JP2000152961A - 自力走行機能付き車椅子 - Google Patents

自力走行機能付き車椅子

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JP2000152961A
JP2000152961A JP10332114A JP33211498A JP2000152961A JP 2000152961 A JP2000152961 A JP 2000152961A JP 10332114 A JP10332114 A JP 10332114A JP 33211498 A JP33211498 A JP 33211498A JP 2000152961 A JP2000152961 A JP 2000152961A
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self
driving
wheel
electric drive
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Zene Nakamura
善衛 中村
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Original Assignee
NAKAMURA DENSHI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走る、曲がる、止まるという基本的な操作
を、簡易な機構で安全に、車椅子使用者自身の意志で、
あるいは介護者の意志で容易に行なうことのでき、また
重量が軽く、従来の車椅子に容易に取り付けることがで
きる。 【解決手段】 駆動輪1を備えた電動式駆動装置22
と、制御盤および操作盤を備えて上記駆動装置を制御す
る制御装置と、走行方向を自在に操舵することができる
操舵装置16とを備えてなる自力走行機能付き車椅子で
あって、上記操舵装置はキャスタ輪17の車軸方向を自
在に操作することができる手段である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車椅子に関し、特に
車椅子使用者が自己の意志で自由に走行することができ
る自力走行機能付き車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】車椅子は、高齢者、歩行困難な身体障害
者や病人等の車椅子使用者が介護者の助けをかりて移動
するための有効な道具である。しかし、従来の車椅子
は、ハンドリムが取り付けられた車輪が車椅子の両側に
設けられ、車椅子使用者が、このハンドリムを操作して
移動するか、あるいは介護者が車椅子の背面に取り付け
られた介護者用ハンドルを操作して移動するかであり、
車椅子使用者または介護者の負担は大きいものであっ
た。一方、このような車椅子は、介護者が運転操作を行
なうことを前提に設計されているが、高齢者等、車椅子
を使用する多くの人は、公園内や近所の周囲など、僅か
な空間領域内でも自己の意志で自由に車椅子による走行
移動することを望んでいる。このため、電動式車椅子が
知られているが、電動式車椅子は、重さが重いので介護
者等が持ち運びできない、容易に分解ができないので遠
方に輸送することができない、高価であるなどの問題が
あった。近年、動力補助機を配設したままで折り畳み可
能な動力補助機能付き車椅子が開示されている(特開平
10-127700号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、動力補
助機能付き車椅子は車椅子使用者が自己の意志で自由に
走行することは困難であった。特に、自由走行に不可欠
とされている走る、曲がる、止まるという基本的な操作
を、簡易な機構で安全に車椅子使用者自身の意志で実現
することが困難である。例えば、操舵および走行指示を
するものとしてジョイスティックが考えられるが、直接
的な操舵感覚に乏しく、また制御を含めて高価であると
いう問題がある。さらに、動力補助機能付き車椅子は重
量が重く、リフトなどがついた専用の車でないと運搬で
きないという問題がある。
【0004】さらに、ハンドリムが取り付けられた二つ
