JP2912428B2 - ロック装置及び同装置を用いたラッチ装置 - Google Patents

ロック装置及び同装置を用いたラッチ装置

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JP2912428B2 JP17694190A JP17694190A JP2912428B2 JP 2912428 B2 JP2912428 B2 JP 2912428B2 JP 17694190 A JP17694190 A JP 17694190A JP 17694190 A JP17694190 A JP 17694190A JP 2912428 B2 JP2912428 B2 JP 2912428B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ハート形のカム溝を利用したロック装置
及び同装置を用いたラッチ装置の改良に関する。
[従来の技術] 従来、この種のロック装置ないしはラッチ装置として
は、固定部材と、この固定部材に保持されて、往復動す
る可動部材と、固定部材と可動部材との間に設けられ、
可動部材を往復動の少なくとも一方向に向かって付勢す
る付勢手段と、この付勢手段の付勢力に抗して、可動部
材をその往復動の途中のロック位置に停止させる停止装
置とを備えたものが知られている(例えば実開昭62−49
209号公報、実開昭62−169578号公報、実開昭62−17825
45号公報、特開昭63−199141号公報、特開昭63−255145
号公報、特開昭64−6483号公報、特開昭64−15546号公
報等)。
上記停止装置は、固定部材と可動部材とのいずれか一
方に刻設され、ハート島を中心とするカム溝と、このカ
ム溝の底をトレースし、固定部材と可動部材とのいずれ
か他方に軸止されたロックピンと、このロックピンをカ
ム溝の底に向かって押圧する押圧手段とから構成されて
いた。
さらに、上記カム溝は、ハート島の尖った先端部に向
かって延びた導入路と、この導入路より徐々に浅くなり
ながら、ハート島の一側に沿って延びた往路と、この往
路の最浅端より一段深くなり、且つ行き止まりの折返部
と、この折返部に隣接すると共に、折返部よりさらに一
段深くなり、ハート島の他端部中央のハート形の窪部に
沿った停止部と、この停止部に隣接し、停止部より一段
深くなってハート島の他側に向かって延び、且つ行き止
まりの脱出部と、この脱出部より徐々に浅くなりなが
ら、ハート島の他側に沿って延び、前記導入路に連通す
ると共に、その最浅端が導入路の底より一段浅くなった
復路とを備えていた。
そして、ロックピンの先端部が、カム溝の停止部には
まり込んだロック位置で、カム溝の停止部により付勢手
段の付勢力を受け止めていた。このロック状態を解除す
るには、可動部材を付勢手段の付勢方向とは逆向きに押
し込むことで、ロックピンの先端部が、カム溝の停止部
から、この停止部に隣接する脱出部に進むことで、ロッ
ク状態を解除していた。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記した従来のロック装置ないしはラッチ装
置では、そのロック位置において、付勢手段の付勢方向
と同じ向きに、該付勢手段の付勢力より大きな外力が可
動部材に作用すると、ロックピンの先端部がカム溝の停
止部に引っ掛かった状態で、該外力に抗しようする。こ
のため、外力により、可動部材が破損してしまったり、
又、ロックピンが曲がったり、逆にハート島が削られた
り、或は欠けてしまい、ロック装置を破損してしまうこ
とがあるという問題点があった。
そこで、本発明は、上記した従来の技術の有する問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、ロック装置を破損させることなく、そのロック状態
の強制解除が行われるようにしたロック装置を提供する
ことにある。
又、請求項2記載のロック装置は、上記した目的に加
え、ロック状態の強制解除動作がスムーズに行なわれる
ようにしたものである。
さらに、請求項3記載のラッチ装置は、上記した請求
項1記載のロック装置をラッチ装置に用いたものであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記した目的を達成するためのものであ
