JP2912127B2 - 蛍光x線分析方法 - Google Patents

蛍光x線分析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリコンウエハのよ
うな結晶構造を有する試料の分析に適した蛍光X線分析
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、シリコンウエハの表面層の分
析には、試料表面に一次X線を微小な入射角で照射し
て、試料の表面層からの蛍光X線を分析する全反射蛍光
X線分析装置が用いられている(たとえば、特開昭63-7
8056号公報参照)。この種の装置の一例を図8に示す。
【0003】図8において、X線管5のターゲット材5
1から出たX線B1は、湾曲型の分光結晶(分光素子)
1Aに向う。X線B1のうちの所定の波長の特性X線
は、分光結晶1Aで回折され、単色化された一次X線B
2が、試料(シリコンウエハ)2の表面2aに微小な入
射角γ (たとえば、0.05°〜0.20°程度) で照射され
る。試料2に入射した一次X線B2は、全反射されて反
射X線B4となるとともに、励起X線として試料2を励
起して、試料2を構成する元素固有の蛍光X線B5を発
生させる。蛍光X線B5は、試料表面2aに対向して配
置したX線検出器3に入射する。この入射した蛍光X線
B5は、X線検出器3において、そのX線強度が検出さ
れた後、X線検出器3からの検出信号aに基づき、多重
波高分析器4によって目的とするX線スペクトルが得ら
れる。
【0004】この種の全反射蛍光X線分析装置は、一次
X線B2の入射角γが微小であることから、反射X線B
4および散乱X線がX線検出器3に入射しにくく、X線
検出器3により検出される蛍光X線B5の出力レベルに
比べてノイズが小さいという利点がある。つまり、大き
なS/N 比が得られ、そのため、分析感度が良く、たとえ
ば、微量の不純物でも検出できるという利点がある。こ
のようなことから、この分析方法は、シリコンウエハの
表面汚染の分析方法として有効であり、広く採用されて
いる。
【0005】また、この従来技術では、分光結晶1Aを
用いてX線B1を単色化しているから、散乱X線などの
強度が小さくなるので、分析精度がより一層向上する。
【0006】しかし、分光結晶1Aを用いると、一次X
線B2の強度が著しく低下するという欠点がある。そこ
で、図7のように、分光素子として人工多層膜格子1を
用いて、一次X線B2の強度を高める方法が考えられ
る。しかし、人工多層膜格子1では、X線B1を十分に
単色化できないので、一次X線B2に連続X線が含まれ
る。この連続X線は、試料2がシリコンウエハからなる
単結晶であることから、一次X線B2のうちの特定の波
長のX線が、試料2の種々の格子面(たとえば、311
面や202面など)で回折されて、X線検出器3に入射
する。そのため、この試料2で回折された回折X線B6
がノイズとなるので、試料2の分析精度の低下を招くと
いう問題が生じる。
【0007】上記回折X線B6による分析精度の低下を
防止する技術としては、特開平5−66204号公報に
開示された全反射蛍光X線分析装置が知られている。こ
の分析装置は、一次X線B2を単色化するとともに、予
め、回折X線の発生しない試料2の特定の回転角を求
め、この特定の回転角の位置において、上記単色化した
一次X線B1を試料2に照射する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記先行
技術では、試料2から回折X線が発生するのを防止する
ことで、分析精度の向上を図るものであるから、十分に
単色化された一次X線B2を用いる必要がある。したが
って、一次X線B2が十分に単色化されていない場合に
は、適用できないので、汎用性がない。
【0009】この発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、結晶構造を有する試料に一次X線を照射し、上記試
