JP2900035B2 - 売上データ処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、１取引を終了させる締め指示を行なった
場合に、入力された売上データが行方向に順次印字され
たレシートを発行するようにした売上データ処理装置に
関する。

［従来の技術］ 電子レジスタでは、売上データが入力される毎に、商
品別の売上累計データが更新されると共に、その取引さ
れた売上データをレシートに印字していき、取引を終了
させる締め指示が行なわれた場合はレシートを発行する
ようにしている。

ところで、取引途中で取引を中止することの指示がな
された際は、それまでにレシートに印字された売上デー
タのうちの最後の売上データ位置の次の位置に取引中止
である旨を印字して、そのレシートを発行してそのレシ
ートを保管して後日確認できるようにしている。このよ
うに、取引中止である旨をレシートに印字するのは、そ
の取り引きによって発行されたレシートと客が受け取ら
ずに置いていってしまった正規のレシートとを後で区別
ができるようにするためである。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、客が取引を中止する申し出を取引途中で行な
えばレシートに取引中止である旨の印字が最終行になさ
れるが、取引を終了させる締め指示が行なわれた場合は
レシートが既に発行されてしまっているので、客が受け
取らずに置いた正規のレシートとの区別がつかなくなっ
てしまう不都合があった。

この発明の課題は、取引を終了させる締め指示が行な
われて発行されたレシートであっても、取引の中止がな
されたことが識別できるようにすることである。

［課題を解決するための手段］ この発明の手段は次の通りである。

入力された売上データを行方向に順次レシートに印字
し、１取引を終了させる締め指示を行なった場合に前記
レシートを発行する印字手段と、 前記締め指示の後に１取引分の取引の中止を指示する
指示手段と、 前記印字手段に前記発行済みのレシートをセットする
セット手段と、 前記指示手段により１取引の中止が指示された際、前
記セット手段にセットされた前記レシートに対して、そ
のレシートに印字された１取引データの複数行の縦方向
に重ねて、その印字された１取引のデータが無効である
ことを示す無効データを前記印字手段によりレシート印
字する印字制御手段とを具備する。

［作用］ この発明の手段の作用は次の通りである。

入力された売上データが印字手段で行方向に順次レシ
ートに印字され、１取引を終了させる締め指示を行なっ
た場合に前記レシートが発行される。そして指示手段に
よって、前記締め指示の後に１取引分の取引の中止が指
示され、セット手段に前記印字手段に前記発行済みのレ
シートがセットされると、印字制御手段の制御によっ
て、前記セット手段でセットされた前記レシートに対し
て、そのレシートに印字された１取引データの複数行の
縦方向に重ねて、その印字された１取引のデータが無効
であることを示す無効データが前記印字手段によりレシ
ート印字される。

従って、取引の後に発行済みのレシートに対して、複
数行の縦方向に重ねて無効データを印字することがで
き、取引の中止がなされたことを識別できるようにる。

［実施例］ 以下、一実施例を第１図ないし第４図を参照しながら
説明する。

第１図は、売上データ処理装置のブロック構成図であ
り、CPU1は、キー入力部２から入力された売上データ
を、ROM3に予め格納されたプログラムに従って各種処理
し、その処理結果をROM4に格納、表示部５に表示、印字
部６にて印字する等の処理を制御する。

入力制御部７は、キー入力部２のキー操作状況をスキ
ャニングし、操作キーに対応するコードを生成してCPU1
に出力する。また、表示制御部８、印字制御部９は、各
々、表示、印字対象のデータ（コード）に応じて表示信
号、印字信号を生成して表示部５に表示、印字部６にて
印字させる。

キー入力部２は、設定（Ｐ）、登録（Ｒ）、電源OF
F、点検（Ｘ）、精算（Ｚ）の各モードを切替設定する
モード切替スイッチSW1、領収レシートの発行を行うか
否かを指示するレシートスイッチSW2、置数キー2aの他
に、部門キー2b、現金／預りキー2c、一取引きの取消し
を指示する取消キー2d等のファンクションキーを有して
いる。なお、現金／預りキー2cが操作されたときは、CP
U1は、一取引分の合計金額の算出、釣銭の算出等の一取
引の締め処理を実行する他、金銭収納用のドロア10をオ
ープンする。

RAM4には、部門別に売上合計個数、売上合計金額等を
累計記憶する部門別メモリM1、一取引の売上明細データ
を記憶する一取引メモリM2、及び退避用メモリM3等の各
種メモリが形成されている。

