JP2001326120A - インダクティブ素子及びこのインダクティブ素子を用いたdc−dcコンバータ - Google Patents

インダクティブ素子及びこのインダクティブ素子を用いたdc−dcコンバータ

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JP2001326120A
JP2001326120A JP2001049806A JP2001049806A JP2001326120A JP 2001326120 A JP2001326120 A JP 2001326120A JP 2001049806 A JP2001049806 A JP 2001049806A JP 2001049806 A JP2001049806 A JP 2001049806A JP 2001326120 A JP2001326120 A JP 2001326120A
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coil
coil conductor
conductor layer
inductive element
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JP2001049806A
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Eiichi Komai
栄一 駒井
Kazuyuki Ogawa
和志 小川
Yoshito Sasaki
義人 佐々木
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のDC−DCコンバータでは、インダク
タのコイル層の導体幅を最適な値に設定していなかっ
た。 【解決手段】 DC−DCコンバータを構成するインダ
クタLのコイル層12の導体幅lwを30μm以上10
0μm以下とすることで、インダクタLの直流損失及び
交流損失を合わせた損失を低減させることができ、DC
−DCコンバータ全体の損失を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜プロセスを含
む工程で製造されるインダクティブ素子及びこのインダ
クティブ素子を用いたDC-DCコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話に代表される情報通信電子機器
は、小型化軽量化による携帯性及び動作時間の長時間化
の実現により急速に普及している。電子機器の小型化軽
量化に伴い電力供給源である電源の小型化軽量化に対す
る要求も増しており、スイッチング電源のエネルギー蓄
積素子であるインダクタをより小型化する必要が生じて
いる。
【0003】小型化されたインダクタの一形態として、
コイル層の上下に絶縁層を介して磁性薄膜を配置する内
部コイル型インダクタが挙げられる。詳述すると、内部
コイル型インダクタは、基板上に第1の磁性層が形成さ
れ、第1の磁性層の上に絶縁層を介してコイル層が形成
され、さらに、コイル層の上に絶縁層を介して、第2の
磁性層が形成されて構成されている。
【0004】これら、インダクタの主な用途の一つとし
て、DC−DCコンバータのエネルギ−蓄積素子として
用いるというものがある。
【0005】図15は、インダクタを用いて構成された
降圧型のDC−DCコンバータの回路図である。
【0006】図15のDC−DCコンバータは、電流の
形でいったんインダクタLにエネルギ−を蓄え、これを
負荷Rに放出する形態をとり、蓄積と放出の比を時比率
としてスイッチにより制御し所要の直流出力を得る、い
わゆるエネルギ−蓄積型のDC−DCコンバータであ
る。このDC−DCコンバータでは、トランジスタTr
を主スイッチとして用い、入力直流電圧Eiを周期Tパ
ルス幅τのパルスでスイッチしてLC平滑回路を通す
と、降圧された出力直流電圧Eoが出力される。出力直
流電圧Eoは、Eo=τEi/Tで決まる。ダイオ−ド
Dは、トランジスタがオフのときインダクタLに蓄積さ
れた電磁エネルギ−をコンデンサCに供給するためのも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図15では、インダク
タLは、等価インダクタンスLi、直流抵抗Rdc、及
び交流損失に値する等価抵抗Racを有するものとして
等価回路で示されている。
【0008】インダクタLの損失は、コイル層の直流損
失及び交流損失並びに磁性層の損失からなる。このう
ち、コイル層の交流損失は、表皮効果及びうず電流損失
を由来とする。
【0009】しかし、これまで、内部コイル型インダク
タを用いて高周波駆動のDC─DCコンバータを形成す
るときに、インダクタの、特にコイル層の損失を低減す
るための方策については、ほとんど提案されてこなかっ
た。
【0010】本発明は、上記従来の課題を解決するため
のものであり、コイル層の導体幅を設定することにより
損失を低減することのできるインダクティブ素子及びこ
のインダクティブ素子を用いたDC-DCコンバータを
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のインダクティブ
素子は、コイル層の上及び/又は下に絶縁層を介して少
なくとも一つの磁性層が形成されて成るインダクティブ
素子であり、前記コイル層を形成するコイル導体層の導
体幅が30μm以上100μm以下で、かつ直流信号が
重畳された交流信号が供給されることを特徴とするもの
である。
【0012】本発明のインダクティブ素子には、直流信
号が重畳された交流信号が供給されるので、インダクテ
ィブ素子の損失を低減させるためには、直流損失及び交
流損失を合わせた損失を低減させる必要がある。
【0013】インダクティブ素子の損失には、前記コイ
ル層及び磁性層において生じる電力損失がある。本発明
では、特にコイル層の損失を低減させている。前記コイ
ル層の直流損失を低減させるためには、前記コイル層を
形成するコイル導体層の導体幅を広くすれば良い。しか
し、前記コイル導体層の導体幅を広くすると、交流損失
が増大する。本発明では、前記コイル導体層の導体幅を
30μm以上100μm以下にすることにより、インダ
クティブ素子の直流損失及び交流損失を合わせた損失を
抑制することができる。
【0014】なお、インダクティブ素子の前記コイル層
の交流損失の原因として、表皮効果及びうず電流損失が
考えられるが、本発明のような内部コイル型のインダク
ティブ素子の場合には、前記磁性層から導かれ、前記コ
イル層を透過する磁束(以後渡り磁束と称する)による
渦電流損失が、交流損失のおもな原因である。
【0015】本発明は、前記交流信号の周波数fが1M
Hz以上、特に3MHz以上であるときに特に有効であ
る。
【0016】なお、本発明では、単層のコイル導体層に
よって前記コイル層を形成することができる。
【0017】または、本発明は、コイル層の上及び/又
は下に絶縁層を介して少なくとも一つの磁性層が形成さ
