JP5670543B1 - アルカリ性廃液用凝集中和剤 - Google Patents

アルカリ性廃液用凝集中和剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5670543B1
JP5670543B1 JP2013244777A JP2013244777A JP5670543B1 JP 5670543 B1 JP5670543 B1 JP 5670543B1 JP 2013244777 A JP2013244777 A JP 2013244777A JP 2013244777 A JP2013244777 A JP 2013244777A JP 5670543 B1 JP5670543 B1 JP 5670543B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium
waste liquid
calcium phosphate
phosphate
coagulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013244777A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015100771A (ja
Inventor
裕康 溝口
裕康 溝口
清水 崇
崇 清水
哲郎 三村
哲郎 三村
功 下野
功 下野
巧 高村
巧 高村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PUBLIC INTEREST INCORPORATED FOUNDATION HAKODATE REGIONAL INDUSTRY PROMOTION ORGANIZATION
Original Assignee
PUBLIC INTEREST INCORPORATED FOUNDATION HAKODATE REGIONAL INDUSTRY PROMOTION ORGANIZATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PUBLIC INTEREST INCORPORATED FOUNDATION HAKODATE REGIONAL INDUSTRY PROMOTION ORGANIZATION filed Critical PUBLIC INTEREST INCORPORATED FOUNDATION HAKODATE REGIONAL INDUSTRY PROMOTION ORGANIZATION
Priority to JP2013244777A priority Critical patent/JP5670543B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5670543B1 publication Critical patent/JP5670543B1/ja
Publication of JP2015100771A publication Critical patent/JP2015100771A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

【課題】 カルシウム塩として第一リン酸カルシウムを用いて中和性能を向上させるとともに、第一リン酸カルシウムを用いても可能な限りリンの残留を抑制し、コンクリート工事現場で発生するアルカリ性廃液用凝集中和剤として求められる性能の向上を図る。【解決手段】 第一リン酸カルシウム,硫酸アルミニウム,炭酸カルシウム,硝酸カルシウム,ゼオライト及び有機系凝集剤を含有する。第一リン酸カルシウムと硫酸アルミニウムとの成分重量比を、1:(2.1〜15)、第一リン酸カルシウムと炭酸カルシウムとの成分重量比を、1:(3.7〜14)、第一リン酸カルシウムと硝酸カルシウムとの成分重量比を、1:(0.14〜2.5)、第一リン酸カルシウムとゼオライトとの成分重量比を、1:(4.3〜25)、第一リン酸カルシウムと有機系凝集剤との成分重量比を、1:(0.07〜2.5)に設定した。【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリ−ト工事現場等で発生するアルカリ性廃液に用いられるアルカリ性廃液用凝集中和剤に係り、特に、カルシウム塩、硫酸アルミニウムとゼオライトを含むアルカリ性廃液用凝集中和剤に関する。
