JP2003052760A - 車椅子の補助動力制御装置 - Google Patents

車椅子の補助動力制御装置

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JP2003052760A
JP2003052760A JP2001242701A JP2001242701A JP2003052760A JP 2003052760 A JP2003052760 A JP 2003052760A JP 2001242701 A JP2001242701 A JP 2001242701A JP 2001242701 A JP2001242701 A JP 2001242701A JP 2003052760 A JP2003052760 A JP 2003052760A
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wheelchair
control
traveling
power assist
control device
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JP2001242701A
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English (en)
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Yoshihiro Takada
宜裕 高田
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力アシストの制御モードの切換えを容易に
し、車椅子の着座者及び介助者の双方の利便性を向上す
る。 【解決手段】 制御モード切換スイッチの自操モードが
ONとなっているか否か、介助モードがONとなってい
るか否かを調べ(S1,S2)、自操モードがONの場
合、制御条件を満足するか否かに応じて、条件平地走行
制御、登坂制御、降坂制御、傾斜面走行制御、旋回制御
を実行し(S3〜S7)、介助モードがONの場合、制
御条件を満足するか否かに応じて、平地走行制御、登坂
制御、旋回制御を実行する(S8〜S10)。すなわ
ち、制御モード切換スイッチを切換えるのみで動力アシ
ストモードを容易に選択することができ、車椅子の着座
者及び介助者の双方にとって利便性を向上することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手動式車椅子に着
脱自在に結合される補助駆動装置の動力アシスト制御モ
ードを切換可能な車椅子の補助動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば手動車椅子は動力を有して
いないため、車椅子着座者が自ら車輪の外側に設けられ
ているハンドリムを回し、或いは介護者が介護用ハンド
ルを持って押すことで移動できるようにしている。この
ような手動車椅子は緩い坂道を上る場合であっても、非
力な者では多くの労力を必要とし、又緩い坂道を下ると
きは思わぬ速度が出てしまう不便さを有している。
【0003】一方、駆動モータを補助動力として備える
電動車椅子は、車椅子着座者或いは介護者が非力な場合
であっても容易に車椅子を操作することが可能となる
が、駆動モータ、モータ駆動用バッテリ、減速装置等を
予め車椅子に搭載する必要性から、構造が頑丈で、しか
もかなりの重量増となる。そのため、車椅子を簡単に折
り畳むことができず、取扱性が悪い問題がある。更に、
電動車椅子は高価であり、簡単に買い換えることは経済
的な負担が大きい。
【0004】これに対処するに、例えば、特開平11-
178859号公報には、駆動輪を有する補助駆動装置
を手動車椅子の着座位置の下方に臨ませ、本体の両側に
設けたクランプを、手動車椅子の両側に配設されている
横フレームに取付けることで、手動車椅子を電動化する
技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
補助駆動装置を併用した車椅子では、主として車椅子の
着座者自身がジョイスティック型の操作手段や車輪の外
側に設けられているハンドリムの操作を検出する検出手
段等を用いてパワーアシスト操作を行うことに主眼がお
かれており、介助者がパワーアシスト操作を行う場合に
は、必ずしも利便性が良いとは言えない。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、容易に動力アシストの制御モードを切換えることが
でき、車椅子の着座者及び介助者の双方の利便性を向上
することのできる車椅子の補助動力制御装置を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、車椅子に着脱自在に結合さ
れる補助駆動装置の動力アシスト制御を行う車椅子の補
助動力制御装置であって、切換スイッチからの信号に応
じ、上記車椅子の着座者自身の操作による第1の動力ア
シストモードと、介助者の操作による第2の動力アシス
トモードとを選択的に実行する手段を備えたことを特徴
とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記車椅子の任意の位置に着脱自在に固定
され、上記第1の動力アシストモードでは停止を指示す
るストップスイッチとして機能する一方、上記第2の動
力アシストモードでは走行を指示する走行スイッチとし
て機能する操作スイッチを備えたことを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、上記第1の動力アシストモードにお
いて、上記車椅子のハンドリムの操作に伴う上記補助駆
動装置の駆動輪の回転を検出して前進・後進を判断する
ことを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何
れか一に記載の発明において、上記第1の動力アシスト
モードにおいて、傾斜センサにより閾値以上の路面傾斜
を検出したか否かにより、平地走行、登坂走行、降坂走
行を判断して動力アシストを行うことを特徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何
れか一に記載の発明において、上記第1の動力アシスト
