JP2899697B1 - モリブデン化合物及び/又はアンチモン化合物を含有する廃水の処理方法 - Google Patents

モリブデン化合物及び/又はアンチモン化合物を含有する廃水の処理方法

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Abstract

【要約】 【課題】 アンチモン化合物及び/又はモリブデン化合
物を含有する廃水を処理してアンチモン化合物及び/又
はモリブデン化合物を分離する廃水の処理方法の提供。 【解決手段】 アンチモン化合物及び/又はモリブデン
化合物を含有する廃水を処理してアンチモン化合物及び
/又はモリブデン化合物を分離除去するに際し、廃水に
無機系凝集剤を添加して、アンチモン化合物及び/又は
モリブデン化合物を吸着した状態のフロック(凝集沈殿
物)を生成せしめた後に、ゼオライトと接触させること
によりアンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を
フロック(凝集沈殿物)と共に、ゼオライトに吸着させ
て廃水中から分離除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンチモン化合物
及び/又はモリブデン化合物を含有する廃水を処理して
アンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を分離除
去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機顔料製造工業、無機触媒製造工業、
染色工業などでは、原料、触媒或いは製品としてアンチ
モン化合物やモリブデン化合物が大量に使用され、また
アンチモン化合物やモリブデン化合物を含む製品が生産
されてきた。これらの工程から生ずる廃液や廃水などに
はアンチモン化合物やモリブデン化合物を含有してお
り、また金属鉱山における金属の精錬の工程からの廃
水、及び休廃止金属鉱山の排水中にもこれらの物質を含
有しており、これらはいずれも環境汚染物質であり、こ
れらの廃水を処理することが環境汚染防止の点から要望
されている。従来、鉱工業廃水中に含まれる重金属類の
処理には、廃水中に鉄塩やカルシウム塩を添加して重金
属類を沈殿除去する凝集沈殿法が主に使用されてきた。
しかしながら、これらの方法によりアンチモン化合物や
モリブデン化合物を含有する廃水を処置しようとする
と、アンチモンやモリブデンは水中で主に酸素酸の陰イ
オンを形成する結果、ほとんど沈殿を形成しないので、
凝集吸着されず、水中に残存するために、実質的には未
処理に近い状態のまま排水中に放出されてしまい、結果
としてアンチモン化合物やモリブデン化合物を分離する
ことができなかった。アルカリ及び凝集剤添加による凝
集沈殿法では、アンチモン化合物及びモリブデン化合物
は、凝集剤への吸着が低く、大量の凝集剤が必要であ
る。このため、吸着処理後大量の含水率が高いスッラジ
が生成し、処理効率の低さに加えて、大量のスラッジの
処分のためにコスト高になり、実用化されていない。他
の処理法として、イオン交換樹脂を用いる方法や活性炭
を用いて選択的に除去する方法の利用が可能である。し
かしながら、イオン交換樹脂を用いる方法ではイオン交
換樹脂を用いる操作が煩雑であり、同じく活性炭を用い
る方法においても活性炭の特性を考慮すると、良好な活
性炭を使用しなければならない上に、処理により発生す
る大量の活性炭の処理が問題となり、吸着剤およびメン
テナンスに費用がかかり、実用されるに至ってない。ま
た、ゼオライトによる吸着処理は、ゼオライト自体の吸
着量が十分でなく、そのために吸着効果が低く、このた
めゼオライトを単独に使用する排水処理方法は、実用的
ではないとされ、ゼオライトは廃水処理にはほとんど使
用されていない。このような技術背景の基でアンチモン
化合物及びモリブデン化合物を含有する廃水の処理法
は、実用化された例はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、アン
チモン化合物とモリブデン化合物を含有する廃水を処理
してアンチモン化合物とモリブデン化合物を分離する廃
水の処理方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、実験によ
り以下の知見を見いだし、本発明を完成するに至った。
アンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を含有す
