JPWO2005100253A1 - 有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、フッ素やホウ素等の有害物質を効果的に廃液から除去するための有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法に関する。
しかるに、従来例1の方法は、処理工程において加熱処理を行うため、加熱装置が必要があり、また、廃液を所定の温度まで上昇させるのに時間がかかる等の問題が生じる可能性があり、危険である。
また、従来例2〜4の方法は、廃液に含まれるフッ素の濃度がせいぜい数万ppmにすぎず、ガラス加工工場や液晶製造(加工)工場等から排出される数十万ppmのフッ素を含む廃液の処理についてフッ素除去効果が得られるかどうかは不明である。
さらに、いずれの従来例も、フッ素濃度は減少させることに成功しているものの、ホウ素濃度は減少させることができていない。新しい廃水処理基準では、ホウ素の基準値が大幅に下げられるため、廃液中に残留するホウ素の濃度をフッ素と同時かつ大幅に低下させることができる処理方法が望まれるが、従来例1〜4の方法では、新しい廃水処理基準値を達成することは不可能である。
本発明は上記事情に鑑み、フッ素およびホウ素、銅等の有害物質を安全かつ確実に廃液から除去することができる有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法を提供することを目的とする。
(発明の構成)
第1発明の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法は、有害物質を含有する強酸性液体の処理方法であって、強酸性液体にハイドロキシアパタイトを混合して、有害物質を固形成分として沈殿させる吸着沈殿工程と、固形成分が沈殿した酸性処理液に、アルカリ性物質を混合して中和する中和工程と、中和された中和処理液に凝集剤を混合して、沈殿した固形成分を凝集させる凝集工程とを、順に実行することを特徴とする。
第2発明の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法は、第1発明において、前記吸着沈殿工程を行う前に、強酸性液体にアルカリ性物質を混合して中和する前中和工程と、該前中和工程において中和された前中和処理液に、凝集剤を混合し、該前中和工程において沈殿した固形成分を凝集させる前凝集工程と、該前凝集工程によって凝集された固形成分を除去し、固形成分が除去された凝集処理液に、酸性物質を混合して強酸性液体にする酸化工程とを、順に実行することを特徴とする。
第3発明の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法は、第1または2発明において、前記吸着沈殿工程において、吸着凝集剤を混合することを特徴とする。
第4発明の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法は、第3発明において、前記吸着沈殿工程において、ハイドロキシアパタイトを加えてから、吸着凝集剤を混合することを特徴とする。
第5発明の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法は、第1、2、3または4発明において、前記吸着沈殿工程から前記凝集工程までを繰り返し実行する場合において、前記凝集工程後において、固形成分が除去された処理液を強酸性にすることを特徴とする。
第6発明の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法は、第5発明において、前記凝集工程において、中和処理液を弱酸性からアルカリ性の処理液にしてから、凝集された固形成分を除去することを特徴とする。
(発明の効果)
第1発明によれば、強酸性液体を中和する前に、強酸性のままの状態でハイドロキシアパタイトを加えるから、強酸性液体中に有害物質が不安定な状態で存在するときに、ハイドロキシアパタイトに吸着させることができる。すると、アルカリ性物質を加えてからハイドロキシアパタイトを加える場合に比べて、ハイドロキシアパタイトによる有害物質の吸着効率を高くすることができる。そして、中和過程において強酸性液体を中和すれば、液体が弱酸性となった段階で凝集剤を加えることができるので、凝集剤によってハイドロキシアパタイトとともに沈殿した有害物質を含む固形成分を確実に固定することができる。そして、中和された中和処理液は安全であるから、固形成分を濾過したり脱水したりすることよって中和処理液から除去することができる。よって、上記工程を行うことによって、強酸性液体中の有害物質を固定した状態で除去することができるから、処理後の液体中に含まれる有害物質の濃度を安全かつ確実に低下させることができる。しかも、どの工程においても液体を加熱する必要がなく、常温で処理できるから、安全に有害物質を処理することができる。