モードでは、上記車椅子のハンドリムの操作に伴って設
定値以上の旋回角速度が発生したとき、上記車椅子の旋
回に対する動力アシストを行うことを特徴とする。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項4記載の発
明において、上記平地走行の動力アシスト制御を、前進
方向では上記車椅子の速度レベルに応じて段階的に行う
一方、後進方向では一定速度で行うことを特徴とする。
【0013】請求項7記載の発明は、請求項4記載の発
明において、路面傾斜を複数段階に区分し、各段階の傾
斜に対応して上記登坂走行の動力アシスト制御を行うこ
とを特徴とする。
【0014】請求項8記載の発明は、請求項4記載の発
明において、設定値を越える降坂傾斜角が検出されたと
き、ブレーキ制御により上記降坂制御を行うことを特徴
とする。
【0015】請求項9記載の発明は、請求項5記載の発
明において、上記車椅子の旋回に対する動力アシスト
を、旋回基軸側の駆動力を停止して反対側の駆動力を設
定出力制御する斜め旋回制御、或いは左右の駆動輪を互
いに逆回転させる芯地旋回制御によって行うことを特徴
とする。
【0016】請求項10記載の発明は、請求項2記載の
発明において、上記第2の動力アシストモードは、上記
操作スイッチをオン状態に維持するときのみ有効となる
ことを特徴とする。
【0017】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の発明において、上記第2の動力アシストモードでは、
平地走行の前進方向で介助者の力加減に応じた速度制御
を行う一方、後進方向では一定速度制御を行うことを特
徴とする。
【0018】請求項12記載の発明は、請求項10記載
の発明において、上記第2の動力アシストモードでは、
上記操作スイッチと登坂スイッチとを共にオン状態に維
持するとき、登坂走行の動力アシストを行うことを特徴
とする。
【0019】請求項13記載の発明は、請求項10記載
の発明において、上記第2の動力アシストモードでは、
介助者の操作に伴い設定値以上の旋回角速度が発生した
とき、上記車椅子の旋回に対する動力アシストを行うこ
とを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図11は本発明の一実施の
形態に係わり、図1は補助駆動装置を取付けた車椅子の
概略側面図、図2は補助動力制御システムの構成図、図
3は全体制御ルーチンのフローチャート、図4は自操モ
ードにおける平地走行制御ルーチンのフローチャート、
図5は自操モードにおける登坂制御ルーチンのフローチ
ャート、図6は自操モードにおける降坂制御ルーチンの
フローチャート、図7は自操モードにおける傾斜面走行
制御ルーチンのフローチャート、図8は自操モードにお
ける旋回制御ルーチンのフローチャート、図9は介助モ
ードにおける平地走行制御ルーチンのフローチャート、
図10は介助モードにおける登坂制御ルーチンのフロー
チャート、図11は介助モードにおける旋回制御ルーチ
ンのフローチャートである。
【0021】図1において、符号1は車椅子であり、既
存の折り畳み式手動車椅子本体2に補助駆動装置10を
取付けたものである。車椅子本体2は、左右両側でほぼ
対称のパイプ枠状のフレーム3が左右一対のキャスタ4
と車輪5とにより前後部を支持されて構成され、左右の
各車輪5の外側に、車輪5を手動で回転させるためのリ
ング状のハンドリム6が取付けられている。
【0022】フレーム3は、主として、車輪5を回動自
在に支持して上方に延出され、上端部で後方に折曲され
て介助者用のグリップ7が取付けられた車輪支持フレー
ムパイプ3aと、この車輪支持フレームパイプ3aのほ
ぼ中央部分から前方へ延出され、座席を支持するための
座席支持フレームパイプ3bと、車輪支持フレームパイ
プ3aの上側から座席支持フレームパイプ3bとほぼ平
行に延出され、アームレスト(肘掛け)8を取付けるた
めのアームレスト支持フレームパイプ3cと、座席支持
フレームパイプ3b及びアームレスト支持フレームパイ
プ3cの下端部を車輪支持フレームパイプ3aに連設す
るステー3dとを備えて構成されている。
【0023】また、車椅子本体2の着座位置の下方に
は、補助駆動装置10が車輪支持フレームパイプ3aに
着脱自在に結合され、左右の駆動輪11と中央部のキャ
スタ12との三輪で支持される。補助駆動装置10は、
図2の内蔵コントローラ20によって制御され、第1の
動力アシストモードとしての自操モードと、第2の動力
アシストモードとしての介助モードとの2つの独立した
アシストモードで制御される。自操モードは車椅子1の
着座者自身が補助駆動装置10を使用する場合のアシス
ト制御モードであり、介助モードは車椅子1の後方に介
助者が付添って補助駆動装置10を使用する場合のアシ
スト制御モードである。
【0024】図2に示すように、コントローラ20に
は、ハンドリム6の操作に伴う左右の駆動輪11,11
の回転を検出するためのロータリエンコーダ13a,1
3b、車椅子本体2の回転角速度(ヨーレート)を検出
するための角速度センサ(ヨーレートセンサ)14、車
椅子本体2のピッチ方向の傾斜角度を検出するための傾
斜センサ(加速度センサ)15a、車椅子本体2のロー
ル方向の傾斜角度を検出するための傾斜センサ(加速度
センサ)15b、自操モードと介助モードとを切換える
ための制御モード切換スイッチ16、コントローラ20
にケーブルを介して接続される手元操作スイッチユニッ
ト17等が接続され、ハンドリム6の操作に応じて左右
の駆動輪11,11を駆動する左右の電動モータ19
a,19bを制御し、発進、停止、後退、回転等のパワ
ーアシスト制御を行う。尚、角速度センサ14,傾斜セ
ンサ15a,15bは、補助駆動装置10に内蔵され
る。
【0025】制御モード切換スイッチ16は、コントロ
ーラ20本体に備えられるものであり、自操モードON
位置、介助モードON位置の2位置を切換えるスイッチ
である。また、手元操作スイッチユニット17は、自操
モード時にはストップスイッチとして機能する一方、介
助モード時に走行スイッチとして機能するストップ/走
行スイッチ17aと、介助モードで使用する登坂スイッ
チ17bとを備えるものであり、面ファスナーやバン
ド、スプリングホルダー等の帯状の取付け部材を介して
