JPH0644052U - メモリカード用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いの寸法と形状のわずかに異なる２種類の
メモリカードにともに接続できるメモリカード用コネク
タを得ることを目的とする。 【構成】 ハウジング１５の同一挿入口に、互いに厚
さ、幅、長さのわずかに異なる第１カード案内溝２０
と、第２カード案内溝２１とを段違いに形成する。挿入
口に、第２のカード１１を挿入すると、薄く、幅が広い
ので、第２カード案内溝２１に嵌合しつつ差し込まれ、
先端は、係止段部４７に係止することなく押し込まれる
ので、移動しない上板１７の電極窓３５から突出してい
る接触部４６に、面電極１４が接触する。挿入口に、第
１のカード１０を挿入すると、厚く、幅が少し狭いの
で、第１カード案内溝２０に嵌合しつつ差し込まれ、先
端は、係止段部４７に係止して、上板１７がコイルばね
３９に抗して移動し、下方に突出している接触部４６が
上板１７の電極案内溝３３に乗り上げる。さらに押し込
むと、第１のカード１０の差し込み電極１２と第１電極
３８とが嵌合接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、形状の異なる２種類のメモリカードを接続できるメモリカード用コ ネクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

メモリカードには、図７（ａ）（ｂ）に示すように、わずかに形状の異なる２ 種類がある。このうち、第１のカード１０は、ピン電極タイプのいわゆるＲＯＭ カードで、第２のカード１１は、面電極タイプのいわゆるＩＣカードである。第 １のカード１０の幅、長さ、厚さをＷ１、Ｌ１、Ｄ１とし、第１のカード１０の 幅、長さ、厚さをＷ２、Ｌ２、Ｄ２とすると、Ｗ１＜Ｗ２、Ｌ１＞Ｌ２、Ｄ１＞ Ｄ２である。また、第１のカード１０は、筒状の差し込み電極１２が、ピン状の 第１電極３８と接離し、第２のカード１１は、板状の面電極１４が、板ばね状の 第２電極３４と接離するようになっている。なお、第１のカード１０には、両側 部に逆挿入防止溝１３が設けられている。 しかるに、従来、このような２種類のメモリカードには、それぞれ異なるコネ クタが使用されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来、このような２種類のメモリカードは、互いの寸法がわずかに相違するだ けでありながら、それぞれ異なるコネクタが使用されていたため、このメモリカ ードの挿入部分のみならず、制御回路自体も別装置になってしまうという問題が あった。また、互換性がないので、使用者にとっても極めて不便であった。

【０００４】 本考案は、互いの寸法と形状のわずかに異なる２種類のメモリカードをともに 接続できるメモリカード用コネクタを得ることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、ハウジング１５に取付けられた電極取付け体１６にメモリカードを 着脱自在に接続するようにしたメモリカード用コネクタにおいて、前記ハウジン グ１５の同一挿入口に、互いに厚さ、幅、長さのわずかに異なる第１カード案内 溝２０と、第２カード案内溝２１とを段違いに形成し、前記電極取付け体１６に 、第１のカード１０の差し込み電極１２と接離する第１電極３８と、第２のカー ド１１の面電極１４と接離する第２電極３４とを設け、前記ハウジング１５およ び／または電極取付け体１６に、上板１７を移動自在に設け、この上板１７を、 第１のカード１０と第２のカード１１のいずれか一方の差し込み時に移動せしめ て対応する電極同士のみ接続するようにしたことを特徴とするメモリカード用コ ネクタである。

【０００６】

【作用】

第２のカード１１を挿入すると、薄く、幅が広いので、第２カード案内溝２ １に嵌合しつつ差し込まれ、先端は、係止段部４７に係止することなくさらに押 し込まれるので、移動しない上板１７の電極窓３５から突出している接触部４６ に、面電極１４が接しながら摺動し、第２カードストッパ４９の位置で停止する 。 第１のカード１０を挿入すると、厚く、幅が少し狭いので、第１カード案内溝 ２０に嵌合しつつ差し込まれ、先端は、係止段部４７に係止してさらに押し込ま れるので、上板１７がコイルばね３９に抗して移動し、電極窓３５から突出して いる接触部４６が上板１７の手前の電極案内溝３３に乗り上げる。さらに押し込 むと、第１のカード１０の差し込み電極１２と第１電極３８とが嵌合接続し、第 １カードストッパ４８の位置で停止する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１ないし図６に基づき説明する。 図５において、１５はハウジング、１６は電極取付け体、１７は上板で、いず れもプラスチック成型品からなり、また、２６はリジェクト板で、金属板からな る。 前記ハウジング１５は、底板部１８と左右に立ち上がった側板部１９とからな り、この両側の側板部１９の内側の同一挿入口に、２段案内溝の第１カード案内 溝２０と第２カード案内溝２１とが設けられている。第１カード案内溝２０は前 記第１のカード１０が進退し、第２カード案内溝２１は前記第２のカード１１が 進退する。また、両側の側板部１９の上部には、前端を閉じ、後端を開口した移 動溝３０が設けられ、さらに、一方の側板部１９の外側には、リジェクト釦２２ が進退する挿入口２３が穿設されている。前記両側の側板部１９の後端には、係 止爪３１が一体に設けられている。