れて成るインダクティブ素子において、前記コイル層
は、絶縁層を介して互いに重なりあうように積層された
複数層のコイル導体層が直列に接続されたものであり、
前記重なりあうコイル導体層に電流が同じ向きに流れ、
かつ各コイル導体層の導体幅が40μm以上100μm
以下であり、直流信号が重畳された交流信号が供給され
ることを特徴とするものである。
【0018】本発明のように、前記コイル層が直列に接
続された複数層のコイル導体層からなるものであるとき
に、前記重なりあうコイル導体層に電流が同じ向きに流
れると、各コイル導体層を流れる電流が発生する磁界が
重なりあい、それぞれのコイル導体層に鎖交する磁束が
増加して、インダクティブ素子のインダクタンスが大き
くなる。
【0019】本発明のように、前記コイル層を、複数層
のコイル導体層を直列に接続したものとしたときには、
前記コイル導体層の導体幅を40μm以上100μm以
下にすることにより、インダクティブ素子の直流損失及
び交流損失を合わせた損失を抑制することができる。
【0020】また、前記コイル導体層の導体厚が、前記
交流信号の周波数fにおける表皮厚δ=√(ρ/πf
μ)の2倍より薄いと、前記コイル層の交流損失の原因
となる表皮効果の影響をなくすことができる。ただし、
ρは前記コイル導体層を形成する材料の比抵抗、μは前
記コイル導体層を形成する材料の透磁率である。
【0021】本発明のインダクティブ素子のインダクタ
ンスは、例えば、0.1μH〜2μHである。
【0022】また、本発明は、少なくとも、トランジス
タ或いはパワーMOSFETなどのスイッチング素子
と、整流用のダイオードと、エネルギ─蓄積用のインダ
クティブ素子と、平滑用のコンデンサを有するDC─D
Cコンバータにおいて、前記インダクティブ素子は、コ
イル層の上及び/又は下に絶縁層を介して少なくとも一
つの磁性層が形成されて成り、前記コイル導体層の導体
幅が30μm以上100μm以下であることを特徴とす
るものである。
【0023】DC−DCコンバータのインダクティブ素
子には、直流信号が重畳された交流信号が供給されるの
で、インダクティブ素子における損失を低減させるため
には、インダクティブ素子の直流損失及び交流損失を合
わせた損失を低減させる必要がある。本発明では、イン
ダクティブ素子の直流損失及び交流損失を合わせた損失
を低減させることにより、DC−DCコンバータ全体の
損失を低減できる。
【0024】本発明は、前記インダクティブ素子に供給
される交流信号の周波数fが1MHz以上、特に3MH
z以上であるときに特に有効である。
【0025】なお、本発明では、単層のコイル導体層に
よって前記コイル層を形成することができる。
【0026】また、本発明は、少なくとも、トランジス
タなどのスイッチング素子と、整流用のダイオードと、
エネルギ─蓄積用のインダクティブ素子と、平滑用のコ
ンデンサを有するDC─DCコンバータにおいて、前記
インダクティブ素子は、コイル層の上及び/又は下に絶
縁層を介して少なくとも一つの磁性層が形成されて成
り、前記コイル層は絶縁層を介して互いに重なりあうよ
うに積層された複数層のコイル導体層が直列に接続され
たものであり、前記重なりあうコイル導体層に電流が同
じ向きに流れ、かつ各コイル導体層の導体幅が40μm
以上100μm以下であることを特徴とするものであ
る。
【0027】本発明のように、前記コイル層を、複数層
のコイル導体層を直列に接続したものとしたときには、
前記コイル導体層の導体幅を40μm以上100μm以
下にすることにより、インダクティブ素子の直流損失及
び交流損失を合わせた損失を抑制することができ、DC
−DCコンバータ全体の損失を低減できる。
【0028】また、前記コイル導体層の導体厚が、前記
交流信号の周波数fにおける表皮厚δ=√(ρ/πf
μ)の2倍より薄いと、前記コイル層の交流損失の一因
である表皮効果の影響をなくすことができる。ただし、
ρは前記コイル導体層を形成する材料の比抵抗、μは前
記コイル導体層を形成する材料の透磁率である。
【0029】本発明のDC−DCコンバータに用いられ
るインダクティブ素子のインダクタンスは、例えば、
0.1μH〜2μHである。
【0030】また、本発明のDC−DCコンバータは、
例えば、基板上に形成された配線パターン上にダイオー
ド、コンデンサ、スイッチング素子などの素子が接続さ
れ、前記ダイオード、前記コンデンサ、前記スイッチン
グ素子などの上層に、或いは同一基板上に、絶縁層を介
して、前記インダクティブ素子が実装されているもので
ある。
【0031】本発明では、昇圧型、降圧型、及び極性反
転型のDC−DCコンバータを構成することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における実施の形
態としてのインダクタ(インダクティブ素子)を示す部
分断面図である。
【0033】図1に示すように、本実施の形態における
インダクタLは、基板上に第1の磁性層11と、前記第
1の磁性層11の上に、例えばSiO2等の絶縁材料で
形成された絶縁層(図示しない)を介して形成された単
層のコイル導体層12からなるコイル層Cと、このコイ
ル層Cの上に絶縁層(図示しない)を介して形成された
第2の磁性層13とを有して構成されている。本実施の
形態では、コイル導体層12とコイル層Coは同一の構
成部材である。
【0034】図2はコイル導体層12を示す平面図であ
る。図2に示すように、前記第1の磁性層11上に形成
されるコイル導体層12は平面的に正方形螺旋状に形成
されており、前記コイル導体層12は例えば銅などの電
気抵抗の低い導電性材料でパターン形成される。なおコ
イル導体層12は、銅の他に、銀、金、アルミニウムあ
るいはこれらの合金などの良導電性金属材料から成る。
またコイル導体層12の形状は、上記したスパイラル形
状に限らず、例えばミアンダ形状等であってもよい。
【0035】コイル導体層12の巻き中心12aは、例
えば第1の磁性層11の中央に開けられたスルーホール
11aを通って、外部に通じる取り出し電極(図示しな
い)に電気的に接されている。また図2に示すコイル導
体層12の巻き外端12bも、他の取り出し電極に電気
的に接続された状態になっている。
【0036】本実施の形態では、磁性層11,13を例
えば、組成式が、Fe47.2Hf16.836.0で表される軟
磁性材料を用いて形成することができる。
【0037】組成式が、Fe47.2Hf16.836.0で表さ
れる軟磁性材料を用いて形成された磁性層11、13の
磁気特性を測定すると、静磁場中で400℃のアニール
後の比抵抗は1167μΩ・cmであり、100MHz
までの比透磁率は926、飽和磁化は0.97Tであっ
た。
【0038】なお本発明では、磁性層11,13を、例
えばマグネトロンスパッタ、RF2極スパッタ、RF3
極スパッタ、イオンビームスパッタ、対向ターゲット式
スパッタ等の既存するスパッタ装置を用いたスパッタ法
によって形成することができる。また本発明では、スパ
ッタ法の他、蒸着法やMBE(モレキュラー−ビーム−