車椅子本体2の任意の位置に着脱自在に固定される。
尚、手元操作スイッチユニット17は、コントローラ2
0に接続されないときにはコントローラ20から電源が
供給されず、不作動となって安全性が確保される。
【0026】例えば、制御モード切換スイッチ16を切
換えて自操モードとし、車椅子1の着座者自身が手元操
作スイッチユニット17を使用する場合には、手元操作
スイッチユニット17を車椅子本体2のアームレスト8
に取付ける。この自操モードでは、車椅子1の着座者が
ハンドリム6を前方或いは後方に動かすことで、補助駆
動装置10の駆動輪11,11に取付けられたロータリ
エンコーダ13a,13bからの出力パルス数を演算し
て速度を算出し、その値に応じて自動的にパワーアシス
トが働く。
【0027】そして、車椅子1を停止させる場合には、
手動でハンドリム6の回転を制動する、或いは、ハンド
リム6から手を離すことなく肘或いは上腕部の内側でア
ームレスト8に取付けた手元操作スイッチユニット17
のストップ/走行スイッチ17aを押圧操作すると、ス
トップ/走行スイッチ17aからの信号がコントローラ
20において停止信号と判断され、電動モータ19a,
19bがブレーキ制御されて車椅子1が停止する。
【0028】また、制御モード切換スイッチ16を切換
えて介助モードとし、介助者が使用する場合には、手元
操作スイッチユニット17を車椅子本体2のグリップ7
に取付ける。この介助モードでは、介助者が走行スイッ
チとして機能するストップ/走行スイッチ17aをON
し続けることで、補助駆動装置10のパワーアシストを
利用することができる。すなわち、コントローラ20
は、ストップ/走行スイッチ17aからの信号を走行指
令として判断し、介助者が手元操作スイッチユニット1
7をグリップ7と共に握り、ストップ/走行スイッチ1
7aをONし続けることで補助駆動装置10によるパワ
ーアシストを利用することができる。
【0029】そして、ストップ/走行スイッチ17aか
ら手を離すと、自動的にブレーキが掛かって車椅子1は
停止する。すなわち、誤って介助者が車椅子1から手を
離した場合でも、車椅子1が自動的に停止し(平地走行
の場合)、安全性が確保される。尚、後述するように、
介助モードでは、ストップ/走行スイッチ17aをON
し続け、且つ登坂スイッチ17bをONしたとき、登坂
走行のパワーアシストが可能となる。
【0030】すなわち、制御モード切換スイッチ16を
切換えるのみで動力アシストモードを容易に選択するこ
とができ、車椅子1の着座者及び介助者の双方にとって
利便性を向上することができる。しかも、選択したアシ
ストモードに応じて、ストップ/走行スイッチ17aの
機能を自動的に変更するため、それぞれのモードに応じ
た安全性と利便性とを同時に確保することができる。
【0031】以下、コントローラ20による車椅子1の
補助動力制御について図3〜図11のフローチャートに
従って説明する。尚、以下の説明では、自操モードの場
合、ストップ/走行スイッチ17aをストップスイッチ
17a、介助モードの場合、ストップ/走行スイッチ1
7aを走行スイッチ17aと記載する。
【0032】図3は、コントローラ20の図示しないメ
インスイッチがONされてスタートする全体制御ルーチ
ンであり、先ず、ステップS1,S2で、それぞれ、制
御モード切換スイッチ16の自操モードがONとなって
いるか否か、介助モードがONとなっているか否かを調
べる。そして、自操モードがONの場合、ステップS1
からステップS3以降へ進んで自操モードにおけるパワ
ーアシスト制御を実行し、介助モードがONの場合に
は、ステップS2からステップS8以降へ進んで介助モ
ードにおけるパワーアシスト制御を実行する。また、自
操モード及び介助モードがOFFで制御モード切換スイ
ッチ16が中立位置にある場合には、ステップS1,S
2での入力待ちループとなる。
【0033】先ず、自操モードがONであり、ステップ
S1からステップS3へ進んだ場合について説明する。
ステップS3では、傾斜センサ15aの出力値から平地
走行か否かを判断し、平地走行と判断した場合、図4の
平地走行制御ルーチンにより平地走行制御を行う。平地
走行の判断は、傾斜センサ15aの出力値を予め設定し
てある平地計測値と比較し、この平地計測値を基準とす
る設定範囲内にあるか否かで判断する。
【0034】次に、ステップS4へ進んで、傾斜センサ
15aの出力値から傾斜量を演算し、図5の登坂制御ル
ーチンで所定の条件を満たして登坂と判断されるとき、
登坂制御を実行する。また、ステップS5で、傾斜セン
サ15aの出力値から傾斜量を演算し、図6の降坂制御
ルーチンで所定の条件を満たして降坂と判断されると
き、降坂制御を実行する。
【0035】更に、ステップS6では、傾斜センサ15
bの出力値からロール方向の傾斜量を演算し、図7の傾
斜面走行制御ルーチンで所定の条件を満たしたとき、傾
斜面走行制御を実行する。すなわち、ロール方向に傾斜
する斜面を走行する場合、直進方向に対して重力の影響
で左右方向に操舵が引っ張られ、その修正のために肉体
的負担が増大する。そうした負担を軽減するため、ロー
ル方向の傾斜に応じたモータ出力制御を実行する。続く
ステップS7では、角速度センサ14の出力値に基づい
て所定の条件下で図8の旋回制御ルーチンにより旋回制
御を実行し、ステップS1へ戻る。
【0036】一方、ステップS2で介助モードがONで
あり、ステップS2からステップS8へ進んだ場合に
は、ステップS8で、図9の平地走行制御ルーチンによ
り介助者の力加減に応じた速度制御を行い、ステップS
9で、図10の登坂制御ルーチンで登坂スイッチ17b
のONを検出したとき、登坂制御を実行する。そして、
ステップS10で、角速度センサ14の出力値に基づい
て所定の条件下で図11の旋回制御ルーチンによる介助
モードでの旋回制御を実行し、ステップS1へ戻る。
【0037】次に、以上の自操モード及び介助モードに
おける個々の制御について、順に説明する。
【0038】先ず、図4に示す自操モードにおける平地
走行制御について説明する。この自操モードの平地走行
制御では、最初のステップS20で、車椅子の始動速度
が平地走行のパワーアシストを開始する設定速度V0以
上になったか否かを調べる。そして、設定速度V0以上
のとき、ステップS21以降へ進んで平地走行のパワー