一般に、コンクリート製構造物は、種々の要因により経年劣化が進行することが知られており、その改修を目的とし、例えば、高圧水を用いたコンクリート建造物の切断、剥離工事(ワイヤーソー工法、ウォータージェット工法等)が行われる。その際に、大量のアルカリ性廃水(pH=9〜13)が発生し、このアルカリ性廃液は、環境汚染防止の観点から、中和・凝集した後、クリーンな上澄液にして廃棄することが義務づけられており、その簡便な処理技術が求められている。
従来から、廃液を処理する凝集中和剤は、種々知られているが、例えば、特開2004−74001号公報(特許文献1)に掲載されたカルシウム塩を用いた凝集中和剤が知られている。これは、アルカリ廃液のためのものではなく、有機性汚濁水用のものであるが、カルシウム塩と硫酸アルミニウムとを含む凝集中和剤であり、カルシウム塩40〜60重量%、硫酸アルミニウム30〜50重量%、アルカリ金属炭酸塩15〜25重量%、有機系凝集剤1〜5重量%が配合されたものである。カルシウム塩としては、例えば、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウムなどが挙げられている。
これにより、カルシウム塩が、前処理によって分散状態が破壊された有機性汚濁水に懸濁し、その一部がゆっくり溶解し、分散破壊された有機性汚濁物質とカルシウム塩を形成して、硫酸アルミニウムから解離した酸成分を中和すると共に、そのとき生成する塩が核となって凝集反応を促進する凝集助剤として機能する。
特開2004−74001号公報
ところで、上記従来の凝集中和剤を、コンクリ−ト工事現場等で発生するアルカリ性廃液に用いても、廃液は強アルカリ性なので、必ずしも良好な中和性能を発揮するとは限らない。また、凝集作用においてもフロックが小さく形成されて凝集に時間がかかり、上澄液との分離が難しくなる事が懸念される。
本願発明者らは、長年の研究によりリン酸で処理したホタテ貝殻に含まれるカルシウムのリン酸塩が、コンクリ−ト廃液の凝集中和に際して他の市販凝集剤に匹敵する凝集効果を示すことをつきとめ、カルシウムのリン酸塩を用いた凝集中和剤の開発を試みた。上記特許文献においても、カルシウム塩としてリン酸カルシウムを用いることができるという記載がある。ところが、リン酸カルシウムを用いると、廃液を処理した後の上澄みにリンが残留することから、この量を減らすことが必要になる。例えば、コンクリート廃液処理においては、凝集後の上澄液中に含まれるリンの量は環境基準値(8mg/l(8ppm))以下にする必要がある。
本発明は上記の点に鑑みて為されたもので、カルシウムのリン酸塩として第一リン酸カルシウムを用いて中和性能を向上させるとともに、第一リン酸カルシウムを用いても可能な限りリンの残留を抑制し、凝集機能の向上を図ったアルカリ性廃液用凝集中和剤を提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意研究により、第一リン酸カルシウム(Ca(H2PO42)が、凝集と中和に寄与することを突き止め、さらに、第一リン酸カルシウムを用いても可能な限りリンの残留を抑制するため、第一リン酸カルシウムと共に加える適正な他の成分を見出し、この第一リン酸カルシウムを基準として、適正な他の成分の範囲を規定するに至った。
即ち、上記目的を達成するため、本願発明は、カルシウム塩と硫酸アルミニウム(「硫酸バンド」ともいう)とを含むアルカリ性廃液用凝集中和剤において、カルシウム塩として第一リン酸カルシウムを用い、第一リン酸カルシウムと硫酸アルミニウムとの成分重量比を、1:(2.1〜15)にした構成としている。この範囲で、フロックが比較的大きく形成されて速やかに凝集し、上澄み液のリンの残留も低く抑えることができる。硫酸アルミニウムの比が2.1より小さいとpHが高くなり中和が不十分になる。硫酸アルミニウムの比が15より大きいとフロックが小さくなる傾向にあり、上澄み液との分離が困難になる。より望ましくは、第一リン酸カルシウムと硫酸アルミニウムとの成分重量比を、1:(4〜6)にしたことが有効である。
リン酸カルシウムにおいては、第一リン酸カルシウム(Ca(H2PO42)、第二リン酸カルシウム(CaHPO4)等あるが、中和能力の高いものは、水に溶けやすい第一リン酸カルシウムで、第二リン酸カルシウムは水に不溶のために中和能力は殆んどない。本発明では、第一リン酸カルシウムのみを使用している。凝集助剤で、水に溶ける硫酸アルミニウムにも中和作用がある。