る廃水に少量の凝集剤を添加し、場合によりアルカリを
添加して中和後、凝集剤による沈殿を熟成させることな
く、フロックを形成した状態で水中のアンチモン化合物
及び/又はモリブデン化合物をフロックに吸着させるこ
とができる。そして、次に、このフロックを含む廃水を
更にゼオライトと接触させることにより、水中のフロッ
クに吸着されていないアンチモン化合物及び/又はモリ
ブデン化合物などの化学種とフロックに吸着されている
これらの化学種をともに吸着することができる。このよ
うに処理することにより、廃水中ののアンチモン化合物
及び/又はモリブデン化合物が排水から除去される。更
に、ゼオライトに吸着されたアンチモン化合物及び/又
はモリブデン化合物は、ゼオライトを撹拌しながら水洗
することにより、ゼオライトから脱着させることができ
る。この脱着した固形物をろ過することにより、廃水中
のアンチモン及びモリブデンをスラッジとして分離する
ことにより、廃水処理が可能となる。
【0005】すなわち、本発明によれば、アンチモン化
合物及び/又はモリブデン化合物を含有する廃水を処理
してアンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を分
離除去するに際し、廃水に無機系凝集剤を添加して、ア
ンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を吸着した
状態のフロック(凝集沈殿物)を生成せしめた後に、ゼ
オライトと接触させることによりアンチモン化合物及び
/又はモリブデン化合物を凝集沈殿物と共に、ゼオライ
トに吸着させて廃水中から分離除去する方法、前記方法
により得られる分離除去したアンチモン化合物及び/又
はモリブデン化合物を吸着した状態のフロック(凝集沈
殿物)を吸着したゼオライトを、水中で撹拌処理し、吸
着したアンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を
吸着した凝集沈殿物を水中に取り出し、ゼオライトを再
生分離する方法、及び再生分離したゼオライトを、アン
チモン化合物及び/又はモリブデン化合物を吸着した状
態のフロック(凝集沈殿物)を含有する廃水中に添加す
ることによりアンチモン化合物及び/又はモリブデン化
合物をフロック(凝集沈殿物)とともに、ゼオライトに
吸着させて排水中から分離する方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で処理対象となる廃水は、
各種製造工程等から排出されるアンチモン化合物及び/
又はモリブデン化合物を含有する廃水である。これらの
廃水には他の金属化合物や陰イオンを含有する場合あっ
ても、その溶液を処理対象とすることができる。廃水中
に含まれるアンチモン化合物及び/又はモリブデン化合
物は、水に可溶な塩の状態であれば、これらの廃水は処
理することができる。また、不溶性の塩として含有する
場合であっても、可溶性の塩とする前処理を施すことに
より処理対象とすることができる。アンチモン化合物や
モリブデン化合物は、水中では酸素酸イオンを形成して
いると考えられるが、酸素酸イオンを形成するヒ素化合
物やセレン化合物、燐酸イオン、硝酸イオンなどを含む
廃水であっても処理対象とすることができる。また、廃
水中にアンチモン化合物やモリブデン化合物を含まない
で、ヒ素化合物及び/又はセレン化合物を含む廃水であ
っても、本発明の処理方法に従って処理することができ
る。
【0007】本発明の処理においては、廃水に無機系凝
集剤を添加する。無機系凝集剤の添加する割合は凝集剤
を添加して沈殿を生じさせたり、沈殿を熟成させる程度
の量ではなく、フロック(以下、凝集沈殿物ともいう)
を形成する程度の量が用いられる。この量は廃水に含ま
れるアンチモン及び/又はモリブデンを吸着することが
できるのと同じ程度の量であり、含まれる他の成分の量
により変化するが、一般に、重量で廃水1に対して10
倍以上の割合の範囲で選ばれる。
【0008】図1はアンチモン及びモリブデンの標準溶
液を処理した結果である。ポリ塩化アルミニウム(以
下、明細書、図面及び表においてPACと記すこともあ
る。)の使用量の変化がアンチモン及びモリブデンの除
去率に与える影響を図に示した物である。Sb及びMo
10ppmに対し、特定量のポリ塩化アルミニウムを添
加して、次に、ゼオライト10gを添加し、1.2μm
のメンブランフィルターでろ過して、フロック及びゼオ
ライトによる吸着除去効果を検討した結果を示したもの
である。この結果によれば、ポリ塩化アルミニウムの添
