ンで接続し、一次側回路と二次側回路とを構成し、一方
    の回路のコイルを他方の回路のコイルで挟むことを特徴
    とする請求項1記載のプリントコイル形トランス。
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