第2発明によれば、吸着沈殿工程を行う前に、液体に中和処理を行ってから強酸性に戻しており、処理する液体の酸性度を調整してから吸着沈殿工程を行うので、吸着沈殿工程を安全に行うことができる。そして、前中和工程等を行うことによって、前吸着沈殿工程を行う前にある程度有害物質を除去しているから、吸着沈殿工程におけるハイドロキシアパタイトによる有害物質の吸着効率をさらに高くすることができる。
第3発明によれば、アルミニウム塩やカルシウム塩などの吸着凝集剤によって有害物質を吸着して固形成分として沈殿させることができるから、酸性処理液中の有害物質の濃度を低下させることができ、有害物質の除去効率を高めることができる。
第4発明によれば、ハイドロキシアパタイトで除去できなかった有害物質があっても、アルミニウム塩やカルシウム塩などの吸着凝集剤によって固形成分として沈殿させることができるから、酸性処理液中の有害物質の濃度を低下させることができ、有害物質の除去効率を高めることができる。
第5発明によれば、吸着沈殿工程から凝集工程までの処理を複数回行うから、有害物質の除去効率を高めることができる。
第6発明によれば、処理液を弱酸性からアルカリ性にしてから強酸性とすることによって、処理液が強酸性となる過程においても有害物質を固形成分である中和塩や錯体、共沈混合物等として沈殿させることができるから、酸性処理液中の有害物質の濃度を低下させることができ、有害物質の除去効率を高めることができる。
図2は、前処理工程を備えた有害物質を含有する強酸性液体の処理方法のフローチャートである。
本実施形態の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法は、ガラス加工工場廃水、メッキ工場、半導体工場等の強酸性廃水に含まれる、フッ素やホウ素、銅、鉛、六価クロム、ヒ素等を効果的かつ安全に除去することができる処理方法であり、とくに、半導体工場から排出される銅エッチング廃液やガラス処理工場から排出されるフッ素とホウ素の両方を含有するガラスエッチング廃液の処理に非常に有効な方法である。
以下に、本実施形態の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法を説明する。
図1は本実施形態の有害物質を含有する強酸性液体の処理方法のフローチャートである。図1における強酸性液体1Aは、有害物質を含有する強酸性廃水である銅エッチング廃液やガラスエッチング廃液等のpH0.1以下である強酸性の液体である。
この強酸性液体1Aに対して、ハイドロキシアパタイト11を混合すると(吸着沈殿工程S1)、ハイドロキシアパタイト11は、強酸性液体1A中に粉末や粒状の状態で懸濁した後、銅イオンやフッ素、ホウ素等を吸着して沈殿する。つまり、ハイドロキシアパタイト11が有害物質を吸着して固定するから、有害物質を固形成分として沈殿させることができるのである。
ついで、有害物質が固形成分として沈殿した状態(以下、酸性処理液3Aという)にアルカリ性物質12を混合すると、酸性処理液3Aを中和することができ、pH7〜9程度の液体(以下、中和処理液4Aという)となる(中和工程S2)。
なお、酸性処理液3Aに加えるアルカリ性物質12とは、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム、アンモニア溶液、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等であるが特に限定はない。
そして、中和処理液4Aに凝集剤13を混合すれば、沈殿していた固形成分を凝集させることができるから(凝集工程S3)、中和処理液4Aを濾過すれば(濾過工程S4)、有害物質を安定な状態で除去することができ、有害物質の濃度が低い処理液2Aとすることができる。
なお、中和処理液4Aに混合する凝集剤13は、例えば、酸化アルミニウムや酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ゼオライト、シリカゲル等の無機または有機凝集剤等であるが特に限定はない。
さらになお、中和処理液4Aから、凝集した固形成分を除去する方法は、濾過に限られず、凝集した固形成分を脱水して除去してもよく、とくに限定はない。ただし、脱水する場合には、中和処理液4Aを脱水装置や脱水機によって回収することが必要である。
