JP2914629B2 - 重量物吊り上げ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エアコン等の重量
物を壁面等の縦面に掛け止め状に据え付けるときに使用
される重量物吊り上げ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、省スペース等の点から、エアコン
の室外機を壁面の高い位置に掛け止め状に据え付けるケ
ースが増加している。この作業は通常、次のようにして
行われる。

【０００３】まず、室外機の架台を壁面に取り付ける。
次に、室外機を持ち上げ、この架台に載せて固定する。
架台としては壁掛け式のものが使用される。架台の一部
を壁面に取り付ける一方、架台の他の部分を室外機に取
り付け、その室外機を持ち上げた状態で架台の連結を行
う場合もある。据え付け位置が高い場合は梯子や簡易タ
イプの昇降機が使用される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、壁面は
縦面のため、この壁面に室外機を据え付ける作業は、地
面や床面といった上向き面に据え置く作業と比べ、本質
的に複雑である。その上、室外機は軽いものでも数十ｋ
ｇあり、重いものでは１００ｋｇを超える。これらのた
め、壁面への据え付け作業は容易でなく、手作業の場合
は４人程度の作業者を必要とする。

【０００５】昇降機を使用すれば、作業者の負担は軽減
されるが、その昇降機は自立式のため、簡易タイプと言
えども大型で重量が嵩み、運搬等が容易でない。

【０００６】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたも
のであり、その目的は、エアコン等の重量物を壁面等の
縦面に掛け止め状に据え付ける際の据え付け作業を容易
にし、しかも、小型軽量で運搬等が容易である重量物吊
り上げ装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る重量物吊り上げ装置は、重量物が据え
付けられる縦方向の据え付け面に着脱可能に固定される
ベース部材と、据え付けるべき重量物と結合され、且つ
ベース部材から垂下するフレキシブルな条材により懸吊
支持される重量物保持部材と、ベース部材から下方に延
出し、前記条材を巻き取ることにより重量物保持部材を
引き上げるウインチを下部に備えた操作部材とを具備す
る。

【０００８】本発明に係る重量物吊り上げ装置において
は、まず、重量物を据え付け面に固定するための架台
を、その据え付け面に取り付ける。また、その架台より
上方に位置して、ベース部材を据え付け面に取り付け
る。次に、ベース部材から垂下した重量物保持部材と重
量物を結合する。そして、ベース部材から下方に延出し
た操作部材の下部に取り付けられたウインチを操作する
ことにより、重量物保持部材を引き上げ架台に載せる。
最後に、据え付け面からベース部材を取り外す。

【０００９】このように、本発明による場合は、支柱を
有しない吊り下げ式の装置により、重量物の吊り上げが
行われる。

【００１０】ベース部材は、重量物の据え付け面に上端
部がねじ止めされ下端部にベース部材の据え付け面側の
端部が連結される縦材と、上端部が縦材の上端部に連結
され下端部にベース部材の反据え付け面側の端部が連結
される斜材とにより、据え付け面に固定される構成が好
ましい。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図１は本発明の第１の実施形
態に係る重量物吊り上げ装置の構造及び使用状態を示す
斜視図、図２は同重量物吊り上げ装置の側面図、図３は
同重量物吊り上げ装置の正面図である。

【００１２】本発明の第１の実施形態は、１つの重量物
吊り上げ装置１０を使用して、エアコンの室外機２０を
壁面４０に据え付ける場合である。架台３０としては壁
掛け式のものが使用される。

【００１３】壁掛け式の架台３０は、据え付け面である
垂直な壁面４０に水平に固定される横材３１と、横材３
１に懸吊される左右一対の縦材３２，３２と、縦材３
２，３２の各下端部に直角に連結された取り付けベース
３３，３３とを備えており、取り付けベース３３，３３
の上に室外機２０を支持することにより、室外機２０を
壁面４０に固定する。

【００１４】重量物吊り上げ装置１０は、架台３０の上
方に位置して壁面４０にほぼ直角に取り付けられる水平
なベース部材１１と、ワイヤ等のフレキシブルな条材１
２によってベース部材１１の中央部に吊り下げられた重
量物保持部材１３と、ベース部材１１の正面側の端部か
ら下方に延出した操作部材１４と、操作部材１４の下端
部に取り付けられたウインチ１５とを備えている。

【００１５】ここでベース部材１１は、補助部材１８，
１９を使用して壁面４０に取り付けられる。補助部材１
８は、上端部がネジ１７により壁面に吊り下げ固定され
る縦材である。その下端部にはベース部材１１の背面側
の端部がねじ止めされると共に、左右一対の張出部１８
ａ，１８ａが設けられている。一方、補助部材１９は、
上端部が補助部材１８の上端部にねじ止めされ、下端部
がベース部材１１の正面側の端部にねじ止めされた斜材
である。

【００１６】条材１２は、ベース部材１１内のピン１１
ａから下方に垂下し、重量物保持部材１３の中央部内に
設けられたプーリ１３ａを経由してベース部材１１に戻
り、ベース部材１１内の２つのプーリ１１ｂ，１１ｃを
経由してベース部材１１の正面側へ出ている。そして、
操作部材１４に沿って垂下してウインチ１５に接続され
ている。これにより、重量物保持部材１３はベース部材
１１の下方に吊り下げられ、且つウインチ１５の操作に
より昇降動作を行う。室外機２０は、バンド１６による
結束により重量物保持部材１３の下方に固定される。