アシストを実行し、設定車速V0未満のときには、ルー
チンを抜けて設定車速V0に達するまで待機する。
【0039】ステップS21では、ハンドリム6の操作
に伴って出力されるロータリエンコーダ13a,13b
の速度信号の極性から前進か後進かを判断する。そし
て、前進と判断した場合には、ステップS22以降へ進
み、ステップS22〜S30で、パルス幅変調(PW
M)方式による電動モータ19a,19bの出力制御
を、速度V1,V2,V3,Vmax(V1<V2<V
3<Vmax)を基準とした4段階で制御し、ステップ
S35へ進む。
【0040】基準速度V1以下は、机や椅子の林立する
狭い経路をゆっくり走行するような状況を想定した極低
速のモードであり、操舵コントロールが楽に行えるよう
に配慮している。また、速度Vmaxは、安全性を確保
するための速度リミッタであり、このリミッタ以下で車
椅子1の速度が4段階で制御される。
【0041】具体的には、ステップS22で、ロータリ
エンコーダ13a,13bの出力パルス数から算出され
る車椅子1の速度Vが基準速度V1を越えているか否か
を調べ、V≦V1の場合、ステップS23で、基準値A
に左右の速度フィードバックゲインspeedを加算し
た値に基づいて、パルス幅変調(PWM)方式により左
右の電動モータ19a,19bの出力を制御する。
【0042】また、ステップS22で、車椅子1の速度
Vが基準速度V1を越えている場合には、ステップS2
2からステップS24へ進んで車椅子1の速度Vが基準
速度V2を越えているか否かを調べる。そして、V≦V
2の場合、ステップS25で、基準値Bに左右の速度フ
ィードバックゲインspeed*K(但し、Kは係数)
を加算した値に基づいて左右の電動モータ19a,19
bの出力を制御してステップS35へ進み、V>V2の
場合には、ステップS24からステップS26へ進む。
【0043】ステップS26では、車椅子1の速度Vが
基準速度V3を越えているか否かを調べ、V≦V3の場
合、ステップS27で、基準値Cに左右の速度フィード
バックゲインspeed*K(但し、Kは係数)を加算
した値に基づいて左右の電動モータ19a,19bの出
力を制御し、V>V3の場合には、ステップS26から
ステップS28へ進み、車椅子1の速度Vが最大速度で
ある基準速度Vmaxを越えているか否かを調べる。そ
して、V≦Vmaxの場合、ステップS29で、基準値
Dに左右の速度フィードバックゲインspeed*K
(但し、Kは係数)を加算した値に基づいて左右の電動
モータ19a,19bの出力を制御し、V>Vmaxの
場合、ステップS30で電動モータ19a,19bをブ
レーキ制御して減速させる。
【0044】以上の前進走行における速度制御処理の
後、ステップS35へ進み、ハンドリム6に制動力が掛
かったか否かを調べ、また、ステップS36で、ストッ
プスイッチ17aが押されたか否かを調べる。その結
果、ハンドリム6に制動力が掛かった場合、或いはスト
ップスイッチ17aが押された場合、ステップS37
で、電動モータ19a,19bをブレーキ制御してルー
チンを抜け、ハンドリム6に制動力が掛かっておらず、
ストップスイッチ17aも押されていない場合には、そ
のままルーチンを抜ける。
【0045】一方、以上の前進走行制御に対し、ステッ
プS21において、後進と判断された場合には、ステッ
プS21からステップS31以降へ進み、一定速度での
速度制御を行う。すなわち、ステップS31で、電動モ
ータ19a.19bを一定の出力に制御し、ステップS
32で、ストップスイッチ17aが押されたか否かを調
べる。
【0046】そして、ストップスイッチ17aが押され
ている場合には、ステップS32からステップS34へ
進んで、電動モータ19a,19bをブレーキ制御し、
車椅子1を停止させてルーチンを抜ける。また、ストッ
プスイッチ17aが押されていない場合には、ステップ
S32からステップS33へ進み、車椅子1の速度が設
定値より低下したか否かを調べる。
【0047】設定値は、車椅子1の後退時に車椅子1が
僅かに後退する状態で停止と見做すことのできる速度設
定値であり、車椅子1の速度が設定値より下がっていな
い場合には、ステップS31へ戻って電動モータ19
a.19bの一定出力制御を継続し、車椅子1の速度が
設定値より下がった場合、前述のステップS34で電動
モータ19a,19bを停止させてルーチンを抜ける。
【0048】次に、図5に示す自操モードの登坂制御に
ついて説明する。この登坂制御では、先ず、ステップS
40、S41、S42で、登坂制御の条件を満足してい
るか否かを調べる。すなわち、ステップS40で、車椅
子1の走行速度が設定速度値Va以下、且つ前進走行状
態にある条件を満足するか否かを調べ、ステップS41
で、車椅子の傾斜角が登坂傾斜角θ以上である条件を満
足するか否かを調べる。更に、ステップS42で、設定
速度値Va以下の前進走行状態で登坂傾斜角θ以上の条
件を満足している状態を、一定時間tmの間、維持して
いるか否かを調べる。
【0049】その結果、一つでも満足しない条件がある
場合には、車椅子1は登坂傾斜する状態でないと判断し
てルーチンを抜け、各条件を満足するとき、車椅子1が
登坂傾斜状態にあると判断して登坂制御を実行すべくス
テップS43へ進み、PWM制御により電動モータ19
a,19bの出力をアップする。このモータ出力アップ
は、安全性に配慮し、所定の制御マップに従って徐々に
車椅子1の速度を上げるように制御され、また、傾斜角
をパラメータとした出力制御は行わない。
【0050】すなわち、一般に、傾斜センサは、路面の
状況により走行中に出力される信号のSN比が悪く、動
的な状態で正確に傾斜を検出することは困難である。こ
のため、本システムでは、傾斜量に比例した車椅子1の
駆動力制御は行わず、登坂中における最低設定速度と最
高設定速度との範囲内において適宜速度を増減させなが
ら、必要な駆動力及び速度に制御する。
【0051】このため、ステップS43からステップS
44へ進むと、車椅子1の速度Vが目標速度範囲の上限
である設定速度Vpを越えたか否かを調べ、V>Vpの
場合、ステップS45で、電動モータ19a,19bの
出力を低下させて車椅子1を減速させ、ステップS46
で、車椅子1の速度Vが目標速度範囲の下限とする設定
速度Vu以下に下がったか否かを調べる。
