JP3736428B2 - 汚水の処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可溶化法により余剰汚泥の発生を抑制して、発生量の減容化が可能な汚水の処理方法および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水などの汚水の活性汚泥法などの生物処理工程からは、多量の汚泥が発生しており、この汚泥の処理処分が現在最大の問題となっている。従来、これらの汚泥は、脱水助剤を添加して脱水機で脱水された後、埋め立てあるいは焼却により処分されている。しかしながら、埋め立て処分する場合には、処分地の減少による処理費の高騰という問題がある。また、焼却処分の場合も大規模なものについては、焼却炉の負担、焼却灰の処分等の問題があり、いずれもユーザーにとって大きな負担となっている。
【0003】
従来より、余剰汚泥の減容化を図る方法として嫌気性消化(メタン発酵)法が知られているが、この方法では、長い滞留時間を必要とするためにタンクが巨大化してしまう。また、その割には減容化効果は大きくないため、結局、消化後に残留する消化汚泥を脱水して処分しなければならなかった。
【0004】
汚泥の減容化のために、種々の方法が提案されており、例えば、特開平9−253684号公報には、引き抜き汚泥を嫌気性発酵工程にて可溶化した後、活性汚泥系に返送して、汚泥発生量を抑制する方法が記載されている。また、特開平11−90493号公報には、高温好気性細菌から産出される酵素による消化と、熱変性との双方を促進し得る温度に可溶化槽内を設定し、その中で汚泥を可溶化した後、曝気槽に返送することによって余剰汚泥を減容化する方法が記載されている。
【0005】
特開平7−116685号公報に記載されているのは、オゾンを添加することにより汚泥の細胞壁を破壊して可溶化し、次いで好気槽にて汚泥の減容化を行なう方法であり、特許2132622号公報では、熱アルカリ処理を施すことにより可溶化を進めた後、曝気槽に返送することで汚泥の減容化をねらっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の方法のうち、嫌気性発酵処理のみによる汚泥の可溶化(特開平9−253684号公報)では、充分な可溶化率を得るためには長い滞留時間が必要であり、可溶化タンクの巨大化が避けられない。
【0007】
高温好気性細菌の産出する酵素による汚泥の可溶化(特開平11−90493号公報)では、加熱のためのコストおよび好気性条件を維持するための曝気コストに起因してランニングコストが増大する。
【0008】
また、オゾン酸化による汚泥の可溶化(特開平7−116685号公報)では、オゾン酸化槽での発泡トラブルのおそれがあり、排オゾン処理の必要性が生じる。しかも、オゾン発生機やオゾン添加コストが高額であるために、イニシャルコストが高く、ランニングコストの増大も伴うことになる。
【0009】
さらに、加温アルカリ処理による可溶化(特許2132622号)では、多量の薬剤が必要なため薬剤コストが高く、加温のためのコストも要するのでランニングコストの増大が生じる。
【0010】
このように、いずれの方法を用いても、可溶化タンクを巨大化することなく、低ランニングコストで汚泥の減容化を図ることができなかった。
【0011】
そこで本発明は、可溶化タンクの小型化を可能にするとともに、発生汚泥量を著しく減少させることが可能な汚水の処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、低ランニングコストでタンクの小型化が可能であるとともに、発生汚泥量を著しく減少させることが可能な汚水の処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、汚水を生物処理する工程と、前記生物処理後の汚水を固液分離して処理水および返送汚泥を得る工程と、前記返送汚泥の一部から引き抜き汚泥を得る工程と、前記引き抜き汚泥を常温、常圧、嫌気、無酸素または微好気条件下、pH7.5〜8.9、滞留時間3〜24時間にてアルカリ処理する工程と、前記アルカリ処理後の汚泥を、直ちに常温、常圧、嫌気、無酸素または微好気条件下、pH7.0〜7.8、滞留時間1〜3日にて生物学的に可溶化分解する工程と、前記可溶化された汚泥を前記生物処理系に返送する工程とを具備する汚水の処理方法を提供する。
