JP2898969B1 - 歩行補助装置 - Google Patents

歩行補助装置

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JP2898969B1 JP10195420A JP19542098A JP2898969B1 JP 2898969 B1 JP2898969 B1 JP 2898969B1 JP 10195420 A JP10195420 A JP 10195420A JP 19542098 A JP19542098 A JP 19542098A JP 2898969 B1 JP2898969 B1 JP 2898969B1
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泰弘 根本
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Abstract

【要約】 【課題】 前進、後退、旋回動作での抵抗を任意に設定
でき、移動状態に応じて自動的に移動特性を切り換えて
動作する安全な歩行補助装置を提供する。 【解決手段】 移動可能な移動体3と、移動体に備えら
れた被歩行補助者を支えるための支持部4とを有する歩
行補助装置1において、移動体の複数の移動状態に対し
て、それぞれ移動体の動作特性の設定を与える設定器1
2と、移動体の移動状態を検出して判別する力センサー
6や制御装置11等を備えており、この制御装置11
は、被歩行補助者を種々の移動状態に対応する動作特性
の設定に従って動作させる。これにより、歩行補助装置
1は、前進、後退、旋回を行う時に、それぞれ自動的に
設定した抵抗を持つように制御されるので、操作性、安
全性が高まる。また、1台の装置で様々な身体状態の人
に対応できるので、装置の共用や、長期間の使用が可能
となり、費用が削減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高齢者や歩行機能
障害者等の歩行を介助するための歩行補助装置に関し、
特に、種々の歩行機能障害者に対しても安全にその歩行
を介助することの可能でかつ扱い易い歩行補助装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、歩行機能が低下し、あるい
は、障害のある高齢者や障害者(以下、単に、歩行機能
障害者、又は、被歩行補助者と言う)の歩行を補助する
ための歩行補助機具は、既に種々のものが知られ、ま
た、広く使用されている。
【0003】かかる歩行補助機具としては、例えば、床
面や路面(歩行面)上を車輪の回転により移動する移動
体上に支持部を取り付け、歩行機能障害者がこれにつか
まりながら自分の身体を支え、この歩行補助機具が歩行
者の歩行に追従する、いわゆる、歩行器と呼ばれる器具
が知られている。また、かかる歩行器と呼ばれる器具で
は、さらに、坂道での歩行器の滑降を防止して歩行機能
障害者の安全な歩行を確保するため、移動体の車輪にブ
レーキ装置を取り付け、使用者である歩行機能障害者が
手元のレバーを握ることにより、このブレーキ装置を操
作することができるようにした歩行器なども既に市販さ
れている。
【0004】また、かかる歩行補助機具としては、電池
等を搭載し、坂の上りや下りで電動モータの回転を利用
して歩行器を駆動する電動の歩行補助装置としては、例
えば、特開平8−280763号公報に記載されるよう
な電動式4輪手押し杖車が既に知られている。なお、こ
の電動式4輪手押し杖車では、可動にぎり手が設けられ
ており、このにぎり手を一定以上の力で押したときだけ
電動で前進し、この押す力が弱い場合や、手を離すと自
動的にブレーキ作用が働いて停止するものである。ま
た、この電動式4輪手押し杖車の駆動としては、直流電
動機に通電され、ウォームギヤと差動ギヤ機構を介し
て、車輪が駆動される。
【0005】また、特開平5−329186号公報に
は、やはり、歩行を介助する移動体と、歩行機能障害者
の歩行を介助する歩行介助装置として、歩行者の自重を
支える支持部を備え、移動体の左右の車輪の力を検出器
により検出することにより、歩行者が歩行する方向を検
出し、この検出器からの検出値とその目標値とを比較し
て、上記移動体を電動モータなどにより移動制御する歩
行介助装置が開示されている。なお、この公報により知
られる歩行介助装置では、力の目標値を設定する左右の
設定器と、力の目標値と力検出器からの力検出値とをそ
れぞれ比較する左右の比較器と、この比較器からの差分
をそれぞれ増幅する係数器と、係数器からの増幅差分値
と設定器からの力目標値とをそれぞれ加算する加算器と
を備えた制御手段を備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
技術になる歩行器や電動により駆動する歩行介助装置で
は、歩行機能障害者の移動方向に自動的に移動しなが
ら、歩行機能障害者の歩行を、疲労を受けないように補
助するという目的を主眼としている。そのため、かかる
歩行補助装置は、歩行機能障害者の歩行に対し、すなわ
ち、その前進・後退・旋回を含む歩行に対して任意に抵
抗を設定するということについては、ほとんど考慮され
ていなかった。
【0007】すなわち、上記従来の歩行器では、軽く動
きやすく作られており、抵抗の調整ができないので、歩
行機能障害者は使用中に転倒し易く、そのため、歩行器
が使用可能な環境が限られていた。また、ブレーキ装置
付きの歩行器では、特に、高齢者や障害者には、とっさ
の場合のブレーキ操作は困難であり、特に急にバランス
を崩した時等には対応できないという問題があった。
【0008】また、前記の特開平8−280763号公
報に記載の歩行補助装置では、装置を駆動する電動機が
作動する力がばねによって決められている。そのため、
この歩行補助装置では、機能障害者に対して、前進・後
退・旋回を含む歩行方向に応じて任意に抵抗を与えると
いう考えはないため、歩行機能障害者に対して、その進
行方向に応じて加える力を任意に設定することは出来な
かった。また、その駆動機構においても、1個のモータ
で差動ギヤ機構を介して左右の車輪を駆動している。そ
のため、かかる歩行補助装置では、坂の上りや下りでの
歩行補助装置自体の電動駆動による前進による歩行補助
を実現することは出来るが、特に、障害の程度が左右で
異なる歩行機能障害者が歩行補助装置を使用した場合に
生じる歩行補助装置の旋回運動を、その左右の車輪抵抗
と前進の抵抗のバランスを任意に設定し、直進させるよ
うな制御を行うことは困難であった。
【0009】また、前記の特開平5−329186号公
報に記載の歩行介助装置では、歩行機能障害者からの左
右の力を検出し、それぞれ検出した力を各々の目標値と
比較した差信号によって駆動装置(例えば、左右の車
輪)を駆動するものではあるが、しかしながら、この歩
行補助装置でも、やはり、機能障害者に対して、前進・
後退・旋回を含む歩行方向に応じて任意に抵抗を与える
という考えはないことから、その進行方向に応じて加え
る力を任意に設定することは出来ない。すなわち、この
歩行介助装置では、右の力の目標値と左の力の目標値と
をそれぞれ設定可能ではあるが、その一方、あるいは、
両方の力の目標値を変更すると、前進に対する力の目標
値と共に後退に対する力の目標値も同時に変化してしま
う。そのため、この歩行介助装置でも、やはり、その進