【0052】その結果、ステップS46においてV≦V
uとなり、車椅子1の速度が目標範囲の下限を下回った
場合には、ステップS43へ戻ってモータ出力アップを
図り、V>Vuの場合、ステップS47へ進んで、スト
ップスイッチ17aが押されたか否かを調べる。そし
て、ストップスイッチ17aが押されていなければ、ス
テップS47からステップS45へ戻り、ストップスイ
ッチ17aが押された場合には、ステップS47からス
テップS48へ進んで登坂制御を無条件で解除し、電動
モータ19a,19bにブレーキをかけてルーチンを抜
ける。
【0053】ストップスイッチ17aを押した後は、尚
も登坂制御条件を満たす場合、再び登坂制御が実行され
る。また、車椅子1の停止を続ける場合には、ロータリ
エンコーダ13a,13bで後進を検出させるため、僅
かに車椅子1を後退させた後、停止し、その状態を保持
することで可能となる。
【0054】一方、ステップS44において、V≦Vp
であり、車椅子1の速度が目標上限速度以下の場合に
は、ステップS44からステップS49へ進み、登坂中
に路面傾斜が小さくなり、車椅子1の速度Vが速度リミ
ット値である最大速度Vmaxを越えていないか否かを
調べる。そして、V>Vmaxの場合には、ステップS
50でモータ出力を一時的にOFFすることで車椅子1
を減速させてルーチンを抜け、V≦Vmaxの場合、ス
テップS51でストップスイッチ17aが押されたか否
かを調べる。
【0055】そして、ストップスイッチ17aが押され
た場合には、ステップS51からステップS52へ進
み、電動モータ19a,19bにブレーキをかけてルー
チンを抜ける。また、ストップスイッチ17aが押され
ていない場合には、ステップS51からステップS53
へ進み、過大な負荷が掛かって車椅子1の速度が0とな
ったか否かを調べる。その結果、車椅子の速度が0にな
っていない場合には、ステップS43へ戻り、車椅子1
の速度が0になった場合、ルーチンを抜ける。
【0056】次に、図6に示す自操モードの降坂制御ル
ーチンでは、先ず、ステップS60,S61で、降坂制
御の条件、すなわち、傾斜センサ15aの出力値から算
出される降坂傾斜角が規定値を越え、且つ、車椅子1の
走行速度が設定値以下である条件が成立するか否かを調
べ、降坂傾斜角の条件と速度の条件との少なくとも一方
が成立しない場合には、降坂制御を実行せずにルーチン
を抜け、降坂傾斜角の条件及び速度の条件が共に成立す
る場合、ステップS62へ進む。
【0057】ステップS62では、電動モータ19a,
19bに所定の強さでブレーキをかけ、降坂時の車椅子
1の増速を防止する。すなわち、長い下り坂を下る場合
にも、自動的に電動モータ19a,19bをブレーキ制
御するため、機械的なブレーキ等による磨耗を伴わな
ず、効果的に車椅子1の増速を防止することができる。
尚、ストップスイッチ17aを押しても同様の効果が得
られることは言うまでもない。
【0058】続くステップS63では、車椅子1の走行
速度が0になったか否かを調べ、車椅子1の走行速度が
0になった場合、ステップS63からステップS64へ
進んでブレーキを解除し、ルーチンを抜ける。また、車
椅子1の走行速度が0になっていない場合には、ステッ
プS63からステップS65へ進み、車椅子1の走行速
度Vが速度リミット値である上限値Vmaxを越えたか
否かを調べる。そして、V≦Vmaxの場合、ステップ
S62へ戻って電動モータ19a,19bのブレーキ制
御を継続し、V>Vmaxの場合、ステップS65で電
動モータ19a,19bのブレーキ力を増加させ、ルー
チンを抜ける。
【0059】次に、図7に示す自操モードの傾斜面走行
制御について説明する。この傾斜面走行制御では、先
ず、ステップS70,S71で、傾斜面走行制御の条
件、すなわち、傾斜センサ15bの出力値からロール方
向に規定値以上の傾斜が検出され、且つ、その状態が設
定時間(例えば、1秒)以上継続したか否かを調べる。
具体的は、ロール方向の傾斜を4段階に区分し、傾斜セ
ンサ15bの出力値が各区分の傾斜に該当するか否かを
調べる。
【0060】そして、傾斜面走行制御の条件が成立しな
い場合には、ステップS77へジャンプして傾斜面走行
動作を終了し、条件が成立する場合、ステップS72へ
進んで、傾斜上側の駆動輪を駆動する電動モータをブレ
ーキ制御すると共に、傾斜下側の駆動輪を駆動する電動
モータを傾斜量に応じた出力で制御する。すなわち、ロ
ール方向の傾斜によって車椅子が流れようとする方向と
逆に回転力を与えて傾斜面補正を加え、直進に近い状態
での走行を確保する。この場合、モータ出力制御は、具
体的には、4段階の傾斜に応じた4段階の出力制御であ
る。
【0061】次に、ステップS73へ進み、ストップス
イッチ17aが押されたか否かを調べる。そして、スト
ップスイッチ17aが押された場合、ステップS73か
らステップS74へ進んで電動モータにブレーキをか
け、ステップS77で傾斜面走行動作を終了する。ま
た、ストップスイッチ17aが押されていない場合に
は、ステップS73からステップS75へ進み、角速度
センサ14の出力値に基づいて、傾斜面の下がる方向と
反対側に設定値以上のヨーレートが発生したか否かを調
べる。
【0062】そして、設定値以上のヨーレートが発生し
ている場合には、ステップS75からステップS77へ
ジャンプして傾斜面走行動作を終了し、設定値以上のヨ
ーレートが発生していない場合、ステップS75からス
テップS76へ進んで、傾斜センサ15bの出力値から
傾斜が検出されなくなったか否かを調べる。その結果、
依然として傾斜が検出される場合には、ステップS70
へ戻り、傾斜が検出されなくなったとき、ステップS7
7で傾斜面走行動作を終了する。すなわち、車椅子1を
傾斜面の下がる方向と反対側に回転させる力を故意に加
えるか、所定の傾斜量が検出されなくなったとき、この
傾斜面走行制御は終了する。
【0063】次に、図8に示す自操モードの旋回制御に
ついて説明する。この旋回制御は、設定速度以上で車椅
子1を手動操作により旋回させ、設定値以上の角速度を
発生させた場合に実行され、車椅子1の左右斜め旋回、
その場で回転させる芯地旋回のパワーアシストを行う。
【0064】このため、先ず、ステップS80で、角速
度センサ14の出力値から設定値以上の角速度が加わっ
たか否かを調べ、設定値以上の角速度が加わっていない
