JP2005007388A - 反応促進装置及び有機物濃度低減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 系中に含まれる有機物の反応を促進する反応促進装置、及び系中に含まれる有機物を分解して迅速にその濃度を低減させる有機物濃度低減装置を提供すること。
【解決手段】 要処理流体中に存在する物質を分解する反応器と、前記反応器から生成する処理済み流体を濃縮する濃縮貯留槽と、この濃縮貯留槽で濃縮された濃縮流体を前記反応器に返戻する流体循環路とを備えて成ることを特徴とする反応促進装置であり、前記反応促進装置と、前記反応促進装置における濃縮貯留槽から除去された溶媒を貯留する溶媒貯留槽と、前記反応器で生成する処理済み液及び/又は前記濃縮貯留槽で濃縮された濃縮液を前記溶媒貯留槽内の溶媒で希釈する希釈槽とを備えて成ることを特徴とする有機物濃度低減装置。
【選択図】 図1

Description

この発明は、反応促進装置、及び有機物濃度低減装置に関し、更に詳しくは、系中に含まれる有機物の反応を促進する反応促進装置、及び系中に含まれる有機物を分解して迅速にその濃度を低減させる有機物濃度低減装置に関する。
一般に、原料Aが分解して反応生成物B及びCと成る分解反応等の化学反応における反応速度は、一般に、原料Aの濃度に比例する。したがって、反応系における原料A即ち反応物Aの濃度が、反応の進行と共に低下すると、反応速度が低下してしまい、反応物Aが完全に分解する迄にきわめて長い時間がかかることになる。
ところで、工場及び家庭等から排出される廃水をそのまま河川に放流することは環境破壊の観点から許されず、一定の生物学的酸素要求量(BOD)又は化学的酸素要求量(COD)に成るように廃水中に含まれる有機物の量を低減してからでないと、その廃水を河川に放流することができないことに成っている。
廃水のBOD又はCODを要求値にするための一つの方法は、その廃水を大量の水で希釈することである。しかし、この方法は大量の水を必要とするので現実的ではなく、当然に工業的な手法ではない。
廃水のBOD又はCODを要求値にするための他の方法は、廃水中の有機物を分解してその濃度を低減させることである。しかしながら、廃水中の有機物の分解に際しては、前述したように、分解反応の進行と共に廃水中の有機物の濃度が低減するので分解反応を円滑かつ迅速に進行させることができなくなるという問題がある。
一般に、廃水処理に関する背景技術として、廃水又は被処理液を光触媒の存在下に処理する方法として、特開平1−119394号公報、特開平1−293876号公報、特開平4−371233号公報、特開平6−182363号公報、特開平8−1167号公報、特開平9−10797号公報、特開平9−10799号公報、特開平9−75746号公報、特開平9−174096号公報、特開平9−57279号公報、特開平9−122640号公報、特開平9−141255号公報、特開平9−234237号公報、特開平9−267091号公報、特開平10−151354号公報、特開平10−151451号公報、特開平10−180269号公報、特開平11−128751号公報、特開平11−138154号公報、特開2000−210659号公報、特開2001−29944号公報、特開2001−259620号公報、特開2002−143872号公報、特開2002−163667号公報、及び特開2002−320664号公報等に記載された発明がある。
この発明の目的は、分解反応等の化学反応を円滑に進行可能な化学反応促進装置を提供することであり、また、河川等に放流可能な濃度に廃液中の含有有機物量を低減させることのできる有機物濃度低減装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、請求項1は、
要処理流体中に存在する物質を分解する反応器と、
前記反応器から生成する処理済み流体を濃縮する濃縮貯留槽と、
この濃縮貯留槽で濃縮された濃縮流体を前記反応器に返戻する流体循環路と、
を備えて成ることを特徴とする反応促進装置であり、
請求項2は、
前記請求項1に記載の要処理流体が請求項1に記載の物質として有機物を含有する要処理液であり、処理済み流体が処理済み液である場合の前記請求項1に記載の反応促進装置と、
前記反応促進装置における濃縮貯留槽から除去された溶媒を貯留する溶媒貯留槽と、
前記反応器で生成する処理済み液及び/又は前記濃縮貯留槽で濃縮された濃縮液を前記溶媒貯留槽内の溶媒で希釈する希釈槽とを備えて成ることを特徴とする有機物濃度低減装置であり、
請求項3は、
前記請求項1に記載の要処理流体が請求項1に記載の物質として有機物を含有する要処理液であり、処理済み流体が処理済み液である場合の前記請求項1に記載の反応促進装置と、
前記反応促進装置における濃縮貯留槽から除去された溶媒を貯留する溶媒貯留槽と、
前記反応器で生成する処理済み液又は前記濃縮貯留槽で濃縮された濃縮液を前記溶媒貯留槽内の溶媒で希釈する希釈槽と、
前記反応促進装置における前記濃縮貯留槽における濃縮液又は前記反応器から導出される処理済み液における有機物濃度が閾値に達すると、前記濃縮貯留槽から抜き出した濃縮液及び/又は前記反応器から抜き出した処理済み液と溶媒貯留槽に貯留されている溶媒とを混合するように、前記濃縮貯留槽又は反応器と溶媒貯留槽との液抜き出し操作を制御する制御手段と、
を備えて成ることを特徴とする有機物濃度低減装置であり、
請求項4は、
供給される要処理液中に存在する有機物を分解する前段反応器、及びこの前段反応器で生成した処理済み液を貯留し、処理済み液から溶媒を除去する前段濃縮貯留槽を備える前段濃縮装置と、
前段濃縮貯留槽から供給される被処理液中に存在する有機物を分解する後段反応器、及びこの後段反応器で生成した処理済み液を貯留し、処理済み液から溶媒を除去する後段濃縮貯留槽を備える後段濃縮装置と、
前記後段濃縮装置を前段濃縮装置とする複数の後段濃縮装置とを備えて成ることを特徴とする反応促進装置であり、
請求項5は、
前記請求項4に記載の反応促進装置と、
各段の濃縮装置における濃縮貯留槽から除去された溶媒を貯留する各段毎の溶媒貯留槽と、最終段の濃縮装置における濃縮貯留槽に存在する濃縮された被処理液及び/又は最終段の濃縮装置における反応器で生成する反応生成液を、全ての段における溶媒貯留槽に貯留された所望量の溶媒で希釈する希釈槽とを備えて成ることを特徴とする有機物濃度低減装置である。
この発明によると、分解反応等の化学反応を円滑に進行可能な化学反応促進装置を提供することができ、また、河川等に放流可能な濃度に廃液中の含有有機物量を低減させることのできる有機物濃度低減装置を提供することができる。
この発明につき、この発明の一実施例を参照しつつ説明する。
<反応促進装置/その1>
図1は反応促進装置を示す概略説明図である。図1に示されるように、反応促進装置1は、濃縮貯留槽2と、反応器3と、液循環手段4とを備える。
この濃縮貯留槽2は、要処理流体を貯留し、かつ濃縮するように形成される。更に言うと、要処理流体の一例であるところの、工場、家庭、研究施設等の各種施設から排出される廃液を貯留し、前記反応器3で生成する処理済み液を貯留し、廃液及び処理済み液を含む貯留液の溶媒を蒸発させて貯留液を濃縮することができるように、形成される。