り、以下にその内容を図面に示した実施例を用いて説明
する。
請求項1記載のロック装置は、ハート島(51)に、そ
の中央を縦断して、停止部(55)から導入路(52)に向
かって延びた溝状のバイパス路(58)を形成すると共
に、このバイパス路の停止部に臨む始端部(58a)を、
該停止部の底より一段浅く形成したことを特徴とする。
請求項2記載のロック装置は、ロックピン(60)の先
端部(61)と、バイパス路(58)の始端部(58a)との
間に、ロックピンの先端部を押圧手段(例えば押えバネ
70)の押圧力に抗してはね上げるテーパ部(例えばバイ
パス路58の始端部58aに形成したテーパ部58a)を形成し
たことを特徴とする。
請求項3記載のラッチ装置は、ハート島に、その中央
を縦断して、停止部から導入路に向かって延びた溝状の
バイパス路(58)を形成すると共に、このバイパス路の
停止部に臨む始端部(58a)を、該停止部の底より一段
浅く形成したことを特徴とする。
[作用] したがって、請求項1記載のロック装置によれば、そ
のロック位置において、付勢手段(例えばスプリング4
0)の付勢方向と同じ向きに、該付勢手段の付勢力より
大きな外力が可動部材(例えば摺動体30)に作用する
と、ロックピン(60)の先端部(61)が、カム溝(50)
の停止部(55)よりバイパス路(58)を通って導入路
(52)に導かれることで、ロック装置(10)のロック状
態が強制的に解除される。
請求項2記載のロック装置によれば、そのロック位置
において、付勢手段(例えばスプリング40)の付勢方向
と同じ向きに、該付勢手段の付勢力より大きな外力が可
動部材(例えば摺動体30)に作用すると、ロックピン
(60)の先端部(61)が、バイパス路(58)の始端部
(58a)との間のテーパ部(例えばバイパス路58の始端
部58aに形成したテーパ部58c)の作用により、押圧手段
(例えば押えバネ70)の押圧力に抗してはね上げられ
て、停止部(55)の底より一段浅くなったバイパス路の
始端部より、該バイパス路を通って導入路(52)に導か
れることで、ロック状態が強制的に解除される。
請求項3記載のラッチ装置によれば、そのロック位置
において、摺動体(30)を固定筒(20)の開放前面より
無理に引き出そうとすると、ロックピン(60)の先端部
(61)が、カム溝(50)の停止部(55)よりバイパス路
(58)を通って導入路(52)に導かれることで、ロック
装置(10)のロック状態が強制的に解除される。
[実施例] 以下に本発明を図面に示した実施例に基づき説明す
る。
第1〜8図は、本発明の第1実施例を示すものであ
り、第1図は要部横断面図、第2図は下半部を横断面図
にした平面図、第3図は側面図、第4図は第2図のIV−
IV線に沿う断面図、第5図は摺動体の要部縦断面図、第
6図は摺動体のカム溝の拡大平面図、第7図はカム溝の
要部縦断面図、第8図は動作状態を示す第4図に対応す
る断面図を各々示す。
図中、10は、ロック装置としてのラッチ装置を示し、
本装置10は例えばテレビジョンの置き台(図示せず)の
開閉扉Dを、閉位置にロックするのに使用する。本実施
例では、観音開き状に左右外向きに開く2枚の開閉扉D
を、各々閉位置にロックできるように、2個のラッチ装
置を一体に組み込んでいる。
上記ラッチ装置10は、第4図に示すように、固定部材
としての前面が開放した左右対称な一対の中空室21,21
を有する固定筒20と、この固定筒20の各中空室21内に各
々スライド可能に保持されて、係合部材としての各開閉
扉Dの縁部と係脱する左右一対の摺動体30,30と、固定
筒20と各摺動体30との間に各々設けられ、摺動体30を固
定筒20の開口前面に向かって付勢する付勢手段としての
2本の圧縮コイルスプリング40,40と、各スプリング40
の圧縮復元力に抗して、各摺動体30を固定筒20の各中空
室21内に収納されたロック位置に各々停止させる各1個
の停止装置とを備える。
上記各停止装置は、第1〜4図に示すように、固定筒
20と各摺動体30とのいずれか一方、ここでは摺動体30に
各々刻設され、ハート島51を中心とするカム溝50と、各
カム溝50の底をトレースし、固定筒20と各摺動体30との
