JP2898472B2 - 疲労特性の優れたばね用鋼及びばね用鋼線並びにばね - Google Patents

疲労特性の優れたばね用鋼及びばね用鋼線並びにばね

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JP2898472B2
JP2898472B2 JP4160225A JP16022592A JP2898472B2 JP 2898472 B2 JP2898472 B2 JP 2898472B2 JP 4160225 A JP4160225 A JP 4160225A JP 16022592 A JP16022592 A JP 16022592A JP 2898472 B2 JP2898472 B2 JP 2898472B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、疲労特性の優れたばね
用鋼および同鋼を用いて製造した高強度のばね用鋼線並
びにばねに関し、このばねは、極めて高い疲労強度が要
求される自動車用エンジンの弁ばねやクラッチばね、ブ
レーキばね等として有用である。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車の軽量化や高出力化の要請
が高まってくるにつれてエンジンやサスペンション等に
使用される弁ばねや懸架ばね等のばねにおいても高応力
設計が指向されている。そのためこれらのばねには、負
荷応力の増大に対応するため、耐疲労性や耐へたり性に
優れたものが強く望まれている。とりわけ弁ばねについ
ての疲労強度増大の要請は非常に強く、従来鋼の中でも
疲労強度の優れたものとされているSWOSC−V(J
IS G 3566)でも対応が困難になってきてい
る。
【0003】疲労強度の向上に、素材の高強度化、非金
属介在物の微細化およびばね表層部の強化等が有効であ
ることは良く知られており、例えば合金元素の添加によ
り高強度化を図った鋼(例えば特開昭63−21695
1号公報)や、高強度化に加えて介在物の微細化を図っ
た鋼(例えば特開昭62−107044号公報)等が提
案されている。またばねについては、例えば表面近傍の
最大残留応力等を規定した高強度ばね(例えば特開昭6
4−83644号公報)等が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般にばねの疲労破壊
は、表面を起点とする場合と介在物等の内部欠陥を起点
とする場合に大別される。ばね素材を高強度化すること
は表面からの疲労破壊を抑制し、疲労強度を高めるうえ
で有効であるが、反面強度を上げると介在物等の欠陥に
対する感受性が増大し、この欠陥を起点とした破壊が生
じ易くなる。従って鋼を高強度化するだけでは疲労強度
の向上に限界がある。
【0005】そこで高強度で且つ優れた疲労強度を得る
ための手段として、介在物の微細化が要求される様にな
り、様々の研究が進められている。例えば酸化物系介在
物を低融点で延性のある組成に制御し、線材圧延等の熱
間加工により延伸することによって介在物を微細化する
ことが試みられており、適正な酸化物系介在物の組成と
しては、例えば先に示した特開昭62−107044号
公報では、Al23:20%以下,MnO:10〜8
0%,SiO2 :20〜60%,MgO:15%以下,
CaO:50%以下の要件を満たすものが開示されてい
る。
【0006】しかしこれらの組成の酸化物系介在物の中
には、非常に高融点で硬質のものも含まれており、この
様な高融点で硬質の酸化物系介在物は、圧延等の加工に
よって十分に微細化することができず、期待されるほど
の疲労特性改善効果は得られない。
【0007】また、本発明者らが確認したところによる
と、酸化物系介在物がある程度微細化されてくるにつれ
て、これまで殆ど問題とされなかった炭化物系窒化物
および炭窒化物系の析出物(以下、炭・窒化物系析出