エピタキシー)法、ICB(イオン−クラスター−ビー
ム)法などの成膜プロセスが使用可能である。
【0039】磁性膜11、13は、実効透磁率の高い高
周波特性に優れた軟磁性膜で形成されることが好まし
く、上述した組成の軟磁性材料以外に例えば、特開平6
−316748号公報に記載されているFe−M−O系
軟磁性材料(但し、Mは、Zr,Hf,V,Nb,T
a,Mo,W,Al,Si,Cr,P,C,B,Ga,
Geと希土類元素から選ばれる1種あるいは2種以上の
元素)あるいは特開平10−25530号公報に記載さ
れているCo−Fe−E−O系軟磁性材料(但し、元素
Eは、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W,A
l,Si,Cr,P,C,B,Ga,Geと希土類元素
から選ばれる1種または2種以上の元素)や、Co−T
a−Hf、Co−Ta−Hf−Pd、Co−Zr−N
b、Co−Zr−Ta、あるいはCo−Hf−Nb等に
より形成される。
【0040】コイル導体層12の巻き中心12aと巻き
外端12bから交流電流を供給すると、コイル導体層1
2内を流れる交流電流から誘起される磁束が、磁性層1
1,13内に誘導され、コイル導体層12を透過する渡
り磁束Aが生じる。渡り磁束Aがコイル導体層12内を
透過すると、逆起電力が生じ、コイル導体層12内に渦
電流Bが流れ、渦電流損失が発生する。
【0041】図2に示されるように、渦電流Bのコイル
導体層12の外周側を流れる外周渦電流B1が巻き外端
12bに向って流れ、巻き外端12bで折り返して、コ
イル導体層12の内周側を流れる内周渦電流B2となっ
て、巻き中心12aに向って流れる。内周渦電流B2
は、巻き中心12aで折り返して、外周渦電流B1とな
る。すなわち、渦電流Bは、コイル導体層12内で環流
している。
【0042】コイル導体層12の導体幅lwが狭くなる
と、コイル導体層12を透過する渡り磁束Aが減少し
て、渦電流Bが減少する。また、コイル導体層12の導
体幅l wが狭くなると、外周渦電流B1と内周渦電流B
2とが互いに打ち消しあって、渦電流Bが全体として減
少する。
【0043】このように、コイル導体層12の導体幅l
wを狭くすることによって、コイル導体層12に発生す
る渦電流Bを減少させ、渦電流損失を低減できる。しか
し、コイル導体層の導体幅を狭くしすぎると、直流損失
が大きくなる。
【0044】本発明では、コイル導体層12の導体幅l
wを30μm以上100μm以下にすることにより、イ
ンダクタの直流損失及び交流損失を合わせた損失を抑制
することができる。
【0045】また、コイル導体層12の導体厚tcoが、
インダクタに供給される交流信号の周波数fにおける表
皮厚δ=√(ρ/πfμ)の2倍より薄いと、コイル導
体層12の交流損失の一因である表皮効果の影響をなく
すことができる。ただし、ρはコイル導体層12を形成
する材料の比抵抗、μはコイル導体層12を形成する材
料の透磁率である。
【0046】表皮効果とは、導体に高周波電流が与えら
れると、電流は導体の表面の限られた厚みの部分を主に
流れようとする現象である。
【0047】コイル導体層12の材料として、銅を用い
ることができる。銅の比抵抗は、理論値でρ=1.78
μΩ・cmであり、また銅の比透磁率μ=1である。コ
イル導体層12の材料が銅であり、駆動周波数が6MH
zのとき表皮厚δは、理論的には、δ=30.7μmで
ある。
【0048】ただし、実際に銅を用いてコイル導体層1
2を形成すると、コイル導体層12の比抵抗は2μΩ・
cm程度となり、このとき、駆動周波数が6MHzのと
きの表皮厚δは、δ=32.6μm程度である。
【0049】また、コイル導体層の材料として銀やアル
ミニウムを用いることもできるが、銀やアルミニウムの
比抵抗は、1.5〜2.5μΩ・cm程度となる。この
とき、駆動周波数が6MHzのときの表皮厚δは、δ=
28〜37μm程度である。
【0050】従って、コイル導体層12の導体厚tco
設定するときには、コイル導体層12の導体厚tcoを2
δ=50〜80μm以下にすれば、表皮効果によるコイ
ル導体層12の損失をなくすことができる。
【0051】なお、インダクタLのインダクタンスは、
例えば、0.1μH〜2μHである。
【0052】図1及び図2では、コイル導体層12の巻
き数を6ターンとしている。この巻き数は、4〜20タ
ーンにするのが適切である。
【0053】また、図1及び図2のインダクタLは、図
15に示されたDC─DCコンバータを構成するための
インダクタLとして用いることができる。
【0054】図15のDC−DCコンバータは、電流の
形でいったんインダクタLにエネルギ−を蓄え、これを
負荷Rに放出する形態をとり、蓄積と放出の比を時比率
としてスイッチにより制御し所要の直流出力を得る、い
わゆるエネルギ−蓄積型のDC−DCコンバータであ
る。このDC−DCコンバータでは、トランジスタTr
をスイッチング素子として用い、入力直流電圧Eiを周
期Tパルス幅τのパルスでスイッチしてLC平滑回路を
通すと、出力直流電圧Eoが出力される。出力直流電圧
Eoは、Eo=τEi/Tできまる。整流用のダイオ−
ドDは、トランジスタがオフのときインダクタLに蓄積
された電磁エネルギ−を平滑用のコンデンサCに供給す
るためのものである。図15では、インダクタLは、等
価インダクタンスLi、直流抵抗Rdc、及び交流損失
に値する等価抵抗Racを有するものとして等価回路で
示されている。
【0055】図15のDC−DCコンバータのインダク
タLを流れる電流の直流成分の大きさをIdcとし、交
流成分の実行値の大きさをIacとすると、インダクタ
Lの損失Wiは、Wi=Rdc×(Idc)2+Rac×(Ia
c)2で表される。
【0056】図1及び図2のインダクタLでは、コイル
導体層12の導体幅lwが30μm以上100μm以下
であり、インダクタLを図15のDC−DCコンバータ
のインダクタLとして用いたときに、上述したインダク
タLの損失WLを低減させることができ、DC−DCコ
ンバータの高効率化に寄与する。
【0057】また、コイル導体層12の導体厚tcoが、
インダクタに供給される交流信号の周波数fにおける表
皮厚δ=√(ρ/πfμ)の2倍より薄いと、前記コイ
ル導体層の交流損失の原因となる表皮効果の影響をなく
すことができる。
【0058】本実施の形態では、入力直流電圧Eiが、
トランジスタTrをスイッチング素子として用いて、周
期Tパルス幅τの矩形波信号(交流信号)に変換され、イ
ンダクタLに入力される。また、トランジスタTrに替
えてパワーMOSFETが用いられてもよい。本発明の
実施の形態である図1及び図2に示されたインダクタL
を、図15のDC−DCコンバータのインダクタLとし
て用いると、駆動周波数を1MHz以上にした場合で
も、インダクタLで発生する損失が抑制され小型かつ高
効率なDC−DCコンバータの構成が可能となる。
【0059】なお、インダクタLのインダクタンスは、
例えば、0.1μH〜2μHであり、インダクタLを流
れる電流の直流成分の大きさIdcは2A以下、DC−