行方向、特に、前後方向に応じて加える(介助する)力
を任意に設定することは出来ない。
【0010】また、特に、障害の程度が左右で異なる歩
行機能障害者が歩行補助装置を使用した場合に生じる歩
行補助装置の旋回運動に関しても、機能障害者に対し
て、前進・後退・旋回を含む歩行方向に応じて任意に抵
抗を与えるという考えはないことから、その左右の車輪
抵抗と前進の抵抗のバランスを任意に設定し、直進させ
るような制御を行って装置を動かすために必要となる力
を独立に任意に設定することは困難であった。
【0011】なお、上記の歩行補助装置においても、前
進する時と後退する時に、手動によりその力の目標値を
変更すれば、前進と後退に対して装置を動かすために必
要となる力を変えることは可能であろう。しかしなが
ら、そのような操作は、高齢者や障害者にとっては困難
であり、特に、かかる設定変更が必要となる時、例え
ば、歩行中に急にバランスを崩した時等において、これ
に瞬時に対応することは現実的に困難である。
【0012】かかる上述の従来技術に対して、本発明者
等の検討によれば、歩行機能に障害のある高齢者や障害
者、すなわち、歩行機能障害者が、かかる歩行補助装置
を用いて歩行する場合、特に、歩行補助装置による抵
抗、すなわち、歩行者が装置に加える力と、その力に応
じて装置が動く速度の比を、適切に設定することが重要
になる。
【0013】これは、具体的には、一般に、障害の程度
が重い人では、歩行中に転倒しやすいので、歩行補助装
置は、その抵抗を大きくした方が安全に歩くことができ
る。他方、障害の程度の軽い人に対しては、むしろ、軽
い力で歩行補助装置を移動しながら楽に歩けるように、
装置の抵抗を小さくする方が好ましい。
【0014】さらに、障害の種類によっては、歩行機能
障害者は前方よりも後方に転倒し易くなるので、かかる
歩行機能障害者に対しては、歩行補助装置の抵抗が、前
進するときよりも後退するときの方が大きくなるように
設定することが望ましい。また、ふらついて、直進する
のが困難な歩行機能障害者に対しては、装置の旋回に対
する抵抗を大きくした方が、かかる歩行機能障害者の歩
行補助装置による介助としては好ましい。
【0015】このように、歩行補助装置における前進、
後退、旋回に対する抵抗の適切な値は、使用者である歩
行機能障害者の身体状態によってそれぞれ異なってお
り、歩行機能障害者にとって、より使い易くかつ安全性
の高い歩行補助装置とするためには、歩行補助装置の前
進、後退、旋回などの動作におけるそれぞれの抵抗の値
を、独立に、かつ、任意に設定できることが重要であ
り、また、かかる設定の可能な歩行補助装置が求められ
ている。
【0016】そこで、本発明では、上記従来技術になる
歩行補助装置における問題点に鑑みてなされたものであ
り、前進、後退、旋回を含む被補助者の移動状態に対し
て、歩行補助装置の前進、後退、旋回における移動速度
や、移動状態に対する抵抗を含む移動体の移動特性を、
それぞれ、各々に障害を有する障害者に対し、独立に任
意に設定することを可能とし、もって、障害者である被
補助者が前進、後退、旋回を行う際の安全な歩行を確保
し、かつ、扱いやすく安全な歩行補助装置を提供するも
のである。
【0017】また、特に片麻痺の障害者等、その左右の
動作が非対称になる障害を持つ場合には、歩行補助装置
の中心に力を加えるのが困難になるが、従来の歩行補助
装置では、そのような場合、装置が旋回してしまうの
で、直進できず、極めて歩きにくくなるという問題があ
った。また、これに対して、歩行補助装置として旋回し
難いように装置を構成すれば、直進は可能になるが、し
かしながら、そのような構成では進行方向が変えられ
ず、実用性が損なわれてしまう。
【0018】そこで、本発明では、上記のような従来の
歩行補助装置に対して解決手段を与えるものであり、装
置の中心からずれた位置に力を加えても直進することが
でき、かつ、旋回の抵抗を任意に設定可能であり、これ
により、左右の動作が非対称になる障害者にとっても扱
いやすい歩行補助装置を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】そして、かかる上記の目
的を達成するため、本発明によれば、歩行面上を自走可
能な移動体と、当該移動体上に被歩行補助者を支えるた
めの支持部とを備えた歩行補助装置であって:前記歩行
補助装置に加えられる力により被歩行補助者の移動状態
を検出する移動状態検出手段と;前記移動状態検出手段
からの検出信号に基づいて、前記自走可能な移動体を、
被歩行補助者の移動状態に対応して移動するように制御
する手段と;そして、被歩行補助者の複数の移動状態に
対して、それぞれ、前記移動体の移動特性の設定を与え
る手段とを備えており、もって、被歩行補助者の移動状
態に対応する前記移動体の複数の移動特性を、それぞ
れ、設定することを可能としたことを特徴とする歩行補
助装置が提供される。
【0020】また、本発明によれば、前記に記載した歩
行補助装置において、前記移動状態検出手段は、被歩行
補助者の前進及び後退を検出し、前記移動特性設定手段
により、被歩行補助者の前進及び後退に対し、それぞれ
の前記移動体の移動特性を設定することが可能に構成さ
れている。
【0021】さらに、本発明によれば、前記に記載した
歩行補助装置において、前記移動特性設定手段は、前記
移動体の移動速度を設定し、かつ、その前進速度よりも
後退速度が小さく設定されている。
【0022】加えて、本発明によれば、前記に記載した
歩行補助装置において、前記移動特性設定手段は、前記
移動体の移動抵抗を設定し、かつ、その前進抵抗よりも
後退抵抗が大きく設定されている。
【0023】また、本発明によれば、前記に記載した歩
行補助装置において、前記移動特性設定手段は、前記移
動体の補助力のゲインを設定し、かつ、その前進ゲイン
よりも後退ゲインが小さく設定されている。
【0024】次に、本発明によれば、前記に記載した歩
行補助装置において、前記移動状態検出手段は、被歩行
補助者の前進による前記移動体の旋回モーメントを検出
し、前記移動特性設定手段により、前記移動体の旋回モ
ーメントにもかかわらず前記移動体を直進させる移動特
性を設定することが可能に構成されている。
【0025】また、本発明によれば、前記に記載した歩
行補助装置において、前記移動特性設定手段は、前記移
動体の旋回抵抗を設定し、もって、前記移動体の旋回モ
ーメントにもかかわらず前記移動体を直進させている。
【0026】さらに、本発明によれば、前記に記載した
歩行補助装置において、前記移動特性設定手段は、前記
移動体の旋回ゲインを設定し、もって、前記移動体の旋
回モーメントにもかかわらず前記移動体を直進させてい
る。
【0027】そして、本発明によれば、前記に記載した
歩行補助装置において、前記移動体制御手段は、さら
に、前記移動状態検出手段からの検出信号の頻度に基づ
いて、被歩行補助者の移動状態を判別する手段を備えて
おり、この移動体制御手段は、前記判別手段により判別
された被歩行補助者の移動状態に対応し、かつ、前記設
定手段により設定された移動特性に従って前記自走可能
な移動体を移動する。
【0028】さらに、本発明によれば、前記に記載した
歩行補助装置において、前記自走可能な移動体は、その
進行方向に対して左右対称に配置された車輪と、前記左
右の車輪に対してそれぞれ回転駆動力を与えるための電