物ということがある)を起点とする疲労破壊が生じる様
になり、上記の様な酸化物系介在物を対象とする介在物
の微細化だけでは疲労強度の向上に限界が見られること
が明らかとなってきた。
【0008】一方、たとえ使用鋼材が同じ組成のもので
あったとしても、最終製品であるばねの疲労特性に差が
生じることもしばしば経験される。これは、従来から行
なわれている疲労特性の改善手段が、鋼の成分組成や酸
化物系介在物等についての製鋼段階での検討が主体であ
り、ばね素線である鋼線や最終製品であるばねに加工す
るまでの加工条件や熱処理条件等を加味した上で鋼材の
持つ性能を最大限有効に生かすための検討が十分に行な
われていないためと考えられる。
【0009】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、従来材に較べて疲労特性
の一段と改善されたばね用鋼及びばね用鋼線並びにばね
を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とのできた本発明に係るばね用鋼の構成は、重量比で
C:0.5 〜0.8 %,Si:0.8 〜2.5 %,Mn:0.4 〜
1.3 %,Cr: 0.4〜2%を含有し、且つV:0.05〜0.5
%及び/又はNb:0.05〜0.5 %を含み、残部がFe
および不可避不純物からなる鋼からなり、或はこれらに
加えて更にNi:0.1〜2 %及び/又はMo: 0.1〜0.5
%を含み、該鋼中に含まれる酸化物系介在物のうち融
点が最も高いものの融点が1500℃以下であり、且つ
炭・窒化物系析出物の大きさがいずれも15μm以下で
あるところに特徴を有するものである。
【0011】そしてこうした要件を満たすばね用鋼を
線加工した後焼入れ・焼戻し処理し、結晶粒度を11番
以上、残留オーステナイト量を3〜20%、引張強さを
205kgf/mm以上、400℃以上での低温焼鈍
後の耐力比を0.95以下としたものは、ばね用鋼線と
して非常に優れたものである。またこのばね用鋼線を
ね状に加工した後、焼鈍およびショットピーニング処理
することによって得られるばねであって、残留応力が下
記[I]式の要件を満たし、且つ表層部の最高硬さ(ビ
ッカース硬さ)が700以上を有するばねは殊に疲労特
性において非常に優れたものである。
【0012】
【数2】
【0013】
【作用】本発明の構成は上記の通りであるが、その要点
を示すと、まずばね用鋼については、 焼入れ・焼戻し後に高強度、高靭性を得るため合金元
素の種類および含有量を特定し、 酸化物系介在物の融点を、熱間もしくは冷間加工時の
延伸工程で十分に微細化できる様低めに設定すると共
に、 酸化物系介在物を微細化することによって新たにクロ
ーズアップされてくる炭・窒化物系析出物による疲労特
性への悪影響を抑えるため、炭・窒化物系析出物の大き
さを特定したところに特徴があり、 またばね用鋼線においては、 焼入れ・焼戻し後に高強度で且つばね成形に耐える靭
性や延性を得るために、残留オーステナイト量及び結晶
粒度を特定すると共に、 疲労特性を高めるため残留オーステナイト量及び耐力
比を特定したところに特徴があり、 更に最終製品であるばねにおいては、 疲労特性を高めるために残留応力分布を特定し、殊に
表層部の残留圧縮応力を増加して表面からの破壊を抑制
すると共に、内部の引張残留応力を減少して介在物を起
点とする破壊を抑制し、且つ、 表面からの破壊を抑制して疲労強度を高めるため、表
層部の硬さを特定したところに特徴を有するものであ
る。
【0014】以下、本発明の構成および作用効果を詳細
に説明していく。まず本発明に係るばね用鋼の成分組成
を定めた理由について述べる。
【0015】C:0.5 〜0.8 % Cは高応力が負荷されるばね鋼として十分な強度を確保
するために欠くことのできない元素であるが、多過ぎる
と靭・延性が極端に悪くなるので、C含有量は0.5 〜0.
