JP2908514B2 - 新規な紫外線吸収剤を含む高分子材料組成物 - Google Patents

新規な紫外線吸収剤を含む高分子材料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐光性の改善された高分子材料組成物に関
し、詳しくは、ベンゾオキサジンを含むポリマーを添加
することによって、長期間にわたって耐光性の改善され
た高分子材料組成物に関する。
〔従来の技術〕
ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリエステル等の高分子材料は光の作用
により劣化し、変色あるいは機械的強度の低下等を引き
起こし、長期の使用に耐えないことが知られている。
そこで、高分子材料の劣化を防止するために、従来か
ら種々の光安定剤が用いられている。これらの光安定剤
としては、ヒンダードアミン系の光安定剤、ベンゾフェ
ノン系またはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が主
として用いられている。
しかしながら、従来用いられていた光安定剤はそれ自
身の耐熱性に劣り、高分子材料の加工中あるいは高温下
での使用時に揮散したり、あるいは水、有機溶媒に抽出
され易いという欠点を有しており、実用上不満足なもの
であった。
このため、光安定剤を高分子量化することによって揮
散性を改良しようとする試みもなされており、例えば、
ビニル基、アクリル酸エステル結合を有する化合物を重
合させたポリマーを用いることも提案されており、揮散
性はある程度改善されている。しかしながら、このよう
な高分子量体は合成樹脂等の高分子材料に対する分散性
に劣り、また、樹脂中での移動も殆ど起こらないので、
その効果を充分に発揮し難いという欠点を有しており、
実用的なものとはなりえなかった。
また、新しい紫外線吸収剤として、環状イミノエステ
ルを含む化合物が提案されている(特開昭57−92046
号、特開昭57−92047号、特開昭57−209979号、特開昭5
9−59050号、特開昭59−12952号)が、その効果は未だ
不充分であり、さらに改善する必要がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来使用されていた紫外線吸収剤に代替
し、耐熱性に優れ、苛酷な加工条件下においても、合成
樹脂等の高分子材料に長期の耐光性を付与し得る基材を
提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上記の現状に鑑み、新規なタイプの高
分子量の紫外線吸収剤を得るために鋭意検討を重ねた結
果、ベンゾオキサジンを含むポリマーが耐熱性に優れ、
苛酷な加工条件下においても合成樹脂等の高分子材料に
長期の耐光性を付与し得ることを見出し本発明に到達し
た。
すなわち、本発明は高分子材料100重量部に対して、
下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するベン
ゾオキサジンを含むポリマー化合物0.001〜10重量部を
添加してなる、耐光性の改善された高分子材料組成物を
提供するものである。
〔式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜
3のアルケニレン基、炭素数6〜25のアリーレン基また
は炭素数5〜12のシクロアルキレン基を示し、Xは直接
結合またはアルキリデン基、アルキレン基を示し、nは
2〜20の整数を示す。〕 以下、上記要旨をもってなる本発明について詳述す
る。
上記式中、Rで表される二価の有機基としては、例え
ば、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜3のアル
ケニレン基、炭素数6〜25のアリーレン基、炭素数5〜
12のシクロアルキレン基等があげられる。更に具体的に
はアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピ
レン、プチレン、ペンチレン、ヘキサメチレン、オクタ
メチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ジメチルメチ
レン等が例示でき、アルケニレン基としては、エチレニ
レン、プロペニレン等が例示でき、またアリーレン基と
しては、フェニレン、ナフチレン、ジフェニレン、 (ここでR′は−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−C
H2−、−CH2CH2−、−C(CH3−等である)等が例
示でき、また、シクロアルキレン基としてはシクロヘキ
シレンが例示できる。
上記式中、Xで表されるアルキリデン基としては、例
えば、メチレン、エチリデン、プロピリデン、イソプロ
ピリデン、ブチリデン、イソブチリデン、ペンチリデ
ン、ヘキシリデン等が例示でき、また、アルキレン基と
しては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペ
ンタメチレン、ヘキサメチレン等が例示できる。
上記式中、nは重合度を示し、2〜20の整数、好まし
くは、3〜10の整数のものが用いられる。
上記一般式(I)で表されるベンゾオキサジンを含む
ポリマー化合物は、例えば、「ジャーナル・オブ・ポリ
マー・サイエンス」Vol.27,1017〜1026,1989に記載され
た方法に準じ、ビス(アントラニル酸)化合物と有機二
価カルボン酸または有機二価カルボン酸ハライドのよう
な反応性誘導体とを反応させることによって容易に合成
することができる。
本発明の上記一般式(I)で表される繰り返し単位を
有する化合物の具体例としては、例えば下記の化合物を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
一般式(I)で表される繰り返し単位を有する化合物
としては、5,5′−ビス(アントラニル酸)とコハク酸
の縮合物、5,5′−ビス(アントラニル酸)とアジピン
酸の縮合物、5,5′−ビス(アントラニル酸)とフタル
酸の縮合物、5,5′−ビス(アントラニル酸)とイソフ
タル酸の縮合物、5,5′−ビス(アントラニル酸)とテ
レフタル酸の縮合物、5,5′−ビス(アントラニル酸)
と1,4−ナフタレンジカルボン酸の縮合物、5,5′−ビス
(アントラニル酸)と1,5−ナフタレンジカルボン酸の
縮合物、5,5′−ビス(アントラニル酸)と2,6−ナフタ
レンジカルボン酸の縮合物、5,5′−ビス(アントラニ
ル酸)と2,7−ナフタレンジカルボン酸の縮合物、5,5′
−ビス(アントラニル酸)とビフェニル−2,2′−ジカ
ルボン酸の縮合物、5,5′−ビス(アントラニル酸)と
ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸の縮合物、5,5′−ビ
ス(アントラニル酸)と4,4′−オキシジ安息香酸の縮
合物、5,5′−ビス(アントラニル酸)と3,3′−(p−
フェニレンジオキシ)ジ安息香酸の縮合物、5,5′−ビ
ス(アントラニル酸)と4,4′−(p−フェニレンジオ
キシ)ジ安息香酸の縮合物、5,5′−メチレンビス(ア
ントラニル酸)とコハク酸の縮合物、5,5′−メチレン
ビス(アントラニル酸)とアジピン酸の縮合物、5,5′
−メチレンビス(アントラニル酸)とフタル酸の縮合
物、5,5′−メチレンビス(アントラニル酸)とイソフ
タル酸の縮合物、5,5′−メチレンビス(アントラニル
酸)とテレフタル酸の縮合物、5,5′−メチレンビス
(アントラニル酸)と1,4−ナフタレンジカルボン酸の
縮合物、5,5′−メチレンビス(アントラニル酸)と1,5
−ナフタレンジカルボン酸の縮合物、5,5′−メチレン
ビス(アントラニル酸)と2,6−ナフタレンジカルボン
酸の縮合物、5,5′−メチレンビス(アントラニル酸)
と2,7−ナフタレンジカルボン酸の縮合物、5,5′−メチ
レンビス(アントラニル酸)とビフェニル−2,2′−ジ
カルボン酸の縮合物、5,5′−メチレンビス(アントラ
ニル酸)とビフェニル−4,4′−ジカルボン酸の縮合
物、5,5′−メチレンビス(アントラニル酸)と4,4′−
オキシジ安息香酸の縮合物、5,5′−メチレンビス(ア
ントラニル酸)と3,3′−(p−フェニレンジオキシ)
ジ安息香酸の縮合物、5,5′−メチレンビス(アントラ
ニル酸)と4,4′−(p−フェニレンジオキシ)ジ安息
香酸の縮合物、5,5′−エチリデンビス(アントラニル
酸)とコハク酸の縮合物、5,5′−エチリデンビス(ア