【００１７】操作部材１４は、その上端部がベース部材
１１の正面側の端部にネジにより連結され、そのネジの
操作により任意の傾斜角度に固定される。操作部材１４
は又、長手方向に伸縮可能な２重筒構造であり、この伸
縮によりウインチ１５の高さを調整する。ウインチ１５
はここでは手動式であるが、電動式であってもよいこと
は勿論である。

【００１８】次に、本発明の第１の実施形態における室
外機２０の据え付け方法について説明する。

【００１９】据え付け面である壁面４０に架台３０を取
り付ける。また、補助部材１８，１９を用いて、架台３
０より上方の壁面４０にベース部材１１を取り付ける。
補助部材１８，１９を使用すれば、１本のネジ１７によ
りベース部材１１の取り付けを行うことができる。

【００２０】一方、地上では室外機２０の上面に重量物
保持部材１３をバンド１６により結束固定する。この状
態でウインチ１５を、重量物保持部材１３が上昇する方
向に操作する。これにより、室外機２０が架台３０の取
り付けベース３３，３３より上方に引き上げられ、これ
に載置される。

【００２１】なお本実施形態では、室外機２０の引き上
げを行うにあたって、予め架台３０の全部を壁面４０に
取り付けたが、架台３０のうちの例えば横材３１及び縦
材３２，３２を壁面４０に取り付け、取り付けベース３
３，３３を室外機２０の側に取り付けて、室外機２０の
引き上げを行い、この状態で取り付けベース３３，３３
を縦材３２，３２に連結するようなことも可能である。

【００２２】以上のように、本発明の第１の実施形態に
おいては、１つの重量物吊り上げ装置１０を使用するこ
とにより、室外機２０が据え付け位置へダイレクトに引
き上げられ、簡単にその据え付けが行われ、１００ｋｇ
を超える大型の室外機２０の場合も２人の作業者によ
り、さしたる労力を要することなく据え付けが行われ
る。

【００２３】また、重量物吊り上げ装置１０は、自立式
ではなく、吊り下げ式のため、支柱やその支持部材を必
要しない。従って、非常に小型で軽量であり、運搬が容
易である。補助部材１８，１９を使用すれば、十分な固
定強度が得られる上に、１本のネジ１７によりベース部
材１１の取り付けを行うことができ、且つ、壁面４０に
直角にかかる荷重が左右一対の張出部１８ａ，１８ａに
より分散するので、壁面４０の損傷を最小限度に抑え得
る利点がある。

【００２４】図４は本発明の第２の実施形態に係る重量
物吊り上げ装置の正面図である。

【００２５】本発明の第２の実施形態は、左右一組の重
量物吊り上げ装置１０，１０を使用して、エアコンの室
外機２０を垂直な壁面４０に据え付ける場合である。室
外機２０が重い場合などは、本実施形態のように、左右
一組の重量物吊り上げ装置１０、１０を使用することが
可能である。また、据え付け位置の近傍に軒先面のよう
な下向き面が存在する場合は、この下向き面にベース部
材１１を取り付けることが可能である。

【００２６】フレキシブルな条材１２は、上述の実施形
態では、重量物に対して滑車を利用した２本掛けとされ
ているが、１本掛けでもよい。重量物保持部材１３につ
いては、フック等であってもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上に説明した通り、本発明に係る重量
物吊り上げ装置は、重量物を吊り上げてその据え付け作
業を容易にすることは勿論、重量物据え付け面にベース
部材を取り付ける吊り下げ式であるため、自立のための
支柱及びその支持部材を必要としない。このため、小型
軽量であり、搬送等が非常に容易である。また、吊り下
げ式であることにより、軒先等との干渉がないため、重
量物をその据え付け位置へダイレクトに引き上げること
ができ、この点からも据え付け作業を容易にする。

【００２８】重量物の据え付け面に上端部がねじ止めさ
れ下端部にベース部材の据え付け面側の端部が連結され
る縦材と、上端部が縦材の上端部に連結され下端部にベ
ース部材の反据え付け面側の端部が連結される斜材とを
用いて、ベース部材を据え付け面に固定する場合は、据
え付け面の損傷を最小限に抑え、その面を保護する効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態に係る重量物吊り上げ
装置の構造及び使用状態を示す斜視図である。

【図２】同重量物吊り上げ装置の側面図である。

【図３】同重量物吊り上げ装置の正面図である。

【図４】本発明の第２の実施形態に係る重量物吊り上げ
装置の正面図である。

【符号の説明】

１０ 重量物吊り上げ装置 １１ ベース部材 １２ 条材 １３ 重量物保持部材 １４ 操作部材 １５ ウインチ １６ ベルト ２０ 室外機（重量物） ３０ 架台 ４０ 壁面（据え付け面）

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エアコン等の重量物を壁面等の縦面に掛
   け止め状に据え付けるときに使用される重量物吊り上げ
   装置であって、重量物が据え付けられる縦方向の据え付
   け面に着脱可能に固定されるベース部材と、据え付ける
   べき重量物と結合され、且つベース部材から垂下するフ
   レキシブルな条材により懸吊支持される重量物保持部材
   と、ベース部材から下方に延出し、前記条材を巻き取る
   ことにより重量物保持部材を引き上げるウインチを下部
   に備えた操作部材とを具備することを特徴とする重量物
   吊り上げ装置。
2. 【請求項２】 前記ベース部材は、重量物の据え付け面
   に上端部がねじ止めされ下端部にベース部材の据え付け
   面側の端部が連結される縦材と、上端部が縦材の上端部
   に連結され下端部にベース部材の反据え付け面側の端部
   が連結される斜材とにより、据え付け面に固定されるこ
   とを特徴とする請求項１に記載の重量物吊り上げ装置。