8 %でなければならない。 Si:0.8 〜2.5 % Siは製鋼時の脱酸剤として必要な成分であり、またフ
ェライト中に固溶して素地の強度を高める効果も有して
おり、こうした効果は0.8 %以上含有させることによっ
て有効に発揮される。しかし多過ぎると靭・延性が悪く
なるばかりでなく、表面の脱炭や疵等が増加して耐疲労
性が悪くなるので2.5 %以下に抑えなければならない。
【0016】Mn: 0.4〜1.3 % Mnも鋼の脱酸に有効な元素であり、また焼入れ性を高
めて強度向上に寄与するが、多過ぎると靭・延性が悪く
なるので、0.4 〜1.3 %の範囲に定めた。 Cr:0.4 〜2 % CrはCの活量を低下させて圧延時や熱処理時の脱酸を
防止すると共に炭化物の黒鉛化抑制に有効な元素である
が、多過ぎると靭・延性が悪くなるので0.4 〜2 %の範
囲と定めた。
【0017】V及び/又はNb:夫々0.05〜0.5 % V,Nbは、焼入れ・焼戻し等の熱処理時において結晶
粒を微細化する作用があり、靭・延性を向上させる効果
がある。しかも焼入れ・焼戻し処理およびばね成形後の
歪取り焼鈍時に2次析出硬化を起こして高強度化にも寄
与する。しかし多過ぎると、後述する如く造塊段階で巨
大な炭化物あるいは窒化物を析出し易くなるので、夫々
0.05〜0.5 %の範囲にしなければならない。
【0018】Ni: 0.1〜2.0 %及び/又はMo: 0.1
〜0.5 % NiおよびMoも焼入れ・焼戻し後の靭・延性を高める
のに有効な元素であり、しかも焼入れ性を高めて高強度
化にも寄与する。しかし多過ぎると圧延においてベイナ
イトあるいはマルテンサイト組織が発生し、靭延性の低
下を招くため、Niは 0.1〜2 %、Moは 0.1〜0.5 %
と定めた。
【0019】次に、本発明に係るばね用鋼の特徴である
酸化物系介在物の融点および炭・窒化物系析出物の大き
さを定めた理由について説明する。ここでいう酸化物系
介在物の融点は、加工方向に平行な面または疲労起点に
おける介在物の組成をEPMAによって定量分析し、文
献「酸化物の相平衡」(1971.1.10技報堂)等
に記載された状態図から判定したものである。また炭・
窒化物系析出物とは、焼入れ・焼戻し処理の過程で析出
する様な微細なものではなく、造塊または連続鋳造工程
で鋼塊または鋳片の冷却時等に析出する数十μm程度の
比較的大きなもののことであり、その代表的なものとし
てはV系やNb系等の炭化物、窒化物または炭・窒化物
が挙げられる。
【0020】本発明者等は前述の様な課題に沿って研究
を進める中で、従来よりも高負荷応力を受けた場合の疲
労起点となる酸化物系介在物の融点や介在物の大きさ
(サイズ)と疲労寿命の関係について検討したところ、
以下に示す様な知見を得た。即ち1つは、酸化物系介在
物の組成が融点1500℃以下であれば、造塊あるいは
鋳片からの分塊および圧延等の熱間加工工程および伸線
等の冷間加工工程で、加工方向に対して垂直な方向での
介在物の大きさが著しく小さくなり、疲労強度の向上に
寄与すること、もう1つは、酸化物系介在物の融点を下
げることにより介在物を微細化し、それにより介在物起
点の疲労破壊を抑制したとしても、従来では疲労起点に
は殆ど現われなかった炭・窒化物系析出物を起点とする
疲労破壊の発生が顕著になることであり、この場合、酸
化物系介在物と同程度の大きさの析出物であっても疲労
寿命が短くなること、しかもこれらの介在物の大きさ
は、熱間加工あるいは冷間加工によっても殆ど減少しな
いことも明らかになってきた。
【0021】本発明において酸化物系介在物の融点およ
び炭・窒化物系析出物の大きさを定めた理由はこうした
知見に基づくものであり、酸化物系介在物の融点が15
00℃以下であれば、熱間加工または冷間加工時におけ
る介在物サイズの減少が著しく、疲労強度の向上に効果
的であるところから酸化物系介在物の融点は1500℃
以下に定めた。この場合、通常の加工度で伸線加工した
場合の該介在物の大きさは概20μm以下となる。
【0022】一方、炭・窒化物系析出物については、圧
延等の熱間加工や伸線等の冷間加工でもその大きさは殆
ど変わらず、また酸化物系介在物に較べてその性状も異