具体的には、この濃縮貯留槽2は、廃液発生源からこの濃縮貯留槽2に廃液を供給する廃液供給路5を結合し、この濃縮貯留槽2内に貯留される液を濃縮する濃縮手段6と、貯留槽2内の液を反応器3に移送する第1移送流路8を結合し、反応器3から排出される処理済み液を濃縮貯留槽2内に移送する第2移送流路9を結合する。前記濃縮手段6は、物質移動の原理を採用する濃縮装置であり、図1に示されるように、濃縮貯留槽2と、この濃縮貯留槽2内に存在する液を加熱する加熱手段50と、この濃縮貯留槽2内の気体を排出可能とするように前記濃縮貯留槽2に結合された配管51と、この配管51の他端を結合する溶媒貯留槽52と、この溶媒貯留槽52に前記配管51を通じて供給される溶媒蒸気を冷却して凝結させる冷却手段53とを備え、前記加熱手段50によって濃縮貯留槽2内の液体を加熱することにより、濃縮貯留槽2内の液体から溶媒を蒸発させ、蒸発した蒸気を配管51を通じて溶媒貯留槽52に蒸気を導入し、導入された蒸気を冷却手段53により凝結させて溶媒貯留槽52に溶媒を貯留するように、形成される。このような物質移動の原理に基づく濃縮手段は、加熱手段及び冷却手段を設けるだけで溶媒が一方の貯留槽から他方の貯留槽に移動するので、ポンプ等の強制物質移動手段を不要として装置構成が簡単である。なお、この第1移送流路8には、図示しない開閉弁及び図示しないポンプが介装されている。
なお、この実施態様においては、濃縮貯留槽2は、この反応促進装置1の初期状態つまり運転開始時においては、廃液発生源から発生する廃液を一旦貯留する機能を発揮し、運転開始後においては、廃液発生源から発生する廃液と反応器3から生成する処理済み液とを混合状態で貯留する機能と濃縮貯留槽2内の液を濃縮する機能とを発揮する。したがって、この濃縮貯留槽2内の液体に着目すると、その液体が廃液そのものであることがあり、また、その液体は、濃縮貯留槽2への廃液の供給を停止した後においては廃液と処理済み液との混合物であり、時間が経過した後には処理済み液そのものであることもある。この発明においては、時間の経過と共に濃縮貯留槽2内に貯留される液体の性質に関わりなく、濃縮貯留槽2内に貯留される液体を単に液と称することがある。また、この実施態様においては、要処理流体を廃液と称することができ、また反応器3により生成する処理済み液を反応生成液と称することもできる。
この濃縮貯留槽2は、内部の液量を検出する液面計10を備える。この液面計10は、内部の最大液量を検出する最大液量検出器10Aと内部の最小液量を検出する最小液量検出器10Bとを有する。
この液面計10は、この反応促進装置1を手動で運転するために、目視により液面をこの濃縮貯留槽2の外部から確認することができる計器であってもよいが、この反応促進装置1を自動制御するために、液面を検出する機能と、検出した液面に関するデータを制御手段11に出力するデータ出力機能とを有する計器であっても良い。
この濃縮貯留槽2は、内部に貯留される液における有機物特に特定の有機化合物の濃度を測定する濃度センサー21を有する。
この濃度センサー21は、この反応促進装置1を手動で運転するために、目視により有機物の濃度をこの濃縮貯留槽2の外部から確認することができる計器であってもよく、またこの反応促進装置1を自動運転するために、濃縮貯留槽2内に貯留される液における有機物の濃度測定する機能と、この濃度センサー21から出力される濃度データを制御手段11に出力するデータ出力機能とを有する計器であっても良い。
このように、この実施態様においては、濃縮貯留槽2内に存在する液を濃縮する濃縮手段が、物質移動の原理を採用するが、図3に示されるように、この溶媒貯留槽52内の気体を排出可能とするように前記溶媒貯留槽52に結合された配管7と、この配管7に結合された排気ポンプ12とを有して成り、前記排気ポンプ12の駆動により濃縮貯留槽2及び溶媒貯留槽52の内部を共に減圧にすることにより、濃縮貯留槽2内に存在する液から溶媒を蒸発除去するように形成しても良い。また、加熱手段50としては、例えば太陽熱により加熱された温水を流通させる温水流通手段、工場等の施設で生じる廃熱により加熱された温水を流通させる温水流通手段、低温度の熱源、又は自然エネルギー利用の熱源等であっても良い。
図1に示される反応促進装置1に関し、反応器3は、液を流通させる液流通路と、光触媒と、光照射装置とを備える。更に具体的に言うと、図2に示されるように、この反応器3は、外側筒体13と、この外側筒体13の中心軸と同芯になるようにこの外側筒体13の内部に挿入配置された透明部材製の内側筒体14と、この外側筒体13と内側筒体14とで形成される水平断面が環状をなす筒状の空間内に充填された光触媒15と、前記内側筒体14の内部に配置された光照射手段16と、外側筒体13と内側筒体14とで形成される光触媒充填空間17に、濃縮貯留槽2から移送されてくる液を導入する液導入口18と、前記光触媒充填空間17を通過した液を排出する液導出口19とを備えて成る。
前記光触媒としては、例えば、特開平1−119394号公報の特許請求の範囲第3項に記載の特定元素のいずれか、又はその化合物、又は合金、又は酸化物より選ばれた一種又は二種以上の複合体より成る光触媒を挙げることができ、また、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化銀等の光媒、また、二酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化タングステン等の触媒の表面に金、白金、パラジウム、及び三酸化鉄から選択される少なくとも一種の金属を担持させて成る光触媒等を挙げることができる。これら各種の光触媒の中でも二酸化チタンが好適である。
これら光触媒は、セラミック、及び合成樹脂等の担体に担持させることもできる。
前記光照射手段16としては、光触媒を活性化することのできる光を照射することができるランプであればよく、光触媒の種類に応じて例えば紫外線を放射する放電ランプ、高圧水銀灯、キセノンランプ、及びブラックライト等を挙げることができる。
以上に説明した反応器は一例であり、濃縮貯留槽から送り込まれてくる被処理液中の有機物を前記光触媒により分解することができるように、被処理液と光触媒とが接触し、光触媒に光照射することができるように形成される限り、各種の形態を取り得ることは、言うまでもない。また、図3に示されるような反応器3は、例えば宇部興産株式会社製造の「光触媒ユニット」などの市販品にて形成することができる。
液導入口18から導入される液の導入速度は、この反応器3の規模に応じて、また前記光照射手段16による光照射例えば紫外線照射を受けて光触媒により液中の有機物が分解される速度等に応じて適宜に決定される。
図1に示されるように、液循環手段4は、濃縮貯留槽2から反応器3に要処理液を送り込み、反応器3から導出される処理済み液を濃縮貯留槽2に送り込む手段であり、具体的には、濃縮貯留槽2から反応器3に要処理液を送り込む流路、反応器3から導出される処理済み液を濃縮貯留槽2に戻す流路、及び流路内で液を強制的に進行させるポンプを備えてなり、具体的には、濃縮貯留槽2に存在する液を反応器3に移送する第1移送流路8と、第1移送流路8に介装されたポンプ(図示せず。)と、反応器3から導出される処理済み液を濃縮貯留槽2に移送する第2移送流路9とを備える。液循環手段4につき、反応器3に液が流入し、反応器3から液が導出して再びこの反応器3に液が流入するという液が循環する経路という観点からすると、濃縮貯留槽2もまた液循環手段4における一要素と見ることができる。
なお、図1において20で示すのは、三方切替弁であり、第2移送流路9である流路を排出流路22に切り替えることができる弁である。