動機とを有している。
【0029】また、本発明によれば、前記に記載した歩
行補助装置において、前記移動状態検出手段は、前記左
右対称に配置された車輪の回転により前記移動状態を検
出する。
【0030】また、本発明によれば、前記に記載した歩
行補助装置において、前記移動体制御手段は、前記左右
の車輪に対してそれぞれ回転駆動力を与える前記電動機
に供給される電力を制御する制御装置である。
【0031】そして、本発明によれば、前記に記載した
歩行補助装置において、前記設定手段は、前記左右の車
輪に対する前記電動機に供給される電力量を補正する装
置である。
【0032】なお、以下にも詳細に説明する実施の形態
による歩行補助装置は、移動可能な移動体と、この移動
体に備えられた支持部とを有する歩行補助装置におい
て、前記移動体の複数の移動状態に対して、それぞれ、
前記移動体の動作特性の設定を与える手段と、前記移動
体の移動状態を判別する手段とを備えており、前記移動
体の移動状態に対応する前記動作特性の設定に従って前
記移動体を動作させる手段を備えたものである。
【0033】また、以下の実施の形態による歩行補助装
置は、移動可能な移動体と、この移動体に備えられた支
持部とを有する歩行補助装置において、前記移動体の前
進に対する抵抗の設定と、前記移動体の後退に対する抵
抗の設定とを与える手段と、前記移動体の前進あるいは
後退の進行方向を判別する手段とを備えており、前記移
動体が前進する時には、前記移動体が前記前進に対する
抵抗の設定に従って動作し、前記移動体が後退する時に
は、前記移動体が前記後退に対する抵抗の設定に従って
動作するように制御する手段を備えたものである。
【0034】また、以下の実施の形態による歩行補助装
置は、移動可能な移動体と、この移動体に備えられた支
持部とを有する歩行補助装置において、前記移動体の前
進に対する抵抗の設定と、前記移動体の旋回に対する抵
抗の設定とを与える手段を備えており、前記移動体が前
進する時には、前記移動体が前記前進に対する抵抗の設
定に従って動作し、前記移動体が旋回する時には、前記
移動体が前記旋回に対する抵抗の設定に従って動作する
ように制御する手段を備えたものである。
【0035】また、以下の実施の形態による歩行補助装
置は、移動可能な移動体と、この移動体に備えられた支
持部とを有する歩行補助装置において、前記移動体の旋
回動作を補正する補正量を与える手段を備えており、前
記移動体に加えられるモーメントに従って前記移動体を
旋回させる手段を備えており、前記移動体の前後中心軸
から前記補正量の距離ずれた軸に沿って力を加えられた
時に、前記移動体が直進するように制御する手段を備え
たものである。
【0036】また、以下の実施の形態による歩行補助装
置は、移動可能な移動体と、この移動体に備えられた支
持部とを有する歩行補助装置において、前記移動体の複
数の動作特性の設定を与える手段を備えており、前記移
動体の直進動作の頻度と、旋回動作の頻度に従って、前
記動作特性の設定を選択し、前記選択された動作特性の
設定に従って前記移動体を動作させる手段を備えたもの
である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0038】まず、図1(A)及び(B)により、本発
明の歩行補助装置の構成を示す。図において、本発明に
なる歩行補助装置1は、歩行面上を自走可能な移動体3
と、この移動体3を歩行面上に移動可能に支持する、左
右一対の駆動車輪5及び回転自在な従動車輪15と、前
記移動体3上に取り付けられており、使用者である障害
のある高齢者や障害者(歩行機能障害者、又は、被歩行
補助者)がこれに掴まって自身を支持する支持部4と、
前記駆動車輪5に駆動力を与える駆動手段であるための
左右1対のモータ7と、前記モータ7からの回転を所定
の減速比で減速する減速機14と、そして、前記減速機
14からの回転駆動力を前記車輪5へ伝達するベルト1
6とを備えている。
【0039】また、この歩行補助装置1は、使用中の歩
行機能障害者からその支持部4を介して装置または移動
体3に加えられる少なくとも前後方向の力や旋回方向の
モーメントを含む、いわゆる、被歩行補助者の移動状態
を検出するため検出手段である力センサ6と、前記移動
体3の移動速度を含む移動状態を検出するための速度検
出手段である速度センサ8と、図示しない電池からの電
力によって駆動される電動モータ7の回転を制御するモ
ータ制御装置11とを備えている。そして、本発明によ
れば、さらに、前記歩行補助装置1の前進や後退、又
は、旋回等、特に、その移動体3の複数の移動特性を設
定するための設定器12が設けられている。すなわち、
本発明によれば、この設定器12により、歩行機能障害
者の移動状態に対する歩行補助装置1の移動特性を予
め、各歩行機能障害者の要求やその特徴に適合して、種
々、設定することが可能になっている。
【0040】具体的には、例えば、既述のように、特
に、高齢者などは、急に後退する時にバランスを崩して
転倒し易い。そこで、かかる場合、すなわち、上記力セ
ンサ6により被歩行補助者の移動状態として急激な後退
を検出した場合には、歩行補助装置1は、これに応じて
急に後退することなく、むしろ、低速でゆっくりと後退
することが好ましい。これにより、歩行中の歩行機能障
害者は、歩行補助装置1の支持部4に掴まることにより
転倒を免れることとなる。あるいは、片麻痺等の障害を
有する人に対しては、歩行補助装置1の移動特性を、左
右非対称に設定することが好ましい。
【0041】すなわち、上記の設定器12は、ダイヤル
等の入力手段を備えており、使用者(歩行機能障害者)
あるいはその介助(護)者は、そのダイヤルを介して、
使用者である歩行機能障害者の障害の程度や身体状態に
応じて、そのパラメータを設定することとなる。このパ
ラメータ設定の入力手段としては、上記設定器12上
に、前進、後退、旋回に対する抵抗又は旋回に対する補
正値を設定するためのダイヤル等の入力手段をそれぞれ
設け、各々の値を独立に入力できるようにすることが望
ましい。あるいは、設定器12の内部にパラメータの組
み合わせを複数の種類、予め記憶しておき、これを切り
替えスイッチにより選択できるようにしてもよい。ある
いは、磁気カード、ICカード等の記録手段にこのパラ
メータの値を記録しておき、設定器12に挿入して読み
取らせるようにしてもよい。
【0042】かかる歩行補助装置1では、自走可能な移
動体3の上に取り付けた支持部4により使用者である歩
行機能障害者を支持し、その制御装置11により、力セ
ンサ6や速度センサ8からの出力を入力とし、そして、
上記設定器12により設定されたパラメータに従って、
上記左右のモータ7の速度あるいはトルクを制御して移
動体3の駆動車輪5を駆動する。そして、移動体3の前
進、後退、旋回動作を制御することにより、歩行補助装
置1を自動的に移動させて使用者の歩行を補助し、もっ
て、使用者である歩行機能障害者が容易かつ安全に歩行
できるようにするものである。
【0043】図2は、上記にその構成を示した本発明の
歩行補助装置における制御装置11の回路構成の一例を
示すブロック図である。この図2において、上記力セン
サ6と速度センサ8からの出力と、さらに、上記設定器
12により設定されたパラメータ13とが、入力部53
を通じて演算部52へ入力される。この演算部52は、