【0015】
前記引き抜き汚泥のアルカリ処理に先だって、前記汚泥を濃縮することが好ましい。
【0017】
またさらに、本発明は、汚水を生物処理する生物処理系と、
前記生物処理後の汚水を固液分離して、処理水および返送汚泥を得る固液分離装置と、
前記返送汚泥の一部から引き抜き汚泥を得る手段と、
前記引き抜き汚泥を常温、常圧、嫌気、無酸素または微好気条件下、pH7.5〜8.9、滞留時間3〜24時間にてアルカリ処理するアルカリ処理槽と、
前記アルカリ処理後の汚泥を、常温、常圧、嫌気、無酸素または微好気性条件下、pH7.0〜7.8、滞留時間1〜3日にて生物学的に可溶化する生物学的可溶化槽と、
前記可溶化された汚泥を生物処理系に返送する汚泥返送手段と
を具備する汚水の処理装置を提供する。
【0018】
本発明の処理装置において、前記アルカリ処理槽は、押し出し流れ式の処理槽であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の汚泥の処理方法および装置と、これを利用した汚水の処理方法および処理装置を説明する。
【0020】
本発明にかかる汚泥可溶化装置の一例を、図1に示す。
【0021】
図示する処理装置においては、汚泥はアルカリ処理槽1に導入される。アルカリ処理槽1内では、pH7.5〜8.9となるようにアルカリ剤2を添加して汚泥にアルカリ処理を施して、3〜24時間滞留させる。この処理によって、汚泥を構成する種々の微生物細胞構成成分などが生物学的分解を受けやすい形に改質される。
【0022】
アルカリ処理のためのアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
ここで必要とされるアルカリ剤の量は、汚泥の種類、濃度、および状態等に応じて適宜決定することができる。本発明の方法においては、アルカリ処理後の汚泥は後段で生物学的に可溶化されるので、後段の生物学的可溶化槽で生物学的可溶化を進行させるpH条件にする必要がある。具体的には、アルカリ処理槽1内のpHは7.5〜8.9程度の低pHとされ、高pHとする必要はない。これによって、従来の高pHでのアルカリ処理のみにより汚泥を可溶化する場合と比較して、アルカリ剤を少量に抑えることが可能となるため、薬剤コストの低減を図ることができる。
【0024】
アルカリ処理は、高温で行なってもよいが、常温でも充分な効果を得ることができ、常温にて処理することが好ましい。アルカリ処理槽1は、完全混合式、あるいは押し出し流れ式とすることができる。特に押し出し流れ式とした場合には、アルカリ剤の低減によるさらなる低コスト化、滞留時間の短縮によるタンクの小型化など、より効率的な処理も期待できるので好ましい。
【0025】
アルカリ処理後の汚泥は、引き続いて生物学的可溶化槽3に導かれ、常温、常圧、嫌気、無酸素あるいは微好気条件下で、pH7.0〜7.8、滞留時間1〜3日にて汚泥可溶化菌の作用によりさらに可溶化が進行する。ここでいう常温とは、5〜35℃、好ましくは15〜30℃である。
【0026】
なお、アルカリ処理後の汚泥は、好気的条件に曝されると、アルカリ可溶化成分の再汚泥化が生ずるおそれがある。これを避けるため、アルカリ処理後の汚泥は、空気に触れることなく生物学的可溶化槽3へ導入することが望まれる。
【0027】
ここで、生物学的可溶化槽3における汚泥の可溶化について、詳細に説明する。
【0028】
生物学的可溶化槽3内で汚泥の可溶化に関与する微生物としては、常温、常圧、嫌気、無酸素あるいは微好気条件下で、汚泥の主要構成成分であるタンパク質および炭水化物を分解するプロテアーゼやアミラーゼなどを分泌し、なおかつ汚泥成分を栄養源とすることのできる微生物が好適であるが、特に限定されるものではない。