本実施形態の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法は、上記のごとき手順で強酸性液体1Aを処理するから、以下のごとき利点が得られる。
(1)強酸性液体1Aを中和する前に、強酸性のままの状態でハイドロキシアパタイト11を強酸性液体1Aに加えているから、強酸性液体1A中に有害物質が不安定な状態で存在するときに、ハイドロキシアパタイト11に吸着させることができる。すると、アルカリ性物質を加えて強酸性液体1Aを中和してから、ハイドロキシアパタイト11を加える場合に比べて、ハイドロキシアパタイト11による有害物質の吸着効率を高くすることができる。
(2)ハイドロキシアパタイト11による有害物質の吸着させた後で、酸性処理液3Aを中和して中和処理液4Aとしている。すると、酸性処理液3Aが中和される過程において、酸性処理液3Aが弱酸性となった段階で凝集剤13を加えることができる。すると、強酸性の状態では、十分な吸着効果・凝集効果を発揮できなかった凝集剤13であっても、常に、安定かつ確実に吸着効果・凝集効果を発揮させることができるから、凝集剤13によってハイドロキシアパタイト11とともに沈殿した有害物質を含む固形成分を確実に固定することができる。
(3)中和処理液4Aとしてから固形成分を除去しているから、強酸性の状態では、十分な吸着効果・凝集効果を発揮できなかった凝集剤13であっても、常に、安定かつ確実に吸着効果・凝集効果を発揮させることができる。そして、中和処理液4Aは安全であり、固形成分を濾過や脱水などの簡単な方法によって中和処理液4Aから安全かつ確実に除去することができる。
よって、本実施形態の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法によれば、強酸性液体1A中の有害物質を効果的に固定することができ、安全な形で除去することができ、しかも、処理後の処理液2A中に含まれる有害物質の濃度を低下させることができる。
そして、どの工程においても各段階の液体を加熱する必要がなく、常温で処理できるから、安全に有害物質を処理することができる。
また、処理液2Aに酸性物質14を加えた再処理液5Aを再び強酸性液体1Aに戻せば(酸化工程S5)、吸着沈殿工程S1、中和工程S2、凝集工程S3、濾過工程S4を複数回行うことができるから、有害物質の除去効率を高めることができ、濾過工程S4終了後の処理液2A中の有害物質の濃度を大幅に低下させることができる。例えば、銅エッチング廃液であれば、銅の濃度を1ppm以下、六価クロムの濃度を0.05ppm以下にまで低下させることができ、ガラスエッチング廃液であれば、フッ素の濃度を1ppm以下、ホウ素の濃度を20ppm以下にまで低下させることができる。
とくに、凝集工程S3において上述したようなアルカリ性物質12を加えて中和処理液3Aをアルカリ性にすると、処理液2Aはアルカリ性となるが、このアルカリ性の処理液2Aに酸性物質14を混合した場合、処理液2Aが酸性となる過程において、有害物質を中和塩として沈殿させることができるから、処理液2A中の有害物質の濃度を低下させることができ、有害物質の除去効率を高めることができる。
なお、処理液2Aに混合する酸性物質14は、例えば、硫酸や塩酸、硝酸等であるが特に限定はない。
さらに、吸着沈殿工程において、ハイドロキシアパタイト11とともにアルミニウム塩やカルシウム塩などの吸着凝集剤を混合すれば、アルミニウム塩等の吸着凝集剤によっても有害物質を吸着して固形成分として沈殿させることができるから、酸性処理液3A中の有害物質の濃度を低下させることができ、有害物質の除去効率を高めることができる。
とくに、ハイドロキシアパタイト11を加えた後、上述したようなアルカリ性物質12を加えて酸性度を、pH1〜3程度に低下してからアルミニウム塩を加えれば、ハイドロキシアパタイト11だけでは除去できなかった有害物質があっても、アルミニウム塩によって固形成分として沈殿させることができるから、酸性処理液3A中の有害物質の濃度をより一層低下させることができ、有害物質の除去効率を高めることができる。
なお、アルミニウム塩とは、例えば、ポリ塩化アルミニウムや酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等、カルシウム塩とは、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等であるが特に限定はない。また、その他の吸着凝集剤としては、ゼオライトや有機凝集剤等があるが、特に限定はない。
また、強酸性液体1Aが、高濃度(数十万ppm以上)のフッ素、ホウ素を含有する液体の場合には、前記吸着沈殿工程S3を行う前に、以下のごとき前処理工程を行うと、より効果的かつ安全にフッ素、ホウ素の濃度を低下させることができる。