これにより、この凝集中和剤を、アルカリ性廃液、例えば、コンクリート廃液に入れると、このコンクリート廃液は、主として劣化したコンクリートから削り取られた強アルカリ性を示す水酸化カルシウム等の微粒子と炭酸カルシウムの微粒子が混じった懸濁水であり、凝集過程では、図2に示すように、電気的凝集力及び化学的親和力により凝集剤に微粒子が付着することで小フロックを形成し、更にフロックが結びつくことで大フロックを形成していく。また、この凝集反応と並行して、廃液との間で中和反応が進行する。
この場合、凝集後の上澄液中に含まれるリンの量は、溶解度の大きい第一リン酸カルシウム(Ca(H2PO42)の量とアルカリ性廃液中のpH値に依存している。凝集剤中に第一リン酸カルシウムの量が多い場合は、溶解する第一リン酸カルシウムも多くなり、Ca(H2PO42 → Ca2++2(2H++PO4 3-2-の反応が起こり、PO4 3-が多くなって、Pの量が多くなる。pH値の高いアルカリ性廃液では、不溶性のリン酸塩を生成するため、PO4 3-が少なくなって、Pの量が減少する。pH値の低い場合は、第一リン酸カルシウムの溶解量が多くなり、Pの量が増加する。一方、中和性能を高めるためには、凝集中和剤中に含まれる第一リン酸カルシウムの比率を高める必要があるが、第一リン酸カルシウムの比率を高めると、溶ける量も多くなり、結果として上澄液に溶け出るPO4 3-が多くなる。本発明においては、硫酸アルミニウムを適正量含有しているので、これがPO4 3-と反応しアルミニウム塩を生成することから、PO4 3-を少なくする。そのため、添加後の上澄液中に含まれるPの量を基準の8ppm以下にすることができる。即ち、本発明では、第一リン酸カルシウムを用いて中和性能を向上させることができるとともに、第一リン酸カルシウムを用いても可能な限りリンの残留を抑制することができ、凝集機能を向上させることができる。
そして、必要に応じ、カルシウム塩として炭酸カルシウムを含有し、第一リン酸カルシウムと炭酸カルシウムとの成分重量比を、1:(3.7〜14)にした構成としている。
この炭酸カルシウムにも凝集作用があることから、より一層、確実に凝集を行わせることができる。成分重量比が3.7より低い場合は、上澄液の分離が悪く、成分重量比が14より高い場合は、上澄液のpHが高かった。
また、必要に応じ、カルシウム塩として硝酸カルシウムを含有し、第一リン酸カルシウムと硝酸カルシウムとの成分重量比を、1:(0.14〜2.5)にした構成としている。
この硝酸カルシウムにも強い凝集作用があることから、より一層、確実に凝集を行わせることができる。成分重量比が0.14より低い場合は、フロックの沈降が悪く上澄液との分離ができず、2.5を超える成分重量比では、上澄液が濁り、液中のN(窒素)含有量が高くなる。
更に、必要に応じ、ゼオライトを含有し、第一リン酸カルシウムとゼオライトとの成分重量比を、1:(4.3〜25)にした構成としている。
このゼオライトには、凝集作用のほか吸着作用があることから、より一層、確実に凝集を行わせ、上澄液を透明にすることができる。成分重量比が4.3より小さい場合は、凝集のフロックが小さく沈降が遅く上澄みの分離が困難であった。成分重量比が25より大きい場合は、上澄液のpHが高くなる。
更にまた、必要に応じ、有機系凝集剤を含有し、第一リン酸カルシウムと有機系凝集剤との成分重量比を、1:(0.07〜2.5)にした構成としている。
この有機系凝集剤を含有することにより、フロックの成長を早めると同時に、フロックをより大きくし、凝集を確実に行わせて、上澄液をクリアにすることができる。成分重量比が、0.07より小さい場合は、フロックの形成が小さく上澄み液との分離が困難となる。成分重量比が2.5より大きい場合、凝集後の上澄液が濁り、沈殿したフロックに粘りが発生する。
より具体的な適正重量%としては、第一リン酸カルシウムを2〜7重量%、硫酸アルミニウムを15〜29.9重量%、炭酸カルシウムを26〜27.9重量%、硝酸カルシウムを1〜5重量%、ゼオライトを30〜50重量%、有機系凝集剤としてのポリアクリルアミドを0.5〜5重量%含有する構成としている。
各成分の適正重量%以外の範囲では、フロックが小さかったり、上澄液が濁ったりし、上澄液との分離が困難となり凝集状態が良くない。
本発明のアルカリ性廃液用凝集中和剤の製造方法は、例えば、硝酸カルシウム、炭酸カルシウムの混合物に対し、有機系凝集剤を添加して、第一リン酸カルシウムを混合する工程と、更に硫酸アルミニウム及びゼオライトを均一に混合して製品とする工程とを備える。