【０００８】 前記電極取付け体１６は、底板部４５と、左右の側板部４４と、両側板部４４ 間に直角に設けられた第１、第２電極固定部４０、４１とで構成され、側板部４ ４の外側には、前記係止爪３１の係止する係止溝３７が設けられ、また、側板部 ４４の内側には前記第１カード案内溝２０、第２カード案内溝２１、移動溝３０ にそれぞれ連続する第１案内溝４２、第２案内溝４３、移動溝３６が設けられて いる。この移動溝３６の側面には、第１カードストッパ４８と第２カードストッ パ４９が設けられている。さらに、前記第１電極固定部４０には、ピン状の第１ 電極３８が先端を内側に向け、他端を下に向けて取付けられ、また、第２電極固 定部４１には、板ばね状の第２電極３４が上下貫通して固定され、上端は９０度 に曲げられて、その先端が下向き半円状に折曲されて接触部４６となっている。

【０００９】 前記上板１７は、板状をなし、両端に、前記移動溝３０、３６に嵌合移動する 案内突条３２が形成され、また、上面には、前記第２電極３４の接触部４６が摺 動する電極案内溝３３と、この接触部４６が落下するための電極窓３５が途中に 穿設されている。さらに、底面の後部には、第１のカード１０が係止し、第２の カード１１が係止しないようにした係止段部４７が形成されている。

【００１０】 前記リジェクト板２６は、前記ハウジング１５の底板部１８と電極取付け体１ ６の底板部４５の上面に摺動自在に取付けられ、また、レバー２４は底板部１８ に、支点２５で回転自在に取付けられ、このレバー２４の一端部は前記リジェク ト釦２２に回動自在に取付けられ、他端部はリジェクト板２６の係合孔２７に係 合している。このリジェクト板２６には、先端部を切り起こし、かつ、２つの間 隔を狭くした第１カードリジェクト片２８、２８と、側部を切り起こし、かつ、 ２つの間隔をやや広くした第２カードリジェクト片２９、２９が一体に設けられ ている。 これらのうち、第２カードリジェクト片２９、２９には、図６（ｂ）に示すよ うに、幅の広い第２のカード１１のみが係止する。また、第１カードリジェクト 片２８、２８には、図６（ａ）に示すように、幅が狭く、かつ、先端両側に逆挿 入防止溝１３を有する第１のカード１０が係止する。

【００１１】 つぎに組立順序を説明する。 ハウジング１５の底板部１８上にリジェクト板２６を載せ、底板部１８に支点 ２５で回転自在に取り付けたレバー２４の一端をリジェクト釦２２に回転自在に 取付ける。 上板１７の両側の案内突条３２をハウジング１５の移動溝３０に後方から移動 自在に嵌合する。 ハウジング１５の後方に電極取付け体１６を嵌合する。このとき、上板１７の 後端と電極取付け体１６の第２電極固定部４１との間にコイルばね３９を介在し 、ハウジング１５の係止爪３１を係止溝３７に挿入する。すると、リジェクト板 ２６の後端が底板部４５の上面に沿って嵌合し、また、第２電極３４の接触部４ ６が上板１７の電極案内溝３３に嵌合案内される。さらに電極取付け体１６をコ イルばね３９に抗して押し込むと、係止爪３１が係止溝３７に係止して全体が固 定的に組立られ、上板１７は、コイルばね３９に後方から押されて移動溝３０の 前端に係止する。このとき、第２電極３４の接触部４６は図２のように電極窓３ ５に落ちこむ。

【００１２】 つぎに、図２および図６（ｂ）により第２のカード１１を着脱する場合につい て説明する。 第２のカード１１をハウジング１５のカード挿入口に挿入すると、第２のカー ド１１は薄く、幅が広いので、第２カード案内溝２１に嵌合しつつ差し込まれる 。第２のカード１１の先端は、係止段部４７に係止することなくさらに押し込ま れるので、移動しない上板１７の電極窓３５から突出している接触部４６に、面 電極１４が接しながら摺動し、第２カードストッパ４９の位置で停止する。この とき、図６（ｂ）のように、リジェクト板２６の第２カードリジェクト片２９に 第２のカード１１の先端が係止してリジェクト板２６を押し込むので、このリジ ェクト板２６により、レバー２４が支点２５を支点として回動し、リジェクト釦 ２２が手前に飛び出す。このようにして、第２のカード１１と本体の回路とが接 続される。

【００１３】 第２のカード１１を抜き取るときには、リジェクト釦２２を押し込むと、レバ ー２４が逆方向に回動して係合孔２７を介してリジェクト板２６が手前に移動す る。すると、第２のカード１１が第２カードリジェクト片２９により手前に一部 分突出するので、その部分を手で掴んで引き出す。

