JP2908083B2 - 耐久親水性を有するポリオレフィン繊維 - Google Patents

耐久親水性を有するポリオレフィン繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久親水性を有するポ
リオレフィン繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン繊維は、価格上または物
性上の特徴を利用して多くの分野で用いられている。し
かし、そのポリマー構造から起因して疎水性が強く、用
途が限定されていた。従って、用途の拡大のためにも親
水性の改善が強く望まれており、従来から親水化する多
くの試みがなされてきた。ポリオレフィン繊維を親水化
する方法として、(a)親水性化合物を繊維表面に付着
させる方法、(b)親水性化合物を繊維表面にグラフト
重合させる方法、(c)繊維を薬液、紫外線または低温
プラズマ等で処理して繊維の表面に親水基を形成させ
る。、(d)親水性化合物をポリマー中に形成させる方
法、等が挙げられる。
【0003】例えば、(a)の方法としては硫酸エステ
ル塩基、リン酸エステル塩基、スルホン酸塩基等の少な
くとも1つの塩基を含むアニオン系界面活性剤でポリプ
ロピレンからなる多孔質膜状物を処理する方法(特開昭
54−153872号公報)、ソルビタンの脂肪酸モノ
エステルを有機溶剤に溶解してポリプロピレン等からな
る微多孔質疎水性膜を処理する方法(特公昭59−50
1049号公報)等がある。また、特開平2−8061
5号公報では、エチレン含有量が30〜70モル%でケ
ン化度が95%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体ケン
化物(a)と融点150℃以上の結晶性熱可塑性樹脂
(b)とが5:95〜95:5の範囲内の重量比で混合
されて成る混合物(A)と、融点が150℃以上の結晶
性熱可塑性樹脂(B)とが20:80〜80:20の範
囲内の重量比で、前者(A)が鞘成分、前者(B)が芯
成分である芯鞘型か、または両者(A),(B)が並列
貼合わせ型となっている複合繊維が開示されている。し
かしながら、酢酸ビニルのケン化度が高いため、ポリオ
レフィンとの密着性が悪くなるといった問題点を有して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記で
は(a)の例として挙げた特開昭54−153872号
公報に開示されている方法では恒久親水性に乏しい。ま
た、特公昭59−501049号公報に開示されている
処理方法では、有機溶剤を用いなければならないため、
その取扱いまたは安全衛生上に問題がある。一方、
(b)または(c)の方法では量産性が劣ったり、特殊
な装置を要したり、あるいは親水性が十分でない等の問
題を有している。更に、(d)については親水性能を十
分に発現させる親水性化合物がない。
【0005】本発明の目的は、繊維の製造にあたって安
全衛生上に問題がなく、量産に適し且つ恒久親水性を有
するポリオレフィン繊維を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者等
は、上記(a)〜(d)の処理法に基づく課題を解決す
べく鋭意検討した結果、ポリオレフィンに特殊な親水性
ポリオレフィンをブレンドしたものを繊維化することに
より、恒久親水性を有するポリオレフィン繊維が得られ
ることを見いだし、本発明に到達した。 本発明の要旨
は、エチレンを10モル%以上含み、ビニルアルコール
含量をbモル%、酢酸ビニル含量をaモル%とすると
き、bが10以上であって、且つb/(a+b)の値が
0.11〜0.89の範囲にある3成分以上からなる親
水性共重合体XとポリオレフィンYからなることを特徴
とするポリオレフィン繊維にある。
【0007】本発明の繊維の一構成成分であるポリオレ
フィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
3−メチルブテン−1、ポリ4−メチル−ペンテン−1
等を挙げることができる。
【0008】本発明の親水性共重合体Xにおいて、該共
重合体X中に占めるエチレンの含量が10モル%未満で
は該共重合体XとポリオレフィンYとの間に全く相溶性
がなく、該共重合体Xのドメイン層が形成され、ポリオ
レフィン繊維が充分な親水性を示さず、好ましくない。
また、該共重合体X中に占めるビニルアルコールの含量
が10モル%未満ではポリオレフィン繊維が充分な親水
性を示さず好ましくない。従って、共重合体X中のエチ
レンが10モル%以上、ビニルアルコール含量bモル%
のbの値が10以上という条件下で、酢酸ビニルの含量
をaモル%としたときのb/(a+b)の値を0.11
〜0.89の範囲にすることにより、該共重合体Xとポ
リオレフィンYとの相溶性を上げ、該共重合体Xとポリ