この場合、炭酸カルシウムとしては、例えばホタテ貝殻や石灰石が用いられる。ホタテ貝殻は炭酸カルシウム(CaCO3)の含有率が高く、即ち、ホタテ貝殻中には、一般に、灰分が98.6%含まれ、灰分中にCaCO3が98.1%含まれており、従って、貝殻中に96.7%のCaCO3が含まれることになる。第一リン酸カルシウムの溶解度は、1.8g/100gH2Oで、他のリン酸カルシウムに比較して水に溶けやすく、水に溶けた場合、遊離リン酸を生ずるため、強い酸性を示す。
本発明によれば、アルカリ性廃液用凝集中和剤を、アルカリ性廃液、例えば、コンクリート廃液に入れると、電気的凝集力及び化学的親和力により凝集剤に浮遊物が付着してフロックを形成し凝集させることができるとともに、この凝集反応と並行して、廃液との間で中和反応を生じさせることができる。この場合、硫酸アルミニウムを適正量含有しているので、これがリン酸イオンと反応することから、上澄液のリンの残留を少なくすることができる。即ち、本発明では、第一リン酸カルシウムを用いて中和性能を向上させることができるとともに、第一リン酸カルシウムを用いても可能な限りリンの残留を抑制することができ、凝集機能を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の成分量及び成分重量比を示す表図である。 本発明の実施の形態に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の凝集作用を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の製造の実施例を示す工程図である。 公害防止条例に基づく河川・湖沼のpH及びリン濃度の判定基準を示す表図である。 本発明の試験例に係り試料1−1及至1−5に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の配合比及びその評価試験結果を示す表図である。 本発明の試験例に係り試料2−1及至2−5に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の配合比及びその評価試験結果を示す表図である。 本発明の試験例に係り試料3−1及至3−5に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の配合比及びその評価試験結果を示す表図である。 本発明の試験例に係り試料4−1及至4−5に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の配合比及びその評価試験結果を示す表図である。 本発明の試験例に係り試料5−1及至5−5に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の配合比及びその評価試験結果を示す表図である。 本発明の試験例に係り試料6−1及至6−5に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の配合比及びその評価試験結果を示す表図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤について詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤は、図1に示すように、カルシウム塩と硫酸アルミニウムとを含むアルカリ性廃液用凝集中和剤であり、カルシウム塩として第一リン酸カルシウムを用い、第一リン酸カルシウムと硫酸アルミニウムとの成分重量比を、1:(2.1〜15)にした構成としている。望ましくは、第一リン酸カルシウムと硫酸アルミニウムとの成分重量比を、1:(4〜6)にしている。
また、このアルカリ性廃液用凝集中和剤は、カルシウム塩として炭酸カルシウムと硝酸カルシウム,ゼオライト,有機系凝集剤を含有する。実施の形態では、有機系凝集剤として、例えば、ポリアクリルアミドが用いられる。第一リン酸カルシウムと炭酸カルシウムとの成分重量比は、1:(3.7〜14)に設定され、第一リン酸カルシウムと硝酸カルシウムとの成分重量比は、1:(0.14〜2.5)に設定され、第一リン酸カルシウムとゼオライトとの成分重量比は、1:(4.3〜25)に設定され、第一リン酸カルシウムと有機系凝集剤との成分重量比は、1:(0.07〜2.5)に設定される。
より具体的な適正重量%としては、図1に示すように、第一リン酸カルシウムを2〜7重量%、硫酸アルミニウムを15〜29.9重量%、炭酸カルシウムを26〜27.9重量%、硝酸カルシウムを1〜5重量%、ゼオライトを30〜50重量%、有機系凝集剤としてのポリアクリルアミドを0.5〜5重量%含有する。
