JP2007326077A - セレン含有水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】排水中のセレンを簡易な工程で効率的に吸着除去するための方法を提供することが本発明の課題である。
【解決手段】本発明により、希土類化合物を含む吸着剤とセレンを含有する排水を接触させることを特徴とする、セレン含有水の処理方法が提供された。本発明の方法を用いることにより、排水中のセレン含有量を環境基準以下に低減することができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明により、希土類化合物を含む吸着剤とセレンを含有する排水を接触させることを特徴とする、セレン含有水の処理方法が提供された。本発明の方法を用いることにより、排水中のセレン含有量を環境基準以下に低減することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、希土類化合物を含む吸着剤とセレンを含有する排水を接触させることを特徴とする、セレン含有水の処理方法に関する。
セレンは、乾式複写機感光体、ガラスの着色剤、赤色顔料の原料として使用されており、該当製造工程の排水等、ゴミ焼却場洗煙排水、石炭火力排煙脱硫排水などに含まれることがある。なおセレンは人体へ悪影響を及ぼし、皮膚障害、嘔吐、全身ケイレン、神経科敏捷、貧血、胃腸障害等を引き起こすことがあることから、水質汚濁防止法により排水中の濃度が規制されている。
従来、セレンが含まれる排水を処理する手段として実用されているものとして、鉄塩を用いた凝集沈澱処理や、イオン交換処理が挙げられる。これらの処理を行う場合、セレンの形態により除去のしやすさが変化する。即ち亜セレン酸(SeO3 2-)の形態では、比較的容易にセレンを除去できるが、セレン酸(SeO4 2-)は除去するのが難しく、より確実に処理できる方法が検討されている。
セレン酸(SeO4 2-)を除去する公知の技術としてとしては、造粒鉄還元体を用いて、セレン酸を亜セレン酸へ還元し、還元されたセレンをpH9−10で水酸化第一鉄と共沈除去する技術が知られている(特許文献1参照)。また、6価のセレンを含有する排水を、pH4以下でアクリル系ポリアミン型弱塩基性樹脂と接触することを特徴とするセレン含有水の処理方法も知られている(特許文献2参照)。
しかし、鉄塩を用いた凝集沈澱処理では、セレン酸イオン(6価のセレン)を亜セレン酸イオン(4価のセレン)へ還元する前処理をする必要がある。そしてこの還元が不十分な場合、セレンが排水として環境へ排出される可能性がある。還元処理にはセレン酸イオンと造粒鉄還元体が一定の割合で、効率よく接触する必要があるが、セレン酸イオンの濃度がばらついて濃度が高くなると還元処理が不十分になる場合が出てくるからである。このとき、次工程では、セレン酸イオンは水酸化鉄共沈処理できない為、セレンは除去されず、そのまま排水として環境へ排出される可能性がある。
更に6価のセレンを含有する排水を、pH4以下においてアクリル系ポリアミン型弱塩基性樹脂と接触することを特徴とするセレン含有水の処理方法では、排水のpHを4以下、好ましくはpH2〜3まで下げる必要があり、セレン吸着処理後の排水についても中和処理して排水する必要がある。アクリル系ポリアミン型弱塩基性樹脂とのイオン交換で樹脂に固定化されるが、樹脂の官能基の特性として、各種イオンとの選択性を順位付けした場合、セレン酸イオンよりOHイオンとのイオン交換性が良いためである。
更にpH4以下においてアクリル系ポリアミン型弱塩基性樹脂と接触することを特徴とするセレン含有水の処理方法では、亜セレン駿イオンを除去することができない為、分離処理工程を組み込むなど、亜セレン酸イオン除去の工程が別途必要である。なお凝集沈澱処理としては、排水に鉄塩を添加し、次いでカルシウム化合物等を添加し、必要に応じて高分子凝集剤を添加し、凝集沈殿させ回収することができる。なおセレン含有排水では、4価、6価のセレンイオンが共存する場合が多い。樹脂の官能基の特性として、各種イオンとの選択性を順位付けした場合、亜セレン酸イオン(4価のセレン)のイオン交換性が悪い為、排水から除去する場合は、別の処理方法を組み合わせる必要がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものである。そしてその目的は、主としてセレンを含む排水に対し、pH調整等の前処理を行うことなく、簡易な工程でセレン(セレン酸イオン、亜セレン酸イオン)を効率的に吸着除去し、排水中のセレン含有量を環境基準以下に低減した排水処理を可能にする新たな方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明は、希土類化合物を含む吸着剤と、セレンを含有する排水を接触させることを特徴とするセレン含有水の処理方法を提供する。