図1に示されるように、制御手段11は、濃縮貯留槽2内へ廃液を供給する際の廃液供給制御、濃縮貯留槽2内の液量に応じた液循環手段4の運転制御、及び反応器3における運転制御等を行う。具体的には、この制御手段11は、最小液量検出器10Bにより濃縮貯留槽2内の液量が最小であることを検知すると、第1移送流路8内のポンプが駆動停止していることを条件に、廃液供給路5中に介装されている開閉弁(図示せず。)に制御指令信号を出力してこの開閉弁を開放状態にすることにより、濃縮貯留槽2内に廃液を供給し、最大液量検出器10Aが液量を検出したことを示す検知信号を入力して廃液供給路5中に介装されている開閉弁に制御指令信号を出力してこの開閉弁を閉鎖状態にし、第1移送流路8に介装されているポンプに制御指令信号を出力することにより濃縮貯留槽2から反応器3に液の移送を可能にし、三方切替弁20を駆動して排出流路22に対してこれを閉鎖状態にし、制御指令信号を出力することにより加熱手段50及び冷却手段53を駆動して濃縮貯留槽2内の液における溶媒を蒸発除去するように制御する。
なお、図1において、11Aで示すのは、出力手段であり、例えばCRT画面を有する画像表示装置である。なお、この出力手段11は前記画像表示装置のみならず、XYプロッターであっても良い。
以上構成の反応促進装置1の作用について、以下に説明する。まず。廃液供給路5を濃縮貯留槽2内に供給する。制御手段11は、廃液供給路5中に介装されている図示しない開閉弁を動作させて開放状態(流通状態)にする。このとき、第1移送流路8における開閉弁を閉鎖状態にし、また第1移送流路8中に介在するポンプの駆動を停止しておく。廃液供給路5を通じて濃縮貯留槽2に廃液が供給される。濃縮貯留槽2に供給された廃液が最大液量検出器10Aにより検知されると、廃液供給路5に介装される開閉弁(図示せず。)を制御手段11により遠隔操作して廃液供給路5における廃液の流通を遮断し、濃縮貯留槽2内への廃液の供給をストップする。なお、廃液を濃縮貯留槽2内に供給するときには、第1移送流路8における開閉弁(図示せず。)を閉状態にしておく。
濃縮貯留槽2内における廃液が最大液量に達すると、制御手段11から出力される制御指令信号により、排出流路22側が閉状態となるように三方切替弁20の動作を継続し、第1移送流路8における図示しない開閉弁を開状態にする。そして第1移送流路8に介装されているポンプを制御手段11から出力される制御指令信号により駆動する。図示しないポンプが駆動することにより、濃縮貯留槽2内の廃液が第1移送流路8を経由して反応器3に至る。反応器3においては、図2に示されるように、制御手段11による指令信号により作動する光照射手段16から光例えば紫外線が光触媒15に照射され、これによって光触媒が活性化される。活性化された光触媒の間を、第1移送流路8を通じて送られて来た廃液が流通する。光触媒により廃液中の有機物が分解され、例えば炭酸ガスと水とになる。なお、この反応器3内を液が一定の流速で流通し、また、光触媒による有機物の分解速度も一定であるから、反応器3の液導出口19から導出される液においては、有機物が完全に分解されていない。つまり、液導出口19から導出される液は、未分解の有機物を含有する。
液導出口19から導出された反応生成液は、第2移送流路9を通じて濃縮貯留槽2に戻される。このようにして濃縮貯留槽2内の廃液は、第1移送流路8を通って反応器3に至り、反応器3で廃液中に存在する有機物の分解反応が進行し、得られる反応生成液が反応器3の液導出口19から第2移送流路9に流出し、第2移送流路9を通じて濃縮貯留槽2に戻される。つまり、液が、濃縮貯留槽2、第1移送流路8、反応器3、及び第2移送流路9により形成される液循環流路を、循環流通することになる。
濃縮貯留槽2から反応器3への廃液の移送を開始してから所定の時間が経過すると、廃液中に存在する有機物の濃度が低減していく。したがって、前記液循環流路内を流通する液の全容積が一定であるならば、有機物の濃度の低減により廃液中に存在する有機物の分解速度が低下する。そこで、この例においては、例えば濃縮貯留槽2内の廃液を反応器3に移送し始めると同時に、制御手段11からの指令信号により加熱手段50及び冷却手段53を駆動することによって濃縮貯留槽2内に存在する廃液における溶媒例えば水を蒸発させ、蒸発した溶媒蒸気を溶媒貯留槽52内の冷却手段53により凝結させて液化し、液体である溶媒を溶媒貯留槽52内に貯留する。水の蒸発により濃縮貯留槽2内に存在する廃液の容積が減少する。つまり、濃縮貯留槽2内に存在する廃液の容積を、溶媒例えば水の蒸発により減少させつつ、液循環流路内で液を循環させる。そうすると、反応器3に供給される廃液における有機物の濃度が若干低下することはあっても極端に低下することがなく、反応器3における分解反応速度が大幅に低下することがなく、円滑に且つ迅速に分解反応が進行する。
なお、濃縮手段は濃縮貯留槽に貯留される液の濃度を向上させる機能を有すれば良いのであるから、濃縮手段として、図1における加熱手段50と、配管51と、溶媒貯留槽52と、冷却手段53とを備えて成る濃縮手段に付加して、図3に示されるような、排気路7及び排気ポンプ12から成る濃縮手段6’を採用することもでき、その場合においては、上記の作用がより一層促進される。
濃縮貯留槽2内に存在する液から溶媒例えば水を蒸発除去させていくと、濃縮貯留槽2内の液面が低下していく。液面が低下して最小液量検出器10Bが液面を検出すると、その最小液量検出器10Bから出力される検出信号が制御手段11に入力される。そうすると、制御手段11は、第1移送流路8における図示しない開閉弁を閉鎖状態にし、廃液供給路5における図示しない開閉弁を開放状態にし、廃液供給路5を通じて廃液を濃縮貯留槽2内に供給する。
そして、当初のように、第1移送流路8における図示しない開閉弁を開放状態にし、廃液供給路5における図示しない開閉弁を閉鎖状態にし、濃縮貯留槽2内の液から溶媒を蒸発させつつ、第1移送流路8における図示しないポンプを駆動することにより、液循環流路内で液を循環させ、反応器3にて循環する液中に存在する有機物の分解反応を行う。
以上の作用は、図1及び図2に示される反応促進装置1における一例である。この発明の目的を阻害しない限り他の操作を行うことができる。
例えば、液循環流路で液を循環させつつ反応器3で液中の有機物を分解する操作と同時に濃縮貯留槽2内の液中の溶媒を蒸発除去する代わりに、(1)液循環流路で液を循環させつつ反応器3で液中の有機物を分解する操作を継続し、(2)濃度センサー21により濃縮貯留槽2内の液における有機物の濃度が所定の濃度に低下したことが検知されると、液循環流路で液を循環させつつ、又は液循環流路での液循環を停止した上で、濃縮手段6により濃縮貯留槽2内の液における溶媒例えば水を蒸発させ、これにより濃縮貯留槽2内の液の容積を減少させ、(3)液の容積を減少させて行った結果、最小液量検出器10Bが濃縮貯留槽2内の液量を検出すると、濃縮手段6の駆動を停止し、液循環流路で液を循環させつつ、又は液循環流路での液循環を停止した状態で、廃液供給路5から廃液を濃縮貯留槽2内に供給し、(4)最大液量検出器10Bが液量を検出すると、前記(1)の動作を開始するという操作を、行うこともできる。
また、この反応促進装置は、上記した制御手段を採用せずに手動で運転することもできる。例えば前記液面計10として、この濃縮貯留槽2内に貯留される液の液面を直接に目視可能な液面計を採用し、各流路に配設されている開閉弁及び三方切替弁20を手動切替弁にし、排気ポンプ及び第1移送流路8中に設けられるポンプを手動運転可能なポンプにすることにより、この反応促進装置を手動で運転することができるようになる。