この実施の形態に係る凝集中和剤を使用するときは、例えば、アルカリ性廃液としてコンクリート廃液に入れる。このコンクリート廃液は、主として劣化したコンクリートから削り取られた強アルカリ性を示す水酸化カルシウム等の微粒子と炭酸カルシウムの微粒子が混じった懸濁水であり、凝集過程では、図2に示すように、電気的凝集力及び化学的親和力により凝集剤に微粒子が付着することで小フロックを形成し、更にフロックが結びつくことで大フロックを形成していく。また、この凝集反応と並行して、廃液との間で中和反応が進行する。
この場合、凝集後の上澄液中に含まれるリンの量は、溶解度の大きい第一リン酸カルシウム(Ca(H2PO42)の量とアルカリ性廃液中のpH値に依存している。凝集剤中に第一リン酸カルシウムの量が多い場合は、溶解する第一リン酸カルシウムも多くなり、Ca(H2PO42 → Ca2++2(2H++PO4 3-2-の反応が起こり、PO4 3-が多くなって、Pの量が多くなる。上澄液のpH値の高いアルカリ性廃液では、不溶性のリン酸塩を生成するため、PO4 3-が少なくなって、Pの量が減少する。pH値の低い場合には、第一リン酸カルシウムの溶解量が多くなり、Pの量が増加する。一方、中和性能を高めるためには、凝集中和剤中に含まれる第一リン酸カルシウムの比率を高める必要があるが、第一リン酸カルシウムの比率を高めると、溶ける量も多くなり、結果として上澄液に溶け出るPO4 3-が多くなる。本発明においては、硫酸アルミニウムを適正量含有しているので、これがPO4 3-と反応し、アルミニウム塩を生成することから、PO4 3-を少なくする。そのため、添加後の上澄液中に含まれるPの量を基準の8ppm以下にすることができる。即ち、本発明では、第一リン酸カルシウムを用いて中和性能を向上させることができるとともに、第一リン酸カルシウムを用いても可能な限りリンの残留を抑制することができ、凝集機能を向上させることができる。
この場合、水に不溶性の炭酸カルシウムやゼオライト、可溶性の硝酸カルシウムを含有しているので、これらの成分にも凝集作用や吸着作用があることから、より一層、確実に凝集、沈殿を行わせ、上澄液を透明にすることができる。
また、有機系凝集剤のポリアクリルアミドを含有しているので、フロックの成長を早めると同時に、フロックをより大きくし、凝集を確実に行わせて、上澄液をクリアにすることができる。
次に、本発明の実施の形態例に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の製造方法の一例について説明する。図3に示すように、実施の形態に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の製造方法は、混合工程(1)〜混合工程(3)を備えている。混合工程(1)は、硝酸カルシウムと炭酸カルシウム(貝殻)の粉末を混合して硝酸カルシウム・貝殻混合物を生成する。混合工程(2)は、市販の第一リン酸カルシウムを混合するとともに、有機系凝集剤であるポリアクリルアミドを添加して均一に混合する。混合工程(3)は、この混合物に硫酸アルミニウム及びゼオライトを均一に混合して製品とする。
上記実施の形態に係るアルカリ性廃液用凝集中和剤の製造方法により、種々の成分重量比の試料を作成し、これらの試料について凝集中和試験を実施し、図4に示す公害防止条例に基づく河川・湖沼のpH及びリン濃度の判定基準を満たすものを、実施例として選択した。そして、これらの実施例に基づいて、本発明の各原料の成分重量比を決定した。
詳しくは、図5乃至図10に示すように、第一リン酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硝酸カルシウム、ゼオライト、有機系凝集剤としてポリアクリルアミド、また、炭酸カルシウムとして貝殻粉末を用い、これらを図の配合比(カッコ内に示す第一リン酸カルシウムに対する重量比)の通り凝集中和剤の試料を作成し、これらの凝集中和性能およびリン濃度に係る評価試験を行った。
評価試験は、アルカリ性廃液として、高圧水を用いたコンクリート建造物の補修工事で排出された廃液(pH11.05)を用い、このアルカリ性廃液150mlに対して、図5乃至図10に示す配合比の凝集中和剤を0.5g添加し、(i)上澄液とフロックの分離状態、(ii)上澄液のpH値(5.8〜8.6)、(iii)上澄液のリン濃度(8mg/L)の3項目について評価した。ここで、いずれの評価項目もクリアーした場合は,適として○印を表示した。一方、上澄液とフロックの分離状態が悪い場合(凝集状態が×)は、凝集性能が不十分と判断し、上澄液のpH値及び上澄液のリン濃度は実施しなかった。以下、各配合比の凝集中和剤の評価結果について詳しく説明する。