加量が小さいほど除去効果が大きい傾向が認められる。
なお、添加するゼオライトについては後述するが、ゼオ
ライトの加工前及び加工後という表現は、900℃での
加熱の有無を表している。400℃程度で加熱した加工
前と900℃で加熱した加工後で差は認められない。天
然ゼオライトは900℃まで加熱する必要はない。この
ことから水中のアンチモン及びモリブデン濃度と同程度
の凝集剤の添加で充分吸着が生じ、除去可能なことが期
待される。
【0009】無機系凝集剤としては、廃水に添加して廃
水に含まれる成分を凝集させることができ、フロックを
形成できるものであれば、適宜利用することができる。
一般的には、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ミョ
ウバン石、硫酸バンド等を挙げることができる。無機系
凝集剤の添加は、廃水中のアンチモン或いはモリブデン
と同等程度の量の添加で、アンチモン及びモリブデンが
フロックへ吸着する働きをする。この吸着はフロック形
成にともなってフロック内に生じる正と負の電荷分布に
起因して、廃水中にイオンとして存在するアンチモン及
びモリブデンがフロックに引きつけられ吸着される。
【0010】アンチモン及び/又はモリブデンが、フロ
ックに吸着されやすくするために、廃水を中性乃至アル
カリ性とする。中性又はアルカリとするためには水酸化
ナトリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ性物質の
水溶液が用いられる。表1は、凝集剤ポリ塩化アルミニ
ウムを添加し、フロックを形成する際のpHの影響及び
pH調整の操作手順を示す結果である。この結果によれ
ば、凝集剤を添加する前にpH調整を行うと、凝集剤の
添加によってpHが変化し、アンチモン及び/又はモリ
ブデンの除去率が低下することがわかる。また、凝集剤
を添加する前に廃水のpHを調整するよりも、凝集剤を
添加した後に廃水のpHを調整する方がフロックの形成
が一定のpHで行われ、アンチモン及び/又はモリブデ
ンの除去率が高くなる結果となることがわかる。又、凝
集剤としてポリ塩化アルミニウムを用いると、廃水のp
H値が6以上で水酸化物を形成するが、pH6以上でア
ンチモン及び/又はモリブデンの除去率が高くなること
がわかる。
【0011】
【表1】
【0012】次に、アンチモン及び/又はモリブデンを
吸着したフロックを含む廃水をゼオライトと接触させ
て、アンチモン化合物、モリブデン化合物及びフロック
をゼオライトに吸着させる。水中のフロックを更にゼオ
ライトと接触させることにより、ゼオライトに水中のフ
ロックに吸着されていない化学種とフロックをともに吸
着させることができる。この両方の複合的な作用によっ
て、廃水中のアンチモン化合物及び/又はモリブデン化
合物が廃水中から除去される。使用するゼオライトは、
天然産出のゼオライト及び化学合成された合成ゼオライ
トのいずれでも使用することができる。ゼオライトは使
用前に400〜900℃で加熱処理し、ゼオライト間隙
中の水分及び有機物を除去することが好ましい。更にゼ
オライト表面の不純物の除去と表面に電荷分布を持たせ
るために塩酸や過塩素酸で洗浄したものを用いることが
有効である。また、廃水との接触効率を高めるため造粒
したものを使用することが有効である。ゼオライトとア
ンチモン及び/又はモリブデンを含む廃水と接触させる
際には、ゼオライト粒子を廃水中に添加撹拌し、撹拌終
了後に廃水から分離することもできるが、ゼオライトを
充填した管状の塔の中を通過させてゼオライトと接触さ
せることが有効である。ゼオライトの添加量は適宜定め
ることができる。例えば、本発明の方法をバッチ試験で
行った結果では10万倍量で平衡に達するという結果が
得られており(図2)、これらの結果を参考にして、そ
の添加量を定めることができる。一般的には、添加量を
大過剰量とすることにより吸着表面積を大きくすること
ができるので、処理速度を増すことができる。
【0013】図2は、アンチモン及びモリブデンの標準
液10ppm50mlに対して、10%ポリ塩化アルミ
ニウム溶液を0.2ml(濃度;Al 84ppm)を
添加し、フロックに吸着後、ゼオライトを添加してアン
チモン及びモリブデンの除去効果を検討した結果であ
る。この結果によれば、ゼオライトの量が増すことによ
ってフロックに吸着されたアンチモン及びモリブデンの
吸着量が増加していることがわかる。このことから一定
量以上のゼオライトがアンチモンを吸着したフロックの
吸着には必要なことが分かる。また、400と900℃