DCコンバータの出力電力は3W以下である。
【0060】図1及び図2のインダクタLは、図3〜図
5に示すDC−DCコンバータの回路に使用することも
できる。
【0061】図3のDC−DCコンバータは、電流の形
でいったんインダクタLにエネルギ−を蓄え、これを負
荷Rに放出する形態をとり、蓄積と放出の比を時比率と
してスイッチにより制御し所要の直流出力を得るエネル
ギ−蓄積型の昇圧型DC−DCコンバータの1例であ
る。このDC−DCコンバータでは、トランジスタTr
をスイッチとして用いる。また、トランジスタTrに替
えてパワーMOSFETが用いられてもよい。スイッチ
をオンにしてインダクタLに電流を流し、一定値に達し
たところで、スイッチをオフにすると、インダクタLに
蓄えられたエネルギーはダイオードDを通じてCRより
なる負荷回路に移り、昇圧された出力直流電圧Eoが出
力される。
【0062】入力直流電圧をEi、スイッチのオン・オ
フ周期をT、スイッチのオフ時間をτとすると、出力直
流電圧Eoは、Eo=TEi/τできまる。
【0063】図4は、入力直流電圧Eiをトランジスタ
r1及びTr2でスイッチングさせて交流に変換し、さら
にトランスTを介して前記交流を昇圧または降圧して2
次側に伝達した後、2次側で昇圧または降圧後の電圧
を、ダイオードD1,D2により整流するインバータ整
流型のDC−DCコンバータである。ダイオードD1,
D2により整流された電圧をインダクタLおよびコンデ
ンサCからなる平滑回路に供給する。そして前記平滑回
路では、ダイオードの出力を平滑して直流電圧Eoを生
成するようになっている。また、トランジスタTr1及び
r2に替えてパワーMOSFETが用いられてもよい。
【0064】図5は、図4のDC−DCコンバータの変
形である。図5では、トランスTの1次側には回線用巻
き線N1が設けられており、トランスTの1次電流とし
て蓄えられたエネルギーは、ダイオードD3を通して入
力電源に回生される。
【0065】図3から図5のインダクタLもインダクタ
ンスLi、直流抵抗損失Rdc、及び交流抵抗損失Ra
cを有する。図3から図5のDC−DCコンバータのイ
ンダクタLを流れる電流の直流成分の大きさをIdcと
し、交流成分の実行値の大きさをIacとすると、イン
ダクタLの損失Wiは、Wi=Rdc×(Idc)2+Rac
×(Iac)2で表される。
【0066】図1及び図2に示された、コイル導体層1
2の導体幅lwが30μm以上100μm以下であるイ
ンダクタLを、図3から図4のDC−DCコンバータの
インダクタLとして用いたときに、インダクタLの損失
iを低減させることができ、DC−DCコンバータの
損失を低減させることができる。
【0067】本発明のインダクティブ素子を用いて図6
に示される積層型DC−DCコンバータを形成すること
ができる。
【0068】図6の積層型DC−DCコンバータは、図
15の一点鎖線20で囲まれた領域内の回路が、基板2
1上に、一つの素子として一体に形成されているもので
ある。
【0069】まず、基板21上に銅などを用いて配線パ
ターン(図示せず)を形成し、図15におけるダイオー
ドD、コンデンサC、トランジスタTrをこの配線パタ
ーンに接続する。さらに、トランジスタTrを制御し
て,入力直流電圧Eiを周期Tパルス幅τの矩形波信号
(交流信号)に変換するときにパルスのパルス幅τを調節
するためのPWM(パルス幅変調)回路又はPFM(パ
ルス周波数変調)回路が組み込まれたコントロールIC
22もこの配線パターンに接続する。
【0070】ダイオードD、コンデンサC、トランジス
タTr及びコントロールIC22上に絶縁層23を積層
する。絶縁層23は、ポリイミドやレジスト等の有機絶
縁材料を使用して形成する。この場合、塗布形成により
絶縁層23を基板21上に形成することができる。また
絶縁膜23は、SiO2、Al23等の無機絶縁材料に
よりスパッタ法によって形成されてもよい。
【0071】次に,絶縁層23上に磁性層24をスパッ
タ法を用いて積層する。磁性層24上には、絶縁層25
を介してコイル層Coを形成する単層のコイル導体層2
6がパターン形成される。
【0072】絶縁層25には、SiO2、Al23等の
無機絶縁材料を使用することが好ましい。また絶縁層2
5は、ポリイミドやレジスト等の有機絶縁材料により形
成されてもよい。この場合、塗布形成により絶縁層25
を磁性層24上に形成することができる。また絶縁層2
5に有機絶縁材料を使用することで、コイル導体層26
と磁性層24間の磁気的絶縁性をより向上させることが
できるという利点もある。
【0073】コイル導体層26は、例えばスパイラル状
の平面型コイルであり、製法としては、絶縁層25上に
レジスト層(図示しない)を形成した後、前記レジスト
層にコイル導体層26のパターンをフォトリソグラフィ
により形成し、前記パターン内に銅等の電気導電性の高
い材質をメッキ形成することにより、コイル導体層26
を形成することが可能である。
【0074】なおコイル導体層26は、銅の他に、銀、
金、アルミニウムあるいはこれらの合金などの良導電性
金属材料から成る。
【0075】またコイル導体層26の形状は、上記した
スパイラル形状に限らず、例えばミアンダ形状等であっ
てもよい。
【0076】図6に示すように、コイル導体層26の各
導体部のピッチ間には絶縁層27が埋められ、さらに絶
縁層27はコイル導体層26上を覆っている。絶縁層2
7は、SiO2やAl23等の無機絶縁材料により形成
されてもよいが、ポリイミドやレジスト等の有機絶縁材
料により形成される方がより好ましい。
【0077】その理由は、コイル導体層26の各導体部
の高さは非常に高いために、前記各導体部のピッチ間
を、例えば無機絶縁材料を用いてスパッタ法等で埋める
ことは非常に困難だからである。従ってポリイミド等の
有機絶縁材料を用いる方が、塗布形成によりコイル導体
層26の各導体部のピッチ間を適切に埋めることが可能
であり、前記ピッチ間に例えば絶縁材料により埋められ
ない空洞部等の欠陥が生じる不具合は発生しにくくな
る。
【0078】コイル導体層26の巻き中心26aは、磁
性層24の中央に開けられたスルーホール24aを通っ
て、前述した基板21上の配線パターンに電気的に接続
されている。またコイル導体層26の巻き外端26b
も、基板21上の配線パターンに電気的に接続された状
態になっている。
【0079】絶縁層27上には、磁性層28が例えばス
パッタ法や蒸着法等を用いて積層されている。磁性層2
8は全外周で磁性層24と磁気的に接続されている。
【0080】磁性層24、絶縁層25、コイル導体層2
6、絶縁層27、磁性層28によってインダクタLが形
成されている。ダイオードD、コンデンサC、トランジ
スタTr及びコントロールIC22とインダクタLは、
基板21上の配線パターンに接続されて図15の一点鎖
線20で囲まれた領域内の回路を構成している。さら
に、基板21上の配線パターンには、図示しない入力端
子及び出力端子が接続されている。入力端子には入力直
流電圧Eiが入力され、出力端子は負荷Rに接続されて