なり、酸化物系介在物と同程度の大きさでは疲労寿命が
悪くなるため、炭・窒化物系析出物の大きさはいずれも
15μm以下であることを必須とする
【0023】次に、ばね用鋼線およびばねについての各
限定理由を説明する。まずばね用鋼線についてである
が、化学組成において前述の要件を満たす本発明のばね
用鋼は、焼入れ・焼戻し処理によって従来鋼に比べて格
段に高い強度を示すが、ばね状への成形加工性を考慮す
ると靭・延性も優れたものでなければならない。一般に
鋼線の延性を示す指標となる絞り値は、ばね成形性を表
す評価基準の1つとして用いられているので、絞り値と
種々の特性との関係を調べた結果、鋼線のオーステナイ
ト結晶粒度がJIS G 0551に準拠した測定方法
で11番以上であれば、超高強度域(例えば、引張強さ
230kgf/mm2 以上)でも高い絞り値が得られ、良好な
ばね成形性を確保できると共に、結晶粒の微細化によっ
て引張強さも高められることから、ばね用鋼線としての
結晶粒度は11番以上と定めた。
【0024】また高強度のばね鋼線を得るには、焼戻し
後の残留オーステナイト量を少なくする必要があり、ま
た残留オーステナイト量が少ないほど疲労強度は高くな
ることが確認されている。例えば前出の特開昭63−2
16951号公報には、焼入れ後の残留オーステナイト
を10%以下に規定することにより焼戻し後の疲労強度
の改善を図ったばね用鋼線が開示されている。しかし、
ばねを作製するに当っては、いずれかの工程でショット
ピーニング処理が施されることが多いため、焼戻し後の
残留オーステナイト量とショットピーニング後の疲労強
度の関係を調べたところ、適量の残留オーステナイトを
含む方が疲労圧縮応力は高くなることをつきとめた。こ
れは、ショットピーニングにより残留オーステナイトが
マルテンサイトに変態して残留圧縮応力が増加するた
め、残留オーステナイト量の増大により残留圧縮応力が
高まることによる疲労強度向上効果と、強度低下による
疲労強度低減効果のバランスによって疲労特性が決まる
ことを意味しており、疲労強度を向上させるには適正な
残留オーステナイト量が存在するものと考えられる。
【0025】そこで、高強度を確保しつつ高い疲労強度
を得ることのできる残留オーステナイト量を研究した結
果、焼入れ・焼戻し工程の焼戻し後における残留オース
テナイト量が3%未満では、ショットピーニング後の残
留圧縮応力を高める効果が小さく満足な疲労強度が得ら
れ難くなり、一方、20%を超えると高強度が得られに
くくなって表面起点での疲労破壊を起こし易くなる傾向
があるので、残留オーステナイト量は3〜20%の範囲
に定めた。
【0026】ここで、残留オーステナイト量を焼戻し後
の量で規定したのは、次の理由によるものである。即ち
焼入れ・焼戻し後の疲労強度に直接影響を及ぼすのは、
焼戻し後の残留オーステナイト量であり、しかも通常の
冷間成形ばね用鋼線は焼入れ・焼戻し処理を連続して行
なうので、焼入れ後の残留オーステナイト量を正確に測
定することは難しい。つまり残留オーステナイト量の測
定自体は焼入れ鋼線を採取して定量することにより行な
うことができるが、測定時の鋼線の温度は焼入れ時より
も相当低下しているのが通常であるから、該温度低下の
間に残留オーステナイトがマルテンサイトに変態する。
従って、特に本発明鋼の様に合金元素を多く含む鋼の残
留オーステナイト量は、測定時点でかなり減少している
可能性が高く、実際の焼入れ後の残留オーステナイト量
を正確に把握することができない。そのため本発明では
焼戻し後の残留オーステナイト量で規定することとし
た。
【0027】上記要件を満たすばね用鋼線は、優れた靭
・延性を有して、焼入れ・焼戻し後の引張強さを205
kgf/mm2 以上とすることができ、特に疲労強度の非常に
優れたものとなる。
【0028】次に、ばね用鋼線の低温焼鈍後の耐力比を
0.95以下に定めた理由について説明する。尚ここで
いう耐力比とは、鋼線の0.2%耐力を引張強さで除し
た値であり、0.2%耐力はJIS Z 2241で定
められているオフセット法に準拠して求めた。通常の冷
間成形ばねは、コイリングの後で歪取り焼鈍(例えば4
00℃以上の低温焼鈍)を施し、コイリング時に生じた