図2は前処理工程を備えた有害物質を含有する強酸性液体の処理方法のフローチャートである。図2に示すように、強酸性液体1Aにアルカリ性物質12を混合して、強酸性液体1Aを中和する(前中和工程PS1)。すると、強酸性液体1Aが中和されて前中和処理液4Bとなる過程において、有害物質を固形成分である中和塩として沈殿させることができる。
この前中和処理液3Bに凝集剤13を混合すれば、沈殿していた固形成分を凝集させることができるから(前凝集工程PS2)、前中和処理液4Bを濾過すれば(前濾過工程PS3)、有害物質を安定な状態で除去することができ、有害物質の濃度が低い凝集処理液5Bとすることができる。
なお、前中和処理液4Bから、凝集した固形成分を除去する方法は、濾過に限られず、凝集した固形成分を脱水して除去してもよく、とくに限定はない。ただし、脱水する場合には、前中和処理液4Bを脱水装置や脱水機によって回収することが必要である。
また、凝集処理液5Bに酸性物質14を加えれば(酸化工程PS4)、凝集処理液5Bを強酸性の強酸性液体1Bとすることができるから、その後、強酸性液体1Bに対して、上述した吸着沈殿工程S1、中和工程S2、凝集工程S3、濾過工程S4を行えば、強酸性液体1Aが、高濃度(数十万ppm以上)のフッ素、ホウ素を含有する液体であっても、最終的に処理された処理液2A中のフッ素およびホウ素の濃度をさらに減少させることができる。
そして、処理液2Aに再び酸性物質14を加えて(酸化工程PS4)吸着沈殿工程S1、中和工程S2、凝集工程S3、濾過工程S4を繰り返せば、最終的に処理された処理液2A中のフッ素およびホウ素の濃度を、新しい廃水処理基準値(フッ素の濃度を8ppm以下、ホウ素の濃度を10ppm以下)を満たすように処理することができる。
また、吸着沈殿工程S1を行う前に、強酸性液体1Aに前中和処理PS2を行ってから強酸性に戻しており、処理する強酸性液体1Bの酸性度をpH0.1〜1程度に調整することができるから、吸着沈殿工程S1を安全に行うことができる。そして、前中和工程PS1、前凝集工程PS2、前濾過工程PS3を行うことによって、吸着沈殿工程S1を行う前にある程度有害物質を除去しているから、吸着沈殿工程S1におけるハイドロキシアパタイト11等による有害物質の吸着効率をさらに高くすることができる。
銅を含む廃液は、1L中に、銅が5000ppm、六価クロムが98ppm含まれるものを使用した。
液体中の銅の濃度はJIS K0102−52.2(フレーム原子吸光光度法)、六価クロムの濃度はJIS K0102−65.2(ジフェニルカルバジド吸光光度法)によって測定した。
まず、従来法として、廃水1Lに水酸化ナトリウムを加えた中和(pH7〜8)してからハイドロキシアパタイト50g(5%)加え、その後、沈殿物を凝集剤(商品名:スミフロック(住友化学製))によって凝集させて、凝集物を濾過して取り除いた。
すると、凝集物を取り除いた後の処理液中の銅および六価クロムの濃度は、銅:1800ppm、六価クロム:85ppmであった。
一方、本発明の処理方法として、廃水1Lにハイドロキシアパタイト50g(5%)加えた後、水酸化ナトリウムを加えて中和(pH7〜8)とし、その後、沈殿物を凝集剤(商品名:スミフロック(住友化学製))によって凝集させて、凝集物を濾過して取り除いた場合、凝集物を取り除いた後の処理液中の銅および六価クロムの濃度は、銅:10〜23ppm、六価クロム:1.8〜3.4ppmである。
そして、処理液に濃硫酸を加えてpH1以下にしたのち、上記処理を再度行った場合、処理液中の銅および六価クロムの濃度は、銅:0.6ppm、六価クロム:0.01ppmであり、さらに処理液中の銅および六価クロムの濃度を低下させることができ、従来法に比べて銅等を除去する効果が非常に高いことが確認できる。そして、廃水処理基準値(銅3ppm、六価クロム0.5ppm)を十分に満たすように処理できていることが確認できる。
液体中のホウ素の濃度はJIS K0102−47.1(メチレンブルー吸光光度法)、フッ素の濃度はJIS K0102−34.1(ランタンアリサリンコンプレキソン法)によって測定した。
まず、前処理工程として、水1Lを加え2Lとする。水酸化カルシウム約500g(5%)を少しずつ加え、pH8〜10にする。この状態で1時間程以上放置し反応を確実に進行させ、その後凝集剤(商品名:スミフロック(住友化学製))と水を合わせて約2L程度加えて、凝集物を濾過して取り除く。すると、凝集物を取り除いた液体(上記実施形態では、強酸性液体1Bが該当する)は、フッ素の濃度が9,700〜29,000ppm、ホウ素の濃度が620〜800ppmとなる。