図5の試料1-1で、第一リン酸カルシウムを配合しない場合には、中和は進まず、凝集も認められなかった。一方、試料1−5の第一リン酸カルシウムが15重量%では、上澄液のP濃度が基準値以上の9ppmで、判定が×となった。第一リン酸カルシウムが2.0〜7.0重量%の範囲の試料1-2〜1-4(実施例1〜3)では、凝集状態、pH、P濃度いずれも基準をクリアーし、判定を○とした。
図6の試料2-1で、硫酸アルミニウムが、10.0重量%の場合は、pHが9.6と高く、判定を×とした。試料2-5で、硫酸アルミニウム35重量%では、フロックの成長が遅く、凝集しなかったため判定は×とした。硫酸アルミニウムの15.0〜29.9重量%の範囲の試料2-2〜2-4(実施例4〜6)では、いずれの基準もクリアーし判定を○とした。
図7の試料3-1で、炭酸カルシウムが10.0重量%の場合は、上澄液が分離しないので、判定を×とした。試料3-5で炭酸カルシウム35.0重量%では、上澄のpHが高く(9.5)、判定で×となった。炭酸カルシウムの26.0〜27.9重量%の試料3-2〜3-4(実施例7〜9)では、いずれの基準もクリアーし、判定を○とした。
図8の試料4-1で、硝酸カルシウムを配合しない場合には、凝集しなかった為判定は×とした。試料4-5で、硝酸カルシウム15重量%では、上澄み液が濁り、判定は×とした。硝酸カルシウムの1.0〜5.0重量%の範囲の試料4-2〜4-4(実施例10〜12)では、いずれの基準もクリアーし、判定は○とした。
図9の試料5-1で、ゼオライト26.2重量%の場合、フロックが細かく上澄み液との分離が困難のため判定は×とした。試料5-5でゼオライト51.2重量%の場合、pHが9.2と基準値をオーバーしていた為、判定は×となった。ゼオライトの30〜50重量%の範囲の試料5-2〜5−4(実施例13〜15)では、いずれの基準もクリアーし、判定は○とした。
図10の試料6-1で、ポリアクリルアミドを配合しない場合、フロックが小さく凝集しなかった為、判定は×とした。試料6-5でポリアクリルアミド7.0重量%の場合、上澄液が濁り、フロックに粘りが出たため、判定は×とした。ポリアクリルアミド0.5〜5重量%の試料6-2〜6-4(実施例16〜18)については、いずれも基準値をクリアーしており、判定は○とした。
尚、本発明の凝集中和剤は、上述したコンクリート廃液に限らず、種々のアルカリ性廃液に用いて良いことは勿論である。

Claims (1)

  1. 第一リン酸カルシウムを2〜7重量%、硫酸アルミニウムを15〜29.9重量%、炭酸カルシウムを26〜27.9重量%、硝酸カルシウムを1〜5重量%、ゼオライトを30〜50重量%、ポリアクリルアミドを0.5〜5重量%含有することを特徴とするアルカリ性廃液用凝集中和剤。
JP2013244777A 2013-11-27 2013-11-27 アルカリ性廃液用凝集中和剤 Expired - Fee Related JP5670543B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013244777A JP5670543B1 (ja) 2013-11-27 2013-11-27 アルカリ性廃液用凝集中和剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013244777A JP5670543B1 (ja) 2013-11-27 2013-11-27 アルカリ性廃液用凝集中和剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5670543B1 true JP5670543B1 (ja) 2015-02-18
JP2015100771A JP2015100771A (ja) 2015-06-04

Family

ID=52573838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013244777A Expired - Fee Related JP5670543B1 (ja) 2013-11-27 2013-11-27 アルカリ性廃液用凝集中和剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5670543B1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07323292A (ja) * 1994-05-30 1995-12-12 Kurita Water Ind Ltd ホウ素含有水の処理方法
