JP2912557B2 - オイルストレーナ - Google Patents

オイルストレーナ

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JP2912557B2
JP2912557B2 JP6263527A JP26352794A JP2912557B2 JP 2912557 B2 JP2912557 B2 JP 2912557B2 JP 6263527 A JP6263527 A JP 6263527A JP 26352794 A JP26352794 A JP 26352794A JP 2912557 B2 JP2912557 B2 JP 2912557B2
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一成 播摩
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オイルストレーナ、
特に、略パイプ状の本体の内部にフィルタが設けられて
なるオイルストレーナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば機械装置や動力装置などの
オイル系統において、循環するオイルを濾過するオイル
ストレーナとして、略パイプ状の合成樹脂製本体の内部
にフィルタを設けたものは公知である。例えば、自動車
等の車両では、通常、エンジンやトランスミッション等
に付設されたオイルパンの上方にかかるオイルストレー
ナを配置し、オイルパンに蓄えられた循環オイルを使用
機器への流入前に濾過するようにしている。
【0003】かかるタイプのオイルストレーナを製作す
る場合、例えば実開平3−119514号公報に示され
るように、略パイプ状の本体を例えば半割り状の2個の
樹脂製分割体として成形しておき、これら分割体の間に
フィルタ(金網)を組み込んだ上で、両者(2個の分割体)
を相互に接合するのが一般的である。この場合、上記金
網フィルタは、両分割体どうしの接合部にその周縁部が
挟み込まれた上で、上記接合部が熱溶着されてパイプ状
本体が形成されると同時に該本体内に固定されるように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
オイルストレーナでは、接合部に金網フィルタを介して
両分割体どうしを溶着接合しているので、この溶着が接
合部全域に渡って完全なものでない場合には、金網のメ
ッシュで形成される隙間に樹脂が十分に浸透できない部
分が生じてこの部分からオイル漏れが発生する場合があ
る。従って、上記接合部の溶着にかなり高い厳密性が求
められ、その作業が難しいものになるという問題があっ
た。
【0005】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、ストレーナ本体を構成する分割体どうしの接合
部からのオイル漏れの可能性を低減してその溶着作業を
比較的容易なものとすることができるオイルストレーナ
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、2個の合成
樹脂製分割体を相互に接合して組み立てられた略パイプ
状のストレーナ本体の内部にフィルタが設けられてなる
オイルストレーナであって、上記ストレーナ本体の内部
には、上記フィルタを係止する係止部と、ストレーナ本
体の一方の開口から他方の開口に向かってその高さが順
次高くなるように設定されて上記フィルタの片面側を支
持する複数の支持リブと、最も高い支持リブよりも他方
の開口側に配置されて上記フィルタの長手方向における
一端部を当て止めるストッパリブとが設けられており、
上記フィルタは、組み立てられた上記ストレーナ本体の
上記一方の開口から該本体の内部に挿入されて、その長
手方向における一端部が上記ストッパリブで当て止めら
れ、且つ、その片面側が上記支持リブで支持された状態
で、上記係止部によってストレーナ本体に係止されるこ
とにより、上記ストレーナ本体の長手方向における中心
線と交叉するように保持されていることを特徴としたも
のである。
【0007】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、2個の合成樹脂製分割体を相互
に接合して組み立てられた略パイプ状のストレーナ本体