残留応力の除去が行なわれるが、この低温焼鈍がばねの
疲労特性に影響を与えることは様々の文献にも報告され
ている。例えば、ばね論文集33号、第53頁(198
8年;ばね技術研究会)には、通常のばね用鋼を対象と
する強度レベルと疲労特性が述べられており、低温焼鈍
後の硬さと疲労強度の関係が示されている。
【0029】本発明者らは前述のばね用鋼について、通
常より高強度のレベルで低温焼鈍後の鋼線の特性と疲労
強度の関係を調べた結果、鋼線の耐力比が高過ぎると疲
労強度はかえって低下することを見いだした。即ち、本
発明のばね用鋼を用いて得た鋼線は、焼入れ・焼戻し後
の状態で通常の鋼線よりも極めて高い強度を示し、且つ
低温焼鈍後の強度低下も少ないため、疲労による表面起
点の破壊を抑制し易い。その反面、内部に存在する介在
物等を起点とする破壊が起こり易くなる傾向があり、前
述の様に介在物等を微細化した本発明鋼でも、介在物等
を起点として疲労破壊を起こし易くなる。そこでこうし
た欠点を解消するため更に検討を進めた結果、低温焼鈍
後における耐力比を0.95以下にすれば、介在物等を
起点とする疲労破壊が抑制され、疲労特性を大幅に改善
し得ることが確認された。
【0030】耐力比の下限値は特に規定しないが、耐力
比が低過ぎると内部素地の最弱部(例えば結晶粒界等)
を起点とする疲労破壊が起こり易くなるため、0.8以
上にすることが望まれる。
【0031】次に、最終製品であるばねについての限定
理由を説明する。前述した様に疲労強度の向上に、ばね
表面の強化が大きく寄与することは良く知られており、
表層部の残留圧縮応力硬さを高めるためにショットピー
ニング処理を行なう方法が広く用いられている。例えば
前出の特開昭64−83644号公報には、表層近傍の
最大残留圧縮応力が85〜110kgf/mm2 である高強度
ばねが開示されている。
【0032】一方、本発明者らが前記要件を満たす本発
明のばね用鋼線について残留応力と疲労強度との関係に
ついて種々検討を重ねた結果、疲労強度を向上させるに
は適正な残留応力分布が存在することを知った。即ち、
疲労における表面起点での破壊を抑えるうえで、表層部
の残留応力が高い方が良いことは周知の通りであるが、
残留圧縮応力を高めると内部の残留引張応力が増大する
ので、本発明鋼の様な高強度鋼線では内部起点の破壊が
起こり易くなり、残留引張応力が大きくなるにつれてこ
うした傾向が顕著に現れてくる。そこで、表面および内
部起点での両方の疲労破壊を抑制することのできる残留
応力分布を明らかにすべく更に研究を進めた結果、表面
から内部にかけての残留応力分布が前記[I]式の要件
を満たすものが最善であることをつきとめた。
【0033】即ち[I]式において、D>0.05dの
時のσR が30kgf/mm2 を超えると、内部の酸化物系介
在物および炭・窒化物系析出物を起点とした疲労破壊が
起こり易くなり、またD=0〜0.03dのときのσR
が−100kgf/mm2 を超えると、内部の残留引張応力が
大きくなって、上記の内部起点での破壊が発生し易くな
り、逆に−50kgf/mm2 未満になると表面起点での破壊
が起こり易くなり、いずれの場合も疲労特性が悪くな
る。これに対しD=0.03〜0.05dのときの残留
圧縮応力は、大きければ大きいほど表面起点での疲労破
壊抑制には有効であるが、余り大きくなると内部の残留
引張応力が大きくなり過ぎて内部起点の破壊が起こり易
くなる傾向があり、また過度に高い残留応力を与えるこ
とは実際的でないので、工業的規模での実施可能性も考
慮してσR の上限は-125+(2500/d)×D (kgf/mm2) と定
めた。
【0034】また、本発明では表層部の最高硬さを規定
しているが、これは以下の理由に基づくものである。即
ち上記残留応力分布は、おもに内部の介在物等を起点と
する疲労破壊の抑制を目的として定めたものであり、疲
労強度は表面を起点とする破壊が起こるか否かによって
ほぼ決まってくる。従って本発明のばねでは、表層部を
強化することにより疲労強度を更に向上させる為の要件
として、表層部の硬さをビッカース硬さで700以上と
定めた。尚ここでいう表層部とは、表面から0.01d