この退避用メモリM3には、一取引分の第１回目の売上
データが入力されたとき、その時点での部門別メモリM1
内の累計データ、すなわち、前回までの取引分の部門別
売上合計個数、部門別売上合計金額が転送される。な
お、転送が行われたときは、CPU1内の取消処理許可フラ
グF1がセットされる。上記退避用メモリM3は、今回の取
引に対する中止が指示された際、中止に係る今回の取引
により更新された部門別メモリM1の売上合計個数、売上
合計金額を、前回の取引までの内容に復帰させるために
活用される。

印字部６は、レシート／ジャーナル印字部6aと認証印
字部6bとを有している。なお、認証印字部6bは、図示省
略した認証印字用のスリップテーブルに載置された用紙
を検出するためのセンサ6bbを有しており、所定の条件
の下でセンサ6bbにより用紙が検出されたときは、その
用紙の印字内容が無効である旨を印字する。また、認証
印字は、レシート印字用の印字ヘッド6aaとジャーナル
印字用の印字ヘッド6abにより印字される。

なお、CPU1は、領収レシートを発行しなかった取引に
対して取消が指示されたときは、レシート用印字ヘッド
6aaによる領収レシート側での取消印字を禁止する旨を
示す取消印字禁止フラグF2を有している。

次に、第２図ないし第４図を参照しながら実施例の動
作を説明する。

CPU1は、登録モードの下で、先ず、キー操作を待ち
（ステップS1）、キー操作が行われると、それが登録操
作であるか否かを判断する（ステップS2）。その結果、
登録操作であれば、一取引きの第１回目の登録操作であ
るか否かを判断し（ステップS3）、第１回目の登録操作
であれば、部門別メモリM1内の現時点でのデータ、すな
わち、前回取引分までの各部門の売上合計個数、売上合
計金額を退避用メモリM3にコピーする（ステップS4）。
そして、取消許可フラグＦをセットする（ステップS
5）。次に、上記登録操作により入力されたデータに基
づいて、部門別メモリM1内対応する部門の売上合計個
数、売上合計金額を更新する、入力されたデータを一取
引メモリM2に格納する、その入力データをレシート／ジ
ャーナル印字部6aにて、レシート印字、ジャーナル印字
する（第３図（R1）、（J1）参照）等の一連の登録処理
を行って（ステップS6）、ステップS1に戻る。

ステップS3で、第１回目の登録操作でないと判断され
たときは、直ちにステップS6に進んで、登録処理を実行
する。

ステップS2にて、登録操作でないと判断されたとき
は、現金／預りキー2cの操作による締め操作であるか否
かを判断する（ステップS7）。その結果、締め操作であ
れば、レシートスイッチSW2のオンを条件として領収レ
シートを発行する、一取引メモリM2の内容をクリアする
等の一連の締め処理を行って（ステップS8）、ステップ
S1に戻る。

一方、締め操作でないと判断されたときは、取消キー
2dの操作による一取引の取消操作であるか否かを判断す
る（ステップS9）。その結果、一取引の取消操作であれ
ば、取消処理許可フラグＦがセットされているか否か、
すなわち、退避用メモリM3に前回取引分までの各部門の
売上合計個数、売上合計金額が退避されているか否かを
判断する（ステップS10）。その結果、退避されておれ
ば、締め処理後の取消操作であるか否かを判断し（ステ
ップS11）、締め処理後の取消操作であれば、領収レシ
ート発行処理を行っている否かを判断する（ステップS1
2）。その結果、領収レシート発行処理を行っていると
きは、センサ6bbに基づいて用紙がスリップテーブルに
載置されているか否かを判断し（ステップS13）、載置
されておればステップS16に進む。上記判断では、単に
用紙が載置されているか否かを判断し、その用紙が直前
の取引きに係る売上明細データを印字した領収レシート
であるか否かの判断は、オペレータが行う。

一方、領収レシート発行処理を行っていないときは、
レシート用印字ヘッド6aaによる領収レシート側での取
消印字を禁止するため、取消印字禁止フラグF2をセット
する（ステップS14）。

ステップS11にて、締め処理前（登録途中）の取消操
作であると判断されたときは、レシートスイッチSW2が
オンされているか否かを判断する（ステップS15）。そ
の結果、レシートスイッチSW2がオンされているとき
は、ステップS16に進み、オンされていないときは、領
収レシートの印字を行っていないことを意味するので、
ステップS14にて取消印字禁止フラグF2をセットした後
にステップS16に進む。