の内部にフィルタが設けられてなるオイルストレーナで
あって、上記フィルタはその一側がいずれか一方の分割
体と一体になるように形成されており、上記両分割体を
相互に接合してストレーナ本体を組み立てることによ
り、上記フィルタは上記ストレーナ本体の長手方向にお
ける中心線と交叉するように配置されることを特徴とし
たものである。
【0008】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、2個の合成樹脂製分割体を相互
に接合して組み立てられた略パイプ状のストレーナ本体
の内部にフィルタが設けられてなるオイルストレーナで
あって、上記フィルタは、いずれか一方の分割体の分割
面よりも内側に設けた装着部に装着されていることを特
徴としたものである。
【0009】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記フィル
タは、上記ストレーナ本体組立後に該本体の一方の開口
から該本体の内部に挿入され、その長手方向における一
端部が上記ストッパリブで当て止められ、且つ、その片
面側が上記支持リブで支持された状態で、上記係止部に
よってストレーナ本体に係止されるので、分割体どうし
を接合してストレーナ本体を組み立てるに際して、接合
部にフィルタを介することなく接合することができる。
この結果、該接合部の接合力が大幅に高まり、接合部か
らのオイル漏れの可能性を著しく低減することができ
る。これにより、オイル漏れに対する信頼性を十分に確
保した上で、接合作業を容易にすることが可能になる。
この場合において、上記フィルタはストレーナ本体の長
手方向における中心線と交叉するように配置されるの
で、該ストレーナ本体内部への挿入作業を比較的容易に
行うことができる。また、上記オイルストレーナは、使
用済みで廃棄すべき状態となった際には、フィルタに金
網が用いられている場合であっても、材料樹脂のリサイ
クルに先立ってフィルタを樹脂製のストレーナ本体から
取り外すことができる。つまり、破砕前の材料の選別が
極めて容易となり、リサイクルを行う上で有利になる。
【0010】また、本願の第2の発明によれば、上記フ
ィルタはその一側がいずれか一方の分割体と一体になる
ように形成されているので、上記両分割体を相互に接合
してストレーナ本体を組み立てるに際して、接合部にフ
ィルタを介することなく接合することができる。この結
果、該接合部の接合力が大幅に高まり、接合部からのオ
イル漏れの可能性を著しく低減することができる。これ
により、オイル漏れに対する信頼性を十分に確保した上
で、接合作業を容易にすることが可能になる。
【0011】更に、本願の第3の発明によれば、上記フ
ィルタは、いずれか一方の分割体の分割面よりも内側に
設けた装着部に装着されているので、上記両分割体を相
互に接合してストレーナ本体を組み立てるに際して、接
合部にフィルタを介することなく接合することができ
る。この結果、該接合部の接合力が大幅に高まり、接合
部からのオイル漏れの可能性を著しく低減することがで
きる。これにより、オイル漏れに対する信頼性を十分に
確保した上で、接合作業を容易にすることが可能にな
る。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。まず、本発明の第1実施例につい
て説明する。図1は本実施例に係るオイルストレーナ1
の平面説明図、図2は図1におけるA−A線に沿った縦
断面説明図である。これらの図に示すように、上記オイ
ルストレーナ1では、そのストレーナ本体2が2個の半
割り状の分割体3,4を相互に接合して略パイプ状に組
み立てられ、該ストレーナ本体2の内部にフィルタ5が
配設されている。上記オイルストレーナ1は、例えば、
自動車のエンジンのオイル系統に用いられるもので、そ
の使用時の配置構造については具体的に図示しなかった
が、エンジンのオイルポンプとオイルパンとの間に配置
され、オイルパンに蓄えられた循環オイルをオイルポン
プへの流入前に濾過するものである。
【0013】上記分割体3,4はいずれも合成樹脂製
で、上側分割体3の上端側にストレーナ本体2をエンジ
ン(不図示)側に接続するための出口フランジ部2fが一
体成形される一方、下側分割体4の下端側にはオイルパ
ン(不図示)内に位置させられる入口開口部2iが形成さ
