JP2003285031A - 有機性廃棄物のメタン発酵装置 - Google Patents

有機性廃棄物のメタン発酵装置

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JP2003285031A JP2002088799A JP2002088799A JP2003285031A JP 2003285031 A JP2003285031 A JP 2003285031A JP 2002088799 A JP2002088799 A JP 2002088799A JP 2002088799 A JP2002088799 A JP 2002088799A JP 2003285031 A JP2003285031 A JP 2003285031A
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methane
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acid
liquid
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Sachiko Nakamura
幸子 中村
Seiji Sugimura
誠司 杉村
Ikuko Murakami
郁子 村上
Yukiko Tsukagoshi
由季子 塚越
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Kurimoto Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸やアルカリの使用量を減少させ、小型化さ
れた有機性廃棄物のメタン発酵装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 酸生成槽とメタン生成槽とを備えた有機
性廃棄物のメタン発酵装置において、上記の酸生成槽か
らメタン生成槽へ送られる可溶化液の移送量を、上記メ
タン生成槽のpHが6.0〜8.0の範囲内を保持でき
るように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機性廃棄物を
処理するためのメタン発酵装置に関し、詳しくは、酸生
成槽とメタン生成槽によって有機性廃棄物を処理するメ
タン発酵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】メタン発酵装置としては、例えば、図4
に示されるような装置が知られている。この装置は、酸
生成槽1、メタン生成槽2及び両者を連結する配管3、
有機性廃棄物である被処理対象物を酸生成槽1に送る被
処理対象物供給管4、消化液を排出する排出管5、上記
酸生成槽1及びメタン生成槽2のpHを調節するための
酸注入タンク6a,6bやアルカリ注入タンク7a,7
b、及び上記酸生成槽1及びメタン生成槽2からの回収
ガスを回収するガス回収管8a,8bから構成される。
【0003】上記装置は、被処理対象物供給管4から導
入された被処理対象物を酸生成槽1内で酸発酵させて有
機酸を生成し、このとき発生する二酸化炭素ガス等をガ
ス回収管8aから回収すると共に、上記有機酸を含む可
溶化液を配管3によってメタン生成槽2に送り、次い
で、上記メタン生成槽2でメタン発酵を行い、得られる
メタンガスをガス回収管8bから回収すると共に、メタ
ン発酵後の消化液を排出管5から排出する装置である。
【0004】この酸生成槽1及びメタン生成槽2の反応
におけるそれぞれの好適なpH条件は、6以下の弱酸
性、及びpH6〜8の中性付近とそれぞれ異なる。この
ため、酸生成槽1においては、被処理対象物供給管4か
ら導入される被処理対象物のpHによってpHが変化し
ないように、酸注入タンク6a及びアルカリ注入タンク
7aから酸又はアルカリを注入し、pHを好ましい範囲
に調整している。
【0005】また、上記メタン生成槽2においては、p
H6以下の酸生成槽1中の可溶化液が配管3を通じて導
入されるので、pHは酸性の方向に変化しやすい。この
ため、酸注入タンク6b及びアルカリ注入タンク7bか
ら酸又はアルカリを注入し、pHを好ましい範囲に調整
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
酸やアルカリの使用量は、被処理対象物たる有機性廃棄
物の量にあわせて増大するという問題点を有する。ま
た、これにあわせて、上記の酸やアルカリの貯蔵場所で
ある酸注入タンク6a,6bや、アルカリ注入タンク7
a,7bが大型化するため、装置全体として大型化する