の車輪に別々の駆動装置を設け、それぞれの駆動軸の回
転数を変えることで曲がるようにした場合、左右の回転
速度を制御しなければならず装置が複雑となり、また車
椅子との着脱が困難であるという問題がある。
【0005】また、動力補助機能付車椅子であっても、
介護者が運転することを主目的にした車椅子は、操舵機
能がなく自走ができないという問題がある。この場合、
さらに、簡単な切替え手段により動力補助機能なしで介
護者が車椅子を運転することが困難であるという問題が
ある。
【0006】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、走る、曲がる、止まるという基本的
な操作を、簡易な機構で安全に、車椅子使用者自身の意
志で、あるいは介護者の意志で容易に行なうことがで
き、また重量が軽く、従来の車椅子から容易に改良でき
る自力走行機能付き車椅子を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
駆動輪を備えた電動式駆動装置と、制御盤および操作盤
を備えて上記駆動装置を制御する制御装置と、走行方向
を自在に操舵することができる操舵装置とを備えてなる
自力走行機能付き車椅子であって、上記操舵装置はキャ
スタ輪の車軸方向を自在に操作することができる手段で
あることを特徴とする。キャスタ輪の車軸方向を自在に
操作することができる手段を備えることにより、車椅子
使用者自身の意志で車軸方向を変更することができる。
その結果、車椅子の方向を任意に操作することができ
る。
【0008】請求項2に係る発明は、さらに前記駆動輪
の駆動開始および停止を指示する手段を操舵装置内に少
なくとも具備してなることを特徴とする。車椅子の方向
を任意に操作することができると同時に、車椅子使用者
自身の意志で車椅子を発進させて走り、曲がり、停止さ
せることが操舵装置の操作で行なうことができる。
【0009】請求項3に係る発明は、上記電動式駆動装
置と、上記制御盤とがユニット化されて車椅子の下部空
間に着脱自在に配設され、上記操作盤が上記車椅子の前
部または後部に着脱自在に配設されてなることを特徴と
する。ユニット化された電動式駆動装置と制御盤とが市
販の車椅子の下部空間に着脱自在に配設されることによ
り、本発明は、市販の車椅子を自力走行機能付き車椅子
に容易に変更することができる。また、制御装置の操作
盤を車椅子の前部または後部に着脱自在に配設すること
により、操作盤の配設場所の切替えが容易であり、車椅
子使用者または介護者のいずれもが必要に応じて操作で
きる。
【0010】請求項4に係る発明は、上記電動式駆動装
置が上記車椅子の下部空間に配設される駆動輪と、この
駆動輪の後方に位置する補助輪とを備えてなることを特
徴とする。車椅子の下部空間に駆動輪をハンドリムが取
り付けられた二つの車輪とは別に設けることにより駆動
機構が簡単になり、また補助輪を備えることにより自力
走行時、特に上り坂走行時の安全性が向上する。
【0011】請求項5に係る発明は、上記電動式駆動装
置が、駆動輪を地表方向に付勢できるばね材と、駆動輪
を地表に離接自在に操作できる切替え手段とを備えてな
ることを特徴とする。切替え手段により、ワンタッチで
駆動輪を地表に付勢力を有して接地させ、あるいは駆動
輪を地表から離すことができるので、自力走行機能付き
車椅子と通常の車椅子との切替えが容易となる。
【0012】請求項6に係る発明は、上記制御装置がパ
ルス制御を用いて駆動輪の駆動開始および停止をそれぞ
れ制御する手段であることを特徴とする。電気的なパル
ス制御を用いて駆動を制御することにより、機械的な付
加機構を設けることなく駆動輪の急発進、急停車を防ぐ
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1および
図2により説明する。図1はJIS規格に基づいて作製
された車椅子を本発明の自力走行機能付き車椅子に改良
した側面図で、図2は背面図である。JIS規格に基づ
いて作製された車椅子1は、パイプ材による左右両側の
フレームおよびそれらを連結する部材で枠組みが形成さ
れている。まず、垂直な前枠フレーム2と後枠フレーム
3とが、水平な上枠フレーム4と下枠フレーム5とによ