れている。上記分割体3,4の接合面は、より好ましく
は、オイルストレーナ1の長手方向における中心線L1
を含む平面内に形成されており、図3に詳しく示すよう
に、両分割体3,4を各々の接合面3f,4fどうしが当接
するように組み合わせることにより、接合部6の外周に
凹部6aが形成されるようになっている。
【0014】本実施例では、より好ましくは、上記両分
割体3,4が所謂ダイスライドインジェクション法(DS
I法)によって成形され相互に接合される。すなわち、
互いにスライド可能に組み合わされた一対の金型のそれ
ぞれに各分割体3,4の成形部を形成しておき、これら
成形部に溶融樹脂を射出して各分割体3,4を成形した
後、上記金型を互いにスライドさせることにより、両分
割体3,4を各々の接合面3f,4fどうしが当接するよう
に組み合わせ、両分割体3,4どうしの接合部6の外周
に形成された凹部6a内に接合用の合成樹脂を射出して
両者3,4を相互に接合するようにしている。
【0015】この場合、上記両分割体3,4は、従来の
ように各分割体の接合面間に金網フィルタを介設するこ
となく、両接合面3f,4fどうしが互いに直接に押し当
てられるようにして接合されるので、その接合力が大幅
に高められ、オイル漏れが生じる心配のない確実な接合
を行うことができる。尚、上記DSI法は従来から良く
知られている方法と同じものであるので、該方法で成形
するための装置・金型等の具体的な構造の図示およびそ
の作動の詳細な説明は省略する。また、上記両分割体
3,4どうしの接合は、他の通常の溶着法によって行う
ようにしても良い。
【0016】上記ストレーナ本体2内に配設されるフィ
ルタ5は、より好ましくは、合成樹脂で一体成形されて
おり、図4に示すように、略はしご状のフレーム5aで
構成される略矩形状の空間部分に所定メッシュの網状部
5bを設けて形成されており、上記フレーム5aの一端の
両側を延長して脚部5c,5cが設けられている。この各
脚部5cの端部近傍の外側には、フィルタ5をストレー
ナ本体2の内部に係止して取り付けるためのフック部5
dが設けられている。尚、本実施例では、上記各分割体
3,4およびフィルタ5を成形するに際して、その成形
用の樹脂材料として、例えば、ガラス強化繊維を約30
%含有したナイロン樹脂を用いた。
【0017】上記ストレーナ本体2の内部には、フィル
タ5の下面側を支持するために、入口側から出口側に向
かって所定間隔に配置された支持リブ7A,7B,7Cが
ストレーナ本体2の壁部に沿って上方に延びるように配
設されており、各支持リブ7A,7B,7Cの高さは、入
口側から出口側に向かうに連れて高くなるように設定さ
れ、より好ましくは、最も入口側に位置する支持リブ7
Aの上端はストレーナ本体2の中心線L1よりも下方に
位置し、最も出口側に位置する支持リブ7Cの上端は上
記中心線L1よりも上方に位置するように設定されてい
る。また、最も出口側の支持リブ7Cよりも出口側に
は、フィルタ5の上端部を当て止めるストッパリブ7D
が、ストレーナ本体2の壁部に沿って下方に延びるよう
に設けられている。尚、図2に示した例では、上記各リ
ブ7A,7B,7C,7Dのうち支持リブ7B及び7Cは
上下の分割体3,4を組み合わせた際に形成される一
方、支持リブ7Aは下側分割体4内に、またストッパリ
ブ7Dは上側分割体3内にそれぞれ単独で形成されてい
る。
【0018】また、上記ストレーナ本体2の内部には、
フィルタ5の上方への移動や振れを規制するために、押
さえリブ8A,8Bがストレーナ本体2の壁部に沿って
下方に延びるように設けられている。これら押さえリブ
8A,8Bは、入口側のもの8Aが下側分割体4内に、
出口側のもの8Bが上側分割体3内にそれぞれ形成され
ている。更に、上記ストレーナ本体2の内部には、図5
に示すように、本体入口側の壁部2wに、フィルタ5の
各脚部5cに設けられたフック部5dと係合してフィルタ
5を係止する一対の係止爪9(図5に片側のみ図示)が設
けられている。
【0019】以上の構成において、上下の分割体3,4
どうしを相互に接合してストレーナ本体2を組み立てた
後、上記フィルタ5がストレーナ本体2の入口開口部2
iから本体2の内部に挿入される。フィルタ5は、上記
支持リブ7A,7B,7Cおよび押さえリブ8A,8Bに