料から発生する蛍光X線に基づいて上記試料の分析を行
う蛍光X線分析方法において、一次X線が単色化されて
いるか否かにかかわらず、試料で回折された回折X線に
よる分析精度の低下を防止し得る蛍光X線分析方法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、結晶構造を有する試料の回転角度と、
その回転角度において試料により回折される回折X線の
エネルギまたは波長、および強度との関係を予め求め、
この予め求めた関係に基づいて、ノイズとなる回折X線
エネルギまたは波長、および強度を求め、測定スペク
トルから回折X線の強度を除去し蛍光X線のスペクト
ルを得る。
【0011】
【作用】以下、この発明の原理を説明する。回折X線が
発生する波長およびエネルギは、下記のブラッグの式か
ら分かるように、結晶の格子面間隔dと回折角θにより
定まる。 2dsin θ=nλ …(1) 但し、n:反射の次数(1,2,3…) λ:X線の波長(Å)(λ=12.4/E) E:エネルギ(KeV)
【0012】ここで、格子面間隔dは、1つの結晶構造
の中に種々存在するので、試料からは種々の回折X線が
発生する。しかし、格子面の方向を設定することによ
り、格子面間隔dが定まり、また、試料の基準面からの
回転角度を設定することで、回折角θが定まる。さら
に、2次以上(n=2以上)の回折X線は、その強度が
小さいので、無視しても、分析精度に差程大きな影響を
与えない。したがって、結晶構造を有する試料の回転角
度と、その回転角度において試料により回折される回折
X線のエネルギとの関係を予め求めることができる。
【0013】一方、回折X線の強度は、周知のように、
結晶の構造因子から求めることができる。したがって、
上記回転角度において生じる回折X線の強度も求めるこ
とができるので、予め求めた回転角度と回折X線のエネ
ルギまたは波長、および強度との関係に基づいて、ノイ
ズとなる回折X線のエネルギまたは波長、および強度を
求め、測定スペクトルから回折X線の強度を除去し
光X線のスペクトルを得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面にしたがっ
て説明する。まず、試料の回転角度と、その回転角度に
おいて試料により回折されるエネルギとの関係の求め方
について説明する。
【0015】図1において、シリコンウエハからなる試
料2には、一般に、オリフラと呼ばれる110方向に沿
った基準面2bが形成されている。一次X線B2は、全
反射蛍光X線分析の場合、試料2の表面2aに平行に近
い角度で入射するので、一次X線B2の入射する方向に
X軸を設定し、シリコンウエハ2の表面2aにXY平面
を設定する。また、試料2の表面に垂直で、かつ、X線
検出器3(図7)の軸線と一致する方向にZ軸を設定す
る。
【0016】今、試料2内に結晶面2cを設定し、その
法線方向の単位ベクトルをr1 、その成分をx1
1 ,z1 とすると、x1 ,y1 ,z1 は下記の(2) 〜
(4) 式で表される。 x1 =(OA)・cos φ1 =sin α1 ・cos φ1 …(2) y1 =(OA)・sin φ1 =sin α1 ・sin φ1 …(3) z1 = cosα1 …(4) 但し、α1 :ベクトルr1 とz軸のなす角 φ1 :ベクトルr1 をXY平面へ投影した線OAとX軸
とのなす角 なお、数式において、英字に( )を付したものは、線
分の長さを示す。
【0017】ベクトルr1 とX軸のなす角をθ1 、ま
た、ベクトルr1 をYZ平面へ投影した線OBとY軸と
のなす角をβとすると、下記の(5),(6) 式が成り立つ。 x1 = cosθ1 …(5) y1 =(OB)・cos β=sin θ1 ・cos β …(6)
【0018】一方、斜線で示す結晶面2cにより回折さ
れる回折X線B6の出射方向の単位ベクトルをrとし、
その成分をx,y,zとする。ここで、一次X線B2が
結晶面2cで等角反射されて、回折X線B6が発生する
ことから、ベクトルrとX軸とのなす角は2θ1 とな
