JP2005185904A - ニッケルカドミウム電池の製造廃水の浄化方法 - Google Patents

ニッケルカドミウム電池の製造廃水の浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 無機凝集剤を使用した場合のような多量の汚泥の発生がなく、しかも、陽イオンキレート樹脂によりカドミウムイオンを有効に吸着・除去し得るニッケルカドミウム蓄電池製造廃水の浄化方法を提供すること。
【解決手段】 ニッケルカドミウム蓄電池製造廃水溶液をpH12.0〜12.5に保持し、アニオン強度100%のポリアクリルアミド系の陰イオン性ポリマーを添加し、含有されているカドミウムを水酸化物の形で凝集沈殿させた後、沈殿槽の上澄水をpH2.0以下で20分間以上保持し、その後中和した後に陽イオンキレート吸着樹脂に通水する。
この方法によれば、沈殿槽の上澄水をpH2.0以下で20分間以上保持したので、全てのカドミウム化合物は陽イオンとして存在しているので、陽イオンキレート樹脂に完全に吸着・捕集される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ニッケルカドミウム電池の製造廃水の浄化方法に関し、特に、ニッケルカドミウム電池製造時に発生するカドミウム化合物を含有する廃水を浄化して、安全に放流できるようになすための浄化方法に関する。
ニッケルカドミウム電池の製造過程において発生する廃水には、負極活物質材料として使用するカドミウム化合物及びニッケル化合物等の重金属化合物が含まれている。特にカドミウムは環境法規において人の健康に影響を与える物質として規定されており、カドミウム関連施設のある事業場からの廃水基準は0.1mg/L以下と厳しい法基準が設定されている。従って、カドミウム化合物含有廃水を外部に放流するためには、この法基準を満たすように、廃水中に含有されているカドミウム化合物を除去する必要がある。
現在、一般的に採用されているカドミウム化合物等の重金属含有廃水の浄化方法としては、凝集沈殿槽に廃水を投入し、重力作用を利用して重金属を水酸化物として除去する方法が知られている。すなわち、一般には浄化過程前段において廃水をアルカリ性に保持し、廃水中のイオン性重金属を粒子性重金属、つまり水酸化物に変換し、その浄化過程後段において塩化第二鉄などの無機凝集剤を添加することで重金属の水酸化物の沈降を促進させて凝集沈殿槽の槽底から汚泥として除去し、さらに後段で凝集沈殿処理液中で水酸化物に変換/除去しきれなかったイオン性重金属を陽イオンキレート樹脂で捕捉する方法が知られている。(下記特許文献1参照)
しかし、前段での無機凝集剤添加により十分な凝集効果を得るには無機凝集剤の過剰量の投入が必要となる。この結果、無機凝集剤自体も多量に必要であり、汚泥も副生成物として余剰に発生してしまう。また、凝集沈殿技術だけでは重金属の水酸化物を完全に除去することはできず、微細なフロックとなった低密度の重金属の水酸化物(場合によっては重金属の炭酸塩、ケイ酸塩、酸化物等も含まれる場合もある)については凝集沈殿槽の処理液の中に残留したまま後段へと送られる。ところが、重金属の水酸化物は、電気的に中性であるために、後段の陽イオンキレート樹脂では吸着除去ができないといった問題がある。
一方、下記特許文献2には、カドミウム等の重金属含有廃水にアルカリを加えて排水中の重金属を水酸化物として凝集させて固液分離した後、キレート樹脂または弱酸性陽イオン交換樹脂でアルカリ性廃水中の重金属イオンを吸着除去する方法において、固液分離後のアルカリ性廃水をpH5以下とした後、交換基のうち60〜100当量%がアルカリ金属形もしくはアルカリ土類金属形で0〜40当量%がH形であるキレート樹脂または弱酸性陽イオン交換樹脂で廃水中の重金属イオンを吸着除去することを特徴とする重金属含有廃水の処理方法の発明が開示されている。
そこで、以下において、本発明の理解のために下記特許文献2に開示されている廃水処理方法を図面を用いて説明する。図2は下記特許文献2に開示されている重金属含有廃水の処理方法を実施するための装置10の一例を示す。