【0029】
本発明者らは、生物処理糟内にて高い汚泥分解活性を有する菌株3株を単離・同定し、その至適pHを調査したところ、いずれも中性〜弱アルカリ性にて活性が最大になることを見出した。具体的には、生物処理糟内pHは7.0〜7.8が適切であり、生物処理糟内pHが上述の値となるように前段のアルカリ処理糟pHを調整することで、生物処理糟内での汚泥分解菌の活性を最大限引き出すことができることを見出した。このときの生物処理糟内のpHの制御は、生物処理槽のpHをフィードバックしてアルカリ処理槽pHを制御するのが簡潔であるが、生物処理槽に別途pH調整装置を設けて制御を行なってもよい。
【0030】
加えて、汚泥は、アルカリで前処理することにより汚泥中菌体の破壊および細胞内液の溶出が生じているので、生物学的可溶化槽3における可溶化速度は従来法に比べて飛躍的に向上する。それによって、可溶化槽内滞留時間を短縮することができ、生物学的可溶化槽3のタンク容積の小型化が達成される。
【0031】
上述したように、本発明においては生物学的可溶化槽3内での汚泥の可溶化は、嫌気、無酸素あるいは微好気下で行なわれるため、曝気を必要としない。したがって、汚泥は何等特別な付加施設なしに処理を行なうこともできるが、反応性を高めるために簡単な撹拌機を設置してもよい。撹拌機を設置した場合においても、そのコストは曝気コストと比較すれば遙かに低く抑えられ、従来の方法と比較して、非常にシンプルで低ランニングコストのプロセスの構築が可能となる。
【0032】
アルカリ処理槽1から生物学的可溶化槽3へ流入したアルカリ性の処理液は、この可溶化槽3で嫌気、無酸素あるいは微好気下で処理を行なうことによって、上述したように中性付近になるよう制御される。そのため、本発明においては、処理液を中和するための酸などは必要とされず、中和のための薬剤コストも不要となる。
【0033】
上述の汚泥可溶化法を利用した本発明の汚水の処理方法および処理装置を、図面を参照して以下に説明する。
【0034】
本発明にかかる汚水の処理装置の一例を、図2に示す。
【0035】
図示する処理装置においては、汚水4は、まず生物処理槽5に導入されて所定時間生物処理された後、沈澱槽6に導入される。ここで、汚泥が分離されて清澄な処理水7が得られる。ここでの生物処理法としては、活性汚泥法、回転円板法、散水ろ床法、浸漬ろ床法などを採用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
固液分離後の沈降分離汚泥8の大部分は、汚泥返送ライン10から生物処理槽5にリサイクルされる。一方、汚泥返送ライン10から引き抜かれた汚泥11は、汚泥濃縮手段12に導入され、所定濃度に濃縮された後、前述の汚泥可溶化装置に導かれる。
【0037】
前述の汚泥可溶化装置にて可溶化処理された汚泥13は、返送ライン10に戻されて生物処理槽5に返送され、再度、生物処理される。この結果、可溶化された汚泥中の有機物が生物処理槽5において好気的に生物分解および無機化されることにより除去され、排出される余剰汚泥9の量が著しく減少する。
【0038】
なお、図示する処理装置に示されるように、引き抜き汚泥11をアルカリ処理槽1に導入する前に、予め遠心分離などの濃縮機12によって濃縮し、液量を減じておくことが好ましい。これによって、アルカリ処理槽1内を所定pHに維持するために要するアルカリ剤の量を減ずることができる。したがって、アルカリ費用をさらに削減することが可能となる。また、処理汚泥総量の減少は、アルカリ処理槽1および生物学的可溶化槽タンク3のさらなる小型化にもつながる。
【0039】
【実施例】
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
(実施例1)
余剰汚泥を対象に、本発明の連続処理試験を行なった。ここで用いた装置の構成を図3に示す。
【0041】