場合には、旋回制御を実行せずにルーチンを抜け、設定
値以上の角速度が加わった場合、ステップS81へ進ん
で角速度の向きから右への操舵か左への操舵かを判断す
る。
【0065】そして、右への操舵である場合には、ステ
ップS81からステップS82へ進み、車椅子1の速度
が設定値以上か否かを調べる。その結果、車椅子1の速
度が設定値以上で比較的大きい場合には、ステップS8
3以降で右方向への斜め旋回制御を行い、車椅子1の速
度が設定値未満で低速の場合、ステップS86以降で右
方向の芯地旋回制御を行う。
【0066】ステップS83以降の斜め旋回では、ステ
ップS83で、発生角速度が右旋回の設定値ω1以上か
否かを調べる。そして、設定値ω1以上の角速度が発生
していない場合には、ステップS100へジャンプして
左右の電動モータにブレーキをかけてルーチンを抜け、
設定値ω1以上の角速度が発生している場合、ステップ
S84で、右旋回の基軸輪側である右駆動輪の電動モー
タ19bへの出力を0にすると共に左駆動輪の電動モー
タ19aへの出力を設定値に制御し、車椅子1を右旋回
させる。
【0067】そして、ステップS85で、回転方向とは
逆に設定値以上の角速度ωが発生したか否かを調べ、逆
向きの設定値以上の角速度が発生していない場合には、
ステップS84へ戻って右旋回を続け、逆向きの設定値
以上の角速度が発生した場合、ステップS100で左右
の電動モータにブレーキをかけて旋回を中止する。
【0068】また、ステップS86以降の芯地旋回制御
では、ステップS86で、設定値ω2(ω2<ω1)以
上の角速度が発生しているか否かを調べる。そして、発
生角速度<ω2の場合には、ステップS100へジャン
プして左右の電動モータにブレーキをかけて芯地旋回を
行わずにルーチンを抜け、発生角速度≧ω2の場合、ス
テップS87へ進んで、左右の電動モータ19a,19
bを互いに逆回転させて右方向への芯地旋回を行う。
【0069】ステップS87での芯地旋回の後は、ステ
ップS88へ進み、回転方向とは逆に設定値以上の角速
度ωが発生したか否かを調べる。そして、逆向きの設定
値以上の角速度が発生した場合には、ステップS100
で左右の電動モータにブレーキをかけて芯地旋回を中止
し、逆向きの設定値以上の角速度が発生していない場
合、ステップS89へ進んで、芯地旋回により150度
以上回転したか否かを調べる。
【0070】その結果、芯地旋回が150度に達した場
合には、ステップS100で、左右の電動モータにブレ
ーキをかけて芯地旋回を中止し、芯地旋回が150度に
達していない場合、ステップS90で、ストップスイッ
チ17aが押されたか否かを調べる。そして、ストップ
スイッチ17aが押されていない場には、ステップS8
8へ戻り、ストップスイッチ17aが押された場合、同
様に、ステップS100で、左右の電動モータにブレー
キをかけて芯地旋回を中止する。
【0071】一方、ステップS81において、左方向の
操舵と判断された場合には、ステップS81からステッ
プS91へ進み、車椅子1の速度が設定値以上か否かを
調べる。その結果、車椅子1の速度が設定値以上で比較
的大きい場合には、ステップS92以降で左方向への斜
め旋回制御を行い、車椅子1の速度が設定値未満で低速
の場合、ステップS95以降で左方向の芯地旋回制御を
行う。
【0072】ステップS92以降の斜め旋回では、ステ
ップS92で、発生角速度が左旋回の設定値−ω1以下
か否かを調べ、発生角速度が設定値−ω1以下でない場
合には、ステップS100にジャンプして左右の電動モ
ータにブレーキをかけてルーチンを抜け、発生角速度が
設定値−ω1以下の場合、ステップS93で、左旋回の
基軸輪側である左駆動輪の電動モータ19aへの出力を
0とすると共に右駆動輪の電動モータ19bへの出力を
設定値に制御し、車椅子1を左旋回させる。
【0073】次に、ステップS94で、回転方向とは逆
に設定値以下の角速度ωが発生したか否かを調べ、逆向
きの設定値以下の角速度が発生していない場合には、ス
テップS93へ戻って左旋回を続け、逆向きの設定値以
下の角速度が発生した場合、ステップS100で左右の
電動モータにブレーキをかけて旋回を中止する。
【0074】また、ステップS95以降の芯地旋回制御
では、ステップS95で、発生角速度が設定値−ω2以
下か否かを調べる。そして、発生角速度>−ω2の場合
には、ステップS100へジャンプして左右の電動モー
タにブレーキをかけて芯地旋回を行わずにルーチンを抜
け、発生角速度≦−ω2の場合、ステップS96へ進ん
で、左右の電動モータ19a,19bを互いに逆回転さ
せて左方向への芯地旋回を実行する。
【0075】ステップS96での芯地旋回の後は、ステ
ップS97へ進み、回転方向とは逆に設定値以下の角速
度ωが発生したか否かを調べる。そして、逆向きの設定
値以下の角速度が発生した場合には、ステップS100
で左右の電動モータにブレーキをかけて芯地旋回を中止
し、逆向きの設定値以下の角速度が発生していない場
合、ステップS98へ進んで、芯地旋回により150度
以上回転したか否かを調べる。
【0076】その結果、芯地旋回が150度に達した場
合には、ステップS100で、左右の電動モータにブレ
ーキをかけて芯地旋回を中止し、芯地旋回が150度に
達していない場合、ステップS99で、ストップスイッ
チ17aが押されたか否かを調べる。そして、ストップ
スイッチ17aが押されていない場には、ステップS9
7へ戻り、ストップスイッチ17aが押された場合、同
様に、ステップS100で、左右の電動モータにブレー
キをかけて芯地旋回を中止する。
【0077】次に、介助モードの平地走行制御について
説明する。この介助モードの平地走行制御では、図9の
ステップS110で、走行スイッチ17aが押されてい
るか否か、すなわち、介助者が車椅子1のグリップ7と
共に走行スイッチ17aを押して補助駆動装置10のパ
ワーアシストを使用する態勢にあるか否かを調べる。そ
して、走行スイッチ17aが押されていない場合には、
介助モードのパワーアシストを行わずにルーチンを抜
け、走行スイッチ17aが押されている場合、ステップ
S110からステップS111へ進んで、ロータリエン
コーダ13a,13bの出力から進行方向が前が後ろか
を判断する。
【0078】その結果、進行方向が前であると判断した