図2において、まず、重金属含有廃水にアルカリを添加して重金属を水酸化物とし、さらにその溶解度が最小となるようにpHを調整した廃水を廃水導入管11から凝集沈殿槽12に流入させる。また、凝集沈殿槽12中の重金属の水酸化物を粗大化して沈降し易くするために、配管13から高分子凝集剤を添加する。凝集して沈降したスラッジは、スラッジかき寄せ機14で底部に集められ、底部の配管15から排出される。
一方、上澄水は、凝集沈殿槽12の上部の溢流管16から中継槽17に送られる。この上澄水には、重金属の微細なフロックが残存しているため、ポンプ18から配管19を経由して濾過器20に輸送される。濾過器20の内部には、濾材21が充填され、ここで微細なフロックが濾過により除去され、濾過水は配管22を経由して、pH調整槽23へ送られる。pH調整槽23中の濾過水は十分混合されている状態とし、配管24から酸が注入される。
pH調整槽23においては、pH調整槽の濾過水のpHが2〜5の範囲になるように、配管24から供給される酸の流量が調節される。pH調整槽23を溢流した酸性廃水は、中和槽25に流入し、中和槽25内でよく混合されながら、配管26からアルカリが注入される。中和槽25では、廃水のpHが中性付近の所定のpHになるように上記配管26から注入されるアルカリの流量が調整される。
中和槽25を溢流した中性廃水は、貯留槽27に流入し、pHが所定の範囲内、例えばpH5.8からpH8.6の範囲に入った廃水は、ポンプ28及び配管29を経て内部に濾材30が充填されている濾過器31に流入して再度濾過され、濾過水は配管32を経由して、重金属除去筒33へ送水される。重金属除去筒33には、交換基のうち60〜100当量%がアルカリ金属形またはアルカリ土類金属形で、0〜40当量%がH形の弱酸性陽イオン交換樹脂またはキレート樹脂からなる重金属除去樹脂34が充填されている。この重金属除去樹脂34で流入する重金属含有廃水中の重金属イオンはほぼ完全に吸着除去され、その処理水は、配管35から排出される。
特開2001−321781号公報(段落[0002]〜[0003]) 特開平8−168798号公報(特許請求の範囲、段落[0009]〜[0019]、[0037]〜[0048])
前記特許文献2に開示されている重金属含有廃水の処理方法においては、ニッケル及びカドミウムを含有する廃水の処理に際しては、最初にpH12.5として重金属を水酸化物の形で凝集沈殿させ、濾過した後に硫酸を加えてpHを3とし、その後に苛性ソーダでpH=7に中和し、中和後の廃水をキレート樹脂を充填したカラムに通すことにより、カドミウム濃度0.2〜0.6μg/L、ニッケル濃度0.3〜0.7μg/L、処理水のpH=6.5〜9.0の範囲の廃水が得られたことが示されている。
しかしながら、本発明者の実験によると、前記特許文献2に開示されている重金属含有廃水の処理方法をニッケルカドミウム蓄電池製造廃水に適用した場合、所期の作用・効果が達成されずに、廃水中のカドミウム含有量が規制値を超えてしまう場合があった。本発明者はこの原因について種々実験を繰り返した結果、前記特許文献2に開示されている重金属含有廃水の処理方法では、カドミウム等の重金属を水酸化物の形で凝集沈殿させて濾過した後に酸を加えてpHを2〜5としてカドミウム等の重金属を陽イオンの形態に変えているが、この際の反応速度を考慮していないことから全てのカドミウム等の重金属が陽イオンになっていない場合があること、及び、一旦酸性にした後に直ちに中和しているので、完全に陽イオンとならなかったカドミウム等の重金属はそのまま電気的に中性の水酸化物の形態で存在しているために、陽イオンキレート樹脂によって吸着・除去されずに排出されてしまうことに起因することを知見した。加えて、前記特許文献2には、カドミウム等の重金属を水酸化物の形で凝集沈殿させる際に高分子凝集剤を使用することが記載されているにしても、汚泥の発生量については何等の考慮もされていない。