り連結されて左右両側の略四角形のフレームを形成して
いる。下枠フレーム5は、車椅子が段差を乗り越えると
き、介護者が足をかけられる等の便宜のため、後方にフ
レーム先端が突出している。
【0014】略四角形の左右フレームは車椅子1の両側
に位置しており、相互間を広げたり狭めたりすることの
できるようにX字状の連結部材6により連結されてい
る。また、左右両側の略四角形のフレームの中間にそれ
ぞれ水平な中枠フレーム8が固定され、それら中枠フレ
ーム8の先端には、前枠フレーム2より前方・斜め下向
きに突出するとともにその先端にそれぞれ足掛け部9が
形成されている。また、両側の中枠フレーム8間に座席
シート10が、上部後枠フレーム3間に背もたれシート
11がそれぞれ懸け渡されている。また、下部後枠フレ
ーム3には、直径の大きな車輪12が回転自在に取り付
けられている。これらの車輪12の外側には、その車輪
12の外径より僅かに小さな外径の輪体状のハンドリム
13が固定されている。後枠フレーム3の上端には、上
方に延びてから後方に突出する介護者用ハンドル14が
設けられ、水平な上枠4には肘掛部7が設けられてい
る。なお、15は中枠フレーム8に取り付けられている
手動のブレーキである。
【0015】本発明の自力走行機能付き車椅子1は、さ
らに操舵装置16が設けられている。操舵装置16は、
少なくとも一方の前枠フレーム2の下部前方に設けられ
ている直径の小さなキャスタ輪17と、このキャスタ輪
17の車軸方向を自在に操作することができるクランク
式の操作ハンドル18と、操作ハンドル18の動きをキ
ャスタ輪17に伝える操作フレーム19とから構成され
る。操作フレーム19は一端が前枠フレーム2に固定さ
れているボス部20に回動自在に軸支されている。ま
た、キャスタ輪17のキャスタ部21は操作フレーム1
9に固定されており、操作ハンドル18を右または左に
回動操作することにより、キャスタ輪17の車軸方向を
変更することができる。
【0016】操舵装置16は、片側のキャスタ輪17に
付けることが好ましい。片側のみで自走時に左右方向へ
車椅子を曲げる操舵ができる。また、操作ハンドル18
に走行開始および停止スイッチ(以下走行スイッチと略
称する)21を設けた場合に操作フレーム19内に電気
配線などを収納するが、その配線部分がフレーム部分に
巻きつくのを防止するため、操作フレーム19は右また
は左に 360度以上の回動を防ぐ回動止めを設けることが
好ましい。
【0017】操作ハンドル18は、車椅子使用者が自己
の意志で操作することができるように、駆動輪の駆動開
始および停止を指示する手段、例えば押しボタン式の走
行スイッチ21を少なくとも具備する。駆動輪の駆動開
始および停止を指示する手段は操作盤の一部を構成す
る。また、操作ハンドル18には、駆動輪の前進または
後退を指示するスイッチ等を設けることができるが、押
しボタン式の走行スイッチ21のみを設け、他の操作は
後述する操作盤にて行なうことが安全上好ましい。
【0018】自力走行機能付き車椅子1は、さらに電動
式駆動装置および制御盤がユニット化されて、車椅子の
下部空間に着脱自在に配設される。ユニット化された電
動式駆動装置および制御盤について図3および図4によ
り説明する。図3はその平面図であり、図4は車椅子裏
面からみた図である。電動式駆動装置22は、駆動輪部
と、この駆動輪部の後方に位置する補助輪30とから構
成され、駆動輪部は、駆動輪23と、この駆動輪23に
駆動力を伝達する直流モータ24および減速機25と、
電源であるバッテリー26と、これらを車椅子の下部空
間に着脱自在に取り付けるための取り付け具27と、駆
動輪23の地表への付勢力を調節するばね材28および
地表への離接を操作する切替え手段29とから構成され
ている。また、取り付け具27は、図3視上で略長方形
に形成され、図4視上で両端に下枠フレーム5の先端突
出部に嵌合することができる断面円状のホルダー31お
よび嵌合後に電動式駆動装置22を固定するための止め
具32が形成されている。止め具32は、電動式駆動装
置22を嵌合後に後枠フレーム3の内側に突出して、あ
るいは後枠フレーム3を挟んで接触固定できる形状に形