何れの操作を行うにせよ、濃縮貯留槽2内の液における有機物の濃度が濃度センサー21によって所定の濃度であると検出されると、三方切替弁20を切り替えて、反応器3の液導出口19から排出される反応生成液を排出路22から系外に排出する。
<有機物濃度低減装置/その1>
図4にこの発明の一例である有機物濃度低減装置の概略を示す。なお、図1に示される部材と同じ部材又は同じ機能を有する部材については、図1における符号と同じ符号をもってその部材を示すことにする。
図4に示される有機物濃度低減装置30は、前記反応促進装置1と、希釈槽32とを備える。
前記溶媒貯留槽52は、前記反応器3で生成する反応生成液を前記溶媒貯留槽52内の溶媒で希釈する槽である。前記溶媒貯留槽52と前記希釈槽32とは配管33で結合される。この配管33の途中には開閉弁34が介装される。前記希釈槽32には、排出流路22が結合されて三方切替弁20から濃縮液が導入され、また放出路35が結合されて希釈液が排出されるようになっている。
なお、図4に示される反応促進装置1と図1に示される反応促進装置1とが相違するところは、図4に示される反応促進装置1においては、制御手段11の制御機能が増設されていることである。
この有機物濃度低減装置30は、以下のように作用する。
先ず、制御手段11の制御指令信号により、第1移送流路8における図示しない開閉弁を閉鎖状態にし、廃液供給路5から濃縮貯留槽2内に廃液を供給する。
濃縮貯留槽2内に供給された廃液の液面を最大液量検出器10Aが検出すると、最大液量検出器10Aから出力される検出信号を入力する制御手段11は、制御指令信号を出力することにより廃液供給路5における図示しない開閉弁を閉鎖状態にすると共に第1移送流路8における図示しない開閉弁を開放状態に切り替える。制御手段11から出力される制御指令信号により第1移送流路8内のポンプを駆動することによって、濃縮貯留槽2内の廃液を、第1移送流路8を通して、反応器3に移送する。反応器3に移送された廃液に含有される有機物は、光触媒により分解される。未分解の有機物を含有する反応生成液が、反応器3における液導出路19(図2参照)から第2移送流路9に導出されていく。第2移送流路9に導出された反応生成液は、三方切替弁20を経由して濃縮貯留槽2に戻る。
前述したように、濃縮貯留槽2、第1移送流路8、反応器3、及び第2移送流路9からなる液循環流路で液を循環させると、反応器3で液中の有機物が分解されていくので液循環流路における液中の有機物濃度が低下して行く。有機物濃度は、濃度センサー21によりモニターされ、制御手段11に有機物濃度データが出力される。
一方、制御手段11は、図5に示されるように、メモリー11A、演算部11B及び制御部11Cを有する。メモリー11Aには、反応器3に装填された特定の光触媒例えば二酸化チタンにより特定の有機物例えばブドウ糖が光分解されるときの有機物濃度と反応速度との対応テーブルが記憶され、この対応テーブルから、図6に示されるような、有機物濃度と反応速度との相関グラフが作成され、この相関グラフが表示手段例えばCRT画面に表示可能に成っている。演算部11Bは、最大液量検出器10A及び最小液量検出器10Bから出力される濃縮貯留槽2内の液量に関するデータ、濃度センサー21から出力される濃縮貯留槽2内の液に含まれる有機物の濃度に関するデータを入力し、前記メモリー11Aに格納されている相関グラフに、入力した有機物濃度を当てはめて反応速度を決定する。この演算部11Bで決定された反応速度が所定の閾値を下回っていると演算部11Bが判断すると、制御部11Cからこの有機物濃度低減装置30における各部に制御指令信号が出力される。
この場合、液循環流路における液の循環を停止してから、前記加熱手段50及び冷却手段53を駆動するようにしてもよく、或いは、液循環流路における液の循環を継続しつつ前記加熱手段50及び冷却手段53を駆動するようにしてもよい。以下の説明においては、液循環流路における液の循環と加熱手段50及び冷却手段53の駆動とを共に動作している場合とする。
前記加熱手段50及び冷却手段53を駆動すると、濃縮貯留槽2のタンク6内の液中の溶媒例えば水が蒸発する。蒸発した溶媒は配管51を通じて溶媒貯留槽52に至る。溶媒貯留槽52に導入された溶媒蒸気は冷却手段53により凝結して液化する。この液化により濃縮貯留槽2内における溶媒蒸気圧が低下し、濃縮貯留槽2内の液中の溶媒が更に蒸発する。このような現象が継続することにより、濃縮貯留槽2内の液中の溶媒が、溶媒貯留槽52に移動する。言うまでもなく、配管33に介装されている開閉弁34は閉鎖状態に成っている。
濃縮貯留槽2内に存在する液中の溶媒が蒸発除去されると、廃液供給路5から濃縮貯留槽2内に廃液が供給されていないので、液循環流路内を流通する液の容積が徐々に減少し、液中の有機物濃度が上昇する。
濃縮貯留槽2内に存在する液中の有機物濃度は、濃度センサー21により継続的にモニターされる。濃度センサー21から出力される有機物濃度が、制御手段11における演算部11Bに入力され、演算部11Bがその有機物濃度に対応する反応速度を決定する。演算部11Bで決定された反応速度が閾値(必要な所定の反応速度値)を越えていると、演算部11Bが判断すると、演算部11Bの判断を受けた制御部11Cが制御指令信号を出力して加熱手段50及び冷却手段53の駆動を停止させる。加熱手段50及び冷却手段53の駆動が停止することにより濃縮貯留槽2から溶媒が蒸発除去されなくなる。加熱手段50及び冷却手段53の駆動を停止した状態で、液循環流路における液の循環が継続される。
液循環流路には介在してい反応器3において液中の有機物の分解反応が継続的に行われる。反応器3における有機物の分解反応が進行するにつれて液循環流路中の液における有機物濃度が低下していく。
液循環流路中を循環する液中の有機物濃度の低下と共に反応器3における反応の速度も低下していく。
演算部11Bは、前記したように、濃縮貯留槽2に存在する液に存在する有機物の濃度を、濃度センサー21を通じてモニターしている。演算部11Bが、濃縮貯留槽2中の液における有機物濃度が閾値よりも低いと判断すると、制御部11Cから制御指令信号が出力されて排気ポンプ12の駆動が再開される。
加熱手段50及び冷却手段53の駆動により、前述したのと同様にして、濃縮貯留槽2内の液における溶媒を蒸発除去する。溶媒を蒸発除去していき、濃縮貯留槽2内の液における有機物濃度が所定の閾値を越えると、制御部11Cから出力される制御指令信号により加熱手段50及び冷却手段53の駆動が停止する。
以上のように、濃縮貯留槽2内の液中の溶媒を蒸発除去することの繰り返し、及び反応器3による有機物の継続的な分解反応により、濃縮貯留槽2内の液量が減少するとともに、廃液中に当初に存在していた有機物の含有量が低下する。濃縮貯留槽2内の液量を最小液量検出器10Bが検出すると、制御部11における演算部11Bは、制御指令信号を出力して、三方切替弁20を切り替えて第2移送流路9の途中と希釈槽32に結合された排出路22とを連通状態にし、同時に又は引き続いて開閉弁34を開放状態にする。そうすると、濃縮貯留槽2内の液が第1移送流路8、反応器3、第2移送流路9の途中まで、及び排出路22を経由して希釈槽32に移送し、同時に又は引き続いて溶媒貯留槽52内に貯留されている溶媒例えば水を配管33を通じて希釈槽32に移送する。希釈槽においては、廃液中の有機物が分解されることにより有機物の含有量の低減した液と溶媒とが混合されることになるので、残留した、或いは分解後に生成したところの、含有量の低減した有機物が溶媒により希釈されるので、有機物濃度の低減した溶液が形成される。