そこで、本発明者は、ニッケルカドミウム蓄電池製造廃水を処理する際に、無機凝集剤を使用した場合のような多量の汚泥の発生がなく、しかも、陽イオンキレート樹脂によりカドミウムイオンを有効に吸着・除去し得る条件を種々探求した結果、アニオン強度100%の物性値を有するポリアクリルアミド系の陰イオン性高分子を凝集剤として添加し、カドミウム化合物を含んだ廃液をpH12〜12.5の条件下で凝集沈殿させると、余剰汚泥を発生させることなく、無機凝集剤を添加したときと同等の凝集沈殿効果を得ることができることを見出し、更に、凝集沈殿を完了した処理液をpH2.0以下で20分間以上保持すれば水酸化カドミウム等の粒子性カドミウム化合物は全て陽イオン、すなわちカドミウムイオンに変換され、その後に中性になるまで中和してもカドミウムはそのまま陽イオンの状態で存在しているので、カドミウムイオンを良好に陽イオンキレート樹脂により吸着・除去できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、カドミウム及びニッケルを主成分として含有しているニッケルカドミウム蓄電池製造廃水中のカドミウムを有効に除去することができ、しかも汚泥体積の少ないニッケルカドミウム蓄電池製造廃水の浄化方法を提供することを目的とする。
前記目的を解決するため、本願の請求項1に記載のニッケルカドミウム蓄電池製造廃水の浄化方法の発明は、ニッケルカドミウム蓄電池製造廃水にアルカリを添加してpH12.0〜12.5に保持し、次いで凝集沈殿剤としてアニオン強度100%のポリアクリルアミド系の陰イオン性ポリマーを添加して含有されているカドミウムを水酸化物の形で凝集沈殿させた後、上澄水に酸を添加してpH2.0以下で20分間以上保持し、その後中和した後に陽イオンキレート吸着樹脂に通水することを特徴とする。
この場合、廃水水溶液をpH12.0〜12.5に保持するのは、このpH値範囲では水酸化カドミウムの溶解度が最も小さいからである。すなわち、カドミウム金属は両性金属であって、pHが低い場合はカドミウムイオンCd2+となって溶解し、pHが高い場合はカドミウムの水酸化物イオンCd(OH) 2−となって溶解する。したがって、pHが12未満であっても12.5を超えても凝集沈殿する水酸化カドミウムが少なくなるので好ましくない。
アニオン強度100%のポリアクリルアミド系の陰イオン性ポリマーの化学構造式は下記化学式に示すとおりであり、また、アニオン強度を示す式は下記数式(1)に示すとおりである。
Figure 2005185904
Figure 2005185904
従って、アニオン強度100%のポリアクリルアミド系陰イオンポリマーにおいては、x=0となる。
また、沈殿槽の上澄水をpH2.0以下で20分間以上保持することは、カドミウムを全てカドミウムイオンの形態で存在させるのに必要である。pHが2.0を超えると、そのpH値の大きさに比例してカドミウムが全てカドミウムイオンの形態となるまでの時間が長くなり、pH値が2.5以上であると30分間保持しても65%以下しかカドミウムイオンの形態とならない。pH値は低ければ低いほど全てカドミウムイオンの形態となるまでの時間が短くなるが、あまりpH値を低くしても中和するためのアルカリ量が増えるために好ましくはない。好ましいpH値の下限は1.0以上であり、より好ましくは1.5以上である。
本発明においては、上記構成を備えることにより、以下に詳細に述べるように、ニッケルカドミウム蓄電池製造廃水を処理する際に、余剰汚泥を発生させることなく、無機凝集剤を添加したときと同等の凝集沈殿効果を得ることができ、しかも、カドミウムイオンを良好に陽イオンキレート樹脂により吸着・除去できるので、容易に環境法規で定められている廃水基準を満たすことができるニッケルカドミウム蓄電池製造廃水処理方法を得ることができる。
以下、本発明の具体例を各種実験例、実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、以下に示す実施例は本発明の技術思想を具体化するためのニッケルカドミウム蓄電池の製造廃水の浄化方法を例示するものであって、本発明をこの実施例の浄化方法に特定することを意図するものではなく、特許請求範囲に記載された技術的範囲に含まれるものに等しく適用し得るものである。
<実験例1>