いずれか他方、ここでは固定筒20に各々軸止されたロッ
クピン60と、各ロックピン60をカム溝50の底に向かって
押圧する押圧手段としての押えバネ70とを備える。
上記固定筒20は、第1〜4図に示すように、前面が開
放した中空角筒形を成し、底壁80、左右側壁90,90、上
壁100及び後壁110とから構成し、その内部中央に仕切壁
120を設けることで、左右の中空室21を形成し、例えば
剛性に富む、PPO(ポリフェニレンオキシド)等の熱可
塑性樹脂で一体成形する。
上記底壁80の前縁部には、第4図に示すように、前方
に張り出した張出縁81を有し、この張出縁81の先端上面
には、斜め下向きに傾斜し、後述するが摺動体30の下面
に摺接する傾斜面82を形成する。
又、底壁80の後縁部には、第4図に示すように、前記
押えバネ70の一端部がはまり込む窓部83を形成する。押
えバネ70は、第4図に示すように、断面が略々コ字形の
金属板バネから成り、そのバネ性を利用して、横に張り
出した上下片を、固定筒20の上壁100と底壁80とに合わ
せて後方よりはめ込み、下片の自由端を底壁80の前記窓
部83を通して中空室21内に突出させる。
固定筒20の後壁110には、第1,4図に示すように、ロッ
クピン60を軸止する軸穴111を下向きに開設する。ロッ
クピン60は、第1,4図に示すように、金属製の線材を略
々コ字形に折り曲げて形成し、その基軸部62を後壁110
の上記軸穴111に下方より挿入し、他端自由端部を中空
室21内に突出させ、その先端部61を摺動体30のカム溝50
内に下方より突入させる。
したがって、ロックピン60は、後壁110の軸穴111を中
心に旋回可能に、且つ該軸穴111に対して垂直方向に少
し上下動可能に軸止されると共に、前記押えバネ70のバ
ネ復元力により、摺動体30のカム溝50の底に向かい、下
方より上方に向かって付勢される。
又、固定筒20の後壁110の内側面には、第2,4図に示す
ように、中空室21の開口前面に向かって途中まで延びた
ボス112を一体に突設し、このボス112にスプリング40の
一端部を通し、摺動体30との間で弾縮する。
さらに、固定筒20の左右側壁90には、第1〜3図に示
すように、下部中央から左右外向きに張り出した左右一
対の取付片91,91を設け、両取付片91を使用して、図示
しないが、置き台の内部に固定する。
前記各摺動体30は、第1〜4図に示すように、カム溝
50を有するスライダ130と、このスライダ130の前部に軸
止され、開閉扉Dと係合するフック部材140とから構成
され、スライダ130とフック部材140とは個別に、例えば
適度な弾性と剛性とを有する。POM(ポリオキシメチレ
ン)等の熱可塑性樹脂で一体成形する。
上記カム溝50は、第1,4,6図に示すように、スライダ1
30の下面にハート島51を中心に刻設され、ハート島51
は、一端部に尖った先端部51aと、その他端部中央にハ
ート形に窪んだ窪部51bとを有し、窪部51bをスライダ13
0の前方に、先端部51aを後方に各々位置させる。
上記カム溝50は、第6図に示すように、ハート島51の
尖った先端部51aに向かって、後方より前方に向かって
直線的に延びた導入路52と、この導入路52より徐々に浅
くなりながら、ハート島51の一側に沿って湾曲しながら
延びた往路53と、この往路53の最浅端53aより一段深く
なり、ハート島51の他端部を越えて前方に短く延び、且
つ行き止まりの折返部54と、この折返部54に隣接すると
共に、折返部54よりさらに一段深くなり、ハート島の他
端部中央のハート形の窪部51bに沿った停止部55と、こ
の停止部55に隣接し、停止部55より一段深くなってハー
ト島51の他側に向かって延びると共に、前記折返部54と
同様に、ハート島51の他端部を越えて前方に短く延び、
且つ行き止まりの脱出部56と、この脱出部56より徐々に
浅くなりながら、ハート島の他側に沿って湾曲しなが
ら、前記導入路52に向かって延び、該導入路52に連通す
ると共に、その最浅端57aが導入路52の底より一段浅く
なった復路57とを備える。
上記ハート島51には、第6図に示すように、その中央
を縦断して、停止部55から導入路52に向かって延びた溝
状のバイパス路58を形成する。本実施例では、バイパス
路58の始端部58aが、停止部55に臨み、終端部58bは復路