記憶部51に記憶されたプログラムに従って、モータ7
により発生させる回転速度あるいはトルクを算出し、出
力部54を介して左右のモータ制御器55、55へ指令
値56を出力する。そして、このモータ制御器55は、
上記指令値56に従ってモータ7の回転速度あるいはト
ルクを制御する。
【0044】図3は、上記本発明の歩行補助装置の動作
を説明するための機能ブロック図である。なお、この図
において、制御演算部21は、実際には上記図2に示し
た記憶部52に記憶されたプログラムに従って、上記演
算部51の内部で実現されるものである。
【0045】この動作を説明すると、まず、設定器12
は、歩行機能障害者である使用者が自ら設定し、あるい
は、その介護者が行った設定に従い、前進に対する抵抗
の値Cf、後退に対する抵抗の値Cb、旋回に対する抵
抗の値Cr、及び、旋回に対する旋回補正値Rxのパラ
メータ13を制御演算部21に与える。
【0046】まず、力センサ6は、歩行中の歩行機能障
害者から歩行補助装置1に対して加えられる力、例え
ば、前進方向に加わる前進力Fy及び旋回方向に加わる
旋回モーメントFrを検出する。
【0047】一方、制御演算部21は、上記で検出した
前進力Fyを抵抗値Cyで割り、これをフィルタ23を
通すことにより、前進速度指令Vy1を求める。ここ
で、抵抗値Cyは、抵抗選択部22により選択された抵
抗値であり、歩行補助装置1が前進している時には前進
抵抗値Cfが、後退している時には、後退抵抗値Cbが
選択される。
【0048】また、前記検出した前進力Fyと旋回補正
値Rxとの積を、上記で求めた旋回モーメントFrから
減算して、補正旋回モーメントFrsを求める。さら
に、このFrsを旋回抵抗値Crで割り、やはり、フィ
ルタ24を通すことにより、旋回速度指令Vr1を求め
る。
【0049】なお、上記のフィルタ23、24は、装置
の動作が振動的になることを防止するためのローパスフ
ィルタであり、装置の固有振動数に応じてその周波数特
性を定める。なお、本実施の形態では、好ましくは、折
点周波数0.1〜1Hzの一次フィルタを用いている。
【0050】ここで、移動体3の左右の駆動車輪5、5
の間隔をW、駆動車輪5の直径をD、減速機14の減速
比をDとすると、歩行補助装置1の前進速度Vy及び旋
回速度Vrと、左右のモータ7の回転速度VmLお及び
VmRとの関係は、以下の式で表される。 VmL=(2N/D)×Vy−(NW/D)×Vr …(式1) VmR=(2N/D)×Vy+(NW/D)×Vr …(式2)
【0051】すなわち、上記の式を用いて、左右のモー
タの回転速度指令VmL1及びVmR1を求め、これを
左右のモータ制御器55、55に与える。
【0052】続いて、左右のモータ制御器55、55
は、上記速度検出器8により検出された左右のモータ
7、7の回転速度VmL、VmRが、それぞれの回転速
度指令VmL1、VmR1に一致するように、各モータ
7、7を制御する。これにより、歩行補助装置1は、移
動体3により、前進速度Vy及び旋回速度Vzが前進速
度指令Vy1及び旋回速度指令Vr1と一致するように
移動する。
【0053】なお、この補助補助装置1の前進速度Vy
は、前進速度指令Vy1に一致するように制御されてい
るので、抵抗選択部22は、前進速度指令Vy1の符号
により、前進/後退を判別することができる。そして、
速度指令Vy1が正の場合には前進抵抗値Cfを選択
し、他方、速度指令Vy1が負の場合には、後退抵抗値
Cbを選択する。
【0054】あるいは、上記速度検出器8、8により検
出された左右のモータ7、7の回転速度、すなわち、V
mL、VmRから、以下の式 Vy=(D/4N)×VmL+(D/4N)×VmR …(式3) により、前進速度Vyを求め、Vyの符号により前進/
後退を判別してもよい。
【0055】上記の制御により、歩行機能障害者が歩行
補助装置1を前に押しながら装置を前進させている場合
には、抵抗選択部22によって前進抵抗値Cfが選択さ
れる。そこで、前進力Fyと定常状態における歩行補助
装置1の速度Vyとの関係は、以下の式となる。 Vy=Fy/Cf …(式4) これにより、歩行補助装置1は、見かけ上Cfの粘性抵
抗を有するように動作(前進)することとなる。
【0056】一方、歩行機能障害者が歩行補助装置1を
支持部4によって後方に引き、すなわち、装置を後退さ
せている場合には、上記抵抗選択部22により後退抵抗
値Cbが選択される。そこで、前進力Fyと定常状態に
おける歩行補助装置1の速度Vyとは、以下の式のよう
な関係になる。 Vy=Fy/Cb …(式5) これによって、歩行補助装置1は、見かけ上Cbの粘性
抵抗を有するように動作(後退)することとなる。従っ
て、設定器12により、これら抵抗値Cf及びCbを個
別に設定することを可能にすることにより、前進及び後
退時の抵抗を、それぞれ、任意に設定することができ
る。
【0057】ここで、まず、上記の前進及び後退に対す
る抵抗を小さく設定すると、歩行補助装置1は軽い力で
も動くので、使用者である歩行機能障害者は、軽快かつ
楽に歩けるようになる。これに対して、この抵抗を大き
く設定すると、歩行補助装置1の応答が上記の前進に対
して緩やかになるので、歩行機能障害者は、バランスを
崩した時でも支持部4に掴まって、安定して、安全に歩
けるようになる。
【0058】なお、この前進及び後退に対する適切な抵
抗値は、補助装置を使用する歩行障害者の障害の度合い
や身体状態によって異なるが、多くの場合、障害の重い
人に対しては、安全に安定して歩けるように、この抵抗
を大きな値に設定し、他方、障害の軽い人には、むしろ
軽快に楽に歩けるように、この抵抗値を小さく設定する
のが良い。また、高齢者や重い障害者では、後ろ向きに
バランスを崩すことも多いので、前進抵抗値Cfよりも
後退抵抗値Cbを大きく設定するのが良い。
【0059】より具体的な一例として、本実施の形態で
は、前進抵抗値Cfを、望ましくは、Cf=10〜20
0[Ns/m]に設定し、これに対して、後退抵抗値Cb
はCfの2倍(20〜400[Ns/m])以上に設定さ
れている。
【0060】さらに、図4は、上記のように前進抵抗値
Cfや後退抵抗値Cbを設定した時の、上記歩行補助装
置1による速度Vyと前進力Fyとの関係を示したグラ
フである。このグラフでは、実線で示した折れ線の傾き
が歩行補助装置1の抵抗に相当する。そして、速度Vy
が正、すなわち、歩行補助装置1が前進している時に
は、前進抵抗値Cfが選択されるので、直線の傾きが小
さく(すなわち、抵抗が小さく)なる。他方、速度Vy
が負、すなわち、歩行補助装置1が後退している時に
は、後退抵抗値Cbが選択されるので、直線の傾きが大
きく(抵抗が大きく)なる。
【0061】このように設定すれば、歩行機能障害者が
歩行中にバランスを崩して後ろ向きに転倒しそうになっ
た時には、この歩行補助装置1の抵抗は自動的に大きく
なり(大きな抵抗値に切り換えられ)、装置の急激な動
作(後退)が抑制され、あるいは、停止されるので、使
用者は、装置の支持部4に掴まって、転倒せずにバラン
スを回復することができる。
【0062】また、その際、上記の歩行補助装置1によ
れば、その移動特性である抵抗値が、その複数の移動状
態に対応して、予め設定した値に自動的に切り替わるこ
とで、その使用者である歩行機能障害者がスイッチの切
り替え等の煩雑な操作を行う必要はなく、急にバランス