ステップS16では、一取引が取消された旨を印字す
る。この場合、第３図（R1）、（J1）に示したように、
ジャーナル印字、レシート印字を双方ともに行っている
登録の途中で取消操作が行われたときは、取消印字禁止
フラグF2はリセットされているので、第３図（R2）、
（J2）に示したように、領収レシート、ジャーナルレシ
ートの双方に対して取消印字が行われる。また、第４図
（R1）、（J1）に示したように、ジャーナル印字、レシ
ート印字を双方とも行い、締め処理の後に一取引の取消
操作が行われたときも、第４図（R2）、（J2）に示した
ように、同様に領収レシート、ジャーナルレシートの双
方に対して取消印字が行われる。

このような取消印字が終了すると、登録の途中である
か否かを判断する（ステップS17）。その結果、登録の
途中ではなく、締め処理後であれば、ステップS20に進
む。一方、登録の途中であれば、レシートスイッチSW2
がオンされているか否かを判断する（ステップS18）。
その結果、レシートスイッチSW2がオンされているとき
は、第３図（R2）に示したような、登録途中の売上明細
データに対して取消印字が為された領収レシートを発行
して、ステップS20に進む。レシートスイッチSW2がオン
されていないときは、そのままステップS20に進む。

ステップS20では、部門別メモリM1の内容23を退避用
メモリM3の内容に書替える。この書替処理により、部門
別メモリM1の内容は、取引が取消された今回取引分の売
上データ分を含まない、前回取引までの内容に復帰され
る。

次に、取消処理許可フラグF1をリセットすると共に、
取消印字禁止フラグF2がセットされておれば、それもリ
セットして（ステップS21）、ステップS1に戻る。

ステップS9にて、取引の取消操作でないと判断された
ときは、キー操作に応じた他の処理を行い（ステップS2
2）、ステップS10にて、取消処理許可フラグF1がリセッ
トされていると判断されたときは、エラー処理を行って
（ステップS23）、各々ステップS1に戻る。

このように、登録の途中のみならず、締め処理の後で
あっても、簡単な操作により一取引の取消し処理を完全
に行う。

なお、この発明は、上述の実施例に限定されることな
く、例えば、スキャナによりバーコードを読取って売上
データを入力するPOSターミナルに適用することも可能
である。また、センサ6bbを光学文字読取機能を有する
もので構成し、領収リシートに印字された一連No.を読
取らせて、スリップテーブルに載置された用紙が直前に
発行された領収レシートであるか否かを自動的に判断さ
せても良い。さらに、一取引メモリM2の代わりに、複数
取引分の売上明細データを記憶するメモリを形成し、セ
ンサ6bbを光学文字読取機能を有するもので構成するこ
とにより、直前の取引のみならず、複数回前の取引を同
様に取消すことも可能である。また、センサ6bbをバー
コード読取機能を有するもので構成し、領収レシートに
印字する一連No.をバーコード形式で印字することによ
り、スリップテーブルに載置された領収レシートがどの
取引分に相当するかを自動的に判別させ、部門別メモリ
M1等の累計メモリの内容を、自動判別結果に応じて補正
することも可能である。

［発明の効果］ この発明によれば、１取引の中止が指示された際、発
行済みのレシートをセットして、そのレシートに印字さ
れた１取引データの複数行の縦方向に重ねて、その印字
された１取引のデータが無効であることを示す無効デー
タをレシート印字できる。したがって、取引きが終了し
た場合にその取引を中止する場合にあっても、１取引の
中止を指示して、発行されてしまつたレシートをセット
することで、そのレシートが無効であることを印字で
き、しかも、無効データをレシートに印字された１取引
データの複数行の縦方向に重ねて印字するため、１取引
の全てが無効であることを直に見分けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例のブロック構成図、第２図は
実施例の動作を示すフローチャート、第３図は登録途中
での取消し印字を説明するための図、第４図は図締め処
理後の取消し印字を説明するための図である。 １……CPU、2b……取消キー、３……ROM、４……RAM、
６……印字部、6aa……レシート印字用の印字ヘッド、6
b……認証印字部、6bb……センサ、M1……部門別メモ
リ、M3……退避用メモリ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入力された売上データを行方向に順次レシ
   ートに印字し、１取引を終了させる締め指示を行なった
   場合に前記レシートを発行する印字手段と、 前記締め指示の後に１取引分の取引の中止を指示する指
   示手段と、 前記印字手段に前記発行済みのレシートをセットするセ
   ット手段と、 前記指示手段により１取引の中止が指示された際、前記
   セット手段にセットされた前記レシートに対して、その
   レシートに印字された１取引データの複数行の縦方向に
   重ねて、その印字された１取引のデータが無効であるこ
   とを示す無効データを前記印字手段によりレシート印字
   する印字制御手段と、 を備えたことを特徴とする売上データ処理装置。