水酸化カドミウム等の粒子性カドミウム化合物の濃度が10mg/Lであるニッケルカドミウム蓄電池製造廃水(I)に市販のアニオン強度100%の値を持つポリアクリルアミド系の陰イオン性高分子凝集剤(オルガノ株式会社製OAシリーズの「OA−5」、商品名)を水溶液に対し質量比率で1ppmとなるように添加し、水溶液のpHを12〜12.5に保持したまま30分間撹拌し、5時間静置して沈殿凝集操作を行った後、その上澄み液を採集して(a)液とした。
また、同様にして、市販のポリアクリルアミド系のアニオン強度の値が50%(同「OA−8」)、10%(同「OA−4」)であるような高分子凝集剤を添加し、凝集沈殿操作を行った後に前記の(a)液を得たときと同様にして上澄み液を採集し、それぞれ(b)液、(c)液とした。なお、ポリアクリルアミド系の陰イオン性高分子凝集剤としては、前述のもの以外に、ユニチカ株式会社製UF−100シリーズ、住友化学工業株式会社製スミフロックFAシリーズ等(何れも商品名)も等しく使用し得る。
一方、前記上澄み液(a)液〜(c)液を得た際に使用した陰イオン性高分子凝集剤に換えて前記ニッケルカドミウム蓄電池製造廃水(I)に対して質量比率で500ppmの割合になるように塩化第二鉄を添加し、前記(a)液〜(c)液を得た場合と同様の凝集沈殿操作を行って得られた上澄み液を(d)液とした。
定法に従い、前記上澄み液(a)液〜(d)液のそれぞれに含まれる水酸化カドミウム等の粒子性カドミウムの定量測定を行い、また、凝集沈殿した槽底の汚泥の体積を計量した。これらの測定結果を表1に示した。なお、汚泥体積は上澄み液(a)液で得られた汚泥体積を100として規格化したときの相対値である。また、ニッケルカドミウム蓄電池製造廃水(I)にはニッケル化合物も含まれているが、ニッケル化合物は何れの場合も水酸化ニッケルとして大部分が汚泥中に含まれ、上澄み液(a)液〜(d)液中のニッケル濃度は小さくなっている。
Figure 2005185904
表1に示したとおり、無機凝集剤を使用した上澄み液(d)液中の粒子性カドミウム濃度は9.9mg/Lと最も低くなっているが、アニオン強度100%の値を有する陰イオン性高分子凝集剤を使用した上澄み液(a)液中の粒子性カドミウム濃度も10.0mg/Lと実質的に(d)液と同等のカドミウム凝集・沈殿効果が得られており、加えて、(a)液を得た際の汚泥体積は無機凝集剤を使用した(d)液を得た際の汚泥体積の約2/3と非常に小さくなっていることが分かった。また、アニオン強度50%を有する陰イオン性高分子を使用した上澄み液(b)液を得た際及び同じくアニオン強度10%を有する陰イオン性高分子を使用した上澄み液(c)液を得た際の汚泥体積は、共に(a)液を得た際の汚泥体積と同等の結果が得られているが、(b)液及び(c)液中の粒子性カドミウム濃度はそれぞれ22mg/L及び29mg/Lであって、陰イオン性高分子のアニオン強度に反比例して上澄み液中の粒子性カドミウム濃度が高くなっていることが分かった。
従って、ニッケルカドミウム蓄電池製造廃水に対しては、アニオン強度100%を持つ陰イオン性高分子が最も凝集作用に効果があり、しかも、無機凝集剤を使用せずに前記の高分子凝集剤を使用することで発生汚泥量も抑えることができた。アニオン強度100%の高分子が凝集作用に最も効果があった理由は、現在のところ定かではなく、今後の研究を待つ必要があるが、おそらくは水酸化カドミウムからなる粒子性カドミウムと陰イオン性高分子が静電引力で結合し、粒子性カドミウムの見かけの電位が凝集するのに最も適していると考えられている5〜10mVになっているのではないかと思われる。
<実験例2>
ニッケルカドミウム蓄電池製造廃水をpH12にした後に実験例1で用いたアニオン強度100%の陰イオン性高分子を凝集剤に用いて凝集沈殿を行った処理水(R)液に対し、硫酸酸性水溶液で処理水(R)液のバルクpHを4.0から1.5までそれぞれ変更し、そのpH値で0分から30分までそれぞれ保持時間を変更した状態のイオン性カドミウムCd2+の濃度を測定し、予め測定した処理水(R)液中の粒子性カドミウム濃度(=10mg/L)を用いて次の数式(2)によりイオン化率を求めた。各調整pH値と保持時間によるイオン化比率の変化を図1に示した。