成されている。また、取り付け具27に制御盤33が固
定されている。
【0019】駆動輪23は、取り付け具27の下部に設
けられた図4視上でコの字型に形成されたブラケット2
7aのボス部に軸支されている。ブラケット27aの片
側に駆動輪23の車軸に連結して減速機25が、さらに
減速機25に連結して直流モータ24が取り付けられ、
他の片側にバッテリー26が取り付けられている。ブラ
ケット27aの両側にこれらを配設して駆動輪23から
の位置を調節することにより、電動式駆動装置22全体
の平衡をとることができる。駆動輪23は二輪車であっ
てもよいが、簡易な機構となり小型化ができることから
一輪車であることが好ましい。
【0020】駆動輪23を地表に離接自在に操作できる
切替え手段29の作用について図4を参照して説明す
る。まず、駆動輪23を地表方向に付勢するために、ブ
ラケット27aの上部に内シリンダ27bが、この内シ
リンダ27bに摺動して外シリンダ27cが取り付け具
27に固定され、内シリンダ27b内にばね材28が収
容されている。電動式駆動装置22が車椅子1に取り付
け固定されている場合、切替え手段29を図面にて左方
向(A方向)に切替えると、駆動輪23が車輪12の接
地面より上昇し地表より浮くことになる。この状態にお
いては、電動式駆動装置22が作用しないで通常の車椅
子として使用できる。
【0021】次に切替え手段29を図面にて右方向(B
方向)に切替えると、駆動輪23が接地して車輪12が
無搭乗者状態で地表より浮くことになる。この状態で車
椅子使用者が車椅子に乗ると、ばね材28が圧縮されて
車輪12が地表に接地する。地表に接地した車輪12
は、ばね材28の付勢力により、車椅子使用者の体重に
依存することなく、駆動輪23に一定の接地力を与える
ことができる。また、体重が重い人の場合であっても荷
重は車輪12によって支えられるため、駆動輪23には
過度の荷重がかからないので、電動式駆動装置22の耐
久性が向上する。また、駆動輪23の接地力は、ばね材
28の付勢力を調節することにより調整することがで
き、路面状態に応じて安定した駆動力を得ることができ
る。緊急時においては、後述する制御回路により簡単に
駆動を停止することができ、また切替え手段29による
ワンタッチのレバー操作で駆動輪23の地表への離接を
容易に操作できる。特に地表への離接操作は、図4に示
す、ワンタッチのレバー操作が、常に一定の接地力を得
ることができるので好ましい。
【0022】電動式駆動装置22の車椅子1への取り付
け方法を図5により説明する。図5は取り付け方法を示
す斜視図である。制御盤33が搭載された電動式駆動装
置22を車椅子1に取り付ける場合、取り付け具27の
両端に形成されているホルダー31を下枠フレーム5の
先端突出部5aに嵌合することによりなされる。なお、
取り付け具27は両端距離の長さをビス止めなどにより
調整できる。嵌合後に止め具32を後枠フレーム3に係
合させることにより電動式駆動装置22が車椅子1に固
定される。また、後枠フレーム3と止め具32との係合
を外し、下枠フレーム5の先端突出部5aより引き抜く
ことにより、電動式駆動装置22を車椅子1より取り外
すことができる。
【0023】電動式駆動装置22の後方に設けられてい
る補助輪30について説明する。補助輪30は、図5に
示すように、駆動輪23の後方に左右一対設ける。補助
輪30の接地面からの高さは駆動輪23の軸心の高さ程
度であることが好ましい。補助輪30の接地面からの高
さが低すぎると、高い段差などを乗り越えられず、ま
た、高すぎると安全性を維持できない場合がある。補助
輪30は、自力走行機能付き車椅子を車椅子使用者自身
が運転する場合の安全性を考慮して設けられたものであ
る。従来の車椅子は、介護者が運転することを前提にし
て、車椅子使用者の体重がほとんど車輪12にかかるよ
うに設計されている。このため、この車椅子を自力走行
機能付き車椅子に改良すると、車椅子使用者が自力走行
時に、後方に重心を移した場合、道路から歩道へ上がる
ときなどの急な上り坂になる場合、後方に転倒する場合
が生じるおそれがあるが、補助輪30を設けることによ
り、自力走行機能付き車椅子の安定性が向上する。
【0024】制御装置について説明する。本発明におけ