(mm)以内の範囲を意味し、この部分の硬さはショットピ
ーニングや窒化処理等によって高めることができる。
【0035】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではない。実施例1 下記表1は、供試鋼の含有成分と酸化物系介在物の融点
および炭・窒化物系析出物のサイズを示したものであ
る。尚、介在物および析出物のサイズの測定は、鋳造後
圧延比50以上で熱間圧延した線材の縦断面を夫々30
個ずつ観察し、その最大値と平均値を示しており、表1
においてA1〜A5は本発明鋼、B1〜B4は比較鋼で
ある。
【0036】
【表1】
【0037】これら各供試材の表面を皮削りした後、パ
テンティング処理および伸線処理を行なって線径4.0
mmとした後、焼入れ・焼戻し処理を施してばね用鋼線と
した。これらの鋼線に低温焼鈍(400℃×20min )
とショットピーニング処理を行ない、中村式回転曲げ疲
労試験を行なった。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2からも明らかである様に、高強度で且
つ酸化物系介在物の融点が低く、しかも析出物サイズの
小さい本発明鋼A1〜A5は、1×107 回の回転曲げ
を与えた後でも表面起点の破壊や介在物および析出物起
点の破壊が見られず、高い疲労強度が得られている。こ
れに対し比較鋼では、酸化物系介在物の融点が高いB
1,B3、析出物サイズが大きいB2,B3、強度の低
いB4のいずれにおいても1×107 以下の回転曲げで
破壊しており、疲労強度は本発明鋼に比べて明らかに劣
っている。
【0040】実施例2 前記表1に示した本発明鋼A3を使用し、実施例1と同
様の方法でばね用鋼線a1〜a10を作製した。ここで
は、焼入れ時の加熱温度、焼入れ後の鋼線の温度、焼戻
し温度等を変えることにより、オーステナイト結晶粒
度、残留オーステナイト量および引張強さ等を調整し、
その性能を調べた。焼戻し後の引張強さ、オーステナイ
ト結晶粒度番号、残留オーステナイト量および疲労強度
の関係を表3に示す。尚、疲労試験は焼戻し後ショット
ピーニング処理を施してから中村式回転曲げにより実施
した。また、オーステナイト結晶粒度番号と絞り値およ
び巻付試験(JIS G 3566)による折損発生率
の関係を図1に示した。
【0041】
【表3】
【0042】表3からも明らかである様に、本発明の規
定要件をすべて満足する実施例ではいずれも優れた疲労
特性が得られているが、残留オーステナイト量が少ない
ものは疲労強度が低く、また多過ぎると引張強さが低く
なり、いずれの場合も十分な疲労強度が得られない。ま
た、図1からも分かる様に、結晶粒度番号が11番を超
えると絞り値が顕著に増大し、通常のコイリングより過
酷な巻付試験においても破断せず、優れたばね成形性を
有していることを確認できる。
【0043】実施例3 次に表1の本発明鋼A1,A3と比較鋼B3を使用し、
実施例1と同様にしてばね用鋼線を作製し、更にばねに
加工した。その後400℃以上の低温焼鈍およびショッ
トピーニング処理を行なってa11〜a16およびb1
〜b2の供試ばねを作製し、ばね疲労試験を行なった。
供試ばねの諸元および試験条件を表4に示す。尚、耐力
比は供試ばね毎に焼戻し温度や低温焼鈍温度等を変える
ことにより調整した。結果を表5に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】表5からも明らかである様に、本発明鋼を
用いたものであっても、耐力比の高いばねは介在物起点
で破壊し易いのに対し、耐力比の低いばねは優れた疲労
強度を有している。また、酸化物系介在物の融点が高く
且つ析出物サイズの大きい比較鋼B3では、耐力比の大
小にかかわらず疲労強度が乏しい。尚、耐力比が0.9
6である比較例a15では、実施例と同等の疲労強度を
示しているが、これは介在物や析出物の小さい本発明鋼
においては、ばね10個程度の疲労試験では介在物や析
出物等を起点とする破壊が発生しにくい為であると考え
られる。しかし、介在物や析出物等を起点として疲労破
壊する確率の高い回転曲げ疲労試験では、耐力比が0.