その結果、この有機物濃度低減装置によると、一定容積の廃液中に存在する有機物が反応器3により分解されてしまうので、この一定容積の液中に存在する有機物の残留量がきわめて少なくなり、少ない残留量の有機物と廃液から蒸発除去することにより貯留された溶媒とを混合するから、前記廃液とほぼ同じ容積に含まれる有機物の濃度が小さくなる。つまり、この有機物濃度低減装置は、新たに用意する溶媒で廃液を希釈して有機物濃度を低減させるのではないから、溶媒コストの低減を図ることができ、しかも環境に悪影響を与える濃度以下の濃度に有機物濃度を希釈することができる。
濃縮貯留槽2内の液が十分に少なく成った後には、廃液供給路5から濃縮貯留槽2に廃液を供給し、最初の処理工程に戻る。
なお、上述した有機物濃度低減装置は、一例であり、この発明の範囲内で種々の設計変更をすることができることは言うまでもないことである。
例えば、濃縮貯留槽2内に濃度センサー21を配設しているが、この濃度センサー21と共に、又はこの濃度センサー21に代えて、第2移送流路9における反応器3と三方切替弁20との間又は三方切替弁20の出口側に第2濃度センサー21を設けても良い。このように二種の濃度センサーを設けるのは、反応器3で得られる反応生成液中の有機物濃度と濃縮貯留槽2内における液中の有機物濃度とが相違することがあるからである。
また、希釈槽32に投入される液は、反応器3から導出される反応生成液に限定されず、濃縮貯留槽2内から導出される液であっても良い。希釈槽32に投入される液が濃縮貯留槽2内の液であるときには、第2移送流路8の途中に、希釈槽32に接続された分岐管を結合するのが、良い。
<反応促進装置/その2>
図7は、この発明に係る反応促進装置の他の例を示す。図7に示されるように、この反応促進装置60は、第1段反応器61−1と第1段濃縮貯留槽62−1とを備える第1段濃縮装置63−1と、第2段反応器61−2と第2段濃縮貯留槽62−2とを備える第2段濃縮装置63−3と、以下同様にして第n段濃縮装置63−nとを備える。
第1段濃縮装置63−1における第1段反応器61−1には、要処理液を貯留する処理液貯留槽64から要処理液例えば廃液を第1段反応器61−1に移送する第1段移送流路65−1が接続されている。この第1段移送流路65−1には、第1段開閉弁66−1が設けられ、図示しない制御手段から出力される制御指令信号により開閉動作が制御される。第1段反応器61−1は、図1に示される反応器3と同様の構成を有してなり、処理液貯留槽64から移送されて来る要処理液を光触媒で分解可能に形成される。第1段濃縮貯留槽62−1には、第1段配管67−1を介して第1段溶媒貯留槽68−1が接続され、また第1段濃縮貯留槽62−1内に貯留される処理済み液を加熱する加熱手段(図示せず。)が設けられる。この第1段溶媒貯留槽68−1には、前記第1段配管67−1を介して前記第1段濃縮貯留槽62−1から移送されてきた溶媒蒸気を冷却する冷却手段(図示せず。)が設けられる。
この第2段濃縮装置63−2は、基本的には、第1段濃縮装置63−1と同様の構成を有する。
即ち、第2段反応器61−2には、前記第1段濃縮貯留槽62−1中の液を第2段反応器61−2に移送する第2段移送流路65−2が接続されている。この第2段移送流路65−2には、第2段開閉弁66−2が設けられ、図示しない制御手段から出力される制御指令信号により開閉動作が制御される。第2段反応器61−2は、図1に示される反応器3と同様の構成を有してなり、第1段濃縮貯留槽62−1から移送されて来る液を光触媒で分解可能に形成される。第2段濃縮貯留槽62−2には、第2段配管67−2を介して第2段溶媒貯留槽68−2が接続され、また第2段濃縮貯留槽62−2内に貯留される液を加熱する加熱手段(図示せず。)が設けられる。この第2段溶媒貯留槽68−2には、前記第2段配管67−2を介して前記第2段濃縮貯留槽62−2から移送されてきた溶媒蒸気を冷却する冷却手段(図示せず。)が設けられる。
この第1段濃縮装置63−1における第1段濃縮貯留槽62−1には、第1段反応器61−1によって要処理液中の有機物が分解処理されて生じた反応生成液である処理済み液が貯留される。この第1段濃縮貯留槽62−1に貯留される処理済み液には、要処理液中の有機物が全て完全に分解されたわけではなく、未分解の有機物がまだ含有されている。したがって、第2段反応器61−2から見ると、この第1段濃縮貯留槽62−1に貯留される処理済み液は、要処理液となる。
また、前記第1段反応器61−1は第2段反応器61−2に対して前段反応器となり、第2段反応器61−2は後段反応器である。同様に、第1段濃縮貯留槽62−1は第2段濃縮貯留槽62−2に対して前段濃縮貯留槽であり、第2段濃縮貯留槽62−2は後段濃縮貯留槽となる。
第3段濃縮装置63−3は、第2段濃縮装置63−2と同様に、第2段濃縮貯留槽62−2に貯留された処理済み液を要処理液としてこの中に含まれる有機物を光触媒で分解する第3段反応器61−3と、第3段反応器61−3により生成した処理済み液を貯留し、処理済み液中の溶媒を蒸発除去するための第3段濃縮貯留槽62−3とを備える。
前記第2段濃縮貯留槽62−2と第3段反応器61−3とは、第3段開閉弁66−3を装着する第3移送流路65−3で結合され、第3段開閉弁66−3を開放状態(連通状態)にすることにより、第2段濃縮貯留槽62−2に貯留されている処理済み液を要処理液として第3段反応器61−3に供給することができるようになっている。
第3段濃縮貯留槽62−3には、前記第1段濃縮貯留槽62−1及び第2段濃縮貯留槽62−2と同様に、第3段配管67−3を介して第3段溶媒貯留槽68−3が接続され、また第3段濃縮貯留槽62−3内に貯留される液を加熱する加熱手段(図示せず。)が設けられる。この第3段溶媒貯留槽68−3には、前記第3段配管67−3を介して前記第3段濃縮貯留槽62−3から移送されてきた溶媒蒸気を冷却する冷却手段(図示せず。)が設けられる。
以後同様にして、第1段濃縮装置63−1,第2段濃縮装置63−2及び第3段濃縮装置63−3と同様の構造を有するところの第4段濃縮装置、第5段濃縮装置、・・・及び第n段濃縮装置が設けられる。
このようにn段の濃縮装置を備えて成る反応促進装置60は、次のように作用する。なお、この反応促進装置60における開閉弁等は制御手段により自動制御されるのであるが、場合によっては制御手段を省略して手動で運転可能とすることもできる。
要処理液である例えば工場廃水を処理液貯留槽64に貯留する。次いで、それまで閉鎖状態であった第1段開閉弁66−1を開放状態にする。処理液貯留槽64から第1段反応器66−1に第1段移送流路65−1を通じて要処理液が移送される。第1段反応器66−1にて、供給される要処理液中の有機物が光触媒により分解される。
第1段反応器66−1においては、要処理液が流入し、かつ流出するまでの間要処理液が流通状態にある。つまり、第1段反応器66−1はバッチ式反応器ではなく、流通式反応器である。
第1段反応器66−1内を要処理液が流通する間に、光触媒に接触する要処理液中の有機物の一部が分解される。第1段反応器66−1から流出する液は、未分解の有機物を含んだ処理済み液となって、第1段移送流路65−1を通じて第1段濃縮貯留槽62−1に移送される。