出力直流電圧Eoを出力する。
【0081】本発明では、コイル導体層26の導体幅l
wを30μm以上100μm以下にすることにより、イ
ンダクタの直流損失及び交流損失を合わせた損失を低減
させることができる。
【0082】また、コイル導体層26の導体厚tcoが、
インダクタに供給される交流信号の周波数fにおける表
皮厚δ=√(ρ/πfμ)の2倍より薄いと、コイル導
体層26の交流損失の原因となる表皮効果の影響をなく
すことができる。ただし、ρはコイル導体層26を形成
する材料の比抵抗、μはコイル導体層26を形成する材
料の透磁率である。
【0083】コイル導体層26の材料として、銅を用い
ることができる。銅の比抵抗は、理論値でρ=1.78
μΩ・cmであり、また銅の比透磁率μ=1である。コ
イル導体層26の材料が銅であり、駆動周波数が6MH
zのとき表皮厚δは、理論的には、δ=30.7μmで
ある。
【0084】ただし、実際に銅を用いてコイル導体層2
6を形成すると、コイル導体層26の比抵抗は2μΩ・
cm程度となり、このとき、駆動周波数が6MHzのと
きの表皮厚δは、δ=32.6μm程度である。
【0085】また、コイル導体層の材料として銀やアル
ミニウムを用いることもできるが、銀やアルミニウムの
比抵抗は、1.5〜2.5μΩ・cm程度となる。この
とき、駆動周波数が6MHzのときの表皮厚δは、δ=
28〜37μm程度である。
【0086】従って、コイル導体層26の導体厚tco
設定するときには、コイル導体層26の導体厚tcoを2
δ=50〜80μm以下にすれば、表皮効果によるコイ
ル導体層26の損失をなくすことができる。
【0087】なお、インダクタLのインダクタンスは、
例えば、0.1μH〜2μHである。
【0088】また、トランジスタTrに替えてパワーM
OSFETが用いられてもよい。図6では、コイル導体
層26の巻き数を6ターンとしている。この巻き数は、
4〜20ターンにするのが適切である。
【0089】磁性層24及び磁性層28は、実効透磁率
の高い高周波特性に優れた軟磁性膜で形成されることが
好ましく、例えば、特開平6−316748号公報に記
載されているFe−M−O系軟磁性材料(但し、Mは、
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Si,
Cr,P,C,B,Ga,Geと希土類元素から選ばれ
る1種あるいは2種以上の元素)あるいは特開平10−
25530号公報に記載されているCo−Fe−E−O
系軟磁性材料(但し、元素Eは、Ti,Zr,Hf,N
b,Ta,Mo,W,Al,Si,Cr,P,C,B,
Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種または2種以
上の元素)や、Co−Ta−Hf、Co−Ta−Hf−
Pd、Co−Zr−Nb、Co−Zr−Ta、あるいは
Co−Hf−Nb等により形成される。
【0090】なお本発明では、磁性層24,28を、例
えばマグネトロンスパッタ、RF2極スパッタ、RF3
極スパッタ、イオンビームスパッタ、対向ターゲット式
スパッタ等の既存するスパッタ装置を用いたスパッタ法
によって形成することができる。
【0091】また本発明では、スパッタ法の他、蒸着法
やMBE(モレキュラー−ビーム−エピタキシー)法、
ICB(イオン−クラスター−ビーム)法などの成膜プ
ロセスが使用可能である。
【0092】なお、図6の積層型DC−DCコンバータ
を、図15の一点鎖線20で囲まれた領域内の回路が、
基板21上に、一つの素子として一体に形成されている
ものとして説明したが、同様にして、図3から図5に示
されたDC−DCコンバータが、基板上に一つの素子と
して一体に形成された積層型DC−DCコンバータを形
成することもできる。
【0093】図1及び図2では、コイル層Coが単層の
コイル導体層12からなるインダクティブ素子を示した
が、本発明では、コイル層Coを複数層のコイル導体層
からなるものとしてもよい。
【0094】図7は、本発明における他の実施の形態と
してのインダクタ(インダクティブ素子)を示す部分断
面図である。
【0095】図7に示されるインダクタL1は、基板上
に第1の磁性層31と、前記第1の磁性層31の上に、
例えばSiO2等の絶縁材料で形成された絶縁層32を
介して形成されたコイル層Coと、このコイル層Cの上
に絶縁層32を介して形成された第2の磁性層33とを
有して構成されている。
【0096】本実施の形態では、コイル層Coは、絶縁
層32を介して互いに重なりあう位置で積層された2層
のコイル導体層34及び35が直列に接続されたもので
ある。ここで、コイル導体層34及びコイル導体層35
は、それぞれの巻き中心34a、35aにおいて導電性
材料からなる接続部36によって互いに接続されてい
る。
【0097】なお、第1の磁性層31及び第2の磁性層
33は、図1に示されたインダクタLの第1の磁性層1
1及び第2の磁性層13と同じ材料、同じ製法によって
形成できる。また、コイル導体層34及びコイル導体層
35は、図1に示されたインダクタLのコイル導体層1
2と同じ材料、同じ製法によって形成できる。
【0098】また図8に示すコイル導体層34の巻き外
端34b及びコイル導体層35の巻き外端35bは、取
り出し電極に電気的に接続された状態になっている。
【0099】図7に示されるインダクタL1は直流信号
が重畳された交流信号が供給されるものである。
【0100】図8はコイル導体層34及び35を示す平
面図である。コイル導体層34及び35は平面的に正方
形螺旋状に形成されている。
【0101】なお、図8では、コイル導体層34及び3
5の平面構造を明確に示すために、コイル導体層34及
び35をずらして図示しているが、実際には、コイル導
体層34及び35は、図7に示されるように互いに重な
りあう位置に積層されている。また、図8では、コイル
導体層34の中心部34aとコイル導体層35の巻き中
心35aを接続する接続部36を図示の都合上点線で示
している。
【0102】ここで、コイル導体層35は、巻き端部3
5bから巻き中心35aに向って左巻きの螺旋状に形成
され、コイル導体層34は、巻き中心34aから巻き端
部34bに向って左巻きの螺旋状に形成されている。
【0103】従って、コイル導体層35の巻き端部35
bから電流Iが供給されると、電流Iは、コイル導体層
35を巻き端部35bから巻き中心35aに向って左巻
きに流れ、コイル導体層34を巻き中心34aから巻き
端部34bに向って左巻きに流れる。
【0104】このように、コイル導体層を螺旋形状に形
成したときには、上層と下層とで巻き方向を逆にするこ
とで、重なりあうコイル導体層34及び35に電流Iが
同じ向きに流れるようにできる。すると、図7に示され
るように、コイル導体層34を流れる電流Iが発生する
磁界とコイル導体層35を流れる電流Iが発生する磁界
とが重なりあい、コイル導体層34及びコイル導体層3
5に鎖交する磁束Bが増加して、インダクタのインダク
タンスが大きくなる。
【0105】互いに重なりあう位置に積層されるコイル