を崩した場合であっても、歩行の安全が確保されること
となる。
【0063】加えて、既述のように、前進抵抗値Cfと
後退抵抗値Cbとは、独立に、かつ、任意に設定できる
ことから、装置の移動特性を、使用する歩行機能障害者
の障害の度合いや身体状態に応じて最も歩きやすい状態
になるように、前記抵抗選択部22によって最適に設定
することができる。また、これらの設定値を複数組、予
め記憶しておくことにより、1台の歩行補助装置1であ
っても様々な身体状態の人に対応することが可能にな
る。
【0064】また、障害者等の使用者が装置を使用して
歩行しようとする場合には、障害によるふらつきによ
り、歩行補助装置1に対して曲げる力を加えてしまう。
すなわち、歩行補助装置1を旋回させる傾向がある。こ
の場合、旋回モーメントFrと定常状態における歩行補
助装置1の旋回速度Vrの関係は、以下の式 Vr=Fr/Cr …(式6) となり、歩行補助装置1は、見かけ上、Crの回転粘性
抵抗を有するように動作することとなる。従って、上記
の設定器12によってこの旋回抵抗値Crを設定するこ
とにより、旋回の抵抗を任意に設定することができ、こ
れにより、障害者の歩行の際のふらつきを抑制して、か
つ、歩行補助装置1の旋回性とのバランスをとるための
ものである。
【0065】なお、ここで、この旋回抵抗値Crを小さ
く設定すると、軽い力でも装置が旋回移動するようにな
るので、使用者である障害者は、軽快かつ楽に望む方向
に進めるようになる。しかしながら、この旋回抵抗値C
rを大きく設定すると、装置の応答が緩やかになる。そ
して、特に、この旋回抵抗値Crを適宜設定することに
より、特に重症の障害者等、歩行する際に装置に旋回さ
せる力を加えてしまうような場合でも、歩行補助装置1
は直進することとなり、使用者はふらつかずに直線に安
定して歩けるようになる。
【0066】なお、この旋回抵抗値Crの適切な値とし
ては、これを使用する障害者の障害の程度や身体状態に
よって異なるのは勿論であるが、多くの場合、特に障害
の重い人の場合には、安全かつ安定して歩けるように、
この旋回抵抗を大きな値に設定し、障害の軽い人に対し
ては、むしろ、軽快に楽に歩けるように、この旋回抵抗
を小さく設定するのが好ましい。望ましくは、Cr=2
〜50[Nms/rad]程度の値に設定するのが良い。
【0067】このように、上記の装置では、前進あるい
は後退を行う時と同様、歩行障害者が装置を利用して旋
回を行う時においても、歩行補助装置1は自動的に設定
された抵抗になるので、歩行の際にふらつく障害者によ
る使用でも、装置が旋回しようとする都度にそのスイッ
チを切り替える等の煩雑な操作を行う必要はなく、身体
の不自由にもかかわらず、楽にかつ安全に歩行すること
ができるようになる。
【0068】また、上記の旋回抵抗値Crは、既述の前
進抵抗値Cfや後退抵抗値Cbとは独立に、任意に設定
することができ、これにより、前進・後退の抵抗と共に
この旋回の抵抗のバランスを任意に設定できるの。その
ため、使用者である歩行機能障害者の障害の度合いや身
体状態に応じて、最も歩きやすい状態に最適に設定で
き、また、これらの設定値を複数予め記憶しておくこと
により、1台の装置で様々な身体状態の歩行機能障害者
に対応することができる。
【0069】図5は、上記歩行補助装置1の旋回補正機
能を説明する図である。すなわち、使用者が片麻痺等の
左右の動作が非対称になる障害を有する場合、歩行補助
装置の中心に、すなわち、装置が直進するような力を加
えるのが困難になる。
【0070】これを図により説明すると、例えば、片麻
痺等の障害者が支持部4に前進力Fyを加える位置が、
上記歩行補助装置1の前後中心軸61から矢印の距離S
xだけ外れているとする。すると、この歩行補助装置1
には、旋回モーメントFrとして、以下の式で表される
力(旋回モーメント)が加わる。 Fr=Fy×Sx …(式7)
【0071】これに対し、例えば従来の機械式の歩行器
などの歩行補助装置では、かかる旋回モーメントFrが
加わると、装置が旋回してしまい、そのため、片麻痺等
の障害者は、このような歩行補助装置を利用して直進す
るのは困難であった。
【0072】そこで、本発明の歩行補助装置1では、か
かる問題を解決するため、旋回補正機能を備えている。
【0073】すなわち、制御演算部21は、力センサ6
により検出された旋回モーメントFrから、旋回補正値
Rxに従って、補正旋回モーメントFrsを次の式8よ
うに求める。 Frs=Fr−Fy×Rx …(式8)
【0074】この式8からも明らかなように、上記の設
定器12により、旋回補正値RxをSxと等しく設定す
ると、補正旋回モーメントFrsは、以下の式9に示す
ようにとなる。 Frs=Fr−Fy×Rx=Fy×Sx−Fy×Rx=0 …(式9) すなわち、前進力を加える位置のずれによって生じた旋
回モーメントが打ち消される。これにより、旋回速度V
rは補正旋回モーメントFrsによって制御されること
となるので、この場合、歩行補助装置1は旋回せずに直
進する。
【0075】従って、上記の旋回補正値Rxを、使用す
る歩行機能障害者が歩行補助装置1へ前進力を加える位
置のずれに応じて設定することにより、片麻痺等の障害
を有する人でも、容易に直進でき、楽にかつ安全に歩行
できるようになる。なお、この時、歩行機能障害者が旋
回移動を行うために歩行補助装置1に対して曲げる力
(旋回力)を加えた場合、その補正旋回モーメントFr
sにより旋回力が検出されることとなり、その際、歩行
補助装置1を旋回させることは可能であり、その操作性
が損なわれることはない。
【0076】また、この旋回補正値Rxは、上記した前
進抵抗値Cf、後退抵抗値Cb、及び、旋回抵抗値Cr
とは独立に、任意に設定できるので、歩行機能障害者の
障害や身体状態に応じて、最も歩きやすい状態に、すな
わち、歩行補助装置1を最適に設定することができる。
また、これらの設定値を複数、予め記憶しておくことに
より、1台の装置で様々な状態の歩行機能障害者に対応
することができる。
【0077】さらに、図6は、上記本発明の歩行補助装
置の歩行状態適応機能を説明するためのブロック図であ
る。
【0078】歩行状態判別部31は、歩行補助装置1の
前進速度Vy及び旋回速度Vrを監視することにより、
使用する歩行機能障害者が、廊下を前進するなどの直進
歩行を行っているか、あるいは、ベットやトイレ等に接
近するなどの位置合わせ動作を行っているかを判別す
る。
【0079】その判別のためには、例えば、前進歩行と
旋回歩行の頻度を検出すればよい。例えば、前進速度V
yと旋回速度Vrとの絶対値の時間平均VymとVrm
とを求め、Vym≧αVrmならば直進歩行と判別し、
これに対し、Vym<αVrmならば位置合わせ動作と
判別すれば良い。ここで、αは実験等によってあらかじ
め定められる定数である。
【0080】そして、このパラメータ選択部32は、上
記した歩行状態判別部31の判別結果に基づいて、直進
動作用パラメータ33と位置合わせ動作用パラメータ3
4を選択し、これを制御演算部21へパラメータ13と
して供給する。なお、これらの直進動作用パラメータ3
3と位置合わせ動作用パラメータ34とは、装置を使用
する歩行機能障害者あるいはその介助者(介護者)が、
その障害や身体状態に応じて、上記の設定器12により
設定するものである。
【0081】なお、ここでは、直進動作用パラメータ3