JP2002219470A (ja) * 2001-01-30 2002-08-06 Sanee Industrial Co Ltd 排水処理方法及び排水処理装置
JPWO2005100253A1 (ja) * 2004-03-31 2008-03-06 国立大学法人 香川大学 有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法
JPWO2008146666A1 (ja) * 2007-05-23 2010-08-19 興和株式会社 糖アミド誘導体を利用したホウ素吸着材及びホウ素除去方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07323292A (ja) * 1994-05-30 1995-12-12 Kurita Water Ind Ltd ホウ素含有水の処理方法
JP2002219470A (ja) * 2001-01-30 2002-08-06 Sanee Industrial Co Ltd 排水処理方法及び排水処理装置
JPWO2005100253A1 (ja) * 2004-03-31 2008-03-06 国立大学法人 香川大学 有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法
JPWO2008146666A1 (ja) * 2007-05-23 2010-08-19 興和株式会社 糖アミド誘導体を利用したホウ素吸着材及びホウ素除去方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015100771A (ja) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013020428A1 (zh) 磷化工废水的处理方法
CN103641226A (zh) 一种重金属污水处理剂及其制备方法
CN109292933B (zh) 一种用于污水处理中具备氧化和絮凝复合功能的cod去除剂
CN105692759A (zh) 含有害物质的水的处理方法及处理装置
JP5831914B2 (ja) 水処理方法
JP2011131164A (ja) 含油廃水の処理方法
JP5451323B2 (ja) 水処理方法
JP5464234B2 (ja) フッ素含有水の処理方法
EP2792645A1 (en) Process for removing fluorides from water
JP2009072657A (ja) 土壌、土壌スラリー中の重金属類の処理方法
CN109205854A (zh) 磷化工无机污水同步深度除磷氟的新方法
JP5670543B1 (ja) アルカリ性廃液用凝集中和剤
JP2010269309A (ja) ホウ素含有排水の処理方法及び処理装置
CN103189318A (zh) 含有害物质的水的净化处理材料及其制造方法
JPH04720B2 (ja)
JP2020203270A (ja) 排水の処理薬剤
JP4678599B2 (ja) リン酸含有排水の処理方法
JP3334786B2 (ja) 不溶性及び溶解性の鉛、クロム、亜鉛含有排水の処理方法
JP3173827B2 (ja) 塗装ブース被処理水の浄化処理方法
CN105293659A (zh) 一种应急处理水体中重金属污染物的沉积物的稳定化方法
TWI263623B (en) Effluent water treatment method
CN1095442C (zh) 活性聚硅酸盐絮凝剂的制备方法
WO2016158632A1 (ja) 排水処理用凝集剤及び排水の凝集処理方法
JP2006297301A (ja) 牡蠣殻を主組成とした粉末排水処理剤
Zouboulis et al. Inorganic pre-polymerized coagulants: current status and future trends

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5670543

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees