JP2898330B2 - 多層延伸中空容器及びその製法 - Google Patents
多層延伸中空容器及びその製法Info
- Publication number
- JP2898330B2 JP2898330B2 JP4646890A JP4646890A JP2898330B2 JP 2898330 B2 JP2898330 B2 JP 2898330B2 JP 4646890 A JP4646890 A JP 4646890A JP 4646890 A JP4646890 A JP 4646890A JP 2898330 B2 JP2898330 B2 JP 2898330B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- layer
- vinyl alcohol
- hollow container
- evoh
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐衝撃性、ガスバリヤー性、保香性、透明
性に優れ、とくに、食品容器として好適な多層延伸中空
容器に関する。
性に優れ、とくに、食品容器として好適な多層延伸中空
容器に関する。
[従来の技術] 延伸中空成形によるポリエチレンテレフタレート容器
は、優れた機械的強度及び透明性を有しているところか
ら、洗剤やシャンプーなどの容器をはじめとして、各種
食品や飲料の容器として広く使用されている。この延伸
容器は、汎用ポリオレフィン樹脂容器と比較すればガス
バリヤー性が優れているが、金属缶やガラスびんに比べ
ると、無視できない程度の酸素や炭酸ガスの透過性を有
しているため、長期間の保存に適しているものではなか
った。
は、優れた機械的強度及び透明性を有しているところか
ら、洗剤やシャンプーなどの容器をはじめとして、各種
食品や飲料の容器として広く使用されている。この延伸
容器は、汎用ポリオレフィン樹脂容器と比較すればガス
バリヤー性が優れているが、金属缶やガラスびんに比べ
ると、無視できない程度の酸素や炭酸ガスの透過性を有
しているため、長期間の保存に適しているものではなか
った。
最近、このような欠点を改善するために、ポリエチレ
ンテレフタレート(以下PETと略称することがある)
と、これによりガスバリヤー性の優れたエチレン・ビニ
ルアルコール共重合体(以下、EVOHと略称することがあ
る)を組合せた、多層延伸中空容器について多くの提案
が見受けられ(例えば特開昭60−253541号、同61−137
号、同61−173924号、同61−211034号、同61−219644号
など)、実際市場に供試されるようになってきているが
未だ本格的に使用されるに至っていない。それは透明性
及び外観の優れた成形品を経済的な成形速度で連続生産
することが容易でないという事実に基ずくものではない
かと想定される。すなわち前記多層延伸容器を製造する
には、通常は多層射出法や多層押出法によって多層プリ
フォームを作り、これをPETのガラス転移点以上の温度
(通常は90〜120℃程度)に加熱し、1軸方向あるいは
2軸方向に延伸することにより行われる。この加熱時に
PETの結晶化が進み透明性が低下することが一つの問題
点である。
ンテレフタレート(以下PETと略称することがある)
と、これによりガスバリヤー性の優れたエチレン・ビニ
ルアルコール共重合体(以下、EVOHと略称することがあ
る)を組合せた、多層延伸中空容器について多くの提案
が見受けられ(例えば特開昭60−253541号、同61−137
号、同61−173924号、同61−211034号、同61−219644号
など)、実際市場に供試されるようになってきているが
未だ本格的に使用されるに至っていない。それは透明性
及び外観の優れた成形品を経済的な成形速度で連続生産
することが容易でないという事実に基ずくものではない
かと想定される。すなわち前記多層延伸容器を製造する
には、通常は多層射出法や多層押出法によって多層プリ
フォームを作り、これをPETのガラス転移点以上の温度
(通常は90〜120℃程度)に加熱し、1軸方向あるいは
2軸方向に延伸することにより行われる。この加熱時に
PETの結晶化が進み透明性が低下することが一つの問題
点である。
又、EVOHは、その分子構造に起因する特性から、240
℃を越える条件では熱分解し易いので、この温度以下で
の使用が好ましいが、一方でPETの融点は一般に255〜25
8℃の如き温度であるのでプリフォーム成形時には260℃
以上に加熱する必要がある。それ故、共射出法で多層プ
リフォームを作るときに、PETとEVOHが合流するホット
ランナーブロック部分あるいは多層プリフォームを共押
出法で得る場合には同じくダイス部分をPETの溶融流動
可能な260℃以上に加熱する必要があり、その結果、EVO
Hの熱分解が起こり装置や製品を汚染するので、長期間
の連続成形が困難であるという問題点があった。
℃を越える条件では熱分解し易いので、この温度以下で
の使用が好ましいが、一方でPETの融点は一般に255〜25
8℃の如き温度であるのでプリフォーム成形時には260℃
以上に加熱する必要がある。それ故、共射出法で多層プ
リフォームを作るときに、PETとEVOHが合流するホット
ランナーブロック部分あるいは多層プリフォームを共押
出法で得る場合には同じくダイス部分をPETの溶融流動
可能な260℃以上に加熱する必要があり、その結果、EVO
Hの熱分解が起こり装置や製品を汚染するので、長期間
の連続成形が困難であるという問題点があった。
さらにPETの代りに単純に融点の低い共重合PETを用い
るという方法だけでこの問題を解決しようとしても、EV
OHが成形しにくい樹脂であることに起因して、前記した
ような欠点を改良できるものではなく、とくに共射出法
によるプリフォームの成形時に均質な多層品を得ること
が難かしかった。
るという方法だけでこの問題を解決しようとしても、EV
OHが成形しにくい樹脂であることに起因して、前記した
ような欠点を改良できるものではなく、とくに共射出法
によるプリフォームの成形時に均質な多層品を得ること
が難かしかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、以上のような背景のもとに、エチレン
・ビニルアルコール共重合体の有するガスバリヤー性の
優れた長所を生かし、これを用いて延伸ポリエステル容
器の改良を試みるとともに、長時間の連続成形が可能で
あって、しかも透明性、外観等に優れた容器について検
討を行った。その結果、ポリエステルとEVOHをそれぞれ
特定のものを選択することにより、初めて所望の容器が
製造できることを知った。
・ビニルアルコール共重合体の有するガスバリヤー性の
優れた長所を生かし、これを用いて延伸ポリエステル容
器の改良を試みるとともに、長時間の連続成形が可能で
あって、しかも透明性、外観等に優れた容器について検
討を行った。その結果、ポリエステルとEVOHをそれぞれ
特定のものを選択することにより、初めて所望の容器が
製造できることを知った。
従って本発明の目的は、透明性、ガスバリヤー性、保
香性、耐衝撃性の良好な多層延伸中空容器を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、連続成形が容易な前記
多層延伸中空容器を製造することにある。本発明はまた
これらの延伸中空容器を長時間連続成形しうる方法を提
供することを目的としている。
香性、耐衝撃性の良好な多層延伸中空容器を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、連続成形が容易な前記
多層延伸中空容器を製造することにある。本発明はまた
これらの延伸中空容器を長時間連続成形しうる方法を提
供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、内外層がポリエステルでその中間層
がエチレン・ビニルアルコール共重合体である少なくと
も3層の延伸中空容器において、ポリエステルが共重合
成分を3〜20モル%の重合割合で含有する共重合ポリエ
チレンテレフタレートであって、250℃、1500sec-1の剪
断速度下での溶融見掛け粘度が40〜500Pa・Sのもので
あり、エチレン・ビニルアルコール共重合体がビニルア
ルコールを50〜70モル%の重合割合で含有し、230℃、1
500sec-1の剪断速度下での溶融見掛け粘度が80〜500Pa
・Sで、かつ上記共重合ポリエチレンテレフタレートの
溶融見掛け粘度との差の絶対値が200Pa・S以下のもの
で構成されていることを特徴とする多層延伸中空容器が
提供される。
がエチレン・ビニルアルコール共重合体である少なくと
も3層の延伸中空容器において、ポリエステルが共重合
成分を3〜20モル%の重合割合で含有する共重合ポリエ
チレンテレフタレートであって、250℃、1500sec-1の剪
断速度下での溶融見掛け粘度が40〜500Pa・Sのもので
あり、エチレン・ビニルアルコール共重合体がビニルア
ルコールを50〜70モル%の重合割合で含有し、230℃、1
500sec-1の剪断速度下での溶融見掛け粘度が80〜500Pa
・Sで、かつ上記共重合ポリエチレンテレフタレートの
溶融見掛け粘度との差の絶対値が200Pa・S以下のもの
で構成されていることを特徴とする多層延伸中空容器が
提供される。
本発明によればまた多層プリフォーム金型に上記共重
合PETを可塑化温度220℃〜250℃で、また上記EVOHを共
重合PETの上記可塑化温度より10℃以上低く、かつ200〜
240℃の温度で射出して多層プリフォームを製造し、次
いで延伸することを特徴とする多層延伸中空容器の製造
方法が提供される。
合PETを可塑化温度220℃〜250℃で、また上記EVOHを共
重合PETの上記可塑化温度より10℃以上低く、かつ200〜
240℃の温度で射出して多層プリフォームを製造し、次
いで延伸することを特徴とする多層延伸中空容器の製造
方法が提供される。
本発明で用いられる共重合PETは、エチレングリコー
ル単位及びテレフタル酸単位の外に、共重合成分を3〜
20モル%、好ましくは3〜15モル%の割合で共重合され
ているものである。共重合成分はエチレングリコール単
位及びテレフタル酸単位のいずれの側に含有させてもよ
く、或は双方に共重合成分を含有させてもよいが、その
ような共重合体成分としては、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、p−オキシ安息香
酸のような芳香族カルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂肪族又は脂
環族カルボン酸、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール等のジオール
類をあげることができる。これら共重合成分の中では、
イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジ
エチレングリコール等がとくに好適である。
ル単位及びテレフタル酸単位の外に、共重合成分を3〜
20モル%、好ましくは3〜15モル%の割合で共重合され
ているものである。共重合成分はエチレングリコール単
位及びテレフタル酸単位のいずれの側に含有させてもよ
く、或は双方に共重合成分を含有させてもよいが、その
ような共重合体成分としては、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、p−オキシ安息香
酸のような芳香族カルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂肪族又は脂
環族カルボン酸、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール等のジオール
類をあげることができる。これら共重合成分の中では、
イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジ
エチレングリコール等がとくに好適である。
共重合PETはまた、250℃、1500sec-1における剪断速
度下での溶融見掛け粘度が40〜500Pa・S、好ましくは5
0〜350Pa・Sでなければならない。
度下での溶融見掛け粘度が40〜500Pa・S、好ましくは5
0〜350Pa・Sでなければならない。
共重合成分が前記範囲より少ないものは、融点が高
く、実用的な機械的強度を有する分子量のレベルのもの
で上記溶融見掛け粘度に揃えることが難しい上に、延伸
する前の加熱において結晶化が進み易く、透明性良好な
容器を得ることが容易でない。一方、あまり共重合成分
が多くなりすぎると機械的強度の良好な延伸容器を得る
ことが難かしくなる。
く、実用的な機械的強度を有する分子量のレベルのもの
で上記溶融見掛け粘度に揃えることが難しい上に、延伸
する前の加熱において結晶化が進み易く、透明性良好な
容器を得ることが容易でない。一方、あまり共重合成分
が多くなりすぎると機械的強度の良好な延伸容器を得る
ことが難かしくなる。
さらに共重合PETとして見掛け溶融粘度が上記範囲よ
り高いものを用いると、射出成形時に高圧を要する、あ
るいは成形残留歪が残る、あるいはEVOHとの共射出が円
滑にでき難く良好な成形品を得難いなどという欠点があ
り、これらを避けるためより高温の成形を行うとEVOHの
熱分解が生じ長期連続成形を行うことが難かしくなる。
一方溶融見掛け粘度が40Pa・Sより低いようなものを用
いると、得られる中空容器の機械的強度が劣るものしか
得られないかあるいは成形時にバリが生じ易いなどの欠
点があり好ましくない。
り高いものを用いると、射出成形時に高圧を要する、あ
るいは成形残留歪が残る、あるいはEVOHとの共射出が円
滑にでき難く良好な成形品を得難いなどという欠点があ
り、これらを避けるためより高温の成形を行うとEVOHの
熱分解が生じ長期連続成形を行うことが難かしくなる。
一方溶融見掛け粘度が40Pa・Sより低いようなものを用
いると、得られる中空容器の機械的強度が劣るものしか
得られないかあるいは成形時にバリが生じ易いなどの欠
点があり好ましくない。
本発明において用いられるEVOHは、ビニルアルコール
を50〜70モル%好ましくは55〜65モル%の重合割合で含
有する。EVOHはまた、230℃、1500sec-1の剪断速度下で
の溶融見掛け粘度が80〜500Pa・S、好ましくは90〜400
Pa・Sのものを用いなければならない。EVOHはビニルア
ルコール含有量が高い程、ガスバリヤー性が優れ有利で
はあるが成形性が悪いため、その含有量は上限が70モル
%である。一方、その含有量が低いとガスバリヤー性に
難点が出てくるため、その下限は50モル%にすべきであ
る。
を50〜70モル%好ましくは55〜65モル%の重合割合で含
有する。EVOHはまた、230℃、1500sec-1の剪断速度下で
の溶融見掛け粘度が80〜500Pa・S、好ましくは90〜400
Pa・Sのものを用いなければならない。EVOHはビニルア
ルコール含有量が高い程、ガスバリヤー性が優れ有利で
はあるが成形性が悪いため、その含有量は上限が70モル
%である。一方、その含有量が低いとガスバリヤー性に
難点が出てくるため、その下限は50モル%にすべきであ
る。
またその溶融見掛け粘度は、前記性状の共重合PETと
共射出して良好なプリフォームを得るために上記の如き
範囲に定められるべきであり、このような範囲をはずれ
ると良好な成形品を経済的な成形速度で製造することが
難かしい。
共射出して良好なプリフォームを得るために上記の如き
範囲に定められるべきであり、このような範囲をはずれ
ると良好な成形品を経済的な成形速度で製造することが
難かしい。
EVOHとしては上記溶融見掛け粘度が共重合PETの前記
溶融見掛け粘度との差の絶対値が200Pa・S以下、とく
に150Pa・S以下となるようなものを選択することが好
ましい。見掛け溶融粘度差Δη=ηPET−ηEVOHが正値
で大きい値を示す場合、すなわちηEVOHが相対的に低す
ぎるか或いはηPETが相対的に高すぎる場合は、プリフ
ォーム成形時に内外層となるPETの抵抗が大きい為、中
間層のEVOHが均一層状に射出され難く、射出方向に沿っ
たすじ状になって挿入される。従ってブロー成形後に
は、このすじがボトルの縦すじとなって残りやすく、ま
た厚みが不均一となりガスバリヤー性も劣る。又上記Δ
ηが負値で大きい値を示す場合、すなわちηEVOHが相対
的に高すぎるか、或はηPETが相対的に低すぎる場合、
中間層にEVOHの流れに内外層のPETがその界面において
流れの影響を受け、射出方向に対して直角に波形模様が
出る。或いはEVOH層厚が射出方向に不均一になる等の問
題が生ずる。
溶融見掛け粘度との差の絶対値が200Pa・S以下、とく
に150Pa・S以下となるようなものを選択することが好
ましい。見掛け溶融粘度差Δη=ηPET−ηEVOHが正値
で大きい値を示す場合、すなわちηEVOHが相対的に低す
ぎるか或いはηPETが相対的に高すぎる場合は、プリフ
ォーム成形時に内外層となるPETの抵抗が大きい為、中
間層のEVOHが均一層状に射出され難く、射出方向に沿っ
たすじ状になって挿入される。従ってブロー成形後に
は、このすじがボトルの縦すじとなって残りやすく、ま
た厚みが不均一となりガスバリヤー性も劣る。又上記Δ
ηが負値で大きい値を示す場合、すなわちηEVOHが相対
的に高すぎるか、或はηPETが相対的に低すぎる場合、
中間層にEVOHの流れに内外層のPETがその界面において
流れの影響を受け、射出方向に対して直角に波形模様が
出る。或いはEVOH層厚が射出方向に不均一になる等の問
題が生ずる。
EVOHは、エチレン・酢酸ビニル共重合体をけん化度95
%以上、好ましくは98%以上の割合でけん化することに
より得ることができる。
%以上、好ましくは98%以上の割合でけん化することに
より得ることができる。
尚、本発明における見掛け溶融粘度は後述するような
装置によって測定される値である。
装置によって測定される値である。
共重合PET層あるいはEVOH層には、着色剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、抗菌
剤などの添加剤が配合されていてもよい。
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、抗菌
剤などの添加剤が配合されていてもよい。
また若干透明性を犠牲にしても差支えない場合には、
無機充填剤の如き添加剤を配合してもよい。
無機充填剤の如き添加剤を配合してもよい。
本発明の多層延伸容器は、共重合PET層の間にEVOHの
層が狭持された構成となっており、通常は3層構成であ
るが、このような構成をとる限り、更に他の層を積層さ
せた4層以上の構成となっていてもよい。例えば共重合
PET層とEVOH層との間に薄い接着層を設けた5層構成の
もの、また共重合PET/EVOH/共重合PET/EVOH/共重合PET
の如き5層構成のものであってもよい。希望する延伸容
器のガスバリヤー性や機械的強度のレベルによっても異
なるがEVOH層の厚みは、共重合PET層の総厚みの1〜20
%とくに3〜10%程度とするのがよく、その絶対値は、
例えば10〜200μ程度とするのが好ましい。また複数層
存在する共重合PET層の厚みは、同一でもまた互いに異
なっていてもよい。容器は一軸延伸でもよいが機械的強
度、均一な高ガスバリヤー性などから考慮して二軸延伸
されていることが望ましい。例えば容器軸方向に1.2〜1
0倍、とくに1.5〜5倍、また容器周方向に1.2〜10倍、
とくに1.5〜5倍に延伸されていることが望ましい。
層が狭持された構成となっており、通常は3層構成であ
るが、このような構成をとる限り、更に他の層を積層さ
せた4層以上の構成となっていてもよい。例えば共重合
PET層とEVOH層との間に薄い接着層を設けた5層構成の
もの、また共重合PET/EVOH/共重合PET/EVOH/共重合PET
の如き5層構成のものであってもよい。希望する延伸容
器のガスバリヤー性や機械的強度のレベルによっても異
なるがEVOH層の厚みは、共重合PET層の総厚みの1〜20
%とくに3〜10%程度とするのがよく、その絶対値は、
例えば10〜200μ程度とするのが好ましい。また複数層
存在する共重合PET層の厚みは、同一でもまた互いに異
なっていてもよい。容器は一軸延伸でもよいが機械的強
度、均一な高ガスバリヤー性などから考慮して二軸延伸
されていることが望ましい。例えば容器軸方向に1.2〜1
0倍、とくに1.5〜5倍、また容器周方向に1.2〜10倍、
とくに1.5〜5倍に延伸されていることが望ましい。
次に本発明の多層延伸中空容器を製造する方法につい
て述べる。最も単純な構成である3層容器を共射出法で
製造する場合について述べるが、EVOHの熱安定性、成形
性を考慮するとともに、優れた性状の成形品を長期間連
続成形するためには、次のような方法を採用するのが好
ましい。すなわち多層プリフォーム金型に共重合PETを
可塑化温度220〜250℃で一次射出し、次いでEVOHを共重
合PETの上記可塑化温度より10℃以上低く、かつ200〜24
0℃の温度で二次射出し多層プリフォームを成形する。
この際EVOHと共重合体PETが合流するホットランナーブ
ロック部は220〜240℃程度の温度にコントロールする。
多層プリフォームは、冷却後、再加熱して共重合PETの
延伸可能温度、例えば80〜140℃、好ましくは90〜120℃
として常法にしたがって延伸する。
て述べる。最も単純な構成である3層容器を共射出法で
製造する場合について述べるが、EVOHの熱安定性、成形
性を考慮するとともに、優れた性状の成形品を長期間連
続成形するためには、次のような方法を採用するのが好
ましい。すなわち多層プリフォーム金型に共重合PETを
可塑化温度220〜250℃で一次射出し、次いでEVOHを共重
合PETの上記可塑化温度より10℃以上低く、かつ200〜24
0℃の温度で二次射出し多層プリフォームを成形する。
この際EVOHと共重合体PETが合流するホットランナーブ
ロック部は220〜240℃程度の温度にコントロールする。
多層プリフォームは、冷却後、再加熱して共重合PETの
延伸可能温度、例えば80〜140℃、好ましくは90〜120℃
として常法にしたがって延伸する。
多層プリフォームはまた共押出法によっても製造する
ことができる。この場合も、共重合PETの押出温度を220
〜250℃に、またEVOHを200〜240℃にし、両者の合流す
るダイス部分の温度は230〜250℃にそれぞれ設定するの
がよい。
ことができる。この場合も、共重合PETの押出温度を220
〜250℃に、またEVOHを200〜240℃にし、両者の合流す
るダイス部分の温度は230〜250℃にそれぞれ設定するの
がよい。
[発明の効果] 本発明によれば、外観、耐衝撃性、ガスバリヤー性、
保香性、透明性に優れた延伸容器を提供できる。本発明
によれば、またこのような延伸容器をトラブルなしに長
時間連続成形することができる。
保香性、透明性に優れた延伸容器を提供できる。本発明
によれば、またこのような延伸容器をトラブルなしに長
時間連続成形することができる。
[実施例] 以下本発明を実施例により具体的に説明する。尚実施
例、比較例における成形加工及び評価、分析法は次に記
す条件、方法で行った。
例、比較例における成形加工及び評価、分析法は次に記
す条件、方法で行った。
(1)溶融見掛け粘度 インストロン社(米国)製キャピラリレオメーター32
11型を用い、規定の溶融温度、剪断速度下における剪断
応力を検出し、溶融見掛け粘度を算出した。詳細を次に
記す。
11型を用い、規定の溶融温度、剪断速度下における剪断
応力を検出し、溶融見掛け粘度を算出した。詳細を次に
記す。
キャピラリレオメーター3211型仕様 プランジャー速度…0.06〜20cm/min 荷重容量 …500〜2000kg 測定温度 …40〜399℃ 温度制御 …バレル部±2℃, キャピラリー部±0.5℃ バレル …直径0.953±0.0013cm 有効長25cm (キャピラリー部を含む) キャピラリー …直径0.0762cm 長さ2.54cm 材質 タングステンカーバイド 流入角度 …90゜ バレル、キャピラリー部共250℃(或いは230℃)にセ
ットし、温度制御が上記の範囲になった事を確認した
後、試料樹脂10gを手早くシリンダー内に入れる。5分
間経時し、樹脂を完全に溶融せしめ、ロードセルに接続
したプランジャーを規定速度(V=2.0〜20cm/分)で操
作させ、得られる力(F kg)を検出する。V,Fを次式
(1),(2)式に代入して流出速度(Q cm3/S)、圧
力(ΔP kg/cm2)を求め、これらを(3),(4)式に
代入して剪断速度( S-1)、剪断応力(τ,kg/cm2)
を得る。更にこれを(5)に代入して、溶融見掛け粘度
(ηa Pa・S)を得る。ηaとをグラフにプロットし
て=1500S-1のηaを求める。
ットし、温度制御が上記の範囲になった事を確認した
後、試料樹脂10gを手早くシリンダー内に入れる。5分
間経時し、樹脂を完全に溶融せしめ、ロードセルに接続
したプランジャーを規定速度(V=2.0〜20cm/分)で操
作させ、得られる力(F kg)を検出する。V,Fを次式
(1),(2)式に代入して流出速度(Q cm3/S)、圧
力(ΔP kg/cm2)を求め、これらを(3),(4)式に
代入して剪断速度( S-1)、剪断応力(τ,kg/cm2)
を得る。更にこれを(5)に代入して、溶融見掛け粘度
(ηa Pa・S)を得る。ηaとをグラフにプロットし
て=1500S-1のηaを求める。
DB =シリンダー直径(cm) Q=流出速度(cm3/S) τ =剪断応力(kg/cm2) ΔP=圧力(kg/c
m2) l =キャピラリー長さ(cm) d =キャピラリー半径(cm) =剪断速度(S-1) ηa =見掛けの溶融粘度(Pa・S) (2)融点 デュポン社製(米国)サーマルアナライザー990型示
差走査熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下10℃/分の
昇温速度にて測定し、吸熱ピークをもって融点とした。
m2) l =キャピラリー長さ(cm) d =キャピラリー半径(cm) =剪断速度(S-1) ηa =見掛けの溶融粘度(Pa・S) (2)融点 デュポン社製(米国)サーマルアナライザー990型示
差走査熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下10℃/分の
昇温速度にて測定し、吸熱ピークをもって融点とした。
(3)メルトフローインデックス(MFR) JIS K−6760準拠(210℃,2160g荷重) (4)多層延伸中空容器成形法 日精ASB機械社製多層2軸延伸配向ブロー成形機50T型
を用い、熱可塑性ポリエステル樹脂を内外層とし、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体を中間層とした多層延
伸中空容器を形成した。多層容器の胴部の延伸倍率は縦
方向1.92倍、横方向1.36〜2.14倍であり、容器の寸法は
高さ150mm,胴径70mm,胴部の肉厚は外層、内層が各々500
μm,中間層40μmで、内容積は550mlである。その他主
な射出成形条件は以下のとおりである。
を用い、熱可塑性ポリエステル樹脂を内外層とし、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体を中間層とした多層延
伸中空容器を形成した。多層容器の胴部の延伸倍率は縦
方向1.92倍、横方向1.36〜2.14倍であり、容器の寸法は
高さ150mm,胴径70mm,胴部の肉厚は外層、内層が各々500
μm,中間層40μmで、内容積は550mlである。その他主
な射出成形条件は以下のとおりである。
熱可塑性ポリエステル 可塑化温度: 220〜250℃ EVOH可塑化温度: 200〜240℃ ホットランナーブロック温度: 220〜240℃ 金型冷却温度: 10〜30℃ 熱可塑性ポリエステル 射出圧力: 2.9〜9.81MPa EVOH圧力: 10〜30MPa 多層プリフォーム加熱温度: 80〜140℃ 多層プリフォーム加熱時間: 5〜15秒 ブロー空気圧力: 1.96MPa 上記成形条件で得られたボトルの外観を目視により評
価、判定した。
価、判定した。
(5)酸素ガス透過量 モダンコントロール社(米国)製酸素ガス透過測定装
置OXTRAN(クーロメトリック検出器)を用い、(4)に
記した方法より得られる容器の30℃,80%RH雰囲気下で
の酸素ガス透過量を測定した。
置OXTRAN(クーロメトリック検出器)を用い、(4)に
記した方法より得られる容器の30℃,80%RH雰囲気下で
の酸素ガス透過量を測定した。
実施例1〜5、比較例1〜4 表1に示す各種共重合PETおよびPETと、表2に示す各
種EVOHを表3、表4に示す組み合わせで用い、ポリエス
テル樹脂およびEVOHの可塑化温度ならびにヒートブロッ
ク温度を表3、表4に示した条件に設定し、上記(4)
に示す方法で熱可塑性ポリエステル樹脂を内外層とし、
EVOHを中間層とした多層延伸中空容器を形成した。
種EVOHを表3、表4に示す組み合わせで用い、ポリエス
テル樹脂およびEVOHの可塑化温度ならびにヒートブロッ
ク温度を表3、表4に示した条件に設定し、上記(4)
に示す方法で熱可塑性ポリエステル樹脂を内外層とし、
EVOHを中間層とした多層延伸中空容器を形成した。
得られた中空容器の外観の観察および酸素ガス透過量
測定を行なった。結果を表3、表4に示す。
測定を行なった。結果を表3、表4に示す。
比較例5 表1に示したPET(No.5)のみを用い、表4の条件でP
ETの単層延伸中空容器を成形した。結果を表4にあわせ
て示した。
ETの単層延伸中空容器を成形した。結果を表4にあわせ
て示した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 1/09 B65D 1/00 B // B29K 67:00 B29L 22:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 49/00 - 49/80 B32B 27/28 B32B 27/36 B65D 1/00
Claims (2)
- 【請求項1】内外層がポリエステルでその中間層がエチ
レン・ビニルアルコール共重合体である少なくとも3層
の延伸中空容器において、ポリエステルが共重合成分を
3〜20モル%の重合割合で含有する共重合ポリエチレン
テレフタレートであって、250℃、1500sec-1の剪断速度
下での溶融見掛け粘度が40〜500Pa・Sのものであり、
エチレン・ビニルアルコール共重合体がビニルアルコー
ルを50〜70モル%の重合割合で含有し、230℃、1500sec
-1の剪断速度下での溶融見掛け粘度が80〜500Pa・S
で、かつ上記共重合ポリエチレンテレフタレートの溶融
見掛け粘度との差の絶対値が200Pa・S以下のもので構
成されていることを特徴とする多層延伸中空容器。 - 【請求項2】多層プリフォーム金型に、共重合成分を3
〜20モル%の重合割合で含有し、250℃、1500sec-1の剪
断速度下で溶融見掛け粘度が40〜500Pa・Sの共重合ポ
リエチレンテレフタレートを可塑化温度220℃〜250℃
で、またビニルアルコールを50〜70モル%の重合割合で
含有し、230℃、1500sec-1の剪断速度下での溶融見掛け
粘度が80〜500Pa・Sでかつ、上記共重合ポリエチレン
テレフタレートの溶融見掛け粘度との差の絶対値が200P
a・S以下のエチレン・ビニルアルコール共重合体を上
記共重合ポリエチレンテレフタレートの上記可塑化温度
より10℃以上低く、かつ200〜240℃の温度で射出して多
層プリフォームを製造し、次いで延伸することを特徴と
する多層延伸中空容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4646890A JP2898330B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-02-27 | 多層延伸中空容器及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4646890A JP2898330B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-02-27 | 多層延伸中空容器及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03247437A JPH03247437A (ja) | 1991-11-05 |
JP2898330B2 true JP2898330B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=12748005