る制御装置は、制御盤31と操作盤と必要な配線部33
とから構成され、さらに操作盤は、操作ハンドル18に
設けられた走行スイッチ21と操作ボックス32とから
構成されている。具体的な配線状態を図6に、操作ボッ
クス内での主要配線図を図7に示す。まず、制御盤31
から所定の長さのケーブル33aで電気的に接続された
操作ボックス32が介護者用ハンドル14の一方に着脱
自在に取り付けられる。この操作ボックス32は、必要
に応じて介護者用ハンドル14から取り外して肘掛部7
の先端に着脱自在に取り付けることができる。すなわ
ち、操作ボックス32は介護者用ハンドル14または肘
掛部7の先端のいずれかに取り付けられる。
【0025】操作ボックス32には、主電源スイッチ、
走行スイッチ、前進・後退スイッチ、速度切替えスイッ
チおよび表示灯等が設けられる。主電源スイッチは乗降
の可否を設定するためのスイッチであり、走行スイッチ
は走行開始および停止を設定するためのスイッチであ
る。スイッチ類は、車椅子使用者が着座したときに手元
に配置されていることが望ましいが、乗降時に操作スイ
ッチ類に触れて車椅子が動きだすおそれがある。このよ
うな危険性を防止するために、操作ボックス32のスイ
ッチ類とは別に電動式駆動装置22内に駆動ユニットの
電源スイッチを設ける。
【0026】また、操作ボックス32に接続端子32a
が設けられ、この接続端子32aは操作ボックス32を
肘掛部7の先端に取り付けた場合にのみ、操作ハンドル
18に設けられた走行スイッチ21からのケーブル33
bの端子が接続できるようにする。すなわち、走行スイ
ッチ21からのケーブル33bの長さを肘掛部7の先端
までの長さに調節しておく。また、操作ボックス32に
操作ハンドル18のケーブルを接続した場合にあって
も、操作ボックス32に設けられる走行スイッチの接続
は有効としている。すなわち、図7に示すように、操作
ボックス32に設けられる走行スイッチと操作ハンドル
18に設けられる走行スイッチ21とは並列に接続され
ている。
【0027】上記配線系統とすることにより、車椅子の
運転が以下のようになり、安全性が向上する。イ)車椅
子使用者が自己の意志で運転する場合、操作ボックス3
2を肘掛部7の先端に取り付けることにより、操作ハン
ドル18を操作して運転できる、また操作ボックス32
でも運転できる、ロ)介護者が運転する場合、操作ボッ
クス32を介護者用ハンドル14に付替えることによ
り、走行スイッチ21からのケーブル33bの長さが足
りないので、走行スイッチ21からのケーブル33bの
端子が操作ボックス端子32aに届かなくなる。このた
め、車椅子の運転操作を介護者のみができるようにな
る。
【0028】制御盤31内における制御ブロックダイア
グラムを図8〜図10に示す。図8は発進操作時、図9
は停止操作時、図10は下り坂を走行時での制御ブロッ
クダイアグラムおよび電流波形をそれぞれ示す。図8〜
図10において、SW1〜SW4はスイッチング素子をD
1〜D4はダイオードを、Mはモータをそれぞれ表す。発
進操作時を示す図8において、SW1は常にオンの状態
として、SW4がパルス制御される。SW4がオンのとき
に流れる電流を実線で、オフのときに流れる電流を破線
で示す。また、電流波形に示すように、SW4オン時の
モータに流れる電流値がパルス制御により徐々に持続す
るようになる。その結果、走行スイッチ21または操作
ボックス32の電源スイッチオンにより車椅子は急発進
することなく徐々に発進できる。
【0029】停止操作時を示す図9において、完全に停
止した状態ではSW2およびSW4が常にオンとなり、停
止するまでSW2およびSW4がパルス制御される。SW
2およびSW4がオフのときに流れる電流を実線で、オン
のときに流れる電流を破線で示す。また、電流波形に示
すように、SW2およびSW4オン時のモータに流れる電
流値がパルス制御により断続的に徐々に減少するように
なる。その結果、走行スイッチ21または操作ボックス
32の電源スイッチオフにより車椅子は急停止すること
なく徐々に停止できる。以上、パルス制御により、複雑
な機械的装置を付加することなく、発進・停止が徐々に
なされるので、車椅子使用者にかかる発進および停止時