という問題点を有する。
【0007】そこで、この発明は、酸やアルカリの使用
量を減少させ、小型化された有機性廃棄物のメタン発酵
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、酸生成槽と
メタン生成槽とを備えた有機性廃棄物のメタン発酵装置
において、上記の酸生成槽からメタン生成槽へ送られる
可溶化液の移送量を、上記メタン生成槽のpHが6.0
〜8.0の範囲内を保持できるように制御することによ
り、上記の課題を解決したのである。
【0009】酸生成槽からメタン生成槽へ送られる可溶
化液の移送量を、メタン生成槽のpHが6.0〜8.0
の範囲内を保持できるように制御するので、メタン生成
槽に流入する有機酸等の量とメタン生成菌による有機酸
等の分解量がバランスし、基本的に、メタン生成槽に酸
やアルカリを導入する必要性がなくなる。このため、余
分な酸やアルカリを使用する必要性がなくなり、また、
これらを収納するタンクも小さいものでよく、装置を小
型化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。この発明にかかる有機性廃棄物のメタン発酵装置
(以下、単に「メタン発酵装置」と称する。)は、図1
に示すように、酸生成槽11とメタン生成槽12とを備
えた装置である。このメタン発酵装置には、被処理対象
物である有機性廃棄物を酸生成槽11に送る被処理対象
物供給管14等の被処理対象物供給手段、酸生成槽11
内の可溶化液をメタン生成槽12に移送する移送配管1
3等の移送手段、メタン生成槽12内で、上記可溶化液
をメタン発酵させて得られる反応液(以下、「消化液」
と称する。)をメタン生成槽12外に排出する排出管1
5等の排出手段、上記メタン生成槽12のpHを調節す
るためのアルカリ注入タンク17等のpH調整手段、及
び上記酸生成槽11及びメタン生成槽12からの発生ガ
スを回収するガス回収管18a,18bから構成され
る。
【0011】また、図1に示すように、酸生成槽11内
の液を撹拌するための撹拌手段として、酸生成槽11下
部の液を上部に戻す循環ライン21や、メタン生成槽1
2下部の液を上部に戻す循環ライン22が設けられる。
この循環ライン21は、図1に示すように、移送配管1
3を枝分かれさせて、移送配管13内の一部の可溶化液
を酸生成槽11の上部に戻すようにしてもよく、図示し
ないが、移送配管13と別個に循環ライン21を設けて
もよい。また、上記循環ライン22は、図1に示すよう
に、後述する返送配管19を枝分かれさせて、返送配管
19内の一部の消化液をメタン生成槽12の上部に戻す
ようにしてもよく、図示しないが、返送配管19と別個
に循環ライン22を設けてもよい。さらに、後述する図
2に示すような、上記循環ライン21,22の代わり
に、撹拌羽根及びモータを用いた撹拌装置を用いてもよ
い。
【0012】また、メタン生成槽12内の消化液の一部
を酸生成槽11に返送する返送配管19等の返送手段が
設けられる。この返送手段によって、酸生成槽11から
可溶化液と共にメタン生成槽12に移送された酸生成菌
が酸生成槽11に戻され、酸生成槽11内の酸生成菌濃
度を高く保持できる。同様に、メタン生成槽12内のメ
タン生成菌は、消化液と共に酸生成槽11に送られ、移
送配管19により可溶化液と共に戻ってくるので、メタ
ン生成槽12内のメタン生成菌濃度も高く保持できる。
【0013】さらにまた、図1に示すように、上記排出
管15等の排出手段の周囲に隔壁23を設けてもよい。
この隔壁23を設けることによって、上記排出手段の周
囲を含む上記隔壁内部の消化液の液面部が、メタン生成
槽12内の循環ライン22等の撹拌手段による撹拌作用
を受けるのを防止し、上澄み液を排出するので、後述す
るように、酸生成槽11やメタン生成槽12から移送さ
れた酸生成菌やメタン生成菌が排出手段によって排出さ
れるのを抑制できる。
【0014】次に、この発明にかかるメタン発酵装置の
作用について説明する。厨芥、食物残渣、下水汚泥、食
品工場廃棄物、都市ごみ等の有機性廃棄物が、被処理対
象物として、被処理対象物供給管14より、酸生成槽1
1に導入される。そして、この酸生成槽11内で加水分
解され、さらに、酸生成菌等の微生物反応によって分解
され、有機酸を含む可溶化液となる。また、分解にとも
ない、炭酸ガス、水素ガス、アンモニア等が生成され、
これらのガスはガス回収管18aで回収される。
【0015】上記酸生成槽11内では、上記酸生成菌が
活発に働いて、有機性廃棄物(被処理対象物)が分解さ
れて有機酸等の酸性物質が生成されるので、可溶化液の
pHは6以下となる。