本発明において好ましい希土類化合物は、4価の水酸化セリウム、4価の酸化セリウム、水酸化ランタン及び酸化ランタンからなる群から選択された少なくとも一種である。また本発明において、セレンを含有する排水に、直接に前記吸着剤を投入して攪拌することもできる。更に本発明において、前記希土類化合物を多孔質の無機材料又は有機材料に担持させて造粒したものを前記吸着剤として用いることもできる。更に本発明において、前記吸着剤とセレンを含有する排水を接触させた後に、更に凝集剤を投入して凝集させることもできる。
本発明により、希土類化合物を含む吸着剤を用いて、セレン含有水を簡便な方法で処理することが可能となった。本発明の方法を用いて排水を処理することにより、処理後の排水中のセレン含有量を環境基準値以下とすることができる。
本発明の方法は、セレンを含有する排水に希土類化合物を含む吸着剤を接触させることによりセレン含有水の処理を行なうことを特徴とする。希土顆化合物、特に4価の水酸化セリウムはセレン酸イオン、亜セレン酸イオンを良く吸着除去するために、排水中に含有されるセレンを除去することができる。なお本発明で使用できる希土顆化合物として4価の水酸化セリウム、4価の酸化セリウム、水酸化ランタン、酸化ランタンは好適であるが、それらに限定されるものではない。
なお本願明細書において「希土類化合物を含む吸着剤」とは、水酸化セリウムなど本発明の目的で使用できる希土類化合物を主成分として含有する吸着剤を意味するものである。使用できる吸着剤の具体的として、例えば日本板硝子(株)から市販されている粒状、スラリー状又は粉末状の「アドセラ」などを挙げることができるが、それに限定されるものではない。
そして本発明の方法によれば、4価のセレンと6価のセレンが共存する場合でも、価数の調整やpH調整をする必要がなく、1種類の薬剤による1工程の処理というという非常に簡易な方法でセレン除去処理が可能となる。また4価の水酸化セリウムを用いることにより、排水として排出可能なpH範囲内(pH5〜9)でセレンの吸着と除去をすることができる為、本発明の方法によれば、処理後の水をそのまま排出することができる。
更に本発明においては、前記希土類化合物の粒径を0.1〜40μmとすることも、前記希土類化合物を2次粒径として40〜1000μmのスラリー状のものとして用いることもできる。水酸化セリウムなどの希土類化合物は、それ自体凝集性を有しているために、粒径0.1〜40μmのものでも一定時間静置することで自然に凝集沈殿するので、取り扱いが容易である。また、粒径が40〜1000μmのものは、更に短時間で凝集沈殿処理が可能になる。また、セレンを含有する排水を吸着剤と接触させた後に、ポリ塩化アルミニウム等を無機凝集材として使用して凝集沈澱処理を行なうこともできる。
更に前記希土類化合物を、粉末又は多孔質の無機材料、有機材料に担持させ、0.1〜10mmに造粒して用いることもできる。なお前記希土類化合物を多孔質の無機材料や有機材料に担持させたものをカラム中に充填することもできる。その場合には、該カラムにセレンを含有する排水を通水することにより、連続処理することが可能となる。
よって吸着剤をこのような種々の形態で用いることにより、本発明においては、既存の工程に合わせて柔軟に処理方法を選択できる。なお本発明の好ましい実施態様を、処理方法1、処理方法2、処理方法3として説明する。なお処理方法1、処理方法2、処理方法3を模式的に示した図を図1に示す。
(処理方法1)
本発明の一態様として、セレン含有排水に本発明で用いる吸着剤(例えば4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物)を直接投入して攪拌し、一定時間静直することによって処理水と吸着剤を分離することができる。なお撹拌を止め、1時間程度静置することで、吸着剤は自重で沈降する。この場合には吸着剤が沈降した後に上澄み液を排出することで、吸着剤と処理水を分離することができる。
本発明の一態様として、セレン含有排水に本発明で用いる吸着剤(例えば4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物)を直接投入して攪拌し、一定時間静直することによって処理水と吸着剤を分離することができる。なお撹拌を止め、1時間程度静置することで、吸着剤は自重で沈降する。この場合には吸着剤が沈降した後に上澄み液を排出することで、吸着剤と処理水を分離することができる。