57に臨む。そして、バイパス路58の始端部58aは、第7
図に示すように、停止部55の底より一段浅くなり、その
始端部58aより終端部58bに向かって、徐々に深くなり、
復路57の底にほぼ等しい深さとなる。
又、バイパス路58の始端部58aには、第7図に示すよ
うに、停止部55の底より急傾斜したテーパ部58cを形成
する。テーパ部58cの傾斜角度θは、垂直面に対して、
例えば約5゜傾斜させている。
さらに、導入路52の後端部は、第6図に示すように、
行き止まり、スライダ130の最前進位置を規制すると共
に、その長さの途中には、一端部が摺動体30の後端部端
面に開放したガイド溝59の他端部が臨む。このガイド溝
59は、ロックピン60の先端部をカム溝50に導入するため
のもので、その他端部が導入路52の底より一段浅くな
り、ガイド溝59より導入路52に導かれたロックピン60の
先端部が、ガイド溝59に戻れないようにしている。
一方、スライダ130の上半部には、第2,4,5図に示すよ
うに、スプリング40が通る、スライダ130を前後方向に
横断し、その後面が開放すると共に、前面がスライダ13
0の前壁131により閉塞された円形断面の横孔132を形成
する。そして、スライダ130の前部には、第2,4,5図に示
すように、横孔132の前部より下方に向かって断面L字
形に屈曲し、下面が開口した縦孔133を開設する。
又、スライダ130の前部の左右側面には、第1,5図に示
すように、フック部材140を軸止するために、左右横向
きに突出した一対の凸軸134,134を一体に形成する。そ
して、各凸軸134には、第5図に示すように、その下半
部を斜めに切り欠いて形成した切欠部135,135を各々に
形成する。
これに対し、フック部材140は、第1〜4図に示すよ
うに、上方に向かって断面L字形に屈曲したフック部14
1と、このフック部141の後端部両端より左右に離れて後
向きに一体に延び、スライダ130の各凸軸134に各々軸止
される左右一対の軸受片142,142と、フック部141の後端
部中央より上方に一体に延び、スライダ130の縦孔133を
通して横孔132内に突出する係合片143とを備える。
そして、フック部材140の両軸受片142は、スライダ13
0の凸軸134の各切欠部135に押し当て、その弾力を利用
して、第1図に示すように、両凸軸134に各々軸止させ
る。又、フック部材140の係合片143は、第4図に示すよ
うに、スライダ130の縦孔133を通して横孔132内に突出
させ、固定筒20のボス112を有する後壁110の内側面との
間で、スプリング40を弾縮する。
つぎに、組み立てた状態のラッチ装置10の動作を説明
する。
開閉扉Dが閉じた状態では、ラッチ装置10は、第1〜
4図に示すように、ロック状態にある。
すなわち、ロックピン60の先端部61が、第1,4図に示
すように、スライダ130のカム溝50の停止部55に位置
し、スプリング40の圧縮復元力を、ハート島51のハート
形の窪部51bで受け止めている。
開閉扉Dを開くには、扉前面を奥に向かった少し押し
込めばよい。
開閉扉Dを押し込むと、その扉裏に、スライダ130の
前壁131の前面が押され、スライダ130がフック部材140
と一体に、固定筒20の中空室21の奥に向かって後退す
る。
このスライダ130の後退に伴い、ロックピン60の先端
部61が、カム溝50の停止部55から、該停止部55より一段
深くなった脱出部56に進行し、その端部で行き止まり、
それ以上、開閉扉Dを押し込めなくなる。この位置は、
開閉扉Dの閉位置を少し行き過ぎた位置に設定してい
る。又、カム溝50の折返部54は、停止部55からみると、
一段浅くなっていることから、両部の段差により、ロッ
クピン60の先端部61は、停止部55から折返部54には進む
ことができない。
そして、開閉扉Dを押し込む力を釈放すると、フック
部材140の係合片143が、スプリング40の圧縮復元力によ
り外向きに押されることで、第8図に示すように、フッ
ク部材140とスライダ130とが一体に前進する。
スライダ130が前進すると、その前壁131の前面で扉裏
を押す戻すことで、開閉扉Dが少し押し開かれる。
このとき、ロックピン60の先端部61は、カム溝50の脱