のショックを抑えることができる。
【0030】また、下り坂を走行時には、図10におい
て、SW1およびSW4が常にオンとなり、電流値が実線
で示す方向に流れる。その結果、モータMが発電機とな
り、バッテリーの充電と、外力への制動が可能となり、
省エネルギーおよび下り坂走行時の速度上昇を抑えるこ
とができる。発電制動は、車椅子を完全に停止させるた
めの制動力はないが、法定の坂道勾配範囲以下では、モ
ータを含めた駆動系の静止摩擦力で停止させることがで
きる。また坂道の勾配が大きくて、車椅子が動きだした
場合であっても、発電制動が機能しているため、加速が
つくことはなく、手動のブレーキ15で停止が可能とな
る。
【0031】自力走行機能付き車椅子の操作方法につい
て説明する。まず、高齢者、歩行困難な身体障害者や病
人等の車椅子使用者自身が操作する場合について説明す
る。 イ)電動式駆動装置22に設けられている電源スイッチ
をオフに、操作ボックス32の主電源スイッチをオフに
する。 ロ)駆動輪23が接地状態となっていることを確認す
る。 ハ)車椅子に設けられている手動のブレーキ15がかか
っていることを確認する。 ニ)操作ボックス32を肘掛部7の先端に取り付け、接
続端子32aに走行スイッチ21からのケーブル33b
の端子を接続する。 ホ)操作ボックス32等に接触しないようにして、車椅
子使用者が車椅子に乗り込む。 ヘ)電動式駆動装置22に設けられている電源スイッチ
を介護者等によりオンにしてから、車椅子使用者が操作
ボックス32の主電源スイッチをオンにする。 ト)手動のブレーキ15を開放する。 チ)操作ハンドル18を握り、操作ハンドルに設けられ
ている走行スイッチ21を押す。走行スイッチ21を押
し続けることにより車椅子が発進し、徐々に速度を上げ
所定の一定速度になる。また操作ハンドル18を操作す
ることにより任意の方向に曲がることができる。 リ)停止する場合は、操作ハンドル18を握ったまま、
走行スイッチ21を開放する。完全に停止したら手動の
ブレーキ15をかける。
【0032】介護者が高齢者等を乗せて車椅子を運転す
る場合について説明する。車椅子のスイッチ類の設定、
確認については、上記イ)〜ハ)までは同様に行なう。
次に、走行スイッチ21からのケーブル33bの端子を
抜き取り、操作ボックス32を肘掛部7の先端から介護
者用ハンドル14に付替える。車椅子使用者が車椅子に
乗り込んだ後、電動式駆動装置22に設けられている電
源スイッチを介護者によりオンにして、手動のブレーキ
15を開放する。この状態で、介護者は介護者用ハンド
ル14を握りながら操作できる。また、手元の操作ボッ
クス32を操作して電動運転を行なうことができる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、自力走行機能付き車椅子の操
舵装置をキャスタ輪とし、その車軸方向を自在に操作す
ることができる手段を設けたので、車椅子使用者自身の
意志で車軸方向を変更することができ、車椅子の方向を
任意に操作することができる。その結果、車椅子使用者
の行動範囲が拡がる。
【0034】また、駆動輪の駆動開始および停止を指示
する手段を操舵装置内に具備するので、車椅子使用者自
身の意志で車椅子を発進させて走り、曲がり、停止させ
ることが操舵装置の操作で行なうことができ、車椅子使
用者の行動範囲がより拡がるとともに、一人で行動した
いときなどのプライバシーの保護に寄与する。
【0035】また、電動式駆動装置と、制御盤とがユニ
ット化されて車椅子の下部空間に着脱自在に配設され、
操作盤が車椅子の前部または後部に着脱自在に配設され
てなるので、従来の車椅子を無駄にすることなく自力走
行機能付き車椅子に容易に改良することができる。ま
た、制御装置の操作盤を車椅子の前部または後部に着脱
自在に配設することにより、操作盤の配設場所の切替え
が容易であり、車椅子使用者または介護者のいずれもが
必要に応じて操作できる。
【0036】また、電動式駆動装置が車椅子の下部空間
に配設される駆動輪と、この駆動輪の後方に位置する補
助輪とを備えてなるので、駆動機構が簡単になり、また
補助輪を備えることにより自力走行時の安全性がより向
上する。