沿って、その上端部がストッパリブ7Dで当て止められ
るまで挿入され、その脚部5cが上記係止爪9,9で係止
される。つまり、上記脚部5cを(つまりフィルタ5を)
ストレーナ本体2の壁部2wに沿って、図5における矢
印の方向に挿入することにより、各脚部5cのフック部
5dが上記各係止爪9に係合し、フィルタ5がストレー
ナ本体2の内部に係止されるようになっている。このと
き、フィルタ5は、入口側から出口側に向かってその高
さが順次高くなるように設定された上記支持リブ7A,
7B,7Cで、その下側が支持されるので、ストレーナ
本体2の内部において、該ストレーナ本体2の長手方向
における中心線L1と交叉するように配置されることに
なる。換言すれば、該中心線L1を下方から上方に向か
って横切るように配置されるので、上記フィルタ5をス
トレーナ本体2の下方側に位置する入口開口部2iから
ストレーナ本体2の内部に挿入する際に、比較的容易に
挿入作業を行うことができる。
【0020】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記フィルタ5は、上記ストレーナ本体2の組立後
に該本体2のいずれか一方の開口(本実施例では入口開
口部2i)から該本体2の内部に挿入され、本体壁部2w
に設けられた上記係止部9,9でストレーナ本体2に係
止されるので、分割体3,4どうしを接合してストレー
ナ本体2を組み立てるに際して、接合部6にフィルタを
介することなく接合することができる。この結果、該接
合部6の接合力が大幅に高まり、接合部6からのオイル
漏れの可能性を著しく低減することができる。これによ
り、オイル漏れに対する信頼性を十分に確保した上で、
接合作業を容易にすることが可能になる。この場合にお
いて、上記フィルタ5はストレーナ本体2の長手方向に
おける中心線L1と交叉するように配置されるので、該
ストレーナ本体2の内部への挿入作業を比較的容易に行
うことができる。
【0021】また、本実施例では、ストレーナ本体2だ
けでなく、フィルタ5も合成樹脂製としたので、オイル
ストレーナ1の全部品を合成樹脂で形成することができ
る。従って、使用済みで廃棄すべき状態となった場合に
は、オイルストレーナ1全体をそのまま破砕することが
でき、材料樹脂を再生して使用する際のリサイクル性を
より高めることができるのである。
【0022】尚、上記実施例では、フィルタ5は合成樹
脂で形成されていたが、フィルタの網状部のみあるいは
フィルタ全体を金属製とした場合でも、オイルストレー
ナが使用済みで廃棄すべき状態となった際には、材料樹
脂のリサイクルに先立ってフィルタを樹脂製のストレー
ナ本体から取り外すことができる。この場合、治具等を
用いてフィルタの脚部を内側にたわませるなどして、係
止爪による係合状態を解除すれば良い。これにより、破
砕前の材料の選別が極めて容易となり、リサイクルを行
う上で有利になる。
【0023】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図6は本実施例に係るオイルストレーナ21の平面
説明図、図7は図6におけるC−C線に沿った縦断面説
明図である。これらの図に示すように、上記オイルスト
レーナ21では、そのストレーナ本体22が2個の分割
体23,24を相互に接合して略パイプ状に組み立てら
れ、該ストレーナ本体22の内部にフィルタ25が配設
されている。上記分割体23,24はいずれも合成樹脂
製で、上記ストレーナ本体22には、第1実施例におけ
る場合と同様に、その入口側に入口開口部22iが、ま
た、出口側には接続フランジ部22fが設けられてい
る。尚、本実施例では、上記第1実施例の場合と同様の
合成樹脂材料を用いて上記両分割体23,24の成形を
行った。
【0024】図8および図9から良く分かるように、本
実施例では、上記両分割体23,24のうち、上側分割
体23は断面略U字状に形成される一方、下側分割体2
4は断面平板状に形成されており、この下側分割体24
に上記フィルタ25が一体に成形されている。つまり、
該フィルタ25は、下端側が下側分割体24と一体で上
端側が自由端となるように一体に立設されている。尚、
上記フィルタ25を下側分割体24の成形時に一体成形
する代わりに、両者をそれぞれ別体で成形しておき、ス
トレーナ本体22の組立前に接合してユニット化するよ