この態様においては吸着剤を、粒径0.1-1000μmの紛体あるいは粒径0.1から10mmの造粒体として用いることが好適である。排水のpHがpH4以下、pH11以上の場合は、酸性試薬、アルカリ性試薬を用いて、排水のpHを4〜11の範囲に調整する。なお処理水の温度は特に本発明の効果には影響しないが、設備の管理上100℃以下が好ましい。一例として、セレン濃度が1ppmである排水の1Lに対して、希土類化合物を0.2g以上(0.2〜2g)の比率で添加し、数秒〜数時間攪拌させ、吸着剤と汚染水を効率よく接触させることにより、排水の処理を行なうことができる。なおCe(OH)4 1gに対して、セレンが5ppmから10ppm吸着する。
(処理方法2)
本発明の一態様として、セレン含有排水に本発明で用いる吸着剤(例えば4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物)を直接投入して攪拌し、次いで、凝集沈澱処理を行うことができる。吸着剤と汚染水を分離する時は、攪拌を止め、1時間程度静置することで、吸着剤が自重で沈降する。沈降後上澄み液を排出することで、吸着割と処理水を分離できる。更に次工程で排水に凝集剤などを添加し、コロイド状粒子を凝結すること、pH領域を調整して溶存成分を不溶化させること、さらに効率的に撹拌すること等により、沈殿物のフロックを形成させ、成長させて粗大化させ、沈降させた成分と水溶液を分離させることにより、凝集処理を行なうことができる。
本発明の一態様として、セレン含有排水に本発明で用いる吸着剤(例えば4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物)を直接投入して攪拌し、次いで、凝集沈澱処理を行うことができる。吸着剤と汚染水を分離する時は、攪拌を止め、1時間程度静置することで、吸着剤が自重で沈降する。沈降後上澄み液を排出することで、吸着割と処理水を分離できる。更に次工程で排水に凝集剤などを添加し、コロイド状粒子を凝結すること、pH領域を調整して溶存成分を不溶化させること、さらに効率的に撹拌すること等により、沈殿物のフロックを形成させ、成長させて粗大化させ、沈降させた成分と水溶液を分離させることにより、凝集処理を行なうことができる。
この場合、吸着剤の粒径は、0.1〜40μm程度が適している。なお排水のpHがpH4以下、pH11以上の場合は、酸性試薬やアルカリ性試薬を用いて、排水のpHを4〜11の範囲に調整する。処理水の温度は特に本発明の効果には影響しないが、設備の管理上100℃以下が好ましい。一例として、セレン濃度が5ppmである排水の1Lに対して、希土類化合物を1g以上(1〜10g)の比率で添加し、数秒〜数時間攪拌させ、吸着剤と汚染水を効率よく接触させることにより、排水の処理を行なうことができる。
高分子凝集剤としては、例えばPAC剤(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などの無機系凝集剤や、ポリアミン系、メラミン酸コロイド系、ジシアンジアミド系、ポリアクリルアミド系、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)系などの有機系凝集剤などの各種凝集剤を用いることが可能である。そのような高分子凝集剤を用いて排水中のセレンをフロック化させ、自重で沈降させ、上澄み液を分離後、沈降した成分を脱水ケーキ状にして排水中のセレンを回収することができる。この方法には静置時間を短縮できるという利点がある。
(処理方法3)
本発明の一態様として、本発明で用いる吸着剤(例えば4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物)をカラムに充填し、そのカラムにセレン含有排水を通水することにより、排水の処理ができる。カラム処理を行なう設備の設計に際し、LV値を5〜30、SV値を5〜50に設定することができるが、その範囲に限定されるものではない。LV値=10で、吸着剤量を10kgとした場合、流速は50〜500L/時間となる。この場合には4価の水酸化セリウムを多孔質の無機材料又は有機材料に担持させ、吸着剤の平均粒径を0.1〜10mm程度となし、通水性をもたせることが好ましい。
本発明の一態様として、本発明で用いる吸着剤(例えば4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物)をカラムに充填し、そのカラムにセレン含有排水を通水することにより、排水の処理ができる。カラム処理を行なう設備の設計に際し、LV値を5〜30、SV値を5〜50に設定することができるが、その範囲に限定されるものではない。LV値=10で、吸着剤量を10kgとした場合、流速は50〜500L/時間となる。この場合には4価の水酸化セリウムを多孔質の無機材料又は有機材料に担持させ、吸着剤の平均粒径を0.1〜10mm程度となし、通水性をもたせることが好ましい。