第1段濃縮貯留槽62−1では、第1段排気ポンプ70−1を駆動することにより第1段濃縮貯留槽62−1及び第1段溶媒貯留槽68−1の内部を減圧にすると共に、図示しない加熱手段を駆動することにより第1段濃縮貯留槽62−1内に貯留されている処理済み液を加熱すると、処理済み液内の溶媒が蒸発気化し、気化した溶媒蒸気が第1段移送流路67−1を通じて第1段溶媒貯留槽68−1に至り、第1段溶媒貯留槽68−1内に装備されている冷却手段により溶媒蒸気が冷却され凝結して溶媒が液体となって第1段溶媒貯留槽68−1内に貯留される。
第1段溶媒貯留槽68−1内に貯留される処理済み液の量に対してどのくらいの割合の溶媒を蒸発除去するべきかは、要処理液の種類、その容積、要処理液中の有機物の量、第1段反応器61−1中を流通する要処理液の流通速度、及び第1段反応器61−1による有機物の分解処理能力等に応じて適宜に決定される。例えば、図9に示されるように、処理液貯留槽64に貯留される要処理液における有機物の濃度が濃度Aであり、第1段反応器61−1を通過することにより第1段濃縮貯留槽62−1に貯留されるに至った処理済み液中の有機物の濃度が濃度Bに成ったとすると、第1段濃縮貯留槽62−1においては、その処理済み液中の有機物の濃度が濃度Aに成るように、処理済み液から所定量の溶媒を蒸発除去するのが良い。
かくして第1段濃縮貯留槽62−1にて濃縮された処理済み液は、要処理液として第2段濃縮装置で処理される。
つまり、第1段濃縮貯留槽62−1から要処理液が第2段移送流路65−2を介して第2段反応器61−2に移送される。第2段反応器61−2では、流通する要処理液が光触媒により有機物を分解する。第2段反応器61−2を通過した液は、処理済み液として第2段濃縮貯留槽62−2に貯留される。
この第2段濃縮貯留槽62−2においては、前記第1段濃縮貯留槽62−1におけるのと同様にして、第2段濃縮貯留槽62−2に貯留されている処理済み液から溶媒が蒸発除去される。
第2段濃縮貯留槽62−2における処理済み液中の有機物の濃度は、図9に示されるように、例えば濃度Bとなっているが、濃縮により例えば濃度Aとなるように溶媒を蒸発除去するのがよい。
濃度Aと成った処理済み液を要処理液として第3段濃縮装置63−3で処理をする。処理は、第1段濃縮装置63−1及び第2段濃縮装置63−2におけるのと同様である。
以後、同様の操作を繰り返すと、各段における反応器においては、要処理液中の有機物濃度が常に高く設定されるので、光触媒よる分解反応が濃度低下による遅延を招来することがなく、常に早い反応速度で分解反応が進行することになる。
このように、この発明に係る反応促進装置は、要処理液中の有機物を分解する前段反応器、及び前段反応器により分解処理された処理済み液中の溶媒を除去することにより処理済み液中の有機物の濃度を高める前段濃縮貯留槽を備えた前段濃縮装置と、前記前段濃縮貯留槽内の濃縮された処理済み液を要処理液として前段反応器でそれに含まれる有機物を分解する後段反応器、この後段反応器で分解処理された処理済み液中の溶媒を除去することにより有機物濃度を高める後段濃縮貯留槽を備えた後段濃縮装置とを複数組み合わせてなるので、各段における反応器においては、分解反応を迅速に進行させるに十分な有機物濃度を有する要処理液が供給されるので、有機物濃度が希薄に成ってしまうことにより要処理液の分解処理速度の低下がなく、要処理液の処理速度を高めることができる。
図8を参照しながら以上に説明した反応促進装置においては、各段の濃縮装置でバッチ式で要処理液が処理されている。つまり、各段毎に移送流路に開閉弁を設けることにより、各段の濃縮貯留槽において処理済み液を直ちに後段の反応器に移送することをせずに、各段の濃縮貯留槽において処理済み液を濃縮し、所定の濃度に到達した後に移送流路における開閉弁を開放状態にすることにより、前段の濃縮貯留槽から後段の反応器に、所定の高い有機物濃度に調整された処理済み液を要処理液として、移送している。
この発明に係る反応促進装置においては、各段における濃縮貯留槽における濃縮操作をバッチ式で行う代わりに、連続流通式に濃縮操作を行うこともできる。
例えば、処理液貯留槽64と第1段反応器61−1及び第1段濃縮貯留槽62−1とを連結する第1段移送流路65−1に介装する開閉弁66−1の代わりに、流量調整弁を装着し、同様に前段における濃縮貯留槽から後段の反応器に液を供給する移送流路に配設する開閉弁の代わりに流量調整弁を装着することにより、処理液貯留槽から第n段濃縮貯留槽62−nまで液が滞留することなく流通するように反応促進装置を構成しても良い。
又別に、前記流量調整弁を設ける代わりに、各段における反応管に要処理液を送り込む移送流路の配管径を注意深く調整することにより反応管に移送さっる要処理液の流通速度を調整するようにしてもよい。このようにすると開閉弁を省略することができ、装置構成の簡略化を図ることができる。
このような反応促進装置は流通式反応促進装置とも言える。この流通式反応促進装置においては、溶媒貯留槽に要処理液を供給するという作業を済ませるだけで、要処理液中の有機物を分解する反応を促進することができ、いとも簡単な装置構成となる。
<有機物濃度低減装置/その2>
この発明に係る一例としての有機物濃度低減装置を、図7を参照しながら、説明する。
図7に示されるように、この有機物濃度低減装置は、前述した反応促進装置を組み込んで成る。即ち、この有機物濃度低減装置80は、前記反応促進装置60と、第n段濃縮貯留槽62−nから第n段移送流路81を介して移送される処理済み液と溶媒とを混合する希釈槽82と、反応促進装置60における第1段溶媒貯留槽68−1、第2段溶媒貯留槽68−2、・・・及び第n段溶媒貯留槽68−nから溶媒を前記希釈槽82に導出する溶媒導出路83とを備えて成る。
このような構成を有する有機物濃度低減装置80においては、反応促進装置60の運転により第n段濃縮貯留槽62−nには、第n段反応器61−nによって例えば処理液貯留槽64に投入された要処理液における有機物濃度よりも遥かに低い濃度を有する処理済み液が貯留される。しかもこの第n段濃縮貯留槽62−nでは、その処理済み液から溶媒を蒸発除去して濃縮する。したがって、最終的にこの第n段濃縮貯留槽62−nに貯留される処理済み液における有機物濃度は大きくなり、かつ処理済み液の容積が小さく成っている。また、一方、第1段溶媒貯留槽68−1、第2段溶媒貯留槽68−2、・・・第n段溶媒貯留槽68−nには、溶媒が貯留される。
第1段から第n段までの溶媒貯留槽68−1〜68−nに貯留される溶媒の総量と、第n段濃縮貯留槽62−nに貯留される処理済み液の量との合計は、理論的には、処理液貯留槽64に投入された要処理液の総量に等しく成るはずである。また、第n段濃縮貯留槽62−nには、前記したように、例えば処理液貯留槽64に投入された要処理液における有機物濃度に近い濃度を有する容積の小さな処理済み液が貯留されている。そこで、この第n段濃縮貯留槽62−nに貯留されている、濃縮された処理済み液と第1段から第n段までの溶媒貯留槽68−1〜68−nに貯留される溶媒の全量又は適宜量とを希釈槽82に導入し、ここで混合する。そうすると、希釈槽82内では、濃縮された処理済み液が大量の溶媒で希釈されてその濃度が低減する。この場合、希釈に使用される溶媒は、新たに用意される大量の溶媒ではなく、理論的には、処理液貯留槽64に投入された要処理液における溶媒の総量にほぼ等しい。
つまり、この発明に係る有機物濃度低減装置によると、要処理液における有機物の分解反応を迅速に行うことができ、要処理液中に含まれている有機物の含有量を低減させると共に溶媒を分離するので有機物濃度の高い処理済み液を調製し、この処理済み液を分離した溶媒で希釈するので、別途に希釈溶媒を使用することなく、低減された有機物濃度の液を調製することができる。
<有機物濃度低減装置の応用>