出部56を逆進し、帰路57を通って導入路52に進み、第8
図に示すように、その端部で行き止まることで、スライ
ダ130の最前進位置を規制する。尚、カム溝50の脱出部5
6を逆進するロックピン60の先端部61は、脱出部56から
みると、停止部55が一段浅くなっていることから、両部
の段差により停止部55には戻れない。
又、フック部材140は、その係合片143がスプリング40
に押されることで、第8図に示すように、スライダ130
の凸軸134を中心に時計回りに回転し、そのフック部141
が開閉扉Dの縁から、図中、下方に外れる。尚、フック
部材140の係合片143が、スライダ130の前壁131の後面に
当接することで、フック部材140がそれ以上、回転しな
い。
したがって、少し押し開かれた開閉扉Dを持って、自
由に開くことができる。
尚、固定筒20内には、第2図に示すように、2個の摺
動体30を組み込んでいるので、2枚の開閉扉Dを1枚ず
つ開くこともできる。
つぎに、開いた開閉扉Dを閉じると、その扉裏がスラ
イダ130の前壁131の前面に衝接する。この位置から、ス
プリング40のバネ力に抗して、開閉扉Dをさらに押し込
むと、スライダ130の前壁131の前面が扉裏に押されて、
スライダ130とフック部材140とが、固定筒20の中空室21
の奥に向かって一体に後退する。
フック部材140の後退に伴い、そのフック部141の下面
が、固定筒80の張出縁81の傾斜面82に摺接し、傾斜面82
に押されて、第4図に示すように、スライダ130の凸軸1
34を中心に反時計回りに回転し、そのフック部141が開
閉扉Dの縁に、図中、下方より上方に係合し、スライダ
130の前壁131の前面との間で、開閉扉Dを保持する。
又、スライダ130の後退に伴い、ロックピン60の先端
部61は、カム溝50の導入路52を逆進し、復路53を通って
折返部54に進み、その端部で行き止まり、それ以上、開
閉扉Dを押し込めなくなる。この位置は、開閉扉Dの閉
位置を少し行き過ぎた位置に設定している。尚、カム溝
50の導入路52を逆進するロックピン60の先端部61は、導
入路52からみると、帰路57が一段浅くなっていることか
ら、両路の段差により帰路57には戻れない。
そして、開閉扉Dを押し込む力を釈放すると、スプリ
ング40の圧縮復元力により、スライダ130が固定筒20の
中空室21の開口前面に向かって少し押し戻されること
で、第1,4図に示すように、ロックピン60の先端部61
が、カム溝50の折返部54を逆進し、一段深くなった停止
部55に進み、スプリング40の圧縮復元力を、ハート島51
のハート形の窪部51bで受け止めることで、開閉扉Dを
閉位置にロックする。尚、カム溝50の折返部54を逆進す
るロックピン60の先端部61は、折返部54からみると、往
路53が一段浅くなっていることから、両者の段差により
往路53には戻れない。
一方、このロック位置で、開閉扉Dを開こうとする
と、ロックピン60の先端部61が、ハート島51のハート形
の窪部51bに当たって、開閉扉Dを開こうとする力に抗
する。
しかし、より強い力で、開閉扉Dを無理に開こうとす
ると、ロックピン60の先端部61が、停止部55の底より急
傾斜したバイパス路58のテーパ部58cの斜面に沿って摺
動することで、押えバネ70のバネ力に抗して、停止部55
の底より浮上し、停止部55の底より一段浅くなったバイ
パス路58の始端部58aに乗り上げる。そして、ロックピ
ン60の先端部61は、バイパス路58の始端部58aから終端
部58bに向かって移動し、その終端部58bから復路57に進
行し、復路57から導入路52にさらに進行することで、ラ
ッチ装置10のロック状態が強制的に解除される。
この過程において、スライダ130とフック部材140とが
一体に前進し、第8図に示すように、フック部材140の
フック部141が開閉扉Dの縁から係脱することで、開閉
扉Dが無理なく開く。
第9図は、本発明の第2実施例を示すものであり、本
実施例の特徴点は、そのカム溝50にあり、そのバイパス
路58の終端部58bを、帰路57ではなく、往路53に開放し
た点にある。
そして、バイパス路58の終端部58bは、往路53の底よ
り一段浅くし、往路53からバイパス路58の終端部58b
に、ロックピン60の先端部61が進行できないようにして