図示する装置においては、容積400mlの円筒型のアルカリ処理槽1と、同型同容積の生物学的可溶化槽3とから、汚泥可溶化装置が構成される。こうした装置を用いて、いずれの処理槽も密閉状態を保ちつつ、常温、常圧条件下で曝気せずに機械的攪拌のみを行なった。供試汚泥としては、下水処理場から採取した余剰汚泥14を用い、MLSSが約40g/Lになるように調整し、4℃で保存した。この汚泥を、滞留時間6時間となるように汚泥輸送ポンプ15にてアルカリ処理槽1へ一定時間毎、連続的に供給した。
【0042】
アルカリ処理槽1は、pHコントローラー16によってpH8.5に保たれるよう、水酸化ナトリウム2を用いて制御した。アルカリ処理槽1で処理された汚泥の一部は、汚泥輸送ポンプ21によって引き抜き、生物学的可溶化槽3に流入させ、残りの汚泥はオーバーフローさせた。この流出汚泥20のMLSSを供試汚泥14のMLSSと比較することによって、アルカリ処理槽1の汚泥可溶化率を算出した。
【0043】
生物学的可溶化槽3は、pHが連続的に約7.2であることを確認できたため、特別なpH調整は行なわず、滞留時間を3日間に設定して運転を行なった。生物学的可溶化槽3もアルカリ処理槽と同様に、汚泥をオーバーフローさせて水位を保った。
【0044】
ここで流出した汚泥23のMLSSを、アルカリ処理槽流出汚泥20のMLSSと比較することによって、生物学的可溶化槽における汚泥可溶化率を求めた。また、汚泥23のMLSSを供試汚泥14のMLSSと比較することにより、本システム全体の汚泥可溶化率を求めた。
【0045】
比較例として、アルカリ処理槽1および生物学的可溶化糟3のpHと、滞留時間(HRT)とを下記表1に示すように変更させて実験を行なった。
【0046】
その結果を、下記表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1に示されるように、pH8.5、滞留時間(HRT)6時間のアルカリ処理と、pH7.2、HRT3日間の汚泥可溶化菌による生物処理とを施すことによって、32.4%の可溶化率が得られた。
【0049】
比較例1では、アルカリ処理槽1を中性に制御した実験を行なった。この場合には、中性であるためアルカリ前処理の効果が得られず、それによって生物学的可溶化槽での可溶化率も減少している。このことは、アルカリでの前処理を施すことによって、汚泥が汚泥可溶化菌の酵素による分解を受けやすい性状に改質されていることを示している。
【0050】
比較例2では、アルカリ処理槽のpHを9.5とした高pH処理により、高い可溶化率が得られている。しかしながら、高pHを維持するためコストの顕著な増大がみられ、また、生物学的可溶化槽のpHも上昇して、生物学的可溶化槽ではほとんど可溶化していない。これは、pH上昇により微生物による汚泥分解活性が低下したこと、高アルカリ処理により、汚泥中の分解可能な成分のほとんどがアルカリ処理槽で分解してしまったためと考えられる。
【0051】
比較例3は、アルカリ処理槽のHRTを短縮した実験である。アルカリを用いた前処理が不十分であるため、アルカリでの可溶化および生物学的可溶化槽での可溶化率も低下している。
【0052】
比較例4は、前述の比較例3とは逆にアルカリ処理槽のHRTを長くとったものである。pH維持のためのアルカリ消費増大によるコスト増の割には、可溶化率は上昇していない。アルカリによる汚泥の可溶化および改質は、3〜24時間で完了すると考えられており、必要以上の長時間処理は、汚泥の緩衝作用によるpH低下を抑えるためだけのアルカリの無駄な消費が増大し、コスト増大に対して得られる可溶化率はそれほど大きくならないことがわかる。
【0053】
比較例5および6は、生物学的可溶化槽のHRTを変化させたものである。短時間にした場合(比較例5)には可溶化率が低く、一方、必要以上のHRTにした場合(比較例6)には、可溶化率がそれほど上昇せず、その割には必要タンク容量が著しく増大することが示されている。
【0054】