95を超えることにより疲労強度は明らかに低下してい
る。これらの結果からも明らかである様に、耐力比を
0.95以下に定めた本発明のばね用鋼線はばね疲労に
対する信頼性に優れたものである。
【0047】実施例4 表5に示した供試ばねa12を使用し、ショットピーニ
ング条件を変えて残留応力分布および表層硬さを変化さ
せた供試ばねa17〜a23を作製し、ばね疲労試験を
実施した。疲労試験条件は表4に示したのと同様とし
た。また実施例3と同じ理由から、ばねと同等の残留応
力分布および表層硬さを有する鋼線の回転曲げ疲労試験
も実施した。結果は表6に示す通りであり、ばねとして
の疲労特性は、実施例3と同様に試験個数の関係から実
施例と比較例の間で顕著な違いは認められないが、回転
曲げ試験では残留引張応力が30kgf/mm2 を超えると介
在物や析出物等を起点とする破壊が明確に認められる様
になり、疲労強度は明らかに低下している。また表層部
においては、ばね及び回転曲げのいずれの試験でも、残
留圧縮応力が50kgf/mm2 未満で硬さが700未満にな
ると表面起点の疲労破壊が起こり易くなり、疲労強度の
低下が認められる。
【0048】
【表6】
【0049】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、ば
ね用鋼、ばね用鋼線およびばねを、表面および内部特性
の両面から改善することによって疲労破壊を抑制する構
成としたので、従来材に比べて疲労強度を著しく高める
ことができ、ばね或はその素材としての信頼性を著しく
高め得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るばね用鋼線のオーステナイト結晶
粒度番号と巻付折損率および絞りの関係を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 康信 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神 戸製鋼所 神戸製鉄所内 (56)参考文献 特開 平3−162550(JP,A) 特開 昭62−170460(JP,A) 特開 平1−177318(JP,A) 特開 昭64−39353(JP,A) 特開 昭62−107044(JP,A) 特開 昭63−140068(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比でC: 0.5〜0.8 %,Si:0.8
    〜2.5 %,Mn:0.4 〜1.3 %,Cr:0.4 〜2 %を含
    有し、且つV:0.05〜0.5 %及び/又はNb:0.05〜0.
    5 %を含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼
    からなり、該鋼中に含まれる酸化物系介在物のうち融点
    が最も高いものの融点が1500℃以下であり、且つ炭
    化物系窒化物系および炭窒化物系析出物の大きさが
    ずれも15μm以下であることを特徴とする疲労特性の
    優れたばね用鋼。
  2. 【請求項2】 重量比でC:0.5 〜0.8 %,Si:0.8
    〜2.5 %,Mn:0.4 〜1.3 %,Cr: 0.4〜2 %を含
    有し、且つV:0.05〜0.5 %及び/又はNb:0.05〜0.
    5 %と、Ni: 0.1〜2 %及び/又はMo: 0.1〜 0.5
    %を含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼か
    らなり、該鋼中に含まれる酸化物系介在物のうち融点が
    最も高いものの融点が1500℃以下であり、且つ炭化
    物系窒化物系および炭窒化物系析出物の大きさがいず
    れも15μm以下であることを特徴とする疲労特性の優
    れたばね用鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のばね用鋼を伸線
    加工した後焼入れ・焼戻し処理してなり、結晶粒度が1
    1番以上、残留オーステナイト量が3〜20%、引張強
    さが205kgf/mm2 以上、400℃以上での低温焼鈍後
    の耐力比が0.95 以下であることを特徴とするばね用鋼
    線。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のばね用鋼線をばね状に加
    工した後、焼鈍およびショットピーニング処理すること
    によって得られるばねであって、残留応力が下記[I]
    式の要件を満たし、且つ表層部の最高硬さ(ビッカース
    硬さ)が700以上であることを特徴とするばね。 【数1】
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