いる。
本実施例によれば、先に説明した実施例のものと同様
に、ロック状態を強制解除することができる。
尚、バイパス路58の終端部58bを、導入路52に開放す
ることも、可能であるが、この場合にも、バイパス路58
の終端部58bを、導入路52の底より一段浅くし、導入路5
2からバイパス路58の終端部58bに、ロックピン60の先端
部61が進行できないようにする必要がある。
第10図は、本発明の第3実施例を示すものであり、本
実施例の特徴点は、そのロックピン60の形状にあり、第
1にロックピン60の先端部61を、半球形に形成した点に
ある。このため、ロックピン60によるトレース動作、及
びバイパス路58への進行をスムーズにすることができ
る。
第2に、ロックピン60の先端部61を、斜めに傾斜させ
た点にある。この傾斜先端部61は、先に説明した第1実
施例のバイパス路58の始端部58aに形成したテーパ部58c
と同様に、押えバネ70のバネ力に抗して、ロックピン60
の先端部61を停止部55の底より浮上させるテーパ部とし
て機能する。
このため、ロックピン60の先端部61を、斜めに傾斜さ
せることで、停止部55に臨むバイパス路58の始端部58a
の端面を、垂直に切り立った面とできるので、第1実施
例のものと比較し、カム溝50の構造を簡便にでき、その
成形も容易である。
勿論、ロックピン60の先端部61を、斜めに傾斜させる
のと同時に、バイパス路58の始端部58aにテーパ部58cを
形成してもよい。
第11図は、本発明の他の実施例を示すものであり、本
実施例の特徴点は、そのロックピン60の形状にあり、そ
の長さの途中にクランク状に折れ曲がった中折部63を形
成した点にある。
本実施例では、ロックピン60の基軸部62からみて、中
折部63の手前側に、押えバネ70のバネ力を作用させるこ
とで、中折部63より先の先端部61が撓み易くしている。
このため、ロックピン60の先端部61のバイパス路58への
進行をスムーズにすることができる。
尚、図面に示した実施例では、ロック装置としてラッ
チ装置10を例に挙げたが、ロック装置としてはラッチ装
置に限らず、付勢手段としてゼンマイを組み込んだ回転
ダンパー等に使用してもよい。ロック装置を回転ダンパ
ーに使用した場合には、可動部材は回転体となり、この
回転体にカム溝を渦巻状に形成する。
又、固定筒20内に、第2図に示したように、2組の摺
動体30等を組み込んだが、これに限らず、摺動体30等は
1組でもよい。
一方、摺動体30を、第1〜4図に示すように、スライ
ダ130とフック部材140との2部材から構成したが、両部
材を一体に構成してもよい。さらに、フック部材140
も、フック形状に限らず、マグネット等を使用してもよ
い。
又、カム溝50は、1個に限らず、直列や並列に複数個
つなげて形成してもよい。
[発明の効果] 本発明は、以上説明したように構成されているので、
以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載のロック装置によれば、ロック状態の強
制解除動作により、ロック装置の破損を未然に防止する
ことができる。
請求項2記載のロック装置によれば、上記効果に加
え、ロック状態の強制解除動作を無理なく、しかもスム
ーズに行なわせることができる。
請求項3記載のラッチ装置によれば、ロック状態の強
制解除動作により、ラッチ装置の破損を未然に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜8図は、本発明の第1実施例を示すものであり、
第1図は要部横断面図、第2図は下半部を横断面図にし
た平面図、第3図は側面図、第4図は第2図のIV−IV線
に沿う断面図、第5図は摺動体の要部縦断面図、第6図
は摺動体のカム溝の拡大平面図、第7図はカム溝の要部
縦断面図、第8図は動作状態を示す第4図に対応する断
面図、第9図は本発明の第2実施例を示すものであり、
同図はそのカム溝を示す平面図、第10図は本発明の第3
実施例を示すものであり、同図はそのカム溝とロックピ
ンとの係合状態を示す要部断面図、第11図は本発明の他
の実施例を示すものであり、同図はロックピンの斜視図
である。 10……ロック装置としてのラッチ装置、20……固定部材
としての固定筒、30……可動部材としての摺動体、40…
…付勢部材としてのスプリング、50……カム溝、51……
ハート島、51a……先端部、51b……窪部、52……導入
路、53……往路、53a……最浅端、54……折返部、55…
…停止部、56……脱出部、57……帰路、57a……最浅
端、58……バイパス路、58a……始端部、58b……終端
部、58c……テーパ部、60……ロックピン、61……先端
部、62……基軸部、70……押圧手段としての押えバネ、
D……係合部材として開閉扉。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定部材と、この固定部材に保持されて、
    往復動する可動部材と、固定部材と可動部材との間に設
    けられ、可動部材を往復動の少なくとも一方向に向かっ
    て付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力に抗し
    て、可動部材をその往復動の途中のロック位置に停止さ
    せる停止装置とを備え、 上記停止装置は、固定部材と可動部材とのいずれか一方
    に刻設され、ハート島を中心とするカム溝と、このカム
    溝の底をトレースし、固定部材と可動部材とのいずれか
    他方に軸止されたロックピンと、このロックピンをカム
    溝の底に向かって押圧する押圧手段とから構成し、 上記カム溝は、ハート島の尖った先端部に向かって延び
    た導入路と、この導入路より徐々に浅くなりながら、ハ
    ート島の一側に沿って延びた往路と、この往路の最浅端
    より一段深くなり、且つ行き止まりの折返部と、この折
    返部に隣接すると共に、折返部よりさらに一段深くな
    り、ハート島の他端部中央のハート形の窪部に沿った停
    止部と、この停止部に隣接し、停止部より一段深くなっ
    てハート島の他側に向かって延び、且つ行き止まりの脱
    出部と、この脱出部より徐々に浅くなりながら、ハート
    島の他側に沿って延び、前記導入路に連通すると共に、
    その最浅端が導入路の底より一段高くなった復路とを備
    えたロック装置において、 上記ハート島には、その中央を縦断して、前記停止部か
    ら導入部に向かって延びた溝状のバイパス路を形成する
    と共に、このバイパス路の停止部に臨む始端部を、該停
    止部の底より一段浅く形成したことを特徴とするロック
    装置。
  2. 【請求項2】ロックピンの先端部と、バイパス路の始端
    部との間には、ロックピンの先端部を押圧手段の押圧力
    に抗してはね上げるテーパ部を形成したことを特徴とす
    る請求項(1)記載のロック装置。
  3. 【請求項3】前面開口した固定筒と、この固定筒内にス
    ライド可能に保持されて、係合部材と係脱する摺動体
    と、固定筒と摺動体との間で弾縮されるスプリングと、
    摺動体の表面に刻設され、ハート島を中心とするカム溝
    と、このカム溝の底をトレースし、固定筒に軸止された
    ロックピンとから成り、 上記カム溝は、ハート島の尖った先端部に向かって延び
    た導入路と、この導入路より徐々に浅くなりながら、ハ
    ート島の一側に沿って延びた往路と、この往路の最浅端
    より一段深くなり、且つ行き止まりの折返部と、この折
    返部に隣接すると共に、折返部よりさらに一段深くな
    り、ハート島の他端部中央のハート形の窪部に沿った停
    止部と、この停止部に隣接し、停止部より一段深くなっ
    てハート島の他側に向かって延び、且つ行き止まりの脱
    出部と、この脱出部より徐々に浅くなりながら、ハート
    島の他側に沿って延び、前記導入路に連通すると共に、
    その最浅端が導入路の底より一段高くなった復路とを備
    えたラッチ装置において、 上記ハート島には、その中央を縦断して、停止部から導
    入路に向かって延びた溝状のバイパス路を形成すると共
    に、このバイパス路の停止部に臨む始端部を、該停止部
    の底より一段浅く形成したことを特徴とするラッチ装
    置。
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