これらの実験から、本プロセス処理においては、アルカリ処理槽pH8.5、滞留時間(HRT)6時間のアルカリ処理と、pH7.2、HRT3日間の生物学的可溶化処理とによって、コンパクトで効率的な汚泥減容化プロセスの構築が可能となることが確認された。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、可溶化タンクの小型化を可能にするとともに、発生汚泥量を著しく減少させることが可能な汚水の処理方法が提供される。また本発明によれば、可溶化タンクの小型化を図り、発生汚泥量を著しく減少させることが可能な汚水の処理装置が提供される。
【0056】
本発明により、複雑な操作、設備を用いることなく汚泥の効率的な可溶化が可能になるため、処理時間の短縮とそれに伴なう可溶化設備の小型化を図ることができる。また、微生物による汚泥の可溶化を行なうことで、アルカリ処理のための薬剤費を低減することができるのみならず、中和のための薬剤も不要となるため低コスト化につながる。また、アルカリ処理は、常温での処理で十分である。
【0057】
さらに、汚泥の生物学的可溶化分解は、常温、常圧、嫌気、無酸素あるいは微好気条件で行なわれるので曝気は必要とせず、低ランニングコストでの運転が可能となる。こうして可溶化された汚泥を、生物処理系に返送することによって余剰汚泥の発生を著しく低減することができ、従来の汚泥脱水工程、汚泥焼却工程等を著しく小規模化することができ、場合によっては、こうした工程は不要になる。
【0058】
本発明は、下水など汚水の生物処理工程から発生する汚泥の処理に極めて有効であり、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を説明するための図。
【図2】本発明の他の例を説明するための図。
【図3】本発明の連続試験の一例を説明するための図。
【符号の説明】
1…アルカリ処理槽
2…アルカリ剤
3…生物学的可溶化槽
4…流入汚水
5…生物処理槽
6…固液分離手段
7…処理水
8…沈降分離汚泥
9…余剰汚泥
10…返送汚泥
11…返送汚泥ラインから引き抜かれた汚泥
12…汚泥濃縮手段
13…可溶化処理された汚泥
14…供試汚泥
15…汚泥輸送ポンプ
16…pHコントローラー
17…pHセンサー
18…アルカリ液送ポンプ
19…アルカリ処理槽電磁弁
20…アルカリ処理槽流出汚泥
21…汚泥輸送ポンプ
22…生物学的可溶化槽電磁弁
23…生物学的可溶化槽流出汚泥
Claims (4)
- 汚水を生物処理する工程と、
前記生物処理後の汚水を固液分離して処理水および返送汚泥を得る工程と、
前記返送汚泥の一部から引き抜き汚泥を得る工程と、
前記引き抜き汚泥を常温、常圧、嫌気、無酸素または微好気条件下、pH7.5〜8.9、滞留時間3〜24時間にてアルカリ処理する工程と、
前記アルカリ処理後の汚泥を、直ちに常温、常圧、嫌気、無酸素または微好気条件下、pH7.0〜7.8、滞留時間1〜3日にて生物学的に可溶化分解する工程と、
前記可溶化された汚泥を前記生物処理系に返送する工程とを具備する汚水の処理方法。 - 前記引き抜き汚泥のアルカリ処理に先だって、汚泥を濃縮する工程を具備することを特徴とする請求項1に記載の汚水の処理方法。
- 汚水を生物処理する生物処理系と、
前記生物処理後の汚水を固液分離して、処理水および返送汚泥を得る固液分離装置と、
前記返送汚泥の一部から引き抜き汚泥を得る手段と、
前記引き抜き汚泥を常温、常圧、嫌気、無酸素または微好気条件下、pH7.5〜8.9、滞留時間3〜24時間にてアルカリ処理するアルカリ処理槽と、
前記アルカリ処理後の汚泥を、常温、常圧、嫌気、無酸素または微好気性条件下、pH7.0〜7.8、滞留時間1〜3日にて生物学的に可溶化する生物学的可溶化槽と、
前記可溶化された汚泥を生物処理系に返送する汚泥返送手段とを具備する汚水の処理装置。 - 前記アルカリ処理槽が押し出し流れ式の処理槽であることを特徴とする請求項3に記載の汚水の処理装置。
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