【0016】また、酸生成槽11内の可溶化液は、循環
ライン21で循環させることができ、この撹拌により原
料の加水分解も促進される。
【0017】酸生成槽11で製造された可溶化液は、移
送手段によってメタン生成槽12によって移送される。
この移送手段としては、図1に示すような、ポンプ25
aによって移送配管13を経由して移送する方法、後述
するが、図2に示すような溢流堰装置27a,27bに
よる方法等、任意の方法を採用することができる。
【0018】メタン生成槽12内においては、メタン生
成菌等の微生物反応によって、酸生成槽11から移送さ
れた可溶化液中の有機酸等が分解され、メタンガスや炭
酸ガスが生成される。これらのガスは、ガス回収管18
bにより回収される。
【0019】上記のメタン生成菌は、pHが6.0〜
8.0の付近で活発に働くので、メタン生成槽12内の
pH域を上記範囲内に保持する。メタン生成槽12内の
pH値は、酸性の強い可溶化液の移送量の影響を大きく
受けるので、メタン生成槽12内のpH値をpH計24
bによって監視しながら、酸生成槽11からメタン生成
槽12へ移送される可溶化液の移送量をバルブ26によ
って制御する。
【0020】pHが8.0に近づく場合は、上記可溶化
液の移送量を増加させて、pHを低下させることができ
る。但し、可溶化液の移送量が過大になると、メタン生
成菌の負荷が大きくなり、その働きが悪くなるので、予
め定められた設計流量を超えての移送は行わない。
【0021】また、pHが6.0に近づくときは、上記
可溶化液の移送を減じ、又は停止し、移送されてくる有
機酸等の量より、メタン生成菌による有機酸等の分解量
を多くすることで、pHを上昇させる。
【0022】なお、可溶化液の移送を停止しても、pH
の低下が続く場合は、アルカリ注入タンク17から少量
のアルカリを注入して、メタン生成菌の活性を高めるよ
うにしてもよい。
【0023】上記のpHの調整法の具体例としては、下
記の調整法があげられる。まず、図3に示すように、上
記のpHの範囲内、すなわち、pH6.0〜8.0の範
囲内に、可溶化液の移送量を増加させるための第1pH
基準値を設定すると共に、上記pHの範囲内であって、
上記第1pH基準値より小さいpHの範囲内に、可溶化
液の移送量を減少させるための第2pH基準値を設定す
る。この第1pH基準値を上回る場合や、第2pH基準
値を下回る場合に、上記可溶化液の移送量を下記に示す
条件で調整することにより、pHが8.0を上回るのを
防止したり、6.0を下回るのを防止したりすることが
可能なように設定すれば、pHの変化を6.0〜8.0
の範囲で保持することができ、不要なアルカリの使用が
削減される。
【0024】上記メタン生成槽のpHを測定し、所定時
間経過後に計測されたpHが上記第1pH基準値と第2
pH基準値との間にあるとき(図3の及びの範囲)
は、上記可溶化液の移送量を保持する。なお、pHが第
1pH基準値と第2pH基準値との間にあり、そのpH
が低下傾向にあるとき(図3のの範囲)は、その移送
量は、予め定められた設計流量で、メタン生成槽12の
規模、被処理対象物の種類等によって決定される。
【0025】また、上記所定時間後に計測したメタン生
成槽12のpHがpH6.0と上記第2pH基準値との
間にあって、pHが減少しているとき(図3のの範
囲)は、上記可溶化液の移送量を所定割合だけ減じる。
この減じる割合は、任意の割合、例えば、設計流量の1
0%等と設定することができる。なお、さらに、所定時
間経過後のpHが、前回より低下していれば、さらに所
定割合を減じ、増加していれば、前回の移送量を保持す
る。
【0026】上記の所定時間は、メタン生成槽12の規
模、被処理対象物の種類等によって変わるが、30分〜
2時間の範囲で設定することができる。なお、所定時間
の長短に応じて、移送量の増減割合を変更することが望
ましい。
【0027】上記の処置にも関わらず、上記可溶化液の
移送量を減じた場合でも、pHが低下し続け、上記第2
pH基準値とpHの6.0との間に設定した下限値より
低下した場合は、上記可溶化液の移送量の減じる割合を
増加させる。それでもなお、低下してpH6.0より下
回る場合は、上記アルカリ注入タンク17より少量のア
ルカリを注入し、pHを6.0より上回るようにする。
【0028】一方、メタン生成槽12のpHが上記第1
pH基準値とpH8.0との間にあって、上記した所定
時間後のpHが増加しているとき(図3のの範囲)
は、上記可溶化液の移送量を所定割合だけ増加させる。
この増加割合は、任意の割合、例えば、設計流量の10
%等と設定することができる。なお、さらに、所定時間