ントラニル酸)とアジピン酸の縮合物、5,5′−エチリ
デンビス(アントラニル酸)とフタル酸の縮合物、5,
5′−エチリデンビス(アントラニル酸)とイソフタル
酸の縮合物、5,5′−エチリデンビス(アントラニル
酸)とテレフタル酸の縮合物、5,5′−エチリデンビス
(アントラニル酸)と1,4−ナフタレンジカルボン酸の
縮合物、5,5′−エチリデンビス(アントラニル酸)と
1,5−ナフタレンジカルボン酸の縮合物、5,5′−エチリ
デンビス(アントラニル酸)と2,6−ナフタレンジカル
ボン酸の縮合物、5,5′−エチリデンビス(アントラニ
ル酸)と2,7−ナフタレンジカルボン酸の縮合物、5,5′
−エチリデンビス(アントラニル酸)とビフェニル−2,
2′−ジカルボン酸の縮合物、5,5′−エチリデンビス
(アントラニル酸)とビフェニル−4,4′−ジカルボン
酸の縮合物、5,5′−エチリデンビス(アントラニル
酸)と4,4′−オキシジ安息香酸の縮合物、5,5′−エチ
リデン、ビス(アントラニル酸)と3,3′−(p−フェ
ニレンジオキシ)ジ安息香酸の縮合物、5,5′−エチリ
デンビス(アントラニル酸)と4,4′−(p−フェニレ
ンジオキシ)ジ安息香酸の縮合物、5,5′−エチレンビ
ス(アントラニル酸)とコハク酸の縮合物、5,5′−エ
チレンビス(アントラニル酸)とアジピン酸の縮合物、
5,5′−エチレンビス(アントラニル酸)とフタル酸の
縮合物、5,5′−エチレンビス(アントラニル酸)とイ
ソフタル酸の縮合物、5,5′−エチレンビス(アントラ
ニル酸)とテレフタル酸の縮合物、5,5′−エチレンビ
ス(アントラニル酸)と1,4−ナフリレンジカルボン酸
の縮合物、5,5′−エチレンビス(アントラニル酸)と
1,5−ナフタレンジガルボン酸の縮合物、5,5′−エチレ
ンビス(アントラニル酸)と2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸の縮合物、5,5′−エチレンビス(アントラニル
酸)と2,7−ナフタレンジカルボン酸の縮合物、5,5′−
エチレンビス(アントラニル酸)とビフェニル−2,2′
−ジカルボン酸の縮合物、5,5′−エチレンビス(アン
トラニル酸)とビフェニル−4,4′−ジカルボン酸の縮
合物、5,5′−エチレンビス(アントラニル酸)と4,4′
−オキシジ安息香酸の縮合物、5,5′−エチレンビス
(アントラニル酸)と3,3′−(p−フェニレンジオキ
シ)ジ安息香酸の縮合物、5,5′−エチレンビス(アン
トラニル酸)と4,4′−(p−フェニレンジオキシ)ジ
安息香酸の縮合物等が挙げられるが、芳香族ジカルボン
酸の縮合物が好ましい。
本発明は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位
を有する化合物を高分子材料用の新規な紫外線吸収剤と
して用いるものであり、その添加量は高分子材料100重
量部に対して、通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01
〜5重量部である。
本発明における安定性改善の対象となる高分子材料と
しては、例えば、高密度、低密度または直鎖状低密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−
3−メチルペンテン等のα−オレフィン重合体またはエ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共
重合体等のポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩
化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共
重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩
化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−
シクロヘキシルマレイミド共重合体、塩化ビニル−シク
ロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂、石
油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、アクリル樹脂、スチレン及び/又はα−メチルスチ
レンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニル
マレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリ
ロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹
脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルブチラール、ポリエチレンテレフタレート及
びポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエス
テル、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタム
及びポリヘキサメチレンアジポアミド等のポリアミド、
ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂等の熱可塑性
合成樹脂及びこれらのブレンド物あるいはフェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂をあげることができ
る。更に、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム等のエラストマーであっても良い。
本発明の組成物には、前記一般式(I)で表される繰
り返し単位を有する化合物と共に、他の汎用の抗酸化
剤、安定剤等の添加剤を併用することができる。
これらの添加剤として特に好ましいものとしては、フ
ェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の抗酸化剤、ヒ
ンダードアミン系の光安定剤があげられる。
上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−
ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4
−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネー
ト、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコール
ビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス
〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ア
ミド〕、4,4′−チオビス(6−第三ブチル−m−クレ
ゾール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−第
三ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エ
チル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス
(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリッ
クアシッド〕グリコールエステル、4,4′−ブチリデン
ビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2′−エ
チリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2′
−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフ
ェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第
三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第
三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレ
ート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ
−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5
−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドルキシベンジル)−2,4,6−トリメチル
ベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソ
シアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−
アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベン
ジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−
{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テト
ラオキシサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレング
リコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
また、上記硫黄系抗酸化剤としては例えば、チオジプ
ロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等
のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリス
リトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネー
ト)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオ
ン酸エステル類があげられる。
また、上記ホスファイト系抗酸化剤としては、例え
ば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4
−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−
第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホス
ファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニ
ルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイ
ト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジ
フェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,
4′−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチ
ルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)
−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラ
キス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホ
スホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホス
ファフェナンスレン−10−オキサイド等があげられる。
また、上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例
えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾ
エート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンオキシエチ
ル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、
N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレ
ート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)
ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタ
ンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル
−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキ
シ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕
ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス
{(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシ
カルボニルオキシ)ブチレカルボニルオキシ}エチル〕
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、
1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5
−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデ
カン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合
物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−ト
リアジン/N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N′−
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキ
サメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等があげら
れる。
その他必要に応じて、本発明の組成物には重金属不活
性化剤、ベンゾフェノン系またはベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤、造核剤、金属石けん、有機錫化合物、可
塑剤、エポキシ化合物、発泡剤、帯電防止剤、難燃剤、
滑剤、加工助剤等を包含させることができる。
本発明によって安定化された高分子材料は、例えば、
農業用資材、自動車用塗料等の高度の耐光性が要求され
る分野に特に有用であり、例えば、フィルム、繊維、テ
ープ、シート、各種成型材料、塗料、ラッカー用結合
剤、接着剤、パテ及び写真材料における基材等に用いる
ことができる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によって具体的に説明する。しか
しながら、本発明は下記の実施例によって制限を受ける
ものではない。
「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス」Vol.2
7,1017〜1026,1989に記載の方法に準じ、次の表に示す
安定剤用ポリマーを合成した。このポリマーを以下の実
施例1〜6に用いた。
実施例1 本実施例では、押し出し加工を繰り返すことにより高
温加工による安定化効果の変化をみた。
下記の配合により、樹脂と添加剤をミキサーで5分間
混合した後、250℃で押し出し加工してコンパウンドを
作成した。押し出しを10回繰り返した後、250℃で射出
成型して試験片を作成した。得られた試験片を用いて、
高圧水銀ランプで耐光性試験を行った。また、押し出し
1回及び5回のコンパウンドについても同様に試験を行
った。その結果を表−1に示す。
<配合> エチレン−プロピレン共重合樹脂 100重量部 ステアリン酸カルシウム 0.2 ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート 0.15 ジラウリルチオジプロピオネート 0.2 試料化合物(表−1参照) 0.2 比較化合物1 6,6′−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾ
オキサジン−4−オン) 比較化合物2 2,2′−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−
4−オン) 実施例2 下記の配合物を用い、混練後プレス加工して、厚さ0.