【0037】また、電動式駆動装置が、駆動輪を地表方
向に付勢できるばね材と、駆動輪を地表に離接自在に操
作できる切替え手段とを備えてなるので、自力走行機能
付き車椅子と通常の車椅子との切替えが容易となる。ま
た、体重の如何にかかわらず、一定の接地力を得ること
ができる。その結果、自力走行がより安定する。
【0038】また、制御装置がパルス制御を用いて駆動
輪の駆動開始および停止をそれぞれ制御する手段である
ので、駆動輪の急発進、急停車および坂道での加速を防
ぐことができ安全性がより向上する。また、小型軽量と
することができ、分解して持ち運びが容易となり、乗用
車などとの併用により、車椅子での行動範囲がより拡が
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】自力走行機能付き車椅子の側面図である。
【図2】自力走行機能付き車椅子の背面図である。
【図3】電動式駆動装置および制御盤の平面図である。
【図4】電動式駆動装置および制御盤を車椅子裏面から
みた図である。
【図5】電動式駆動装置の取り付け方法を示す斜視図で
ある。
【図6】配線状態を示す図である。
【図7】操作ボックス内での主要配線図である。
【図8】発進操作時の制御ブロックダイアグラム図であ
る。
【図9】停止操作時の制御ブロックダイアグラム図であ
る。
【図10】下り坂を走行時での制御ブロックダイアグラ
ムである。
【符号の説明】
1 車椅子 2 前枠フレーム 3 後枠フレーム 4 上枠フレーム 5 下枠フレーム 6 連結部材 7 肘掛部 8 中枠フレーム 9 足掛け部 10 座席シート 11 背もたれシート 12 車輪 13 ハンドリム 14 介護者用ハンドル 15 手動のブレーキ 16 操舵装置 17 キャスタ輪 18 操作ハンドル 19 操作フレーム 20 ボス部 21 走行開始および停止スイッチ 22 電動式駆動装置 23 駆動輪 24 直流モータ 25 減速機 26 バッテリー 27 取り付け具 28 ばね材 29 切替え手段 30 補助輪 31 制御盤 32 操作ボックス 33 配線部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪を備えた電動式駆動装置と、制御
    盤および操作盤を備えて前記駆動装置を制御する制御装
    置と、走行方向を自在に操舵することができる操舵装置
    とを備えてなる自力走行機能付き車椅子であって、前記
    操舵装置はキャスタ輪の車軸方向を自在に操作すること
    ができる手段であることを特徴とする自力走行機能付き
    車椅子。
  2. 【請求項2】 前記操舵装置は、さらに前記駆動輪の駆
    動開始および停止を指示する手段を少なくとも具備して
    なることを特徴とする請求項1記載の自力走行機能付き
    車椅子。
  3. 【請求項3】 前記電動式駆動装置と、前記制御盤とが
    ユニット化されて車椅子の下部空間に着脱自在に配設さ
    れ、前記操作盤が前記車椅子の前部または後部に着脱自
    在に配設されてなることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の自力走行機能付き車椅子。
  4. 【請求項4】 前記電動式駆動装置が前記車椅子の下部
    空間に配設される駆動輪と、この駆動輪の後方に位置す
    る補助輪とを備えてなることを特徴とする請求項1、請
    求項2または請求項3記載の自力走行機能付き車椅子。
  5. 【請求項5】 前記電動式駆動装置が、前記駆動輪を地
    表方向に付勢できるばね材と、前記駆動輪を地表に離接
    自在に操作できる切替え手段とを備えてなることを特徴
    とする請求項4記載の自力走行機能付き車椅子。
  6. 【請求項6】 前記制御装置がパルス制御を用いて前記
    駆動輪の駆動開始および停止をそれぞれ制御する手段で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれ
    か一項記載の自力走行機能付き車椅子。
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