経過後のpHが、前回より増加していれば、さらに所定
割合を増加させる。但し、前回の移送量が設計流量と等
しい場合は、その移送量を保持する。また、前回よりも
pHが低下していれば、移送量を増加させず、その移送
量を保持する。
【0029】なお、上記以外の場合、すなわち、pHが
第1pH基準値とpH8.0との間にあって、pHが減
少しているとき(図3のの範囲)は、前回の移送量
(設計流量)を保持し、pHがpH6.0と第2pH基
準値との間にあって、pHが増加しているとき(図3の
の範囲)も、前回の移送量(設計流量から所定割合を
何回か減少させた後の移送量)を保持する。
【0030】上述したように、pHが第2pH基準値を
下回り、pHが減少傾向の場合は、1回あるいは複数回
の移送量カットを行っており、可溶化液の移送量は、設
計流量の半分あるいは、それ以下の少流量となっている
ときがある。このようなとき、pHが増加傾向に転じて
も、第1pH基準値に達するまでは流量を増加させず、
メタン生成菌の活性を充分に回復させる。このようにす
れば、メタン生成菌がすみやかに活性を取り戻し、メタ
ン発酵装置を安定して運転することができる。
【0031】上記のpH調整法を採用すると、アルカリ
や酸をほとんど使用する必要がなく、これらの薬液注入
手段を小型化することができる。
【0032】また、メタン生成槽12内の消化液を循環
ライン22で循環させることにより、メタン生成槽12
内を撹拌し、有機酸等と微生物との接触を増加させるこ
とができ、反応をより進行させることができる。
【0033】さらに、上記メタン生成槽12の消化液の
一部はポンプ25b及び返送配管19等の返送手段によ
って酸生成槽11に送り返される。酸生成槽11からメ
タン生成槽12に移送される可溶化液中には、酸生成菌
が含まれている。この酸生成菌を酸生成槽11に戻すこ
とによって、菌体濃度を高く保持することができる。な
お、メタン生成菌も返送配管19等の返送手段により、
酸生成槽11に送られ、移送配管13によってメタン生
成槽12に戻されるので、菌体濃度が高く保持される。
上記の両方の菌は、その好適なpH域が異なり、酸生成
槽11では、酸生成菌が、メタン生成槽12では、メタ
ン生成菌の活性が高くなる。
【0034】酸生成槽11で発生した二酸化炭素を主と
するガス、及びメタン生成槽12で発生したメタンを主
とするガスは、ガス回収管18a,18bからそれぞれ
回収される。
【0035】上記メタン生成槽12で製造された消化液
は、排出手段によってメタン生成槽12の外部、すなわ
ち、メタン発酵装置の系外に排出される。この排出手段
としては、図1に示すような排出管15による方法、オ
ーバーフローによる方法等、任意の方法を採用できる。
このとき排出される消化液としては、メタン生成槽12
内の消化液のうち上澄み液が好ましい。上澄み液は菌体
濃度が低いため、そのまま排出されても、酸生成槽11
やメタン生成槽12の菌体濃度に影響を与えない。ま
た、上澄み液を排出すると後の排水処理が容易となる。
【0036】この発明にかかるメタン発酵装置として
は、図1以外に図2に示す装置を用いることもできる。
図2に示すメタン発酵装置は、1つの槽を壁28によっ
て酸生成槽11aとメタン生成槽12aに分けたもので
ある。各槽は、撹拌羽根を用いた撹拌装置29a,29
bを用いてもよく、上記の図1と同様に循環ラインで槽
内を撹拌してもよい。さらに、被処理対象物供給管1
4、排出管15等の回収手段、ポンプ25c及び返送配
管19a等の返送手段は、図1に示す場合と同様のもの
を用いることができる。ガスを回収するガス回収管18
cは、槽が全体で1つのため、1つのガス回収管18c
を設ければ十分である。
【0037】また、酸生成槽11aからメタン生成槽1
2aへの移送手段としては、溢流堰27a及びこの溢流
堰27aを駆動させる駆動装置27bを用いることがで
きる。また、図示しないが、酸生成槽11aの液面部か
らメタン生成槽12aの液面部にかけて、図1の場合と
同様に、ポンプと移送配管を設けてもよい。
【0038】上記の溢流堰27aは、駆動装置27bに
よって上下動することができるので、酸生成槽11aの
可溶化液をメタン生成槽12aに移送する量を調整で
き、図1に示す移送手段を用いた上記のpH調整と同様
のpH調整を行うことができる。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、酸生成槽からメタン
生成槽へ送られる可溶化液の移送量を、メタン生成槽の
pHが6.0〜8.0の範囲内を保持できるように制御
するので、メタン生成槽に移送される有機酸等の量と、
メタン生成菌による有機酸等の分解量がバランスし、基
本的に、メタン生成槽に酸やアルカリを導入する必要性
がなくなる。このため、余分な酸やアルカリを使用する
必要性がなくなり、また、これらを収納するタンクも小
さいものでよく、装置を小型化することができる。
【0040】さらに、pHの第1pH基準値や第2pH
基準値、上限値、下限値等を設定して、可溶化液の移送
量の減少割合や、増加割合を制御することにより、メタ
ン発酵装置を安定して運転することができる。
【0041】また、酸生成槽とメタン生成槽との間に移
送手段及び返送手段を設け、この排出手段の周囲に隔壁
を設けた場合は、排出される液中に酸生成菌やメタン生
成菌が排出されるのを抑制できる。そして、メタン生成
槽に移送された酸生成菌が返送手段で酸生成槽に返送さ
れ、酸生成槽への返送で移送されたメタン生成菌が移送
手段で移送されるので、菌体を系外に出るのを抑制で
き、菌体濃度を高濃度で保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるメタン発酵装置の例を示す模
式図
【図2】この発明にかかるメタン発酵装置の他の例を示
す模式図
【図3】この発明におけるpH調整の例を示すグラフ
【図4】従来のメタン発酵装置の例を示す模式図
【符号の説明】
11,11a 酸生成槽 12,12a メタン生成槽 13 移送配管 14 被処理対象物供給管 15 排出管 17 アルカリ注入タンク 18a,18b,18c ガス回収管 19,19a 返送配管 21,22 循環ライン 23 隔壁 24a,24b pH計 25a,25b,25c ポンプ 26 バルブ 27a 溢流堰 27b 駆動装置 28 壁 29a,29b 撹拌装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 郁子 大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会 社栗本鐵工所内 (72)発明者 塚越 由季子 大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会 社栗本鐵工所内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AA03 AA04 CA15 CA18 CB05 CC12 DA02 DA20 4D059 AA03 AA07 BA13 BJ00 BJ01 DA01 DA31 EA05 EB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸生成槽とメタン生成槽とを備えた有機
    性廃棄物のメタン発酵装置において、 上記の酸生成槽からメタン生成槽へ送られる可溶化液の
    移送量を、上記メタン生成槽のpHが6.0〜8.0の
    範囲内を保持できるように制御する有機性廃棄物のメタ
    ン発酵装置。
  2. 【請求項2】 上記pHの範囲内に、上記可溶化液の移
    送量を増加させるための第1pH基準値を設定すると共
    に、上記pHの範囲内であって、上記第1pH基準値よ
    り小さいpHの範囲内に、上記可溶化液の移送量を減少
    させるための第2pH基準値を設定し、 上記メタン生成槽のpHが上記第1pH基準値と第2p
    H基準値との間にあるときは、上記可溶化液の移送量を
    保持し、 所定時間後に計測した上記メタン生成槽のpHがpH
    6.0と上記第2pH基準値との間にあって、pHが低
    下しているときは、上記可溶化液の移送量を所定割合だ
    け減じ、 所定時間後に計測した上記メタン生成槽のpHが上記第
    1pH基準値とpH8.0との間にあって、pHが増加
    しているときは、上記可溶化液の移送量を所定割合だけ
    増やすことを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物
    のメタン発酵装置。
  3. 【請求項3】 上記酸生成槽内の可溶化液をメタン生成
    槽に移送する移送手段、メタン生成槽内の消化液の一部
    を酸生成槽に返送する返送手段、及び、メタン生成槽内
    の消化液のうち上澄み液を系外に排出する排出手段を有
    し、 上記排出手段の周囲に隔壁を設け、上記排出手段の周囲
    を含む上記隔壁内部の消化液の液面部が、メタン生成槽
    内の撹拌手段による撹拌作用を受けるのを防止した請求
    項1又は2に記載の有機性廃棄物のメタン発酵装置。
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