3としては、旋回抵抗Crを大きく設定し、他方、位置
合わせ動作用パラメータとしては、旋回抵抗Crを小さ
く設定するのが好ましい。
【0082】このように設定することにより、例えば、
歩行機能障害者が廊下を歩行している時など、所謂、直
進歩行を行っている時には、パラメータ選択部32によ
り、直進動作用パラメータ33が選択される。これによ
り、歩行補助装置1の旋回に対する抵抗が自動的に大き
くなるので、歩行機能障害者はふらつかずに安定して歩
行することができる。
【0083】また、ベットやトイレに接近する時など、
所謂、歩行補助装置1の位置を合わせを行っている場合
には、上記パラメータ選択部32により、位置合わせ動
作用パラメータ34が選択される。これにより、歩行補
助装置1の旋回に対する抵抗が自動的に小さくなるの
で、使用者は、軽い力でも小回りすることができ、目標
位置に楽に移動して接近することができることとなる。
【0084】なお、その際、上述のように、上記歩行状
態判別部31の働きにより、歩行機能障害者が直進を行
う時と、位置合わせを行う時とで、歩行補助装置1は、
自動的に設定された抵抗になる。このように、使用者で
ある歩行機能障害者がスイッチの切り替え等の煩雑な操
作を行う必要はなく、そのため、身体の不自由な高齢者
や障害者であっても、楽にかつ安全に歩行し、かつ、こ
れを移動して位置合わせを行うことが可能になる。
【0085】なお、上記のパラメータ選択部32は、直
進動作用パラメータ33と位置合わせ動作用パラメータ
34を切り替える際に、その値を補間することによっ
て、パラメータ13を滑らかに変化させるようにしても
よい。このようにすれば、歩行補助装置1の挙動がより
緩やかに変化することとなるので、これを使用する歩行
機能障害者は快適に歩行することが出来ることとなる。
【0086】図7は、本発明の他の実施の形態になる歩
行補助装置の構成を説明するブロック図である。なお、
この他の実施の形態になる歩行補助装置では、その設定
器12は、使用者である歩行機能障害者自身が、あるい
は、その介護者が行った設定に従い、前進に対するゲイ
ンKf、後退に対するゲインKb、旋回に対するゲイン
Krのパラメータ13を制御演算部41に与える。
【0087】かかる構成によれば、力センサ6は、歩行
機能障害者から歩行補助装置1に対して前進方向に加わ
る前進力Fy及び旋回方向に加わる旋回モーメントFr
を検出する。そして、制御演算部41は、前進力Fyに
ゲインKyを掛け、前進補助力Fayを求める。ここ
で、ゲインKyは、ゲイン選択部42により選択された
ゲインであり、歩行補助装置1が前進している時には前
進ゲインKfが、歩行機能障害者が後退している時に
は、後退ゲインKbが選択される。ゲイン選択部42
は、速度検出器8により検出された左右のモータ7の回
転速度VmL、VmRから、以下の式10 Vy=(D/4N)×VmL+(D/4N)×VmR …(式10) により、前進速度Vyを求め、Vyの符号により前進・
後退を判別する。
【0088】また、前進力Fyと旋回補正値Rxとの積
を、上記旋回モーメントFrから減算することにより、
補正旋回モーメントFrsを求める。さらに、この求め
られた補正旋回モーメントFrsにゲインKrを掛け
て、旋回補助モーメントFarを求める。
【0089】ここで、左右の駆動車輪5の間隔をW、駆
動車輪5の直径をD、減速機14の減速比をNとする
と、左右のモータ7のトルクTmLとTmR、モータに
より発生する歩行補助装置1の前進補助力Fay、及
び、旋回補助モーメントFarとの間の関係は、次の式
で表される。 TmL=(D/4N)×Fay−(D/2NW)×Far …(式11) TmR=(D/4N)×Fay+(D/2NW)×Far …(式12) そして、モータ制御器は、上の式で求めたトルクTmL
及びTmRに従って、モータ7のトルクを制御する。
【0090】上記の制御によれば、歩行機能障害者が歩
行補助装置1を前に押し、装置を前進させている場合に
は、ゲイン選択部42によって前進ゲインKfが選択さ
れる。そのため、歩行補助装置1は、加えた前進力Fy
のKf倍の前進補助力Fayを発生することとなる。
【0091】これに対し、歩行機能障害者が歩行補助装
置1を後ろに引き、装置を後退させている場合には、ゲ
イン選択部42により、後退ゲインKbが選択される。
そのため、歩行補助装置1は、加えた前進力FyのKb
倍の前進補助力Fayを発生することとなる。
【0092】従って、上記設定器12により、Kf及び
Kbを設定することにより、前進及び後退における歩行
補助装置1による補助力のゲインを、それぞれ、任意に
設定することができることになる。
【0093】なお、ここで、上記のゲインを大きく設定
すると、軽い力でも歩行補助装置1が動くので、歩行機
能障害者は軽快にかつ楽に歩けるようになり、これに対
し、このゲインを小さく設定すると、歩行補助装置1の
応答が緩やかになるので、歩行機能障害者は安定してか
つ安全に歩行することが出来るようになる。
【0094】なお、上記ゲインの適切な値は、装置を使
用する歩行機能障害者の障害の程度や身体状態によって
異なるが、多くの場合、障害の重い人に対しては、安全
にかつ安定して歩けるように、このゲインを小さく設定
することが好ましく、これに対して、障害の軽い人に対
しては、軽快にかつ楽に歩けるように、このゲインを大
きく設定するのが好ましい。また、歩行機能障害者は、
一般的に、後ろ向きにバランスを崩すことが多いので、
前進ゲインKfよりも後退ゲインKbを小さく設定する
のが良い。具体的には、前進ゲインKfをKf=1〜1
0に設定し、他方、後退ゲインKbはKfの1/2(K
b=1/2〜5)以下に設定するのが良い。
【0095】図8は、上記のように設定した時の、前進
力Fyと前進補助力Fayとの関係を示すグラフであ
る。このグラフにおける直線の傾きが歩行補助装置1の
ゲインに相当する。このグラフからも明らかなように、
速度Vyが正、すなわち歩行補助装置が前進している時
には、前進ゲインKfが選択されるので、直線の傾きが
大きく(ゲインが大きく)なり、こらに対して、速度V
yが負、すなわち歩行補助装置1が後退している時に
は、後退ゲインKbが選択されるので、直線の傾きが小
さく(ゲインが大きく)なる。
【0096】このように設定すれば、上記にも述べたよ
うに、使用者である歩行機能障害者がバランスを崩して
後ろ向きに転倒しそうになった時には、自動的にゲイン
が小さくなり、歩行補助装置1の動作が抑制されるの
で、支持部4に掴まっている歩行機能障害者は転倒せず
にバランスを回復することができる。なお、その際に
も、ゲイン選択部42により、歩行補助装置1のゲイン
が自動的に切り替わるので、従来のように使用者がスイ
ッチの切り替え等の煩雑な操作を行う必要はなく、身体
の不自由な歩行機能障害者が急にバランスを崩した場合
であっても、歩行の安全が確保されることとなる。
【0097】また、前進ゲインKfと後退ゲインKbと
は独立に、かつ、任意に設定できるので、使用する歩行
機能障害者の障害の程度や身体状態に応じて、最も歩き
やすい状態に、すなわち、歩行補助装置1を最適に設定
することが出来る。また、これらの設定値を複数予め記
憶しておくことにより、1台の装置で様々な障害の程度
や身体状態の歩行機能障害者に対応することができる。
【0098】また、上記の装置では、使用者である歩行