【００１４】 つぎに、図３および図６（ａ）により第１のカード１０を着脱する場合につい て説明する。 第１のカード１０をハウジング１５のカード挿入口に挿入すると、第１のカー ド１０は厚く、幅が少し狭いので、第１カード案内溝２０に嵌合しつつ差し込ま れる。第１のカード１０の先端は、係止段部４７に係止してさらに押し込まれる ので、上板１７がコイルばね３９に抗して移動し、電極窓３５から突出している 接触部４６が上板１７の手前の電極案内溝３３に乗り上げる。このとき、第１の カード１０は、その両側に逆挿入防止溝１３を有するので、第２カードリジェク ト片２９がこの逆挿入防止溝１３内に係合しつつ遊嵌して、第１のカード１０の 先端が第２カードリジェクト片２９に係止することはない。 さらに押し込むと、第１のカード１０の差し込み電極１２と第１電極３８とが 嵌合接続し、第１カードストッパ４８の位置で停止する。このとき、リジェクト 板２６の第１カードリジェクト片２８に第１のカード１０の先端が係止してリジ ェクト板２６を押し込むので、このリジェクト板２６により、レバー２４が支点 ２５を支点として回動し、リジェクト釦２２が手前に飛び出す。なお、差し込み 電極１２と第１電極３８との結合力が、コイルばね３９の力より大きいことが必 要である。このようにして、第２のカード１１と本体の回路とが接続される。 なお、第１のカード１０を前後逆向きにして差し込んだ場合、第１のカード１ ０の先端に逆挿入防止溝１３がないので、その先端が第２カードリジェクト片２ ９に係止して、第２のカード１１と同一位置までしか挿入されないので、第１の カード１０の先端が第１電極３８に当接することはない。

【００１５】 第１のカード１０を抜き取るときには、リジェクト釦２２を押し込むと、レバ ー２４が逆方向に回動して係合孔２７を介してリジェクト板２６が手前に移動す る。すると、第１のカード１０が第１カードリジェクト片２８により手前に一部 分突出するので、その部分を手で掴んで引き出す。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、上述のように構成したので、互いの寸法がわずかに相違する２種類 のメモリカードの場合１つのコネクタが使用でき、メモリカードの挿入部分や制 御回路自体が極めて簡単になる。また、互換性があるので、使用者にとっても操 作が極めて便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるメモリカード用コネクタの一実施
例を示す一部切り欠いた平面図である。

【図２】本考案によるメモリカード用コネクタに第２カ
ード挿入時の縦断面図である。

【図３】本考案によるメモリカード用コネクタに第１カ
ード挿入時の縦断面図である。

【図４】図１におけるＩＶ−ＩＶ線の断面図である。

【図５】本考案によるメモリカード用コネクタの分解斜
視図である。

【図６】（ａ）は、リジェクト板２６と第１のカード１
０との係止状態を示す斜視図、（ｂ）は、リジェクト板
２６と第２のカード１１との係止状態を示す斜視図であ
る。

【図７】第１、第２メモリカードの斜視図である。

【符号の説明】

１０…第１のカード、１１…第２のカード、１２…差し
込み電極、１３…逆挿入防止溝、１４…面電極、１５…
ハウジング、１６…電極取付け体、１７…上板、１８…
底板部、１９…側板部、２０…第１カード案内溝、２１
…第２カード案内溝、２２…リジェクト釦、２３…挿入
口、２４…レバー、２５…支点、２６…リジェクト板、
２７…係合孔、２８…第１カードリジェクト片、２９…
第２カードリジェクト片、３０…移動溝、３１…係止
爪、３２…案内突条、３３…電極案内溝、３４…第２電
極、３５…電極窓、３６…移動溝、３７…係止溝、３８
…第１電極、３９…コイルばね、４０…第１電極固定
部、４１…第２電極固定部、４２…第１案内溝、４３…
第２案内溝、４４…側板部、４５…底板部、４６…接触
部、４７…係止段部、４８…第１カードストッパ、４９
…第２カードストッパ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジング１５に取付けられた電極取付
   け体１６にメモリカードを着脱自在に接続するようにし
   たメモリカード用コネクタにおいて、前記ハウジング１
   ５の同一挿入口に、互いに厚さ、幅、長さのわずかに異
   なる第１カード案内溝２０と、第２カード案内溝２１と
   を段違いに形成し、前記電極取付け体１６に、第１のカ
   ード１０の差し込み電極１２と接離する第１電極３８
   と、第２のカード１１の面電極１４と接離する第２電極
   ３４とを設け、前記ハウジング１５および／または電極
   取付け体１６に、上板１７を移動自在に設け、この上板
   １７を、第１のカード１０と第２のカード１１のいずれ
   か一方の差し込み時に移動せしめて対応する電極同士の
   み接続するようにしたことを特徴とするメモリカード用
   コネクタ。
2. 【請求項２】 第１のカード１０は、第２のカード１１
   と比較し、その厚さがやや厚く、幅がやや狭く、長さが
   やや長いものからなる請求項１記載のメモリカード用コ
   ネクタ。