凝集物を取り除いた液体1Lに濃硫酸を加え、pH0.2〜0.3にして約30分間放置すると白色の沈殿物が析出する。その後、ハイドロキシアパタイト5%を加えた後、水酸化カルシウムを加えて約pH2〜3にして、ポリ塩化アルミニウム5%加える。
ついで、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム等を加えて、pH8〜9ににして30分以上放置した後、凝集剤(商品名:スミフロック(住友化学製))と水を合わせて約2L程度加えて、凝集物を濾過して取り除く。すると、凝集物を取り除いた液体(上記実施形態では、処理液2Aが該当する)は、フッ素の濃度が1.6ppm、ホウ素の濃度が28ppmとなる。
つまり、フッ素を160000〜170000ppm、ホウ素を5000〜7000ppm含む廃液であっても、本発明の方法で処理すれば、凝集物を取り除いた液体中のフッ素濃度は、新しい廃水処理基準値(8ppm以下)を満たすように処理することができる。
そして、凝集物を取り除いた液体1Lに濃硫酸を加え、pH0.2〜0.3にして約30分間放置すると白色の沈殿物が析出するから、再度ハイドロキシアパタイト5%を加えて上記作業を行えば、フッ素の濃度が0.7ppm、ホウ素の濃度が16ppmとなり、フッ素濃度およびホウ素の濃度もさらに減少させることができるから、上記作業を繰り返し行えば、フッ素濃度だけでなくホウ素濃度も新しい廃水処理基準値を満たすように処理することができると考えられる。
なお、凝集物を取り除いた液体(上記実施形態では、処理液2Aが該当する)1Lに酸化アルミニウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム等を加えてpH11〜12としてから、ポリ塩化アルミニウム5%加えpH3〜4にし、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム(消石灰)、酸化マグネシウム等を加えて、pH8〜9として30分以上放置したのち、その後有機凝集剤(スミフロック等)と水を合わせて約2L程度加えて、凝集物を濾過して取り除いても、フッ素の濃度を0.8ppm、ホウ素の濃度を18ppmとすることができ、フッ素濃度およびホウ素の濃度を減少させることができる。よって、この作業を繰り返しても、フッ素濃度だけでなくホウ素濃度も新しい廃水処理基準値を満たすように処理することができると考えられる。
Claims (6)
- 有害物質を含有する強酸性液体の処理方法であって、強酸性液体にハイドロキシアパタイトを混合して、有害物質を固形成分として沈殿させる吸着沈殿工程と、固形成分が沈殿した酸性処理液に、アルカリ性物質を混合して中和する中和工程と、中和された中和処理液に凝集剤を混合して、沈殿した固形成分を凝集させる凝集工程とを、順に実行することを特徴とする有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法。
- 前記吸着沈殿工程を行う前に、強酸性液体にアルカリ性物質を混合して中和する前中和工程と、該前中和工程において中和された前中和処理液に、凝集剤を混合し、該前中和工程において沈殿した固形成分を凝集させる前凝集工程と、該前凝集工程によって凝集された固形成分を除去し、固形成分が除去された凝集処理液に、酸性物質を混合して強酸性液体にする酸化工程とを、順に実行することを特徴とする請求項1記載の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法。
- 前記吸着沈殿工程において、吸着凝集剤を混合することを特徴とする請求項1または2記載の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法。
- 前記吸着沈殿工程において、ハイドロキシアパタイトを加えてから、吸着凝集剤を混合することを特徴とする請求項3記載の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法。
- 前記吸着沈殿工程から前記凝集工程までを繰り返し実行する場合において、前記凝集工程後において、固形成分が除去された処理液を強酸性にすることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法。
- 前記凝集工程において、中和処理液を弱酸性からアルカリ性の処理液にしてから、凝集された固形成分を除去することを特徴とする請求項5記載の有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法。
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