更に吸着剤を充填したカラムを複数つなげて排水処理装置を作製することも可能であり、かかる排水処理装置も本発明の範囲内である。下記の実施例においてはカラムを直列に3塔つなげた処理装置を作っているが、実施の目的に応じて種々の態様の処理装置を用いることができる。
更に希土頼化合物、特に4価の水酸化セリウムは、セレンだけでなく、ホウ素、フッ素、砒素、アンチモン、モリブデン、インジウム、カドミウム、鉛、銅、クロム(6価)などの吸着性能にも優れており、これらの吸着処理に本発明の処理方法を用いることも可能である。
以下、本発明の実施例を説明するが、下記の実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。
(処理方法1)
4価のセレンを5ppm、6価のセレンを5ppm含有し、pHが8.5であるセレン含有排水100リットルに対して、平均粒径1mmの4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物(「アドセラ」(商品名)日本板硝子(株)製)5kgを投入して、室温で約30分間攪拌し、60分間静置後、ミクロポアフィルターPFR・500W−1SO(オルガノ株式会社製)のフィルターを通過させ、上澄み液を排出させ、処理水と吸着剤を分離した。なお本実施例で使用した「アドセラ」は、水酸化セリウム(4価)を主成分として含む重金属固定用の吸着剤である。その結果処理水のセレン含有量は環境基準値以下、すなわち4価のセレンと6価のセレンの含量は共に0.01ppm以下であった。また処理水のpHは8.0であった。なおセレンの定量は、JIS K OlO2(工場排水試験法)67.3の水素化合物発生ICP発光分光分析法に従って実施した。
4価のセレンを5ppm、6価のセレンを5ppm含有し、pHが8.5であるセレン含有排水100リットルに対して、平均粒径1mmの4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物(「アドセラ」(商品名)日本板硝子(株)製)5kgを投入して、室温で約30分間攪拌し、60分間静置後、ミクロポアフィルターPFR・500W−1SO(オルガノ株式会社製)のフィルターを通過させ、上澄み液を排出させ、処理水と吸着剤を分離した。なお本実施例で使用した「アドセラ」は、水酸化セリウム(4価)を主成分として含む重金属固定用の吸着剤である。その結果処理水のセレン含有量は環境基準値以下、すなわち4価のセレンと6価のセレンの含量は共に0.01ppm以下であった。また処理水のpHは8.0であった。なおセレンの定量は、JIS K OlO2(工場排水試験法)67.3の水素化合物発生ICP発光分光分析法に従って実施した。
(処理方法2)
4価のセレンを5ppm、6価のセレンを5ppm含有し、pHが9.0であるセレン含有排水200リットルに対して、平均粒径1〜40μmの4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物(「アドセラスラリー」(商品名)日本板硝子(株)製)5Kgを投入した。室温で30分間攪拌させ、吸着剤と汚染水を効率よく接触させた。凝集剤として、PAC剤(ポリ塩化アルミニウム)を水量に対して1重量%添加して適度に撹拌した。その後1時間静置することで、吸着剤を自重で沈降させ、その後ミクロポアフィルターPFR−500W−1SO(オルガノ株式会社製)のフィルターを通過させ、上澄み液を排出させ、処理水と吸着剤を分離した。なお本実施例で使用した「アドセラスラリー」は、水酸化セリウム(4価)を主成分として含む重金属固定用の吸着剤である。その結果処理水のセレン含有量は環境基準値以下、すなわち4価のセレンと6価のセレンの含量は共に0.01ppm以下であり、pHは8.6であった。
4価のセレンを5ppm、6価のセレンを5ppm含有し、pHが9.0であるセレン含有排水200リットルに対して、平均粒径1〜40μmの4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物(「アドセラスラリー」(商品名)日本板硝子(株)製)5Kgを投入した。室温で30分間攪拌させ、吸着剤と汚染水を効率よく接触させた。凝集剤として、PAC剤(ポリ塩化アルミニウム)を水量に対して1重量%添加して適度に撹拌した。その後1時間静置することで、吸着剤を自重で沈降させ、その後ミクロポアフィルターPFR−500W−1SO(オルガノ株式会社製)のフィルターを通過させ、上澄み液を排出させ、処理水と吸着剤を分離した。なお本実施例で使用した「アドセラスラリー」は、水酸化セリウム(4価)を主成分として含む重金属固定用の吸着剤である。その結果処理水のセレン含有量は環境基準値以下、すなわち4価のセレンと6価のセレンの含量は共に0.01ppm以下であり、pHは8.6であった。
