JP2622729B2 - 耐光性の改善された高分子材料組成物 - Google Patents

耐光性の改善された高分子材料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、耐光性の改善された高分子材料組成物に関
し、詳しくは、特定の2−ヒドロキシフェニルベンゾト
リアゾール化合物を添加することによって、長期間に渡
って耐光性の改善された高分子材料組成物に関する。
ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル等の高分子材料は光の作用により劣化し、
変色あるいは機械的強度の低下等を引き起こし、長期の
使用に耐えないことが知られている。
そこで、高分子材料の劣化を防止するために、従来か
ら種々の光安定剤が用いられている。これらの光安定剤
としては、ヒンダードアミン系の光安定剤、ベンゾフェ
ノン系またはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が主
として用いられており、特に、2−ヒドロキシフェニル
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤はその安定化効果
が大きく、広く用いられている。
しかしながら、従来用いられていたベンゾトリアゾー
ル系の化合物はそれ自身の耐熱性に劣り、高分子材料の
加工中あるいは高温下での使用時に揮散したり、あるい
は水、有機溶媒に抽出され易い欠点を有しており、実用
上不満足なものであった。
このため、光安定剤を高分子量化することによって揮
散性を改良しようとする試みもなされており、例えば、
ビニル基、アクリル酸エステル結合を有する化合物を重
合させたポリマーを用いることも提案されており、揮散
性はある程度改善されている。しかしながら、このよう
な高分子量体は合成樹脂等の高分子材料に対する分散性
に劣り、また、樹脂中での移動も殆ど起こらないので、
その効果を充分に発揮し難い欠点を有しており、実用的
なものとはなりえなかった。
また、二分子の2−ヒドロキシフェニルベンゾトリア
ゾール化合物をホルムアルデヒド、オクチルアルデヒド
等のアルデヒドで結合した二量体化合物も低揮散性の紫
外線吸収剤として提案されているが、これらの化合物は
化合物自体の耐熱性に難点があり、高温加工時等の苛酷
な条件ではその効果を満足に発揮しえない欠点があっ
た。
本発明者等は、上記の現状に鑑み、新規なタイプの高
分子量の光安定剤を得るために鋭意検討を重ねた結果、
下記一般式(I)で表される化合物が耐熱性に優れ、苛
酷な加工条件下においても合成樹脂等の高分子材料に長
期の耐候性を付与しえることを見出し本発明に到達し
た。
即ち、本発明は高分子材料100重量部に対して、下記
一般式(I)で表されるシロキサン化合物0.001〜5重
量部を添加してなる、耐光性の改善された高分子材料組
成物を提供するものである。
〔式中、Rは次の式(II)で表される基を示し、R1は炭
素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基又はフェニ
ル基を示し、nは0〜3を示す。
(Xは水素原子またはハロゲン原子を示し、R2は水素原
子または炭素原子数1〜12のアルキル基を示し、R3は炭
素原子数2〜4のアルキレン基を示す。)〕 以下、上記要旨をもってなる本発明について詳述す
る。
上記式中、R1で表されるアルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、第二ブチル、イソブチル、アミル、オクチル等があ
げられ、アルコキシ基としては上記のアルキル基から誘
導されるアルコキシ基があげられる。R2で表されるアル
キル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソ
ブチル、アミル、第三アミル、オクチル、第三オクチ
ル、デシル、ドデシル等があげられる。R3で表されるア
ルキレン基としては、エチレン、1,2−プロピレン、1,3
−プロピレン、2−メチル−1,3−プロピレンがあげら
れる。Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩
素原子、臭素原子、弗素原子があげられる。
上記一般式(I)で表される化合物は、例えば、 で表される化合物と、2−(2−ヒドロキシ−3−アル
ケニルフェニル)ベンゾトリアゾール化合物とを、塩化
白金酸あるいはシロキサン系の触媒の存在下に、必要に
応じて、イソプロパノール、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等の反応に不活性な溶媒中または無溶媒で付加反
応させるか、又は、 で表される化合物と2−(2−ヒドロキシ−3−アルケ
ニルフェニル)ベンゾトトリアゾール化合物とを反応さ
せた後加水分解する方法等によって容易に製造すること
ができる。
本発明の上記一般式(I)で表される化合物を製造す
るために用いられる2−(2−ヒドロキシ−3−アルケ
ニルフェニル)ベンゾトリアゾール化合物としては、例
えば、2−(2−ヒドロキシ−3−アリル−5−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ
−3−ビニルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−3−アリル−5−第三ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−アリ
ル−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3−アリル−5−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール等があげられる。
反応は、室温〜約200℃までの範囲から適宜選択され
るが、好ましくは、約30℃〜約100℃で行われる。
次に、本発明で用いられる前記一般式(III)で表さ
れる化合物の具体的な合成例をあげるが、本発明は下記
の合成例によって制限を受けるものではない。
合成例−1 オキシビス〔3−(2−ヒドロキシ−3−ベンゾトリア
ゾール−2−イル−5−メチルフェニル)プロピル・ジ
メチルシラン〕(No.1化合物) 2−(2−ヒドロキシ−3−アリル−5−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール13.3gをテトラヒドロフラン1
5mlに溶解し、テトラメチルジシロキサン3.4g及びダウ
コーニング社製シロキサン系白金触媒70mgを加え、50〜
60℃で5時間撹拌した。
赤外分光分析により、1645cm-1のアリル基に基づく吸
収が消失したことを確認した後、脱溶媒し、淡黄色液体
の生成物を得た。生成物は放置することにより固化し、
トルエン/メタノールより再結晶して、融点78〜81℃の
白色固体を得た。
赤外分光分析の結果、3400、1605、1255、1050及び75
0cm-1に吸収が有り、目的物であることを確認した。
上記合成例1と同様の操作により、下記の化合物を合
成した。
本発明は、上記の特定の2−(2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール化合物を高分子材料用の光安定
剤として用いるものであり、その添加量は特に制限を受
けないが、高分子材料100重量部に対して通常0.001〜5
重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。
本発明における安定性改善の対象となる高分子材料と
しては、例えば、高密度、低密度または直鎖状低密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−
3−メチルペンテン等のα−オレフィン重合体またはエ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共
重合体等のポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩
化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共
重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩
化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−
シクロヘキシルマレイミド共重合体、塩化ビニル−シク
ロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂、石
油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、アクリル樹脂、スチレン及び/又はα−メチルスチ
レンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニル
マレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリ
ロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹
脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルブチラール、ポリエチレンテレフタレート及
びポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエス
テル、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタム
及びポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂等の熱可塑性合
成樹脂及びこれらのブレンド物あるいはフェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリカステル樹脂等の熱硬化性樹脂をあげることができ
る。更に、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム等のエラストマーであっても良い。
本発明の組成物には、前記一般式(I)で表される化
合物と共に、他の汎用の抗酸化剤、安定剤等の添加剤を
併用することができる。
これらの添加剤として特に好ましいものとしては、フ
ェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の抗酸化剤、ヒ
ンダードアミン系の光安定剤があげられる。
上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−
ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4
−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネー
ト、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコール
ビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス
〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ア
ミド〕、4,4′−チオビス(6−第三ブチル−m−クレ
ゾール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−第三
ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチ
ル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス
(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリッ
クアシッド〕グリコールエステル、4,4′−ブチリデン
ビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2′−エ
チリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2′
−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフ
ェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第
三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第
三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレ
ート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ
−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5
−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシジベンジル)−2,4,6−トリメチ
ルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イ
ソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−
アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベン
ジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−
{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリ
コールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
また、上記硫黄系抗酸化剤としては例えば、チオジプ
ロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等
のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリス
リトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネー
ト)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオ
ン酸エステル類があげられる。
また、上記ホスファイト系抗酸化剤としては、例え
ば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4
−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−
第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホス
ファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニ
ルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイ
ト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジ
フェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,
4′−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチ
ルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)
−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
第三ブチルェニル)ブタントリホスファイト、テトラキ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホス
ホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド等があげられる。
また、上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例
えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾ
エート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエ
チル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネー
ト、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシ
レート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス〔2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシ
ル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)
ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメ
チル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオ
キシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.