場合には、ステップS112へ進んで介助者の車椅子1
に対する力加減に応じて電動モータ19a,19bの出
力を制御する。例えば、モータ出力を、車椅子1の車輪
速度*K+Aconst(定数)に従って制御する。そ
して、ステップS113、S114で、車椅子1を停止
させるための介助者の操作の有無を調べる。
【0079】すなわち、ステップS113で、走行スイ
ッチ17aが離されたか否かを調べ、走行スイッチ17
aが離されたときには、ステップS115で電動モータ
19a,19bにブレーキをかけてルーチンを抜ける。
また、走行スイッチ17aが押されていない場合には、
介助者自身の力で車椅子1を減速させ、車椅子1の速度
が設定値を下回ったか否かを調べる。そして、設定値を
下回っていない場合には、ステップS112へ戻ってパ
ワーアシストを継続し、設定値を下回った場合、同じく
ステップS115で電動モータ19a,19bにブレー
キをかけてルーチンを抜ける。
【0080】一方、ステップS111において、進行方
向が後ろであると判断された場合には、ステップS11
1からステップS116へ進み、介助者の力加減に応じ
た速度制御は行わずにモータ出力を一定に制御し、車椅
子1を設定速度で後進させる。そして、ステップS11
7で、走行スイッチ17aが離されたか否かを調べ、走
行スイッチ17aが離された場合、前述のステップS1
15で電動モータ19a,19bにブレーキをかけてル
ーチンを抜け、走行スイッチ17aが離されていない場
合、ステップS118で、車椅子1の速度が設定値以下
になったか否かを調べる。
【0081】その結果、車椅子1の後進の速度が設定値
を下回っていない場合には、ステップS116へ戻って
パワーアシストを継続し、設定値を下回った場合、ステ
ップS119で電動モータ19a,19bを停止させ、
ルーチンを抜ける。すなわち、後進の場合には、車椅子
1を停止させるには、走行スイッチ17aを離すか、或
いは介助者自身の力で車椅子1を停止させる。
【0082】次に、図10に示す介助モードの登坂制御
について説明する。介助モードの登坂制御は、介助者の
スイッチ操作によって実行され、傾斜検出による自動認
識は行わない。
【0083】すなわち、介助モードの登坂制御では、先
ず、ステップS120,S121で、それぞれ、走行ス
イッチ17aが押されているか否か、登坂スイッチ17
bが押されているか否かを調べる。そして、走行スイッ
チ17aと登坂スイッチ17bとの少なくとも一方が押
されていない場合には、登坂制御を実行せずにルーチン
を抜け、両者が共に押されている場合、登坂制御を実行
すべくステップS122へ進み、PWM制御により電動
モータ19a,19bの出力をアップする。
【0084】次いで、ステップS123へ進み、車椅子
1の速度Vが目標速度範囲の上限である設定速度Vpを
越えたか否かを調べ、V>Vpの場合、ステップS12
4で、電動モータ19a,19bの出力を低下させて車
椅子1を減速させ、ステップS125で、車椅子1の速
度Vが目標速度範囲の下限とする設定速度Vu以下に下
がったか否かを調べる。
【0085】その結果、ステップS125においてV≦
Vuとなり、車椅子1の速度が目標範囲の下限を下回っ
た場合には、ステップS122へ戻ってモータ出力アッ
プを図り、V>Vuの場合、ステップS126へ進ん
で、走行スイッチ17aが離されたか否かを調べる。そ
して、走行スイッチ17aが離されていなければ、ステ
ップS126からステップS124へ戻り、走行スイッ
チ17aが離された場合には、ステップS126からス
テップS127へ進んで電動モータ19a,19bにブ
レーキをかけて登坂制御を解除し、ルーチンを抜ける。
【0086】一方、ステップS123において、V≦V
pであり、車椅子1の速度が目標上限速度以下の場合に
は、ステップS123からステップS128へ進み、登
坂中に路面傾斜が小さくなり、車椅子1の速度Vが速度
リミット値である最大速度Vmaxを越えていないか否
かを調べる。そして、V>Vmaxの場合には、ステッ
プS129でモータ出力を一時的にOFFすることで車
椅子1を減速させてルーチンを抜け、V≦Vmaxの場
合、ステップS130で走行スイッチ17aが離された
か否かを調べる。
【0087】そして、走行スイッチ17aが離された場
合には、ステップS130からステップS131へ進
み、電動モータ19a,19bにブレーキをかけてルー
チンを抜ける。また、走行スイッチ17aが離されてい
ない場合には、ステップS130からステップS132
へ進み、過大な負荷が掛かって車椅子1の速度が0とな
ったか否かを調べる。その結果、車椅子の速度が0にな
っていない場合には、ステップS122へ戻り、車椅子
1の速度が0になった場合には、ルーチンを抜ける。
【0088】次に、図11に示す介助モードの旋回制御
について説明する。介助モードの旋回制御は、車椅子1
の速度が設定速度より低い場合に実行され、介助者の旋
回操作により、右旋回の設定値ω1以上、或いは左旋回
の設定値−ω1以下の角速度が発生すると、その方向に
パワーアシストを行う。
【0089】このため、先ず、ステップS140で、車
椅子1の走行速度Vが設定値Vs(例えば、1.5Km
/h)を越えているか否かを調べ、V>Vsの場合に
は、旋回制御を実行せずにルーチンを抜け、V≦Vsの
場合、旋回制御を実行すべく、ステップS141へ進
む。
【0090】ステップS141では、設定値ω1以上の
角速度が発生しているか否かを調べ、設定値ω1以上の
角速度が発生した場合、ステップS142で、左右の電
動モータ19a,19bを互いに逆回転させて車椅子1
を右旋回させる。そして、ステップS143で、発生角
速度が設定値ω1未満となったか否かを調べ、引続き設
定値ω1以上の角速度が発生している場合には、ステッ
プS142へ戻って右旋回を続け、介助者が旋回を中止
すべく旋回方向と逆方向に力を加える等して発生角速度
が設定値ω1未満になると、ステップS147で電動モ
ータ19a,19bへの出力を停止してルーチンを抜け
る。
【0091】一方、ステップS141において、発生角
速度が設定値ω1以上でない場合には、ステップS14
1からステップS142へ進み、発生角速度が設定値−
ω1以下か否かを調べる。そして、発生角速度が設定値
−ω1以下でない場合には、旋回制御を行わずにルーチ