導体層34及び35からなるコイル層Coを有するイン
ダクタL1は、コイル導体層34及び35と材料、導体
幅寸法、導体厚、巻き数が同じ単層のコイル導体層から
なるコイル層を有するインダクタに比べて、直流抵抗値
は2倍になるが、インダクタンスは約4倍になり、性能
係数Qを容易に向上させることができる。
【0106】また、本実施の形態のインダクタは、コイ
ル導体層34及びコイル導体層35を直列に接続してコ
イル層Coの全長を長くすることによって、インダクタ
ンスを大きくできるものでもあるが、コイル導体層34
及びコイル導体層35が絶縁層32を介して積層された
構造を有しているので、インダクタの占有面積が増加す
ることがない。
【0107】すなわち、単層のコイル導体層からなるコ
イル層を有するインダクタに比べて、単位面積当りのイ
ンダクタンスを大きくすることができる。従って、同じ
インダクタンスのインダクタを形成するのであれば、イ
ンダクタの占有面積を小さくでき、インダクタをウェハ
上で薄膜形成プロセスによって形成するときに、ウェハ
一枚当りの生産数が増え、製造コストを低くすることが
可能になる。
【0108】本実施の形態でも、コイル導体層34及び
コイル導体層35の導体幅lw1及びlW2を狭くすること
によって、コイル導体層34及びコイル導体層35に発
生する渦電流を減少させ、渦電流損失を低減できる。し
かし、コイル導体層34及びコイル導体層35の導体幅
w1及びlW2を狭くしすぎると、直流損失が大きくな
る。
【0109】本発明では、コイル導体層34及びコイル
導体層35の導体幅lw1及びlW2を40μm以上100
μm以下にすることにより、インダクタの直流損失及び
交流損失を合わせた損失を抑制することができる。
【0110】また、コイル導体層34の導体厚tco1
びコイル導体層35の導体厚tco2が、インダクタに供
給される交流信号の周波数fにおける表皮厚δ=√(ρ
/πfμ)の2倍より薄いと、コイル導体層12の交流
損失の一因である表皮効果の影響をなくすことができ
る。ただし、ρはコイル導体層34及び35を形成する
材料の比抵抗、μはコイル導体層34及び35を形成す
る材料の透磁率である。
【0111】例えば、コイル導体層34及び35を銅、
銀またはアルミニウムを用いて形成するときには、コイ
ル導体層34の導体厚tco1及びコイル導体層35の導
体厚tco2を2δ=50〜80μm以下にすれば、表皮
効果によるコイル導体層34及び35の損失をなくすこ
とができる。
【0112】なお、インダクタL1のインダクタンス
は、例えば、0.4μH〜8μHである。
【0113】図7及び図8では、コイル導体層34及び
35の巻き数を6ターンとしている。この巻き数は、4
〜20ターンにするのが適切である。
【0114】また、図7及び図8のインダクタL1は、
図15に示されたDC─DCコンバータを構成するため
のインダクタLとして用いることができる。
【0115】本発明の実施の形態である図7及び図8に
示されたインダクタL1を、図15のDC−DCコンバ
ータのインダクタLとして用いると、駆動周波数を1M
Hz以上にした場合でも、インダクタLで発生する損失
が抑制され小型かつ高効率なDC−DCコンバータの構
成が可能となる。
【0116】さらに、図7及び図8のインダクタL1
は、図3〜図5に示すDC−DCコンバータの回路に使
用することもでき、図6に示される積層型DC−DCコ
ンバータのインダクタLの代りに用いることもできる。
【0117】また、図7及び図8では、コイル導体層3
4の導体幅寸法lW1とコイル導体層35の導体幅寸法l
W2が等しく設定されていが、図9及び図10のように、
コイル導体層34の導体幅寸法lW1とコイル導体層35
の導体幅寸法lW2が異っていてもよい。ただし、導体幅
寸法lW1と導体幅寸法lW2が等しくされている方が、コ
イル導体層34及びコイル導体層35に鎖交する磁束が
増加して、インダクタのインダクタンスが大きくなるの
で好ましい。
【0118】また、コイル導体層34の導体厚lO1とコ
イル導体層35の導体厚l02は等しく設定されてもよい
し、異ならされてもよい。
【0119】また、コイル導体層を3層以上積層して、
それぞれを互いに直列接続したコイル層を形成してもよ
い。
【0120】
【実施例】図1及び図2に示すインダクタLを用いて、
図15に示された降圧型DC−DCコンバータを構成
し、コイル導体層12の導体幅lwを変化させたときの
インダクタLにおける損失を測定した。まず実験の諸条
件について以下に説明する。
【0121】インダクタLを構成するコイル導体層の導
体間隔lsを25μm、導体厚tcoを40μm、さらに
巻き数を6ターンで形成した。また磁性層間の間隔t
gapを70μmとした。
【0122】インダクタLを構成するコイル導体層の導
体幅lwを、10μm〜150μmの間で変化させた。
また、降圧型DC−DCコンバータの出力電力を0.5
Wとした。
【0123】まず、インダクタLの直流抵抗Rdcを測
定する。次に、インダクタLの直流抵抗Rdcと交流抵
抗Racの和RLの値(=Rdc+Rac)をインピー
ダンスメータを用いて測定し、RLの値から直流抵抗R
dcの値を差し引いて交流抵抗Racの値を求めた。
【0124】さらに、インダクタLを流れる電流の直流
成分の大きさをIdcとし、交流成分の実行値Iacを
オシロスコープなどで測定し、インダクタLの損失Wi
=Rdc×(Idc)2+Rac×(Iac)2を実験的に求め
た。さらに、インダクタLの損失とインダクタLの電力
Wとの比Wi/Wを計算した値をプロットした。
【0125】また、インダクタLに入力されるパルス
(交流信号)の周波数を、1MHz、3MHz、4MH
z、5MHz、6MHzとした。図11及び図12に結
果を示す。図12は、図11のグラフからインダクタL
に入力されるパルス(交流信号)の周波数が、3MH
z、4MHz、5MHz、6MHzの場合の結果を抽出
して見やすくしたものであり、データの値は図11と同
じである。
【0126】図11及び図12から、コイル導体層12
の導体幅lwを30μm以上100μm以下にすること
により、インダクタの直流損失及び交流損失を合わせた
損失を約20%以下に低減させることができることがわ
かる。
【0127】また、特にDC−DCコンバータの駆動周
波数が3MHz以上のとき、コイル導体層12の導体幅
wを30μm以上100μm以下にすることにより、
インダクタの直流損失及び交流損失を合わせた損失を5
%以下にできることがわかる。図12から、DC−DC
コンバータの駆動周波数が3MHz以上のとき、コイル
導体層12の導体幅lwが30μm以上100μm以下
である範囲において、インダクタLの損失は、DC−D
Cコンバータの駆動周波数に関係なく、最小値にほぼ等
しいほとんど一定の値を示すことがわかる。
【0128】図13は、図11及び図12に示されたイ
ンダクタLの損失Wiから直流損失Wid=Rdc×(Id
c)2と交流損失Wia=Rac×(Iac)2を分離して示し
たグラフである。