機能障害者が歩行補助装置1に曲げる力を加えて歩行補
助装置1を旋回させようようとする場合には、歩行補助
装置1は、加えた旋回モーメントFrのKr倍の旋回補
助モーメントFarを発生する。なお、この旋回ゲイン
Krは、上記の設定器12により、その値を任意に設定
することにより、旋回の特性を任意に設定することがで
きる。
【0099】そして、例えば、この旋回ゲインKrを大
きく設定すると、歩行補助装置1は軽い力でも旋回する
ようになるので、歩行機能障害者は、軽快にかつ楽に望
む方向に進めるようになる。これに対し、この旋回抵抗
値Krを小さく設定すると、装置の応答が緩やかになる
ので、歩行機能障害者は、ふらつかずに安定して歩ける
ようになる。
【0100】ここでも、やはり、この旋回ゲインKrの
適切な値は、使用者である歩行機能障害者の障害の程度
や身体状態によっても異なるが、多くの場合、障害の重
い人程、安全にかつ安定して歩けるように、このゲイン
を小さく設定し、これに対して、障害の軽い人には、軽
快に楽に歩けるように、このゲインを大きく設定するこ
とが好ましい。具体的には、このゲインはKr=1〜1
0に設定するのが望ましい。
【0101】また、この他の実施の形態になる装置で
も、歩行機能障害者が複数の移動状態、すなわち、前
進、後退、あるいは、旋回を行う時において、歩行補助
装置1は、自動的に、設定された抵抗になるので、歩行
機能障害者がその度毎にスイッチの切り替え等の煩雑な
操作を行う必要はなく、そのため、身体の不自由な使用
者であっても、楽にかつ安全に歩行することが可能にな
る。
【0102】なお、この他の実施の形態でも、その旋回
ゲインKrは、前進ゲインKfや後退ゲインKbとは独
立に、任意に設定でき、また、前進・後退のゲインと旋
回のゲインのバランスをも任意に設定できるので、装置
を使用する歩行機能障害者の障害の程度や身体状態に応
じて、最も歩きやすい状態に、すなわち、歩行補助装置
1を最適に設定できる。また、これらの設定値を複数予
め記憶しておくことにより、1台の装置で様々な身体状
態の人に対応することができる。
【0103】また、この他の実施の形態でも、上記図3
に示した実施の形態と同様に、前進力Fyと旋回補正値
Rxとの積を旋回モーメントFrから減算し、もって、
補正旋回モーメントFrsを求めている。そのため、片
麻痺等の障害者など、前進力Fyを加える位置が歩行補
助装置1の前後中心軸61からずれる場合にも、旋回補
正量Rxをずれ量と等しく設定することにより、前進力
を加える位置のずれによる歩行補助装置1の旋回モーメ
ントを打ち消すことができる。
【0104】また、この旋回補助モーメントFarは、
補正旋回モーメントFrsに従って制御されており、前
進力を加える位置のずれによっては旋回補助モーメント
が発生しないことから、片麻痺等の障害を持つ人であっ
ても、旋回運動によるふらつきが低減され、容易にかつ
直進ができ、楽にかつ安全に歩行することが出来るよう
になる。
【0105】なお、上記の詳細な説明においては、本発
明の歩行補助装置1の制御方法は、電動補助車椅子や電
動補助介助椅子、等の他の介助装置や、電動補助運搬車
等にも適用することができる。
【0106】以上の実施の形態にも示したように、本発
明になる歩行補助装置1によれば、設定器12により、
歩行補助装置1の前進抵抗値Cfと後退抵抗値Cbと旋
回抵抗値Crを独立に、任意に設定できるので、使用者
の身体状態に応じて、最も歩きやすい状態に、歩行補助
装置1を最適に設定でき、有用性が高まる。また、1台
の装置で様々な身体状態の人に対応できるので、装置を
複数の人で共用することや、1台の装置を長期間使用す
ることが可能となり、費用が削減できる。
【0107】また、上記本発明の実施の形態になる歩行
補助装置1によれば、前進抵抗値Cfよりも後退抵抗値
Cbを大きく設定することにより、使用者がバランスを
崩して後ろ向きに転倒しそうになった時に、自動的に抵
抗を大きくし、歩行補助装置1の動作を抑制することが
できるので、使用者の転倒を防ぐことができ、安全性が
高まる。
【0108】また、上記本発明の実施の形態になる歩行
補助装置1によれば、歩行補助装置1の抵抗は、前進、
後退、旋回を行う時に、それぞれ自動的に設定した抵抗
を持つように制御されるので、使用者はスイッチの切り
替え等の煩雑な操作を行う必要はなく、身体の不自由な
使用者が容易に装置を使用することができる。また、使
用者が急にバランスを崩した場合であっても、安全が確
保される。
【0109】さらに、上記本発明の実施の形態になる歩
行補助装置1によれば、歩行補助装置1の中心軸からず
れた位置に力が加えられた場合であっても、旋回補正値
Rxをずれ量と等しく設定することにより、歩行補助装
置1を直進させることができるので、使用者が片麻痺等
の左右の動作が非対称になる障害を有する場合であって
も、ふらつきを防ぐことができ、安全性が高まる。ま
た、この時にも、歩行補助装置を曲げる力を加えれば装
置を旋回させることができるので、操作性は損なわれな
い。
【0110】そして、また、上記本発明の実施の形態に
なる歩行補助装置1によれば、廊下を前進するなどの直
進歩行を行う時と、ベットやトイレに接近するなどの位
置合わせ動作を行う時の、歩行補助装置の抵抗を設定す
ることができ、歩行状態に応じて、パラメータが自動的
に切り替わるので、直進歩行時の安定性と、位置合わせ
時の操作性を両立させることができ、安全性と扱いやす
さが高まる。
【0111】
【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明によれば、前進、後退、旋回を含む被補助者
の移動状態に対して、歩行補助装置の前進、後退、旋回
における移動速度や、移動状態に対する抵抗を含む移動
体の移動特性を、それぞれ、各々に障害を有する障害者
に対し、独立に任意に設定することを可能とし、もっ
て、障害者である被補助者が前進、後退、旋回を行う際
の安全な歩行を確保し、かつ、扱いやすく安全な歩行補
助装置を提供するもことが可能になる。
【0112】また、本発明によれば、特に片麻痺の障害
者等、その左右の動作が非対称になる障害を持つ場合に
も、すなわち、装置の中心からずれた位置に力を加えて
も、歩行補助装置により直進することができ、かつ、旋
回の抵抗を任意に設定可能であり、これにより、左右の
動作が非対称になる障害者にとっても扱いやすい歩行補
助装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歩行補助装置の一実施の形態にな
る構成を示す側面図及び上面図である。
【図2】本発明に係る制御装置の一実施の形態になる構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る制御系の一実施の形態になる構成
を説明するブロック図である。
【図4】本発明に係る歩行補助装置の速度と使用者の加
える前進力の関係の一実施例を示すグラフである。
【図5】本発明に係る制御系の旋回補正機能の一実施の
形態を説明する上面図である。
【図6】本発明に係る制御系の歩行状態適応部の一実施
例の形態になる構成を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る制御系の一実施の形態になる構成
を説明するブロック図である。
【図8】本発明に係る歩行補助装置の前進補助力と使用