ンを抜け、発生角速度が設定値−ω1以下の場合、ステ
ップS145へ進み、左右の電動モータ19a,19b
を互いに逆回転させて車椅子1を左旋回させる。
【0092】その後、ステップS146へ進み、発生角
速度が設定値−ω1を越えたか否かを調べる。そして、
引続き設定値−ω1以下の角速度が発生している場合に
は、ステップS145へ戻って左旋回を続け、介助者が
旋回を中止すべく旋回方向と逆方向の力を加える等して
発生角速度が設定値−ω1を越えた場合、ステップS1
47で電動モータ19a,19bへの出力を停止してル
ーチンを抜ける。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、切
換スイッチにより動力アシストの制御モードを容易に切
換えることができ、車椅子の着座者及び介助者の双方の
利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】補助駆動装置を取付けた車椅子の概略側面図
【図2】補助動力制御システムの構成図
【図3】全体制御ルーチンのフローチャート
【図4】自操モードにおける平地走行制御ルーチンのフ
ローチャート
【図5】自操モードにおける登坂制御ルーチンのフロー
チャート
【図6】自操モードにおける降坂制御ルーチンのフロー
チャート
【図7】自操モードにおける傾斜面走行制御ルーチンの
フローチャート
【図8】自操モードにおける旋回制御ルーチンのフロー
チャート
【図9】介助モードにおける平地走行制御ルーチンのフ
ローチャート
【図10】介助モードにおける登坂制御ルーチンのフロ
ーチャート
【図11】介助モードにおける旋回制御ルーチンのフロ
ーチャート
【符号の説明】
1 車椅子 2 手動車椅子本体 6 ハンドリム 10 補助駆動装置 16 制御モード切換スイッチ 17 手元操作スイッチユニット 17a ストップ/走行スイッチ 17b 登坂スイッチ 20 コントローラ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車椅子に着脱自在に結合される補助駆動
    装置の動力アシスト制御を行う車椅子の補助動力制御装
    置であって、 切換スイッチからの信号に応じ、上記車椅子の着座者自
    身の操作による第1の動力アシストモードと、介助者の
    操作による第2の動力アシストモードとを選択的に実行
    する手段を備えたことを特徴とする車椅子の補助動力制
    御装置。
  2. 【請求項2】 上記車椅子の任意の位置に着脱自在に固
    定され、上記第1の動力アシストモードでは停止を指示
    するストップスイッチとして機能する一方、上記第2の
    動力アシストモードでは走行を指示する走行スイッチと
    して機能する操作スイッチを備えたことを特徴とする請
    求項1記載の車椅子の補助動力制御装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の動力アシストモードでは、上
    記車椅子のハンドリムの操作に伴う上記補助駆動装置の
    駆動輪の回転を検出して前進・後進を判断することを特
    徴とする請求項1又は2記載の車椅子の補助動力制御装
    置。
  4. 【請求項4】 上記第1の動力アシストモードでは、傾
    斜センサにより閾値以上の路面傾斜を検出したか否かに
    より、平地走行、登坂走行、降坂走行を判断して動力ア
    シストを行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一
    に記載の車椅子の補助動力制御装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の動力アシストモードでは、上
    記車椅子のハンドリムの操作に伴って設定値以上の旋回
    角速度が発生したとき、上記車椅子の旋回に対する動力
    アシストを行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか
    一に記載の車椅子の補助動力制御装置。
  6. 【請求項6】 上記平地走行の動力アシスト制御を、前
    進方向では上記車椅子の速度レベルに応じて段階的に行
    う一方、後進方向では一定速度で行うことを特徴とする
    請求項4記載の車椅子の補助動力制御装置。
  7. 【請求項7】 路面傾斜を複数段階に区分し、各段階の
    傾斜に対応して上記登坂走行の動力アシスト制御を行う
    ことを特徴とする請求項4記載の車椅子の補助動力制御
    装置。
  8. 【請求項8】 設定値を越える降坂傾斜角が検出された
    とき、ブレーキ制御により上記降坂制御を行うことを特
    徴とする請求項4記載の車椅子の補助動力制御装置。
  9. 【請求項9】 上記車椅子の旋回に対する動力アシスト
    を、旋回基軸側の駆動力を停止して反対側の駆動力を設
    定出力制御する斜め旋回制御、或いは左右の駆動輪を互
    いに逆回転させる芯地旋回制御によって行うことを特徴
    とする請求項5記載の車椅子の補助動力制御装置。
  10. 【請求項10】 上記第2の動力アシストモードは、上
    記操作スイッチをオン状態に維持するときのみ有効とな
    ることを特徴とする請求項2記載の車椅子の補助動力制
    御装置。
  11. 【請求項11】 上記第2の動力アシストモードでは、
    平地走行の前進方向で介助者の力加減に応じた速度制御
    を行う一方、後進方向では一定速度制御を行うことを特
    徴とする請求項10記載の車椅子の補助動力制御装置。
  12. 【請求項12】 上記第2の動力アシストモードでは、
    上記操作スイッチと登坂スイッチとを共にオン状態に維
    持するとき、登坂走行の動力アシストを行うことを特徴
    とする請求項10記載の車椅子の補助動力制御装置。
  13. 【請求項13】 上記第2の動力アシストモードでは、
    介助者の操作に伴い設定値以上の旋回角速度が発生した
    とき、上記車椅子の旋回に対する動力アシストを行うこ
    とを特徴とする請求項10記載の車椅子の補助動力制御
    装置。
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