【0129】図13から、直流損失Widは、コイル導体
層12の導体幅lwが細くなると大きくなり、広くなる
と小さくなることがわかる。
【0130】また、交流損失Wiaは、コイル導体層12
の導体幅lwが細くなると小さくなり、太くなると大き
くなることがわかる。コイル導体層12の導体幅lw
変化させたとき、インダクタLに入力される矩形波信号
の周波数が、3MHz、4MHz、5MHz、6MHz
いずれの場合でも、交流損失Wiaはほぼ同じ値を示す。
【0131】直流損失Widのグラフと交流損失Wiaのグ
ラフを重ね合わせると、コイル導体層12の導体幅lw
が30μm以上100μm以下である範囲において、イ
ンダクタLの損失が、DC−DCコンバータの駆動周波
数に関係なく最小値にほぼ等しいほとんど一定の値を示
す図12のグラフが得られる。
【0132】また、コイル導体層12の導体厚tcoが、
インダクタに供給される交流信号の周波数fにおける表
皮厚δ=√(ρ/πfμ)の2倍より薄いと、コイル導
体層12の交流損失の原因となる表皮効果の影響をなく
すことができる。ただし、ρはコイル導体層12を形成
する材料の比抵抗、μはコイル導体層12を形成する材
料の透磁率である。
【0133】コイル導体層12の材料として、銅を用い
ることができる。銅の比抵抗は、理論値でρ=1.78
μΩ・cmであり、また銅の比透磁率μ=1である。コ
イル導体層12の材料が銅であり、駆動周波数が6MH
zのとき表皮厚δは、理論的には、δ=30.7μmで
ある。
【0134】ただし、実際に銅を用いてコイル導体層1
2を形成すると、コイル導体層12の比抵抗は2μΩ・
cm程度となり、このとき、駆動周波数が6MHzのと
きの表皮厚δは、δ=32.6μm程度である。
【0135】また、コイル導体層の材料として銀やアル
ミニウムを用いることもできるが、銀やアルミニウムの
比抵抗は、1.5〜2.5μΩ・cm程度となる。この
とき、駆動周波数が6MHzのときの表皮厚δは、δ=
28〜37μm程度である。
【0136】従って、コイル導体層12の導体厚tco
設定するときには、コイル導体層12の導体厚tcoを2
δ=50〜80μm以下にすれば、表皮効果によるコイ
ル導体層12の損失をなくすことができる。
【0137】本実施例では、コイル導体層の導体厚tco
をtco=40μmとしているので、DC−DCコンバー
タの駆動周波数が1MHz、3MHz、4MHz、5M
Hz、6MHzいずれの場合でも、表皮効果によるコイ
ル導体層12の損失はない。
【0138】従って、図13で示されたインダクタLの
交流損失Wiaは、おもに磁性層11、13における損失
とコイル導体層12における渦電流損失からなる。
【0139】次に、図7及び図8に示すインダクタL1
を用いて、図15に示された降圧型DC−DCコンバー
タを構成し、コイル導体層34の導体幅lw1及びコイル
導体層35の導体幅lw2を変化させたときのインダクタ
L1における損失を測定した。まず実験の諸条件につい
て以下に説明する。
【0140】インダクタL1を構成するコイル導体層3
4及びコイル導体層35の導体間隔ls1及びls2をls1
=ls2=25μm、導体厚tco1及びtco2をtco1=t
co2=40μm、さらに巻き数を4ターンで形成した。
また磁性層間の間隔tgapを15μmとした。
【0141】インダクタL1を構成するコイル導体層3
4及びコイル導体層35の導体幅l w1及びlw2を、20
μm〜120μmの間で変化させた。なお、導体幅lw1
=l w2とした。また、降圧型DC−DCコンバータの出
力電力を0.5Wとした。
【0142】また、インダクタL1に入力されるパルス
(交流信号)の周波数を、1MHz、2MHz、3MH
z、4MHz、5MHzとした。
【0143】図14に結果を示す。図14から、コイル
導体層34及びコイル導体層35の導体幅lw1及びlw2
を40μm以上100μm以下にすることにより、イン
ダクタL1の直流損失及び交流損失を合わせた損失を約
10%以下に低減させることができることがわかる。
【0144】また、特にDC−DCコンバータの駆動周
波数が2MHz以上のとき、導体幅lw1及びlw2を40
μm以上100μm以下にすることにより、インダクタ
L1の直流損失及び交流損失を合わせた損失を6%以下
にできることがわかる。
【0145】図14から、DC−DCコンバータの駆動
周波数が2MHz以上のとき、導体幅lw1及びlw2が4
0μm以上100μm以下である範囲において、インダ
クタL1の損失は、DC−DCコンバータの駆動周波数
に関係なく、最小値にほぼ等しいほとんど一定の値を示
すことがわかる。
【0146】また、駆動周波数が1MHzのときは、導
体幅lw1及びlw2が40μm以上80μm以下の範囲に
あるとき、インダクタL1の直流損失及び交流損失を合
わせた損失を6%以下にできることがわかる。駆動周波
数が1MHzのとき、導体幅lw1及びlw2が40μm以
上80μm以下である範囲において、インダクタL1の
損失は最小値にほぼ等しいほとんど一定の値を示すこと
がわかる。
【0147】本実施例でも、コイル導体層34及びコイ
ル導体層35の導体厚tco1及びtc o2をtco1=tco2
40μmとしているので、DC−DCコンバータの駆動
周波数が1MHz、2MHz、3MHz、4MHz、5
MHzいずれの場合でも、表皮効果によるコイル導体層
34及びコイル導体層35の損失はない。
【0148】従って、インダクタL1の交流損失は、お
もに磁性層31、33における損失とコイル導体層34
及びコイル導体層35における渦電流損失からなる。
【0149】以上、本発明の実施の形態及び実施例とし
て薄膜インダクタについて詳述したが、本発明はコイル
導体層に1次コイルと2次コイルの機能を有する導体を
備えた薄膜トランスのような他の薄膜磁気素子について
も適用できる。
【0150】
【発明の効果】以上、詳細に説明した本発明によれば、
コイル層の上及び/又は下に絶縁層を介して少なくとも
一つの磁性層が形成されて成るインダクティブ素子の、
前記コイル層を形成する前記コイル導体層の導体幅を3
0μm以上100μm以下にすることにより、インダク
ティブ素子の直流損失及び交流損失を合わせた損失を低
減させることができる。
【0151】また、本発明では、少なくともトランジス
タ或いはパワーMOSFETなどのスイッチング素子
と、整流用のダイオードと、エネルギ─蓄積用のインダ
クティブ素子と、平滑用のコンデンサを有するDC─D
Cコンバータにおいて、前記インダクティブ素子を、コ
イル層の上及び/又は下に絶縁層を介して少なくとも一
つの磁性層が形成されて成り、前記コイル層を形成する
コイル導体層の導体幅が30μm以上100μm以下で
あるものとすることにより、インダクティブ素子の直流
損失及び交流損失を合わせた損失を低減させることがで
き、DC−DCコンバータ全体の損失を低減できる。
【0152】なお、本発明では、前記コイル層を直列に
接続された複数層のコイル導体層からなるものとし、前
記重なりあうコイル導体層に電流を同じ向きに流すこと
により、各コイル導体層を流れる電流が発生する磁界が
重なりあい、それぞれのコイル導体層に鎖交する磁束が
増加して、インダクティブ素子のインダクタンスを大き
くすることができる。前記コイル層を、複数層のコイル
導体層を直列に接続したものとしたときには、前記コイ
ル導体層の導体幅を40μm以上100μm以下にする
ことにより、インダクティブ素子の直流損失及び交流損
失を合わせた損失を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるインダクタ(インダクティブ素
子)の構造を示す断面図、
【図2】図1のインダクタのコイル層の平面図、
【図3】昇圧型のDC−DCコンバータを示す回路図、
【図4】プッシュプルDC−DCコンバータを示す回路
図、
【図5】フォワードDC−DCコンバータを示す回路
図、
【図6】本発明の実施の形態として積層型DC−DCコ
ンバータを示す断面図、
【図7】本発明における他の実施の形態のインダクタ
(インダクティブ素子)の構造を示す断面図、
【図8】図7のインダクタのコイル層の平面図、
【図9】本発明のインダクタのコイル導体層の積層構造
の一例を示す部分断面図、
【図10】本発明のインダクタのコイル導体層の積層構
造の一例を示す部分断面図、
【図11】降圧型DC−DCコンバータの、インダクタ
のコイル層の導体幅とインダクタの損失との関係を示す
グラフ、
【図12】降圧型DC−DCコンバータの、インダクタ
のコイル層の導体幅とインダクタの損失との関係を示す
グラフ、
【図13】降圧型DC−DCコンバータの、インダクタ
のコイル層の導体幅と、インダクタの直流損失及び交流
損失との関係を示すグラフ、
【図14】降圧型DC−DCコンバータの、インダクタ
のコイル層の導体幅とインダクタの損失との関係を示す
グラフ、
【図15】降圧型DC−DCコンバータを示す回路図、
【符号の説明】
11、13 磁性層 A 渡り磁束 B 渦電流 C コイル層 L インダクタ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル層の上及び/又は下に絶縁層を介
    して少なくとも一つの磁性層が形成されて成るインダク
    ティブ素子において、前記コイル層を形成するコイル導
    体層の導体幅が30μm以上100μm以下であり、直
    流信号が重畳された交流信号が供給されることを特徴と
    するインダクティブ素子。
  2. 【請求項2】 前記交流信号の周波数fが1MHz以上
    である請求項1に記載のインダクティブ素子。
  3. 【請求項3】 前記交流信号の周波数fが3MHz以上
    である請求項1に記載のインダクティブ素子。
  4. 【請求項4】前記コイル層が単層のコイル導体層から成
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のインダクティブ
    素子。
  5. 【請求項5】 コイル層の上及び/又は下に絶縁層を介
    して少なくとも一つの磁性層が形成されて成るインダク
    ティブ素子において、前記コイル層は、絶縁層を介して
    互いに重なりあうように積層された複数層のコイル導体
    層が直列に接続されたものであり、前記重なりあうコイ
    ル導体層に電流が同じ向きに流れ、かつ各コイル導体層
    の導体幅が40μm以上100μm以下であり、直流信
    号が重畳された交流信号が供給されることを特徴とする
    インダクティブ素子。
  6. 【請求項6】 前記コイル導体層の導体厚が、前記交流
    信号の周波数fにおける表皮厚δ=√(ρ/πfμ)の
    2倍より薄い請求項1ないし5のいずれかに記載のイン
    ダクティブ素子、 ただし、ρは前記コイル導体層を形成する材料の比抵
    抗、μは前記コイル導体層を形成する材料の透磁率であ
    る。
  7. 【請求項7】 インダクタンスが0.1μH〜2μHで
    ある請求項1ないし6のいずれかに記載のインダクティ
    ブ素子。
  8. 【請求項8】 少なくとも、トランジスタなどのスイッ
    チング素子と、整流用のダイオードと、エネルギ─蓄積
    用のインダクティブ素子と、平滑用のコンデンサを有す
    るDC─DCコンバータにおいて、前記インダクティブ
    素子は、コイル層の上及び/又は下に絶縁層を介して少
    なくとも一つの磁性層が形成されて成り、前記コイル層
    を形成するコイル導体層の導体幅が30μm以上100
    μm以下であることを特徴とするDC−DCコンバー
    タ。
  9. 【請求項9】 前記インダクティブ素子に供給される交
    流信号の周波数が1MHz以上である請求項8に記載の
    DC−DCコンバータ。
  10. 【請求項10】 前記インダクティブ素子に供給される
    交流信号の周波数が3MHz以上である請求項8に記載
    のDC−DCコンバータ。
  11. 【請求項11】前記コイル層が単層のコイル導体層から
    成る請求項8ないし10のいずれかに記載のDC−DC
    コンバータ。
  12. 【請求項12】 少なくとも、トランジスタなどのスイ
    ッチング素子と、整流用のダイオードと、エネルギ─蓄
    積用のインダクティブ素子と、平滑用のコンデンサを有
    するDC─DCコンバータにおいて、前記インダクティ
    ブ素子は、コイル層の上及び/又は下に絶縁層を介して
    少なくとも一つの磁性層が形成されて成り、前記コイル
    層は絶縁層を介して互いに重なりあうように積層された
    複数層のコイル導体層が直列に接続されたものであり、
    前記重なりあうコイル導体層に電流が同じ向きに流れ、
    かつ各コイル導体層の導体幅が40μm以上100μm
    以下であることを特徴とするDC−DCコンバータ。
  13. 【請求項13】 前記インダクティブ素子の前記コイル
    導体層の導体厚が、前記交流信号の周波数がfのときの
    表皮厚δ=√(ρ/πfμ)の2倍より薄い請求項8な
    いし12のいずれかに記載のDC−DCコンバータ、 ただし、ρは前記コイル導体層を形成する材料の比抵
    抗、μは前記コイル導体層を形成する材料の透磁率であ
    る。
  14. 【請求項14】 前記インダクティブ素子のインダクタ
    ンスが0.1μH〜2μHである請求項8ないし13の
    いずれかに記載のDC−DCコンバータ。
  15. 【請求項15】 基板上に形成された配線パターン上に
    ダイオード、コンデンサ、スイッチング素子などの素子
    が接続され、前記ダイオード、前記コンデンサ、前記ス
    イッチング素子などの上層或いは同一基板上に、絶縁層
    を介して、前記インダクティブ素子が実装されている請
    求項8ないし14のいずれかに記載のDC−DCコンバ
    ータ。
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