者の加える前進力の関係の一実施例を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 歩行補助装置 3 移動体 4 支持部 5 駆動車輪 6 力センサ 7 モータ 8 減速器 11 制御装置 12 設定器 15 従動車輪 13 パラメータ 22 抵抗選択部 42 ゲイン選択部 33 直進動作用パラメータ 34 位置合わせ動作用パラメータ Fy 使用者から加わる前進力 Fr 使用者から加わる旋回モーメント Frs 補正旋回モーメント Cf 前進の抵抗値 Cb 後退の抵抗値 Cr 旋回の抵抗値 Rx 旋回補正値 VmL 左モータの回転速度 VmR 右モータの回転速度 Kf 前進の力補助ゲイン Kb 後退の力補助ゲイン Kr 旋回の力補助ゲイン TmL 左モータのトルク TmR 右モータのトルク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 泰弘 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 藤江 正克 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (56)参考文献 特開 平8−280763(JP,A) 特開 平5−329186(JP,A) 特開 平5−7609(JP,A) 特開 平4−71554(JP,A) 実開 平5−21938(JP,U) 実開 平4−133828(JP,U) 実開 平6−38973(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61H 3/04

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歩行面上を自走可能な移動体と、当該移
    動体上に被歩行補助者を支えるための支持部とを備えた
    歩行補助装置であって:前記歩行補助装置に加えられる
    力により被歩行補助者の移動状態を検出する移動状態検
    出手段と;前記移動状態検出手段からの検出信号に基づ
    いて、前記自走可能な移動体を、被歩行補助者の移動状
    態に対応して移動するように制御する手段と;そして、 被歩行補助者の複数の移動状態に対して、それぞれ、前
    記移動体の移動特性の設定を与える手段とを備えてお
    り、もって、被歩行補助者の移動状態に対応する前記移
    動体の複数の移動特性を、それぞれ、設定することを可
    能としたことを特徴とする歩行補助装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載した歩行補助装置に
    おいて、前記移動状態検出手段は、被歩行補助者の前進
    及び後退を検出し、前記移動特性設定手段により、被歩
    行補助者の前進及び後退に対し、それぞれの前記移動体
    の移動特性を設定することが可能に構成されていること
    を特徴とする歩行補助装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に記載した歩行補助装置に
    おいて、前記移動特性設定手段は、前記移動体の移動速
    度を設定し、かつ、その前進速度よりも後退速度が小さ
    く設定されていることを特徴とする歩行補助装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項2に記載した歩行補助装置に
    おいて、前記移動特性設定手段は、前記移動体の移動抵
    抗を設定し、かつ、その前進抵抗よりも後退抵抗が大き
    く設定されていることを特徴とする歩行補助装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項2に記載した歩行補助装置に
    おいて、前記移動特性設定手段は、前記移動体の補助力
    のゲインを設定し、かつ、その前進ゲインよりも後退ゲ
    インが小さく設定されていることを特徴とする歩行補助
    装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1に記載した歩行補助装置に
    おいて、前記移動状態検出手段は、被歩行補助者の前進
    による前記移動体の旋回モーメントを検出し、前記移動
    特性設定手段により、前記移動体の旋回モーメントにも
    かかわらず前記移動体を直進させる移動特性を設定する
    ことが可能に構成されていることを特徴とする歩行補助
    装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載した歩行補助装置に
    おいて、前記移動特性設定手段は、前記移動体の旋回抵
    抗を設定し、もって、前記移動体の旋回モーメントにも
    かかわらず前記移動体を直進させていることを特徴とす
    る歩行補助装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項6に記載した歩行補助装置に
    おいて、前記移動特性設定手段は、前記移動体の旋回ゲ
    インを設定し、もって、前記移動体の旋回モーメントに
    もかかわらず前記移動体を直進させていることを特徴と
    する歩行補助装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項1に記載した歩行補助装置に
    おいて、前記移動体制御手段は、さらに、前記移動状態
    検出手段からの検出信号の頻度に基づいて、被歩行補助
    者の移動状態を判別する手段を備えており、この移動体
    制御手段は、前記判別手段により判別された被歩行補助
    者の移動状態に対応し、かつ、前記設定手段により設定
    された移動特性に従って前記自走可能な移動体を移動す
    ることを特徴とする歩行補助装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項1に記載した歩行補助装置
    において、前記自走可能な移動体は、その進行方向に対
    して左右対称に配置された車輪と、前記左右の車輪に対
    してそれぞれ回転駆動力を与えるための電動機とを有し
    ていることを特徴とする歩行補助装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項10に記載した歩行補助装
    置において、前記移動状態検出手段は、前記左右対称に
    配置された車輪の回転により前記移動状態を検出するこ
    とを特徴とする歩行補助装置。
  12. 【請求項12】 前記請求項10に記載した歩行補助装
    置において、前記移動体制御手段は、前記左右の車輪に
    対してそれぞれ回転駆動力を与える前記電動機に供給さ
    れる電力を制御する制御装置であることを特徴とする歩
    行補助装置。
  13. 【請求項13】 前記請求項12に記載した歩行補助装
    置において、前記設定手段は、前記左右の車輪に対する
    前記電動機に供給される電力量を補正する装置であるこ
    とを特徴とする歩行補助装置。
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