この発明に係る有機物濃度低減装置は、種々の分野に応用することができる。前記例に係る有機物濃度低減装置は、要処理液である廃液中の有機物を反応器中の光触媒により分解する装置構成として説明されているが、廃液の代わりに、光触媒により分解可能な物質を含有する液又はガスであれば、この発明に係る有機物濃度低減装置を使用してその液中の物質を希釈することができる。例えば、この有機物濃度低減装置に適用可能な廃液として、(1)再処理高中レベル放射性廃液即ち各種の核分裂生成物イオンを含有する硝酸水溶液、(2)河川、湖沼、及び海洋等の環境水、工業用水、農業用水、上水、染色廃水、食品廃水並びに製紙廃水等、(3)屎尿、浄化槽汚泥等の屎尿系汚水、(4)廃棄物埋め立て処分場で浸出する浸出水、(5)電子部品製造工場等から流出する過酸化水素含有液、(6)半導体の洗浄により発生する洗浄廃液、(7)家庭雑廃水(排水)、(8)畜産排水、(9)病院、医学に関する研究所、又は医療機器を使用する家庭から排出される医療廃液等を挙げることができる。
特に、人工透析装置から定期的に排出される透析廃液をこの有機物濃度低減装置で処理すると、河川等に放流可能なBOD濃度又はCOD濃度にまで有機物の濃度を低下させることができる。しかもこの発明に係る有機物濃度低減装置を使用すると、新たな希釈溶媒を別途に用意する必要が全くないので、透析廃液処理コストの低減を図ることができる。
次に、この有機物濃度低減装置を前記透析廃液処理装置として利用する場合につき、説明する。
例えば所定のベッド数を備えた病院では、例えば午前及び午後に定期的に人工透析治療を実施することにより一定量の透析廃液が発生する。例えば、20床のベッド数を有する透析治療病院においては、20人の透析患者が透析治療を受けるのであるが、その場合、1日あたり約8900リットルの透析液廃液が排出され、また60床のベッド数を有する透析治療病院においては、60人の透析患者が透析治療を受けるのであるが、その場合、1日あたり約27000リットルの透析液廃液が排出される。いずれの規模の透析治療病院においても、毎日排出されるこれら一定量の透析廃液を収集し、この透析廃液をこの発明に係る有機物濃度低減装置で処理する。なお、透析廃液には、人体からの移動物質としてクレアチニン及び尿素等を含有する。
ここで、透析廃液の全量をX(単位は重量)とし、図1に示すように、この有機物濃度低減装置を動作させることにより溶媒貯留槽52に最終的に残留する溶媒の量をY(単位は重量)とすると、収集した透析廃液全量をこの有機物濃度低減装置で処理することにより溶媒濃縮貯留槽2内に残留する液の重量をZとする。また前記Xの透析廃液をこの有機物濃度低減装置で処理した結果、濃縮貯留槽2に残留する液における有機物例えばブドウ糖の濃度をCとする。
人工透析装置から排出される透析廃液を河川に放流可能にするためには、日本の下水道法によると、下水放流用の処理液中の有機物によるBODが例えば600ppm以下にしなければならず、また、水質汚濁防止法によると、河川放流用の処理液中の有機物濃度が例えば20ppm以下にしなければならない。
したがって、透析廃液処理装置として使用される有機物濃度低減装置においては、以下の関係式(1)を満たす有機物濃度(BOD)と成るように反応器の規模、光触媒の種類及び量、排気ポンプを駆動することによる透析廃液から除去する水の量、液循環流路中を循環する液の流通速度等が決定される。
C×Z/(Y+Z)<20ppm ・・・(1)
なお、X、Y及びZには、X=Y+Zなる関係式が成立している。
この透析廃液処理装置の一具体例を、図7に示す。なお、図9において図1〜図5に示される符号と同じ符号で示される部材乃至要素は、図1〜5に示されるものと同じものを示す。
図9において、40で示すのは透析廃液処理装置全体を示し、36で示すのは温度センサーであり、37で示すのは液量検出器であり、38で示すのは加熱手段の一例であるヒータであり、39で示すのは冷却手段の一例である冷却管である。
この透析廃液処理装置40においては、溶媒貯留槽52に温度センサ36及び液量検出器37が装備され、濃縮貯留槽2にヒータ38が装備されているので、濃縮貯留槽2内の液(当初は透析廃液であるが、この透析廃液処理装置40による処理を行うにつれて廃液が濃縮されて濃縮廃液となる。)を濃縮するときには、制御手段11により制御することにより前記ヒータ38に通電して液から水の蒸発除去を容易にする。溶媒希釈槽31には温度センサー36及び液量検出器37が付設されているので、溶媒希釈槽31内に貯留される溶媒としての水の量を液量検出器37で検出することにより溶媒貯留槽52内に貯留される水の量をモニターすることができ、希釈槽32における希釈タイミングを容易に制御することができる。
この実施例においては、透析廃液の代わりにブドウ糖を含有する透析液を要処理流体とした。透析液はその成分が明確であるからモデルとして透析液を透析廃液と見立てた。
図9に示されるのと同様の透析廃液処理装置を組み立てた。この場合、反応器3の仕様は、以下のとおりである。
流量:1kg/h、
光照射手段:30Wの紫外線ランプ、
有機物分解能力:500ppm×kg/h
単価:200000円
透析廃液とみなした透析液の条件は、以下のとおりである。
BOD値:1800ppm
排出量:375kg/h
(比較例1)
375本の前記反応器3を用意し、各反応器3に前記流量で前記透析液を流通させる。375本の反応器3に透析液375kgを1時間で流通完了させる。この反応器3における流通を「パス」と称することがある。この反応器3におけるパスを6回繰り返すと、各パス毎のBOD値が表1に示すようになる。
Figure 2005007388
比較例とするこの例においては1800ppmのBOD値を有する透析液を反応器3で処理すると、11ppmのBOD値を有する透析液とするのに6パスを必要とする。
この比較例においては、4回目のパスでは分解量が196ppmに低下してしまう。また、6回パスまでの反応器3における電力消費量は、375本×6パス×30wの掛け算により、67.5KWとなる。
(実施例1)
前記比較例1におけるのと同様の反応器3を使用した。2パスの後に透析液を濃縮してその容積を50%にする。その50%濃縮透析液を反応器3にさらに5パスする。各パスごとのBOD値が表2に示すようになる。
Figure 2005007388
この実施例においては、濃縮操作を2パスの後に1回行う。各パスごとに濃縮操作を行わなかったのは、実験操作、実験時間を合理化してわずかの実験操作及び実験時間をもって全体的結果を得ようと企図したからである。
上記表2の結果につき、以下のように考察することができる。すなわち、1800ppmの透析液を375本の反応器3に通過させると1回目のパスでの分解量は500ppmであり、2回目のパスでの分解量も500ppmである。このことは、反応器3での反応は2回とも反応速度が阻害されていないことを示す。また、前記比較例1においても反応器3での反応は2回とも反応速度が阻害されていないことが理解できる。
この実施例1においては、2回パスの透析液を濃縮してその容積を1/2にする。そうすると容積の半減された透析液中のBODは1600ppmとなる。つまりブドウ糖の濃度が1600ppmにまで上昇した透析液が得られる。この透析液を反応器3にパスさせると、第3回目パスの透析液及び第4回目パスの透析液はその分解量がいずれも500ppmである。一方、比較例1においては、濃縮して容積を減少させる操作を行わないのであるが、その場合、3パス目の分解量は500ppmであるが、4パス目の分解量が196ppmに低下している。このことは、透析液の溶媒である水を除去して透析液の容積を半減させることによりブドウ糖の濃度の上昇した透析液を、反応器3で光触媒による分解を行うと、その分解速度はさらに2パスにおいても低下することがなかったと理解することができる。