の加熱による加工前及び加工後のゼオライトによる差も
殆ど認められないことからフロックを吸着するゼオライ
トは、乾燥した天然ゼオライトであればほとんど同じ効
果が期待される。また、アンチモンの濃度がモリブデン
の濃度の10分の1の場合のゼオライトの使用量に対す
る吸着量の変化を図3に示した。この結果によれば、2
g以上のゼオライトを添加すると、アンチモン及びモリ
ブデンが吸着されいる結果を示しており、アンチモン及
びモリブデンの濃度に対応して一定量のゼオライトの添
加が必要なことが分かる。
【0014】次に、ゼオライトに吸着されたアンチモン
化合物及び/又はモリブデン化合物は、ゼオライトを撹
拌しながら水洗することにより、ゼオライトから脱着分
離することができる。このようにして脱着分離されたゼ
オライトからなる固形物をろ過することにより、廃水中
のアンチモン及び/又はモリブデンはスラッジとともに
分離することができる。分離されたゼオライトは再び廃
水中に添加される。
【0015】ゼオライトに吸着されたアンチモン及び/
又はモリブデン化合物は、その大部分はフロックを介し
てゼオライトに吸着しており、電荷的に安定であり、水
分子が水和しにくい状態で存在していると考えられる。
この状態において、水の存在下に撹拌水洗することによ
り、容易にゼオライトから脱離し、水中に移行し、水を
除去することにより含水率が低いスラッジを形成する。
このスラッジは、アンチモン及び/又はモリブデンが吸
着した水酸化アルミニウムである。このスラッジは含水
率が低く、容易にフィルター等で除去することが出来
る。この一連の処理により廃水からアンチモン及び/又
はモリブデンを分離することができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を説明する。本発明はこの実施
例に限定されるものではない。 実施例1 実際の染色工業廃水(アンチモン濃度0.4ppm)に
ついて凝集剤を添加し、pHを7に調整した後にゼオラ
イト20gを添加撹拌し、2時間放置後、上澄み液を
1.2μmのメンブレンフィルターでろ過してアンチモ
ンの除去を行った。結果は図4に示すとおりである。廃
水の原液に対する除去は、1段処理として900℃で加
熱処理したゼオライト(加工後、粒径2mm以下)及び
乾燥した天然ゼオライト(3号、粒径3.9−1.9m
m)のいずれでも約85%程度の除去が可能であった。
さらにろ液について同様の操作を行って2段処理を行う
ことにより、低濃度までの処理が可能になった。その結
果、現在の環境基準の要監視項目の指針値から想定され
る将来の排水基準値0.02ppmは、本処理法を繰り
返すことによって容易に基準値以下にまで除去が可能に
なると期待される。
【0017】実施例2 廃水の連続処理を図5に示す連続処理装置により行っ
た。処理対象の廃水(1)と凝集剤(2)が、ポンプ
(P1、P2)によって撹拌槽(3)に送られ混合後、
pH調整液(4)がpH8になるまで添加され、撹拌槽
内にフロックが形成される。フロックを含む廃水は、ポ
ンプ(P3)によってゼオライトで満たされたカラム
(5)(径5cm、長さ10cm、ゼオライトの容量1
40ml)に送られ、フロックが吸着、除去される。吸
着処理が終了した後、ゼオライトはポンプ(P5)によ
って下部より洗浄液(6)が供給されることにより、逆
洗され、ゼオライトによって吸着されたフロックは上部
より排出される(7)。図6及び図7は、アンチモンを
含む標準溶液及び染色工業廃水を連続処理した結果を示
している。図5は、アンチモン1ppmの標準溶液を処
理した結果である。図6は染色工業廃水(アンチモン濃
度0.099ppm)を処理した結果である。いずれも
連続処理によってバッチ試験以上の処理効果が得られて
いる。連続処理後ゼオライトカラムを純粋で下部よりポ
ンプ(P5)で洗浄し、ゼオライトより剥離、浮遊して
きた固形物をスラッジとしてろ過、回収した。このろ液
中のアンチモン濃度を環境基準に定められた水素化物発
生ーICP発光分析法によって分析した結果、アンチモ
ン濃度は検出限界以下であった。また水洗後、ゼオライ
トカラムを活性化させるため1M塩酸で洗浄し、洗浄液
中のアンチモン濃度を分析した結果も検出限界以下であ
った。この結果から、吸着処理されたアンチモンは、全
てが水洗によって固形物として除去されている。
【0018】
【発明の効果】本発明の排水処理方法によれば、廃水に
凝集剤を添加し、フロックを形成して廃水中のアンチモ
ン及びモリブデンを吸着させ、このフロックをゼオライ