うにしても良い。この場合には、フィルタ全体あるいは
網状部分のみを金属製とすることもできる。
【0025】一方、上側分割体23には、その天井部に
フィルタ25の上端(自由端)側を係止する係止部として
の溝部23aが形成されており、上下の分割体23,24
を組み合わせた際には、フィルタ25の上端部がこの溝
部23a内に嵌合されて係止され、その横方向への振れ
が規制されるようになっている。上記フィルタ25は下
側分割体24の長手方向における中心線に対して斜め方
向に延びるように、また、上記溝部23aは上側分割体
23の長手方向中心線に対して同じ斜め方向に延びるよ
うに設定されており、両分割体23,24を相互に組み
立てた際には、上記フィルタ25は、ストレーナ本体2
2の長手方向における中心線L2に対して斜め方向に延
び、この中心線L2と交叉するようになっている。この
ようにフィルタ25が上記中心線L2と交叉するように
配置されることにより、フィルタ25を上記のように一
方の分割体(下側分割体24)と一体成形した場合にで
も、ストレーナ本体22の組立時、オイルストレーナ2
1の入口側と出口側とを、容易にフィルタ25を介して
仕切ることができる。
【0026】以上のように構成されたオイルストレーナ
21を組み立てる際には、下側分割体24に一体成形さ
れた上記フィルタ25の上端部が上側分割体23に設け
られた上記溝部23a内にはまり込むように両分割体2
3,24を組み合わせた上で、これら分割体23,24の
接合面23f,24fどうしを互いに当接させて熱溶着さ
せる。この場合においても、上記両分割体23,24
は、従来のように各分割体の接合面間に金網フィルタを
介設することなく、両接合面23f,24fどうしが互い
に直接に押し当てられるようにして接合されるので、そ
の接合部26での接合力が大幅に高められ、オイル漏れ
が生じる心配のない確実な接合を行うことができる。
【0027】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記フィルタ25はその下端側が下側分割体24と
一体になるように該下側分割体24に一体成形するよう
にしたので、上下の分割体23,24を相互に接合して
ストレーナ本体22を組み立てるに際して、接合部26
にフィルタを介することなく接合することができる。こ
の結果、該接合部26の接合力が大幅に高まり、接合部
26からのオイル漏れの可能性を著しく低減することが
できる。これにより、オイル漏れに対する信頼性を十分
に確保した上で、接合作業を容易にすることが可能にな
る。
【0028】特に、両分割体23,24だけでなく、上
記フィルタ25も合成樹脂製であるので、オイルストレ
ーナ21の全部品を合成樹脂で形成することができる。
従って、使用済みで廃棄すべき状態となった場合には、
オイルストレーナ21全体をそのまま破砕することがで
き、材料樹脂を再生して使用する際のリサイクル性をよ
り高めることができるのである。また、上記下側分割体
24とフィルタ25とを樹脂成形の段階で一体成形する
ようにしたので、オイルストレーナ組立時の取扱い部品
点数を削減することができる。
【0029】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。図10は本実施例に係るオイルストレーナ31の平
面説明図、図11は図10におけるF−F線に沿った縦
断面説明図である。これらの図に示すように、上記オイ
ルストレーナ31では、そのストレーナ本体32が2個
の分割体33,34を相互に接合して略パイプ状に組み
立てられ、該ストレーナ本体32の内部にフィルタ35
が配設されている。上記分割体33,34はいずれも合
成樹脂製で、上記ストレーナ本体32には、第1及び第
2実施例における場合と同様に、その入口側に入口開口
部32iが、また、出口側には接続フランジ部32fが設
けられている。そして、上記フィルタ35は、ストレー
ナ本体32の上下の型割面F3に沿って該ストレーナ本
体32内に配設されている。尚、本実施例では、上記第
1及び第2実施例の場合と同様の合成樹脂材料を用いて
上記両分割体33,34の成形を行った。
【0030】上記フィルタ35は、より好ましくは、合
成樹脂で一体成形されており、図12〜図14に示すよ
うに、上下の型割面F3におけるストレーナ本体32の