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4646890A Expired - Fee Related JP2898330B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-02-27 | 多層延伸中空容器及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2898330B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11348197A (ja) * | 1998-04-09 | 1999-12-21 | Kuraray Co Ltd | 共射出延伸ブロ―成形ポリエステル容器 |
JPH11348194A (ja) * | 1998-04-09 | 1999-12-21 | Kuraray Co Ltd | 共射出延伸ブロ―成形容器 |
JPH11348195A (ja) * | 1998-04-09 | 1999-12-21 | Kuraray Co Ltd | ガスバリア―性に優れた共射出延伸ブロ―成形容器 |
JP4180186B2 (ja) * | 1998-04-09 | 2008-11-12 | 株式会社クラレ | エチレン−ビニルアルコール共重合体層を有する共射出延伸ブロー成形容器 |
US6759108B1 (en) * | 2000-05-12 | 2004-07-06 | Yoshino Kogyoshocco., Ltd. | Laminated plastic molded body |
EP1864797A4 (en) | 2005-04-01 | 2010-10-13 | Kureha Corp | BLOW MOLDED MULTILAYER CONTAINER AND PROCESS FOR PRODUCTION THEREOF |
-
1990
- 1990-02-27 JP JP4646890A patent/JP2898330B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03247437A (ja) | 1991-11-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3756547B2 (ja) | ポリエチレンテレフタレート含有積層体 | |
US4940616A (en) | Multilayered container and method for making | |
KR100915932B1 (ko) | 내열성 폴리에스테르 용기 및 그 제조 방법 | |
EP0218245B1 (en) | Injection stretch blow container | |
JPH0420784B2 (ja) | ||
JPH0227124B2 (ja) | ||
JP2898330B2 (ja) | 多層延伸中空容器及びその製法 | |
AU2003277521B2 (en) | Preform, process for producing the same, and biaxially drawn container made from the preform | |
GB2141970A (en) | Multi-layer drawn polyester bottle | |
JPS6236855B2 (ja) | ||
JPS6049431B2 (ja) | 多層容器前駆成形体 | |
JPH01254539A (ja) | 耐熱圧性多層容器及びその製法 | |
JPH02229023A (ja) | 中間層を内表面側に偏らせて配置した多層延伸成形容器の製造方法 | |
JPH0579575B2 (ja) | ||
JPS61197205A (ja) | 延伸ブロ−成形用プリフオ−ム | |
JPS61173924A (ja) | 延伸多層プラスチック容器の製法 | |
JPH0371972B2 (ja) | ||
JPH0478449B2 (ja) | ||
JPS6228333A (ja) | 多層ガスバリヤ−ポリエステル容器及びその製法 | |
JPH0427097B2 (ja) | ||
JPH03294B2 (ja) | ||
JP2004168039A (ja) | プリフォーム及びその製法、並びにこのプリフォームから成る二軸延伸容器 | |
JPS61259942A (ja) | 絞り成形多層容器及びそれに用いるブランク | |
JPH01153444A (ja) | 中空容器 | |
JPH0371008B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |