JP6888798B2 - ホウ素除去方法及びホウ素除去装置 - Google Patents

ホウ素除去方法及びホウ素除去装置 Download PDF

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Description

本発明は、ホウ素含有水からのホウ素除去方法及びホウ素除去装置に関する。
従来、ホウ素含有水からのホウ素を除去する方法としては、アルミニウム化合物及びカルシウム化合物を用いた凝集沈殿法、ホウ素を選択的に吸着するイオン交換樹脂などのホウ素吸着材を用いた吸着法などが知られている。しかし、従来の凝集沈殿法では大量の薬剤を用いる必要があり、薬剤使用量の増大に伴い汚泥発生量も増大するという問題がある。吸着法においては、市販されている吸着材のホウ素吸着容量が小さいため、大量の吸着材が必要になるという問題がある。また、定期的に吸着材からホウ素を脱離して再生するため、排出されるホウ素が高濃度に濃縮された再生廃液の処理が別途必要である。
これらの課題を解決するため、ホウ素含有水を濃縮してホウ素濃度を高めた後、濃縮水にアルミニウム化合物を添加してホウ素を数百mg/L程度まで粗処理する方法が知られている(特許文献1、2)。また、濃縮水に多価金属イオン(アルミニウム化合物、マグネシウム化合物など)を添加して凝集沈殿処理した後、処理液を吸着材で処理する方法も知られている(特許文献3)。濃縮水を粗処理することにより、薬剤使用量及び汚泥発生量の低減が期待できるが、これらの方法であっても依然として大量の薬剤を使用する必要があり、ホウ素除去量に対して多量の汚泥が発生する。
一方、金属化合物の中でアルミニウム化合物やマグネシウム化合物などと比較して安価なカルシウム化合物を使用する方法が知られている。例えば特許文献4では、ホウ素を高濃度に含む放射性廃液の処理方法として、カルシウム化合物を添加し熟成させ、液のpHを12以上にして処理する方法が開示されている。この方法では薬剤コストは低減可能であるが、熟成のため反応を長時間行う必要があり装置が大型化するという課題がある。また、処理水のホウ素濃度は5,000mg/L程度かそれ以上であり、高濃度のホウ素が残留するという課題がある。
また、ホウ素含有水にカルシウム化合物を添加して凝集処理する第一工程と、上澄み水にカルシウム化合物及びアルミニウム化合物を添加して凝集処理する第二工程とを組み合わせる方法が知られている(特許文献5)。しかし、特許文献5で検討されているホウ素含有水はインクジェット記録用材料の工程排水であり、シリカやポリビニルアルコールが含まれている。シリカやポリビニルアルコールはホウ素除去に寄与する物質として知られており(特許文献6、7)、第一工程でのホウ素除去はこれらの物質の効果である。従ってシリカやポリビニルアルコールが含まれていないホウ素含有水には適用できない。
特開2011−218338号公報 特開2001−198581号公報 特開平10−314798号公報 特開昭59−12400号公報 特開2003−236562号公報 特開2001−079564号公報 特開2002−186976号公報
このように、従来技術においては、薬剤使用量の低減、汚泥発生量の低減は十分とはいえず、効果的な方法の探求が必要である。
本発明は、ホウ素除去性に優れ、薬剤使用量を低減でき、かつ汚泥発生量を低減可能な効率的なホウ素含有水からのホウ素除去方法及びホウ素除去装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係るホウ素含有水からのホウ素除去方法は、ホウ素含有水をホウ素濃度が2,000mg/L以上の濃縮水とホウ素濃度が10mg/L以下の非濃縮水とに分離する濃縮工程と、前記濃縮水にアルミニウム化合物を添加することなくカルシウム化合物を添加して不溶性析出物が分散した反応液を形成させる反応工程と、前記反応液を脱水ろ液と脱水汚泥とに分離する汚泥脱水工程と、前記脱水ろ液の一部又は全量を前記非濃縮水と混合して混合液を得る混合工程と、前記脱水ろ液のうち前記混合工程に導入されなかった脱水ろ液の残部を前記濃縮工程へと導入する工程とを含む。
又、本発明の一形態に係るホウ素除去装置は、ホウ素含有水をホウ素濃度が2,000mg/L以上の濃縮水とホウ素濃度が10mg/L以下の非濃縮水とに分離する濃縮装置と、前記濃縮水にカルシウム化合物を添加して不溶性析出物が分散した反応液を形成させる反応槽と、前記反応液を脱水ろ液と脱水汚泥とに分離する汚泥脱水機と、前記脱水ろ液の一部又は全量を前記非濃縮水と混合して混合液を得る混合槽と、前記脱水ろ液のうち前記混合槽に導入されなかった脱水ろ液の残部を前記濃縮装置へと導入する機構とを備える。
本発明によれば、少ないカルシウム化合物の添加量で高いホウ素除去率が得られ、その結果、発生する汚泥量も低減できる。また、固液分離後の脱水ろ液と非濃縮水を混合することで、所定の排水基準を満足する排水を容易に得られる。
本発明に係るホウ素除去方法の概略を説明するフローチャートである。 本発明のホウ素含有水からのホウ素除去方法の第一の実施形態を示した工程説明、及びその実施に用いられるホウ素含有水からのホウ素除去装置の概略構成を示す図である。 本発明のホウ素含有水からのホウ素除去方法の第二の実施形態を示した工程説明、及びその実施に用いられるホウ素含有水からのホウ素除去装置の概略構成を示す図である。 実施例1〜6及び比較例1〜9における薬剤添加量とホウ素除去率との関係を表した図である。 実施例1〜6及び比較例1〜9における反応液SS濃度とホウ素除去率との関係を表した図である。 比較例13、21及び実施例7〜12における濃縮水ホウ素濃度とホウ素除去率との関係を表した図である。 実施例3及び実施例13〜17における反応pHとホウ素除去率との関係を表した図である。 実施例18〜22における反応時の水温とホウ素除去率との関係を表した図である。
本発明者等は、カルシウム化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、鉄化合物などの複数の金属化合物を用いてホウ素含有水からホウ素を除去する方法について鋭意検討した結果、以下の新しい知見を得た。すなわち、ホウ素濃度が2,000mg/L未満の場合、カルシウム化合物によるホウ素除去反応はほとんど起こらず、アルミニウム化合物など他の金属化合物と比較してホウ素除去率が著しく低いこと、しかし、ホウ素濃度を2,000mg/L以上に濃縮すると、カルシウム化合物によるホウ素除去率は飛躍的に上昇し、他の金属化合物よりも少ない薬剤添加量で高いホウ素除去率が得られること、また発生する汚泥量も低減可能なこと、さらにこれらの現象は多くの金属化合物の中でカルシウム化合物のみに起こる特異的な現象であることを見出した。これは、ホウ素濃度を2,000mg/L以上に濃縮した後にカルシウム化合物を添加することにより、不溶性のホウ酸カルシウムが生成するようになるからである。本発明者等は、ホウ酸カルシウムを効率よく生成させる方法についてさらに検討し、ホウ酸カルシウムが効率よく生成可能な条件(ホウ素濃度、反応pH、カルシウム添加量、水温)が存在すること、さらにその条件が従来ホウ酸カルシウムの生成に適しているとされていた高水温(40℃以上)・高pH(12以上)と異なっていることとを見出した。
また、本発明者等が見出したホウ酸カルシウムが効率よく生成する条件下においては、従来ホウ素除去に使用されているアルミニウム化合物を併用すると、ホウ酸カルシウムの生成効率を悪化させるという特異的な現象が発現することを発見した。原因については明らかになっていないが、生成する水酸化アルミニウムがホウ酸カルシウムの生成を妨害していると推測される。
以上の知見に基づいて本発明はなされたものである。以下、本発明のホウ素含有水からのホウ素除去方法の実施を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るホウ素除去方法の概略を説明するフローチャートである。図1に示すように、本発明に係るホウ素除去方法は、ホウ素含有水1をホウ素濃度が2,000mg/L以上の濃縮水2とホウ素濃度が10mg/L以下の非濃縮水6とに分離する濃縮工程Aと、濃縮水2にアルミニウム化合物を添加することなくカルシウム化合物を添加して不溶性析出物が分散した反応液3を形成させる反応工程Bと、反応液3を脱水ろ液5と脱水汚泥4とに分離する汚泥脱水工程Cと、脱水ろ液5の一部又は全量を非濃縮水6と混合して混合液7を得る混合工程Dと、脱水ろ液のうち混合工程Dに導入されなかった脱水ろ液の残部5’を再度濃縮工程Aへと導入する工程とを含む。
以下に、本発明に係るホウ素除去方法について、除去装置の違いによる実施形態を示す。なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(1)第一の実施形態
図2は、本発明のホウ素含有水からのホウ素除去方法の第一の実施形態を示した工程説明、及びその実施に用いられるホウ素含有水からのホウ素除去装置の概略構成を示す図である。この実施形態におけるホウ素含有水からのホウ素除去装置100は、pH調整槽10と、蒸発濃縮装置20と、反応槽30と、汚泥脱水機40と、混合槽50とから概略構成されている。
pH調整槽10は、ホウ素含有水1(原水)が導入され、必要に応じてpH調整剤8が投入され、ホウ素含有水1のpHを調整するところである。また、後述する汚泥脱水機から回収される脱水ろ液のうち、混合槽50に導入されない残部5’が原水と混合されるところでもある。
蒸発濃縮装置20は、pH調整槽10からpHが調整されたホウ素含有水1が導入され、水分を蒸発させてホウ素濃度が2,000mg/L以上となるように濃縮するところである(濃縮工程A)。濃縮工程Aで用いる装置(濃縮装置ともいう)は、蒸発濃縮装置の他、後述する第二の実施形態のようにホウ素吸着材を用いる吸着濃縮装置や膜分離装置などを適用することができる。蒸発濃縮装置20は、水分を蒸発させて濃縮水2を得る蒸発槽と、蒸発槽から濃縮水を排出する排出口と、蒸発した水分を凝縮してホウ素を殆ど含まない非濃縮水6を得る凝縮器と、得られた非濃縮水6を排出する排出口とを有する。
反応槽30は、蒸発濃縮装置20から濃縮水2が導入され、カルシウム化合物9を投入して、不溶性析出物を生成する槽である。この時、不溶性析出物が生成しやすいpHに調整するため、pH調整剤8も投入される。これにより、反応槽30内に不溶性析出物が分散した反応液3が形成される(反応工程B)。また、反応槽30の前段に蒸発濃縮装置20から濃縮水2の温度を調整するための温調槽を設けても良く、また、濃縮水2内のホウ素濃度を一定濃度に調整するための濃度調整槽を設けても良い。
汚泥脱水機40は、反応槽30から不溶性析出物を含む反応液3が導入され、この反応液3を脱水処理し、脱水汚泥4と脱水ろ液5に分離するところである(汚泥脱水工程C)。
汚泥脱水機40としては、フィルタープレスやベルトプレスなど加圧式脱水機が好適であるが、遠心分離機や真空ろ過器なども適用することができる。
混合槽50は、汚泥脱水機40からの脱水ろ液5と、また蒸発濃縮装置20からの非濃縮水6とを混合して混合液7を得るところである(混合工程D)。混合槽50では、必要に応じてpH調整剤8が投入されて、混合槽50内の液体のpHを中性付近に調整し、混合液7を排水に適した処理水とするところでもある
次に、本実施形態に係るホウ素除去装置100を用いたホウ素含有水からのホウ素除去方法を説明する。
まず、pH調整槽10に、ほうろう工場からの排水や石炭火力発電所の排煙脱硫装置からの排水、ごみ焼却場からの洗煙排水、ニッケルめっき工場からの排水、ガラス製造工場からの排水、海水、塩湖かん水などのホウ素含有水1を導入し、pH調整剤8を添加してpH調整を行う。
pH調整剤8としては、水酸化ナトリウム(NaOH)などの塩基、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)などの酸を用いることができる。
pH調整槽10では、ホウ素含有水のpHを7〜10に調整することが好ましい。ホウ素含有水のpHを7〜10に調整することで、後段の蒸発濃縮装置20の腐食を防止することができる。
次いで、pH調整槽10から蒸発濃縮装置20に、pHが調整されたホウ素含有水1を導入し、ホウ素濃度が2,000mg/L以上となるように蒸発濃縮する。
次いで、蒸発濃縮装置20から反応槽30に、ホウ素を2,000mg/L以上含む濃縮水2を導入し、濃縮水2にカルシウム化合物9を添加し、必要に応じてpH調整剤8を添加し、不溶性析出物が分散した反応液3を形成させる。反応槽30では、生成した不溶性析出物の表面に、濃縮水2に含まれるホウ素が吸着されるか、または不溶性析出物の内部に、濃縮水2に含まれるホウ素が取り込まれる。
カルシウム化合物9としては、消石灰(水酸化カルシウム:Ca(OH))、塩化カルシウム(CaCl)、炭酸カルシウム(CaCO)、生石灰(酸化カルシウム:CaO)などを用いることができる。
カルシウム化合物9の添加量は、濃縮水2に存在するホウ素に対して、質量比でCa/B=0.5〜5.0程度が好ましい。濃縮水2にカルシウム化合物と反応する成分(炭酸イオン:CO 2−、硫酸イオン:SO 2−など)が含まれている場合、カルシウム化合物9の添加量を増加させることが好ましい。
反応槽30では、反応槽30内の液体のpHを7〜12に調整することが好ましく、8〜10に調整することがより好ましい。
次いで、反応槽30から汚泥脱水機40に反応液3を導入し、この反応液3を脱水処理し、脱水汚泥4と脱水ろ液5に分離する。
