JP2910950B2 - 印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 - Google Patents

印刷版用アルミニウム支持体の製造方法

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JP2910950B2
JP2910950B2 JP3294760A JP29476091A JP2910950B2 JP 2910950 B2 JP2910950 B2 JP 2910950B2 JP 3294760 A JP3294760 A JP 3294760A JP 29476091 A JP29476091 A JP 29476091A JP 2910950 B2 JP2910950 B2 JP 2910950B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷版用アルミニウム
支持体、さらに詳しくは、印刷物周辺に汚れの発生をも
たらすことがなく、特に新聞印刷に好適な平版印刷版に
用いられる印刷版用アルミニウム支持体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版材としては、アルミニウム基
板上に感光層を設けたPS版材が主流を占めている。こ
のPS版材は、アルミニウム基板上に粗面化、陽極酸化
及び必要に応じて親水化処理を施したのち、感光層を設
けたものであって、使用時には、該感光層上に所要の原
画フイルムを載せ、紫外線などの活性光を照射したの
ち、現像処理を施すことにより印刷版として供してい
る。
【0003】しかしながら、このようにして製版された
従来の平版印刷版においては、新聞印刷のような輪転機
を用いてロール状の紙に連続して印刷する際に、紙の幅
に対して印刷版の幅が小さい場合には、印刷版の端部に
付着した印刷インキが紙に転写され、これが新聞端部の
直線的汚れとなって現われる。
【0004】このような汚れを防止する方法として、例
えばアルミニウム支持体の端部角部をヤスリなどで削り
取る方法が知られている(特公昭57−46754号公
報)。しかしながら、この方法によると、角部に施され
た粗面化、陽極酸化皮膜が削り取られ、この部分は親水
性を欠き、インキが付着しやすいことから、印刷開始直
後では端部の直線的汚れを防止することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、印刷物周辺に汚れの発生をもたらすこと
がなく、特に新聞印刷に好適な平版印刷版に用いられる
印刷版用アルミニウム支持体を簡単に製造する方法を提
供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、印刷版用
アルミニウム支持体を開発するために鋭意研究を重ねた
結果、陽極酸化処理した上に感光層を設けたアルミニウ
ム基板を特定のスリッターを用いて裁断することで、表
面がアルミニウム基板の陽極酸化処理表面に対し特定角
度をなす切欠部を形成することにより、その目的を達成
しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、陽極酸化処理した上
に感光層を設けたアルミニウム基板を裁断するに当り、
刃のすき間が10μmないし1mmに調整されたスリッ
ターを用いることにより、裁断と同時に、対向する二方
又は四方のヘリの角部に沿ってアルミニウム基板の陽極
酸化処理表面に対し5°以上の角度の表面を有する切欠
部を形成させることを特徴とする、切欠部の裁断面が陽
極酸化皮膜で覆われた印刷版用アルミニウム支持体の製
造方法を提供するものである。
【0008】本発明方法においては、陽極酸化処理した
上に感光層を設けたアルミニウム基板が原材として用い
られる。この原材を作成するには、まず、好適にはアル
ミニウム基板に粗面化処理を施したのち、陽極酸化処理
が施され、次いで陽極酸化処理した上に感光層が設けら
れる。アルミニウム基板としては、従来PS版材に慣用
されているものの中から任意のものを選び使用すること
ができ、形状についてはシート状、コイル状のいずれで
あってもよい。この粗面化処理は、通常アルミニウム基
板の表面を公知の方法で脱脂処理したのち、施され、一
般に、機械的方法や電気的方法により砂目立て(研磨)
を行うか、又は化学的エッチングすることにより、ある
いはこれらの処理を組み合わせることにより行われる。
【0009】陽極酸化処理は、通常硫酸浴の中で行わ
れ、これによってアルミニウム基板表面に陽極酸化皮膜
が形成される。このようにして陽極酸化処理が施された
のち、必要に応じて親水化処理が施される。
【0010】感光層は、通常、陽極酸化処理した上に、
すなわち該処理で形成された陽極酸化皮膜の上に感光液
を塗布し乾燥することにより設けられる。この感光層に
ついては、特に制限はなく、従来PS版材における感光
層として慣用されているもの、例えばジアゾ樹脂と疎水
性樹脂とから成るもの、o‐キノンジアジド化合物とノ
ボラック樹脂とから成るもの、付加重合性不飽和モノマ
ー、光重合開始剤及び有機高分子化合物から成るものな
どを用いることができる。
【0011】本発明方法においては、原材を所要の寸法
にスリッターを用いて裁断することが必要である。そし
て、このようにスリッターを用いることにより、裁断と
同時に、対向する二方又は四方のへりの角部に沿って切
欠部が形成された印刷版用アルミニウム支持体が得られ
る。
【0012】この切欠部は、その表面がアルミニウム基
板の陽極酸化処理表面に対し5°以上の角度θをなすよ
うに形成することが必要である。この角度θが5°未満
では、印刷物周辺の汚れ発生防止効果が十分に発揮され
ない。
【0013】一般に、スリッターは、刃のすき間などの
条件により、裁断された端の形状すなわちへりの切欠部
形状が異なるが、本発明において上記角度θの条件を満
たすには、該すき間を10μmないし1mmの範囲内に
調整することが必要である。該すき間が10μm未満で
は表面にバリが発生するおそれがあるし、1mmを超え
ると、陽極酸化皮膜で覆われた切欠部が得られなかった
り、裏面にバリが発生したりする。切欠部表面が陽極酸
化皮膜で覆われていないと、親水性が不足して印刷イン
キが付着しやすい。