このような実験に基づくと、例えば、前記実施例1においては2パスの後に濃縮操作が行われたのであるが、3パス後、4パス後等の各パスごとに透析液中の溶媒例えば水を除去してブドウ糖の濃度を常に高く維持しつづけると、透析液中のブドウ糖の分解速度は阻害されることなく一定又は一定以上に高めることができる。故に、有機物含有の要処理液体を濃縮し続けることにより、本願発明の目的である短時間の内に、また低廉なコストで透析液中のブドウ糖を低減させることができる。
また、濃縮操作により透析液から分離された水をすべて貯留しておき、例えばこの実施例1における7パス後の透析液を前記の分離された水で希釈すると、一挙に、低BOD値の透析液を得ることができ、河川に放流可能な廃液として扱うことができる。
前記実施例1における反応器3の電力消費量は、50.7KW(=1690本×30W)である。したがって、この実施例1は比較例1に比べて電力消費量が少なくて工業的であると結論することができる。
図1は、この発明の一実施例である反応促進装置を示す概略ブロック図である。 図2は、この発明の一実施例である反応促進装置における反応器の概要を示す概略説明図である。 図3は、濃縮装置の一例を示す概略説明図である。 図4は、この発明の一実施例である有機物濃度低減装置を示す概略ブロック図である。 図5は、この発明の一実施例である有機物濃度低減装置における制御手段を示す概略ブロック図である。 図6は、この発明の一実施例である有機物濃度低減装置によって濃縮されていく液に含まれる有機物の濃度と反応速度との関係を示すグラフである。 図7は、この発明に係る反応促進装置の一例及びそれを組み込んで成る有機物濃度低減装置の一例を示す概略説明図である。 図8は、図7で示される反応促進装置における各段の濃縮貯留槽における処理済み液の濃度の概略を示すグラフである。 図9は、この発明の有機物濃度低減装置を透析廃液処理装置としたときの一例を示す概略ブロック図である。
符号の説明
1・・・反応促進装置、2・・・濃縮貯留槽、3・・・反応器、
4・・・液循環手段、5・・・廃液供給路、6・・・タンク、
7・・・排気路、8・・・第1移送流路、9・・・第2移送流路、
10・・・液面計、
10A・・・最大液量検出器、10B・・・最小液量検出器、
11・・・制御手段、11A・・・メモリー、11B・・・演算部、
11C・・・制御部、12・・・排気ポンプ、13・・・外側筒体、
14・・・内側筒体、15・・・光触媒、16・・・光照射手段、
17・・・光触媒充填空間、18・・・液導入口、19・・・液導出口、
20・・・三方切替弁、21・・・濃度センサー、22・・・排出流路、
30・・・有機物濃度低減装置、32・・・希釈槽、
33・・・配管、34・・・開閉弁、35・・・放出路、
36・・・温度センサー、37・・・液量検出器、
38・・・加熱手段例えばヒータ、39・・・冷却手段、
40・・・透析廃液処理装置、50・・・加熱手段、51・・・配管、
52・・・溶媒貯留槽、53・・・冷却手段、54・・・排気管、
55・・・排気ポンプ、60・・・反応促進装置、
61−1・・・第1段反応器、61−2・・・第2段反応器、
61−3・・・第3段反応器、61−n・・・第n段反応器、
62−1・・・第1段濃縮貯留槽、62−2・・・第2段濃縮貯留槽、
62−3・・・第3段濃縮貯留槽、62−n・・・第n段濃縮貯留槽、
63−1・・・第1段濃縮装置、63−2・・・第2段濃縮装置、
63−3・・・第3段濃縮装置、63−n・・・第n段濃縮装置、
64・・・溶媒貯留槽、65−1・・・第1段移送流路、
65−2・・・第2段移送流路、65−3・・・第3段移送流路、
65−n・・・第n段移送流路、66−1・・・第1段開閉弁、
66−2・・・第2段開閉弁、66−3・・・第3段開閉弁、
67−1・・・第1段配管、67−2・・・第2段配管、
67−3・・・第3段配管、67−n・・・第n段配管、
68−1・・・第1段溶媒貯留槽、68−2・・・第2段濃縮貯留槽、
68−3・・・第3段濃縮貯留槽、68−n・・・第n段濃縮貯留槽、
80・・・有機物濃度低減装置、81・・・移送流路、82・・・希釈槽

Claims (5)

  1. 要処理流体中に存在する物質を分解する反応器と、
    前記反応器から生成する処理済み流体を濃縮する濃縮貯留槽と、
    この濃縮貯留槽で濃縮された濃縮流体を前記反応器に返戻する流体循環路と、
    を備えて成ることを特徴とする反応促進装置。
  2. 前記請求項1に記載の要処理流体が請求項1に記載の物質として有機物を含有する要処理液であり、処理済み流体が処理済み液である場合の前記請求項1に記載の反応促進装置と、
    前記反応促進装置における濃縮貯留槽から除去された溶媒を貯留する溶媒貯留槽と、
    前記反応器で生成する処理済み液及び/又は前記濃縮貯留槽で濃縮された濃縮液を前記溶媒貯留槽内の溶媒で希釈する希釈槽とを備えて成ることを特徴とする有機物濃度低減装置。
  3. 前記請求項1に記載の要処理流体が請求項1に記載の物質として有機物を含有する要処理液であり、処理済み流体が処理済み液である場合の前記請求項1に記載の反応促進装置と、
    前記反応促進装置における濃縮貯留槽から除去された溶媒を貯留する溶媒貯留槽と、
    前記反応器で生成する処理済み液又は前記濃縮貯留槽で濃縮された濃縮液を前記溶媒貯留槽内の溶媒で希釈する希釈槽と、
    前記反応促進装置における前記濃縮貯留槽における濃縮液又は前記反応器から導出される処理済み液における有機物濃度が閾値に達すると、前記濃縮貯留槽から抜き出した濃縮液及び/又は前記反応器から抜き出した処理済み液と溶媒貯留槽に貯留されている溶媒とを混合するように、前記濃縮貯留槽又は反応器と溶媒貯留槽との液抜き出し操作を制御する制御手段と、
    を備えて成ることを特徴とする有機物濃度低減装置。
  4. 供給される要処理液中に存在する有機物を分解する前段反応器、及びこの前段反応器で生成した処理済み液を貯留し、処理済み液から溶媒を除去する前段濃縮貯留槽を備える前段濃縮装置と、
    前段濃縮貯留槽から供給される被処理液中に存在する有機物を分解する後段反応器、及びこの後段反応器で生成した処理済み液を貯留し、処理済み液から溶媒を除去する後段濃縮貯留槽を備える後段濃縮装置と、
    前記後段濃縮装置を前段濃縮装置とする複数の後段濃縮装置とを備えて成ることを特徴とする反応促進装置。
  5. 前記請求項4に記載の反応促進装置と、
    各段の濃縮装置における濃縮貯留槽から除去された溶媒を貯留する各段毎の溶媒貯留槽と、最終段の濃縮装置における濃縮貯留槽に存在する濃縮された被処理液及び/又は最終段の濃縮装置における反応器で生成する反応生成液を、全ての段における溶媒貯留槽に貯留された所望量の溶媒で希釈する希釈槽とを備えて成ることを特徴とする有機物濃度低減装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017039062A (ja) * 2015-08-17 2017-02-23 Necファシリティーズ株式会社 ホウ素除去方法及びホウ素除去装置

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