次いで、汚泥脱水機40から脱水ろ液5を混合槽50に導入し、また蒸発濃縮装置20から非濃縮水6を混合槽50に導入し、必要に応じて脱水ろ液5と非濃縮水6の混合液にpH調整剤8を添加し、この混合液のpHを中性付近に調整し、混合液7を得る。
混合槽50に導入する脱水ろ液5の水量は、処理水として排水できる混合液7のホウ素濃度要求値に併せて調整する。脱水ろ液5の水量は以下の式の範囲内であることが望ましい。
A×(B−10)/(2,000−B)〜A×B/(500−B)
(ただし、Aは非濃縮水水量、Bは混合液7のホウ素濃度(求める水質により任意に設定))
混合槽50に導入されなかった脱水ろ液5の残部5’はpH調整槽10に導入する。
(2)第二の実施形態
図3は、本発明のホウ素含有水からのホウ素除去方法の第二の実施形態を示した工程説明、及びその実施に用いられるホウ素含有水からのホウ素除去装置の概略構成を示す図である。図3において、図2に示した第一の実施形態の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。この実施形態におけるホウ素含有水からのホウ素除去装置200は、pH調整槽10と、吸着塔60と、反応槽30と、汚泥脱水機40と、混合槽50とから概略構成されている。
本実施形態では、濃縮工程Aにおける濃縮装置としてホウ素吸着材を用いる吸着塔60を使用する。吸着塔60には、pH調整槽10からpHが調整されたホウ素含有水1が導入され、この中に充填された吸着材に、ホウ素含有水1に含まれるホウ素を吸着させるところである(吸着工程E)。
吸着塔60に充填させる吸着材としては、アニオン交換樹脂、希土類元素の含水酸化物を担持した造粒体、N−メチルグルカミン基を導入したイオン交換樹脂、または、N−メチルグルカミン基を導入した繊維状吸着材の群から選択される1種または2種以上の公知の吸着材を用いることができる。
なお、ホウ素含有水1に吸着塔60にて目詰まりの原因となる微粒子(不溶物)が含まれている場合、吸着塔60の前段に微粒子を除去するろ過装置を設置してもよい。
吸着塔60は、ホウ素含有水1を通水し続けると、吸着材におけるホウ素の吸着量が飽和するため、定期的に吸着塔60内へ溶離薬剤61を通液して、吸着材からホウ素を溶離させて、高濃度のホウ素を含む濃縮水2を取り出す(再生工程F)。なお、前述した吸着工程E及び再生工程Fを併せた工程が、濃縮工程Aに相当する。吸着塔60を通過したホウ素含有水1はホウ素濃度が10mg/L以下の非濃縮水6となる。つまり、溶離薬剤61の通液は吸着塔からの出口水のホウ素濃度を監視し、ホウ素濃度が10mg/Lを超えた時点あるいは超える前に行えばよい。
溶離薬剤61としては、吸着塔60内に充填される吸着材に応じて適宜選択すればよいが、例えば、塩酸、硫酸などの酸、水酸化ナトリウムなどのアルカリなどが挙げられる。
本実施形態では、ホウ素含有水に含まれる成分のうち、ホウ素のみを選択的に濃縮することができる。そのため、塩濃度が高いホウ素含有水や、石膏(硫酸カルシウム:CaSO)のようなスケールを生成しやすい成分を含むホウ素含有水など、蒸発濃縮を行うのが困難なホウ素含有水にも適用することができる。
反応槽30は、吸着塔60から濃縮水2が導入され、カルシウム化合物9及び必要に応じてpH調整剤8が投入され、反応槽30内の液体のpHを調整して不溶性析出物が分散した反応液3を形成させるところである(反応工程B)。
汚泥脱水機40は、反応槽30から不溶性析出物を含む反応液3が導入され、この反応液3を脱水処理し、脱水汚泥4と脱水ろ液5に分離するところである(汚泥脱水工程C)。
混合槽50は、汚泥脱水機40から脱水ろ液5が導入され、また吸着塔60からホウ素が吸着除去された非濃縮水6が導入され、必要に応じてpH調整剤8が投入されて、混合槽50内の液体のpHを中性付近に調整し、混合液7とするところである(混合工程D)。
次に、本実施形態のホウ素除去装置200を用いたホウ素含有水からのホウ素除去方法を説明する。
まず、pH調整槽10にホウ素含有水1を導入し、ホウ素含有水1にpH調整剤8を添加してpH調整を行う。pH調整槽10では、ホウ素含有水1のpHを、後段の吸着塔60におけるホウ素の吸着に適したpHに調整する。
次いで、pH調整槽10から吸着塔60に、pHが調整されたホウ素含有水1を導入し、吸着塔60に充填された吸着材に、ホウ素含有水1に含まれるホウ素を吸着させることでホウ素を除去した非濃縮水6を得る。