内周に略沿った周縁フレーム35bと長手方向における
中心線に沿った中央フレーム35cとでなるフレーム体
35aと、該フレーム体35aで形成された空間部分に設
けられた所定メッシュの網状体35dとを備えて構成さ
れており、該網状体35dは、例えば図15に示すよう
に、所定の断面形状(本実施例では、例えば、一辺の長
さが約0.5mmの正方形断面)を有するストラッド状の合
成樹脂ファイバ35e,…,35eを直角に交叉させて網状
に形成したものである。尚、本実施例では、上記フィル
タ35を成形するに際して、その成形用の樹脂材料とし
て、例えば、ガラス強化繊維を約15%含有したナイロ
ン樹脂(PA66)を用いた。
【0031】本実施例では、図16に示すように、例え
ば上側分割体33に、その分割面33fの内周部分を所
定量掘り下げてリング状の段部33aが設けられてお
り、この段部33aにフィルタ35の周縁フレーム35b
をはめ込むことにより、該フィルタ35を上側分割体3
3に装着するようになっている。尚、上記のようなフィ
ルタ装着用の段部を下側分割体34に設けるようにして
も良い。上記段部33aの深さは、上記周縁フレーム3
5bの高さよりも所定量大きく設定されており、フィル
タ35を上記上側分割体33に装着した状態では、フィ
ルタ35の下面が、上側分割体33の分割面33fより
も内側(上側)に位置するようになっている。
【0032】このようにしてフィルタ35を上側分割体
33に装着した後、上下の分割体33,34の接合が行
なわれる。この場合、両分割体33,34の各分割面3
3f,34fをそれぞれ接合面とし、これら両接合面33
f,34fどうしが当接するように組み合わせ、両分割体
33,34どうしの接合部36を例えば熱板溶着によっ
て溶着接合するようにしている。このとき、上記両分割
体33,34は、従来のように各分割体の接合面間に金
網フィルタを介設することなく、両接合面33f,34f
どうしが互いに直接に押し当てられるようにして接合さ
れるので、その接合力が大幅に高められ、オイル漏れが
生じる心配のない確実な接合を行うことができる。
【0033】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記フィルタ35は、いずれか一方の分割体(本実
施例では上側分割体33)の分割面33fよりも内側に設
けた段部33aに装着されているので、分割体33,34
どうしを相互に接合してストレーナ本体32を組み立て
るに際して、接合部36にフィルタを介することなく接
合することができる。この結果、該接合部36の接合力
が大幅に高まり、接合部36からのオイル漏れの可能性
を著しく低減することができる。これにより、オイル漏
れに対する信頼性を十分に確保した上で、接合作業を容
易にすることが可能になる。
【0034】また、本実施例では、ストレーナ本体32
だけでなく、フィルタ35も合成樹脂製としたので、オ
イルストレーナ31の全部品を合成樹脂で形成すること
ができる。従って、使用済みで廃棄すべき状態となった
場合には、オイルストレーナ31全体をそのまま破砕す
ることができ、材料樹脂を再生して使用する際のリサイ
クル性をより高めることができるのである。
【0035】尚、上記実施例では、フィルタ35は合成
樹脂で形成されていたが、本実施例で開示された発明に
係るオイルストレーナ31の構造は、フィルタの網状部
のみあるいはフィルタ全体を金属製とした場合でも、有
効に適用することができるものである。
【0036】図17は、上記第3実施例の変形例を示し
たものである。この変形例では、下側分割体44の分割
面44fの内周部分に、上側分割体43の分割面43fの
内周部分に形成した段部43aに嵌合し得る所定高さの
リング状の突起部44aが設けられている。上記段部4
3aの深さは、フィルタ45の周縁フレーム45bの高さ
と上記突起部44aの高さに応じて適当に設定されてお
り、フィルタ45が上記段部43aに装着された後、両
分割体43,44が接合部46で溶着接合された状態で
は、フィルタ45の周縁フレーム45bの上下方向の動
きが上記突起部44aで規制され、フィルタ45のガタ
ツキを防止できるようになっている。
【0037】尚、本発明は、以上の実施態様に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、
種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言
うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るオイルストレーナ
の平面説明図である。
【図2】 図1におけるA−A線に沿った縦断面説明図
である。
【図3】 図2におけるB−B線に沿った縦断面説明図
である。
【図4】 上記オイルストレーナに組み込まれたフィル
タの斜視図である。
【図5】 上記オイルストレーナの本体とフィルタとの
係合部を示す説明図である。
【図6】 本発明の第2実施例に係るオイルストレーナ
の平面説明図である。
【図7】 図6におけるC−C線に沿った縦断面説明図
である。
【図8】 図7におけるD−D方向の矢視図である。
【図9】 図7におけるE−E線に沿った縦断面説明図
である。
【図10】 本発明の第3実施例に係るオイルストレー
ナの平面説明図である。
【図11】 図10におけるF−F線に沿った縦断面説
明図である。
【図12】 上記第3実施例に係るオイルストレーナに
組み込まれたフィルタの平面説明図である。
【図13】 図12におけるH−H線に沿った縦断面説
明図である。
【図14】 図13におけるJ−J線に沿った縦断面説
明図である。
【図15】 上記第3実施例に係るフィルタの網状体を
拡大して示す斜視図である。
【図16】 図11におけるG−G線に沿った縦断面説
明図である。
【図17】 上記第3実施例の変形例の要部を示す縦断
面説明図である。
【符号の説明】
1,21,31…オイルストレーナ 2,22,32…ストレーナ本体 2i…入口開口部 3,23,33,43…上側分割体 4,24,34,44…下側分割体 5,25,35,45…フィルタ 9…係止爪 L1,L2…長手方向中心線 33a,43a…段部 33f,43f…分割面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01M 11/03 B01D 35/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個の合成樹脂製分割体を相互に接合し
    て組み立てられた略パイプ状のストレーナ本体の内部に
    フィルタが設けられてなるオイルストレーナであって、 上記ストレーナ本体の内部には、上記フィルタを係止す
    る係止部と、ストレーナ本体の一方の開口から他方の開
    口に向かってその高さが順次高くなるように設定されて
    上記フィルタの片面側を支持する複数の支持リブと、最
    も高い支持リブよりも他方の開口側に配置されて上記フ
    ィルタの長手方向における一端部を当て止めるストッパ
    リブとが設けられており、上記フィルタは、組み立てら
    れた上記ストレーナ本体の上記一方の開口から該本体の
    内部に挿入されて、その長手方向における一端部が上記
    ストッパリブで当て止められ、且つ、その片面側が上記
    支持リブで支持された状態で、上記係止部によってスト
    レーナ本体に係止されることにより、上記ストレーナ本
    体の長手方向における中心線と交叉するように保持され
    ていることを特徴とするオイルストレーナ。
  2. 【請求項2】 2個の合成樹脂製分割体を相互に接合し
    て組み立てられた略パイプ状のストレーナ本体の内部に
    フィルタが設けられてなるオイルストレーナであって、 上記フィルタはその一側がいずれか一方の分割体と一体
    になるように形成されており、上記両分割体を相互に接
    合してストレーナ本体を組み立てることにより、上記フ
    ィルタは上記ストレーナ本体の長手方向における中心線
    と交叉するように配置されることを特徴とするオイルス
    トレーナ。
  3. 【請求項3】 2個の合成樹脂製分割体を相互に接合し
    て組み立てられた略パイプ状のストレーナ本体の内部に
    フィルタが設けられてなるオイルストレーナであって、 上記フィルタは、いずれか一方の分割体の分割面よりも
    内側に設けた装着部に装着されていることを特徴とする
    オイルストレーナ。
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