5mmの試験片を作成した。この試験片を用いて、ウェザ
ロメーター中で耐光性を測定し、脆化するまでの時間を
測定した。
その結果を表−2に示した。
<配合> ポリエチレン 100重量部 ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート 0.15 ステアリン酸カルシウム 1.5 2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリ
アジン/N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物 0.2 試料化合物(表−2参照) 0.1 実施例3 下記の配合により、260℃で押し出し加工してペレッ
トを作成し、次いで、260℃で射出成型して、厚さ1mmの
試験片を作成した。この試験片を用いて、83℃のサンシ
ャインウェザオメーター(雨なし)による耐候性試験を
行い、400時間照射後の色差を測定した。
その結果を次の表−3に示した。
<配合> 耐熱ABS樹脂(α−メチルスチレン共重合体)100重量部 カルシウムステアレート 0.4 トリエチレングリコールビス(3−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート 0.15
ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト) 0.25 二酸化チタン 0.5 試料化合物(表−3参照) 0.5 実施例4 下記配合物を70℃で5分間ロール上で混練し、120℃
で5分間プレスして厚さ0.5mmの試験片を作成した。こ
の試験片を用いて、フェードメーターで50時間及び100
時間照射後の伸び残率を測定した。
その結果を表−4に示す。
<配合> ポリウレタン樹脂(旭電化製U−100) 100重量部 バリウムステアレート 0.65 亜鉛ステアレート 0.35 2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール 0.15 試料化合物(表−4参照) 0.3 実施例5 下記の配合物を用い、混練ロールにより混練し厚さ0.
1mmのフィルムを作成した。このフィルムから試験片を
切取り、ウェザロメーターによる耐候性試験を行った。
その結果を表−5に示す。
<配合> 塩化ビニル樹脂(重合度1,000) 100重量部 ジオクチルフタレート 47 エポキシ化大豆油 3 亜鉛ステアレート 0.8 ホスホン酸ノニルフェニルエステルバリウム塩 1.0 テトラ(トリデシル)ビスフェノールAジホスファイト
0.5 ビスフェノールAジグリシジルエーテル 3 メチレンビス(ステアリン酸アミド) 0.5 ソルビタンモノパルミテート 2 試料化合物(表−5参照) 0.5 実施例6 下記の配合物をドライブレンドし、乾燥したのち、2
軸エクストルーダーを用いて温度270℃平均滞留時間約
1分でT−ダイより溶融押出し、約10℃の冷却ドラムで
急冷し、未延伸フイルムを得た。次いで90℃で一軸方向
に3.5倍延伸した後、それと直角方向に100℃で3.5倍延
伸し、更に200℃で30秒間熱処理し、125μの2軸延伸フ
イルムを得た。
得られたフイルムをカーボンアークのサンシャインウ
ェザロメーターを使用し、耐光性を評価した。
尚耐光性は、破断伸度(絶対値)が0%になる時間を
外挿して求めた。
その結果を表−6に示す。
<配合> ポリエチレンテレフタレートチップ(極限粘度0.65)10
0重量部 試料化合物(表−6参照) 1.0 〔発明の効果〕 上記各実施例の結果から、本発明の新規な紫外線吸収
剤としてベンゾオキサジンのポリマーを用いた場合は、
従来知られていた紫外線吸収剤を用いた場合よりも、高
分子材料の耐光性が著しく大きいことは明らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子材料100重量部に対して、下記一般
    式(I)で表される繰り返し単位を有する化合物0.001
    〜10重量部を添加してなる、耐光性の改善された高分子
    材料組成物。 [式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜
    3のアルケニレン基、炭素数6〜25のアリーレン基また
    は炭素数5〜12のシクロアルキレン基を示し、Xは直接
    結合またはアルキリデン基、アルキレン基を示し、nは
    2〜20の整数を示す。]
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