オレフィンYとの密着性を維持することができる。
【0009】本発明のポリオレフィン繊維は、ポリオレ
フィンYを95〜50重量%と親水性共重合体Xを5〜
50重量%含むポリオレフィンYと親水性共重合体Xの
ブレンドポリマーからなる。親水性共重合体Xが5重量
%未満の場合は繊維が充分な親水性を示さない。親水性
共重合体Xが50重量%を超えると繊維化が困難とな
る。
【0010】上記ポリマーを溶融紡糸、延伸することに
より本発明の耐久親水性を有するポリオレフィン繊維が
得られる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明でいう親水性の評価は、手抄き紙を作成
し、水浸透性及び水透過性の2つの方法により実施し
た。水浸透性は、試作した手抄き紙にビュウレットによ
り水を1滴滴下し、紙上に落下した水滴が吸収され、光
を当てたときの光沢がなくなった時間を肉眼で判定し
た。
【0012】また、水透過性については、コットンリン
ターパルプ上に試作した手抄き紙を載せ、ビュウレット
により水滴を1滴滴下し、紙上に落下した水滴の集合状
態がなくなるまでの時間を肉眼で測定した。
【0013】耐久性については、試験紙をJIS L−
0217−103法に従って洗濯を10回繰り返し、1
0回後の水浸透性測定及び水透過性測定を行って性能を
評価した。
【0014】実施例1 常法によって得られたエチレン含量32モル%のエチレ
ン・ビニルアルコール共重合体30重量部を水40重量
部、氷酢酸200重量部、10規定の塩酸10重量部を
仕込んだ反応器に入れた後、温度40℃で4時間反応さ
せ、エチレンとビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合
体(親水性共重合体X)を得た。該共重合体X中のエチ
レンとビニルアルコールと酢酸ビニルのモル比は、3
2:44:24であり、b/(a+b)は0.65であ
った。
【0015】この親水性共重合体Xと高密度ポリエチレ
ン(三井石油化学(株)製 Hizex2200J )とを20:
80(重量部)の割合で二軸押出機を使用して溶融混練
してペレット化し、さらに乾燥した。
【0016】次いで、このペレットを紡糸機に供給し、
紡糸温度180℃として孔径1.0φ、孔数20の紡糸
口金から吐出両12.5g/minで紡出させ、紡速3
50m/minでボビンに巻き取った。得られた未延伸
糸をステープル用延伸機を使用して、延伸温度70℃で
延伸量が240%になるように延伸し、3mmにカット
した。得られた繊維は、単繊維繊度4.9デニール、引
張強度3.43g/d引張伸度40.6であった。
【0017】該延伸糸80重量%と単繊維繊度2.5デ
ニール、繊維長3mmの低密度ポリエチレン繊維20重
量%を混合した後、角型タピー抄紙機で混抄し、繊維紙
を作成した。その後ヤンキードライヤー型のフエロ板熱
円筒上で115℃、1分間乾燥し、接着して目付け50
g/cm2 の手抄き紙を作成した。
【0018】つづいて親水性の評価を実施したところ、
表1に示す結果が得られ、耐久親水性を有していること
がわかった。
【0019】比較例1 密度0.958g/cm3 の高密度ポリエチレン(三菱
油化(株)製 三菱ポリエチJX−10)を実施例1と
同一条件で紡糸、延伸を行った。得られた繊維は、単繊
維繊度5.1デニール、引張強度4.35g/d、引張
伸度43.3%であった。
【0020】さらに、実施例1と同一条件で目付け50
g/cm2 の手抄き紙を作成した。つづいて親水性の評
価を実施したところ、表1に示す結果が得られ、耐久親
水性を有していないことがわかった。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
よればポリオレフィンに特定の親水性ポリオレフィンを
ブレンドすることにより良好な耐久親水性を有するポリ
オレフィン繊維を提供することが可能となる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンを10モル%以上含み、ビニル
    アルコール含量をbモル%、酢酸ビニルの含量をaモル
    %とするとき、bが10以上であって、且つb/(a+
    b)の値が0.11〜0.89の範囲にある3成分以上
    からなる親水性共重合体XとポリオレフィンYとからな
    る耐久親水性を有するポリオレフィン繊維。
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US6692868B2 (en) 2001-12-19 2004-02-17 Daramic, Inc. Melt blown battery separator
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