(処理方法3)
平均粒径1mmの4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物(「アドセラ」(商品名)日本板硝子(株)製)5kgをカラムに充填し、4価のセレンを10ppm、6価のセレンを10ppm含有し、pHが5.5であるセレン含有排水を流速100L/時間で通水した。なお本実施例で使用した「アドセラ」は、水酸化セリウム(4価)を主成分として含む重金属固定用の吸着剤である。その結果処理水のセレンの含有量は環境基準値以下、すなわち4価のセレンと6価のセレンの含量は共に0.01ppm以下であり、pHは5.4であった。
平均粒径1mmの4価の水酸化セリウムを含む希土類化合物(「アドセラ」(商品名)日本板硝子(株)製)5kgをカラムに充填し、4価のセレンを10ppm、6価のセレンを10ppm含有し、pHが5.5であるセレン含有排水を流速100L/時間で通水した。なお本実施例で使用した「アドセラ」は、水酸化セリウム(4価)を主成分として含む重金属固定用の吸着剤である。その結果処理水のセレンの含有量は環境基準値以下、すなわち4価のセレンと6価のセレンの含量は共に0.01ppm以下であり、pHは5.4であった。
平均粒径1mmの4価の水酸化セリウムを含む希土顆化合物(「アドセラ」(商品名)日本板硝子(株)製)600kgを図2に示す吸着剤充填タンクへ充填した。図示しないが、この吸着剤充填タンクにおいてはカラムが直列に3塔つながっている。4価のセレンを1ppm、6価のセレンを1ppm含有し、pHが5.5であるセレン含有排水を流速1200L/時間で通水した。なお本実施例で使用した「アドセラ」は、水酸化セリウム(4価)を主成分として含む重金属固定用の吸着剤である。その結果処理水のセレン含有量は環境基準値以下、すなわち4価のセレンと6価のセレンの含有量は共に0.01ppm以下であり、pHは5.4であった。また吸着剤は1塔目から吸着飽和に達し、最終的に3塔日が吸着飽和に達した。上記の条件では約500時間の処理が可能であった。
本発明により、希土類化合物を含む吸着剤とセレンを含有する排水を接触させることにより、排水中のセレンを処理することが可能となった。本発明の方法を、例えば工場における排水処理のための有毒物質の無害化処理設備に導入することが可能であり、よって有毒物質による環境汚染の防止に資することができる。
Claims (9)
- 希土類化合物を含む吸着剤と、セレンを含有する排水を接触させることを特徴とするセレン含有水の処理方法。
- 前記希土類化合物が4価の水酸化セリウム、4価の酸化セリウム、水酸化ランタン及び酸化ランタンからなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- セレンを含有する排水に、直接に前記吸着剤を投入して攪拌することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
- 前記希土類化合物の粒径が0.1〜1000μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つの請求項記載の方法。
- 前記希土類化合物を多孔質の無機材料又は有機材料に担持させて造粒したものを前記吸着剤として用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つの請求項記載の方法。
- 0.1〜10mmに造粒したものを前記吸着剤として用いることを特徴とする請求項5記載の方法。
- 多孔質の無機材料又は有機材料に担持させた前記希土類化合物をカラムに充填し、該カラムに排水を通水することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の方法。
- 前記吸着剤とセレンを含有する排水を接触させた後に、更に凝集剤を投入して凝集させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つの請求項記載の方法。
- 前記希土類化合物の粒径が0.1〜40μmであることを特徴とする請求項8記載の方法。
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