トに吸着させることによって、廃水からアンチモン及び
モリブデンを分離することができる。又、アンチモン及
びモリブデンは、水中で酸素酸イオンを形成していると
考えられ、同じように酸素酸イオンを形成するヒ素やセ
レン化合物、リン酸イオン、硝酸イオンなどに対して
も、本発明法によって廃水から除去処理する事ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃水に添加する凝集剤ポリ塩化アルミニウムの
量によるアンチモン及びモリブデンの除去効果を表す図
である。
【図2】アンチモン及びモリブデンが吸着したフロック
のゼオライトへの吸着効果を表す図である。
【図3】アンチモン及びモリブデンが吸着したフロック
のゼオライトへの吸着効果を表す図である。
【図4】バッチ処理を繰り返した場合(多段処理)の除
去効果を表す図である。
【図5】連続処理する排水処理フローを表す図である。
【図6】実際の染色工業廃水を連続処理した結果を表
す。
【図7】連続処理装置の結果を示す図である。 符号の説明 1 廃水 2 凝集剤 3 撹拌槽 4 pH調整液 5 ゼオライト充填カラム 6 洗浄液 7 逆洗浄液 8 撹拌機 9 記録測定装置(誘電率測定器、フラクションコレク
ター、pHコントローラ、記録計) P1、P2、P3、P5 ポンプ V1〜V4 バルブ L1〜L3 水位計 L5 水位計

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンチモン化合物及び/又はモリブデン化
    合物を含有する廃水を処理してアンチモン化合物及び/
    又はモリブデン化合物を分離除去するに際し、廃水に無
    機系凝集剤を添加して、アンチモン化合物及び/又はモ
    リブデン化合物を吸着した状態のフロック(凝集沈殿
    物)を生成せしめた後に、ゼオライトと接触させること
    によりアンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を
    フロック(凝集沈殿物)と共に、ゼオライトに吸着させ
    て廃水中から分離除去することを特徴とする廃水の処理
    方法。
  2. 【請求項2】アンチモン化合物及び/又はモリブデン化
    合物を含有する廃水に無機系凝集剤の添加の前又は後
    に、アルカリを添加して廃水を中性又はアルカリ性とす
    ることを特徴とする請求項1記載の廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】リン酸イオン及び/又は硝酸イオンを含む
    アンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を含む廃
    水を処理することを特徴とする請求項1又は2記載の廃
    水の処理方法。
  4. 【請求項4】ヒ素化合物及び/又はセレン化合物を含む
    アンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を含む廃
    水を処理することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か記載の廃水の処理方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の方法で得られる分離除去し
    たアンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を吸着
    した状態のフロック(凝集沈殿物)を吸着したゼオライ
    トを水中で撹拌水洗処理し、アンチモン化合物及び/又
    はモリブデン化合物を吸着したフロック(凝集沈殿物)
    を水中に取り出し、ゼオライトを再生分離することを特
    徴とするゼオライトの分離方法。
  6. 【請求項6】請求項5で得られる再生分離したゼオライ
    トを、アンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物を
    吸着した状態のフロック(凝集沈殿物)を含有する廃水
    中に添加することによりアンチモン化合物及び/又はモ
    リブデン化合物をフロック(凝集沈殿物)とともにゼオ
    ライトに吸着させて排水中から分離することを特徴とす
    るアンチモン化合物及び/又はモリブデン化合物の分離
    方法。
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