Figure 2005185904
図1に示したとおり、処理水(R)液のpHが2.5以上であると30分を経過しても水酸化カドミウム等の粒子性カドミウムは約65%以下しかイオン化しないが、処理水(R)液のpHが2.0以下では20分以上保持すると粒子性カドミウム化合物が完全にイオン性カドミウムCd2+に変換していることがわかった。
<実施例及び比較例>
実験例1で得られた処理水(R)液に対して硫酸水溶液と苛性ソーダ水溶液でpH値が6以上8を超えない範囲でpH調整し、市販の陽イオンキレート樹脂(ユニチカ株式会社製ユニセレックURシリーズの「UR−100S」、商品名)に通水して処理した処理液を(RR)液(比較例)とした。一方、(R)液に対して硫酸水溶液でpH2.0として20分間保持した後にpHが7になるように硫酸水溶液と苛性ソーダ水溶液でpH調整し、陽イオンキレート樹脂に通水して処理した処理液を(RT)液(実施例)とした。(RT)液と(RR)液の全カドミウム濃度および粒子性カドミウム濃度を測定した結果を表2に示した。
Figure 2005185904
表2に示した通り、本発明の実施例に対応するpH=2で20分間保持した処理液(RT)液は水酸化カドミウム等の粒子性カドミウムが全てイオン化され、その後に中性にした後もCd2+の形態で存在しているため、キレート吸着樹脂によってすべて吸着除去された。一方、通常の中和を行った比較例に対応する処理液(RR)液でカドミウムはキレート吸着樹脂で捕捉されずに通過していることがわかる。
以上により、本発明に従って、前段の凝集沈殿で用いる陰イオン性高分子凝集剤の物性を固定し、さらに後段のpH調整条件においてpH2.0以下で保持時間20分以上にすることで、余剰汚泥を発生させることなく、無機凝集剤を添加したときと同等の凝集沈殿効果を得ることができ、しかも、カドミウムイオンを良好に陽イオンキレート樹脂により吸着・除去できるニッケルカドミウム蓄電池製造廃水処理方法を提供することができるようになる。なお、陽イオンキレート樹脂としては、前述のもの以外に、住友化学工業株式会社製スミキレートシリーズ(商品名)等も等しく使用し得る。
処理水(R)の各調整pH値と保持時間によるイオン化比率の変化を表す図である。 従来例の重金属含有廃水の処理方法を実施するための装置の一例を示す図である。
符号の説明
10 従来例の重金属含有廃水の処理方法を実施するための装置
11 pHを調整した廃水
12 凝集沈殿槽
14 スラッジかき寄せ機
16 溢流管
17 中継槽
20 濾過器
21 濾材
23 pH調整槽
25 中和槽
27 貯留槽
30 濾材
31 濾過器
33 重金属除去筒
34 重金属除去樹脂

Claims (2)

  1. ニッケルカドミウム蓄電池製造廃水にアルカリを添加してpH12.0〜12.5に保持し、次いで凝集沈殿剤としてアニオン強度100%のポリアクリルアミド系の陰イオン性ポリマーを添加して含有されているカドミウムを水酸化物の形で凝集沈殿させた後、上澄水に酸を添加してpH2.0以下で20分間以上保持し、その後中和した後に陽イオンキレート吸着樹脂に通水することを特徴とするニッケルカドミウム蓄電池製造廃水の浄化方法。
  2. 上澄み液に酸を添加した際、pHを1.0以上2.0以下に保持したことを特徴とする請求項1に記載のニッケルカドミウム蓄電池製造廃水の浄化方法。
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JP2010240540A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 水溶液からのカドミウムの分離方法
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CN109721189A (zh) * 2019-01-25 2019-05-07 重庆耐德水处理科技有限公司 一种含镍废水处理装置及处理方法

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