【0014】通常使用される他のカッター、例えばロー
タリーシャー、フラングシャー、ダウンカットシャーな
どを用いて裁断すると、裁断面はほとんど垂直になって
陽極酸化皮膜で覆われない切欠部を生じたり、あるいは
表面や裏面にバリが発生する。
【0015】本発明方法で得られる印刷版用アルミニウ
ム支持体の1例として、図1の部分断面拡大図で示され
るものが挙げられ、これは、アルミニウム基板1の所定
へりの角部に沿って切欠部2が設けられ、かつこの切欠
部2の表面がアルミニウム基板の陽極酸化処理表面3に
対し5°以上の角度をなし、該切欠部の裁断面が陽極酸
化皮膜4で覆われている。そして、切欠部を除いてアル
ミニウム基板の陽極酸化処理表面上には感光層(図示せ
ず)が設けられている。
【0016】次に、このようにして得られた、本発明の
印刷版用アルミニウム支持体を用いて平版印刷版を製造
するには、まず印刷版用アルミニウム支持体の感光層表
面に所要の原画フイルムを真空密着させたのち、これに
紫外線などの活性光を選択的に照射して、照射部と非照
射部とに現像液に対する溶解度差を生じさせ、次いで現
像処理して原画フイルムに対応するレリーフ画像を形成
させる。次に必要ならばガム処理を施す。このようにし
て、印刷物の周辺部に汚れの発生をもたらすことのない
平版印刷版が得られる。
【0017】
【発明の効果】本発明方法によれば、陽極酸化皮膜をそ
こなうことなく、裁断と同時に良好な形状の切欠部を一
度に形成することができ、生産の自動化、省力化が可能
となるので、印刷物の周辺に汚れの発生をもたらすこと
がない印刷版、特に新聞印刷に好適な平版印刷版に用い
られる印刷版用アルミニウム支持体を簡単な操作で効率
よく製造することができる。
【0018】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0019】実施例コイル状の厚さ0.3mm、幅12
00mmのアルミニウム基板をリン酸ナトリウム水溶液
にて脱脂処理したのち、塩酸浴中で3A/dmの電流
密度で電解研磨し、次いで硫酸浴中にて陽極酸化処理し
て、その表面に陽極酸化皮膜を形成させた。
【0020】陽極酸化処理後、十分に水洗し、乾燥した
のち、アルミニウム基板表面に形成させた陽極酸化皮膜
上に、ナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐5‐スルホニ
ルクロリドとピロガロール‐アセトン樹脂とのエステル
化物2.5g、クレゾール‐ホルムアルデヒド樹脂5
g、t‐ブチルフェノール‐ホルムアルデヒド樹脂0.
15g、メチルエチルケトン40g及びシクロヘキサノ
ン50gから成る感光液を、乾燥後の膜厚が2g/m
となるように塗布し、次いで100℃で2分間乾燥して
ポジ型PS版材を作成した。
【0021】次に、このようにして得られたPS版材を
刃のすき間が200μmに調整されたスリッターにて1
099mm×400mmのサイズに裁断し、その感光層
に画像形成露光を施したのちJIS3号ケイ酸ナトリウ
ム50g、40重量%水酸化カリウム水溶液30g及び
水1リットルから成る現像液で現像処理を施し、次いで
水洗してから、14°ボーメアラビアガム水溶液を用い
てガム引き処理を行った。
【0022】この版の端面付近を電子顕微鏡で観察した
ところ、角部のへりの切欠部も陽極酸化皮膜で覆われて
いた。なお、この版の切欠部についての角度θは30°
であった。
【0023】次に、この版を用いて、輪転機リソピアで
2万部の新聞を印刷したところ、新聞の周辺部には汚れ
は見られなかった。
【0024】比較例実施例と同様にして、ポジ型PS版
材を作成したのち、ダウンカットシャーにて1099m
m×400mmのサイズに裁断して2枚のPS版材
(a)を作成した。次に、前記PS版材(a)の1枚に
ついて、その1099mm辺の2辺をヤスリで削り取り
PS版材(b)を得た。端面の角度は30°であった。
【0025】このようにして得られたPS版材(a)及
び(b)それぞれについて、実施例と同様に処理してP
S版を作成した。これらの版について、その端面付近を
電子顕微鏡で観察したところ、PS版材(a)から得ら
れたものは裏面側にバリが発生しており、一方PS版材
(b)から得られたものは、端面のへりは陽極酸化皮膜
が削り取られていた。
【0026】次に、これらの印刷版を用いて、実施例と
同様にして印刷したところ、PS版材(a)から得られ
たものは最もインキが付きやすく、新聞の周辺部に0.
3mm程度の幅を有する直線状の汚れが認められた。一
方PS版材(b)から得られたものは新聞周辺部に鎖線
状の汚れが認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法で得られた印刷版用アルミニウム
支持体の1例のへりの部分の断面拡大図。
【符号の説明】
1 アルミニウム基板 2 切欠部 3 陽極酸化処理表面 4 陽極酸化皮膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−19315(JP,A) 特公 昭57−46754(JP,B2) 最新切断技術総覧、重版、(株)産業 技術サービスセンター、昭和60年6月14 日、p.220−221 角田隆弘、新・感光性樹脂、初版、印 刷学会出版部、昭和56年4月25日、p. 83 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41N 1/08 B41N 3/03 G03F 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化処理した上に感光層を設けたア
    ルミニウム基板を裁断するに当り、刃のすき間が10μ
    mないし1mmに調整されたスリッターを用いることに
    より、裁断と同時に、対向する二方又は四方のヘリの角
    部に沿ってアルミニウム基板の陽極酸化処理表面に対し
    5°以上の角度の表面を有する切欠部を形成させること
    を特徴とする、切欠部の裁断面が陽極酸化皮膜で覆われ
    た印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
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