吸着塔60内の吸着材におけるホウ素の吸着量が飽和して、吸着材がホウ素を吸着する能力が低下する前に、定期的に、吸着塔60内へ溶離薬剤61を通液して、吸着材からホウ素を溶離させて、濃縮水2を取り出すことにより、吸着材を再生する。ここで取り出された濃縮水2は、2,000mg/L程度か、それ以上の高濃度のホウ素を含有する。
吸着塔60内へ溶離薬剤61を通液する間隔は、吸着塔60内に充填された吸着材のホウ素の飽和吸着量(吸着可能なホウ素の総量)と、pH調整槽10から吸着塔60に導入されたホウ素含有排水1に含まれるホウ素の量とに応じて、適宜調整する。
次いで、吸着塔60から反応槽30に、ホウ素を2,000mg/L程度か、それ以上含む濃縮水2を導入し、濃縮水2にカルシウム化合物9を添加し、必要に応じてpH調整剤8を添加し、不溶性析出物が分散した反応液3を形成させる。
その後は、第一の実施形態と同様にして汚泥脱水機40での汚泥脱水工程C、混合槽50での混合工程Dを経て、混合液7を処理水として排水する。脱水ろ液5の残部5’はpH調整槽10に導入され、新たなホウ素含有水1と共に再度一連の工程に供される。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6)
実験にはホウ酸を純水に溶解させてホウ素濃度を500mg/Lに調整したホウ素含有水を10倍に蒸発濃縮し、ホウ素濃度を5,000mg/Lとした濃縮水を使用した。濃縮水の水温が室温(20〜30℃)になるまで放冷後、カルシウム化合物を所定量添加した後、水酸化ナトリウムまたは塩酸を用いてpHを9.0に調整し、60分間反応させた。この反応液の一部を採取し懸濁物質(SS)濃度を測定した。また、前記反応液の一部を採取し、JIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過し、得られた清澄なろ液のホウ素濃度を測定した。また、実施例3については、前記反応液をフィルタープレス型脱水機で脱水し、得られた脱水汚泥の含水率を測定した。また、濃縮水ホウ素濃度、ろ液ホウ素濃度、反応液SS濃度、及び脱水汚泥の含水率から脱水汚泥中のホウ素含有率及びホウ素除去率を算出した。
フィルタープレス型脱水機による脱水は、ろ過圧力0.4MPa、ろ過時間15分、圧搾圧力0.7MPa、圧搾時間30分で行った。
カルシウム化合物の種類及びその添加量、反応液SS濃度、ろ液ホウ素濃度、脱水汚泥含水率、脱水汚泥中のホウ素含有率、及びホウ素除去率を表1に示す。
Figure 0006888798
(比較例1〜9)
実施例1〜6に用いたホウ素濃度5,000mg/Lの濃縮水に、硫酸アルミニウム(Al(SO)、塩化マグネシウム(MgCl)、または塩化第二鉄(FeCl)のいずれか1種の金属化合物を所定量添加した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを調整し、60分間反応させた。この反応液の一部を採取しSS濃度を測定した。また、前記反応液の一部を採取し、JIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過し、得られた清澄なろ液のホウ素濃度を測定した。また、比較例2,5,8については、前記反応液をフィルタープレス型脱水機で脱水し、得られた脱水汚泥の含水率を測定した。また、濃縮水ホウ素濃度、ろ液ホウ素濃度、反応液SS濃度、及び脱水汚泥の含水率から脱水汚泥のホウ素含有率及びホウ素除去率を算出した。
フィルタープレス型脱水機による脱水は、ろ過圧力0.4MPa、ろ過時間60分、圧搾圧力0.7MPa、圧搾時間30分で行った。
金属化合物の種類及びその添加量、反応液SS濃度、ろ液ホウ素濃度、脱水汚泥含水率、及びホウ素除去率を表2に示す。
Figure 0006888798
(比較例10〜12)
実施例1〜6に用いたホウ素濃度5,000mg/Lの濃縮水に、硫酸アルミニウム及び消石灰を添加した後、水酸化ナトリウムまたは塩酸を用いてpHを9.0に調整し、60分間反応させた。この反応液の一部を採取し懸濁物質(SS)濃度を測定した。また、前記反応液の一部を採取し、JIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過し、得られた清澄なろ液のホウ素濃度を測定した。また、前記反応液をフィルタープレス型脱水機で脱水し得られた脱水汚泥の含水率を測定した。また、濃縮水ホウ素濃度、ろ液ホウ素濃度、反応液SS濃度、及び脱水汚泥の含水率から脱水汚泥のホウ素含有率及びホウ素除去率を算出した。
フィルタープレス型脱水機による脱水は、ろ過圧力0.4MPa、ろ過時間60分、圧搾圧力0.7MPa、圧搾時間30分で行った。
カルシウム化合物の種類及びその添加量、反応液SS濃度、ろ液ホウ素濃度、脱水汚泥含水率、脱水汚泥中のホウ素含有率、及びホウ素除去率を表3に示す。
Figure 0006888798
表1、2に示した各薬剤の添加量とホウ素除去率との関係を図4に示した。
表1、2の反応液SS濃度とホウ素除去率との関係を図5に示した。
図4より、カルシウム化合物(実施例)は、他の薬剤(比較例)よりも少ない薬剤添加量にもかかわらず、ホウ素除去率が高いことが確認された。
図5より、ホウ素除去率が同等な場合のSS濃度はカルシウム化合物(実施例)の方が他の薬剤(比較例)よりも低いことが確認された。
また、実施例3の脱水汚泥含水率は、比較例2、比較例5、及び比較例8の脱水汚泥含水率よりも低く、実施例で生成する汚泥は脱水性が良いことが確認された。
以上より、実施例では比較例よりも汚泥発生量を低減可能なことが確認された。
表3の実施例3及び比較例10より、硫酸アルミニウムを添加しても、ほう素除去率はほとんど変わらないことがわかる。一方で比較例10では水酸化アルミニウムが生成したことによりSS濃度が上昇した。また、水酸化アルミニウムは脱水性が悪いため、含水率も増加している。以上より硫酸アルミニウムの添加はホウ素除去にほとんど寄与しないが、汚泥発生量を増加させることがわかる。さらに比較例11、12より、硫酸アルミニウム添加量を増加させると逆にホウ素除去率は低下する傾向が認められることから、実施例のホウ素除去原理は、従来のアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を併用する処理方法とは異なっていることが分かる。
(比較例13〜20)
実施例1〜6に用いたホウ素濃度500mg/Lのホウ素含有水に、消石灰、硫酸アルミニウム、塩化マグネシウム、または塩化第二鉄のいずれか1種の金属化合物を所定量添加した後、水酸化ナトリウムまたは塩酸を用いてpHを調整し、60分間反応させた。この反応液を、JIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過し、得られた清澄なろ液のホウ素濃度を測定した。また、ホウ素含有水ホウ素濃度及びろ液ホウ素濃度からホウ素除去率を算出した。
金属化合物の種類及びその添加量、ろ液ホウ素濃度、及びホウ素除去率を表4に示す。
Figure 0006888798
表4の結果から、ホウ素濃度500mg/Lのホウ素含有水に対しては、硫酸アルミニウム、塩化マグネシウム、または塩化第二鉄を用いた方が効率的であり、さらに添加量の増加によってホウ素除去率が向上している。一方、消石灰の場合、他の薬剤に比べて除去効果が小さく、添加量を増加させてもホウ素除去率の向上が少ないことが分かった。
(実施例7)
実験にはホウ酸を純水に溶解させてホウ素濃度を2,000mg/Lに調整した模擬濃縮水を用いた。この模擬濃縮水に消石灰を質量比がCa/B=2となるように添加した後、水酸化ナトリウムまたは塩酸を用いてpHを9.0に調整し、60分間反応させた。この反応液を、JIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過し、得られた清澄なろ液のホウ素濃度を測定した。また、濃縮水ホウ素濃度及びろ液ホウ素濃度からホウ素除去率を算出した。
濃縮水ホウ素濃度、消石灰添加量、ろ液ホウ素濃度及びホウ素除去率を表5に示す。
(実施例8)
実験に用いた模擬濃縮水のホウ素濃度が3,000mg/Lであること以外は、実施例7と同じ操作を行った。
濃縮水ホウ素濃度、消石灰添加量、ろ液ホウ素濃度及びホウ素除去率を表5に示す。
(実施例9)
実験に用いた模擬濃縮水のホウ素濃度が5,000mg/Lであること以外は、実施例7と同じ操作を行った。
濃縮水ホウ素濃度、消石灰添加量、ろ液ホウ素濃度及びホウ素除去率を表5に示す。
(実施例10)
実験に用いた模擬濃縮水のホウ素濃度が8,000mg/Lであること以外は、実施例7と同じ操作を行った。
濃縮水ホウ素濃度、消石灰添加量、ろ液ホウ素濃度及びホウ素除去率を表5に示す。
(実施例11)
実験に用いた模擬濃縮水のホウ素濃度が10,000mg/Lであること以外は、実施例7と同じ操作を行った。
濃縮水ホウ素濃度、消石灰添加量、ろ液ホウ素濃度及びホウ素除去率を表5に示す。
(実施例12)
実験に用いた模擬濃縮水のホウ素濃度が20,000mg/Lであること以外は、実施例7と同じ操作を行った。
濃縮水ホウ素濃度、消石灰添加量、ろ液ホウ素濃度及びホウ素除去率を表5に示す。
(比較例21)
実験に用いた模擬濃縮水のホウ素濃度が1,000mg/Lであること以外は、実施例7と同じ操作を行った。
濃縮水ホウ素濃度、消石灰添加量、ろ液ホウ素濃度及びホウ素除去率を表5に示す。
Figure 0006888798
表5の濃縮水ホウ素濃度とホウ素除去率との関係を図6に示す。
図6より、濃縮水のホウ素濃度が2,000mg/L以上であれば、ホウ素除去率が飛躍的に上昇することがわかった。
(実施例13〜17)
実施例1〜6に用いたホウ素濃度5,000mg/Lの濃縮水に、消石灰をカルシウムとして8,000mg/L添加した後、水酸化ナトリウムまたは塩酸を用いて所定のpHに調整し、60分間反応させた。この反応液をJIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過し、得られた清澄なろ液のホウ素濃度を測定した。また、濃縮水ホウ素濃度及びろ液ホウ素濃度からホウ素除去率を算出した。
反応pHとホウ素除去率との関係を、表6及び図7に示す。
図7より、本発明によるホウ素除去方法は、pH8〜10の範囲で特に効率的であることが確認された。
Figure 0006888798
(実施例18〜22)
実施例1〜6に用いたホウ素濃度5,000mg/Lの濃縮水を所定の水温に調整後、水温を維持しながら消石灰をカルシウムとして8,000mg/L添加した後、水酸化ナトリウムまたは塩酸を用いてpH9.0に調整し、60分間反応させた。この反応液をJIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過し、得られた清澄なろ液のホウ素濃度を測定した。また、濃縮水ホウ素濃度及びろ液ホウ素濃度からホウ素除去率を算出した。
反応時の水温とホウ素除去率との関係を、表7及び図8に示す。
図8より、本発明によるホウ素除去方法は反応時の水温が低温なほど効果的であり、40℃以下の条件では80%以上の高いホウ素除去率が得られることがわかった。
Figure 0006888798
(実施例23)
ホウ素を800mg/L含む石炭火力発電所の排煙脱硫排水を10倍に蒸発濃縮し、8,000mg/Lの濃縮水を得た。濃縮水の水温が室温(20〜30℃)になるまで放冷後、消石灰をカルシウムとして15,000mg/L添加した後、塩酸を用いてpHを9.0に調整し、60分間反応させた。この反応液を、JIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過し、得られた清澄なろ液のホウ素濃度を測定した。また、濃縮水ホウ素濃度及びろ液ホウ素濃度からホウ素除去率を算出した。
結果を表8に示す。
(実施例24)
ホウ素を200mg/L含む塩湖かん水を、JIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過した後、塩酸を添加してpHを7.0に調整し、pH調整後の塩湖かん水を、吸着材を充填した吸着塔に、120mL/hで通水した。
吸着材としては、キレスト株式会社製キレート繊維「GRY−HW」(商品名)を0.35g/mLの密度で、容積40mLの空間に充填したものを用いた。
吸着塔への通水倍率を25倍(25Bed Volume)とし、吸着塔出口のホウ素濃度が10mg/Lを超えた時点で塩湖かん水の通水を停止し、溶離薬剤として1NのHClを用いて、吸着材に吸着されたホウ素を溶離させ、吸着塔からホウ素を高濃度に含む濃縮水を取り出した。
得られた濃縮水のホウ素濃度は3,400mg/Lであった。
この濃縮水に消石灰をカルシウムとして7,000mg/L添加した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを9.0に調整し、60分間反応させた。この反応液を、JIS P 3801に規定されている5種Aのフィルターによりろ過し、得られた清澄なろ液のホウ素濃度を測定した。また、濃縮水ホウ素濃度及びろ液ホウ素濃度からホウ素除去率を算出した。
結果を表8に示す。
Figure 0006888798
表8より、本発明によるホウ素除去方法は石炭火力発電所の排煙脱硫排水や塩湖かん水に対して有効であることが確認された。
本発明に関わるホウ素含有水からのホウ素除去方法は、ほうろう製造工場からの排水や石炭火力発電所の排煙脱硫装置からの排水、ごみ焼却場からの洗煙排水、ニッケルめっき工場からの排水、ガラス製造工場からの排水、海水、塩湖かん水などのホウ素含有水からのホウ素除去に適用される
1 ホウ素含有水
2 濃縮水
3 反応液
4 脱水汚泥
5 脱水ろ液
6 非濃縮水
7 混合液
8 pH調整剤
9 カルシウム化合物
100 第一の実施形態におけるホウ素含有水からのホウ素除去装置
200 第二の実施形態におけるホウ素含有水からのホウ素除去装置
10 pH調整槽
20 蒸発濃縮装置
30 反応槽
40 汚泥脱水機
50 混合槽
60 吸着塔
61 溶離薬剤

Claims (12)

  1. ホウ素含有水をホウ素濃度が2,000mg/L以上の濃縮水とホウ素濃度が10mg/L以下の非濃縮水とに分離する濃縮工程と、前記濃縮水にアルミニウム化合物を添加することなくカルシウム化合物を添加して不溶性析出物が分散した反応液を形成させる反応工程と、前記反応液を脱水ろ液と脱水汚泥とに分離する汚泥脱水工程と、前記脱水ろ液の一部又は全量を前記非濃縮水と混合して混合液を得る混合工程と、前記脱水ろ液のうち前記混合工程に導入されなかった脱水ろ液の残部を前記濃縮工程へと導入する工程とを含み、
    前記反応工程でカルシウム化合物を添加後、pHを8〜10に調整する工程を含み、前記反応工程における前記反応液の液温が40℃以下であることを特徴とするホウ素除去方法。
  2. 前記濃縮水が、ホウ素含有水を蒸発濃縮したものである請求項1に記載のホウ素除去方法。
  3. 前記濃縮水が、ホウ素含有水をアニオン交換樹脂、希土類元素の含水酸化物を担持した造粒体、N−メチルグルカミン基を導入したイオン交換樹脂、または、N−メチルグルカミン基を導入した繊維状吸着材の群から選択される1種または2種以上の吸着材に接触させて、前記ホウ素含有水からホウ素を吸着除去し、ホウ素を吸着した前記吸着材から酸またはアルカリでホウ素を溶離させたものである、請求項1に記載のホウ素除去方法。
  4. 前記濃縮水のアルミニウム濃度が、1,000mg/L以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のホウ素除去方法。
  5. 前記反応工程で添加するカルシウム化合物の添加量が、前記濃縮水に存在するホウ素に対して質量比でCa/B=0.5〜5.0の範囲である、請求項1〜のいずれか一項に記載のホウ素除去方法。
  6. 前記混合工程に導入する前記脱水ろ液の水量が以下の式で表せる範囲内である請求項1〜のいずれか一項に記載のホウ素除去方法。
    A×(B−10)/(2,000−B)〜A×B/(500−B)
    (ただし、Aは非濃縮水水量、Bは混合液ホウ素濃度(求める水質により任意に設定))
  7. 前記脱水汚泥のホウ素含有率が、4%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のホウ素除去方法。
  8. ホウ素含有水をホウ素濃度が2,000mg/L以上の濃縮水とホウ素濃度が10mg/L以下の非濃縮水とに分離する濃縮装置と、前記濃縮水にカルシウム化合物を添加して不溶性析出物が分散し、pHを8〜10、液温を40℃以下とした反応液を形成させる反応槽と、前記反応液を脱水ろ液と脱水汚泥とに分離する汚泥脱水機と、前記脱水ろ液の一部又は全量を前記非濃縮水と混合して混合液を得る混合槽と、前記脱水ろ液のうち前記混合槽に導入されなかった脱水ろ液の残部を前記濃縮装置へと導入する機構とを備えたホウ素除去装置。
  9. 前記濃縮装置が、蒸発濃縮装置である請求項に記載のホウ素除去装置。
  10. 前記濃縮装置が、アニオン交換樹脂、希土類元素の含水酸化物を担持した造粒体、N−メチルグルカミン基を導入したイオン交換樹脂、または、N−メチルグルカミン基を導入した繊維状吸着材の群から選択される1種または2種以上の吸着材を充填した吸着塔であり、前記吸着材に吸着したホウ素を溶離薬剤で溶離して前記濃縮液を得る、請求項に記載のホウ素除去装置。
  11. 前記濃縮装置の前段にホウ素含有水のpHを調整するpH調整槽を有し、前記混合槽に導入されなかった脱水ろ液の残部を前記濃縮装置へと導入する機構は、前記pH調整槽に前記脱水ろ液の残部を導入するものである請求項8〜10のいずれか一項に記載のホウ素除去装置。
  12. 前記反応槽及び混合槽の少なくとも一方は、pH調整剤を導入する機構を有する請求項8〜11のいずれか一項に記載のホウ素除去装置。
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