る。また、X軸、ベクトルr1 およびベクトルrは同一
平面上に存在するから、ベクトルrをYZ平面に投影し
た線OCとY軸とのなす角は、線分OBとY軸とのなす
角βに等しい。したがって、x,y,zは、下記の(7),
(8),(9)式で表される。 x= cos2θ1 …(7) y=(OC)・cos β= sin2θ1 ・cos β …(8) z=(OC)・sin β= sin2θ1 ・sin β …(9)
【0019】つぎに、ベクトルrとZ軸のなす角をαと
する。この角αは、回折X線B6がX線検出器3(図
7)に対して入射する角度であり、以下、この角αを偏
り角と呼ぶ。また、ベクトルrをXY平面に投影した線
ODとX軸とのなす角をφとすると、上記偏り角αと角
φとで、回折X線B6の出射する方向が表される。上記
角αおよびφは下記の(10),(11) 式の関係を有する。 z= cosα …(10) x=(OD)・cos φ=sin α・cos φ …(11)
【0020】今、結晶面の種類(面指数)設定すると、
結晶面の方向が設定されるので、線OAと110方向と
のなす角φ0 および角α 1 が決まり、また、試料2の回
転角度ω、つまり、110方向とX軸とのなす角ωを設
定すると、角ωおよび上記角φ0 から角φ1 が決まるの
で、上記(2) 式からx1 が決まり、更に、(5) 式から角
θ1 が決まる。
【0021】ここで、ブラッグの回折角θを角θ1 で表
すと、θ=(π/2)−θ1 であるから、前述のブラッ
グの式は、 λ=2dsin θ =2dsin {(π/2)−θ1 } =2dcos θ …(12) 但し、λ=12.4/E で表される。また、結晶面の種類を設定すれば、格子面
間隔dは一義的に決まるので、上記(12)式から、回折角
θと波長λとの関係が決まる。この回折角θから角θ1
が分かり、また、上記角θ1 と(2),(3),(6),(7),(9),(1
0),(11) 式から角φおよび角αを知ることができ、ひい
ては、試料2の回転角度ωと回折X線B6の発生するエ
ネルギEとの関係を机上計算のみで知ることができる。
【0022】図2は、上記計算式に基づいて、試料2で
反射される回折X線B6のエネルギを、試料2の回転角
度ωごとに求めた結果の一部を示すものである。この計
算結果は、図7の装置で実際に測定した図3のスペクト
ルにおけるノイズと一致し、上記計算方法が正しいこと
を裏付けている。なお、上記計算は、結晶の対称性か
ら、回転角度ωが0°〜45°までの範囲で求めればよ
く、回転角度が45°以上の場合については、ω+m・90
°および−ω+m・90°(mは整数)の回転角度におけ
る回折X線B6のエネルギおよび強度比が、回転角度ω
における回折X線B6のエネルギおよび強度比と同一に
なる。
【0023】つぎに、回折X線B6の強度I6 を求める
方法について説明する。 I6 =I200 …(13) 但し、I20:試料に入射するX線(有効入射X線)強度
(Kcps) I0 :I20に対する回折X線B6の相対強度(無名数)
【0024】
【数1】
【0025】上記(13)式において、回折X線B6の強度
6 は、図1の試料2が微小な球状であることを前提と
している。また、回折X線B6の全てがX線検出器3
(図7)に入射するものではなく、たとえば、偏り角α
が大きくなると、図4のように、方形の回折X線B6の
光束の一部が、円形のX線検出器3に入射し、残部はX
線検出器3に入射しない。さらに、図1の偏り角αが、
たとえば45°を超える大きな角度では、回折X線B6
がX線検出器3(図7)に全く入射しない。したがっ
て、試料2の形状および偏り角αを考慮して、周知のよ
うに、補正を行って、回折X線B6の強度を求める必要
がある。
【0026】全反射蛍光X線分析では、図7の入射角γ
が著しく小さい。しかも、図7の試料2は、ゴニオメー
タにより回転されるので、入射角γは一定でなく、この
入射角γが極めて微小(0.05°〜0.2 °程度) であるこ
とから、入射角γが若干異なることにより、全反射率が
著しく異なる。したがって、後述するように、測定対象
である試料2に対する入射角γにおける図6(b)の有
効入射X線つまり、試料2に実際に入射した有効入射X
線の強度I20を求める必要がある。
【0027】図6(c)のノイズとなる回折X線B6
は、図6(b)の有効入射X線のうち、図2のエネルギ
を持つものであり、上記回折X線B6の強度は、図6
(b)の有効入射X線の強度に、図2の強度比を乗算
し、更に偏り角αなどを考慮して補正することにより求
めることができる。こうして求めた図6(c)のノイズ
となる回折X線B6のスペクトルを、図6(a)の測定
スペクトルから減算することにより、図6(d)の真の
スペクトルが得られる。
【0028】以下、真のスペクトルを実際に求める方法
について説明する。まず、前述の式(2) 〜式(12)を用い
て、試料2の種々の回転角度ωと、この回転角度ωにお
いて、試料2により回折される回折X線B6のエネル
ギ、強度比および直上角αとの関係を図2(a)〜
(d)のように、計算機の記憶素子に記憶させる。な
お、回転角度ωのピッチは、図2の(a)〜(d)に示
すように、5°ピッチではなく、実際に測定するピッチ
に合わせてもよいし、1°ピッチなどとしてもよい。ま
た、図2の具体的数値を記憶させずに、前述の(2) 〜(1
2)式などを記憶素子に記憶させ、後に演算させてもよ
い。
【0029】また、発生した回折X線B6の強度と、X
線検出器3に入射する回折X線B6の強度との関係を、
直上角αの関数で表した数式を記憶素子に記憶させる。
たとえば、α>45°の場合は、X線検出器3に入射す
る回折X線の強度を0とする。
【0030】つぎに、図7の全反射蛍光X線分析装置
と、ブランクウエハ(表面に薄膜を形成する前のシリコ
ンの単結晶)を用い、図5のブランクウエハに入射した
基準有効入射X線のスペクトルを求める。このスペクト
ルを求める方法を簡単に説明すると、種々の回転角度ω
(たとえば、1°ごと)において、図3のX線のスペク
トルを測定する。ついで、任意の格子面における回折X
線のX線強度を、偏り角αおよび反射率を考慮して補正
することにより、各エネルギにおける基準有効入射X線
の強度を求めることで、図5の基準有効入射X線のスペ
クトルを得る。たとえば、図3(a)〜(d)の202
面における回折X線の強度を、各エネルギ位置に対して
プロットし、このプロットしたX線強度を、偏り角αお
よび反射率を考慮して補正し、更に、他の格子面(たと
えば313面)についても同様に求めることで、図5の
基準有効入射X線のスペクトルを求める。以上の図2の
強度比の算出や図5のブラウンウエハに入射した基準有
効入射X線のスペクトルの算出は、装置の調整後や、そ
の後に定期的に行う。
【0031】つぎに、実際に測定するシリコンウエハ、
つまり、成分が未知の試料2を図7の分析装置にセット
し、X線検出器3で検出された図6(a)のX線のスペ
クトルを一時的に記憶させる。
【0032】この測定スペクトルのSi−Kαの強度
と、図3のブランクウエハの測定スペクトルにおけるS
i−Kαの強度比から、未知試料のスペクトル測定時の
入射角γ(図7)を求める。この求めた入射角γから、
エネルギごとの臨界角および反射率を考慮して、図5の
基準有効入射X線を補正することにより、試料2におい
て全反射されずに、試料2に実際に入射した図6(b)
の有効入射X線のスペクトルを求める。なお、入射角γ
は図7の反射X線B4の強度を測定し、この反射X線B
4の強度から求めてもよい。
【0033】上記試料2に実際に入射した有効入射X線
のスペクトルと、実際に試料2に一次X線B2を照射し
たときの試料2の回転角度ωにおける図2の強度比とを
乗算し、図6(c)のノイズとなる回折X線の強度を求
める。つまり、図2(a)の回折X線の生じるエネルギ
位置における図6(b)の有効入射X線の強度と、上記
特定の回転角度ωにおいて当該図2の回折X線の生じる
エネルギ位置における強度比とを乗算し、上記特定の回
転角度における図6(c)のノイズとなる回折X線の強
度を求める。
【0034】その後、図6(a)の測定スペクトルか
ら、図6(c)のノイズとなる回折X線のスペクトルを
減算し、試料2で回折された回折X線を除いた図6
(d)の真のスペクトルを求める。この求めた真のスペ
クトルに基づいて、試料2の元素の定量分析を行う。
【0035】なお、この発明は、全反射蛍光X線分析以
外の蛍光X線分析についても適用でき、この発明の範囲
に含まれる。その場合、図1の一次X線B2とX軸との
なす角をパラメータとして、前述の (2)〜(12)式を汎用
性のある式とする必要がある。また、シリコンウエハ以
外のたとえばガリウムアルセナイド(GaAs)などの
結晶構造を有する試料についても適用できる。
【0036】また、上記実施例では、分光素子として図
7の人工多層膜格子1を用いた場合について説明した
が、この発明は図8の分光結晶1Aを用いた場合につい
ても適用される。つまり、一次X線B2が完全な単色光
である場合にも、この発明が適用される。
【0037】また、上記実施例では、試料2の外部から
試料2に入射した一次X線B2が試料2において回折さ
れる場合について説明したが、この発明は、回折される
X線の発生源を限定するものではない。たとえば、試料
2内で発生した特性X線が光源となって、試料2内で回
折を生じた場合にも、この発明を適用することができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、予め求めた試料の回転角度と回折X線のエネルギま
たは波長、および強度との関係に基づいて、ノイズとな
る回折X線のエネルギまたは波長、および強度を求め、
測定スペクトルから回折X線の強度を除去し蛍光X線
のスペクトルを得ることができるから、ノイズである回
折X線による分析精度の低下を防止して、分析精度を向
上させることができる。特に、この発明は、回折X線が
試料から発生しないようにするのではなく、試料から発
生した回折X線を補正によって除去するものであるか
ら、一次X線が単色化されているか否かにかかわらず、
分析精度を向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる回折X線の強度を求める方法
を説明する斜視図である。
【図2】試料の回転角度と発生する回折X線のエネルギ
との関係などを示す特性図である。
【図3】ブランクウエハの測定スペクトルを示す特性図
である。
【図4】直上角との関係でX線検出器に入射する回折X
線の光束を示す平面図である。
【図5】ブラウンウエハに入射した有効入射X線のスペ
クトルを示す特性図である。
【図6】(a)は実際の未知試料の測定スペクトル、
(b)は未知試料に入射した有効入射X線のスペクト
ル、(c)はノイズとなる回折X線のスペクトル、
(d)は真のスペクトルである。
【図7】この発明の分析方法に用いる分析装置の一例を
示す概略構成図である。
【図8】一般的な全反射蛍光X線分析装置の一例を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
2…試料、B2…一次X線、B5…蛍光X線、B6…回
折X線、ω…回転角度。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶構造を有する試料に一次X線を照射
    し、上記試料から発生する蛍光X線に基づいて上記試料
    の分析を行う蛍光X線分析方法において、 試料の回転角度と、その回転角度において試料により回
    折される回折X線のエネルギまたは波長、および強度
    の関係を予め求め、 この予め求めた関係に基づいてノイズとなる回折X線の
    エネルギまたは波長、および強度を求め、測定スペクト
    ルから回折X線の強度を除去し蛍光X線のスペクトル
    を得ることを特徴とする蛍光X線分析方法。
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