5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{ト
リス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキ
シカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチ
ル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカ
ン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,
3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザ
ドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル
縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s
−トリアジン/N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,
N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等があ
げられる。
その他必要に応じて、本発明の組成物には重金属不活
性化剤、造核剤、金属石けん、有機錫化合物、可塑剤、
エポキシ化合物、発泡剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、
加工助剤等を包含させることができる。
本発明によって安定化された高分子材料は、例えば、
農業用資材、自動車用塗料等の高度の耐光性が要求され
る分野に特に有用であり、例えば、フィルム、繊維、テ
ープ、シート、各種成型材料、塗料、ラッカー用結合
剤、接着剤、パテ及び写真材料における基本等に用いる
ことができる。
〔実施例〕 次に本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1 下記の配合により、250℃で押し出し加工してペレッ
トを作成した。次いで、250℃で射出成型して、厚さ1mm
の試験片を作成した。この試験片について、高圧水銀ラ
ンプを用いて耐光性試験を行った。また、80℃の熱水に
48時間浸漬後の試験片についても同様に試験を行った。
その結果を次の表−1に示す。
<配合> ポリプロピレン(Profax 6501) 100重量部 テトラキス〔メチレン(3,5−ジジ第三ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン 0.1 ステアリン酸カルシウム 0.05 試料化合物(表−1参照) 0.3 比較化合物1 2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール 比較化合物2 2,2′−オクチリデンビス(4−メチル−6−ベンゾト
リアゾール−2−イル)フェノール 実施例2 本実施例では、押し出し加工を繰り返すことにより高
温加工による安定化効果の変化をみた。
下記の配合により、樹脂と添加剤をミキサーで5分間
混合した後、250℃で押し出し加工してコンパウンドを
作成した。押し出しを10回繰り返した後、250℃で射出
成型して試験片を作成した。得られた試験片を用いて、
高圧水銀ランプで耐光性試験を行った。また、押し出し
1回及び5回のコンパウンドについても同様に試験を行
った。その結果を表−2に示す。
<配合> エチレン−プロピレン共重合樹脂 100重量部 ステアリン酸カルシウム 0.2 ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート 0.1 ジラウリルチオジプロピオネート 0.3 試料化合物(表−2参照) 0.2 実施例 3 下記の配合物を用い、混練後プレス加工して、厚さ0.
5mmの試験片を作成した。この試験片を用いてウェザロ
メーター中で耐光性を測定し、脆化するまでの時間を測
定した。
その結果を表−3に示した。
<配合> ポリエチレン 100重量部 ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート 0.1 ステアリン酸カルシウム 1.0 2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリア
ジンン/N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物 0.2 試料化合物(表−3参照) 0.1 実施例4 下記の配合により、260℃で押し出し加工してペレッ
トを作成し、次いで、260℃で射出成型して、厚さ1mmの
試験片を作成した。この試験片を用いて、83℃のサンシ
ャインウェザオメーター(雨なし)による耐候性試験を
行い、400時間照射後の色差を測定した。
その結果を次の表−4に示した。
耐熱ABS樹脂(α−メチルスチレン共重合体)100重量部 マグネシウムステアレート 0.4 トリエチレングリコールビス(3−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート 0.2 ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト 0.2 二酸化チタン 0.5 試料化合物(表−4参照) 0.5 実施例5 下記配合物を70℃で5分間ロール上で混練し、120℃
で5分間プレスして厚さ0.5mmの試験片を作成した。こ
の試験片を用いて、フェードメーターで50時間及び100
時間照射後の伸び残率を測定した。
その結果を表−5に示す。
<配合> ポリウレタン樹脂(旭電化製U−100) 100重量部 バリウムステアレート 0.7 亜鉛ステアレート 0.3 2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール 0.1 試料化合物(表−5参照) 0.3 実施例6 下記の配合物を用い、混練ロールにより混練し厚さ0.
1mmのフィルムを作成した。このフィルムから試験片を
切取い、ウェザロメーターによる耐候性試験を行った。
その結果を表−6に示す。
<配合> 塩化ビニル樹脂(重合度1,000) 100重量部 ジオクチルフタレート 47 トリキシレニルホスフェート 3 亜鉛ステアレート 0.8 ホスホン酸ノニルフェニルエステルバリウム塩 0.8 テトラ(トリデシル)ビスフェノールAジホスファイト 0.8 ビスフェノールAジグリシジルエーテル 3 メチレンビス(ステアリン酸アミド) 0.5 ソルビタンモノパルミテート 2 試料化合物(表−6参照) 0.3 〔発明の効果〕 上記各実施例の結果から、本発明の特定のベンゾトリ
アゾール化合物を用いた場合は、従来知られていた単量
体型あるいは二量体型の化合物を用いた場合よりも、安
定化効果が著しく大きいことは明らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子材料100重量部に対して、下記一般
    式(I)で表されるベンゾトリアゾール化合物0.001〜
    5重量部を添加してなる、耐光性の改善された高分子材
    料組成物。 〔式中、Rは次の式(II)で表される基を示し、R1は炭
    素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基又はフェニ
    ル基を示し、nは0〜3を示す。 (Xは水素原子またはハロゲン原子を示し、R2は水素原
    子または炭素原子数1〜12のアルキル基を示し、R3は炭
    素原子数2〜4のアルキレン基を示す。)〕
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